JP2002111037A - 薄膜太陽電池モジュール - Google Patents

薄膜太陽電池モジュール

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JP2002111037A JP2000299526A JP2000299526A JP2002111037A JP 2002111037 A JP2002111037 A JP 2002111037A JP 2000299526 A JP2000299526 A JP 2000299526A JP 2000299526 A JP2000299526 A JP 2000299526A JP 2002111037 A JP2002111037 A JP 2002111037A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非晶質シリコン系半導体層を形成した太陽電池
素子の光劣化を低く抑えて高い出力を得る。 【解決手段】太陽電池素子10の非受光面に断熱手段を
設けて、太陽電池素子10の温度が光照射によって上昇
するようにしたモジュールにおいて、モジュールに取り
付けられるフレーム5の放射率を受光面側が高く、非受
光面側が低くなるように設定する。また、太陽電池素子
10の裏面側を封止する樹脂フィルム3の放射率を受光
面側が高く、非受光面側が低くなるように設定する。あ
るいは、太陽電池素子10の透光性基板1として、15
00〜2000nmの近赤外波長領域で平均40%以上
の光吸収率を有する透光性基板を用いていることで、太
陽光の吸収量を多くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜太陽電池モジ
ュールに関し、さらに詳しくは非晶質シリコン系半導体
層を形成した太陽電池素子からなる薄膜太陽電池モジュ
ールに関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜太陽電池は、結晶ウエハーを用いる
太陽電池モジュールと比較して、半導体材料の使用量が
少なくて済むこと、及びガラスや金属等の安価な基板上
に低温プロセスで形成できることから低価格化が期待さ
れている。
【0003】薄膜太陽電池の中でも非晶質シリコン系太
陽電池は、材料であるシリコンが非常に豊富である点、
及びCdやSeを使用する化合物系太陽電池に比して材
料が無害で環境への影響がない点で優れており、開発が
進められている。
【0004】このような非晶質シリコン太陽電池におい
ては、まず、ガラス等の透光性基板上にSnO2 やZn
O等の透明導電膜/p−i−n非晶質シリコン系半導体
層/金属表面電極層を順次積層して太陽電池素子を形成
し、レーザビーム等で分割・接続して集積構造とする。
次に、太陽電池素子の裏面側をエチレンビニルアセテー
ト(以下、EVAと言う)やポリビニルブチラール(以
下、PVBと言う)等の充填材、またはPET/アルミ
ニウムフィルム/PET積層シートやテドラー等のバッ
クシートで封止してスーパーストレート型の太陽電池パ
ネルを構成し、これにアルミニウム等のフレームを取り
付けて屋外で設置使用することが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、非晶質シリ
コン系太陽電池には、ステブラー・ロンスキー効果とよ
ばれる光照射による変換効率の初期劣化現象(以下、光
劣化と言う)があり、このことが、電力用モジュールに
非晶質シリコン系太陽電池を用いる場合の課題となって
いる。
【0006】このような非晶質シリコン系太陽電池の光
劣化を完全になくすことはできないが、光劣化を低減す
る方法としては、従来、単位セルを2層、3層積層した
タンデム、トリプル構造として光電変換を行う非晶質シ
リコン系半導体層の膜厚を薄くする方法等が知られてい
る。
【0007】また、光劣化によって低下した変換効率
は、太陽電池を高温にすることによって回復することが
知られている。回復効果は40℃程度の温度でも見られ
るが、温度が高いほうが効果が大きく、70℃以上の高
温にすることで大幅に特性が回復するようになる。
【0008】非晶質シリコン系太陽電池の出力の温度依
存性は、結晶系シリコン太陽電池に比べると非常に少な
く、1℃の温度上昇による出力低下は0.1〜0.2%
であるため、太陽電池を高温に保ち、光劣化を回復させ
ながら使用することで光劣化を低減し、高い出力を得る
ことができる。
【0009】従来、このような非晶質シリコン系太陽電
池の温度特性を生かし、温度を高めて光劣化を低減する
方法として、特開平4−71276号公報に、モジュー
