JP2002113603A - 防振切削工具 - Google Patents

防振切削工具

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JP2002113603A
JP2002113603A JP2000308283A JP2000308283A JP2002113603A JP 2002113603 A JP2002113603 A JP 2002113603A JP 2000308283 A JP2000308283 A JP 2000308283A JP 2000308283 A JP2000308283 A JP 2000308283A JP 2002113603 A JP2002113603 A JP 2002113603A
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vibration
cutting tool
tool
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tip
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JP2000308283A
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Inventor
Hiroaki Koyama
弘晃 小山
Hideyuki Fukaya
英幸 深谷
Isao Ito
勲 伊東
Takashi Ito
尚 伊藤
Yasuaki Akaha
靖明 赤羽
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構成で防振効果を高めることができる
防振切削工具を提供する。 【解決手段】 防振切削工具30は、先端31aにスロ
ーアウェイチップ40を備えた工具本体31と、この工
具本体31の基端31bから先端31aに向けて穿設し
た保持穴35と、この保持穴35に挿入することにより
工具本体31に埋め込んだ超硬質材料の中空部材45
と、この中空部材45の中空部46に充填したゲル状の
ダンパー物質48と、このダンパー物質48を充填した
後に保持穴35の基部35aを塞ぐプラグ50とからな
り、スローアウェイチップ40の振動を中空部材45並
びにダンパー物質48にて減衰させるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば切削工具の
振動を減衰する防振切削工具に関する。
【0002】
【従来の技術】深溝加工用の切削工具は、工作機械への
取付部位から工具先端までの突出し長さが大きいので、
ワークを加工する際に振動が発生し易い。切削工具に振
動が発生すると、切削工具の寿命が短くなり、さらに加
工精度も高め難くなる。加工中の切削送りを遅くするこ
とで切削工具の振動をある程度抑えることは可能である
が、切削送りを遅くすると加工時間が長くなり、生産性
を高め難くなる。振動を防ぐ防振切削工具として、例え
ば特開平7−285002号公報「深部加工用の防振工
具」が提案されている。この技術の要旨を次図に示す。
【0003】図6は従来の防振切削工具の断面図であ
る。防振切削工具100は、工具本体101に挿入穴1
02を開け、挿入穴102に超硬合金製丸棒103を圧
入し、先端にチップ104を取付けたものである。超硬
合金製丸棒103は、ヤング率が大きく且つ剛性が高い
部材なので加工中の振動を抑えることができる。これに
より、防振切削工具100の切削送りを速くすることが
できる。
【0004】この防振切削工具100は、超硬合金製丸
棒103の一部材のみで振動を抑えるので、十分な防振
性を確保できない虞れがある。防振性をより高めた防振
切削工具として、特開平5−228707号公報「切削
工具」が提案されている。この技術の要旨を次図に示す
【0005】図7は従来の防振切削工具の断面図であ
る。防振切削工具110は、工具本体111に挿入穴1
12を開け、挿入穴112にロッドばね113を挿入し
て基端のねじ部113aをねじ穴114に捩じ込み、挿
入穴112とロッドばね113との間の隙間に粘弾性材
115,115を配置し、工具本体111とカティング
ヘッド116との間に摩擦吸振材117,117を配置
し、カティングヘッド116をボルト118でロッドば
ね113の先端に取り付け、カティングヘッド116に
