JP2002112712A - 安定なカロチノイド類含有粉末およびその製造方法 - Google Patents

安定なカロチノイド類含有粉末およびその製造方法

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JP2002112712A
JP2002112712A JP2000304062A JP2000304062A JP2002112712A JP 2002112712 A JP2002112712 A JP 2002112712A JP 2000304062 A JP2000304062 A JP 2000304062A JP 2000304062 A JP2000304062 A JP 2000304062A JP 2002112712 A JP2002112712 A JP 2002112712A
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carotenoids
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astaxanthin
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Nobukazu Tanaka
伸和 田中
Terumasa Hosokawa
輝正 細川
Heiji Ikushima
平二 幾島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カロチノイド類含有藻体を破砕することによ
り、遊離する藻体由来のカロチノイド類を安定な状態で
維持することができる藻体破砕物含有粉体組成物および
その製造方法を提供する。 【解決手段】 カロチノイド類含有藻体を破砕すること
により、遊離する藻体由来のカロチノイド類を安定な状
態で維持することができる藻体破砕物含有粉体組成物お
よびその製造方法。粉体は安定かつ取り扱いが容易であ
り、かつ容器に付着することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カロチノイド類含
有藻体を破砕することにより、遊離する藻体由来のカロ
チノイド類を安定な状態で維持することができる藻体破
砕物含有粉体組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カロチノイド類、例えば、カロチノイド
類の一種であるキサントフィル類に属するアスタキサン
チン類は、魚類の色揚げ剤、飼料、食品の着色料、ある
いは食品添加物などに広く使用され、また医薬品、健康
食品用途などへの利用が期待されているものである。こ
のアスタキサンチン類は、合成品または動物、植物由来
の天然物が知られている。健康食品として利用する場合
は天然物由来の方が好ましい。天然物由来品は、カロチ
ノイド類などの有用成分を含有する甲殻類あるいは藻類
から得ることができる。アスタキサンチン類を高濃度に
含有する藻類としては、例えば、ヘマトコッカス類が知
られている。これらの藻類は、常法に従って、例えば、
国際公開番号WO99/50384号に記載の装置を用
いて培養することにより効率よく供給することができ
る。しかしながら、このヘマトコッカス藻体をそのまま
動物の飼料用またはヒトの食品添加物および健康食品な
どの用途に用いても藻体に含まれるアスタキサンチン類
の生体内での利用効率は低いという問題があった。この
理由としては、ヘマトコッカスの細胞がほぼ球形で40
〜50×50〜60μmであり、乾くと寒天質状の粘質
鞘に包まれ、球形の休眠胞子をつくることが報告されて
いることから、この休眠胞子からのアスタキサンチン類
が細胞外に遊離しにくく、その結果摂取しても生体内で
の利用効率が低下するものと考えられる。従って、アス
タキサンチン類の利用効率を向上させるためには藻体の
破砕が必要となる。藻体の破砕方法としては、機械的方
法および酵素的方法が知られている。例えば、機械的方
