JP2002109703A - 狭トラック幅磁気記録ヘッドを用いた磁気ディスク装置 - Google Patents

狭トラック幅磁気記録ヘッドを用いた磁気ディスク装置

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JP2002109703A
JP2002109703A JP2001238688A JP2001238688A JP2002109703A JP 2002109703 A JP2002109703 A JP 2002109703A JP 2001238688 A JP2001238688 A JP 2001238688A JP 2001238688 A JP2001238688 A JP 2001238688A JP 2002109703 A JP2002109703 A JP 2002109703A
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Hiroshi Suzuki
鈴木  寛
Hideo Todokoro
秀男 戸所
公史 ▲高▼野
Koji Takano
Hiroyuki Shinada
博之 品田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気記録媒体に高密度な記録を行う磁気ヘッド
を提供する。 【解決手段】記録ビット方向の磁界強度分布がトラック
方向に幅の狭い形状の部分と、それを強める働きをする
幅の広い磁界分布の合成となるように磁気ヘッドを構成
する。例えば、狭トラック化された磁気ヘッドのトラッ
ク方向の両脇にトラック幅の広いヘッドを媒体摺動面か
ら離れた位置に配置するか、または、飽和磁束密度の異
なる複数の材料により磁路を構成するか、または、狭ト
ラック幅記録用の磁極とそれを強める磁極を独立させて
持つ。本発明により狭トラック幅で、かつ高保磁力媒体
を磁化することのできる磁気ヘッドを提供することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録方式を利
用した情報記憶装置に用いられる磁気ヘッドに関し、ト
ラック幅の縮小化を可能にし、磁気媒体に高密度な磁気
記録をおこなうことができる磁気ヘッドに係る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録において、高密度化、大容量化
を進めるためには、磁気ヘッドの狭トラック化は必須で
ある。また、記録媒体は高密度化、大容量化に対応する
ため高保磁力化が進み、このため磁気ヘッドには、狭ト
ラックでしかも媒体を磁化するのに十分な強度の磁界を
出せることが要求されている。
【0003】磁気ヘッドの狭トラック化の一つの手法と
して、スパッタ、イオンミリング等のプロセスでトラッ
ク幅を狭める方法がある。しかし、この方法によると、
磁極先端部分の磁路の断面積が小さくなり、この部分の
磁化が最も早く飽和するため、媒体を磁化するのに十分
な磁界強度を得ることができなくなる。この対策として
例えば、記録ビット方向に磁極の厚さを増加させ、磁極
先端部分の磁化飽和を緩和する方法がとられる。
【0004】ウエハプロセス段階におけるトラックの加
工法としては、例えばAl23膜をフッ化炭素系ガスを
用いてイオンビームエッチングする「特開昭60−37
130号」公報のように、アルミナマスク法でトラック
幅加工する手法がとられている。また、磁極が厚くて
も、トラック幅の寸法精度が良く、高保磁力媒体を十分
に磁化できる磁気ヘッドとしては、例えば「特開昭63
−281209号」公報のように、上部磁気コアを二つ
に分割するプロセスで形成する手法などが提案されてい
る。しかしこの手法を用いても現状では3〜5μmのト
ラック幅加工が限界である。
【0005】摺動面研磨後の加工によって磁極先端に段
差を設け、狭トラック化する方法としては、例えばキシ
ガミ等がIEEE トランザクション オン マグネテ
ィクス24巻 第6号 pp2841〜2843 11
月 1988年(IEEE Trans. Magn.,vol.24,No.6,Nov
1988)で述べている。ここではホトレジストをマスクと
しイオンミリング法により磁極先端に段差を設けてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術で狭トラ
ック化を進める場合には、磁極先端部の磁路の断面積を
小さくすることが避けられず、高保磁力媒体を磁化する
のに十分な磁界強度を得ることができない。
【0007】図2は磁気回路を構成する従来の薄膜磁気
ヘッドの断面を説明するための図である。ここで、1は
上部磁極、2は下部磁極で、1、2ともに磁路を形成す
るための磁性膜であり、例えばNi−Fe(パーマロ
イ)等の高飽和磁束密度材料の単層または、Al23
の絶縁層を挾んだ多層構造となっている。3はコイルで
あり、例えばAl,Cu,Cr等からなる。このコイル
