JP4552214B2 - 作業機械のびびり防止構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工工具を介してワークに加工処理を施す際に、びびりが発生することを防止するための作業機械のびびり防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、加工工具を介してワークに加工処理を施すために、各種の工作機械が使用されている。例えば、ボーリング加工は、中ぐり用バイト(刃先)が設けられたボーリングツールを工作機械の回転主軸(スピンドル)に取り付け、前記ボーリングツールを高速で回転させながら下穴に沿って順次繰り出すことにより、その刃先加工径で所定の位置に高精度な孔部を加工するものである。
【0003】
図1に示すように、通常のボーリングバー1は、いわゆる片持ち方式であり、その先端に切削工具(刃先)2が設けられるとともに、他端が工作機械の主軸(図示せず)に取り付けられている。そこで、図2に示すように、ボーリングバー1によりワークWの下穴3を構成する内壁面4にボーリング加工を施すと、このボーリングバー1の刃先2に切削抵抗Fがかかり、その大きさによって前記ボーリングバー1がδだけ撓む(図1参照)。この撓み量δは、作用する荷重の大きさとボーリングバー1自体の剛性によって決まってくる。
【0004】
具体的には、切削抵抗Fは、加工されるワークWの硬さや加工における取り代や一回転当たりの送り量等により決まる。また、ボーリングバー1の剛性は、その材質と長さや径等により異なっている。同じ材質のものであれば、太くて短い方が剛性が高く、長くて細い方が剛性が低くなる。しかしながら、実際上、加工されるワークWをクランプする治具や加工穴の形状の干渉等により、ボーリングバー1を十分な太さや短い形状に設定することができず、切削抵抗Fによって前記ボーリングバー1に撓みが発生してしまう。
【0005】
ここで、ボーリング加工の切削作業をミクロ的にみれば、主軸の回転と送り作用によって刃先2を強制的にワークWに食い込ませており、その圧力と温度によって前記ワークWを連続的に変形させて破断している。このため、加工作業時には、刃先2とワークWの間で、常に、破断による微細な加工振動が生じている。
この振動や切削抵抗Fの変化は、ボーリングバー1への荷重の変化となって表れ、その撓み量δもそれによりわずかに変化することになる。
【0006】
一方、ボーリングバー1は高剛性を有する弾性体であるので、その切削抵抗Fの変化や切削振動を生じさせようとする作用力に対し、それに抵抗して元の状態に復元しようとする力が働き、場合によっては、該力が切削軌跡と共振現象を起こし、このボーリングバー1が振動することになる。このような状態では、図3に特徴的に示すように、ワークWの内壁面4には、ボーリングバー1の振動に起因する僅かな凹凸面5が形成されてしまう。
【0007】
さらに、加工に伴うボーリングバー1の撓み変化は、それに作用する切削抵抗Fの変化や切削振動がごく微細なものであっても、その前加工の軌跡に沿って加工を継続すると、軌跡振動線とボーリングバーの固有振動特性が共振作用を惹起し、振動が大きく成長する。これにより、図4に示すように、ボーリングバー1の加工による振動6aが振動6bから振動6cに増幅していき、結果的に前記ボーリングバー1自体の固有振動数で振動をすることになる。この振動がびびり(所謂、再生びびりを含む)となって加工に表れてしまう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のびびりを押さえるために、従来から種々の方法が採用されている。例えば、ボーリングバー1自体の剛性を上げるため、このボーリングバー1の径を大きくしたり、その突き出し長さを短くしたり、または前記ボーリングバー1の材質を変えることが考えられる。
【0009】
しかしながら、ツーリングの設計にあたっては、加工の安定性や加工精度の確保並びにびびり防止等を図るために、ボーリングバー1に最大の剛性を持たせるようにしており、これ以上に剛性を高くすることは相当に困難なものとなってしまう。さらに、ボーリングバー1の剛性に関係する形状と寸法は、加工されるワークWやそのワークWを固定する治具等により必然的に決まっており、各々のツーリング設計の段階で行なえる最大限の工夫がなされている。従って、同じ形状のワークWでは、ボーリングバー1の剛性をさらに上げることは極めて難しい。
【0010】
そこで、ボーリングバー1による切削の加工条件を変更することが考えられる。例えば、今回の切削が、前回の切削で形成された凹凸加工軌跡の影響を受けないようにする工夫であり、一回転当たりの切削送り量を大きくする方法がある。
すなわち、通常のボーリング加工では、一回転当たりの送り量が相対的に少なく、前回の切削で形成された凹凸軌跡の影響をボーリングバー1が比較的受け易いため、切削送り量を大きして前回の切削軌跡の影響をより受け難くすることにより、びびりの発生を抑えようとするものである。
