JP2002113330A - 燃焼排ガスの処理装置 - Google Patents

燃焼排ガスの処理装置

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JP2002113330A JP2001210507A JP2001210507A JP2002113330A JP 2002113330 A JP2002113330 A JP 2002113330A JP 2001210507 A JP2001210507 A JP 2001210507A JP 2001210507 A JP2001210507 A JP 2001210507A JP 2002113330 A JP2002113330 A JP 2002113330A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温活性ダイオキシン類分解性の汚染媒体処
理剤を用いて、焼却炉の燃焼排ガスに含まれるダイオキ
シン類を効率的に分解処理すると共に、飛灰中の重金属
類の溶出を防止する装置を提供する。 【解決手段】 本発明に係る燃焼排ガスの処理装置は、
焼却炉から排出される飛灰及び焼却灰を含む排ガスを所
定温度に冷却するガス冷却装置;前記ガス冷却装置から
の排出ガスを処理してその中に含まれる飛灰及び焼却灰
を分離するための集塵装置;前記焼却炉からガス冷却装
置への排出ガス及び/又はガス冷却装置からの排出ガス
に汚染媒体処理剤を供給するための汚染媒体処理剤供給
装置;前記集塵装置から排出される飛灰及び焼却灰に水
及び/又は重金属溶出防止剤を加えて混練りするための
混練り装置;を具備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼排ガスの処理
装置に関する。詳しくは、本発明は、ごみ焼却炉等の各
種焼却炉から排出される飛灰及び焼却灰(以下、これら
を併せて「焼却灰」と称する)中に含まれるポリ−塩化
−p−ジベンゾダイオキシン類(PCDD)やポリ塩化
ジベンゾフラン類(PCDF)、コプラナ−PCB(c
o−PCB)などの有機塩素化合物(以下、これらを併
せて「ダイオキシン類」と称する)を効率的に分解処理
したり、鉛、カドミウム、クロム、水銀等の有害な重金
属類を高濃度に含有する飛灰等からの重金属の溶出を防
止することができる。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却炉等の焼却炉では、燃焼中にフ
ェノール、ベンゼン等の有機化合物、クロロフェノー
ル、クロロベンゼン等の塩素化芳香族化合物等のダイオ
キシン類前駆体が発生する。これらのダイオキシン類前
駆体は、飛灰が存在すると、その触媒作用によってダイ
オキシン類となって焼却灰中に存在する。
【0003】従来、このようなダイオキシン類含有飛灰
の処理方法としては、次のような方法が提案されてい
た。 (1) ダイオキシン類含有飛灰を、窒素ガス等の還元性雰
囲気下で、320℃では2時間、340℃では1〜1.
5時間保持することによりダイオキシン類を分解する方
法(ハーゲンマイヤープロセス:Organohalogen Compou
nd, 27, 147-152 (1996),特開昭64−50032
0)。
【0004】(2) ダイオキシン類含有飛灰を、ダイオキ
シン類生成抑制剤(ピリジン)の存在下で、300〜5
00℃で熱処理する(特開平4−241880号公
報)。ダイオキシン類は、従来より、300℃未満では
熱分解しないとされており、上記の方法は、この定説通
りに、300℃以上に加熱することによってダイオキシ
ン類を分解するものであり、加熱処理中に、ダイオキシ
ン前駆体からのダイオキシン類の生成を抑制するため
に、ダイオキシン類分解温度域でダイオキシン類生成抑
制剤を飛灰に添加している。
【0005】また、ごみ焼却場等で発生する飛灰等に
は、鉛、カドミウム、クロム、水銀、亜鉛、銅等の人体
