JP2002111218A - セラミック積層デバイス - Google Patents

セラミック積層デバイス

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JP2002111218A JP2001168059A JP2001168059A JP2002111218A JP 2002111218 A JP2002111218 A JP 2002111218A JP 2001168059 A JP2001168059 A JP 2001168059A JP 2001168059 A JP2001168059 A JP 2001168059A JP 2002111218 A JP2002111218 A JP 2002111218A
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一英 瓜生
Tsutomu Matsumura
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Toshio Ishizaki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高機能化、小形化、低背化、製造の容易さ、
及び信頼性の向上を実現したセラミック積層デバイスを
提供する。 【解決手段】 セラミック積層デバイスは、層間ビアホ
ール3を介して電気的に接続された多層配線パターン2
を備えた第1のセラミック体1と、層間ビアホール3を
介して電気的に接続された多層配線パターン2を備えた
第2のセラミック体と、前記第1及び第2のセラミック
体に挟まれた熱硬化性樹脂シート17とを含み、前記熱
硬化性樹脂シートは、前記第1のセラミック体の前記多
層配線パターンのいずれかと前記第2のセラミック体の
前記多層配線パターンのいずれかとを電気的に接続する
導電性樹脂が充填された貫通孔を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として携帯電話
機などの高周波無線機器で用いられるセラミック積層デ
バイス、殊にセラミック積層RFデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、セラミック積層デバイス、殊に高
周波領域(radio frequency)で動作するセラミック積層
RFデバイスは携帯電話機などの高周波無線機器の小形
化に大いに貢献するものとして大変注目されている。以
下に図面を参照しながら、従来のセラミック積層RFデ
バイスの一例について説明する。
【0003】図12は、従来のセラミック積層RFデバ
イスの断面図を示すものである。図12において、10
1は低温焼結セラミック体である。102は多層配線導
体で、RF回路を構成する。103は層間ビアホール、
105はチップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダ
クタ、パッケージ入り半導体などのチップ部品である。
105は金属キャップ107で回路のシールドを行う。
【0004】以上のように構成された従来のセラミック
積層RFデバイスについて、その動作について説明す
る。
【0005】まず、多層配線導体102は、複数のチッ
プ部品105間を電気的に接続すると共に、低温焼結セ
ラミック体101内において、内層コンデンサや内層イ
ンダクタを形成する。これらの部品は、全体としてRF
回路を形成し、例えば、RF積層スイッチなどのセラミ
ック積層RFデバイスとして機能する。
【0006】また、図12は、従来のセラミック積層R
Fデバイスの構成を示すブロック図である。これらは、
それぞれが積層フィルタ(図13の(a))、表面弾性
波(surface acoustic wave:SAW)フィルタ(図1
3の(b))、RFスイッチ(図13の(c))として
機能する別個の独立したデバイスとして存在する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、上面に実装されたチップ部品を保護する
封止樹脂やキャビティ構造を封止する封止金属ふた(金
属キャップ107)を有しないので、封止を必要とする
半導体ベアチップやSAWフィルタを取り込むことはで
きないという問題点を有していた。ここで、従来例の金
属キャップ107は、単に電磁シールドを行うものであ
り、封止する機能はないため、これらの部品を実装する
ことはできない。
【0008】また、上記構成は、単一のセラミック体を
用いている。これに対して、高容量のコンデンサを内蔵
させるなどによってさらに多機能なデバイスとするため
には、特開平4−79601号(対応する米国特許:米
国特許第5406235号)に示されているように互い
に異なる比誘電率を有するセラミック体等の誘電体を一
体形成するという方法が考えられる。その例として、例
えば、異なる組成のセラミック体を一体焼成する方法が
ある。しかし、組成の異なるセラミック体の収縮率等は
それぞれ異なり、一体焼成での形成は非常に困難であ
る。また、異なる比誘電率のセラミック体について一体
形成されたセラミック体では、その異なる比誘電率のセ
ラミック体間に、デバイス特性に影響を与える浮遊容量
を生じる場合がある。
【0009】そこで、本発明の目的は、半導体ベアチッ
プやSAWフィルタを取り入れることができるセラミッ
ク積層デバイスを提供することである。またもう一つの
目的は、デバイスの高機能化、小形化、低背化、製造の
容易さ、信頼性の向上を図ることである。さらに別の目
的は、上記セラミック積層デバイスについて最適回路設
計で複数機能を組み合わせた時の総合性能の向上を果た
すことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るセラミック
積層デバイスは、層間ビアホールを介して電気的に接続
された多層配線パターンを備えた第1のセラミック体
と、層間ビアホールを介して電気的に接続された多層配
線パターンを備えた第2のセラミック体と、前記第1及
び第2のセラミック体の間に挟まれた熱硬化性樹脂シー
トとからなり、前記熱硬化性樹脂シートは、前記第1の
セラミック体の前記多層配線パターンのいずれかと、前
記第2のセラミック体の前記多層配線パターンのいずれ
かとを互いに電気的に接続する導電性樹脂が充填された
貫通孔を備えることを特徴とする。
【0011】上記セラミック体は、その内部に少なくと
も一層の配線パターンを有しており、各配線パターンは
層間ビアホールで電気的に接続されている。ここで、セ
ラミック体としては、例えば、比誘電率が10以上の高
誘電率系の誘電体や、比誘電率が10未満の低誘電率系
の誘電体のいずれも用いることができる。高誘電率系の
誘電体としては、Bi−Ca−Nb−O系(比誘電率約
58)、Ba−Ti−O系、Zr(Mg,Zn,Nb)
Ti−Mn−O系等の誘電体を用いることができる。ま
た、低誘電率系の誘電体としては、アルミナほう珪酸ガ
ラス系(比誘電率7)、フォルステライト(forsterite)
系のセラミック材料等を用いることができる。また、熱
硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、シアネート樹脂等を用いることができる。
【0012】また、本発明に係るセラミック積層デバイ
スは、前記セラミック積層デバイスであって、前記各セ
ラミック体は、積層一体焼成された低温焼結セラミック
体であることを特徴とする。
【0013】さらに、本発明に係るセラミック積層デバ
イスは、前記セラミック積層デバイスであって、前記第
1及び第2のセラミック体は、前記熱硬化性樹脂シート
と熱硬化して一体化したことを特徴とする。
【0014】またさらに、本発明に係るセラミック積層
デバイスは、前記セラミック積層デバイスであって、前
記第1及び第2のセラミック体は、比誘電率が互いに異
なることを特徴とする。
【0015】このように比誘電率が互いに異なるセラミ
ック体の間にセラミック体より低い誘電率を有する熱硬
化性樹脂を挟み込むことによって、比誘電率の異なるセ
ラミック体の間に生じる浮遊容量を減少させることがで
き、デバイス特性を向上させることができる。また、セ
ラミック体と熱硬化性樹脂シートとの界面にパターン形
成をすることによって、各セラミック体の内部に構成す
る多層配線パターン等の回路の間で発生するインピーダ
ンス不整合を調整して、損失発生を回避することができ
る。なお、熱硬化性樹脂は非常に低い比誘電率を有する
ため、セラミック体との界面に形成した各パターンの間
の相互干渉は少なく、良好なデバイス特性が得られる。