に電流を流すと、電流に対応した磁束が、1、2より構
成される磁気回路に流れる。磁路を通る磁束はこの磁極
の断面積の一番小さい個所4あたりで最初に飽和状態と
なり、それより多くの磁束はこの個所を通れないため、
記録のために磁極先端に発生する磁界強度もこれより強
くすることはできない。
【0008】図3は励磁電流と記録磁界強度のピーク値
との関係を示した例である。駆動周波数は10MHz
で、測定は磁極先端から1μm離れた位置で行われた。
磁路が飽和してしまうため、電流を増加させてもそれに
比例した磁界強度のピーク値は得られない。そして、ト
ラック幅が小さい、即ち、磁極の断面積が小さい方が、
少ない電流値で飽和してしまう。
【0009】以上のように、端に寸法を小さくすること
で狭トラック化を行っただけでは、媒体を磁化するのに
十分な磁界強度が得られないという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、媒体保
磁力以下の磁界を狭トラック磁極の脇、または周りから
発生させることにより、断面積縮小によって弱くなった
記録ビット方向磁界強度を強め、狭トラック部分の磁界
強度のみが媒体の保磁力以上になるようにすることであ
る。例えば以下の方法で、前述の発明を実施する。;
磁極の片側または両側の磁極面を、必要なトラック幅相
当の部分のみを残して後退させる。即ち、脇部の媒体と
の摺動面からの距離を、狭トラック幅の磁極よりも長く
した磁極構成とする。必要なトラック幅の磁極の片側
または両脇で、飽和磁束密度の小なる一つ以上の材料に
よってさらに磁極を構成する。狭トラックの磁界を発
生する磁路の脇、または記録ビット方向側に、それを強
めるための磁界を発生するための別磁極を設ける。
【0011】上記手段により、磁気ヘッドの記録ビット
方向の磁界強度分布は、強度が最大値をとる先端の狭ト
ラック領域と、その脇または周りに広がった、弱い磁界
強度を持つ領域との組合せになる。よって、狭トラック
化によって減少する磁界強度を、脇または周りから発生
する記録媒体保磁力以下の磁界によって増加させ、狭ト
ラック領域のみに媒体の保磁力以上の磁界強度を持たせ
ることができる。図1に上記手段によって実現されたト
ラック方向における記録磁界強度分布の例を示す。破線
で示されたトラック幅の狭い磁極のみの磁界分布が、脇
または周りから発生する磁界によって強められており、
その部分だけが媒体保磁力以上になる。即ち、単にトラ
ック幅を狭くしただけでは達成されなかった高保磁力媒
体への記録を可能にする。また、仮に磁界強度分布が非
常に急峻で、本願で述べるような脇または周りに広がっ
た弱い磁界(バックグランド磁界)の領域がない狭トラ
ックヘッドが実現できたとしても、以下に述べるような
点から、本願に示す磁界分布の方が有利である。これを
図4を用いて説明する。図4(a)のように記録方向磁
界(これをx方向とし、これに垂直なトラック幅方向を
y方向とする)が鋭いピークをもつ場合、磁力線の連続
性から、x方向磁界強度に応じた鋭いピークをもつy方
向の磁界が磁極の端部に集中する。このy方向磁界の強
度はx方向磁界の裾野からピークまでの高さΔHxに比
例する。このy方向磁界は記録トラックの境界部に集中
し、その部分の磁化状態が図4に示したように乱される
ため、再生時にノイズとなってしまう。一方、図4
(b)のような記録方向(x方向)磁界分布をもつ場
合、Hx磁界は周辺部のバックグランド磁界と中心部の
狭トラック磁界が合成され十分な強度が得られる。とこ
ろがトラック周辺部のバックグランド磁界にはy方向成
分がないため、y方向磁界強度はバックグランド磁界の
強度とは無関係で、バックグランドからピークまでの高
さΔHxのみに依存する。このΔHxが小さいため、ト
ラック境界部に集中するy方向磁界の強度は図4(a)
より十分小さい。そのため、トラック境界部の記録状態
を乱すことがなく、再生時のノイズも非常に小さくな
る。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1の実施例)以下、本発明の
実施例を図面を用いて説明する。図5は本発明の実施例
の磁気ヘッドの摺動面から見た構造を示す。この実施例
は、図6が示した薄膜磁気ヘッドの摺動面のAで示す部
分を集束イオンビームで削り取ることで作製したもので
ある。1は上部磁極、2は下部磁極でこの面が摺動面に
なっている。5はスライダ基板、6は磁極間のギャップ
である。
【0013】この磁気ヘッドにおいて、媒体との摺動面
側から集束イオンビームを入射させ、必要な狭トラック
幅7の部分のみを残して、その両脇の部分をある深さだ
け削り、磁気ヘッドの先端に段差を設けたものである。
ここでは磁極先端の両脇を削ったものについて述べる
が、その構造は必ずしも対称構造をとる必要はない。
【0014】図7に、この実施で得られる磁界分布の測
定例を示した。(a)は削る前のトラック方向について
調べた記録ビット方向磁界の分布で、(b)は深さ1.