に有害な重金属類が高濃度に含有されている。これらは
雨水等の環境水と接触すると溶出を起こし、土壌や地下
水、河川、海水等を汚染する。
【0006】そのため、従来、飛灰からの重金属類の処
理法としては、次のような方法が提案されていた。 (1) 酸その他の溶媒によって重金属類を安定化する方
法。
【0007】(2) 重金属類を含む飛灰を溶融固化する方
法。 (3) 重金属類を含む飛灰をセメントで固化する方法。 (4) 重金属類を含む飛灰を薬剤で処理する方法。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の方法には、以下のような問題点があった。まず、
ダイオキシン類の処理方法に関しては、 (a) 処理温度が高く、処理時間も長いため、必要とする
エネルギーが多く、処理コストも高くなる。
【0009】(b) 冷却時にダイオキシン類が再合成する
可能性がある。 (c) 窒素ガス等の還元性雰囲気下で処理する必要がある
が、酸素を完全には遮断できないために、ダイオキシン
類の分解率が低くなる。
【0010】(d) 部分的に脱塩素反応が進行するため、
より毒性の高いダイオキシン類が生成する。 また、重金属類の溶出防止方法に関しては、 (a) 溶融固化法では、1200〜1400℃の処理温度
を必要とするため、エネルギー量が大きく、処理コスト
も高くなる。
【0011】(b) セメント固化法では、pH値が高いと
鉛が溶出し易くなすので、溶出防止対策としては十分で
はない。また、処理物の減容化も図れない。 (c) 重金属類を含む飛灰を薬剤で処理する方法では、こ
の目的で用いられる液体キレート剤が高価で、高コスト
になる。
【0012】本発明者は、これらの従来法の問題点を解
決し、従来法ではダイオキシン類を分解処理できないと
考えられていた低温度域でも、短時間でダイオキシン類
を分解除去することができ、それと同時に重金属類の溶
出をも防止できる処理剤を考案し、特許出願を行った
(特願2000−112916号)。
【0013】先に提案された汚染媒体処理剤は、次式:
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R1はそれぞれ独立して、水素、
メチル基を表し;R2はそれぞれ独立して、R1が水素の
場合には、水素、フェニル基を表し、R1がメチル基の
場合には、水素、メチル基を表す)の化合物を含むもの
である。
【0016】なお、汚染媒体処理剤は、シリカ、アルミ
ナ、ゼオライト、珪藻土又は活性炭から選択される担体
に担持されていてもよい。これらの汚染媒体処理剤を焼
却飛灰を含む燃焼排ガスと接触させることにより、その
中に含まれるダイオキシン類を300℃以下、好ましく
は250℃以下、更に好ましくは230℃以下、最も好
ましくは200℃以下の温度でも分解処理することがで
きる。したがって、燃焼排ガスを300℃以下の温度に
冷却した後に、これらの汚染媒体処理剤を排ガスに加え
ることによってダイオキシン類を処理することができ
る。また、上記の汚染媒体処理剤は、例えば900℃程
度の高温下でもダイオキシン類を処理できることが分か
った。したがって、上記の汚染媒体処理剤を、例えば焼
却炉からの高温の排ガスに直接加えることによって、排
ガス中のダイオキシン類を処理することができる。この
場合、処理後の排ガス中には汚染媒体処理剤が残留して
おり、その後に排ガスを冷却する際にダイオキシン類が
再合成されても、残留している汚染媒体処理剤によっ
て、再合成されたダイオキシン類を300℃以下の温度
で処理することができる。更に、ダイオキシン類分解反
応に伴って汚染媒体処理剤化合物に由来する化合物が生
成し、これと飛灰中の重金属類とを、水を加えて混練り
することによって反応させて水に不溶性の化合物を生成
させることにより、飛灰等からの重金属類の溶出を防止
することができる。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記に示す本