法としては、従来からいくつかの方法が提案されてい
る。例えば、培養液から分離したヘマトコッカス藻体
を懸濁させ、破砕後、乾燥して粉末化する方法、ヘマ
トコッカス藻体をそのまま噴霧乾燥し、乾燥品を物理的
に粉砕した後、飼料に添加する方法などが報告されてい
る。しかしながら、上記の方法では、アスタキサンチ
ンの利用効率を上げるために破砕時間を長くし、破砕回
数を多くすると細胞の破砕率は向上する。しかし、その
結果藻体に含まれるアスタキサンチン類を含む脂質成分
が溶出し、媒体として水を使用した場合には均一な懸濁
液とならないばかりでなく、溶出した脂質成分が水面に
浮くので空気酸化されやすくなり、その結果加工後の粉
体中アスタキサンチン類の含量が低下し、また脂質によ
り粉末が噴霧乾燥機の壁面に付着し、回収率が低下する
という問題があった。一方、藻の破砕率を低くすると噴
霧乾燥後のアスタキサンチン類の残存率は高くなり、回
収率も高くなるが、その分アスタキサンチンの利用効率
が低下し、また乾燥後の安定性も低下するという問題が
ある。上記の方法では、ヘマトコッカス藻体を乾燥し
た後に粉砕しているため、緩和な条件下では破砕されに
くく、破砕率が低くなり、また空気中の酸素により酸化
されやすくなる。さらには、粉砕にともない粉体に部分
的に熱が加わるため有効成分であるアスタキサンチン類
が分解するという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カロチノイ
ド類含有藻体を破砕することにより、遊離する藻体由来
のカロチノイド類を安定な状態で維持することができる
藻体破砕物含有粉体組成物およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、(1)媒体中で、
(a)少なくとも1種以上のカロチノイド類を含有する
藻体を破砕し、(b)得られた懸濁液に賦形薬(好まし
くは賦形薬が水または温水に可溶な粉末乳化剤と酸化防
止剤からなるもの)を添加し、破砕藻体から溶出する脂
質分を乳化し、(c)噴霧乾燥することにより得られる
カロチノイド含有粉体組成物を得ることができた。好ま
しくは、カロチノイド類がキサントフィル類であり、よ
り好ましくは、キサントフィル類がアスタキサンチン類
である藻体破砕組成物である。
【0005】本発明においてカロチノイド類とは、α−
カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、δ−カロテ
ン、リコペン、フィトエンなどの炭化水素類、アスタキ
サンチン、カンタキサンチン、カプサンチンα−ドラデ
キサンチン、エキネノン、クルスタキサンチン、ツナキ
サンチン、ルティン、ゼアキサンチン、クリプトキサン
チンなどのキサントフィル類、バクテリオルベリンなど
のホモ・カロテノイド類、β−アポ−8'−カロテナー
ル、ビキシンなどのアポ・カロテノイド、アクチノエリ
スリン、ペリジニンなどのノル・カロテノイド類などの
化合物を意味する。好ましくは、キサントフィル類であ
り、より好ましくは、アスタキサンチンである。このア
スタキサンは、アスタキサンチンおよびアスタキサンチ
ンのシス、トランス異性体、またはこれらのアスタキサ
ンチンのモノ−、ジ−エステル誘導体などの少なくとも
1以上である。
【0006】上記エステル誘導体としては、例えば、酢
酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などのモ
ノ−またはジエステルなどをあげることができる。
【0007】本発明において「カロチノイド類を含有す
る藻体」とは、公知のカロチノイド類を生産する緑藻類
の藻体であれば特に制限はない。好ましくは、例えば、
ヘマトコッカス類、クロレラ類、スピルリナ類などの緑
藻類である。
【0008】ヘマトコッカス類としては、例えば、ヘマ
トコッカス・プルビアリス、ヘマトコッカス・ラキュス
トリス、ヘマトコッカス・カペンシス、ヘマトコッカス
・ドロエバケンシス、ヘマトコッカス・ジンバビエンシ
