JP2002113461A - 廃液処理方法とそれに用いる廃液処理装置およびこれを用いた洗浄装置またはドライクリーニング装置 - Google Patents
廃液処理方法とそれに用いる廃液処理装置およびこれを用いた洗浄装置またはドライクリーニング装置Info
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Abstract
の過程において、溶剤分離過程を導入し、処理効率に優
れ、塩素系ガスなどの2次副産物の排出を抑制した廃液
処理方法およびそれに用いる廃液処理装置およびこれを
用いた洗浄装置またはドライクリーニング装置を提供
し、これら一連の過程を自動化する。 【解決手段】 廃液処理装置を、廃液中の塩素系有機溶
剤を分離する溶剤分離部1と、溶剤分離処理後の廃液中
に残存する塩素系有機溶剤を気化する気化処理部3と、
廃液中より気化した気化ガスを光酸化分解する光酸化分
解処理部5と、光酸化分解によって生成した分解生成ガ
スを、吸着、吸収、中和する後処理部7およびこれらの
各部を制御する制御部8からなるものとする。
Description
で使用されているトリクロロエチレン、ドライクリーニ
ング装置で使用されているテトラクロロエチレンなどの
塩素系有機溶剤を使用する過程において発生する排ガス
中、もしくは廃液中に含まれる塩素系有機溶剤を、選択
的に分離し、光触媒により分解し、無害化する廃液処理
方法とその方法を用いた廃液処理装置、およびこれを用
いた洗浄装置またはドライクリーニング装置に関する。
性、安定性、不燃性を有することから、優秀な洗浄剤と
して広く用いられてきた。近年、大気汚染防止法におい
て、塩素系有機物が有害大気汚染物質として、優先取組
物質、自主管理物質に指定されて以来、ドライクリーニ
ング装置などの洗浄装置から廃出される廃液、排ガス中
に含有される塩素系有機物の排出量を、水質汚濁防止法
に定められている排出基準値(テトラクロロエチレン、
0.1mg/l以下)以下に抑えるための方法として、
活性炭での吸着処理方法や、加熱蒸発処理方法などの手
法が用いられてきた。
が吸着飽和に達した段階で、吸着機能を失うため、活性
炭を取り替える必要がある。しかしながら、活性炭が吸
着機能を失う時期を把握することは難しく、また、吸着
飽和した活性炭は、指定廃棄物として専門処理業者へ処
分を委託するか、水蒸気などで脱着再生してから再利用
しなければならないなど、処理効率が低く、余分なコス
トがかかるといった問題があった。
物を気化させることにより、廃液中の塩素系有機物含有
濃度を、排出基準値内に下げることができる。しかしな
がら、この方法では、廃液中の塩素系有機物濃度が低い
場合には、処理効率に劣るといった問題があった。ま
た、気化した塩素系有機物が未分解のまま大気中へ放出
されることになるため、排ガス中に含まれる塩素系有機
物の排出量を、年々規制が強化される水質汚濁防止法に
定められている排出基準値内に抑えることができなくな
る可能性があった。また、塩素系有機物の排出規制が年
々強化されているため、より優れた分解処理効率を発揮
し得る廃液処理方法および廃液処理装置が求められてい
る。
課題は、廃液中の塩素系有機溶剤を分解処理する一連の
過程において、溶剤分離過程を導入し、処理効率に優
れ、塩素系ガスなどの2次副産物の排出を抑制した廃液
処理方法およびそれに用いる廃液処理装置およびこれを
用いた洗浄装置またはドライクリーニング装置を提供
し、これら一連の過程を自動化することにある。
めに、本発明の請求項1記載の廃液処理方法は、廃液中
の塩素系有機溶剤を分離する溶剤分離過程と、前記溶剤
分離処理後の廃液中に残存する塩素系有機溶剤を気化す
る気化処理過程と、前記廃液中より気化した気化ガスを
光酸化分解する光酸化分解処理過程と、前記光酸化分解
によって生成した分解生成ガスを、吸着、吸収、中和す
る後処理過程からなるものである。
法は、前記溶剤分離過程を、前記気化処理過程の前段に
設けたものである。
法は、前記溶剤分離過程を、廃液を撥水性および/また
は親油性の多孔質材からなる分離部材に接触し、廃液中
の塩素系有機溶剤を吸着する過程とするものである。
法は、前記気化処理過程を、曝気方式とするものであ
る。
法は、前記気化処理過程を、前記多孔質材からなる分離
部材が吸着した塩素系有機溶剤を気化する過程とするも
のである。
置は、廃液中の塩素系有機溶剤を分離する溶剤分離部
と、前記溶剤分離処理後の廃液中に残存する塩素系有機
溶剤を気化する気化処理部と、前記廃液中より気化した
気化ガスを光酸化分解する光酸化分解処理部と、前記光