【0016】また、本発明に係るセラミック積層デバイ
スは、前記セラミック積層デバイスであって、層間ビア
ホールを介して電気的に接続された多層配線パターンを
備えた第3のセラミック体と、前記第2及び第3のセラ
ミック体との間に挟まれた熱硬化性樹脂シートとをさら
に備え、前記第1のセラミック体は、比誘電率が10未
満であって、前記第2のセラミック体は、比誘電率が1
0以上であって、前記第3のセラミック体は、比誘電率
が10未満であることを特徴とする。
【0017】さらに、本発明に係るセラミック積層デバ
イスは、前記セラミック積層デバイスであって、前記第
1及び第3のセラミック体は、実質的に同一の厚さであ
り、前記第2のセラミック体は、前記1及び第3のセラ
ミック体より厚いことを特徴とする。
【0018】さらに、本発明に係るセラミック積層デバ
イスは、前記セラミック積層デバイスであって、前記第
1及び第2のセラミック体は、互いに異なる厚みをもつ
ことを特徴とする。
【0019】またさらに、本発明に係るセラミック積層
デバイスは、前記セラミック積層デバイスであって、前
記第2のセラミック体の他のセラミック体と対向してい
ない面にランドグリッドアレー端子電極を備えることを
特徴とする。
【0020】ここで、ランドグリッドアレー(Land Grid
Array)端子電極は、セラミック積層デバイスを配線基
板上に配置する際に、配線基板との電気的な接続に利用
される。
【0021】また、本発明に係るセラミック積層デバイ
スは、前記セラミック積層デバイスであって、前記第2
のセラミック体と前記ランドグリッドアレー端子電極と
の間に挟まれた熱硬化性樹脂シートを備えることを特徴
とする。
【0022】このように積層されたセラミック体のうち
下層側のセラミック体の底面と、その底面に設けられた
ランドグリッドアレー端子電極との間に熱硬化性樹脂を
挟み込むことによって、底面のセラミック体の落下強度
を向上させることができる。また、セラミック体より低
い比誘電率を有する熱硬化性樹脂を挟み込むことで配線
基板との寄生成分を低減させることができると共に、イ
ンピーダンスマッチングを変化させることができ、回路
設計の自由度を向上させることができる。
【0023】さらに、本発明に係るセラミック積層デバ
イスは、前記セラミック積層デバイスであって、前記第
1のセラミック体は、前記第2のセラミック体と対向し
ていない面に、半導体ベアチップと電極部が気密封止さ
れたSAWフィルタとが電極部を対向させて実装され、
上部を封止樹脂でコーティングされたことを特徴とす
る。
【0024】ここで、半導体ベアチップとしては、バイ
ポーラトランジスタ、FET、ダイオード、ICなどが
あり、シリコンやその他の化合物半導体で構成される。
また、SAWフィルタは、水晶、リチウムタンタレート
(LiTaO)、リチウムナイオベート(LiNbO
)などの単結晶圧電基板を用いて形成されている。こ
の半導体ベアチップとSAWフィルタは、例えばスタッ
ドバンプボンディング(SBB)法やGGI(Gold
to Gold Interconection)等
のバンプ接続などの方法により、電極部を実装するセラ
ミック体の面に対向させて電気的に接続する、フェース
ダウン実装することができる。
【0025】またさらに、本発明に係るセラミック積層
デバイスは、前記セラミック積層デバイスであって、前
記第1のセラミック体は、上方に凹部を持つキャビティ
型セラミック体であって、前記第1のセラミック体は、
前記凹部の底面に、半導体ベアチップとSAWフィルタ
とが電極部を対向させて実装され、上部を封止樹脂でコ
ーティングされたことを特徴とする。
【0026】また、本発明に係るセラミック積層デバイ
スは、前記セラミック積層デバイスであって、前記第1
のセラミック体は、穴開き部を含む穴開き型セラミック
体であって、前記第1のセラミック体は、前記穴開き部
の底面を構成する前記熱硬化性樹脂シートの面に、半導
体ベアチップとSAWフィルタが電極部を対向させて実
装され、上部を封止樹脂でコーティングされていること
を特徴とする。
【0027】さらに、本発明に係るセラミック積層デバ
イスは、前記セラミック積層デバイスであって、前記第
1のセラミック体は、比誘電率が10未満であり、前記
第2のセラミック体は、比誘電率が10以上であること
を特徴とする。
【0028】またさらに、本発明に係るセラミック積層
デバイスは、前記セラミック積層デバイスであって、前
記半導体ベアチップは、UHF帯以上の周波数で動作す
る半導体ベアチップを含むことを特徴とする。
【0029】また、本発明に係るセラミック積層デバイ
スは、前記セラミック積層デバイスであって、前記半導
体ベアチップは、PINダイオードを含むことを特徴と
する。
【0030】さらに、本発明に係るセラミック積層デバ
イスは、前記セラミック積層デバイスであって、前記S
AWフィルタは、不平衡入力平衡出力の端子構造を持つ
ことを特徴とする。
【0031】本発明に係るセラミック積層デバイスは、
層間ビアホールを介して電気的に接続された多層配線パ
ターンを備えた第1のセラミック体と、層間ビアホール
を介して電気的に接続された多層配線パターンを備えた
第2のセラミック体とが順に積層されており、前記第1
のセラミック体は、前記第2のセラミック体と対向して
いない面に、半導体ベアチップと電極部が気密封止され
たSAWフィルタとが電極部を対向させて実装され、上
部を封止樹脂でコーティングされ、前記第2のセラミッ
ク体は、前記第1のセラミック体と対向していない面
に、ランドグリッドアレー端子電極が設けられているこ
とを特徴とする。
【0032】また、本発明に係るセラミック積層デバイ
スは、前記セラミック積層デバイスであって、前記第1
及び第2のセラミック体は、比誘電率が互いに異なるこ
とを特徴とする。
【0033】さらに、本発明に係るセラミック積層デバ
イスは、前記セラミック積層デバイスであって、前記第
1のセラミック体は、上方に凹部を持つキャビティ型セ
ラミック体であって、前記第1のセラミック体は、前記
半導体ベアチップと前記SAWフィルタとが電極部を前
記凹部の底面に対向させて実装され、上部を封止樹脂で
コーティングされたことを特徴とする。
【0034】またさらに、本発明に係るセラミック積層
デバイスは、前記セラミック積層デバイスであって、層
間ビアホールを介して電気的に接続された多層配線パタ
ーンを備えた第3のセラミック体をさらに備え、前記第
3のセラミック体は、前記第2のセラミック体の前記第
1のセラミック体と対向していない面に積層され、前記
第1のセラミック体は、比誘電率が10未満であり、前
記第2のセラミック体は、比誘電率が10以上であり、
前記第3のセラミック体は、比誘電率が10未満である
ことを特徴とする。
【0035】本発明に係るセラミック積層デバイスは、
層間ビアホールを介して電気的に接続された多層配線パ
ターンを備え、上方に凹部を持つキャビティ型セラミッ
ク体からなる第1のセラミック体と、層間ビアホールを
介して電気的に接続された多層配線パターンを備えた第
2のセラミック体とが順に積層されており、前記第1の
セラミック体は、前記凹部の底面に、半導体ベアチップ
と電極部が気密封止されたSAWフィルタとが電極部を
対向させて実装され、上部を封止樹脂でコーティングさ
れていることを特徴とするセラミック積層デバイス。
【0036】また、本発明に係るセラミック積層デバイ
スは、前記セラミック積層デバイスであって、前記第1
のセラミック体は、前記第2のセラミック体と対向して
いない面の平坦部に形成された電極パターンからなるア
レーアンテナを有することを特徴とする。
【0037】本発明に係る移動体通信機は、前記セラミ
ック積層デバイスを備えたことを特徴とする。
【0038】ここで移動体通信機とは、例えば、携帯電
話機等である。上記の通りセラミック積層デバイスを小
型化、高機能化できるので、このセラミック積層デバイ
スを組み込んだ携帯電話機も小型化、高機能化できる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。なお、同一符号を付
した部分は、実質的に同一の部分を示している。
【0040】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
係るセラミック積層デバイスは、図1の断面図に示すよ
うに、上層側に比誘電率58の高誘電率系のセラミック
体15、下層側に比誘電率7の低誘電率系のセラミック
体14であって、その間に比誘電率が約4の熱硬化性樹
脂である接合樹脂17を挟みこんでいる。各セラミック