チップ119を取り付けたものである。
【0006】摩擦吸振材117,117は、切削中に矢
印方向に振動することで摩擦熱を発生し、振動エネルギ
を熱エネルギに変換して振動を減衰する。加えて、粘弾
性材115,115は、摩擦吸振材117,117で減
衰した振動をさらに減衰する。摩擦吸振材117,11
7及び粘弾性材115,115で、段階的に振動を減衰
するので防振切削工具110の減衰効果をより高めるこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、防振切削工具
110は、粘弾性材115や摩擦吸振材117を取り付
けるために、工具本体111からカティングヘッド11
6を分割する必要がある。このため、粘弾性材115や
摩擦吸振材117の他にも、ロッドばね113やボルト
118の部材が必要になり部品点数が多くなる。従っ
て、組み立て作業に手間がかかり、そのことがコストア
ップの要因になる。
【0008】そこで、本発明の目的は、簡素な構成で防
振効果を高めることができる防振切削工具を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の請求項1は、先端に切刃を備えた工具本体
と、この工具本体の基端から先端に向けて穿設した保持
孔と、この保持孔に挿入することにより工具本体に埋め
込んだ超硬質材料の中空部材と、この中空部材の中空部
に充填したゲル状のダンパー物質と、このダンパー物質
を充填した後に保持孔の基部を塞ぐプラグと、からな
り、切刃の振動を中空部材並びにダンパー物質にて減衰
させることを特徴とする。
【0010】工具本体に超硬質材料の中空部材を埋め込
み、中空部材にゲル状のダンパー物質を充填することで
振動を減衰する。工具本体に中空部材やダンパー物質を
埋め込むだけの構成なので、部品点数を減らし、手間を
かけないで簡単に組み立てることができる。
【0011】また、防振切削工具に超硬質材料の中空部
材を埋め込んだ。超硬質材料はヤング率(縦弾性係数)
が大きく且つ剛性が高いので、防振切削工具に発生する
振動を効率よく抑えることができる。加えて、中空部材
にゲル状のダンパー物質を充填した。ゲル状物質は、振
動すると、粒子が粘性変形を繰り返し振動エネルギを内
部摩擦熱に変えて消散することができる。このように、
減衰効果のある中空部材及びダンパー物質を組み合わせ
ることで、振動を段階的に減衰することができるので、
振動を減衰効果を十分に高めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係る防振切削工具を備えた
NC工作機械の斜視図であり、図左上に示すXはテーブ
ルの移動方向、YはXに直交する軸、ZはX,Yに直交
する鉛直軸である。
【0013】NC工作機械10は、ベース11にX軸方
向に移動自在に取付けたテーブル12と、このテーブル
12の両側から立上げた固定コラム13と、この固定コ
ラム13にY軸に平行に固定したレール14と、このレ
ール14に沿って移動自在に取付けたY軸部15と、こ
のY軸部15にZ軸に平行に移動自在に取り付けたZ軸
部16と、このZ軸部16のスピンドル17に取り付け
てテーブル12上のワーク19を切削する切削工具装置
20と、この切削工具装置20を交換するための自動工
具交換装置21とからなる。
【0014】自動工具交換装置21は、ツールマガジン
22とチェンジャアーム23とからなり、ツールマガジ
ン22は切削工具装置20・・・(・・・は複数個を示す)を
予め納めておくものであり、チェンジャアーム23はZ
軸部16の切削工具装置20をツールマガジン22の切
削工具装置20・・・と交換するものである。切削工具装
置20は、シャンク25に本発明に係る防振切削工具3
0を取り付けたものである。以下、本発明に係る防振切
削工具30について詳しく説明する。
【0015】図2は本発明に係る防振切削工具の断面図
である。防振切削工具30は、シャンク25にボルト2
4,24で固定し、このシャンク25をZ軸部16(図
1も参照)のスピンドル17に取り付けることにより、
Z軸部16に同軸上に取り付けたものである。
【0016】防振切削工具30は、先端31aに切刃
(スローアウェイチップ)40を備えた工具本体31
と、この工具本体31の基端31bから先端31aに向
けて穿設した保持穴35と、この保持穴35に挿入する
