JP2002110597A - 化学機械研磨用水系分散体 - Google Patents

化学機械研磨用水系分散体

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JP2002110597A
JP2002110597A JP2000302062A JP2000302062A JP2002110597A JP 2002110597 A JP2002110597 A JP 2002110597A JP 2000302062 A JP2000302062 A JP 2000302062A JP 2000302062 A JP2000302062 A JP 2000302062A JP 2002110597 A JP2002110597 A JP 2002110597A
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acid
aqueous dispersion
chemical mechanical
mechanical polishing
organic
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JP2000302062A
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Kazuichi Uchikura
和一 内倉
Masayuki Motonari
正之 元成
Masayuki Hattori
雅幸 服部
Nobuo Kawahashi
信夫 川橋
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Original Assignee
JSR Corp
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体装置の被加工膜等を十分な速度で研磨
することができ、エロージョンが抑えられ、特に、銅膜
の研磨において有用な化学機械研磨用水系分散体を提供
する。 【解決手段】 砥粒、キノリンカルボン酸、その他の有
機酸および酸化剤を含有し、キノリンカルボン酸とその
他の有機酸との質量比が1:0.05〜2、特に1:
0.1〜1.5、さらには1:0.2〜1である化学機
械研磨用水系分散体とする。2−キノリンカルボン酸が
好ましく、その他の有機酸としては、シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、
フマル酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸およびクエン酸
等の1分子中に2個以上のカルボキシル基を有するもの
が使用される。また、酸化剤としては過硫酸塩が用いら
れ、さらにアニオン系界面活性剤を含有することがより
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学機械研磨用水
系分散体に関する。さらに詳しくは、本発明は、半導体
装置の製造における配線パターンが設けられたウェハの
化学機械研磨において、研磨速度が大きく、かつエロー
ジョンが抑えられ、特に銅膜の化学機械研磨において有
用な水系分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の高密度化にともな
い、形成される配線の微細化が進んでいるが、この配線
をより微細化することができる技術としてダマシン法が
注目されている。この方法は、絶縁層の表面に形成され
た溝等に配線材料を埋め込んだ後、化学機械研磨により
余剰な配線材料を除去することによって正確な配線を形
成するものである。そして、このダマシン法では、研磨
速度をさらに高速化し、エロージョンをより低下させる
ことが特に重要な課題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来の
問題を解決するものであり、特に銅の化学機械研磨にお
いて研磨速度を大きくすることができ、かつエロージョ
ンを抑えることができる化学機械研磨用水系分散体を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の化学機械研磨用
水系分散体は、砥粒、キノリンカルボン酸、その他の有
機酸および酸化剤を含有する化学機械研磨用水系分散体
であって、上記キノリンカルボン酸と上記その他の有機
酸との質量比が1:0.05〜2であることを特徴とす
る。以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0005】上記「キノリンカルボン酸」としては2な
いし8位にカルボキシル基が結合された7種類が存在す
るが、銅と反応して水に不溶の錯体が容易に形成される
2−キノリンカルボン酸、すなわちキナルジン酸が特に
好ましい。
【0006】上記「その他の有機酸」は特に限定され
ず、一塩基酸、二塩基酸、ヒドロキシル酸およびカルボ
キシレート酸のように広範な種類の有機酸を使用するこ
とができる。有機酸のうちでは、1分子中に2個以上の
カルボキシル基を有する有機酸が好ましい。そのような
有機酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸およびアジピン酸等の飽和酸、マレイン酸および
フマル酸等の不飽和酸、フタル酸等の芳香族酸、ならび
にリンゴ酸、酒石酸およびクエン酸等のヒドロキシル酸
などが挙げられる。これらの有機酸のうちでは、シュウ
酸、マロン酸およびマレイン酸がより好ましく、なかで
もシュウ酸が特に好ましい。
【0007】キノリンカルボン酸と他の有機酸の含有量
は質量比で1:0.05〜2である。この質量比が0.