体14、15は、内部に銅又は銀からなる複数の配線導
体がビアホールを介して電気的に接続された多層配線導
体2を含んでいる。さらに、2つのセラミック体14、
15の間に挟み込まれた接合樹脂17には、上下のセラ
ミック体の各多層配線パターンの間を互いに電気的に接
続する導電性樹脂が充填された複数個の貫通孔が設けら
れている。これによって、異なる比誘電率を有する2つ
のセラミック体をそのまま接触させた場合に比べて、2
つのセラミック体の間に生じる浮遊容量を減少させるこ
とができる。また、下層側の低誘電率系のセラミック体
14の底面にランドグリッドアレー端子電極7を設けて
いる。さらに、このセラミック体14の底面とランドグ
リッドアレー端子電極7との間にもう一つの熱硬化性樹
脂である接合樹脂18を挟みこんでいる。これによって
デバイスとしての強度を高めることができる。
【0041】ここで、比誘電率が10以上の高誘電率系
のセラミック体としては、Bi−Ca−Nb−O系(比
誘電率58)を用いることができるが、これに限られ
ず、例えば、Ba−Ti−O系、Zr(Mg,Zn,N
b)−Ti−Mn−O系等のセラミック材料を用いるこ
とができる。また、比誘電率が10未満の低誘電率系の
セラミック体としては、アルミナほう珪酸ガラス系(比
誘電率7)を用いることができるが、これに限られず、
例えば、フォルステライト系のセラミック材料を用いる
ことができる。
【0042】多層配線導体2は、低温焼結セラミック体
14、15内において、内層コンデンサや内層インダク
タを形成する。積層一体焼成された低温焼結セラミック
体の中に形成される多層配線パターンは銅または銀から
なり、前記配線パターン間の所望箇所には層間ビアホー
ル3を配して電気的に接続する。多層配線パターンの各
層のパターンは、例えばスクリーン印刷などの方法で形
成し、層間ビアホールは誘電体シートにパンチャーで穴
開けし導体ペーストを印刷などの方法で充填して形成す
る。
【0043】さらに、この多層配線導体2を内部に備え
たセラミック体14、15の形成方法について、低誘電
率系のセラミック体の場合を例として以下に詳述する。
まず、アルミナほう珪酸等のセラミック粉末に、低融点
ガラスフリット、有機バインダ、有機溶剤を混合して得
られたスラリを成形したガラスセラミック基板からなる
グリーンシートを得る。このグリーンシートに上下のセ
ラミック体の配線を電気的に接続する複数のビアホール
をパンチング又はレーザ加工で穿孔して形成する。次
に、銀、銅、又は金等の粉末を主成分とする導電性ペー
ストを用いてグリーンシート上にストリップラインやコ
ンデンサ電極等の配線パターンを印刷する。また、各グ
リーンシート上の各ビアホール内にも同様に導電性ペー
ストを充填する。次いで、複数枚のグリーンシートを電
気的な接続が確実に行われるように正確に位置合わせを
して積層し、所定条件で加温、加圧して一体化すること
によって一体化されたグリーンシート積層体を得ること
ができる。さらに、この積層体を乾燥後、酸化雰囲気の
焼成炉にて約400℃〜500℃の温度範囲で焼成し、
グリーンシート中の有機バインダをバーンアウトする。
次いで、導電体の主成分として銀又は金の粉末を用いた
場合には、上記焼成雰囲気としては空気中等の酸化雰囲
気下で約850℃〜950℃の温度範囲で焼成してセラ
ミック体を得ることができる。一方、導電体の主成分と
して銅粉末を用いた場合には、不活性ガス雰囲気下又は
還元性雰囲気下で約850℃〜950℃の温度範囲で焼
成してセラミック積層体を得ることができる。
【0044】なお、このセラミック積層デバイスでは、
上層側に高誘電率系のセラミック体15、下層側に低誘
電率系のセラミック体14を配置しているが、このよう
な構成に限定するものではない。上記構成とは逆に、上
層側に低誘電率系のセラミック体、下層側に高誘電率系
のセラミック体を配置してもよい。この場合には、例え
ば、上層側の低誘電率系のセラミック体内部に約50オ
ームの回路を引き回すことができる。また、熱硬化性樹
脂である接合樹脂17、18としては、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、シアネート樹脂等のいずれかを用いる
ことができる。なお、本発明における熱硬化性樹脂とし
て、米国特許第6,038,133号(対応日本特許:
特開平11−220262号公報)に開示されている無
機フィラーを含む熱硬化性樹脂を利用することができ
る。従って、この米国特許を本願明細書の一部をなすも
のとしてここに挙げておく。
【0045】次に、上記のように2つのセラミック体1
4、15の間に比誘電率4程度の熱硬化性樹脂である接
合樹脂17を挟みこむことによる効果について以下に説
明する。まず、高誘電率系のセラミック体15と低誘電
率系のセラミック体14とを直接接触させた場合には、
それぞれの内部に設けた多層配線導体の回路内インピー
ダンスの違いからインピーダンス不整合が生じ、損失を
発生する場合が多い。これに対して、上記構成のよう
に、2つのセラミック体の間に熱硬化性樹脂である接合
樹脂17を挟みこむことによって、上記2つのセラミッ
ク体14、15と接合樹脂17との間の界面にもパター
ン形成することができ、インピーダンス不整合を調整す
ることができる。この場合、接合樹脂17は非常に低い
比誘電率を有するので、上記パターン間の相互干渉は少
なく、良好なデバイス特性を得ることができる。
【0046】また、下層側のセラミック体14とランド
グリッドアレー端子電極7との間により低い比誘電率を
有する接合樹脂18を介することによる効果について以
下に説明する。この接合樹脂18によって落下の衝撃を
吸収するので、デバイスとしての落下強度を向上させる
ことができる。また、セラミック体14より低い比誘電
率を有する接合樹脂18を挟み込むことで配線基板との
寄生成分を低減させることができると共に、インピーダ
ンスマッチングを変化させることができ、回路設計の自
由度を向上させることができる。
【0047】さらに、上層のセラミック体15と下層の
セラミック体14を互いに異なる比誘電率を有するセラ
ミック体を組み合わせることについて説明する。まず、
上層の高誘電率系のセラミック体15の特徴、次いで、
下層の低誘電率系のセラミック体14の特徴、そして互
いに異なる比誘電率のセラミック体を組み合わせる場合
の条件及び効果について述べる。
【0048】一般に、高誘電率セラミック中に形成でき
るストリップラインは、波長が短縮できるため、例えば
ストリップライン共振器では共振器長を比誘電率の平方
根に逆比例して短くすることができる。したがって、小
形でQ値の高いストリップライン共振器を作ったりする
のには適している。しかし、ストリップラインの特性イ
ンピーダンスは通常低く、例えばスクリーン印刷で形成
できる最小線幅100μm、シールド間隔2mmのスト
リップラインの特性インピーダンスは20から30オー
ム程度であり、50オーム線路を形成することは実質不
可能である。その一方、比誘電率が高いため、大きな容
量値の内層コンデンサを狭い面積で作ることは容易であ
る。
【0049】これに対して、低誘電率セラミック体中に
形成できるストリップラインは、波長はそれほど短縮で
きないが、50オーム以上の高い特性インピーダンスの
実現は易しく、内層インダクタの形成も容易である。比
誘電率が低いため、近接するストリップライン間の電磁
界結合量は比較小さく、配線層を形成するのに適してい
る。
【0050】このように、各々の層中に最適回路素子を
配置している2種以上の比誘電率を持つセラミック体を
接合することにより、小形化、高性能化を同時に達成す
ることができる。また、ストリップラインの特性インピ
ーダンスの関係から、それぞれのセラミック体の比誘電
率は、上層の高誘電率系のセラミック体では比誘電率1
0以上が好ましく、特におよそ40から60の範囲がさ
らに好ましく、下層の低誘電率系のセラミック体では比
誘電率10未満とすることが好ましい。
【0051】(実施の形態2)図2は本発明の実施の形
態2におけるセラミック積層RFデバイスの断面図を示
すものである。
【0052】図2において、14は低誘電率低温焼結セ
ラミック体、15は高誘電率低温焼結セラミック体、1
7、18は接合樹脂、2は多層配線導体、3は層間ビア
ホール、4は半導体ベアチップ、5はSAWフィルタ、
6は封止樹脂、7はLGAである。このセラミック積層
RFデバイスは、実施の形態1に係るセラミック積層R
Fデバイスと比較すると、図2に示すように、上層の低
誘電率低温焼結セラミック体14の上面に、半導体ベア
チップ4とSAWフィルタ5の電極部を前記セラミック