発明者が提案した汚染媒体処理剤を用いて焼却飛灰を含
む焼却炉排ガスを処理して、その中に含まれるダイオキ
シン類を効率よく分解処理し、且つ、焼却飛灰からの重
金属類の溶出を防止するための装置を提供するものであ
る。
【0018】即ち、本発明は、焼却炉から排出される飛
灰及び焼却灰を含む排ガスを所定温度に冷却するガス冷
却装置;前記ガス冷却装置からの排出ガスを処理してそ
の中に含まれる飛灰及び焼却灰を分離するための集塵装
置;前記焼却炉からガス冷却装置への排出ガス及び/又
はガス冷却装置からの排出ガスに汚染媒体処理剤を供給
するための汚染媒体処理剤供給装置;前記集塵装置から
排出される飛灰及び焼却灰に水及び/又は重金属溶出防
止剤を加えて混練りするための混練り装置;を具備する
ことを特徴とする燃焼排ガスの処理装置に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明に係る燃焼排ガスの処理装置の具体的な一態様を説明
する。図1は、本発明の一態様に係る燃焼排ガスの処理
装置の構成を示す概念図である。以下の説明は、図1に
示す本発明の一態様に係る燃焼排ガスの処理装置に関す
るもので、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】図1中、1は焼却炉、2はガス冷却塔、3
はガス冷却塔から集塵装置への煙道、15は焼却炉から
ガス冷却塔への煙道、4は集塵装置、5は汚染媒体処理
剤ホッパ、6及び14は汚染媒体処理剤供給配管、8は
焼却灰貯留槽、9は混練り機である。焼却炉1から排出
される排ガスは、900℃〜950℃の高温であるが、
ガス冷却塔2により300℃以下の適当な温度に冷却さ
れる。ここでいう適当な温度とは、配管6を通して排ガ
ス中に供給される汚染媒体処理剤によって、ダイオキシ
ン類の再合成温度以下の温度でダイオキシン類を分解処
理する反応の反応温度であり、ガス中のダイオキシン類
の濃度や用いられる汚染媒体処理剤の種類、ガスの流量
などによって変動するが、一般に、150℃以上、好ま
しくは180℃以上であって、300℃以下、好ましく
は250℃以下、更に好ましくは230℃以下、最も好
ましくは200℃以下の温度である。ガス冷却塔2を適
宜制御することにより、所望の温度に排ガスを冷却する
ことができる。なお、ガス冷却塔に代えて、排ガスを所
望の温度に制御しながら冷却することのできる当該技術
において公知の任意の冷却装置を用いることができる。
冷却塔2で冷却された排ガスは、所望により設けられる
煙道3を通って集塵装置4に送られ、そこで集塵処理さ
れて、焼却飛灰が排ガスから分離される。
【0021】図1に示す装置においては、煙道3及び/
又は15に汚染媒体処理剤ホッパ5が配管6及び/又は
14を介して接続されており、所定量の汚染媒体処理剤
が煙道3及び/又は15内に供給される。汚染媒体処理
剤としては、上述した先の出願に係る汚染媒体処理剤の
いずれか、又はこれらを混合したものを用いることがで
きる。これにより、煙道3及び/又は15を流れる焼却
飛灰を含む排ガス中に含まれるダイオキシン類が、汚染
媒体処理剤と反応して分解処理される。なお、汚染媒体
処理剤は、図1に示すように、焼却炉1からガス冷却塔
2への煙道15に供給しても、又はガス冷却塔2から集
塵装置4への煙道3に供給してもよく、或いはこれらの
両方に供給することもできる。更には、汚染媒体処理剤
は、集塵装置4に直接供給することもできる。いずれの
態様においても、汚染媒体処理剤とダイオキシン類との
反応が十分に進行してダイオキシン類が分解処理され
る。
【0022】本発明によれば、汚染媒体と、汚染媒体処
理剤とを接触させることにより、まず汚染媒体中に含ま
れているダイオキシン類中の塩素原子と汚染媒体処理剤
化合物とが反応し、ダイオキシン類の脱塩素反応又は六
員環(ベンゼン環)の開裂反応が迅速に進行して、ダイ
オキシン類が分解処理される。
【0023】本発明によれば、ダイオキシン類中の塩素