ルの裏面側(非受光面側)に断熱手段を設け、太陽光に
よる熱が裏面から伝導することを抑制する方法が開示さ
れている。
【0010】また、特開平11−103086号公報に
は、フレームを有するモジュールにおいて、太陽電池と
フレームとの間に断熱材を設けてフレームへの熱の伝導
を抑制する方法が開示されている。
【0011】しかしながら、これらの従来の技術では以
下のような問題がある。
【0012】(1)モジュール裏面に断熱手段を設ける
ことで、モジュールの最高到達温度は夏期の日中で気温
+40℃程度まで上昇するが、他の季節ではモジュール
温度が70℃を超えることは困難である。
【0013】(2)裏面側に断熱手段を設けたモジュー
ルにおいて、モジュールの強度を高め、構造体に固定す
るためにフレームを設けた場合、モジュールからフレー
ムへの熱の逃げが大きく、モジュール中央部に比較して
フレーム近傍のモジュール周辺部の温度は20℃程度低
くなることが多い。
【0014】この対策として、太陽電池とフレームとの
間に断熱材を設けることで、モジュール周辺部の温度低
下を抑制するという方法が採られているが、この方法で
は、太陽電池とフレームとの間に断熱材を挟み込んでい
るので、モジュールの取付強度が低下するという問題が
ある。
【0015】また、薄膜太陽電池モジュールの周辺部で
は薄膜半導体層に水分が浸入しないように封止を行う必
要があるが、太陽電池フレームとの間に挟み込む断熱材
の耐候性能が十分でない場合、断熱材の光劣化等で封止
のシール性能が大きく低下しやすく、薄膜半導体層に水
分が浸入して浸食され、太陽電池の出力が低下するとい
う問題もある。特に、断熱材として、断熱性能に優れる
発泡樹脂等を使用した場合に、取付強度の低下や封止性
能の低下が大きい。
【0016】本発明は、そのような実情に鑑みてなされ
たもので、光劣化を抑制して高い出力を得ることのでき
る薄膜太陽電池モジュールの提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、非晶質シリコ
ン系半導体層を形成した太陽電池素子の非受光面側に断
熱手段を設けて、太陽光による太陽電池素子の温度上昇
を促進する構造の太陽電池モジュールにおいて、当該モ
ジュールに取り付けるフレームの放射率が、相対的に受
光面側が高く、非受光面側が低くなるように設定されて
いることによって特徴づけられる。
【0018】このようにフレームの放射率を受光面側が
高く、非受光面側が低くなるように設定しておくと、フ
レーム受光面では太陽光の吸収が増大し、非受光面では
熱の放射が低減するので、フレームの温度が光照射によ
って上昇する。これにより、太陽電池モジュール周辺部
の熱がフレームに逃げることがなくなり、周辺部温度が
上昇してアニール効果が促進される結果、光劣化が低減
される。
【0019】より具体的には、フレームの受光面を黒色
または非晶質シリコン系半導体層と同系の暗色とするこ
とで太陽光の吸収量が増大する。また、フレームの非受
光面を放射率の低い白色または銀色とするか、あるいは
フレームの非受光面に断熱手段を設けることで熱の放射
量が低減する。
【0020】本発明は、非晶質シリコン系半導体層を形
成した太陽電池素子の非受光面側に断熱手段を設けて、
太陽光による太陽電池素子の温度上昇を促進する構造の
太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子の裏面側が
樹脂フィルムによって封止されており、その樹脂フィル
ムの放射率が、相対的に受光面側が高く、非受光面側が
低くなるように設定されていることによって特徴づけら
れる。
【0021】このように、封止用の樹脂フィルムの放射
率を受光面側が高く、非受光面側が低くなるように設定
しておくと、モジュール受光面の太陽電池素子以外の部
分は太陽光の吸収が増大し、非受光面では熱の放射が低
減するので、光照射によるモジュールの温度上昇がより
一層高くなる。これにより、太陽電池モジュール全体の
温度が上昇してアニール効果が促進される結果、光劣化
が低減される。
【0022】より具体的には、封止用の樹脂フィルムの
受光面を黒色または非晶質シリコン系半導体層と同系の
暗色とすることで太陽光の吸収量が増大する。また、樹
脂フィルムの非受光面を放射率の低い白色または銀色と
することで熱の放射量が低減する。
【0023】なお、封止用の樹脂フィルムとして、黒色
または非晶質シリコン系半導体層と同系の暗色の樹脂フ
ィルムと、銀色または白色の樹脂フィルムとの間にアル
ミニウムを挟み込んだ積層フィルムを用いてもよい。
【0024】本発明は、非晶質シリコン系半導体層を形
成した太陽電池素子の非受光面側に断熱手段を設けて、