05未満であると、エロージョンは抑えられるものの、
銅等を研磨する速度は十分ではない。一方、質量比が2
を越える場合は、銅等の研磨速度は向上するものの、エ
ッチングが促進され、エロージョンが発生しやすくな
る。キノリンカルボン酸と他の有機酸との質量比は、特
に1:0.1〜1.5、さらには1:0.2〜1である
ことが好ましい。このような質量比であれば、研磨速度
が十分に向上するとともに、エロージョンも抑えられ
る。
【0008】なお、本発明にいう「エロージョン」と
は、ダマシン法等における研磨によって、絶縁層に埋め
込まれた配線材料により形成される絶縁層と配線とから
なる平坦面に凹部が生じることをいう。すなわち、エロ
ージョンは平坦化された研磨面の一部、特に配線部分が
他に比べて過剰に研磨され、発生する。このエロージョ
ンを抑えるとは、生成する凹部の面積および深さを小さ
く抑えることを意味する。
【0009】上記「砥粒」としては、 (1)無機粒子;シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコ
ニア、セリア等の粒子、(2)有機粒子;乳化重合法、
懸濁重合法、乳化分散法、粉砕法等により製造される、
ポリスチレンおよびスチレン系共重合体、ポリメチ
ルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂および(メ
タ)アクリル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアセ
タール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、
ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ならびにポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4
−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィンおよびオレ
フィン系共重合体等の粒子、(3)無機粒子と有機粒子
とからなる無機有機複合粒子、のうちの少なくとも1種
を使用することができる。
【0010】無機粒子としては高純度なものが好まし
い。具体的には、塩化ケイ素、塩化アルミニウム、塩
化チタンなどを気相で酸素および水素と反応させるヒュ
ームド法、テトラエトキシシランまたはチタンアルコ
キシド等の金属アルコキシドを加水分解させ、縮合させ
て合成するゾルゲル法、および精製により不純物を除
去する無機コロイド法、等により合成されるシリカ、ア
ルミナ、チタニア等が挙げられる。
【0011】また、無機有機複合粒子は、無機粒子と有
機粒子とが、研磨時、容易に分離しない程度に一体に形
成されておればよく、その種類、構成等は特に限定され
ない。この複合粒子としては、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレート等の重合体粒子の存在下、アルコキシ
シラン、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシ
ド等を重縮合させ、重合体粒子の少なくとも表面に、ポ
リシロキサン等が結合されてなるものを使用することが
できる。生成する重縮合体は、重合体粒子が有する官能
基に直接結合されていてもよいし、シランカップリング
剤等を介して結合されていてもよい。
【0012】なお、アルコキシシラン等に代えてシリカ
粒子、アルミナ粒子等を用いることもできる。これらは
ポリシロキサン等と絡み合って保持されていてもよい
し、それらが有するヒドロキシル基等の官能基により重
合体粒子に化学的に結合されていてもよい。
【0013】さらに、複合粒子として、符号の異なるゼ
ータ電位を有する無機粒子と有機粒子とを含む水分散体
において、これら粒子が静電力により結合されてなるも
のを使用することもできる。無機粒子のゼータ電位はp
H依存性が高く、この電位が0となる等電点を有し、そ
の前後でゼータ電位の符号が逆転する。一方、有機粒子
のゼータ電位は、全pH域、あるいは低pH域を除く広
範な領域にわたって負であることが多いが、カルボキシ
ル基、スルホン酸基等を有する有機粒子とすることによ
って、より確実に負のゼータ電位を有する有機粒子とす
ることができる。また、アミノ基等を有する有機粒子と
することにより、特定のpH域において正のゼータ電位
を有する有機粒子とすることもできる。