5μmで削った場合の磁界分布である。測定はローレン
ツ・トモグラフィー法で行った。加工された磁気ヘッド
の発生する磁界分布は、その中心部に鋭いピークを持っ
たものとなり、ピーク値は加工前と同じで、その他の部
分は約2分の1になっている。このピークの幅は、ほ
ぼ、加工したトラック幅1μmに狭められている。使用
する媒体の保磁力は約1300Oeであるため、狭トラ
ック幅での媒体への書き込みには影響を与えることはな
い。この実施では、1.2μm以下の狭トラック幅記録
が実施できた。
【0015】この実施例では集束イオンビームを用いた
が、これを通常のホトリソプロセスで形成することも可
能である。即ち、ウェハプロセス中にスパッタ、イオン
ミリング等で磁極先端部に段差を作成した場合も上記の
実施例と同様の効果がある。
【0016】また、削られる部分の磁極形状は、媒体摺
動面に対して平行である必要はなく、例えば、その面が
トラック方向や記録ビット方向に傾斜していてもよい。
【0017】磁極部先端の段差を無くし平坦にするた
め、その深い方の部分に非磁性体を充填することは、磁
気ディスク装置として使う場合は有効である。他の例と
して、磁気回路を構成する磁路材より飽和磁束密度の低
い磁路材で充填しても、同様の磁界強度分布が得ること
ができる。 (第2の実施例)第1の実施例で述べたような構造の下
部磁極近傍に磁気抵抗効果素子を設け、記録再生分離ヘ
ッドを作った。このヘッドの構造を図8(a)に示す。
磁気抵抗効果素子21を磁性体のシールド層22で挾
み、磁極の近傍に設けた。この時、狭トラック部分の磁
界強度は媒体の保磁力以上とし、周辺部の磁界強度は磁
気抵抗効果素子21の異方性磁界以上のものと、それ以
下のものの2種類を製作した。磁界強度分布はローレン
ツトモグラフィ法で確認した。両者のヘッドの再生特性
を比較したところ、周辺部の磁界強度が磁気抵抗効果素
子21の異方性磁界以上のヘッドの方がノイズの少ない
再生波形が得られた。これは、周辺部の磁界強度が磁気
抵抗効果素子21の異方性磁界以上のため、記録時に磁
極から発生する磁界によって磁気抵抗効果素子21の磁
区が中心部から周辺部まで全体に同じ向きに磁化され、
磁壁ができないためであった。一方、周辺部の磁界強度
が磁気抵抗効果素子21の異方性磁界以下のヘッドで
は、狭トラック部分の強い磁界のみが磁気抵抗効果素子
21の中心部のみにかかるため、中心部の磁化の向きが
周辺部と異なり磁壁が発生してしまう。このような磁壁
が残留したまま再生を行うと、バルクハウゼンノイズが
大きくなることが分かった。以上の結果から、周辺部の
磁界強度が磁気抵抗効果素子21の異方性磁界以上で媒
体の保磁力以下であることが望ましいことが分かった。
【0018】以上は磁気抵抗効果素子21を磁極1、2
の近傍に設けた構造のヘッドについて述べたが、図8
(b)のように磁極のギャップ中央に設けたヘッドでも
全く同様なことが言える。 (第3の実施例)上記第1の実施例の磁気ヘッドと、以
下に説明するような特性を持った磁気記録媒体を組み合
わせることで、狭トラック記録が可能な磁気ディスク装
置を実現した。
【0019】上記第1の実施例の磁気ヘッドで媒体に記
録する場合、狭トラック磁界による媒体の残留磁化(こ
れをMとする)に対し、周辺部の磁界による媒体の残留
磁化(これをmとする)が1/20以下であれば狭トラ
ック幅記録が可能である。これを満足するために必要な
磁気ヘッドの記録磁界の条件は媒体のヒステリシス特性
により決定される。これを図9に示す。この図でM,
M’は残留磁化、m=M/20,m'=M'/20であ
る。Hsは媒体内の磁化を飽和させるのに必要な外部印
加磁界、Hmは媒体をmだけ磁化するのに必要な磁界、
Hm’は飽和している媒体に印可し、媒体をm’だけ磁
化させる外部印加磁界である。媒体がAC消去されてい
る状態では、磁界が印加されると原点Aから初期磁化曲
線に沿って磁化されていく。この時、磁気ヘッドの磁界
は狭トラック部分の磁界がHs以上、周辺部の磁界がH
m以下であれば、磁化Mで狭トラックの記録が可能であ
る。また、媒体がDC消去されている場合はB点からス
タートし、逆方向に磁化されていく。その時、磁気ヘッ