【0011】
しかしながら、上記の方法では、びびりが解消したとしても、切削抵抗が大きくなって真円度が悪くなったり、所望の面粗度が得られなかったりするという問題が指摘されている。
【0012】
また、びびりは、ボーリングバー1等の工具の固有振動特性と主軸の回転数がある条件で合致をした際に生じるので、その合致条件となる主軸の回転数を避けるようにすればびびりは生じない。ところが、主軸の回転数をごくわずかづつ変えていくことにより、びびりが出ない条件を見出さなければならず、その回転数を検出する作業が相当に困難なものとなってしまうという不具合がある。
【0013】
さらにまた、工具の刃先の形状(例えば、すくい角やブレーカー形状)を変える方法も試みられているが、切削抵抗や切りくずの出方は変わっても、自らの個有振動特性は同じツーリングをしている限りほとんど変わることがなく、びびりも消滅しない場合が多い。
【0014】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができ、高精度な加工作業が効率的に遂行可能な作業機械のびびり防止構造を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
びびりの一つである再生びびりは、前回の加工周回で自らが形成した切削の凹凸軌跡に沿って同様に加工を進めていくに従って、共振作用で振動が徐々に成長していき、最終的に大きな振動が発生し、これがびびりとなって表れるものである。従って、びびりの始まりは、自らが加工中に作り出す小さな振動からであり、この小さな振動をそれが小さなうちに抑制して成長をさせないようにすれば、びびりは生じないことになる。
【0016】
すなわち、いかにして固有の振動を持続・成長させないようにするかがびびりの有効な防止対策となり、本発明では、ワークの加工時にびびりの要因となる振動エネルギーを、滑り摩擦によって吸収消散するフリクションダンパー用マグネットを備えている。
【0017】
加工工具、例えば、ボーリングバーに加わる力とその変形を、エネルギーとの関係で検証すると、切削抵抗や加工振動でボーリングバーに外力が作用する際、その加えられた力の大きさに対応して前記ボーリングバーが比例的に撓むことになる(フックの法則)。これは、外部より加えられた力のエネルギーが、ボーリングバーを変形させる弾性エネルギーに使われてエネルギーが変換保存されたことになる。そこで、ボーリングバーに加えられる力のエネルギーが、ボーリングバーの撓み変形にだけ使われるとすると、前記加えられる力の大きさは前記ボーリングバーの撓み量の大きさになって表われるだけであり、その力が解除されると該ボーリングバーがただちに元の形状に復帰することになる。
【0018】
この場合、ボーリングバーにびびりが生じている状態とは、前記ボーリングバーを一定量変形させるエネルギーだけでなく、それを起こす新たなエネルギーが該ボーリングバーに付与され、しかもそれが絶え間なく供給される状態であるといえる。すなわち、ボーリングバーを変形させる以上のエネルギーが、このボーリングバーに絶え間なく供給される状態になった時、始めてびびりが生じることになる。
【0019】
換言すると、ボーリングバーに新たにエネルギーが付与される時とは、このボーリングバーの振動位相とタイミングを合わせるようにして新たな加振力が加わわった時であるといえる。これは、図5に示すように、ボーリングバー1でワークWにボーリング加工を施している際、図6に示すように、前記ボーリングバー1が下に向かって動いている時にタイミングよく下向きの新たな力が加わる一方、前記ボーリングバー1が上向きの方向に動いている時にタイミングよく上向きの力が新たに加わわった時である。
【0020】
これにより、ボーリングバー1が、その切削軌跡にそって加工を進めると、ほぼ同じ振動のタイミングが同じ方向より新たな外力として加わることになり、両方の振動のタイミングが一致して前記ボーリングバー1にエネルギーが徐々に供給蓄積される。従って、ボーリングバー1の振動振幅がだんだんと大きくなり、結果的に共振によるびびりが発生することになる。
【0021】
そこで、振動をしているボーリングバー1の先端に物体を取付けると、その物体はボーリングバー1の動きと同様な動作を行い、前記ボーリングバー1が振動をすると、その振動に沿って前記物体が同様に振動することになる。この物体をマグネットによりボーリングバー1に取付けるとすると、その物体と前記ボーリングバー1の動きは、マグネットの吸着条件等により変わることになる。
【0022】
その際、マグネットの吸着力が大変強いと、物体はボーリングバー1と一体的に動くことになる。一方、物体を振動方向に動かすのに十分な吸着力がないとすると、その物体は慣性力によりボーリングバー1の動きに対して横滑りをしながら動くことになる。また、吸着力が大変弱いと、物体はボーリングバー1から飛び出して外れることになる。
【0023】