【0014】したがって、特定の無機粒子と有機粒子と
を組み合わせ、それらのゼータ電位が逆符号となるpH
域で混合することによって、静電力により無機粒子と有
機粒子とを一体に複合化することができる。また、混合
時、ゼータ電位が同符号であっても、その後、ゼータ電
位が逆符号となるようにpHを変化させることによっ
て、無機粒子と有機粒子とを一体にすることもできる。
【0015】無機有機複合粒子としては、このように静
電力により一体に複合化された粒子の存在下に、前記の
ようにアルコキシシラン、アルミニウムアルコキシド、
チタンアルコキシド等を重縮合させ、この粒子の少なく
とも表面に、さらにポリシロキサン等が結合されて複合
化されてなるものを使用することもできる。
【0016】砥粒の平均粒子径は0.005〜30μm
であることが好ましい。この平均粒子径が0.005μ
m未満では、十分に研磨速度の大きい水系分散体とする
ことができない場合がある。一方、平均粒子径が30μ
mを越えると、砥粒が沈降し、分離してしまって、安定
な水系分散体とすることが容易ではない。この平均粒子
径は特に0.01〜3μm、さらには0.02〜1μm
であることが好ましい。この範囲の平均粒子径を有する
砥粒であれば、研磨速度が大きく、かつ粒子の沈降、お
よび分離を生ずることのない安定な化学機械研磨用水系
分散体とすることができる。なお、この平均粒子径は、
レーザー散乱回折型測定機または透過型電子顕微鏡によ
る観察によって測定することができる。
【0017】砥粒の含有量は、水系分散体を100質量
%とした場合に、0.01〜10質量%とすることがで
き、特に0.1〜5質量%、さらには0.3〜3質量%
とすることが好ましい。砥粒の含有量が0.01質量%
未満では、十分な研磨速度を有する水系分散体とするこ
とができず、一方、20質量%を越えて含有させた場合
は、コスト高になるとともに、安定性が低下するため好
ましくない。なお、この水系分散体では、その媒体とし
ては、水および水とメタノール等の水を主成分とする混
合物を使用することができるが、水のみを用いることが
特に好ましい。
【0018】上記「酸化剤」としては、特に銅錯体の生
成を促進する多くの酸化剤を使用することができる。こ
の酸化剤を含有させることによって研磨速度をより高め
ることができる。酸化剤としては、過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過酸化水素、下記の
各種のヘテロポリ酸および過マンガン酸カリウム等の過
マンガン酸化合物、重クロム酸カリウム等の重クロム酸
化合物などの多価金属塩等が挙げられる。
【0019】ヘテロポリ酸は無機酸が縮合して生成し、
2種以上の金属を有するポリ酸であり、その中心原子
は、Cu、Be、B、Al、C、Si、Ge、Sn、T
i、Zr、Ce、Th、N、P、As、Sb、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、U、S、Se、Te、M
n、I、Fe、Co、Ni、Rh、Os、IrおよびP
t等である。また、これらの中心原子と組み合わされる
ヘテロ原子は、Cu、Be、B、Al、C、Si、G
e、Sn、Ti、Zr、Ce、Th、N、P、As、S
b、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、U、S、Se、
Te、Mn、I、Fe、Co、Ni、Rh、Os、Ir
およびPtのうちの中心原子とは異なる原子である。ヘ
テロポリ酸としては、中心原子がV、MoまたはWであ
り、ヘテロ原子がSiまたはPであるものが好ましい。
【0020】なお、ヘテロポリ酸の具体例としては、ケ
イモリブデン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン
酸およびリンタングステン酸等が挙げられる。また、こ
れらの酸化剤のうちで好ましいものは過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム、過酸化水素であり、過硫酸アンモ
ニウムが特に好ましい。
【0021】酸化剤の含有量は、水系分散体を100質
量%した場合に、0.01〜10質量%とすることがで
き、特に0.05〜5質量%、さらには0.1〜3質量
%とすることが好ましい。酸化剤は、10質量%含有さ
せれば十分に研磨速度を向上させることができ、10質
量%を越えて多量に含有させる必要はない。