酸化分解によって生成した分解生成ガスを、吸着、吸
収、中和する後処理部と、これらの各部の動作を制御す
るシーケンサーを有する制御部からなるものである。
は、請求項6記載の廃液処理装置を用いたものである。
リーニング装置は、請求項6記載の廃液処理装置を用い
たものである。
する。図1は、本発明の廃液処理装置の一例を模式的に
示す説明図である。図1において、符号1は、溶剤分離
部を示し、矢印は塩素系有機溶剤の流通方向を示す。溶
剤分離部1は、廃液供給管路2を介するかまたは直接
に、気化処理部3に接続されている。さらに、気化処理
部3には、曝気後の排水を排水する排水管路が接続され
ている。また、溶剤分離部1は、気化ガス供給管路4を
介して、光酸化分解処理部5に接続されており、光酸化
分解処理部5は、分解生成ガス供給管路6を介して、後
処理部7に接続されている。さらに、後処理部7には、
後処理後の水や二酸化炭素を含む無害な空気の排出管路
が接続されている。さらに、本発明の廃液処理装置は、
これらの溶剤分離部1、気化処理部3、光酸化分解処理
部5、後処理部7を制御する制御部8からなるものであ
る。
もよいが、ここでは気化処理部内の前段の経路中に設け
られており、廃液中に微小な粒状態で分散している塩素
系有機溶剤を選択的に吸着する。次いで、溶剤分離部1
で吸着されない塩素系有機溶剤を含む廃液が、気化処理
部3において、曝気方式によって気化処理され、ここで
気化された塩素系有機ガスを含む気化ガスは、再び溶剤
分離部1を通過する。次いで、この気化ガスは、溶剤分
離部1を通過する時に、溶剤分離部1に吸着された塩素
系有機溶剤を気化して、これら全ての気化ガスが、気化
ガス供給管路4を通って光酸化分解処理部5に導入され
る。次いで、この気化ガスが、光酸化分解処理部5で光
酸化分解され、光酸化分解反応によって生じた塩素系ガ
スなどを含む分解生成ガスが、分解生成ガス供給管路6
を通って後処理部7に導入され、後処理部7において吸
着、吸収、中和され、無害な塩類へと変換され、排水処
理または排気処理がなされる。
処理装置について説明する。図2は、本発明の廃液処理
装置の一例を示す概略斜視図であり、図3は図2に示す
廃液処理装置の一部を透視図とした概略正面図であり、
図4は図2に示す廃液処理装置の一部を透視図とし、該
透視図の一部を断面図とした概略側面図であり、図5は
図2に示す廃液処理装置の一部を透視図とした概略平面
図である。
多孔質材からなる分離部材12が収められている。図2
に示すように、この溶剤分離部1は、曝気槽10内の上
部に設けられた分離槽11の内部に、顆粒状の多孔質材
からなる分離部材12を充填した構造となっている。
さ3〜10cm程度であり、その外径が曝気槽10上部
の内径にほぼ等しい円筒状かつ、上部と底部は網状の容
器であり、耐食性、耐薬品性、撥水性などに優れたフッ
素系樹脂、ポリエチレン系樹脂などの高分子物質または
ステンレスなどを素材としたもの、あるいはこれらを槽
内壁にコーティングしたステンレス製のものなどが用い
られる。
しては、廃液中の塩素系有機溶剤を選択的に吸着するこ
とができる活性炭、ゼオライトあるいは、撥水性および
/または親油性樹脂の焼結体などの多孔質材が挙げられ
る。なかでも、好ましくは、撥水性および/または親油
性樹脂の焼結体の多孔質材が用いられる。分離部材12
は連続気孔を有しており、その孔径が10〜300μ
m、好ましくは20〜100μmとなっており、空孔率
が5〜50%、好ましくは10〜30%となっている。
また、分離部材12の形状は、1〜1000mm3の容
積に相当する球形、円柱形、樽形、棒状となっている。
また、本発明で用いられる分離部材12は、その自重に
相当する量の塩素系有機溶剤を吸着することが可能であ
る。したがって、想定される塩素系有機溶剤の一回分の
処理量に応じて、適宜、多孔質材の使用量を決定すれば
よい。本発明の廃液処理装置で処理される廃液は、曝気
槽10上部の中央より廃液が溶剤分離部1に供給され
る。廃液が分離部材12内を通過する時に、廃液に含ま
れる微小な粒状態の塩素系有機溶剤が選択的に吸着され
る。
槽11に顆粒状の分離部材12を充填したものに限ら
ず、分離部材12のみからなる膜状、板状、格子状のも
のであってもよい。このような膜状、板状、格子状の分
離部材12の大きさは、曝気槽10の大きさに応じて適
宜決定されるが、その厚みは0.5〜10mm、好まし
くは1〜3mmとなっている。
または親油性の樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、
フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。ポ
リオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(以下、
「PE」と略す。)、ポリプロピレン(以下、「PP」
と略す。)、超高分子量ポリエチレン(以下、「UHP
E」と略す。)などが挙げられる。また、フッ素系樹脂
としては、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PT
FE」と略す。)などが挙げられる。本発明で用いられ
る撥水性および/または親油性の樹脂としては、平均分
子量10万〜500万のUHPEが好ましい。
れている。図2〜図4に示すように、この曝気処理部
は、曝気槽10の上部に、廃液を注入するための廃液入
口部13と、曝気後のガスを排出するための気化ガス出
口部15と、逆止弁を備えた吸気口部16(図示せ
ず。)を設け、曝気槽10の下部に、曝気処理後の排液
を排出するための排液出口部17と、圧縮空気を送入す
るための圧縮空気入口部18とを設けたものである。こ
こで、廃液とは、無害化するために本発明の廃液処理装
置に投入される被処理溶液を示し、排液とは、該廃液処
理装置によって無害化処理が施され、装置外に排出され
る処理済溶液を示す。
さ10〜30cm程度の略円柱状の圧力容器であり、耐
食性、耐薬品性、撥水性などに優れたフッ素系樹脂、ポ
リエチレン系樹脂などの高分子物質を素材としたもの、
あるいはこれらを槽内壁にコーティングしたものなどが
用いられる。また、曝気槽10の内部には、曝気効率を
向上させるために、噴流式、プロペラ式などの攪拌装置
が設けられている。
して、別途設けられた廃液供給部(図示せず。)に接続
している。廃液供給部の廃液槽は、容積が20l以下の
耐食性、耐薬品性、撥水性などに優れたフッ素系樹脂、
ポリエチレン系樹脂などの高分子物質またはステンレス
などの素材を用いた容器、あるいはこれらを槽内壁にコ
ーティングしたステンレス製容器などからなっている。
また、該廃液槽には、ドライクリーニング装置などの洗
浄装置の水分離器から導入された排水管路が、直接ある
いはごみ除去用フィルターを介して接続されている。さ
らに、該廃液槽には、廃液の上下限を検出するための液
面センサーが設けられている。また、上記廃液槽内に
は、廃液供給ポンプが設けられており、後述する制御部
からの信号を受けて、廃液槽から廃液供給管路14およ
び廃液入口部13を介して、溶剤分離部1に廃液を供給
するようになっている。また、廃液供給ポンプの出口に
は、曝気処理中の空気圧により、曝気ガスが廃液槽内に
逆流しないように逆止弁が設けられている。なお、逆止
弁の替わりに電磁バルブを使用してもよい。また、廃液
供給ポンプとして、家庭用の風呂水汲み上げ用ポンプな
どが用いられる。
兼ねており、ここに排液チューブと圧縮空気導入チュー
ブを兼ねる中間チューブ19が接続されている。また、
曝気時に用いられる圧縮空気の供給源としては、家庭用
水槽などに使用される散気用ポンプを用いることができ
る。また、圧縮空気入口部18には、曝気効率を向上さ
せるために、曝気槽10内の底部に、散気管または散気
板からなる散気部材20が設けられている。
源としてのエアーポンプ21が設けられている。エアー
ポンプ21と、曝気槽10下部の圧縮空気入口部18
が、圧縮空気供給チューブ22、電磁バルブ23のIN
側に接続された分枝継手19aおよび中間チューブ19
を介して接続されている。また、エアーポンプ21とし
ては、家庭用水槽などに使用される散気用ポンプなどが
用いられる。また、曝気槽10の上部には、逆止弁を備
えた吸気口部16が、処理済液の排出時に、曝気槽10
内が負圧になって、処理済液を排出することができなく
なることを防ぐために設けられている。
4を介して、光酸化分解処理部5に接続しており、曝気
処理後の気化ガスを、光酸化分解処理部5に排出できる
ようになっている。また、気化ガス供給管路4は、耐食
性に優れたフッ素系樹脂やポリエチレン系樹脂、ナイロ
ン系樹脂などの高分子物質で形成されている。
ガスが分離部材12を通過する時に、分離部材12に吸
着した塩素系有機溶剤を気化して、塩素系有機ガスを含
む空気を、光酸化分解処理部5に供給できるようになっ
ている。さらに、気化処理部3は、曝気槽10からの処
理済液排出後に、空気のみをエアーポンプ21によって
供給して、分離部材12に吸着され、曝気中に完全に気
化されなかった塩素系有機溶剤の気化を、効率良く行う
ことができる。
は、気化ガス供給管路4から供給された気化ガスが流通
するガス流通管路24内に、ガス中の塩素系有機物を光