スなど公知のものをあげることができる。この藻の細胞
壁は硬く、柔軟性があるので、容易に破壊されない。
【0009】クロレラ類としては、クロロコックム目に
属する緑藻類であるクロレラ・フスカ(=クロレラ・ピ
レノイドーサ)、クロレラ・ゾーフィンゲンシス、クロ
レラ・ホモスポーラなどである。
【0010】スピルリナ類としては、クロロコックム目
に属する緑藻類であるセネデスムス(イカダモ)などで
ある。
【0011】破砕藻体とは上記「カロチノイド類を含有
する藻体」を常法に従って、媒体中、例えば水、また
は、必要ならば、水と混合し得る有機溶媒、例えばエタ
ノールなどのアルコール類を添加して粉砕し、常法によ
り有機溶媒を除くことにより得られる破砕物である。
【0012】破砕藻類に含まれる脂質としては、トリグ
リセリド類、カロチノイド類、炭化水素類、遊離脂肪酸
などの中性脂質、リン脂質、糖脂質、含硫脂質などの複
合脂質である。
【0013】本発明の藻体破砕組成物は、以下の方法で
製造することができる。具体的には、媒体中で、(a)
少なくとも1種以上のカロチノイド類を含有する藻体を
破砕し、(b)得られた懸濁液に賦形薬を添加し、
(c)噴霧乾燥することにより安定なカロチノイド含有
粉体組成物を製造することができる。好ましくは、カロ
チノイド類がキサントフィル類であり、さらに好ましく
は、キサントフィル類がアスタキサンチン類である。
【0014】本発明をアスタキサンチン類含有ヘマトコ
ッカス藻体の事例でより具体的に説明する。アスタキサ
ンチン類含有ヘマトコッカス藻体は、公知の方法によ
り、または公知の方法に準拠して調製することができ
る。本発明においては藻体に含まれるアスタキサンチン
含量については特に制限はないが、アスタキサンチン含
量が高いほど着色性、薬理作用の効率が良くなるので好
ましい。通常は、アスタキサンチン含量が藻体重量あた
り0.1%以上、好ましくは2%以上、より好ましくは
3%以上である。
【0015】ヘマトコッカス藻類に含まれるアスタキサ
ンチン類とは、前述のアスタキサンチンおよびそのシ
ス、トランス異性体、ならびにこれらアスタキサンチン
のモノ−、ジ−エステル体である。
【0016】本発明に用いる賦形薬とは、水または温水
に可溶な粉末乳化剤と酸化防止剤からなるものである。
粉末乳化剤は、脂質分を乳化し、噴霧収率を向上させる
ため、また酸化防止剤は噴霧時のアスタキサンチンの分
解を抑制するために必要である。
【0017】上記粉末状乳化剤としては、噴霧乾燥時粉
末化基剤となり得るものでかつ乳化作用を合わせて持つ
ものであり、例えば、エマルスター30A〔松谷化学
(株)製、食品用加工澱粉〕、アミコール乳華〔商標、
化工デンプン(デンプン+親油基)、日澱化学(株)
製〕、乳華などの加工デンプン類、アラビアガム、カゼ
インナトリウム、ゼラチンなどがあげられる。好ましく
は、エマルスター30A、オイルQ−S〔商品名、日澱
化学(株)製〕である。
【0018】酸化防止剤としては、RM−21A〔商
標、ローズマリー抽出物、三菱化学フーズ(株)製〕、
パップスタブ〔Pap’stab、商標、界面活性剤と
してグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルが配合
されている、NATUREX(株)製〕、ビタミンC、
ビタミンE(理研Eオイル700、800)などをあげ
ることができる。
【0019】ビタミンEはオイルであるため、酸化防止
剤として添加する場合にはHLB10以上の界面活性
剤、例えば、一般的なポリグリセリン脂肪酸エステルで
あるDecaglyn〔商標、日光ケミカルズ(株)
製〕 1−Lなどを溶解補助剤として添加し、分散させ
るほうがよい。
【0020】本発明においてはこれら粉末乳化剤と酸化
防止剤の1種以上を併用してもよい。より好ましい組合
せとしては、上記エマルスター30A−パップスタブ、
エマルスター30A−Decaglyn 1−L−ビタ
ミンE、RM−21AとアミコールNo.6またはアラ
ビアガムとの組合せであり、さらに好ましくはエマルス