そこで、図7(A)に示すように、ボーリングバー1と物体10との間にマグネット12を介装するとともに、振動により前記ボーリングバー1と前記物体10とに互いに横滑り現象が生じるように設定されている。この状態で、図7(B)に示すように、ボーリングバー1が急に下向き(矢印X方向)に動こうとすると、物体10には位置エネルギーが作用するため、前記ボーリングバー1より相対的に見ると、この物体10は逆の上向き(矢印Y方向)に動くことになる。図7(C)に示すように、反対に、ボーリングバー1が急に上向きに動こうとすると、同じく物体10に位置エネルギーが作用して、この物体10が前記ボーリングバー1に対して相対的に下向きに動くことになる。
【0024】
このように、加振力が加わった時、ボーリングバー1が動こうとする方向と物体10が動こうとする方向とが正反対になる。また、力がボーリングバー1に加わるタイミングと、物体10がそれにより動くタイミングの関係は、ほぼ同じである。
【0025】
この状態をエネルギー的に見れば、ボーリングバー1の先端に取付けてある物体10を動かそうとする運動エネルギーは、マグネット12の付着力による横滑りの摩擦エネルギーに変換消費されたことになる。ここで、エネルギーの消費とは、マグネット12の横滑りにより熱に変換されたことをいい、これはエネルギー保存の法則に従うものである。すなわち、ボーリングバー1の運動エネルギーは、その先端の物体10を動かすように働くが、マグネット12の作用により両者をお互いに横滑りさせ、そこに生じた摩擦で運動エネルギーを吸収散逸させることになる。
【0026】
この物体10を制振材としてマグネット12でボーリングバー1の中に取り付けると、このボーリングバー1の振動する力は、このマグネット12の摩擦力により消費(吸収)されることになる(図8参照)。これにより、新たにボーリングバー1に付与されるエネルギーが、マグネット12の摩擦力によって消費吸収され、びびりの発生を有効に阻止することができる。
【0027】
さらに、図9に示すように、マグネット12のすべり摩擦による効果は、ある一定以上の振幅を持つ加振力に対してフリクションダンパーが働き始める。すなわち、フリクションダンパーが横滑りを開始するまでには、ある一定以上の振動振幅が必要となる。一方、加振の振幅が大変大きくなり、その振動がすべり摩擦によって消費吸収できなくなると、このすべり摩擦による効果を発揮できない。
しかし、振動はいきなり大きくなるのではなく、始めは徐々に振動が出てきてそれが大きくなるのであるから、図9に示す効果のある摩擦すべりの範囲を必ず通っていくため、その間で効果が発揮されてそれ以上に振動振幅が拡大しないので、びびりは発生しない。
【0028】
このように、振動振幅とびびりとの関係においては、前記びびりが大変小さな振動より始まっており、その振動に新たな加振振動がタイミングよく加わることでびびりが生じている。このため、振動が生じた初期の段階でそのエネルギーを消費散逸させてしまえば、新たな加振エネルギーがボーリングバー1に入り込むことがなく、連続的なエネルギーの注入が惹起されず、びびりが発生することがない。
【0029】
上記の説明では、ボーリングバー1の中にマグネット12を介して物体(フリクションダンパー)10を取り付ける構造を採用したが、この物体10自体がマグネット12であってもよい。また、マグネット12とボーリングバー1の間に鉄板等の板状の磁性体を介装してもよい。ここで、板状とは、面板状およびリング板状を含むものである。これにより、吸着力に安定性が得られ、また小さな力で横滑りを開始することができる。
【0030】
ここで、横滑りする物体10の質量は、振動周波数に応じた質量を有することが必要である。高い周波数では、比較的小さな質量でよい(例えば一グラム以下から数グラム内外)が、低い周波数では、比較的大きな質量(数グラムから数十グラム内外)になる。すなわち、フリクションダンパーの質量の大きさは、振動周波数に反比例するとともに、このフリクションダンパーが効き始める振動振幅は、マグネット12の強さに反比例する。
【0031】
このフリクションダンパーの質量と周波数の関係の計算式は、下記の通りである。
【0032】
Xed=〔(1+π/2)×Fst〕÷〔(2πf)×M〕
ここで、Xedは、滑り出す振幅であり、通常は、0.1μm〜0.001μmにするのが一般的と思われる。実験で滑り出しの振幅を計算したところ、0.01μm〜0.008μmという小さな振幅であった。
【0033】
Fstは、マグネット12が滑り動きだす力であり、数グラムから数十グラムである。
【0034】
fは振動数であり、ボーリングバー1で500〜10,000Hz程度であるが、今回実験に使ったものの固有振動数は、10,000Hzと大変高い。
【0035】
Mはダンパーの質量であり、ボーリングバー1の先端に内装される物では、数グラム内外となる。
【0036】