と汚染媒体処理剤化合物とが反応することにより、従来
法ではダイオキシン類は分解しないとされていた300
℃よりも低い温度で、ダイオキシン類の脱塩素反応或い
は六員環(ベンゼン環)の開裂反応が迅速に進行して、
ダイオキシン類が分解される。
【0024】本発明に係る汚染媒体の処理剤を、焼却飛
灰を含む燃料排ガスと接触させてその中に含まれるダイ
オキシン類を処理する際に用いる汚染媒体処理剤の量
は、排ガス中に含まれるダイオキシン類の量、及び飛灰
中の重金属類の量によって変動するが、一般に、排ガス
量に対して10〜500ppm、特に50〜200pp
mの割合で供給することが好ましい。なお、汚染媒体の
処理としては、汚染媒体の分解のほかに、その生成の抑
制も含まれ、これは、塩化水素ガスからの塩素ガスの
生成抑制;銅等の金属触媒の不活性化;の二つの作用
による。
【0025】排ガス中に含まれる焼却飛灰は、焼却炉排
ガス中のダイオキシン類の吸着除去剤として焼却炉の煙
道に吹き込まれた粉末活性炭を含むものであってもよ
い。本発明に係る汚染媒体の処理剤を汚染媒体と接触さ
せる際の形態は、ガス状、液状、水溶液状のいずれであ
ってもよい。しかし、汚染媒体を、ガス状の本発明に係
る処理剤と接触させた場合に最も効率よくダイオキシン
類が分解処理されるので、式Iの化合物としては、30
0℃よりも低い温度で十分に高い蒸気圧を有するものが
好ましい。また、液状又は水溶液の形態の本発明に係る
処理剤を排ガスに噴霧したり、後段の混練り工程におい
て焼却飛灰と混練りする場合においても、300℃より
も低い温度で十分にガス状になるような蒸気圧を有する
ものが好ましい。本発明において用いることのできる好
ましい汚染媒体処理剤化合物の具体例としては、ジチオ
カルバジン酸ヒドラジン塩、2−メチルジチオカルバジ
ン酸メチルヒドラジン塩又は3−フェニルジチオカルバ
ジン酸フェニルヒドラジン塩等が挙げられる。
【0026】本発明において、焼却飛灰を含む焼却炉排
ガスと汚染媒体処理剤とを接触させる方法としては、以
下のような方法を採用することができる。 A.汚染媒体処理剤を煙道3及び/又は15及び/又は
集塵装置4において排ガス中に吹き込み、排ガス中のダ
イオキシン類と汚染媒体処理剤とを接触させる。
【0027】B.汚染媒体処理剤を、処理対象の排ガス
の温度程度に加熱してガス化し、このガスを含む気流を
煙道3及び/又は15及び/又は集塵装置4において排
ガス中に吹き込み、排ガス中のダイオキシン類と接触さ
せる。
【0028】C.汚染媒体処理剤の気化物又は該気化物
を含むガスを煙道3及び/又は15及び/又は集塵装置
4において排ガス中に吹き込み、排ガス中のダイオキシ
ン類と接触させる。
【0029】D.汚染媒体処理剤を、粉末活性炭、シリ
カ、アルミナ、珪藻土又はゼオライト等の担体に担持さ
せたものを、煙道3及び/又は15及び/又は集塵装置
4において排ガス中に吹き込み、排ガス中のダイオキシ
ン類と接触させる。
【0030】上記のようにダイオキシン類が分解処理さ
れた焼却飛灰を含む焼却炉排ガスは、集塵装置4におい
て集塵処理され、焼却飛灰が分離される。集塵装置4に
入る排ガスは、冷却塔2において300℃以下に冷却さ
れたものであるので、バグフィルタや電気集塵器等、こ
の温度範囲で当該技術において用いられている任意の集
塵装置を用いることができる。
【0031】集塵装置4において分離された焼却飛灰
は、配管7を通って灰貯留槽8に送られる。所望によ
り、灰貯留槽8に、焼却飛灰を300℃以下のダイオキ
シン類分解反応温度に保持するための加熱・保温装置を
設けることができる。このような加熱・保温装置を灰貯
留槽8に設けて、焼却飛灰を一定時間、例えば30分〜
1時間、300℃以下の所定のダイオキシン類反応温度
に保持することにより、ダイオキシン類の分解反応を更
に十分に進行させることができる。
【0032】焼却飛灰は、次に、混練り機9に誘導さ
れ、ここで水が配管10を通して加えられ、混練りされ