酸化分解させる光触媒顆粒体25が充填された光触媒反
応部26と、光触媒顆粒体25に紫外線光を照射する紫
外線光源28を有する人工光照射部29と、反射板30
とを備え、図5に示すように、人工光照射部29が、光
触媒反応部26に対向するように配置されたものであ
る。
1本目のガラス管に連結された曝気ガス供給口31a
が、下部側には3本目のガラス管に連結された分解生成
ガス排出口31bが設けられている。また、ガス流通管
路24は、直線管路接続固定部31の上部に入口部24
b(図示せず。)を、下部に出口部24cを有し、鉛直
方向上下に走行し、連結された長い一つの流路を形成す
るように、3本の直管状の直線管路24aが、8〜35
mmのピッチ間隔で同一鉛直面上に並列され、相隣接す
る直線管路24a同士が、接続部材32によって接続さ
れている。
などの人工光や自然光が透過可能なのものが用いられ、
ホウケイ酸ガラス、合成樹脂などの透明材料が使用可能
である。この直線管路24aの内径は、5〜30mm、
好ましくは8〜16mm程度とされる。内径が5mm未
満であると、ガス流通管路24内に充填される光触媒顆
粒体25の充填量が少なくなるため、光酸化分解処理効
率が低下し、また、内径が小さいことによるガス流量の
減少のために、処理量が低下する。また、内径が30m
mを超えると、紫外線光源28から照射された光が直線
管路24aの中心付近まで届き難くなり、光触媒顆粒体
25の受光効率が低下するため、光酸化分解処理効率が
低下する。
m〜800mmの範囲となるように構成され、紫外線光
源28の長さと等しくなるように設定されるのが好まし
い。これにより、光触媒顆粒体25に、紫外線光源28
からの紫外線光を、光触媒反応部26の全長にわたって
均一に照射することができ、光酸化分解処理効率を向上
させることができる。
線管路24a内に、光触媒顆粒体25を保持するための
保持材33(図示せず。)が設けられている。この保持
材33としては、通気可能な形状を有し、耐食性に優れ
たフッ素系樹脂やエチレン系樹脂、ナイロン系樹脂など
の高分子物質を素材とするものであって、直線管路24
aの内径と略同一の径で、5〜30mm程度の厚みのも
のが用いられる。
スや塩素系ガスなどを吸着する無機物粉体と、光触媒粒
子とを、混合してなるものが用いられる。光触媒粒子と
しては、光、例えば、近紫外線の照射などにより活性化
され、これに接触する有機物の光酸化分解反応を促進す
ることができるものが用いられ、具体的には、Ti
O2、CdS、SrTiO3、Fe2O3などが挙げられ
る。これらの中でも、性能に優れ、安価なコストのTi
O2が最も好適に用いられる。
イ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、石
灰、カオリンクレー、ワラストナイト、タルク、ネフェ
リンシナイト、ゼオライト、活性炭などが挙げられ、こ
れらの中の1種または2種以上が混合して用いられる。
有量は、10〜95重量%、好ましくは30〜70重量
%程度、さらに好ましくは40〜60重量%程度とされ
る。含有量が10重量%未満であると、光酸化分解処理
能力が低下し、塩素系有機ガスが未分解のまま排出され
る可能性がある。含有量が95重量%を超えると、光触
媒顆粒体25の塩素系有機ガス吸着保持力が低下し、高
濃度の塩素系有機ガスが短時間で投入された場合に、塩
素系有機ガスが捕捉されずに、未分解のまま排出される
恐れがある。
形したものが好適に用いられる。光触媒顆粒体25の具
体的な形状としては、球状、樽状、短棒状、楕円球状、
タブレット状(略円柱状)などが挙げられる。また、光
触媒顆粒体21には、穴を形成してもよいし、表面突起
を形成してもよい。
m、好ましくは2〜10mm程度であり、その平均粒径
は、4〜8mm程度、好ましくは5〜7mm程度である
のが望ましい。粒径が1mm未満であると、目詰まりを
生じ易くなり、光触媒反応部26におけるガス流通量が
減少するため、光酸化分解処理効率が低下する傾向にあ
り、20mmを超えると光触媒顆粒体25の比表面積
(単位重量当たりの表面積)が小さくなり、また、紫外
線光源28から照射された光がガス流通管路24の中心
まで届き難くなり、光触媒顆粒体25の受光効率が低下
するため、光酸化分解処理効率が低下する傾向にある。
士を連結する本体部34(図示せず。)と、本体部34
に取付可能な蓋部35(図示せず。)と、環状シール材
であるOリング36(図示せず。)とを備えている。本
体部34は、直線管路24aの端部が挿入される開口部
が設けられた直方体状の部材であり、この開口部に挿入