ことにより工具本体31に埋め込んだ超硬質材料の中空
部材45と、この中空部材45の中空部46に充填した
ゲル状のダンパー物質48と、このダンパー物質48を
充填した後に保持穴35の基部35aを塞ぐプラグ50
とからなり、スローアウェイチップ40の振動を中空部
材45並びにダンパー物質48にて段階的に振動を減衰
させるものである。
【0017】工具本体31は、シャンク25の把持用フ
ランジ26にボルト24,24で取付け可能なフランジ
32を備え、基端外周にシャンク25のテーパ穴27に
差し込むためのテーパ部33を形成し、保持穴35の基
部35aに雌ねじを形成し、保持穴35の底部35bか
ら先端31aまで冷却油路37を延し、冷却油路37の
出口37a側に凹部38を形成し、凹部38にスローア
ウェイチップ40をボルト41で着脱自在に取り付け、
スローアウェイチップ40を押え部材42で押えたもの
である。押え部材42はボルト43で工具本体31の凹
部38に取り付けることができる。
【0018】工具本体31の全長をLとしたときに、保
持穴35は(1/2)×L〜(2/3)×Lの長さにな
るように形成した穴である。保持穴35の長さが(2/
3)×Lを越えると、工具本体31の中実部分が少なく
なり、工具本体31の剛性が小さくなり過ぎる。また、
保持穴35の長さが(1/2)×L未満になると、剛性
は十分に確保できるものの中空部材45やダンパー物質
48の量が少なくなり、振動エネルギの吸収作用が低下
する。よって、保持穴35の長さは、(1/2)×L〜
(2/3)×Lの範囲にする。
【0019】スローアウェイチップ40・・・は、いわゆ
る使い捨てチップであり、ボルト41を外すことで新た
なスローアウェイチップ40・・・と交換することができ
る。このスローアウェイチップ40・・・は、一例として
120゜間隔に3個取り付けたものが好ましいが、スロ
ーアウェイチップ40の数はこれに限定されるものでは
ない。
【0020】中空部材45は、超硬合金やセラミックス
などの超硬質材料で形成した筒体であり、保持穴35に
圧入することで先端45bを保持穴35の底部35bに
到達させたものである。この中空部材45は、ヤング率
が大きく且つ剛性が高い部材であり、工具本体31に埋
め込むことでワーク(図示しない)の切削中に振動の発
生を抑えることができる。
【0021】ダンパー物質48は、中空部材45の中空
部46に、基端45aから先端45bの全域にわたって
充填した物質で、中心軸上に冷却油を通すための冷却油
路49を備える。冷却油路49は、保持穴35の底部3
5bを経て工具本体31の冷却油路37に連通する。
【0022】このダンパー物質48は、ゲル(gel)状
の物質であり、一例としてシリコーン(Silicone)をベ
ースとした付加反応型シリコーンが該当する。この付加
反応型シリコーンは、2液を混合した後、真空脱泡・加
熱硬化させて針入度(JISK2530)を50〜20
0としたゲル状物質である。
【0023】ダンパー物質48は、振動の影響を受ける
と、粒子が粘性変形を繰り返して振動エネルギを内部摩
擦熱に変えることができる。また、ダンパー物質48
は、硬度を針入度50〜200に設定することで、中心
軸上に冷却油路49を形成することができ、さらに冷却
油路49に冷却油を通過させることができ、加えて切削
中に振動が発生しても冷却油路49の形状を正常に維持
することができる。
【0024】ここで、シリコーンとは、けい素を含む有
機化合物の高分子同族体の総称であり、その状態によ
り、シリコーングリース、シリコーンオイル、シリコー
ン樹脂と呼ばれる。また、「針入度」とは、針入度計で
測定したゲルの硬さを示す数値であり、所定温度におい
て針に荷重50gをかけ、針が所定時間にゲルに貫入す
る深さをmm単位で測定し、その数の10倍で表示した
数値を示す。
【0025】プラグ50は、保持穴35の基部35aに
備えた雌ねじにねじ結合することで保持穴35を塞ぐと
ともに、中空部材45の基端45a及びダンパー物質4
8の基端48aを押え付けるスクリュープラグである。
このプラグ50は、中心軸上に冷却油路51を備え、冷
却油路51はダンパー物質48の冷却油路49に連通す
る。さらに、冷却油路51はシャンク25の中空部53
を介してつかみ部29aの貫通孔29cに連通する。
【0026】従って、冷却油は、つかみ部29aの貫通
孔29cからシャンク25の中空部53に流れ、中空部
