JP2002106504A - 油圧ポンプの容量制御装置 - Google Patents

油圧ポンプの容量制御装置

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JP2002106504A
JP2002106504A JP2000305445A JP2000305445A JP2002106504A JP 2002106504 A JP2002106504 A JP 2002106504A JP 2000305445 A JP2000305445 A JP 2000305445A JP 2000305445 A JP2000305445 A JP 2000305445A JP 2002106504 A JP2002106504 A JP 2002106504A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制御差圧が異なる両油圧アクチュエータに対し
て油圧ポンプから圧油を供給する場合に、ヒートバラン
スの悪化やエネルギー効率の低下を招くことなく要求流
量に等しい吐出流量を供給できるようにする。 【解決手段】第2の負荷圧PLS2が高圧側である場合に
は、減圧弁21で第2の負荷圧PLS2が所定圧だけ減圧
され、これが油路21b、油路12を介して第1の制御
弁31、32に第1の負荷圧PLS1として供給される。
減圧弁21、油路21b、油路12を介して供給された
第1の負荷圧PLS1によって第1の制御弁31、32で
は、第1のポンプ圧Pp1が生成され、これが油路11、
油路17を介して容量制御手段10に導かれる。一方油
路14、シャトル弁22、油路18を介して高圧側の第
2の負荷圧PLS2が容量制御手段10に導かれる。この
ため容量制御手段10に導かれた第1のポンプ圧Pp1と
第2の負荷圧PLS2との差圧がポンプ制御差圧ΔPLSに
一致する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は2以上の油圧アクチ
ュエータを駆動する油圧ポンプの容量を制御する装置に
関するするものである。
【0002】
【従来の技術】グレーダなどの建設機械には、図3に示
すように作業機を作動させるための油圧アクチュエータ
(油圧シリンダ)1と、ステアリング機構を作動させる
ための油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)2が設けら
れている。
【0003】すなわち油圧アクチュエータ1には油圧ポ
ンプ5の吐出圧油がポンプ吐出油路6、圧油供給油路
7、制御弁部30を介して供給され、供給された圧油の
流量に応じた速度で駆動される。また油圧アクチュエー
タ2には油圧ポンプ5の吐出圧油がポンプ吐出油路6、
圧油供給油路8、制御弁部40を介して供給され、供給
された圧油の流量に応じた速度で駆動される。
【0004】制御弁部30では油圧アクチュータ1に供
給されるポンプ吐出圧Pp1と油圧アクチュエータ1の負
荷圧PLS1との差圧が制御差圧ΔPLS1となるように油圧
アクチュエータ1に供給される流量が制御される。同様
に制御弁部40では油圧アクチュータ2に供給されるポ
ンプ吐出圧Pp2と油圧アクチュエータ2の負荷圧PLS2
との差圧が制御差圧ΔPLS2となるように油圧アクチュ
エータ2に供給される流量が制御される。
【0005】ここでステアリング機構側の制御差圧ΔP
LS2は作業機側の制御差圧ΔPLS1よりも小さい値に設定
されている。
【0006】ポンプ吐出圧Pp1は油路11を介してシャ
トル弁15の一方の入口に入力される。ポンプ吐出圧P
p2は油路13を介してシャトル弁15の他方の入口に入
力される。このためシャトル弁15の出口からポンプ吐
出圧Pp1、Pp2のうち高圧側のポンプ吐出圧が油路17
に出力される。
【0007】負荷圧PLS1は油路12を介してシャトル
弁16の一方の入口に入力される。負荷圧PLS2は油路
14を介してシャトル弁16の他方の入口に入力され
る。このためシャトル弁16の出口から負荷圧PLS1、
PLS2のうち高圧側の負荷圧が油路18に出力される。