された直線管路24a、24aの一方から他方に、本体
部34内に設けられた流路34a(図示せず。)を介し
て通気できるように構成されている。ここで、流路34
aの内壁面は、耐食性、耐薬品性などに優れたフッ素系
樹脂、ポリエチレン系樹脂などの高分子物質によってコ
ーティングされているか、あるいは、本体部32そのも
のが、耐食性、耐薬品性に優れたハステロイなどの金属
もしくはフッ素系樹脂、ポリエチレン系樹脂、PPSな
どの高分子物質によって形成されていることが望まし
い。
徐々に拡径するOリング設置用テーパ部が形成されてお
り、このテーパ部と直線管路24aとの間に、Oリング
36が設置されるようになっている。蓋部35には、直
線管路24a、24aが挿通する挿通孔が設けられてお
り、本体部34の開口端に当接した状態で、本体部34
に止め付けられている。Oリング36は、テーパ部と直
線管路24aの隙間において、本体部34、蓋部35、
および直線管路24a外面のいずれにも当接した状態で
設置されている。Oリング36は、本体部34と蓋部3
5とによって圧縮され、弾性変形した状態となっている
ことが好ましく、ゴムなどの弾性材料からなるものが用
いられる。
手方向に移動可能となるように、上端側の開口部の開口
径と挿通孔の開口径とが、直線管路24aの外径よりも
大きくなるように構成されている。また、直線管路24
aの交換を、蓋部35を外すことなく容易に行うことが
できるように、直線管路24aを上端方向に移動させる
と、下端側が蓋部35の上面から離れ、直線管路24a
を傾斜できるように構成されており、直線管路24aの
下端側が蓋部35と本体部34とに長さaだけ挿入さ
れ、かつ、直線管路24aの上端部と本体部32内流路
の最奥部とが距離bだけ離れているとすると、b>aと
なるように構成されている。また、直線管路24aが挿
入される長さaが上端側と下端側とで均等となるよう
に、下端側の本体部34の直線管路24aの挿通孔に
は、直線管路24aが長さa以上挿入されないように、
直線管路24aの外径よりも小さい段部が設けられてい
る。
9は、光触媒反応部26の正面側および背面側に設けら
れており、光触媒反応部26と対向するように配列され
た2本の直管状の紫外線光源28と、紫外線光源を固定
する矩形板状のホルダ28aとを備えたものである。紫
外線光源28は、光触媒反応部26全体に均一に紫外線
光を照射できるように鉛直方向に配置されている。この
ような紫外線光源28としては、汎用のエキシマランプ
やブラックライトなどが用いられる。
取り囲むように、反射板30が設けられている。この反
射板30は、紫外線光源28が点灯した時に、紫外線光
源28から反射板30に照射された光を高い効率で反射
し、光触媒顆粒体25に照射することができるように、
かつ、光が外部に漏れないように構成されており、図5
に示すように水平面での断面形状が六角形となるように
設置されていることが好ましい。反射板30としては、
アルミニウム、ステンレス、銅などを素材とし、表面が
滑らかで、かつ、放熱性に優れたものが用いられる。
生成ガスは、出口部24c、分解生成ガス排出口部31
bから分解生成ガス供給管路6を通って、後処理部7に
導かれる。また、光酸化分解処理部5の外側側面には、
曝気槽10の中間部に位置し、曝気槽10内の液面を検
出するための液面センサー37が設けられている。
覆われて、紫外線光源28による発熱の影響を受けない
ように、光触媒反応部26に隣接して設けられている。
溶制御部8は、漏電ブレーカー40、シーケンサー4
1、ポンプ用コンセント42、紫外線光源点灯用インバ
ーター回路43およびカバー39で構成されている。制
御部8は、溶剤分離部1、気化処理部3、光酸化分解処
理部5、後処理部7などの廃液処理装置全体を制御する
機能を有しており、シーケンサー41により、自動運転
が可能となっている。
り、処理済液排出部は、曝気槽10下部に接続された中
間チューブ19、電磁バルブ23、廃液チューブ44、
処理済液貯留槽からなっており、電磁バルブ23を開く
と処理済液が、自重により処理済液貯留槽に排出される
ようになっている。電磁バルブ23のIN側には中間チ
ューブ19と、エアーポンプ21から曝気用の空気を供
給するために、圧縮空気供給チューブ22が接続された
分枝継手19aが備えられており、中間チューブ19は
処理済液排出と空気供給を兼ねるようになっている。ま
た、処理済液貯留槽は、常に満タンの状態を保ち、オー
バーフローした廃液が自然に排出されるようになってお
り、かつ処理済液の濃度確認を常時できるようになって
いる。
6が、後処理部7に接続されている。後処理部7(図示