ここで、マグネット12の摩擦により振動エネルギーを散逸させるには、吸収散逸のための摩擦運動ができるだけ振動の小さい時より起こるようにした方がよい。そのため、ボーリングバー1が振動を開始した直後に、摩擦物体10も振動を開始するように、マグネット12の強さやその物体10の大きさや、あるいは取り付け面等を調整しておく。また、ボーリングバー1を加振するエネルギーが大きい場合は、マグネット12の吸着力と物体10の質量が大きくなくては、それ相当の吸着力による摩擦力が発生せず、効果がでないおそれがある。しかし、ほとんどのびびりの例においては、始めはいずれも小さな振動であるため、その振動が小さい内に摩擦による振動の吸収散逸をさせると、その振動が成長することなくびびりが発生することがない。他方、質量を大きくする方法としては、鉛や超硬材等をマグネット12と張り合わせて使う方法もある。
【0037】
ここで、ボーリングバー1に供給されるエネルギーと、マグネット12による摩擦作用により吸収散逸するエネルギーとの関係であるが、これは図9に示されている。すなわち、マグネット12で付着された物体10にはポテンシャルエネルギーがあり、ある程度の加振力による振動振幅が働かないとそれ自体が動かない(動かなければ、摩擦減衰は起こらない)。従って、摩擦減衰を生じさせるためには、物体10が有する(マグネット12による吸着力を含む)ポテンシャルエネルギー以上の加振力が働かなければならない。
【0038】
また、摩擦減衰の方式は、ボーリングバー1の振動が一定振幅以上あって始めて前記ボーリングバー1に取り付けられた物体10が滑り出し、お互いの間に摩擦が生じて減衰効果を発揮するのであるから、前記物体10が働いている時とは振動がある時である。すなわち、一定以上の振動振幅がないと、物体10は全く動かないため、摩擦減衰が働く時は振動がある時ともいえる。実験によると、マグネット12の摩擦吸着力が0.3Nで1グラム(gram)の質量の物体が、1万Hzの固有振動数を持つボーリングバー1内で滑り始める振動振幅は、0.008ミクロン(μm)と大変小さな値である。このように、振動がごく僅かな時よりこの効果が効き始め、それ以上大きく成長しないので、びびりを生じさせることはない。
【0039】
ところで、ボーリング加工は刃工具を回転させて行うものであり、しかもその回転スピードは相当に速い。このため、遠心力が各部に働くことになる。この遠心力は、当然ボーリングバー1の中に入っているこのフリクションダンパーにも働くことになる。その際、フリクションダンパーが振動をする方向と遠心力が働く方向とが同じ方向になると、場合によっては、このフリクションダンパーが遠心力により振動することができない状態になり、前記フリクションダンパーが加工振動で動かなくなって制振効果が得られないおそれがある。
【0040】
ここで、ボーリングバー1の振動方向は切削抵抗が働く方向であり、遠心力は回転中心より外に向かって働くので、それら各々の方向を互いに相違させることができる。フリクションダンパーの効果を良好に得るためには、このフリクションダンパーを振動方向には動きかつ遠心力では働かない方向に設定する必要がある。
【0041】
【発明の実施の形態】
図10は、本発明の第1の実施形態に係る作業機械のびびり防止構造20が適用される工作機械22の要部説明図である。
【0042】
この工作機械22は、ケーシング24内にベアリング26を介して回転可能に設けられるスピンドル(主軸)28と、前記スピンドル28に着脱自在なボーリングバー30とを備え、前記ボーリングバー30の先端に中ぐり用バイト32が装着されている。
【0043】
びびり防止構造20は、ボーリングバー30の先端、すなわち、びびり発生防止部位に対応して設けられるダンパー室34と、前記ダンパー室34内に矢印A方向に移動可能に収容されるとともに、ワークWの加工時にびびりの要因となる振動エネルギーを、滑り摩擦によって吸収するフリクションダンパー用マグネット36とを備える。マグネット36は、常に振動をすることになるのでこのマグネット36の滑り面が摩耗や経年変化に対して強い高性能を有することが望ましい。マグネット36は、一般的なマグネット以外に、振動に対して強い、例えば、希土類マグネットが使用される。
【0044】
ダンパー室34を構成しマグネット36が吸着配置される取り付け面38は、前記マグネット36をスムーズに横滑りさせるために平滑面に構成されており、前記ダンパー室34の開放側端部には、該ダンパー室34内に切削屑等が進入することを防止するために、カバー部材40が装着される。
【0045】
図11に示すように、ボーリングバー30の振動方向は切削抵抗が働く方向(矢印A方向)であり、遠心力の方向は回転中心より外に向かって働く(矢印B方向)ため、それら各々の方向を互いに相違させている。
【0046】
このように構成される第1の実施形態に係るびびり防止構造20が適用される工作機械22の動作について、以下に説明する。
【0047】
図10に示すように、工作機械22では、ボーリングバー30を取り付けたスピンドル28が回転駆動されるとともに、ワークWの下穴3に沿って繰り出される。そして、ボーリングバー30がワークWの下穴3側に相対的に移動する。このため、ボーリングバー30が回転し、このボーリングバー30に装着されたバイト32を介して下穴3を構成する内壁面4にボーリング加工が施される。