ドが発生する狭トラック部分の磁界がHs以上、周辺部
の磁界がHm’以下であれば、m’<M’となり狭トラ
ック幅記録が可能となる。このHsに対するHm、H
m’の比Hm/Hs、Hm'/Hsが1に近いほど理想
的な媒体であり、その時磁気ヘッドの狭トラック部の磁
界強度は周辺部の磁界強度よりわずかでも大きければ良
いことになる。しかし通常の媒体はHm/Hsが1/3
程度のものが多い。狭トラック幅記録を行う場合、この
値がどの範囲にあれば良いかは磁気ヘッドの記録磁界分
布の狭トラック部の磁界強度と周辺部の磁界強度の大き
さにより限定される。
【0020】そこで、狭トラック部分の磁界強度と周辺
部の磁界強度をローレンツトモグラフィ法で測定した。
磁極材料は飽和磁束密度1Tのパーマロイで、トラック
幅は1μm、2μm、5μmの三種類とし、それぞれ磁
極を削る深さを変化させて測定した。磁極の削り深さと
トラック幅の比が等しい場合にはピーク磁界強度と週変
部の磁界強度がほぼ等しかった。そこで図10には、横
軸に削り深さをトラック幅で規格化した値をとり、その
時のピーク磁界強度と周辺部の磁界強度の比、およびピ
ーク磁界強度の関係を示す。この結果から、削り深さを
大きくすれば、ピーク磁界強度に対する周辺部の磁界強
度の比が小さくなる。そして、この比が1/5以下にな
るところで磁界強度が急激に減少し、媒体保磁力以下に
なってしまうことが分かった。従って、周辺部の磁界強
度を狭トラック部の磁界強度の1/5以上とし、図9に
示すヒステリシスループにおいてHm/HsまたはH
m'/Hsが1/5以上であるような磁気記録媒体と組
み合わせることで、狭トラック幅記録の可能な磁気ディ
スク装置を実現した。 (第4の実施例)第一の実施例で述べた狭トラック幅磁
気記録ヘッドにおいて、削り深さがある値より大きくな
ると十分な磁界強度が得られなくなることはすでに述べ
た。ここでは第3の実施例で述べた、Hm/Hsまたは
Hm'/Hsが1/5以上である磁気記録媒体と組み合
わせた場合に、磁極を削る深さの最大値と磁極の面積、
磁極の飽和磁束密度の関係を調べた。その結果を図11
に示す。横軸は摺動面に露出している磁極の面積、縦軸
は狭トラック幅記録が可能な場合の磁極を削る深さの最
大値である。磁極材料の飽和磁束密度は0.5T,1
T,1.5Tの三種類で行った。これにより、磁極面積
s、磁極の飽和磁束密度Bsと削り深さの最大値dmax
はほぼ比例関係にあり次の数式が成り立つことが分かっ
た。
【0021】
【数1】 この関係を満たす磁気ヘッドを製作し、第3の実施例で
述べた記録媒体と組み合わせることで狭トラック幅磁気
記録を実現した。 (第5の実施例)磁極部先端の段差をなくし、かつ第1
の実施例で述べた磁界分布を得ることは、第1の実施例
で述べた段差の部分を充填する方法以外でも達成でき
る。図12は第2の実施例を示す図である。ここでは、
ヘッドを励磁するためのコイルを共有し、かつ磁路が複
数の磁性材料で構成される。8は強い磁界を発生する飽
和磁束密度の高い磁性材料、9は8より飽和磁束密度の
低い磁性材料である。
【0022】この構造の磁気ヘッドは、例えばウエハプ
ロセスにおけるリフトオフ法を使って作成することがで
きる。初めにマスクを用いて両脇の磁極を形成させ、ホ
トレジストをその上に形成した後で、先に形成された磁
極間に狭トラック幅記録用の磁極を形成する。上部磁極
も下部磁極も同様に形成する。両端の磁性材料9を例え
ばパーマロイにし、中央の部分の磁性材料8を9よりも
飽和磁束密度の高い材料、例えばFe−Si系等の材料
を用いて作製する。この方法で作製した磁気ヘッドをロ
ーレンツ・トモグラフィー法で測定を行なったところ、
第1の実施例で述べた磁界強度分布と同様の結果が得ら
れ、その効果も同じであった。
【0023】また、励磁するためのコイルを共有せず
に、独立して持たせることも可能である。 (第6の実施例)図13は他の実施例の磁極先端の構造
を示す。10、11は狭トラック幅記録用の磁極で例え
ばFe−Si系の材料を用い、12、13はそれを強め
る磁界を発生させるための磁極で例えばパーマロイを用
いる。これは狭トラック幅記録用の磁極の、記録ビット
方向側にさらに幅の広い磁極を配置し、磁路を形成して