【0022】本発明の水系分散体には、所望により界面
活性剤を含有させることができる。この界面活性剤によ
って、砥粒の分散性が向上し、エロージョンがさらに抑
えられる。界面活性剤としては、カチオン系界面活性
剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等の
いずれも使用することができる。特にアニオン系界面活
性剤が好ましく、このアニオン系界面活性剤としては、
脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボ
ン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフ
タレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等の
スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキ
ルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩、およびアルキル
リン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられ
る。これらのアニオン系界面活性剤のうちではスルホン
酸塩が好ましく、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム
が特に好ましい。
【0023】界面活性剤の含有量は、水系分散体を10
0質量%とした場合に、5質量%以下とすることがで
き、特に0.005〜2質量%、さらには0.01〜
0.5質量%とすることが好ましい。この含有量が5質
量%を越えると、特に銅の研磨速度が大きく低下するた
め好ましくない。
【0024】この水系分散体では、酸あるいはアルカリ
を添加し、そのpHを、研磨速度が十分に向上し、エロ
ージョンが抑えられる範囲に調整することが好ましい。
pHの好ましい範囲は7〜13であり、特に8〜12、
さらには8.5〜11であることがより好ましい。な
お、pHの調整に用いる酸としては硝酸等が、アルカリ
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
ルビジウムおよび水酸化セシウム等のアルカリ金属の水
酸化物ならびにアンモニアなどが挙げられる。水系分散
体のpHの調整により、研磨速度を高めることができ、
被加工面の電気化学的性質、重合体粒子の分散性、安定
性、ならびに研磨速度を勘案しつつ、砥粒が安定して存
在し得る範囲内で適宜pHを設定することが好ましい。
【0025】本発明の化学機械研磨用水系分散体を用い
て、銅等の化学機械研磨を実施する際には、市販の化学
機械研磨装置(株式会社荏原製作所製、型式「EPO−
112」、「EPO−222」、ラップマスターSFT
社製、型式「LGP−510」、「LGP−552」、
アプライドマテリアル社製、商品名「Mirra」等)
を用いて所定の条件で研磨することができる。研磨後、
被研磨面に残留する砥粒は除去することが好ましい。こ
の砥粒の除去は通常の洗浄方法によって行うことができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明をさ
らに詳しく説明する。 [1]エロージョンの評価に用いた基板の作製 シリコンからなる基板表面に、深さ1μmの溝により形
成されたパターンを備える絶縁層を積層した。次いで、
絶縁層の表面に300Åの厚さのTiN膜を形成し、そ
の後、CuをTiN膜で覆われた溝内にスパッタリング
により2μmの厚さに堆積した。
【0027】[2]無機砥粒または複合粒子からなる砥
粒を含む水分散体の調製 (1)無機砥粒を含む水分散体の調製 (a)ヒュームド法シリカ粒子を含む水分散体の調製 ヒュームド法シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製、
商品名「アエロジル#90」)2kgを、イオン交換水
6.7kgに超音波分散機によって分散させ、孔径5μ
mのフィルタによって濾過し、ヒュームド法シリカを含
む水分散体を調製した。
【0028】(b)コロイダルシリカを含む水分散体の
調製 コロイダルシリカは、Journal of Coll
oid and Interface Science
26,62−69(1968)に準拠し、テトラエト
キシシランとエタノールをアンモニアを触媒として水中