【0048】
その際、びびり防止構造20では、ボーリングバー30の先端に設けられたダンパー室34にマグネット36が配置されており、振動により前記マグネット36が前記ボーリングバー30に対して横滑り現象が生じるように設定されている。このため、図12に示すように、ボーリングバー30が急に上向き(矢印C1方向)に動こうとすると、マグネット36には位置エネルギーが作用するため、前記ボーリングバー30より相対的に見ると、このマグネット36は逆の下向き(矢印C2方向)に動くことになる。一方、ボーリングバー30が急に下向き(矢印D1方向)に動こうとすると、同じくマグネット36に位置エネルギーが作用して、このマグネット36が前記ボーリングバー30に対して相対的に上向き(矢印D2方向)に動くことになる。
【0049】
このように、加振力が加わった時、ボーリングバー30が動こうとする方向とマグネット36が動こうとする方向とが正反対になる。また、力がボーリングバー30に加わるタイミングと、マグネット36がそれにより動くタイミングの関係は、ほぼ同じである。従って、ボーリングバー30の振動する力(運動エネルギー)は、マグネット36の付着力による横滑りの摩擦エネルギーに変換消散されることになる(図13参照)。
【0050】
これにより、第1の実施形態では、新たにボーリングバー30に付与されるエネルギーが、マグネット36の摩擦力によって消費吸収されるため、簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができるという効果が得られる。
【0051】
図14は、本発明の第2の実施形態に係るびびり防止構造20aが組み込まれるボーリングバー30aの要部断面図であり、図15は、本発明の第3の実施形態に係るびびり防止構造20bが組み込まれるボーリングバー30bの要部断面図であり、図16は、本発明の第4の実施形態に係るびびり防止構造20cが組み込まれるボーリングバー30cの要部断面図であり、図17は、本発明の第5の実施形態に係るびびり防止構造20dが組み込まれるボーリングバー30dの要部断面図である。なお、第1の実施形態に係るびびり防止構造20およびボーリングバー30と同一の構成要素には同一の参照数字に符号a〜cを付して、その詳細な説明は省略する。
【0052】
図14に示すように、第2の実施形態に係るびびり防止構造20aでは、マグネット36aと取り付け面38aとの間に板状、例えば、円板状の磁性体、例えば、鉄板42が介装されている。従って、鉄板42と取り付け面38aとの磁力が、前記鉄板42とマグネット36aとの磁力よりも弱いため、該鉄板42と前記取り付け面38aとの間で滑りが発生する。これにより、マグネット36aに滑りによる摩耗が惹起されることがなく、しかも、前記マグネット36aの磁力が鉄板42の厚さを変更することで容易に調整可能になるという効果が得られる。
【0053】
図15に示すように、第3の実施形態に係るびびり防止構造20bでは、マグネット36bと取り付け面38bとの間に複数の板状の磁性体、例えば、鉄板44が積層されている。このため、マグネット36bの磁力を容易に調整可能になる等、第2の実施形態と同様な効果が得られる。
【0054】
図16に示すように、第4の実施形態に係るびびり防止構造20cでは、ボーリングバー30cの先端側部から開口断面円形状のダンパー室34cが設けられており、このダンパー室34c内に円柱状のマグネット36cが収容されている。このマグネット36cは、外周面がダンパー室34cの内周面38cに摺接して矢印A方向に摺動可能である。
【0055】
図17に示すように、第5の実施形態に係るびびり防止構造20dでは、ボーリングバー30dの先端側部から開口断面円形状のダンパー室34dが設けられるとともに、このダンパー室34d内に円柱状のマグネット36dを囲繞して鉄製パイプ46が配設されている。従って、ダンパー室34d内では、マグネット36dがパイプ46と一体的に移動し、このマグネット36dのみが摺動することがない。
【0056】
図18は、本発明の第6の実施形態に係るびびり防止構造50が適用される工作機械52の概略説明図であり、図19は、前記びびり防止構造50の一部断面図である。
【0057】
工作機械52は、ケーシング54内にベアリング56を介して回転可能に設けられるスピンドル(主軸)58と、前記スピンドル58に着脱自在なATC用ツールホルダ(ホルダ)60と、前記ツールホルダ60のミーリングチャック62に装着されるエンドミル64とを備え、前記ミーリングチャック62の先端部にびびり防止構造50が組み込まれている。ここで、低周波数振動のびびりに対しても、びびり防止構造50が有効に機能するために、摩擦摺動部材の質量Mを大きくすべく、例えば、鉛等の高比重部材76をマグネット72に積層してもよい(図19参照)。
【0058】