ター30A、パップスタブ、またはエマルスター30A
−Decaglyn1−L−ビタミンEの組合せであ
る。
【0021】懸濁液とは、水中で、アスタキサンチン含
有ヘマトコッカス藻体を破砕することにより得られる懸
濁液(以下懸濁液A)をいう。
【0022】噴霧乾燥は懸濁液の調製以外は、常法に従
って行われる。
【0023】藻体の破砕は、公知の方法で行われる。藻
体の破砕方法としては、機械的方法または酵母的破壊法
とがあるが、大量に速やかに、かつ安価に処理するとい
う面から考慮すると機械的処理がより好ましい。機械的
処理の方法としては、例えば、ブラウンホモジナイザ
ー、フレンチプレスまたはミキサー中でガラスビーズを
振動させて細胞を破壊する方法などが知られている。藻
体破砕物から遊離するアスタキサンチン類の安定性をよ
り向上させるため、所望により、ヘマトコッカス藻体の
破砕時に、破砕媒体に公知の酸化防止剤、例えば、トコ
フェロール類、トコトリエノール類などのビタミンE
類、ビタミンCなどを添加し、窒素雰囲気下で酸素を遮
断して使用し、遮光下で処理し、または低温下で処理す
ることによりさらに改善することができる。
【0024】藻類の破砕条件、例えば、破砕機をパスさ
せる回数は、用いる藻の種類、成熟度、使用量、懸濁液
の濃度、破砕時の温度、あるいは賦形薬、界面活性剤な
どの種類、使用量などにより異なり特に限定されるもの
ではないが、通常は1〜6回、好ましくは1〜5回、よ
り好ましくは1〜4回の範囲である。
【0025】懸濁液調製時に賦形薬を添加する時期につ
いては特に制限はなく、ヘマトコッカス藻類の破砕時
に、または破砕後の懸濁液に添加することができる。こ
の場合も所望により、ヘマトコッカス藻体の破砕時に、
破砕媒体に公知の酸化防止剤、例えば、トコフェロール
類、トコトリエノール類などのビタミンE類、ビタミン
Cなどを添加し、窒素雰囲気下で酸素を遮断して使用
し、遮光下で処理し、または低温下で処理することによ
りさらに改善することができる。
【0026】上記製法で得られる懸濁液の固形分含量の
比率は、使用する藻の種類、使用量、または賦形薬の種
類、使用量などにより異なり、特に限定されるものでは
ないが、通常、1〜30%であり、好ましくは10%〜
25%の範囲である。
【0027】上記懸濁液の粘度は、使用する藻の種類、
使用量、または賦形薬の種類、使用量などの固形分含量
の比率により異なり、特に限定されるものではないが、
通常、250cp〜450cp、好ましくは、300c
p〜440cpの範囲である。
【0028】本発明では噴霧乾燥は、常法に従って、例
えば、入り口温度210〜250℃、出口温度100〜
120℃の条件下で行うことができる。
【0029】本発明の方法により、通常の開放型噴霧乾
燥機(以下OSD)を用いてもアスタキサンチンの分解
を防ぐことができるが、所望により、密閉式噴霧乾燥機
(以下CSD)を用いて乾燥してもよい。これらの方法
では窒素雰囲気下で酸素を遮断して使用し、遮光下で処
理し、またはより低温下で乾燥することによりアスタキ
サンチン類の分解をさらに抑制することができる。
【0030】本発明の方法により、アスタキサンチンが
安定に存在する粉体組成物を提供することができたばか
りでなく、さらに粉体組成物の粒子の物性が改善された
ことにより、粉体組成物が噴霧乾燥機の壁面に付着しに
くくなること、ノズル付着しない、かつノズル孔の詰ま
りがなくなることが分かった。このことにより、噴霧乾
燥の回収効率が飛躍的に向上することがわかった。ま
た、短時間で処理できることにより、乾燥によるアスタ
キサンチン含有率の低下を防ぐことができた。
【0031】本発明を以下の参考例、実施例でより詳細
に説明する。
【0032】参考例1 常法により培養したアスタキサンチン含有ヘマトコッカ
ス藻体を常法により分取、洗浄後、適宜な水を添加し、
超微粉砕機マイクロスMIC−5〔商標、奈良機械製作
所((株))製〕にて破砕(4パス)し、懸濁液(破砕
率95.5%、アスタキサンチン含量3.36%、固形