で縮合させたものを、水に溶媒置換して使用した。エタ
ノールと水の量比を調整することにより、平均粒子径2
6nmのコロイダルシリカを合成し、このコロイダルシ
リカを含む水系分散体を調製した。
【0029】(2)複合粒子からなる砥粒を含む水分散
体の調製 重合体粒子を含む水分散体 メチルメタクリレ−ト90質量部(以下、部と略記す
る。)、メトキシポリエチレングリコールメタクリレー
ト(新中村化学工業株式会社製、商品名「NKエステル
M−90G」、#400)5部、4−ビニルピリジン5
部、アゾ系重合開始剤(和光純薬株式会社製、商品名
「V50」)2部、およびイオン交換水400部を、容
量2リットルのフラスコに投入し、窒素ガス雰囲気下、
攪拌しながら70℃に昇温させ、6時間重合させた。こ
れによりアミノ基の陽イオンおよびポリエチレングリコ
ール鎖を有する官能基を備え、平均粒子径150nmの
ポリメチルメタクリレート系粒子を含む水分散体を得
た。なお、重合収率は95%であった。
【0030】複合粒子を含む水分散体 において得られたポリメチルメタクリレート系粒子を
10質量%含む水分散体100部を、容量2リットルの
フラスコに投入し、メチルトリメトキシシラン1部を添
加し、40℃で2時間攪拌した。その後、硝酸によりp
Hを2に調整して水分散体(a)を得た。また、コロイ
ダルシリカ(日産化学株式会社製、商品名「スノーテッ
クスO」)を10質量%含む水分散体のpHを水酸化カ
リウムにより8に調整し、水分散体(b)を得た。水分
散体(a)に含まれるポリメチルメタクリレート系粒子
のゼータ電位は+17mV、水分散体(b)に含まれる
シリカ粒子のゼータ電位は−40mVであった。
【0031】その後、水分散体(a)100部に水分散
体(b)50部を2時間かけて徐々に添加、混合し、2
時間攪拌して、ポリメチルメタクリレート系粒子にシリ
カ粒子が付着した粒子を含む水分散体を得た。次いで、
この水分散体に、ビニルトリエトキシシラン2部を添加
し、1時間攪拌した後、テトラエトキシシラン1部を添
加し、60℃に昇温させ、3時間攪拌を継続した後、冷
却することにより、複合粒子を含む水分散体を得た。こ
の複合粒子の平均粒子径は180nmであり、ポリメチ
ルメタクリレート系粒子の表面の80%にシリカ粒子が
付着していた。
【0032】[3]化学機械研磨用水系分散体の調製 [2]、(1)および(2)において調製された水分散
体の所定量を容量1リットルのポリエチレン製の瓶に投
入し、これに、表1および表2に記載のキナルジン酸等
およびその他の有機酸の各々が表1および表2に記載の
含有量となるように添加し、十分に攪拌した。その後、
攪拌しながら表1および表2に記載の酸化剤および界面
活性剤の水溶液を、酸化剤、界面活性剤の各々が表1及
び表2に記載の含有量となるように添加した。次いで、
水酸化カリウム水溶液またはアンモニアによりpHを表
1および表2のように調整した後、イオン交換水を加
え、孔径5μmのフィルタで濾過し、実施例1〜7およ
び比較例1〜4の化学機械研磨用水系分散体を得た。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】 なお、表1および表2における「APS」は過硫酸アン
モニウム、「DBK」はドデシルベンゼンスルホン酸カ
リウムである。
【0035】[4]銅膜付きウェハの研磨 実施例1〜7および比較例1〜4の水系分散体を用い
て、8インチパターン付き銅ウェハ(SKW Asso
ciates社製、商品名「SKW6−1」、銅膜厚;
1500nm)を以下の条件で研磨した。 研磨装置 : 株式会社荏原製作所製、型式「EPO−
112」 研磨パッド : ロデールニッタ株式会社製、商品名
「IC1000」 ヘッド荷重 :300g/cm2 ヘッド回転数 ;50rpm テーブル回転数:50rpm 研磨剤供給量 :200ミリリットル/分 研磨時間 :3分
【0036】研磨速度は以下の式より算出した。結果を
表1および表2に併記する。 研磨速度(Å/分)=(研磨前の銅膜の厚さ−研磨後の
銅膜の厚さ)/研磨時間 なお、各膜の厚さは、抵抗率測定器(NPS社製、型式
「Z−5」)を使用して、直流4針法によりシート抵抗
を測定し、この抵抗率と銅の抵抗率から次式に従い算出
した。 各膜の厚さ(Å)=シート抵抗値(Ω/cm2)×銅の
抵抗率(Ω/cm)×10-8
【0037】[5]エロージョンの評価 エロージョンの評価を、表面粗さ計(KLA−Tenc
or社製、型式「P−10」)を使用し、[1]で作製