53に流れた冷却油は、プラグ50の冷却油路51、ダ
ンパー物質48の冷却油路49、工具本体31の冷却油
路37に流れ、冷却油路37の出口37aからスローア
ウェイチップ40に供給される。なお、つかみ部29a
はシャンク25にねじ結合した部材である。
【0027】シャンク25は、Z軸部16(図1も参
照)のスピンドル17に差込むための外周テーパ部28
を形成し、下端外周にスピンドル17に抜き差しするた
めの把持する把持用フランジ26を形成し、把持用フラ
ンジ26の内部に防振切削工具30のテーパ部33を差
し込むためのテーパ穴27を形成したものである。29
b・・・はつかみ部29aを掴む爪である。この爪29b・
・・をつかみ部29aから解放することにより、シャンク
25を取り外すことができる。
【0028】このため、防振切削工具30は、シャンク
25と一体にスピンドル17から脱着することや、シャ
ンク25から脱着することが自在に行える。また、シャ
ンク25を交換することにより、防振切削工具30を他
の工作機械に取り付けることができる。このため、防振
切削工具30を複数の工作機械に汎用的に使用すること
ができる。
【0029】さらに、防振切削工具30は、スローアウ
ェイチップ40を使用しているので、工具本体31から
スローアウェイチップ40を簡単に取り外すことができ
る。このため、例えばスローアウェイチップ40が損耗
しても、新たなスローアウェイチップ40と交換して工
具本体31を継続して使用することができる。
【0030】以上に述べた本発明に係る防振切削工具3
0の作用を説明する。図3は本発明に係る防振切削工具
の第1作用説明図であり、工作機械側から防振切削工具
30に伝わる振動を減衰する例を説明した図である。防
振切削工具30を矢印の如く回転させながら矢印の
如く移動してスローアウェイチップ40でワーク19に
深溝19aを加工する。このとき、工作機械側の振動が
矢印の如くシャンク25から工具本体31に伝わり、
工具本体31から中空部材45に伝わる。中空部材45
は、超硬合金やセラミックスなどの超硬質材料で形成し
た筒体であり、ヤング率が大きく、剛性が高いので振動
を抑えることができる。
【0031】中空部材45で抑えられた振動はダンパー
物質48に伝わり、ダンパー物質48が振動する。この
振動でダンパー物質48の粒子が粘性変形を繰り返し、
工具本体31の振動エネルギを内部摩擦熱に変えて消散
する。このように、中空部材45で振動を抑え、かつダ
ンパー物質48で振動エネルギを内部摩擦熱に変えると
いう段階的な防振構造を採用することで、工具本体31
に発生した振動カーブ55aを振動カーブ55bに減衰
することができる。
【0032】図4は本発明に係る防振切削工具の第2作
用説明図であり、防振切削工具30の先端31a側から
伝わる振動を減衰する例を説明した図である。防振切削
工具30を矢印の如く回転させながら矢印の如く移
動してスローアウェイチップ40でワーク19に深溝1
9aを加工する。これにより、工具本体31の先端31
aが白抜き矢印の如く振動して、この振動が矢印の如
く工具本体31から中空部材45に伝わる。中空部材4
5は、超硬合金やセラミックスなどの超硬質材料で形成
した筒体であり、ヤング率が大きく、剛性が高いので振
動を抑えることができる。
【0033】中空部材45で抑えられた振動はダンパー
物質48に伝わり、ダンパー物質48が振動する。この
振動でダンパー物質48の粒子が粘性変形を繰り返し、
工具本体31の振動エネルギを内部摩擦熱に変えて消散
する。このように、中空部材45で振動を抑え、ダンパ
ー物質48で振動エネルギを内部摩擦熱に変えるという
段階的な防振構造を採用することで、工具本体31に発
生した振動カーブ56aを振動カーブ56bに減衰する
ことができる。
【0034】図5(a),(b)は本発明に係る防振切
削工具の減衰状態を説明するグラフであり、(a)は防
振切削工具に超硬質材料のみを埋め込んだ場合の振動加
速度を「比較例」として示し、(b)は図1〜図4で説
明した防振切削工具30の振動加速度を「実施例」とし
て示した。縦軸は加速度(G)を示し、横軸は加工時間
(T)を示す。
【0035】切削条件は、防振切削工具の突出長さLを
80mm、回転数Rを3000rpm、送り速度を30
00mm/分として、この防振切削工具で鋳造金型に切
削深さ60mmの深溝を加工し、このときに防振切削工