体14の上面に対向させて接続してフェースダウン実装
し、その上部を封止樹脂6で封止部を形成している点で
相違する。
【0053】以上のように構成されたセラミック積層R
Fデバイスについて、以下、図2を用いてその構成を説
明する。まず、多層配線導体2は、低誘電率低温焼結セ
ラミック体14および高誘電率低温焼結セラミック体1
5内において、内層コンデンサや内層インダクタを形成
する。それぞれ積層一体焼成された低誘電率低温焼結セ
ラミック体、高誘電率低温焼結セラミック体の中に形成
される多層配線パターンは銅または銀からなり、前記配
線パターン間の所望箇所には層間ビアホールを配して電
気的に接続する。
【0054】多層配線パターンの各層のパターンは、例
えばスクリーン印刷などの方法で形成し、層間ビアホー
ルは誘電体シートにパンチャーで穴開けし導体ペースト
を印刷などの方法で充填して形成する。
【0055】また、接合樹脂17、18は無機質フィラ
ーと未硬化状態の熱硬化樹脂組成物を含む化合物をシー
ト状に加工し、貫通孔を形成し、導電性樹脂組成物を充
填したシート状のものであり、これらを低温焼結セラミ
ック体14、15の間に挟み込み、熱硬化させて一体成
形する。
【0056】セラミック体の底面には、外部との接続を
行う底面端子電極LGA7が形成されている。前記セラ
ミック体上面には半導体ベアチップやSAWフィルタが
フェースダウン実装され、前記半導体ベアチップやSA
Wフィルタを覆うようにセラミック体上面を封止樹脂に
よりコーティングを行っている。これらの部品は、全体
としてRF回路を形成し、例えば、RF積層スイッチな
どのセラミック積層RFデバイスとして機能する。
【0057】ここで、従来例と大きく異なる点は、UH
F帯以上の周波数で動作する半導体ベアチップとSAW
フィルタベアチップが平板状のセラミック体の上面にフ
ェースダウン実装され、前記ベアチップを覆うように前
記セラミック体の上面を封止樹脂にてコーティングした
という構成を備えたところである。半導体ベアチップ
は、バイポーラトランジスタ、FET、ダイオード、I
Cなどがあり、シリコンやその他の化合物半導体で構成
される。また、SAWフィルタは水晶、リチウムタンタ
レート(LiTaO)、リチウムナイオベート(Li
NbO)などの単結晶圧電基板であり、これらは、例
えばスタッドバンプボンディング(SBB)法やGGI
(Gold to Gold Interconect
ion)等のバンプ接続などの方法により、電極部を実
装するセラミック体の面に対向させて電気的に接続す
る、いわゆるフェースダウン実装されている。
【0058】また、低誘電率低温焼結セラミック体1
4、高誘電率低温焼結セラミック体15をそれぞれ積層
一体焼成し、焼結後に、接合樹脂17、18を用いて接
合することにより、焼成時における熱膨張係数の違いに
起因するセラミック体のそりを接合樹脂により吸収する
ことが可能となるため、設計の自由度が向上し、さらに
強固な接着が得られる。さらに最下層に接合樹脂を配す
ることにより、端子電極強度の向上が可能となるため、
落下試験などによる不良の低減が可能となる。
【0059】また、2種以上の比誘電率を持つセラミッ
クシートを一体化することにより、実施の形態3同様
に、各々の層中に最適回路素子を配置することで、小
形、高性能を同時達成することができる。ストリップラ
インの特性インピーダンスの関係から、それぞれのセラ
ミック体の比誘電率は、上層では比誘電率10以下と
し、下層では比誘電率10以上、中でもおよそ40から
60程度とすることが好ましい。
【0060】以上のようにこの実施の形態2によれば、
セラミック体が比誘電率の異なる異種セラミック体と接
合樹脂で形成された構成としている。すなわち、上層を
比誘電率10以下の低誘電率低温焼結セラミック体と
し、下層を比誘電率10以上の高誘電率低温焼結セラミ
ック体とし、上層と下層の低温焼結セラミック体間の接
合面と最下層に接合樹脂を配置する構成にすることによ
り、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さ
らにセラミック体の反りが少なく、端子強度の強いセラ
ミック積層RFデバイスを提供することができる。
【0061】(実施の形態3)以下本発明の実施の形態
3について図面を参照しながら説明する。図3は本発明
の実施の形態3におけるセラミック積層RFデバイスの
断面図を示すものである。図3において、19は穴空き
型低誘電率低温焼結セラミック体、15は高誘電率低温
焼結セラミック体、17、18は接合樹脂、2は多層配
線導体、3は層間ビアホール、4は半導体ベアチップ、
5はSAWフィルタ、6は封止樹脂、7はLGAであ
る。
【0062】図2と異なるのは低温焼結セラミック体1
4の代わりに上層に穴空き型低誘電率低温焼結セラミッ
ク体19を、下層に高誘電率低温焼結セラミック体15
を配し、低温焼結セラミック体間の接合面に接合樹脂1
7を配し、最下層には接合樹脂18を配する構造とした
点である。
【0063】以上のように構成されたセラミック積層R
Fデバイスについて、以下図3を用いてその動作を説明
する。
【0064】多層配線導体2は、穴空き型低誘電率低温
焼結セラミック体19および高誘電率低温焼結セラミッ
ク体15内において、内層コンデンサや内層インダクタ
を形成する。それぞれ積層一体焼成された低温焼結セラ
ミック体体の中に形成される多層配線パターンは銅また
は銀からなり、前記配線パターン間の所望箇所には層間
ビアホールを配して電気的に接続する。
【0065】また、接合樹脂17、18は無機質フィラ
ーと未硬化状態の熱硬化樹脂組成物を含む化合物をシー
ト状に加工し、貫通孔を形成し、導電性樹脂組成物を充
填したシート状のものであり、これらを低温焼結セラミ
ック体19、15の間に挟み込み、熱硬化させて一体成
形する。
【0066】セラミック体の底面には、外部との接続を
行う底面端子電極LGA7が形成されている。また、キ
ャビティ内には半導体ベアチップ4、SAWフィルタ5
が、フェースダウン実装され、この半導体ベアチップや
SAWフィルタを覆うように、封止樹脂6がキャビティ
中に充填されている。これらの部品は、全体としてRF
回路を形成し、例えば、RF積層スイッチ共用器などの
セラミック積層RFデバイスとして機能する。
【0067】ここで、実施の形態2と大きく異なる点
は、最上層に穴空き型低誘電率低温焼結セラミック体1
9を、下層に高誘電率低温焼結セラミック体15を配
し、低温焼結セラミック体間の接合面に接合樹脂17を
配し、最下層に接合樹脂18を配する異種積層構造とし
た点である。
【0068】このように、穴空き型低誘電率低温焼結セ
ラミック体19、高誘電率低温焼結セラミック体15を
それぞれ積層一体焼成し、焼結後に、接合樹脂16を用
いて接合することにより、焼成時における熱膨張係数の
違いに起因するセラミック体のそりを接合樹脂により吸
収することが可能となるため、設計の自由度の向上に繋
がる。
【0069】キャビティ構造を積層一体焼成で形成する
と、構造の上下非対称性から非常に反りやすくなる。こ
れに対して、本実施の形態の構造は半導体やSAWフィ
ルタのベアチップ実装に不可欠なセラミック体表面の平
坦度を向上する上で非常に有効である。さらに最下層に
接合樹脂を配することにより、端子強度も向上するた
め、落下試験などによる不良の低減が可能となる。
【0070】また、最上層の穴空き型低誘電率低温焼結
セラミック体19中に配線パターンを形成することもで
き、小形化が図れる。
【0071】また、2種以上の比誘電率を持つセラミッ
クシートを一体化することにより、実施の形態2同様
に、各々の層中に最適回路素子を配置することで、小
形、高性能を同時達成することができる。ストリップラ
インの特性インピーダンスの関係から、それぞれのセラ
ミック体の比誘電率は、上層では比誘電率10以下と
し、下層では比誘電率10以上、中でもおよそ40から
60程度とすることが好ましい。
【0072】以上のように本実施の形態3によれば、セ
ラミック体が比誘電率の異なる異種セラミック体と接合
樹脂で形成された構成としている。さらにセラミック体
を比誘電率の異なる2層以上の異種セラミック積層体と
し、最上層を比誘電率10以下のキャビティ型低誘電率
低温焼結セラミック体とし、下層を比誘電率10以上の
高誘電率低温焼結セラミック体としている。また、上層
と下層の低温焼結セラミック体間の接合面と最下層に接
合樹脂を配置する構成にしている。これによって、小
形、高性能を同時達成することができるセラミック積層
RFデバイスを提供することができる。