る。この混練り工程により、ダイオキシン類分解反応に
よって生成した汚染媒体処理剤化合物に由来する化合物
(これが重金属類捕捉成分として機能する)と焼却飛灰
中の重金属類とが反応して、水に不溶性の化合物が生成
する。これによって、焼却飛灰からの重金属類の溶出が
防止される。
【0033】混練り機としては、当該技術において周知
の混練機、例えば、押出造粒機、転動造粒機などを用い
ることができる。混練りは、常温〜80℃程度の温度
で、混合物が均一な状態に混合されるまで行うことが好
ましい。なお、混練りにより、重金属捕捉成分と重金属
類との発熱反応が起こるので、混練機に加熱手段を用い
る必要性はない。
【0034】上述のように、前段の汚染媒体処理剤の添
加工程において加える汚染媒体処理剤の量は、排ガス中
に含まれるダイオキシン類の量及び焼却飛灰中に含まれ
る重金属類の量に依存して変動するが、この際にはダイ
オキシン類の処理に必要な量だけの汚染媒体を供給し、
重金属類の溶出を防止するためには汚染媒体処理剤の量
が不足する場合には、配管10を通して水に代えて又は
水に加えて、キレート薬剤のような重金属捕捉性能を有
することが当該技術において公知の薬剤を必要量添加し
てもよい。この目的で用いることのできる当該技術にお
いて公知の重金属捕捉性薬剤としては、ジチオカルバミ
ン酸基を有する液体薬剤、含硫黄粉体系薬剤、セメント
などを挙げることができる。また、その使用量は、一般
に、焼却飛灰の重量に対して、ジチオカルバミン酸基を
有する液体薬剤にあっては1〜2%、含硫黄粉体系薬剤
にあっては1〜5%、セメントにあっては5〜10%程
度であってよい。
【0035】混練り機9において混練りされて重金属類
が水に不溶性の化合物に転化された焼却飛灰は、排出管
11を介して外部に廃棄されるか、或いは、一定時間養
生させた後、場外に排出される。
【0036】一方、集塵装置4において焼却飛灰が分離
除去された排ガスは、IDF(Induced Draft Fan:誘引
送風機)12及び煙突13を通して系外に放出される。
上記に示す汚染媒体処理剤は、ダイオキシン類と、還元
性雰囲気下で接触させても、或いは酸素存在下、即ち大
気中若しくは排ガス中で接触させても、ダイオキシン類
を効率よく処理することができる。したがって、本発明
に係る燃焼排ガスの処理装置においては、汚染媒体処理
剤とダイオキシン類とを接触させる雰囲気を調整するの
ための設備や作業は不要である。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る燃焼排ガスの処理装置によ
れば、本発明者が先に提案した低温活性の汚染媒体処理
剤(ダイオキシン類処理及び重金属類溶出防止剤)を用
いて、焼却炉から排出されるダイオキシン類を含む排ガ
スを極めて効率的に分解処理することができ、同時に、
焼却飛灰からの重金属類の溶出を効果的に防止すること
ができる。本発明に係る燃焼排ガスの処理装置は、ダイ
オキシン類の処理雰囲気を還元性雰囲気とすることなし
に、大気中又は排ガス中でダイオキシン類の処理を実施
することができるので、処理設備が簡単で、容易に実施
することができる。
【0038】
【実施例】以下の実施例によって、本発明をより具体的
に説明する。以下の実施例は、本発明の好ましい態様の
例示であり、本発明を限定するものではない。
【0039】なお、以下の実施例において、ダイオキシ
ン類の濃度は、ガスクロマトグラフ・質量分析法によっ
てダイオキシン類(PCDDs,PCDFs Tota
l)の濃度として測定し、国際毒性等価係数(I−TE
F)を用いて算出したダイオキシン類毒性等量値(ng
−TEQ/g)として示した。また、重金属類の溶出濃
度は、環境庁告示13号法に準拠して測定を行った。
【0040】参考例1 ジチオカルバジン酸ヒドラジン塩5gと、飛灰100g
(ダイオキシン類濃度950ng/g、重金属類濃度は
表1に示す)とをよく混合し、容量500mLの蓋付き