図19に示すように、びびり防止構造50は、ミーリングチャック62の先端部に形成された凹部66に嵌合するキャップ部材68を備え、前記キャップ部材68内にダンパー室70が設けられる。このダンパー室70内には、リング状あるいは複数の円柱状のマグネット72が配設され、このマグネット72が凹部66の底壁面74に吸着されるとともに、前記マグネット72がエンドミル64の抑制したい振動方向(矢印A方向)に摺動可能に構成される。
【0059】
このように構成されるびびり防止構造50では、マシニングセンターの作用下に工作機械52を介してワークW1にエンドミル加工が施されると、エンドミル64に振動が生じる場合が多い。その際、びびり防止構造50を構成するマグネット72がダンパー室70内で矢印A方向に摩擦滑りが惹起し、びびりの発生を有効に阻止することができるという効果が得られる。特に、最近のマシニングセンターに求められている高速化からベアリング径が小径化されるとともに、ベアリング与圧が軽くなっており、さらにスピンドル長さL1がツーリング長さL2に比べて短尺化されるため、再生びびりが発生し易い工作機械52に好適に用いることが可能になる。
【0060】
図20は、本発明の第7の実施形態に係るびびり防止構造80aが組み込まれるエンドミル82aの概略説明図であり、図21は、本発明の第8の実施形態に係るびびり防止構造80bが組み込まれるエンドミル82bの概略説明図である。
【0061】
図20に示すように、エンドミル82aは、比較的大径に構成されており、このエンドミル82aの先端には、びびり防止構造80aを構成するダンパー室84aが形成される。ダンパー室84aには、マグネット86aが抑制したい振動方向(矢印A方向)に摺動可能に配置されるとともに、このマグネット86aが前記ダンパー室84aの底壁面88aに吸着保持されている。ダンパー室84aの開口側端部には、カバー部材90aが装着される。
【0062】
図21に示すように、エンドミル82bは、比較的小径に構成されており、このエンドミル82bの後端から先端側に向かってびびり防止構造80bを構成するダンパー室84bが形成される。ダンパー室84bには、マグネット86bが抑制したい振動方向(矢印A方向)に摺動可能に配置されるとともに、このマグネット86bが前記ダンパー室84bの底壁面88bに吸着保持されている。ダンパー室84bには、カバー部材90bが装着される。
【0063】
図22は、本発明の第9の実施形態に係るびびり防止構造100が組み込まれるフライスカッタ102の概略説明図である。このフライスカッタ102の先端には、びびり防止構造100を構成するダンパー室104が形成される。ダンパー室104には、1つあるいは複数のリング状の鉄板105とマグネット106が抑制したい振動方向(矢印A方向)に摺動可能に配置されるとともに、この鉄板105が前記マグネット106の磁力によって前記ダンパー室104の底壁面108に吸着保持されている。ダンパー室104の開口側端部には、カバー部材110が装着される。
【0064】
図23は、本発明の第10の実施形態に係るびびり防止構造120aが組み込まれる研削盤122aの概略説明図であり、図24は、本発明の第11の実施形態に係るびびり防止構造120bが組み込まれる研削盤122bの概略説明図である。
【0065】
研削盤122aは、比較的小さな振幅で高い振動周波数を有しており、図23に示すように、砥石124aの取り付け軸126aの先端には、びびり防止構造120aを構成するダンパー室128aが形成される。ダンパー室128aには、マグネット130aが抑制したい振動方向(矢印A方向)に摺動可能に配置されるとともに、このマグネット130aが前記ダンパー室128aの底壁面132aに吸着保持されている。ダンパー室128aの開口側端部には、カバー部材134aが装着される。
【0066】
研削盤122bは、比較的大きな振幅で低い振動周波数を有しており、図24に示すように、砥石124bの取り付け軸126bと前記砥石124bとの間に介装される支持部材136には、びびり防止構造120bを構成するダンパー室128bが前記取り付け軸126bを囲繞して形成される。ダンパー室128bには、リング状あるいは複数の円柱状のマグネット130bが抑制したい振動方向(矢印A方向)に摺動可能に配置されるとともに、このマグネット130bが前記ダンパー室128bの底壁面132bに吸着保持されている。ダンパー室128bの開口側端部には、カバー部材134bが装着される。
【0067】
図25は、本発明に関連するびびり防止構造140が組み込まれる旋盤142の概略説明図である。この旋盤142は、刃物台144にバイト146が取り付けられており、このバイト146には、切れ刃148に近接してびびり防止構造140を構成するダンパー室150が形成される。ダンパー室150には、円柱状のマグネット152が抑制したい振動方向(矢印A方向)に摺動可能に配置されるとともに、このマグネット152が前記ダンパー室150の底壁面154に吸着保持されている。ダンパー室150の開口側端部には、カバー部材156が装着される。