【0008】油圧ポンプ5は可変容量型の油圧ポンプで
ある。サーボピストン9に流入される圧油の流量に応じ
て油圧ポンプ5の斜板5aが駆動されポンプ容量q(c
c/rev)が変化する。LS(ロードセンシング)弁
10は油路17を介して一方のパイロットポートに加え
られるポンプ吐出圧Pp、油路18を介して他方のパイ
ロットポートに加えられる油圧アクチュエータ1、2の
負荷圧PLSに応じて圧油の流量を制御し制御された圧油
をサーボピストン9に流入させる。
【0009】LS弁10は油圧ポンプ5の吐出圧Ppと
油圧アクチュエータ1、2の負荷圧PLSとの差圧をポン
プ制御差圧ΔPLSに保持する制御を行う。この制御はロ
ードセンシング制御といわれる。ポンプ制御差圧ΔPLS
はLS弁10に付与されるバネ10aのバネ力に応じて
定まる。
【0010】ここでポンプ制御差圧ΔPLSは作業機側の
制御差圧ΔPLS1と同じ差圧に設定されている。
【0011】差圧Pp−PLSがポンプ制御差圧ΔPLSよ
りも小さくなったときにはLS弁10は図中左側の弁位
置に移動される。このためサーボピストン9からLS弁
10を介して圧油がタンク90に流出され、油圧ポンプ
5の斜板5aが最大容量qMAX側に移動される。このた
め油圧ポンプ5から吐出される流量Q(l/min)が
増加され油圧ポンプ5の吐出圧Ppoutが大きくなる。こ
の結果差圧Pp−PLSが大きくなりポンプ制御差圧ΔPL
Sに近づく。逆に差圧Pp−PLSがポンプ制御差圧ΔPLS
よりも大きくなったときにはLS弁10は図中右側の弁
位置に移動される。このためLS弁10からサーボピス
トン9に対してポンプ吐出圧油が流入され、油圧ポンプ
5の斜板5aが最小容量qMIN側に移動される。このた
め油圧ポンプ5から吐出される流量Qが減らされ油圧ポ
ンプ5の吐出圧Ppoutが小さくなる。この結果差圧Pp
−PLSが小さくなりポンプ制御差圧ΔPLSに近づく。以
上のようにしてLS弁10に導かれるポンプ吐出圧Pp
と負荷圧PLSとの差圧Pp−PLSがポンプ制御差圧ΔPL
Sに一致される。
【0012】差圧Pp−PLSがポンプ制御差圧ΔPLSに
一致している場合には、油圧アクチュエータ1、2が要
求する流量と油圧ポンプ5が吐出する流量とがマッチン
グしている。
【0013】なおロードセンシング制御が用いられる油
圧回路についての一般的技術水準を示す文献として、特
公平2−49406号公報がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしステアリング機
構側の制御差圧ΔPLS2と作業機側の制御差圧ΔPLS1が
異なるため、制御差圧の低いステアリング機構側の油圧
アクチュエータ2の負荷圧PLS2が高圧側のときには、
ステアリング機構側の油圧アクチュエータ2の要求流量
と油圧ポンプ5の吐出流量とのマッチングがとれないと
いう問題が発生する。
【0015】ステアリング機構と作業機のうちステアリ
ング機構のみが単独で作動し油圧シリンダ2が駆動して
いる場合を想定する。
【0016】この場合LS弁10のバネ10a側のパイ
ロットポートに、シャトル弁16、油路18を介して高
圧側の負荷圧PLS2が負荷圧PLSとして導かれる。また
LS弁10の反対側のパイロットポートに、シャトル弁
15、油路17を介して高圧側のポンプ吐出圧Pp2がポ
ンプ吐出圧Ppとして導かれる。
【0017】ここでステアリング機構側制御差圧ΔPLS
2はポンプ制御差圧ΔPLSよりも小さい。このため油圧
ポンプ5から油圧アクチュエータ2に対して要求流量の
圧油が供給された場合であったとしても、LS弁10に
導かれるポンプ吐出圧Ppと負荷圧PLSとの差圧Pp−P
LSはポンプ制御差圧ΔPLSよりも小さいままとなる。こ
のため差圧Pp−PLSをポンプ制御差圧ΔPLSに一致さ
せるべく油圧ポンプ5の斜板5aが最大容量qMAX側に
移動される。条件次第では油圧ポンプ5の斜板5aは常
時最大容量qMAX位置に固定される。
【0018】ステアリング機構側油圧アクチュエータ2
の要求流量以外の流量は、圧油供給油路7を介して作業
機側の制御弁部30に供給される。作業機側制御弁部3