【0073】(実施の形態4)図4は本発明の実施の形
態4におけるセラミック積層RFデバイスの断面図を示
すものである。図4において、19は穴空き型低誘電率
低温焼結セラミック体、15は低誘電率低温焼結セラミ
ック体、16は高誘電率低温焼結セラミック体、17、
18は接合樹脂、2は多層配線導体、3は層間ビアホー
ル、4は半導体ベアチップ、5はSAWフィルタ、6は
封止樹脂、7はLGAである。
【0074】図3と異なるのは、キャビティ型低温焼結
セラミック体に代えて最上層に穴空き型低誘電率低温焼
結セラミック体19を、中間層に高誘電率低温焼結セラ
ミック体15を、下層に低誘電率低温焼結セラミック体
16を配し、各低温焼結セラミック体間の接合面に接合
樹脂17を配し、最下層には接合樹脂18を配する構造
とした点である。
【0075】以上のように構成されたセラミック積層R
Fデバイスについて、以下図4を用いてその動作を説明
する。
【0076】多層配線導体2は、穴空き型低誘電率低温
焼結セラミック体19および高誘電率低温焼結セラミッ
ク体15、低誘電率低温焼成セラミック体16内におい
て、内層コンデンサや内層インダクタを形成する。それ
ぞれ積層一体焼成された低温焼結セラミック体の中に形
成される多層配線パターンは銅または銀からなり、前記
配線パターン間の所望箇所には層間ビアホールを配して
電気的に接続する。
【0077】また、接合樹脂17、18は無機質フィラ
ーと未硬化状態の熱硬化樹脂組成物を含む化合物をシー
ト状に加工し、貫通孔を形成し、導電性樹脂組成物を充
填したシート状のものであり、これらを低温焼結セラミ
ック体19、15、16の間に挟み込み、熱硬化させて
一体成形する。セラミック体の底面には、外部との接続
を行う底面端子電極LGA7が形成されている。
【0078】また、キャビティ内には半導体ベアチップ
4とSAWフィルタ5が、フェースダウン実装され、半
導体ベアチップ4やSAWフィルタ5を覆うように、封
止樹脂6がこのキャビティ中に充填される。これらの部
品は、全体としてRF回路を形成し、例えば、RF積層
スイッチ共用器などのセラミック積層RFデバイスとし
て機能する。
【0079】ここで、実施の形態3と大きく異なる点
は、最上層に穴空き型低誘電率低温焼結セラミック体1
9を、中間層に高誘電率低温焼結セラミック体15を配
し、下層に低誘電率低温焼結セラミック体16を配し、
それぞれ低温焼結セラミック体間の接合面に接合樹脂1
7を配し、最下層に接合樹脂18を配する異種積層構造
とした点である。
【0080】このように、低温焼結セラミック体19、
15、16をそれぞれ積層一体焼成し、焼結後に、接合
樹脂16を用いて接合することにより、焼成時における
熱膨張係数の違いに起因するセラミック体のそりを接合
樹脂により吸収することが可能となる。
【0081】キャビティ構造を積層一体焼成で形成する
と、構造の上下非対称性から非常に反りやすくなる。こ
れに対して、本実施の形態の構造は半導体やSAWフィ
ルタのベアチップ実装に不可欠なセラミック体表面の平
坦度を向上する上で非常に有効である。さらに最下層に
接合樹脂を配することにより、端子強度も向上するた
め、落下試験などによる不良の低減が可能となる。
【0082】また、高誘電率低温焼結セラミック体を低
誘電率低温焼結セラミック体で挟みこむ構造にすること
により、高容量のコンデンサや低損失な共振器の形成に
適する高誘電率セラミック体と低損失なインダクタンス
の形成に適する低誘電率セラミック体を、その回路規模
に応じて最適な厚みに形成することができるなど、設計
の自由度が大幅に向上する。
【0083】以上のように本実施の形態4によれば、セ
ラミック体が比誘電率の異なる異種セラミック体と接合
樹脂で形成されたという構成としている。つまり、セラ
ミック体を比誘電率の異なる3層以上の異種セラミック
積層体としている。すなわち、最上層を比誘電率10以
下のキャビティ型低誘電率低温焼結セラミック体とし、
中間層を比誘電率10以上の高誘電率低温焼結セラミッ
ク体とし、下層に比誘電率10以下の低誘電率低温焼結
セラミック体とし、低温焼結セラミック体間の接合面と
最下層に接合樹脂を配置する構成にしている。これによ
って、小形、高性能を同時達成することができるセラミ
ック積層RFデバイスを提供することができる。
【0084】また、以上の実施の形態4によれば携帯電
話などの無線部の回路をさまざまな形態で統合化するこ
とが可能となり、例えば、半導体チップを複数個のPI
Nダイオードとし、SAWフィルタを不平衡入力平衡出
力の構成とすれば、デジタル携帯電話(global system
for mobile communication:GSM)とDCSや、GS
MとIMT2000のデュアルバンド機、あるいはこれ
らにパーソナル移動通信システム(personal communica
tion system:PCS)を加えたトリプルバンド機用の
アンテナスイッチを受信SAWフィルタを統合した形で
一体化でき、デバイスの小型化、ひいては通信機器自体
の小型化に貢献する。
【0085】なお、半導体チップはPINダイオードに
限るものではなく、スイッチであればGaAsのFET
など、また、ローノイズアンプ(low noise amplifie
r:LNA)やミキサーなどのフロントエンドICとの
統合化も可能となる。
【0086】(実施の形態5)図5は本発明の実施の形
態5におけるセラミック積層RFデバイスの断面図を示
すものである。図5において、1は低温焼結セラミック
体、2は多層配線導体、3は層間ビアホール、4は半導
体ベアチップ、5はSAWフィルタ、6は封止樹脂、7
はランドグリッドアレー(LGA)端子電極である。ま
た、図6は実施の形態5におけるセラミック積層RFデ
バイスの底面斜視図を示すものである。図6において7
は図5と同一のLGAである。
【0087】さらに、図7は実施の形態5におけるセラ
ミック積層RFデバイス上に実装されたSAWフィルタ
の拡大断面図である。
【0088】以上のように構成されたセラミック積層R
Fデバイスについて、以下図5、図6、図7を用いてそ
の動作を説明する。
【0089】ここで、比誘電率が10以上の高誘電率系
のセラミック体としては、Bi−Ca−Nb−O系(比
誘電率58)を用いることができるが、これに限られ
ず、例えば、Ba−Ti−O系、Zr(Mg,Zn,N
b)−Ti−Mn−O系等のセラミック材料を用いるこ
とができる。また、比誘電率が10未満の低誘電率系の
セラミック体としては、アルミナほう珪酸ガラス系(比
誘電率7)を用いることができるが、これに限られず、
例えば、フォルステライト系のセラミック材料を用いる
ことができる。
【0090】多層配線導体2は、低温焼結セラミック体
1内において、内層コンデンサや内層インダクタを形成
する。積層一体焼成された低温焼結セラミック体の中に
形成される多層配線パターンは銅または銀からなり、前
記配線パターン間の所望箇所には層間ビアホール3を配
して電気的に接続する。多層配線パターンの各層のパタ
ーンは、例えばスクリーン印刷などの方法で形成し、層
間ビアホールは誘電体シートにパンチャーで穴開けし導
体ペーストを印刷などの方法で充填して形成する。
【0091】また、前記セラミック体上面には半導体ベ
アチップやSAWフィルタなどの高周波デバイスがフェ
ースダウン実装され、前記複数のベアチップを覆うよう
にセラミック体上面を封止樹脂によりコーティングを行
っている。セラミック体の底面には図6に示すように外
部との接続を行う端子電極としてLGA7が形成されて
いる。これらの部品は、全体としてRF回路を形成し、
例えば、RF積層スイッチなどのセラミック積層RFデ
バイスとして機能する。
【0092】また、図7の拡大図に示すようにSAWフ
ィルタ5は底面にSAW電極9が形成され、気密封止樹
脂10により封止され、その外側に形成された接合用バ
ンプ電極8を介してセラミック体に電気的に接続されて
いる。
【0093】ここで、従来例と大きく異なる点は、UH
F帯以上の周波数で動作する半導体ベアチップとSAW
フィルタベアチップが平板状のセラミック体の上面にフ
ェースダウン実装され、このベアチップを覆うようにセ
ラミック体の上面を封止樹脂にてコーティングしたとい
う構成を備えたところである。半導体ベアチップは、バ
イポーラトランジスタ、FET、ダイオード、ICなど
があり、シリコンやその他の化合物半導体で構成され
る。また、SAWフィルタは水晶、リチウムタンタレー
ト(LiTaO)、リチウムナイオベート(LiNb
)などの単結晶圧電基板であり、これらは、例えば
スタッドバンプボンディング(SBB)法やGGI(G