太陽光による太陽電池素子の温度上昇を促進する構造の
太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子の透光性基
板として、1500〜2000nmの近赤外波長領域で
平均40%以上の光吸収率を有する透光性基板を用いる
ことを特徴とする。このような構成を採用すれば、非晶
質シリコン系半導体層が吸収しない赤外光を透光性基板
にて吸収することができるので、太陽電池素子全体での
光吸収量が多くなって、アニール効果を高めることがで
きる。
【0025】なお、透光性基板として、400〜800
nmの非晶質シリコン系半導体感度波長領域で平均70
%以上の透過率を有する、透明導電膜付き青板ガラス基
板を用いてもよい。
【0026】また、近赤外に吸収効果のある青板ガラス
に、可視光の透過率が高く、赤外の吸収率が高い透明導
電膜(例えば酸化錫透明導電膜)を形成することで、透
光性基板の可視光吸収を増大させずに近赤外吸収を増大
させることが可能な透光性基板、例えば図4の曲線Bで
示す特性の透光性基板を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0028】図1は本発明の実施形態の構造を模式的に
示す断面図である。
【0029】図1の薄膜太陽電池モジュールは、透光性
基板1に非晶質シリコン系半導体層2を形成した太陽電
池素子10と、太陽電池素子10の裏面(非受光面)を
封止する裏面封止樹脂フィルム3と、太陽電池素子10
の非受光面側に設けられた断熱層4からなる太陽電池パ
ネル11を、ブチルゴムを用いて、アルミニウム製のフ
レーム5に嵌入接着した構造となっている。
【0030】フレーム5には、その受光面5aが黒色
で、非受光面5bが銀色(アルミニウム色)であるもの
が用いられている。
【0031】太陽電池素子10は、透光性基板1に、透
明導電膜(図示せず)/p−i−n(またはn−i−
p)の非晶質シリコン系半導体層2/金属電極層(図示
せず)を順次堆積した積層体からなる光電変換膜を形成
し、その裏面側(非受光面側)をEVA、PVB、ポリ
イソブチレン系樹脂等の充填材(図示せず)によって封
止した構造となっている。太陽電池素子10の裏面は、
PET、テドラー等の裏面封止樹脂フィルム3にて保護
されている。なお、裏面封止樹脂フィルム3には必要に
応じてアルミニウム箔等が挟み込まれる。また、裏面封
止樹脂フィルム3には、受光面3a及び非受光面3bの
両面が白色のフィルム、あるいは受光面3aが黒色で、
非受光面3bが白色のフィルム等が用いられる。
【0032】ここで、透光性基板1としては、強化ガラ
スや貼り合わせガラス、またはその他の一般的な透光性
基板が用いられる。
【0033】透明導電膜には、従来の太陽電池素子と同
様に酸化錫や酸化インジウムが用いられる。
【0034】非晶質シリコン系半導体層2としては、ア
モルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイ
ト、アモルファスシリコンゲルマニウム等が用いられ
る。
【0035】金属電極層としては、クロム、アルミニウ
ム、銀などの一般的な金属材料が用いられる。これらの
うち、入射光の閉じ込め効果及び反射率の点を考慮する
と、銀を用いることが好ましい。
【0036】なお、太陽電池素子10は、素子温度が高
温になることから、非晶質シリコン系半導体層2と金属
電極層との間での金属成分の拡散が問題となる。これを
防止することを目的として、非晶質シリコン系半導体層
2と金属電極層との間に、酸化亜鉛等の透明導電膜を介
在させることが好ましい。
【0037】また、非晶質シリコン系半導体層2の裏面
封止用の充填材としてEVA、PVB等を用いる場合、
裏面封止樹脂フィルム3は真空ラミネート法にて接着す
ることが好ましい。
【0038】断熱層4としては、断熱材、乾燥空気層等
が挙げられる。断熱材としては、断熱性、保温性、畜熱
性に優れた、例えばポリスチレンフォーム、ポリエチレ
ンフォーム、硬質ポリウレタンフォーム、フェノールフ
ォーム、シリコンラバーフォーム、ポリプロピレン、イ
ソシアヌレートなどの発泡材料や、ロックウール、グラ
スウール、セラミックファイバー、動植物繊維などの繊
維材料や、ケイ酸カルシウム、けいそう土、コルクなど
の粒・紛状材料や、軽量気泡コンクリートなどを用いる
ことが可能である。
【0039】ここで、断熱層4は高温になるため、断熱
性と高温・光照射状態での耐候性に優れることが好まし
い。また、燃焼時にダイオキシン等の公害物質を発生し
ないことが望ましい。
【0040】図2は本発明の他の実施形態の構造を模式
的に示す断面図である。
【0041】図2の薄膜太陽電池モジュールは、裏面封