いる。狭トラック幅記録用の磁極10、11は断面積が
小さいため、この磁極から発生した磁界だけでは記録媒
体を磁化するのには磁界強度が弱く、書き込みはできな
い。また、幅の広い磁極12、13によって発生する磁
界は媒体の保磁力以下である。ところが、両方の磁極を
励磁すれば、磁極12、13から発生する磁界によって
狭トラック幅記録用磁極10、11から発生する磁界
は、その分布形状を保持したまま、強度だけが媒体の保
磁力以上になる。よって、狭トラック幅での媒体への書
き込みができる。
【0024】なお、幅の広い磁極の発生磁界が書き込み
の際に媒体に影響を与えなければ(媒体保磁力の3分の
2以下が望ましい)、磁極を形成する際に10と12、
11と13は接触させても良い。また、狭トラック幅記
録用の磁極10、11とこの発生磁界を強める働きをす
る磁極12、13は、励磁コイルを共有する必要も無
く、独立した励磁コイルを有していても良い。この場
合、両者の励磁電流を同一にする必要はなく、例えば、
狭トラックの磁極の発生磁界を強める働きをする磁極1
2、13の励磁電流を、直流にしたり、必要なときにだ
け励磁しても良い。
【0025】また、トレーリング側の磁極12のない構
造とし、トレーリング側の磁界分布の勾配を急峻にして
も良い。 (第7の実施例)第一の実施例で述べたような構造の磁
気ヘッドで再生を行う場合、摺動面に露出した磁極部分
は、媒体に近接しているために長波長から短波長の記録
信号までを検出することができる。一方、周辺部の摺動
面から掘り下げられた部分では、長波長の信号であれば
検出することが可能である。このことは、再生出力Eou
tのスペーシング依存性
【0026】
【数2】 で説明することができる。ここでλは記録波長、dは媒
体から磁極までの距離である。これを利用して、磁気ヘ
ッドのトラッキングを行うディスク装置を実現できる。
これを図14により説明する。
【0027】媒体30上の情報を記録するトラック31
の両側または片側に長波長のトラッキング信号を記録し
たサブトラック32を設ける。この長波長の信号はディ
スクを初期化するときにあらかじめ書き込むようにす
る。このディスクを、第一の実施例で述べたような、磁
極の周辺部を掘り下げた磁気ヘッド40によって再生を
行うことで、磁気記録情報を検知するのと同時に長波長
のトラッキング信号も検出でき、これにより磁気ヘッド
のトラッキングが可能となる。
【0028】また、トラッキング信号を次のような方法
でディスクに書き込んでも良い。まず、トラック31に
沿ってその両側または片側に一定波長に溝33を掘る。
溝の間隔は、上記磁気ヘッド40の周辺部磁極で検出可
能な程度の長波長の間隔とする。つぎに円周方向に媒体
30を一方向に磁化する。これにより溝の部分から磁界
が空間に漏れ出るため、これをトラッキング信号とす
る。
【0029】
【発明の効果】記録を行う磁気ヘッドの発生する磁界強
度のピーク値を弱めることなく、磁気ヘッドの発生する
磁界分布の媒体への記録に係るトラック幅を小さくする
ことができる。したがって、本発明により、高保磁力の
磁気媒体に高密度な記録再生が可能となる狭トラック幅
の磁気ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトラック幅方向断面における記録
磁界強度分布を示す図
【図2】磁気回路を構成する従来の薄膜磁気ヘッドの断
面構造を説明するための図
【図3】励磁電流と記録磁界強度のピーク値との関係を
示す図
【図4】y方向磁界が減少することを説明する図
【図5】本発明の実施例1の磁気ヘッドの構造を説明す
るための図
【図6】薄膜磁気ヘッドの摺動面の構造を説明するため
の図
【図7】磁極をイオンビームで削らない場合と、削った
場合とにおけるそれぞれのトラック幅方向断面における
記録磁界強度分布を示す図
【図8】記録再生分離型ヘッドへの応用を示す図
【図9】磁気記録媒体の特性を説明する図
【図10】磁極の削り深さと発生する磁界強度の関係を
示す図
【図11】磁極の面積と磁極の削り深さの関係を示す図
【図12】本発明の実施例5の磁気ヘッドの断面図
【図13】本発明の実施例6の磁気ヘッドの磁極先端の