角型こう鉢へ移し入れた後、室温(20℃)、50℃、
100℃、150℃の各温度で30分間加熱した。その
後、処理物のダイオキシン濃度及び重金属類の溶出濃度
を測定した。結果を表2に示す。
【0041】参考例2 2−メチルジチオカルバジン酸メチルヒドラジン塩5g
と、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng/
g、重金属類濃度は表1に示す)とをよく混合し、容量
500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温
(20℃)、50℃、100℃、150℃の各温度で3
0分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度及
び重金属類の溶出濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0042】参考例3 3−フェニルジチオカルバジン酸フェニルヒドラジン塩
5gと、飛灰100g(ダイオキシン類濃度950ng
/g、重金属類濃度は表1に示す)とをよく混合し、容
量500mLの蓋付き角型こう鉢へ移し入れた後、室温
(20℃)、50℃、100℃、150℃の各温度で3
0分間加熱した。その後、処理物のダイオキシン濃度及
び重金属類の溶出濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0043】比較例1 シリカ粒子5gと、飛灰100gとをよく混合し、参考
例1と同様に試験を実施した。処理物のダイオキシン類
濃度及び重金属類の溶出濃度を表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表2より、比較例1では、飛灰を加熱する
とダイオキシン類は増加し、室温〜200℃の温度域に
おいては、ダイオキシン類は分解されずに、逆に生成し
ていることが分かる。重金属類の溶出濃度も、鉛の溶出
濃度はほとんど減少しておらず、溶出防止がなされてい
ないことが分かる。一方、参考例1〜3においては、1
50℃以下の温度でダイオキシン類が効果的に分解され
ると同時に、鉛をはじめとする重金属類の溶出が防止さ
れていることが分かる。
【0047】実施例1 図1の燃焼排ガス処理装置を用いて実験を行った。焼却
炉1からの排ガスをガス冷却塔2によって冷却し、煙道
3を通して集塵装置4に送った。ジチオカルバジン酸ヒ
ドラジン塩からなる汚染媒体処理剤を、集塵装置4の前
段の煙道3において、燃焼排ガス1m3(NTP)当た
り100mgの割合で排ガス中に吹き込み、排ガス中の
ダイオキシン類と接触させた。なお、集塵装置4内の排
ガスの温度は、160℃であった。集塵装置4として
は、バグフィルタを用いた。その後、集塵装置4から灰
貯留槽8に払い落とされた焼却飛灰に水を30重量%添
加し、押出造粒機によって混練り処理を行った。混練り
処理後の処理物の重金属類の溶出濃度とpH値、ダイオ
キシン類の濃度測定を行った。結果を表3に示す。
【0048】比較例2 実施例1と同一の燃焼排ガス処理装置において、煙道3
又は集塵装置4において汚染媒体処理剤を供給しないで
運転を行い、集塵装置4から灰貯留槽8に払い落とされ
た焼却飛灰に水を30重量%添加し、押出造粒機で混練
り処理を行った。混練り処理後の処理物の重金属類の溶
出濃度とpH値、ダイオキシン類の濃度測定を行った。
結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】上記の結果から、本発明に係る燃焼排ガス
処理装置によれば、ダイオキシン類が極めて効率的に分
解処理され、且つ飛灰中の重金属類の溶出が効果的に防
止されたことが分かる。
【0051】実施例2 実施例1と同様に、図1の燃焼排ガス処理装置を用いて
実験を行った。焼却炉1からの排ガスをガス冷却塔2に
よって冷却し、煙道3を通して集塵装置4に送った。ジ
チオカルバジン酸ヒドラジン塩からなる汚染媒体処理剤