止樹脂フィルム3の受光面3a(表面)を黒色、非受光
面3b(裏面)を白色とした点に特徴がある。その他の
構成は図1と同じである。
【0042】図3は本発明の別の実施形態の構造を模式
的に示す断面図である。
【0043】図3の薄膜太陽電池モジュールは、太陽電
池素子10の透光性基板として、青板ガラスの表面に熱
CVDによる酸化錫透明導電膜1a′を蒸着した透光性
基板1′を用いた点に特徴がある。その他の構成は図2
と同じである。この実施形態に用いる透光性基板1′は
図4の曲線Bで示す特性を有する<実施例1>図1に示
すように、透光性基板1上に非晶質シリコン系半導体層
2を形成した太陽電池素子10の非受光面側に、両面白
色の裏面封止樹脂フィルム3及び断熱層4を接着してな
る太陽電池パネル11を、ブチルゴムを用いてアルミニ
ウム製のフレーム5に嵌入接着して薄膜太陽電池モジュ
ールを作製した。ただし、フレーム5の受光面5aを黒
色とし、非受光面5bは銀色(アルミニウム色)とし
た。また、透光性基板1として、図4の曲線Aで示す特
性の青板ガラス(1枚)を用いた。
【0044】以上の薄膜太陽電池モジュールを屋外に設
置し、その温度と光電変換効率の変化を調べたところ、
従来では太陽電池パネルの気温に対する温度上昇が、夏
期において最高でもモジュール中央部で約40℃、モジ
ュール周辺部のフレーム近傍で約25℃に止まっていた
ものが、この実施例1の薄膜太陽電池モジュールでは、
気温に対してモジュール全面で45℃〜55℃の上昇と
なり、夏期において75℃〜85℃となっていた。ま
た、従来、年平均で約24%の光劣化があったものが、
この実施例1の薄膜太陽電池モジュールでは約20%の
光劣化となっており、大きな改善効果が確認された。
【0045】<実施例2>図2に示すように、裏面封止
樹脂フィルム3の受光面3a(表面)を黒色、非受光面
3b(裏面)を白色としたこと以外は、実施例1と同様
にして薄膜太陽電池モジュールを作製した。
【0046】この薄膜太陽電池モジュールを屋外に設置
し、その温度と光電変換効率の変化を調べたところ、従
来では太陽電池パネルの気温に対する温度上昇が、夏期
において最高でもモジュール中央部で約40℃、モジュ
ール周辺部のフレーム近傍で約25℃に止まっていたも
のが、この実施例2の薄膜太陽電池モジュールでは、気
温に対してモジュール全面で48℃〜58℃の上昇とな
り、夏期において78℃〜88℃となっていた。また、
従来、年平均で約24%の光劣化があったものが、この
実施例2の薄膜太陽電池モジュールでは約19%の光劣
化となっており、大きな改善効果が確認された。
【0047】<実施例3>青板ガラスの表面に熱CVD
による酸化錫透明導電膜を蒸着して、透光性基板の特性
を、図4に示す曲線Bの特性(近赤外光吸収)に変更し
た以外は、実施例2と同様にして薄膜太陽電池モジュー
ルを作製した。
【0048】この薄膜太陽電池モジュールを屋外に設置
し、その温度と光電変換効率の変化を調べたところ、従
来では太陽電池パネルの気温に対する温度上昇が、夏期
において最高でもモジュール中央部で約40℃、モジュ
ール周辺部のフレーム近傍で約25℃に止まっていたも
のが、この実施例3の薄膜太陽電池モジュールでは、気
温に対してモジュール全面で53℃〜63℃の上昇とな
り、夏期において83℃〜93℃となっていた。また、
従来、年平均で約24%の光劣化があったものが、この
実施例3の薄膜太陽電池モジュールでは約17%の光劣
化となっており、大きな改善効果が確認された。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、非晶質
シリコン系半導体層を形成した太陽電池素子の非受光面
側に断熱手段を設けて、太陽電池素子の温度が光照射に
よって上昇するようにしたモジュールにおいて、モジュ
ールに取り付けられるフレームの放射率を、受光面側が
高く、非受光面側が低くなるように設定しているので、
モジュール周囲のフレームの温度が光吸収によって高温
になりモジュール全体が高温になる。これによりアニー
ル効果が高められ、光劣化現象が大幅に抑制される。
【0050】本発明は、非晶質シリコン系半導体層を形
成した太陽電池素子の非受光面側に断熱手段を設けて、
太陽電池素子の温度が光照射によって上昇するようにし
たモジュールにおいて、太陽電池素子の裏面側を封止す
る樹脂フィルムの放射率を、受光面側が高く、非受光面
側が低くなるように設定しているので、封止用の樹脂フ
ィルムの温度が光吸収によって高温になり、太陽電池素
子の温度が高温になる。これによりアニール効果が高め
られ、光劣化現象が大幅に抑制される。