【0068】
このような構成において、ワークW2が、図示しない主軸台に保持されて矢印方向に回転されるとともに、このワークW2と刃物台144とが相対的に近接する方向に移動する。これにより、ワークW2の外周面には、バイト146を介して加工作業が施される。その際、バイト146の先端側には、びびり防止構造140が組み込まれており、前記バイト146にびびりが発生することを有効に阻止することができる。
【0069】
図26は、本発明に関連するびびり防止構造160が組み込まれる治具162の概略説明図である。この治具162は、例えば、エンドミル164を介して加工されるワークW3を位置決め保持する第1および第2クランプ機構166、168を備える。第1クランプ機構166は、ワークW3の下部170a側を保持するクランプ爪172を備える一方、第2クランプ機構168は、前記ワークW3の加工部位近傍である上部170b側を保持するクランプ爪174を備える。
【0070】
びびり防止構造160は、第2クランプ機構168を構成するクランプ爪174に組み込まれており、前記クランプ爪174のワーク支持部と支点部との間には、前記びびり防止構造160を構成するダンパー室176が形成される。ダンパー室176には、円柱状のマグネット178が抑制したい振動方向(矢印A方向)に摺動可能に配置されるとともに、このマグネット178が前記ダンパー室176の底壁面180に吸着保持されている。ダンパー室176の開口側端部には、カバー部材182が装着される。
【0071】
このように構成される治具162で保持されたワークW3の上部170bは、そのワークW3の形状特性上、十分なクランプ剛性が得られ難い。このため、ワークW3の上部170bの側面をエンドミル164で加工すると、このワークW3には、矢印A方向に加工振動が惹起され易く、びびりが発生するおそれがある。また、ワークW3の形状特性では、このワークW3を第2クランプ機構168により強固に押し付け保持することができず、前記第2クランプ機構168自体にも加工による振動が惹起され易い。
【0072】
そこで、振動が発生し易い第2クランプ機構168を構成するクランプ爪174にびびり防止構造160を組み込むことにより、ワークW3と前記第2クランプ機構168の振動を有効に阻止してびびりの発生を可及的に防止することが可能になる。
【0073】
図27は、本発明に関連するびびり防止構造190の概略説明図である。このびびり防止構造190は、治具192を介して位置決め保持される鉄等の磁性体ワークW4に、例えば、エンドミル194を介して加工が施される際、このワークW4の振動が発生し易い部位に、直接、装着される離脱可能なケーシング部材196を備える。ケーシング部材196は、取り付け用マグネット198が嵌め込まれる室200と、ダンパー室202とを独立して設けており、前記取り付け用マグネット198がワークW4に吸着保持される。
【0074】
ダンパー室202には、円柱状のマグネット204が抑制したい振動方向(矢印A方向)に摺動可能に配置されるとともに、このマグネット204が前記ダンパー室202の底壁面206に吸着保持されている。ダンパー室202の開口側端部には、カバー部材208が装着される。
【0075】
ワークW4では、切削抵抗が直接作用する部分の肉厚が薄いため、びびりが発生し易くなっており、この部分に対応してびびり防止構造190が直接取り付けられる。これにより、ワークW4を加工する際に、びびりが生じることがなく、前記ワークW4を高精度に加工することができる。なお、振動方向がラジアル状に存在する際には、複数のケーシング部材196を使用すればよい。
【0076】
【発明の効果】
本発明に係る作業機械のびびり防止構造では、加工工具によるワークの加工時に、びびりの要因となる振動エネルギーを、フリクションダンパー用マグネットの滑り摩擦によって確実に吸収することができ、簡単な構成で、びびりの発生を有効に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 通常のボーリングバーの一部側面図である。
【図2】 前記ボーリングバーによる加工状態の説明図である。
【図3】 加工面とボーリングバーの共振振動に起因する凹凸面の特徴的な説明図である。
【図4】 前記ボーリングバーの加工による振動増幅過程を特徴的に表す概略図である。
【図5】 前記ボーリングバーに作用する加振振動エネルギーと応答振動のタイミングサイクル説明図である。
【図6】 前記ボーリングバーに出入りする切削エネルギーによるボーリングバーの変位と作用する外力との関係図である。
【図7】 ボーリングバーと物体との間にマグネットが介装された際の動作原理の説明図である。
【図8】 前記マグネットが介装された際の変位と消散エネルギーとの関係図である。
【図9】 振動エネルギーと消散エネルギーとの関係図である。
【図10】 本発明の第1の実施形態に係る作業機械のびびり防止構造が適用される工作機械の要部説明図である。