した基板に形成された幅100μmの配線を用いて行っ
た。また、このエロージョンの評価における研磨時間
は、初期の余剰銅膜[厚さX(Å)]を[3]で得られ
た研磨速度V(Å/分)で除した値(X/V)(分)に
1.5を乗じた時間(分)とした。X/V)×0.5
(分)尚、ここでの「エロージョン」は、絶縁膜または
バリアメタルにより形成される平面と、配線部分の最低
部位との距離(前記のエロージョンの定義における凹部
の深さに相当する。)とする。
【0038】表1の結果によれば、実施例1〜7の化学
機械研磨用水系分散体では、研磨速度は6200Å/分
以上と十分に大きく、幅100μmの配線のエロージョ
ンは490Å以下と小さいことが分かる。
【0039】一方、表2の結果によれば、キナルジン酸
の他に有機酸が含有されていない比較例1では、エロー
ジョンは抑えられるものの、研磨速度が大きく低下して
いることが分かる。また、キナルジン酸に代えて同様に
銅錯体を形成し得るベンズイミダゾールを用いた比較例
2では、研磨速度がより大きく低下している。さらに、
有機酸に代えてピリジンを使用し、界面活性剤を用いな
かった比較例3では、研磨速度は非常に大きいものの、
エロージョンが極めて大きくなっている。また、キナル
ジン酸に対するその他の有機酸の量比が本発明の上限を
越えている比較例4でも、研磨速度は十分であるもの
の、エロージョンが非常に大きいことが分かる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、銅等の研磨速度が大き
く、かつエロージョンが抑えられる化学機械研磨用水系
分散体とすことができ、半導体装置の製造において多層
配線化における銅等の研磨に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/14 550 C09K 3/14 550M 13/00 13/00 (72)発明者 服部 雅幸 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 川橋 信夫 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 3C058 CB02 CB03 CB10 DA02 DA12 DA17

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥粒、キノリンカルボン酸、その他の有
    機酸および酸化剤を含有する化学機械研磨用水系分散体
    であって、上記キノリンカルボン酸と上記その他の有機
    酸との質量比が1:0.05〜2であることを特徴とす
    る化学機械研磨用水系分散体。
  2. 【請求項2】 上記キノリンカルボン酸が2−キノリン
    カルボン酸である請求項求1記載の化学機械研磨用水系
    分散体。
  3. 【請求項3】 上記その他の有機酸が、1分子中に2個
    以上のカルボキシル基を有する請求項1又は2に記載の
    化学機械研磨用水系分散体。
  4. 【請求項4】 上記その他の有機酸が、シュウ酸、マロ
    ン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン
    酸、フマル酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸及びクエン
    酸から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に
    記載の化学機械研磨用水系分散体。
  5. 【請求項5】 上記酸化剤が、過硫酸塩、過酸化水素お
    よびヘテロポリ酸から選ばれる少なくとも1種である請
    求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の化学機械研
    磨用水系分散体。
  6. 【請求項6】 さらに界面活性剤を含む請求項1乃至5
    のうちのいずれか1項に記載の化学機械研磨用水系分散
    体。
  7. 【請求項7】 上記界面活性剤がアニオン系界面活性剤
    である請求項6記載の化学機械研磨用水系分散体。
  8. 【請求項8】 銅膜の研磨に用いる請求項1乃至7のう
    ちのいずれか1項に記載の化学機械研磨用水系分散体。
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