【0051】本発明は、非晶質シリコン系半導体層を形
成した太陽電池素子の非受光面側に断熱手段を設けて、
太陽電池素子の温度が光照射によって上昇するようにし
たモジュールにおいて、太陽電池素子の透光性基板とし
て、1500〜2000nmの近赤外波長領域で平均4
0%以上の光吸収率を有する透光性基板を用いているの
で、モジュール表面の透光性基板の温度が光吸収によっ
て高温になり、太陽電子素子の温度が高温になる。これ
によりアニール効果が高められ、光劣化現象が大幅に抑
制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構造を模式的に示す断面図
である。
【図2】本発明の他の実施形態の構造を模式的に示す断
面図である。
【図3】本発明の別の実施形態の構造を模式的に示す断
面図である。
【図4】本発明の実施形態に用いる透光性基板の分光透
過率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 透光性基板 2 非晶質シリコン系半導体層 3 裏面封止樹脂フィルム 3a 裏面封止樹脂フィルムの受光面 3b 裏面封止樹脂フィルムの非受光面 4 断熱層 5 フレーム 5a フレームの受光面 5b フレームの非受光面 10 太陽電池素子 11 太陽電池パネル

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質シリコン系半導体層を形成した太
    陽電池素子の非受光面側に、断熱手段を設けた薄膜太陽
    電池モジュールにおいて、 当該モジュールにフレームが取り付けられており、その
    フレームの放射率が、相対的に受光面側が高く、非受光
    面側が低くなるように設定されていることを特徴とする
    薄膜太陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】 前記フレームの受光面を黒色または非晶
    質シリコン系半導体層と同系の暗色とし、フレームの非
    受光面を銀色または白色としたことを特徴とする請求項
    1記載の薄膜太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 前記フレームの受光面を黒色または非晶
    質シリコン系半導体層と同系の暗色とし、フレームの非
    受光面に断熱手段を設けたことを特徴とする請求項1記
    載の薄膜太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】 非晶質シリコン系半導体層を形成した太
    陽電池素子の非受光面側に、断熱手段を設けた薄膜太陽
    電池モジュールにおいて、 太陽電池素子の裏面側が樹脂フィルムによって封止され
    ており、その樹脂フィルムの放射率が、相対的に受光面
    側が高く、非受光面側が低くなるように設定されている
    こと特徴とする薄膜太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記樹脂フィルムの受光面を黒色または
    非晶質シリコン系半導体層と同系の暗色とし、樹脂フィ
    ルムの非受光面を銀色または白色としたことを特徴とす
    る請求項4記載の薄膜太陽電池モジュール。
  6. 【請求項6】 前記樹脂フィルムが、黒色または非晶質
    シリコン系半導体層と同系の暗色の樹脂フィルムと、銀
    色または白色の樹脂フィルムとの間にアルミニウムを挟
    み込んだ積層フィルムであることを特徴とする請求項4
    記載の薄膜太陽電池モジュール。
  7. 【請求項7】 非晶質シリコン系半導体層を形成した太
    陽電池素子の非受光面側に、断熱手段を設けた薄膜太陽
    電池モジュールにおいて、 太陽電池素子の透光性基板が、1500〜2000nm
    の近赤外波長領域で平均40%以上の光吸収率を有する
    ことを特徴とする薄膜太陽電池モジュール。
  8. 【請求項8】 前記透光性基板が、400〜800nm
    の非晶質シリコン系半導体感度波長領域で平均70%以
    上の透過率を有する、透明導電膜付き青板ガラス基板で
    あることを特徴とする請求項7記載の薄膜太陽電池モジ
    ュール。
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JP2008053303A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 太陽電池パネル

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