old to Gold Interconectio
n)等のバンプ接続などの方法により、フェースダウン
実装されている。
【0094】一般に、300MHz以上のいわゆるUH
F帯以上の周波数においては、パッケージ入り半導体は
パッケージ構成に特有のリード線やモールド樹脂のため
に寄生のインピーダンス成分を持ってしまい、高周波に
おいて本来半導体が有する特性を十分に発揮することが
できない。すなわち、利得の低下や周波数偏差の増大、
雑音特性の劣化などが発生する。また、インピーダンス
整合などのため、多くの外付け部品を必要とし、部品点
数が多く回路全体が大型化するという欠点を有してい
た。
【0095】これに対し、本実施の形態における構成で
は、半導体はベアチップで使用可能なため、パッケージ
構成に特有のリード線やモールド樹脂のために寄生のイ
ンピーダンス成分の影響を全く受けない。また、実装に
おいては、バンプ接続などの方法により、フェースダウ
ン実装されているため寄生のインピーダンス成分は極め
て小さく、優れた高周波特性を得ることができる。
【0096】すなわち、利得の向上や周波数偏差の縮
小、良好な雑音特性などが得られる。さらに、ベアチッ
プ実装では、パッケージの大きさが無視できるため、一
般に実装面積を小さくすることができ、小形デバイスを
実現することができる。また、外付け部品もほとんど必
要としない。
【0097】また、半導体ベアチップ保護のため、本実
施の形態における構成ではセラミック体の上面を封止樹
脂にて全面コーティングする。一般に半導体ベアチップ
表面はシリコンオキサイド、シリコンナイトライドなど
の絶縁体の薄膜により保護されているが、これにさらに
封止樹脂にてコーティングすることにより、信頼性を一
層向上させることができる。
【0098】さらに、セラミック体の上面を封止樹脂に
てコーティングすることにより、セラミック積層RFデ
バイスの上面を平坦にすることができる。その結果、マ
ウンターにより自動マウントが可能な表面実装デバイス
(surface mounted device:SMD)とすることがで
き、高周波部品として非常に取り扱いがしやすくなる。
【0099】また、セラミック体の底面の端子電極をL
GAで構成することにより、多ピン化が容易となり、上
記のような半導体ベアチップやSAWフィルタを実装し
た回路規模の大きい複合デバイスを形成することも容易
となる。
【0100】さらに、樹脂により気密封止されたSAW
フィルタをフェースダウン実装することにより、従来は
気密を得るためにキャビティ構造のパッケージを必要と
していたものを、平板上の基板への実装が可能となる。
これによって、図5のように半導体ベアチップとの一体
実装を容易に行うことができる。
【0101】以上のように本実施の形態によれば、積層
一体焼成された低温焼結セラミック体の中に、銅または
銀で形成された多層配線パターンを配し、各配線パター
ン間の所望箇所には層間ビアホールを配して電気的に接
続している。また、セラミック積層体の底面にはLGA
端子電極を形成し、セラミック体の上面にはUHF帯以
上の周波数で動作する半導体ベアチップとSAWフィル
タをフェースダウン実装し、このベアチップを覆うよう
に前記セラミック体の上面を封止樹脂にてコーティング
した構成にしている。これによって、デバイスとして優
れた高周波特性を得ることができ、小形デバイスを実現
することができ、信頼性を一層向上させることができ
る。しかも、取り扱いがしやすい自動マウントが可能な
表面実装デバイスSMDを提供することができる。
【0102】(実施の形態6)図8は本発明の実施の形
態6におけるセラミック積層RFデバイスの断面図を示
すものである。図8において、11はキャビティ型低温
焼結セラミック体、2は多層配線導体、3は層間ビアホ
ール、4は半導体ベアチップ、5はSAWフィルタ、6
は封止樹脂、7はLGAである。図5と異なる点は低温
焼結セラミック体1をキャビティ型低温焼結セラミック
体11に置き換える構造とした点である。
【0103】以上のように構成されたセラミック積層R
Fデバイスについて、以下、図8を用いてその動作を説
明する。
【0104】多層配線導体2は、キャビティ型低温焼結
セラミック体11内において、内層コンデンサや内層イ
ンダクタを形成する。積層一体焼成されたキャビティ型
低温焼結セラミック体の中に形成される多層配線パター
ンは銅または銀からなり、前記配線パターン間の所望箇
所には層間ビアホール3を配して電気的に接続する。
【0105】多層配線パターンの各層のパターンは、例
えばスクリーン印刷などの方法で形成し、層間ビアホー
ルは誘電体シートにパンチャーで穴開けし導体ペースト
を印刷などの方法で充填して形成する。キャビティも同
様に誘電体シートにパンチャーで穴開けして形成する。
キャビティ内には半導体ベアチップ4、SAWフィルタ
5が、フェースダウン実装され、半導体ベアチップ4や
SAWフィルタ5を覆うように、封止樹脂6がこのキャ
ビティ中に充填される。
【0106】また、セラミック体の底面には、外部との
接続を行う底面端子電極LGA7が形成されている。こ
れらの部品は、全体としてRF回路を形成し、例えば、
RF積層スイッチなどのセラミック積層RFデバイスと
して機能する。
【0107】ここで、実施の形態5と大きく異なる点
は、低温焼結セラミック体1をキャビティ型低温焼結セ
ラミック体11に置き換える構造とした点である。キャ
ビティ型構造としたことによって、封止樹脂6が側面に
周り込む恐れがなく、樹脂だれなどによる外形変化が少
なくなる。これによって、実装時の認識における不良を
低減させることができる。
【0108】また、セラミック体をキャビティ構造とす
ることにより、半導体などを実装した周縁部のセラミッ
ク体にも電極パターン12を形成することが可能とな
る。これによって、限られた体積で内蔵回路を有効に形
成することができ、デバイス特性の向上及びデバイスサ
イズの小型化も可能となる。
【0109】以上のように実施の形態6によれば、セラ
ミック体が上面に凹部を持つキャビティ型であり、封止
樹脂が前記キャビティ部を充填したこと構造にすること
により、封止樹脂が側面に周り込む恐れが少なく、樹脂
だれなどによる外形変化が少なくなる。このため、実装
時の認識における不良を発生させることがないセラミッ
ク積層RFデバイスを提供することができる。
【0110】なお、図9に示すように、セラミック体の
上面のうち一方の側にキャビティの凹部を形成し、他方
の側のキャビティの凹部がない部分に、アレーアンテナ
13などを形成すれば、さらに無線部回路としての機能
を向上したデバイスの実現が可能となる。
【0111】(実施の形態7)図10は、本発明の実施
の形態7におけるセラミック積層RFデバイスの断面図
を示すものである。図10において、14、16は低誘
電率低温焼結セラミック体、15は高誘電率低温焼結セ
ラミック体、2は多層配線導体、3は層間ビアホール、
4は半導体ベアチップ、5はSAWフィルタ、6は封止
樹脂、7はLGAである。図5と異なるのは、単一の低
温焼結セラミック体1の代わりに、最上層に低誘電率低
温焼結セラミック体14を、中間層に高誘電率低温焼結
セラミック体15を、最下層に低誘電率低温焼結セラミ
ック体16という三層の積層体とした点である。
【0112】以上のように構成されたセラミック積層R
Fデバイスについて、以下図10を用いてその動作を説
明する。
【0113】多層配線導体2は、低誘電率低温焼結セラ
ミック体14、16および高誘電率低温焼結セラミック
体15内において、内層コンデンサや内層インダクタを
形成する。積層一体焼成された異種積層低温焼結セラミ
ック体の中に形成される多層配線パターンは銅または銀
からなり、前記配線パターン間の所望箇所には層間ビア
ホールを配して電気的に接続する。前記セラミック体上
面には半導体ベアチップ4やSAWフィルタ5がフェー
スダウン実装され、この半導体ベアチップ4やSAWフ
ィルタ5を覆うようにセラミック体の上面を封止樹脂に
よりコーティングしている。
【0114】セラミック体の底面には外部との接続を行
う底面端子電極LGA7が形成されている。これらの部
品は、全体としてRF回路を形成し、例えば、RF積層
スイッチなどのセラミック積層RFデバイスとして機能
する。
【0115】一般に、高誘電率セラミック中に形成でき
るストリップラインは、波長が短縮できるため、例えば
ストリップライン共振器では共振器長を比誘電率の平方
根に逆比例して短くすることができる。したがって、小
形でQ値の高いストリップライン共振器を作ったりする
のには適している。しかし、ストリップラインの特性イ