具に発生する加速度Gを計測し、さらに加工精度を確認
した。(a)において、防振切削工具の最大加速度は
0.74Gと大きく、防振切削工具に超硬質材料のみを
埋め込んだだけでは振動を十分に減衰することが難しい
ことが判った。
【0036】(b)において、防振切削工具30の最大
加速度は0.35Gであり、(a)の最大加速度0.7
4Gと比較すると約1/2まで小さくできる。従って、
防振切削工具30のように、中空部材45及びダンパー
物質48を備えて振動を段階的に抑えることで、防振効
果を十分に高めることができることが判った。従って、
防振切削工具30(図2に示す)の寿命を長くすること
ができ、かつ防振切削工具30の切削送りを高速にして
加工時間を短くすることができる。
【0037】前記実施例では、防振切削工具30を工作
機械に縦向きにセットした例を説明したが、横向きにセ
ットしても同様な効果を得ることができる。前記実施の
形態では、プラグ50をスクリュープラグとした例につ
いて説明したが、その他のプラグとして例えば圧入用の
プラグを使用してもよい。ダンパー物質48に冷却油路
49を形成した例について説明したが、冷却油路49を
備えなくてもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、工具本体に超硬質材料の中空部材を
埋め込み、中空部材にゲル状のダンパー物質を充填する
ことで振動を減衰する。工具本体に中空部材やダンパー
物質を埋め込むだけの構成なので、部品点数を減らし簡
素な構成にすることができる。従って、組立て作業を手
間をかけないで簡単に行うことができ、コストを抑える
ことができる。
【0039】また、防振切削工具に超硬質材料の中空部
材を埋め込んだ。超硬質材料はヤング率(縦弾性係数)
が大きく且つ剛性が高いので、防振切削工具に発生する
振動を効率よく抑えることができる。加えて、中空部材
にゲル状のダンパー物質を充填した。ゲル状物質は、振
動すると、粒子が粘性変形を繰り返し振動エネルギを内
部摩擦熱に変えて消散することができる。
【0040】このように、減衰効果のある中空部材及び
ダンパー物質を組み合わせることで、振動を段階的に減
衰することができるので、振動を減衰効果を十分に高め
ることができる。従って、防振切削工具の寿命を長くす
ることができ、かつ防振切削工具の切削送りを高速にし
て生産性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る防振切削工具を備えたNC工作機
械の斜視図
【図2】本発明に係る防振切削工具の断面図
【図3】本発明に係る防振切削工具の第1作用説明図
【図4】本発明に係る防振切削工具の第2作用説明図
【図5】本発明に係る防振切削工具の減衰状態を説明す
るグラフ
【図6】従来の防振切削工具の断面図
【図7】従来の防振切削工具の断面図
【符号の説明】
30…防振切削工具、31…工具本体、31a…先端、
31b…基端、35…保持穴、40…切刃(スローアウ
ェイチップ)、45…中空部材、48…ダンパー物質、
50…プラグ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊東 勲 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 伊藤 尚 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 赤羽 靖明 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3C046 BB02 3J048 AA06 BE06 EA07 EA31

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に切刃を備えた工具本体と、 この工具本体の基端から先端に向けて穿設した保持孔
    と、 この保持孔に挿入することにより工具本体に埋め込んだ
    超硬質材料の中空部材と、 この中空部材の中空部に充填したゲル状のダンパー物質
    と、 このダンパー物質を充填した後に保持孔の基部を塞ぐプ
    ラグと、からなり、 切刃の振動を中空部材並びにダンパー物質にて減衰させ
    ることを特徴とする防振切削工具。
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