せず。)は、処理槽に、分解生成ガス入口部と、排ガス
出口部が設けられたものである。また、分解生成ガス供
給管路6、処理槽、分解生成ガス入口部は、フッ素系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂などの耐食
性、耐薬品性などに優れた高分子物質によって形成され
ていることが望ましい。
程度、高さが100〜500cm程度、容量が10〜3
0l程度である略四角柱状の容器であり、耐食性に優れ
たポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂などを素材とす
る、またはこれらを内壁面に被覆した容器などが用いら
れる。また、処理槽には、分解生成ガス入口部より供給
される分解生成ガスを、吸収、吸着、中和するための処
理剤が注入されている。処理剤としては、例えば、亜硫
酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸ナトリウム、重
炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カルシウ
ム、石灰、アンモニア、苛性ソーダ、アルカリイオン
水、水などの中から選択される1種または2種以上を含
むアルカリ性イオン水などが用いられる。これらの処理
剤の形態は、液相に限らず、粉体状の流動床であっても
良く、また、それらの複合形であっても構わない。ま
た、後処理効率を高めるために、分解生成ガス入口部の
処理槽内側には、散気管または散気板からなる散気部材
が設けられていることが好ましい。
1、気化処理部3、光酸化分解処理部5、および後処理
部7は、いずれか一つが不良状態に陥った場合に、不良
状態に陥った構成要素のみを良好状態であるものに取り
替えることができるように、着脱可能に構成されてい
る。また、廃液処理装置の大きさは、幅5〜15cm程
度、奥行12〜25cm程度、高さ40〜90cm程度
で、底部はベース部45からなっている。
は、廃液中に微小に分散した塩素系有機溶剤を溶剤分離
部1によって分離し、気化処理部3によって廃液中の塩
素系有機溶剤を気化し、この気化した塩素系有機溶剤の
ガスを光酸化分解処理部5によって光酸化分解し、これ
によって生じた塩素系ガスを含む分解生成ガスを後処理
部7によって無害な塩類に変換することができるように
構成されているため、処理後の排液、排ガス中に含まれ
る塩素系有機物、および2次副産物である塩素系ガスの
排出量を、水質汚濁防止法に定められている排出基準値
内に抑制することができ、環境汚染の抑制に貢献し得る
ものである。また、ドライクリーニング装置などからの
廃液中に含まれる塩素系有機物を、溶剤分離部1で吸着
し、気化処理部3において気化してから、光酸化分解処
理部5において光酸化分解するように構成されているた
め、廃液をそのまま光酸化分解させる場合よりも、光酸
化分解処理効率を向上させることができ、処理に要する
時間やコストを削減できるものである。
主に、撥水性および/または親油性の樹脂を焼結した多
孔質材からなるものであるから、従来、分離困難であっ
た廃液中に微小に分散した塩素系有機溶剤を効率良く吸
着することができる。また、曝気処理により気化した気
化ガスにより、分離部材12に吸着している塩素系有機
溶剤を気化し、さらに、曝気槽10内の圧力によって、
気化ガスを気化ガス供給管路4へ排出することができ、
エネルギーを有効に利用することができるものである。
このような作用により、分離部材12は塩素系有機溶剤
で飽和することなく再生され、繰り返し溶剤分離を行う
ことができるものである。また、曝気時に用いられる圧
縮空気の供給源としては、家庭用水槽などに使用される
散気用ポンプを用いることができるため、新技術導入に
際してのコストを低減することができるものである。
18には、散気管または散気板からなる散気部材20が
設けられているので、廃液中に生じる曝気泡の径を微小
化することができ、廃液と気泡との接触面積、接触時間
を増加させることができ、優れた曝気効率を発揮し得る
ものである。
構造の容器を用いているため、廃液と空気との接触面
積、接触時間を増加させることができ、曝気効率を向上
させ、処理に要する時間を短縮することができるもので
ある。また、気化ガスおよび/または分解生成ガスが流
通する経路の内壁面が、耐食性、耐薬品性などに優れた
フッ素系樹脂やポリエチレン系樹脂などの高分子物質で
コーティングされているかもしくは、経路がこれらの物
質で形成されているため、塩素系ガスなどによって腐食
され難いものである。