分19.1%、以下懸濁液A)を調製した。
【0033】参考例2 常法により培養したアスタキサンチン含有ヘマトコッカ
ス藻体を常法により分取、洗浄後、適宜な水を添加し、
前記破砕機マイクロスにて破砕(1パス)し、懸濁液
(破砕率85.8%、アスタキサンチン含量2.04
%、固形分10.7%、以下懸濁液B)を調製した。
【0034】参考例3 常法により培養したアスタキサンチン含有ヘマトコッカ
ス藻体を常法により分取、洗浄後、適宜な水を添加し、
前記破砕機マイクロスにて破砕(1パス)し、懸濁液
(破砕率87.8%、アスタキサンチン含量2.95
%、固形分14.9%、以下懸濁液C)を調製した。
【0035】
【実施例】実施例1 上記参考例2記載の製法で得られる懸濁液A446g
に、前記エマルスター30A 13g、および前記パブ
スタブ2.0gを添加して懸濁液(固形分21.7%、
粘度432.5cp)を調製した。噴霧乾燥機MMSD
〔商標、ニロ(株)製〕にて、入口温度230℃、出口
温度105〜107℃で乾燥した(回収率57.5
%)。得られた粉末中のアスタキサンチン含量は2.6
9%であり、残存率は94.1%であった。なお、残存
率は、懸濁液中の固形分重量に対するアスタキサンチン
の重量比率(、理論値2.86%)および噴霧乾燥後
の粉体中に存在するアスタキサンチンの重量比率(、
2.69%)は下記式から求めた。 AX残存率(%)=〔(−)/〕×100
【0036】実施例2〜5 上記実施例1において、懸濁液A、エマルスター30
A、パブスタブの配合比を下記表の様に変化させ、各懸
濁液を調製し、噴霧乾燥した。噴霧乾燥条件、および得
られた粉末中のアスタキサンチン含量は以下の表に示す
通りであった。
【0037】
【表1】
【0038】実施例6 上記参考例1記載の製法で得られる懸濁液A446g
に、前記エマルスター30A12.5g、理研Eオイル
〔商標、ビタミンE、理研ビタミン(株)製〕2.0g
および前記Decaglyn 1−Lを添加して懸濁液
(固形分21.7%、粘度335.0cp)を調製し
た。前記噴霧乾燥機MMSDにて、入口温度225〜2
30℃、出口温度105〜111℃で乾燥した(回収率
64.8%)。得られた粉末中のアスタキサンチン含量
は2.65%であり、残存率は92.7%であった。上
記実施例1〜実施例6の結果からアスタキサンチン含有
粉末の回収率の向上していることが分かる。
【0039】実施例7 上記参考例3記載の製法で得られる懸濁液C571g
に、RM−21A〔商標、三菱化学フーズ(株)製〕2
g、およびアミコールNo.6〔商標、日澱化学(株)
製〕13.0gを添加して懸濁液(固形分17.1%、
粘度660cp)を調製した。前記噴霧乾燥機MMSD
にて、入口温度230℃〜235℃、出口温度100〜
106℃で乾燥した(回収率66.8%)。得られた粉
末中のアスタキサンチン含量は2.22%であり、残存
率は94.5%であった。
【0040】実施例8 上記参考例3記載の製法で得られる懸濁液C571g
に、前記RM−21A2g、およびアラビアガム〔三栄
薬品貿易(株)製〕13.0gを添加して懸濁液(固形
分17.1%、粘度420cp)を調製した。前記噴霧
乾燥機MMSDにて、入口温度230℃〜235℃、出
口温度108〜109℃で乾燥した(回収率63.1
%)。得られた粉末中のアスタキサンチン含量は2.1
6%であり、残存率は91.9%であった。
【0041】実施例9 上記参考例3記載の製法で得られる懸濁液C571g
に、前記エマルスター30A13.0g、前記RM−2
1A 2gを添加して懸濁液(固形分17.1%、粘度
370cp)を調製した。噴霧乾燥機MMSDにて、入
口温度235℃、出口温度104〜106℃で乾燥した
(回収率74.4%)。得られた粉末中のアスタキサン
チン含量は2.21%であり、残存率は94.9%であ
った。
【0042】実施例10〜13 実施例9において用いたRM−21にのて代わりに、ア
スコルビン酸、前記理研Eオイル(ビタミンE)、前記