を、ガス冷却塔2の前段の煙道15において、燃焼排ガ
ス1m3(NTP)当たり100mgの割合で排ガス中
に吹き込み、排ガス中のダイオキシン類と接触させた。
なお、集塵装置4内の排ガスの温度は、170℃であっ
た。集塵装置4としては、バグフィルタを用いた。その
後、集塵装置4から灰貯留槽8に払い落とされた焼却飛
灰に水を30重量%添加し、押出造粒機によって混練り
処理を行った。混練り処理後の処理物の重金属類の溶出
濃度とpH値、ダイオキシン類の濃度測定を行った。結
果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】表4に示す結果から、本発明に係る燃焼排
ガス処理装置において、汚染媒体処理剤を焼却炉からガ
ス冷却塔への煙道中に加えても、実施例1(汚染媒体処
理剤をガス冷却塔から集塵装置への煙道へ添加)と同様
にダイオキシン類が極めて効率的に分解処理されると共
に、飛灰中の重金属類の溶出が効果的に防止されたこと
が分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様に係る燃焼排ガス処理装置の構
成を示す概念図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 3/00 301 C07B 37/06 C09K 3/00 S C07B 35/06 B01D 53/34 134E 37/06 ZAB C09K 3/00 B09B 3/00 304G F23J 15/00 F23J 15/00 K 15/06 Z (72)発明者 辻 秀樹 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 3K070 DA05 DA07 DA24 DA27 DA37 DA45 4D002 AA21 AC04 BA03 BA13 BA14 CA01 DA57 DA61 EA07 4D004 AA36 AA37 AA47 AB03 AB07 AC04 CA14 CA15 CA45 CB50 CC06 4G066 AA05C AA20C AA22C AA61C AA70C AB13B AB16B CA33 DA02 4H006 AA04 AA05 AC13 AC26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉から排出される飛灰及び焼却灰を
    含む排ガスを所定温度に冷却するガス冷却装置;前記ガ
    ス冷却装置からの排出ガスを処理してその中に含まれる
    飛灰及び焼却灰を分離するための集塵装置;前記焼却炉
    からガス冷却装置への排出ガス及び/又はガス冷却装置
    からの排出ガスに汚染媒体処理剤を供給するための汚染
    媒体処理剤供給装置;前記集塵装置から排出される飛灰
    及び焼却灰に水及び/又は重金属溶出防止剤を加えて混
    練りするための混練り装置;を具備することを特徴とす
    る燃焼排ガスの処理装置。
  2. 【請求項2】 集塵装置から排出される飛灰及び焼却灰
    を、混練り装置に導入する前に、300℃以下の温度で
    保持するための装置を更に具備する請求項1に記載の燃
    焼排出ガス処理装置。
  3. 【請求項3】 汚染媒体処理剤が、次式: 【化1】 (式中、R1は、それぞれ独立して、水素、メチル基を
    表し;R2は、それぞれ独立して、R1が水素の場合に
    は、水素、フェニル基を表し、R1がメチル基の場合に
    は、水素、メチル基を表す)で示される化合物を含むも
    のである請求項1又は2に記載の燃焼排ガス処理装置。
  4. 【請求項4】 汚染媒体処理剤が、シリカ、アルミナ、
    ゼオライト、珪藻土又は活性炭から選択される担体に担
    持されている請求項3に記載の燃焼排ガス処理装置。
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