路24aとして、内径が5〜30mm、長さが200〜
800mmのものを用いることによって、紫外線光源2
8からの紫外線光を光触媒反応部26の全長にわたって
均一に中心付近まで照射し、かつ、ガス流通管路24内
に光触媒顆粒体25を十分に充填することができるた
め、光酸化分解処理効率に優れている。また、光触媒顆
粒体25として、粒径が1〜20mmのものを用い、光
触媒顆粒体25の比表面積を大きくすることによって、
光触媒顆粒体25と気化ガスとの接触効率を高め、か
つ、光触媒顆粒体25の受光効率を高めることができる
ため、光酸化分解処理効率に優れたものである。また、
光触媒顆粒体25として、塩素系有機ガスや塩素系ガス
などを吸着する無機物粉体と光触媒粒子との混合物を用
いることによって、塩素系有機ガスなどが光触媒顆粒体
に吸着保持された状態で光酸化分解されることになるた
め、光酸化分解処理効率に優れ、未分解の塩素系有機物
が光酸化分解処理部5の外部に排出されることがないも
のである。また、直線管路24aおよび紫外線光源28
を鉛直方向に配置しているため、光酸化分解処理部5が
鉛直方向に長い構造となっており、装置の設置面積を小
さくすることができるものである。
に基いて説明する。廃液処理装置の電源を入れる(S1
01)と、廃液処理装置が起動して、制御部8内のシー
ケンサー41が動作して、以下の一連の操作が徐動的に
行われる。先ず、紫外線光源28が待機状態となる(S
102)。次に、ドライクリーニング装置の水分離器か
ら、塩素系有機溶剤を含む廃液が廃液供給部に供給さ
れ、この廃液の量が、廃液槽内に設けられた上限液面セ
ンサーの位置に達すると(S103)、紫外線光源28
が点灯し(S104)、廃液供給ポンプが作動して(S
105)、廃液が曝気槽10内の上部に設けられた溶剤
分離部1に供給される。次いで、廃液中に微小な粒状に
分散している塩素系有機溶剤が、溶剤分離部1の分離部
材12に吸着され、塩素系有機溶剤が溶解している残り
の廃液は、曝気槽10内の下部に設けられた曝気処理部
に供給される。
0の外側面に設けられた液面センサー37の位置に達す
ると(S106)、廃液の供給は停止し(S106
´)、エアーポンプ21が作動して(S107)、廃液
の曝気が開始する。
が気化されると同時に、気化した塩素系有機ガスを含む
空気により、分離部材12に吸着された塩素系有機溶剤
も気化して、光酸化分解処理部5に送られる。次いで、
光酸化分解処理部5に送られた塩素系有機ガスが、紫外
線により励起された光触媒反応部26内の光触媒顆粒体
25により分解処理され、水、二酸化炭素、塩素系ガス
となって後処理部7に送られる。次いで、後処理部7で
は、、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナ
トリウムなどを含むアルカリ性イオン水によって中和・
還元が行われ、塩素系有機ガス、塩素系ガスが塩素イオ
ンとなって水溶液中に取り込まれる。
剤の濃度が、排出基準値を十分に下回るまでに要する時
間(20分間)行われると、エアーポンプ21が停止し
て(S108)曝気が停止する。次いで、電磁バルブ2
3が開いて(S109)、曝気槽10内の排液が、別途
設けられた処理済液排出部の処理済液貯留槽に排出され
る。次いで、排液の排出が終了すると電磁バルブ23が
閉じ(S110)、エアーポンプ21が5分間作動して
(S111)、空気を曝気槽10内に供給し、分離部材
12を再生する。次に、分離部材12の再生が終了した
時点で、廃液槽内の廃液量が、下限液面センサーの位置
に達しない場合(S112)、S105〜S111のサ
イクルが繰り返される。または、分離部材12の再生が
終了した時点で、廃液槽内の廃液量が、下限液面センサ
ーの位置に達すると(S112)、エアーポンプ21が
1時間作動して(S113)、空気を曝気槽10内に供
給し、分離部材12を完全に再生する。次に、分離部材
12の再生を行った後、ドライクリーニング装置の水分
離器からの廃液が、再び廃液槽内の上限液面センサーの
位置に達すると(S114)、S105〜S111のサ
イクルが繰り返される。または、廃液が廃液槽内の上限
液面センサーの位置に達しない場合(S114)、紫外
線光源28は消灯し、廃液が廃液槽内の上限液面センサ
ーの位置に達するまで待機状態となる。このように、廃
液処理の工程を自動化し、待機状態を設けることによ
り、無駄な電力消費を抑え、紫外線光源28の寿命を延
ばし、処理コストを最小限に抑えることができる。
浄装置やドライクリーニング装置にあっては、洗浄から
廃液処理までの一連の工程を自動化することが可能とな