Decaglyn 1−Lの1種以上を下記表に示す様
に用いる以外は実施例9に準じて噴霧乾燥し、粉末を得
た。その結果は、下記表に示す。
【0043】
【表2】
【0044】比較例1 実施例7の製法においてアミコールNo.6を、乳華、カ
ゼインナトリウム、デキストリン#2およびオイルQ−
Sに代えた以外は実施例7と同様に懸濁液を調製し、噴
霧乾燥したがスラリー中での油分の分離が多くなり、極
めて低い回収率となった。
【0045】安定性試験 上記各実施例および比較例で得られた粉体の加速安定性
試験を行った。各試験例に用いた粉体は前記実施例1〜
6に対応している。
【0046】
【表3】
【0047】上記結果から、試験例5〔エマルスター3
0A、VE(E700)、Decaglyn 1−Lお
よびパップスタブ〕または試験例6〔エマルスター30
A、理研Eオイル700およびデカグリン 1−L〕の
粉末がより安定であることがわかる。
【0048】実施例9〜実施例13の粉末を用いて安定
性試験を行った。
【0049】
【表4】
【0050】上記結果から、試験例11(エマルスター
30A、RM−21Aおよびアスコルビン酸)、または
試験例13〔エマルスター30A、理研Eオイルおよび
Decaglyn 1−L〕の粉末がより安定であるこ
とがわかる。
【0051】
【発明の効果】本発明により、カロチノイド類含有藻体
を破砕することにより、遊離する藻体由来のカロチノイ
ド類を安定な状態で維持することができる藻体破砕物含
有粉体組成物およびその製造方法を提供することができ
た。本発明の粉体は安定かつ取り扱いが容易であり、か
つ容器に付着することがなく飼料、食品、医薬品などの
分野で有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09B 61/00 C09B 61/00 A C12P 23/00 C12P 23/00 Fターム(参考) 2B150 CE26 DA17 DD47 4B018 LE03 MA01 MD89 ME06 4B064 AH01 CA08 DA01 DA10 4C088 AA12 AC16 CA01 ZC23

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒体中で、(a)少なくとも1種以上の
    カロチノイド類を含有する藻体を破砕し、(b)得られ
    た懸濁液に賦形薬を添加し、(c)噴霧乾燥することに
    より得られるカロチノイド含有粉体組成物。
  2. 【請求項2】 カロチノイド類がキサントフィル類であ
    る請求項1記載の藻体破砕組成物。
  3. 【請求項3】 キサントフィル類がアスタキサンチン類
    である請求項1記載の藻体破砕組成物。
  4. 【請求項4】 賦形薬が水または温水に可溶な粉末乳化
    剤と酸化防止剤からなるものである請求項1〜請求項3
    記載の藻体破砕組成物。
  5. 【請求項5】 媒体中で、(a)少なくとも1種以上の
    カロチノイド類を含有する藻体を破砕し、(b)得られ
    た懸濁液に賦形薬を添加し、(c)噴霧乾燥することを
    特徴とする安定なカロチノイド含有粉体組成物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 カロチノイド類がキサントフィル類であ
    る請求項5記載の藻体破砕組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 キサントフィル類がアスタキサンチン類
    である請求項5〜請求項6記載の藻体破砕組成物の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 賦形薬が水または温水に可溶な粉末乳化
    剤と酸化防止剤からなるものである請求項5〜請求項7
    記載の藻体破砕組成物の製造方法。
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