ンピーダンスは通常低く、例えばスクリーン印刷で形成
できる最小線幅100μm、シールド間隔2mmのスト
リップラインの特性インピーダンスは20から30オー
ム程度であり、50オーム線路を形成することは実質不
可能である。その一方、比誘電率が高いため、大きな容
量値の内層コンデンサを狭い面積で作ることは容易であ
る。
【0116】これに対して、低誘電率セラミック体中に
形成できるストリップラインは、波長はそれほど短縮で
きないが、50オーム以上の高い特性インピーダンスの
実現は易しく、内層インダクタの形成も容易である。比
誘電率が低いため、近接するストリップライン間の電磁
界結合量は比較小さく、配線層を形成するのに適してい
る。
【0117】このように、2種以上の比誘電率を持つセ
ラミックシートを異種接合することにより、各々の層中
に最適回路素子を配置することにより、小形、高性能を
同時達成することができる。ストリップラインの特性イ
ンピーダンスの関係から、それぞれのセラミック体の比
誘電率は、最上層では比誘電率10以下とし、中間層で
は比誘電率10以上、中でもおよそ40から60程度と
し、最下層では比誘電率10以下とすることが好まし
い。
【0118】ここで、高誘電率低温焼結セラミック体1
5を低誘電率低温焼結セラミック体14と低誘電率低温
焼結セラミック体16とで挟み込む構造とし、上下をほ
ぼ対称形とすることで、焼成時における熱膨張係数の違
いに起因するセラミック体のそりを防止することができ
る。また、中央の高誘電率低温焼結セラミック体15を
上下の低誘電率低温焼結セラミック体14と低誘電率低
温焼結セラミック体16より厚くすることで、中央の高
誘電率低温焼結セラミック体15内部に高いQ値を持つ
ストリップラインを形成することができ、回路の低損失
化を図ることができる。
【0119】また、一般に低温焼結セラミック体は低誘
電率体の方が素子強度が強く、本実施の形態のように低
誘電率低温焼結セラミック体に底面LGA電極が形成で
きる配置とすることにより、端子強度の強いデバイスが
形成可能となる。
【0120】以上のように実施の形態7によれば、セラ
ミック体が比誘電率の異なる異種セラミック積層体で形
成された構成としている。また、さらにセラミック体を
比誘電率の異なる3層以上の異種セラミック積層体と
し、最上層を比誘電率10以下の低誘電率低温焼結セラ
ミック体とし、中間層を比誘電率10以上の高誘電率低
温焼結セラミック体とし、最下層を比誘電率10以下の
低誘電率低温焼結セラミック体という構成にしている。
これによって、小形化、高性能化を同時に達成すること
ができるセラミック積層RFデバイスを提供することが
できる。
【0121】(実施の形態8)本発明の実施の形態8に
係る移動体通信機は、図11に示すように、上記実施の
形態2に係るセラミック積層RFデバイス20を搭載し
た携帯電話機等の移動体通信機30である。この携帯電
話機は、セラミック積層RFデバイス20、表示部3
2、及び通信部34を含んでいる。具体的には、この携
帯電話機に搭載されたセラミック積層RFデバイス20
は、図1に示すように、上面側の高誘電率系のセラミッ
ク体15、下面側の低誘電率系のセラミック体14を有
し、上下のセラミック体14、15の間に熱硬化性樹脂
である接合樹脂17を挟みこんでいる。さらに、2つの
セラミック体14、15の間に挟み込まれた接合樹脂1
7には、上下のセラミック体の各多層配線パターンの間
を互いに電気的に接続する導電性樹脂が充填された複数
個の貫通孔が設けられている。これによって、異なる比
誘電率を有する2つのセラミック体をそのまま接触させ
た場合に比べて、2つのセラミック体の間に生じる浮遊
容量を減少させることができる。また、下層側の低誘電
率系のセラミック体14の底面にランドグリッドアレー
端子電極7を設けている。さらに、このセラミック体1
4の底面とランドグリッドアレー端子電極7との間にも
う一つの熱硬化性樹脂である接合樹脂18を挟みこんで
いる。これによってデバイスとしての強度を高めること
ができる。
【0122】この携帯電話機30では、上述の通り、搭
載しているセラミック積層RFデバイス20が小型化、
高機能化されているので、携帯電話機としても小型化、
高機能化を図ることができる。なお、この携帯電話機で
は実施の形態1に係るセラミック積層RFデバイスを用
いたが、これに限られず、他の実施の形態に係るセラミ
ック積層RFデバイスを用いることができる。
【0123】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、各セラミ
ック体の間に熱硬化性樹脂シートである接合樹脂が挟み
込まれている。これによって、異なる比誘電率を有する
2つのセラミック体をそのまま接触させた場合に比べ
て、上下のセラミック体の間に生じる浮遊容量を減少さ
せることができる。また、下層側のセラミック体の底面
にランドグリッドアレー端子電極を設け、このセラミッ
ク体の底面とランドグリッドアレー端子電極との間にも
う一つの熱硬化性樹脂シートである接合樹脂を挟みこん
でいる。これによってデバイスとしての強度を高めるこ
とができる。
【0124】また、本発明によれば、半導体ベアチップ
とSAWフィルタをセラミック積層RFデバイスに取り
入れることができ、デバイスの高機能化、小形化、低背
化、製造の容易さ、信頼性の向上を図ることができ、最
適回路設計で複数機能を組み合わせた時の総合性能の向
上を果たせるセラミック積層RFデバイスを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るセラミック積層
RFデバイスの断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態2に係るセラミック積層
RFデバイスの断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態3に係るセラミック積層
RFデバイスの断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態4におけるセラミック積
層RFデバイスの断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態5に係るセラミック積層
RFデバイスの断面図である。
【図6】 本発明の実施の形態5に係るセラミック積層
RFデバイスの底面斜視図である。
【図7】 本発明の実施の形態5に係るセラミック積層
RFデバイスにフェースダウン実装されたSAWフィル
タの拡大断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態6に係るセラミック積層
RFデバイスの断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態6に係るセラミック積層
RFデバイスの斜視図である。
【図10】 本発明の実施の形態7に係るセラミック積
層RFデバイスの断面図である。
【図11】 本発明の実施の形態8に係る携帯電話機の
ブロック図である。
【図12】 従来例におけるセラミック積層RFデバイ
スの断面図である。
【図13】 従来例におけるセラミック積層RFデバイ
スの構成を示すブロック図であり、(a)は積層フィル
タ、(b)はSAWフィルタ、(c)はRFスイッチ回
路である。
【符号の説明】
1 低温焼結セラミック体 2,12 多層配線導体 3 層間ビアホール 4 半導体ベアチップ 5 SAWフィルタ 6 封止樹脂 7 LGA(ランドグリッドアレー)端子電極 8 バンプ 9 SAW電極 10 封止樹脂 11 キャビティ型低温焼結セラミック体 13 アレーアンテナ 14,16 低誘電率低温焼結セラミック体 15 高誘電率低温焼結セラミック体 17,18 接合樹脂 19 穴空き型低誘電率低温焼結セラミック体 20 セラミック積層RFデバイス 30 移動体通信機 32 表示部 34 通信部 101 低温焼結セラミック体 102 多層配線導体 103 層間ビアホール 105 チップ部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/12 301 H01P 3/08 H01P 3/08 H03H 9/25 A H03H 9/25 H01G 4/40 321A (72)発明者 松村 勉 京都府京田辺市大住浜55番12 松下日東電 器株式会社内 (72)発明者 石崎 俊雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E001 AB01 AH01 AH09 AJ01 AJ02 5E082 AB03 BB05 CC02 5E346 AA04 AA12 AA15 AA22 AA35 AA43 AA60 BB01 CC02 CC08 CC17 CC31 DD02 EE02 EE06 EE07 EE08 EE21 EE43 FF18 FF35 GG03 GG28 HH22 HH24 HH33 5J014 CA53 5J097 AA30 AA31 AA34 HA04 JJ03 JJ10