るため、コストを削減することが可能となる。また、該
装置において、廃液中の塩素系有機溶剤を分解処理する
一連の過程は、処理効率に優れ、塩素系ガスなどの2次
副産物の排出を抑制することができる。
方法にあっては、溶剤分離過程を設けることにより、廃
液中に微小な粒状態で分散している塩素系有機溶剤を、
容易に吸着、除去することができるため、廃液処理に要
するコストや時間を削減することができ、排液、排ガス
中に含まれる塩素系有機物、および2次副産物である塩
素系ガスの排出量を、容易に排出基準値内に抑制するこ
とができるものである。
溶剤分離過程が、気化処理過程において気化した塩素系
有機溶剤を含む空気、あるいは外部から供給された新鮮
な空気により再生するので、分離部材を構成する多孔質
材が、塩素系有機溶剤で飽和することなく処理能力を維
持するから、コストを低減することができるものであ
る。
制御部を設けたことにより、一連の廃液処理過程を自動
運転することが可能となるため、この廃液処理装置がク
リーニング装置などの洗浄装置に用いられた場合、稼動
状況に応じて、自動で運転・停止をすることができる。
したがって、紫外線光源の寿命を延ばすことができる上
に、無駄な電力消費もなく、コストを低減することがで
きるものである。
は、装置を小型化して、安価な家庭用の風呂水汲み上げ
ポンプやエアーポンプなどを使用したものであるから、
製造コスト、ランニングコストを低減することができる
上に、メンテナンスも容易にすることができるものであ
る。
説明図である。
図である。
で、一部を透視図とした概略正面図である。
で、一部を透視図とし、該透視図の一部を断面図とした
概略側面図である。
で、一部を透視図とした概略平面図である。
ャートである。
4…気化ガス供給管路、5…光酸化分解処理部、6…分
解生成ガス供給管路、7…後処理部、8…制御部10…
曝気槽、11…分離槽、12…分離部材、13…廃液入
口部、14…廃液供給管路、15…気化ガス出口部、1
7…廃液出口部、18…圧縮空気入口部、19…中間チ
ューブ、19a…分枝継手、20…散気部材、21…エ
アーポンプ、22…圧縮空気供給チューブ、23…電磁
バルブ、24…ガス流通管路、24a…直線管路、24
c…出口部、25…光触媒顆粒体、26…光触媒反応
部、28…紫外線光源、29…人工光照射部、30…反
射板、31…ガス流通管路固定部材、31a…曝気ガス
供給口、31b…分解生成ガス排出口、37…液面セン
サー、39…カバー、40…漏電ブレーカー、41…シ
ーケンサー、42…コンセント、43…インバーター回
路、44…廃液チューブ、45…ベース部
Claims (8)
- 【請求項1】 廃液中の塩素系有機溶剤を分離する溶剤
分離過程と、前記溶剤分離処理後の廃液中に残存する塩
素系有機溶剤を気化する気化処理過程と、前記廃液中よ
り気化した気化ガスを光酸化分解する光酸化分解処理過
程と、前記光酸化分解によって生成した分解生成ガス
を、吸着、吸収、中和する後処理過程からなることを特
徴とする廃液処理方法。 - 【請求項2】 前記溶剤分離過程を、前記気化処理過程
の前段に設けたことを特徴とする請求項1記載の廃液処
理方法。 - 【請求項3】 前記溶剤分離過程を、廃液を撥水性およ
び/または親油性の多孔質材からなる分離部材に接触
し、廃液中の塩素系有機溶剤を吸着する過程とすること
を特徴とする請求項1または2記載の廃液処理方法。 - 【請求項4】 前記気化処理過程を、曝気方式とするこ
とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の廃
液処理方法。 - 【請求項5】 前記気化処理過程を、前記多孔質材から
なる分離部材が吸着した塩素系有機溶剤を気化する過程
とすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
記載の廃液処理方法。 - 【請求項6】 廃液中の塩素系有機溶剤を分離する溶剤
分離部と、前記溶剤分離処理後の廃液中に残存する塩素
系有機溶剤を気化する気化処理部と、前記廃液中より気
化した気化ガスを光酸化分解する光酸化分解処理部と、
前記光酸化分解によって生成した分解生成ガスを、吸
着、吸収、中和する後処理部と、これらの各部の動作を
制御するシーケンサーを有する制御部からなることを特
徴とする廃液処理装置。 - 【請求項7】 請求項6記載の廃液処理装置を用いた洗
浄装置。 - 【請求項8】 請求項6記載の廃液処理装置を用いたド
ライクリーニング装置。
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