【図11】 前記びびり防止構造の断面説明図である。
【図12】 前記びびり防止構造の動作説明図である。
【図13】 振動変位と消散エネルギーとの関係図である。
【図14】 本発明の第2の実施形態に係るびびり防止構造が組み込まれるボーリングバーの要部断面図である。
【図15】 本発明の第3の実施形態に係るびびり防止構造が組み込まれるボーリングバーの要部断面図である。
【図16】 本発明の第4の実施形態に係るびびり防止構造が組み込まれるボーリングバーの要部断面図である。
【図17】 本発明の第5の実施形態に係るびびり防止構造が組み込まれるボーリングバーの要部断面図である。
【図18】 本発明の第6の実施形態に係るびびり防止構造が適用される工作機械の概略説明図である。
【図19】 前記びびり防止構造の一部断面図である。
【図20】 本発明の第7の実施形態に係るびびり防止構造が組み込まれるエンドミルの概略説明図である。
【図21】 本発明の第8の実施形態に係るびびり防止構造が組み込まれるエンドミルの概略説明図である。
【図22】 本発明の第9の実施形態に係るびびり防止構造が組み込まれるフライスカッタの概略説明図である。
【図23】 本発明の第10の実施形態に係るびびり防止構造が組み込まれる研削盤の概略説明図である。
【図24】 本発明の第11の実施形態に係るびびり防止構造が組み込まれる研削盤の概略説明図である。
【図25】 本発明に関連するびびり防止構造が組み込まれる旋盤の概略説明図である。
【図26】 本発明に関連するびびり防止構造が組み込まれる治具の概略説明図である。
【図27】 本発明に関連するびびり防止構造の概略説明図である。
【符号の説明】
20、20a〜20d、50、80a、80b、100、120a、120b、140、160、190...びびり防止構造
22、52...工作機械 28、58...スピンドル
1、30、30a〜30d...ボーリングバー
32、146...バイト
34、34a〜34d、70、84a、84b、104、128a、128b、150、176、202...ダンパー室
12、36、36a〜36d、72、86a、86b、106、130a、130b、152、178、198、204...マグネット
38、38a〜38d...取り付け面
40、90a、90b、110、134a、134b、156、182、208...カバー部材
46...パイプ 60...ツールホルダ
62...ミーリングチャック 64、82a、82b、164、194...エンドミル 68...キャップ部材
74、88a、88b、108、132a、132b、154、180、206、...底壁面
102...フライスカッタ 122a、122b...研削盤
124a、124b...砥石 126a、126b...取り付け軸
136...支持部材 142...旋盤
162、192...治具 166、168...クランプ機構
172、174...クランプ爪 196...ケーシング部材
200...室

Claims (5)

  1. 加工工具を介してワークに加工処理を施す際に、共振作用で振動が徐々に成長して再生びびりが発生することを防止するための作業機械のびびり防止構造であって、
    びびり発生防止部位に対応して設けられるダンパー室と、
    前記ダンパー室内に移動可能に収容されるとともに、前記ワークの加工時に前記再生びびりの要因となる振動エネルギーが、規定値以上の大きさになった際、前記振動エネルギーを、横滑り摩擦によって吸収するフリクションダンパー用マグネットと、
    を備え、
    前記加工工具が回転工具を構成するとともに、前記加工工具の振動方向と遠心力の向かう方向とが異なるように設定されることを特徴とする作業機械のびびり防止構造。
  2. 請求項1記載のびびり防止構造において、前記マグネットと該マグネットの取り付け面との間に、面板状やリング板状を含む板状の磁性体が配設されることを特徴とする作業機械のびびり防止構造。
  3. 請求項1又は2記載のびびり防止構造において、前記ダンパー室は、前記加工工具に設けられるとともに、
    前記マグネットは、抑制したい前記加工工具の振動方向に対して摩擦すべりを発生する姿勢で前記ダンパー室内に配置されることを特徴とする作業機械のびびり防止構造。
  4. 請求項1又は2記載のびびり防止構造において、前記ダンパー室は、前記加工工具が固着されるホルダに設けられるとともに、
    前記マグネットは、抑制したい前記加工工具の振動方向に対して摩擦すべりを発生する姿勢で前記ダンパー室内に配置されることを特徴とする作業機械のびびり防止構造。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のびびり防止構造において、前記マグネットには、高比重部材が積層されることを特徴とする作業機械のびびり防止構造。
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