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層間ビアホールを介して電気的に接続さ
    れた多層配線パターンを備えた第1のセラミック体と、 層間ビアホールを介して電気的に接続された多層配線パ
    ターンを備えた第2のセラミック体と、 前記第1及び第2のセラミック体の間に挟まれた熱硬化
    性樹脂シートとからなり、 前記熱硬化性樹脂シートは、前記第1のセラミック体の
    前記多層配線パターンのいずれかと、前記第2のセラミ
    ック体の前記多層配線パターンのいずれかとを互いに電
    気的に接続する導電性樹脂が充填された貫通孔を備える
    ことを特徴とするセラミック積層デバイス。
  2. 【請求項2】 前記セラミック体は、積層一体焼成され
    た低温焼結セラミック体であることを特徴とする請求項
    1に記載のセラミック積層デバイス。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2のセラミック体は、前
    記熱硬化性樹脂シートと熱硬化して一体化したことを特
    徴とする請求項1に記載のセラミック積層デバイス。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2のセラミック体は、比
    誘電率が互いに異なることを特徴とする請求項1に記載
    のセラミック積層デバイス。
  5. 【請求項5】 層間ビアホールを介して電気的に接続さ
    れた多層配線パターンを備えた第3のセラミック体と、 前記第2及び第3のセラミック体との間に挟まれた熱硬
    化性樹脂シートとをさらに備え、 前記第1のセラミック体は、比誘電率が10未満であっ
    て、前記第2のセラミック体は、比誘電率が10以上で
    あって、前記第3のセラミック体は、比誘電率が10未
    満であることを特徴とする請求項1に記載のセラミック
    積層デバイス。
  6. 【請求項6】 前記第1及び第3のセラミック体は、実
    質的に同一の厚さであり、前記第2のセラミック体は、
    前記1及び第3のセラミック体より厚いことを特徴とす
    る請求項5に記載のセラミック積層デバイス。
  7. 【請求項7】 前記各セラミック体は、互いに異なる厚
    みを有することを特徴とする請求項1に記載のセラミッ
    ク積層デバイス。
  8. 【請求項8】 前記第2のセラミック体の他のセラミッ
    ク体と対向していない面にランドグリッドアレー端子電
    極を備えることを特徴とする請求項1に記載のセラミッ
    ク積層デバイス。
  9. 【請求項9】 前記第2のセラミック体と前記ランドグ
    リッドアレー端子電極との間に挟み込まれた熱硬化性樹
    脂シートを備えることを特徴とする請求項8に記載のセ
    ラミック積層デバイス。
  10. 【請求項10】 前記第1のセラミック体は、前記第2
    のセラミック体と対向していない面に、半導体ベアチッ
    プと電極部が気密封止されたSAWフィルタとが電極部
    を対向させて実装され、上部を封止樹脂でコーティング
    されたことを特徴とする請求項1に記載のセラミック積
    層デバイス。
  11. 【請求項11】 前記第1のセラミック体は、上方に凹
    部を持つキャビティ型セラミック体であって、 前記第1のセラミック体は、前記凹部の底面に、半導体
    ベアチップとSAWフィルタとが電極部を対向させて実
    装され、上部を封止樹脂でコーティングされたことを特
    徴とする請求項1に記載のセラミック積層デバイス。
  12. 【請求項12】 前記第1のセラミック体は、穴開き部
    を含む穴開き型セラミック体であって、 前記第1のセラミック体は、前記穴開き部の底面を構成
    する前記熱硬化性樹脂シートの面に、半導体ベアチップ
    とSAWフィルタが電極部を対向させて実装され、上部
    を封止樹脂でコーティングされていることを特徴とする
    請求項1に記載のセラミック積層デバイス。
  13. 【請求項13】 前記第1のセラミック体は、比誘電率
    が10未満であり、前記第2セラミック体は、比誘電率
    が10以上であることを特徴とする請求項12に記載の
    セラミック積層デバイス。
  14. 【請求項14】 前記半導体ベアチップは、UHF帯以
    上の周波数で動作する半導体ベアチップを含むことを特
    徴とする請求項10に記載のセラミック積層デバイス。
  15. 【請求項15】 前記半導体ベアチップは、PINダイ
    オードを含むことを特徴とする請求項10に記載のセラ
    ミック積層デバイス。
  16. 【請求項16】 前記SAWフィルタは、不平衡入力平
    衡出力の端子構造を持つことを特徴とする請求項10に
    記載のセラミック積層デバイス。
  17. 【請求項17】 層間ビアホールを介して電気的に接続
    された多層配線パターンを備えた第1のセラミック体
    と、 層間ビアホールを介して電気的に接続された多層配線パ
    ターンを備えた第2のセラミック体とが順に積層されて
    おり、 前記第1のセラミック体は、前記第2のセラミック体と
    対向していない面に、半導体ベアチップと電極部が気密
    封止されたSAWフィルタとが電極部を対向させて実装
    され、上部を封止樹脂でコーティングされ、 前記第2のセラミック体は、前記第1のセラミック体と
    対向していない面に、ランドグリッドアレー端子電極が
    設けられていることを特徴とするセラミック積層デバイ
    ス。
  18. 【請求項18】 前記第1及び第2のセラミック体は、
    比誘電率が互いに異なることを特徴とする請求項17に
    記載のセラミック積層デバイス。
  19. 【請求項19】 前記第1のセラミック体は、上方に凹
    部を持つキャビティ型セラミック体であって、 前記第1のセラミック体は、前記半導体ベアチップと前
    記SAWフィルタとが電極部を前記凹部の底面に対向さ
    せて実装され、上部を封止樹脂でコーティングされたこ
    とを特徴とする請求項17に記載のセラミック積層デバ
    イス。
  20. 【請求項20】 層間ビアホールを介して電気的に接続
    された多層配線パターンを備えた第3のセラミック体を
    さらに備え、 前記第3のセラミック体は、前記第2のセラミック体の
    前記第1のセラミック体と対向していない面に積層さ
    れ、 前記第1のセラミック体は、比誘電率が10未満であ
    り、前記第2のセラミック体は、比誘電率が10以上で
    あり、前記第3のセラミック体は、比誘電率が10未満
    であることを特徴とする請求項17に記載のセラミック
    積層デバイス。
  21. 【請求項21】 層間ビアホールを介して電気的に接続
    された多層配線パターンを備え、上方に凹部を持つキャ
    ビティ型セラミック体からなる第1のセラミック体と、 層間ビアホールを介して電気的に接続された多層配線パ
    ターンを備えた第2のセラミック体とが順に積層されて
    おり、 前記第1のセラミック体は、前記凹部の底面に、半導体
    ベアチップと電極部が気密封止されたSAWフィルタと
    が電極部を対向させて実装され、上部を封止樹脂でコー
    ティングされていることを特徴とするセラミック積層デ
    バイス。
  22. 【請求項22】 前記第1のセラミック体は、前記第2
    のセラミック体と対向していない面の平坦部に形成され
    た電極パターンからなるアレーアンテナを有することを
    特徴とする請求項21に記載のセラミック積層デバイ
    ス。
  23. 【請求項23】 請求項1から22のいずれか一項に記
    載の前記セラミック積層デバイスを備えたことを特徴と
    する移動体通信機。
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