構造を説明するための図
【図14】本発明の実施例7を説明する図
【符号の説明】 1…上部磁極、2…下部磁極、3…コイル、4…断面積
の最小部分、5…スライダ基板、6…磁極間のギャッ
プ、7…狭トラック幅、8…強磁界を発生する磁性材
料、9…8より透磁率の低い磁性材料、10…狭トラッ
クの磁界を発生する上部磁極、11…狭トラックの磁界
を発生する下部磁極、12…狭トラックの磁界の周りに
磁界を発生する上部磁極、13…狭トラックの磁界の周
りに磁界を発生する下部磁極、21…磁気抵抗効果素
子、22…シールド、30…磁気記録媒体、31…情報
を記録するトラック、32…トラッキング用サブトラッ
ク、40…狭トラック幅記録用磁気ヘッド。
フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼野 公史 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 品田 博之 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5D033 BA01 BA07 BA12 CA01 5D034 AA02 BA02 CA04 5D091 AA08 CC01 CC04 DD03 GG17 5D096 AA02 CC01 EE05 GG01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ギャップを構成する第1の上部磁極及
    び第1の下部磁極と、前記上部磁極に対してトレーリン
    グ側に配置されかつ前記上部磁極よりもトラック幅方向
    の長さが大きい第2の上部磁極と、前記下部磁極に対し
    てリーディング側に配置されかつ前記下部磁極よりもト
    ラック幅方向の長さが大きな第2の下部磁極とを有する
    磁気ヘッドと、所定の保磁力を有する磁気記録媒体とを
    備え、前記第2の上部磁極および第2の下部磁極から発
    生する磁界の磁界強度は前記保磁力よりも小さいことを
    特徴とする磁気ディスク装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の磁気ディスク装置におい
    て、前記第2の上部磁極と第2の下部磁極との距離が、
    前記第1の上部磁極と下部磁極の浮上面に露出する部分
    の表面積と磁極材料の飽和磁束密度の積に定数0.7
    〔1/(μm・T)〕を乗じた値よりも小さいことを特
    徴とする磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の磁気ディスク装
    置において、前記磁気記録媒体は、情報を記録するトラ
    ックの両側または片側に情報を記録するトラックの記録
    波長より長い波長の信号が記録されたサブトラックを有
    することを特徴とする磁気ディスク装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の磁気ディスク装置におい
    て、前記サブトラックは、前記情報を記録するトラック
    の両側または片側に掘られた、前記溝情報を記録するト
    ラックの記録波長より長い周期の溝であることを特徴と
    する磁気ディスク装置。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれか1項に記載の磁
    気ディスク装置において、前記磁気ヘッドは再生用ヘッ
    ドを備え、該再生用ヘッドの感度曲線は、トラック幅方
    向に変曲点を3つ以上持ち、再生感度が2段階以上変化
    することを特徴とする磁気ディスク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011008845A (ja) * 2009-06-24 2011-01-13 Hitachi High-Technologies Corp 磁気ヘッド搬送装置、磁気ヘッド検査装置、及び磁気ヘッド製造方法

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