0には、アンロード弁が設けられている。アンロード弁
はポンプ吐出圧Pp1と負荷圧PLS1との差圧が設定値を
超えると、供給される圧油をタンク90に排出するよう
に動作する。したがって負荷圧PLS1が小さい状態で大
きなポンプ吐出圧Pp1が供給されると、差圧が設定値を
超え、アンロード弁を介してタンク90に高圧、多量の
圧油が排出される。これによってオーバーヒートなどに
代表されるようにヒートバランスが悪化するという問題
が発生する。また油圧馬力の増大を招きエネルギー効率
が悪化するという問題が発生する。このため可変容量型
の油圧ポンプ5を使用することが無意味に帰することに
なる。
【0019】またステアリング機構と作業機の両方が複
合作動している場合も、ステアリング機構側の負荷圧P
LS2が高圧側でありこの負荷圧PLS2がLS弁10のバネ
10a側のパイロットポートに負荷圧PLSとして導かれ
ているときには、ステアリング機構が単独作動している
場合と同様に油圧回路は動作する。このため上述したヒ
ートバランスの悪化等の問題が同様に発生する。
【0020】なお作業機が単独で作動している場合ある
いはステアリング機構と作業機の両方が複合作動してい
る場合であって作業機側の負荷圧PLS1が高圧側である
場合には、作業機側の負荷圧PLS1がLS弁10のパイ
ロットポートに負荷圧PLSとして導かれる。
【0021】ここで作業機側制御差圧ΔPLS1はポンプ
制御差圧ΔPLSに同じ値に設定されている。このため油
圧ポンプ5から油圧アクチュエータ1に対して要求流量
の圧油が供給されているときには、LS弁10に導かれ
るポンプ吐出圧Ppと負荷圧PLSとの差圧Pp−PLSはポ
ンプ制御差圧ΔPLSに一致している。このため油圧アク
チュエータ1、2の要求流量と油圧ポンプ5の吐出流量
とがマッチングし、不要な流量を供給することによるヒ
ートバランスの悪化等の問題は生じない。
【0022】ところでステアリング機構側制御差圧ΔP
LS2をポンプ制御差圧ΔPLSと同じ値に設定して、ステ
アリング機構作動時のヒートバランス悪化の問題を解消
することが考えられる。確かにステアリング機構が単独
で作動しているときには油圧アクチュエータ2の要求流
量と油圧ポンプ5の吐出流量とがマッチングするのでヒ
ートバランスの悪化等の問題は生じない。
【0023】しかし作業機が単独で作動しているときに
は、ポンプ吐出流量が作業機側の油圧アクチュエータ1
の要求流量に達しないまま、LS弁10に導かれるポン
プ吐出圧Ppと負荷圧PLSとの差圧Pp−PLSがポンプ制
御差圧ΔPLSよりも大きい状態になる。このため差圧P
p−PLSをポンプ制御差圧ΔPLSに一致させるべく油圧
ポンプ5の斜板5aが最小容量qMIN側の位置に固定さ
れる。このため油圧ポンプ4の吐出流量は小さく作業機
側の油圧アクチュエータ1に対して要求流量を供給する
ことができない。これにより作業機の速度が低下し作業
効率が低下するという問題が発生する。
【0024】したがってステアリング機構側制御差圧Δ
PLS2をポンプ制御差圧ΔPLSに同じ値に設定するとい
う解決方法はこれを採用することができない。
【0025】本発明はこうした実状に鑑みてなされたも
のであり、制御差圧が異なる両油圧アクチュエータに対
して油圧ポンプから圧油を供給する場合に、ヒートバラ
ンスの悪化やエネルギー効率の低下を招くことなく要求
流量に等しい吐出流量を供給できるようにすることを解
決課題とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段、作用、効果】そこで本発
明は、油圧ポンプ(5)と、この油圧ポンプ(5)の吐
出圧油が供給されることにより駆動される第1および第
2の油圧アクチュエータ(1、2)と、前記第1の油圧
アクチュータ(1)に供給される第1のポンプ吐出圧と
前記第1の油圧アクチュエータ(1)の第1の負荷圧と
の差圧が第1の制御差圧となるように前記第1の油圧ア
クチュエータ(1)に供給される流量を制御する第1の
制御弁(31、32)と、前記第2の油圧アクチュータ
(2)に供給される第2のポンプ吐出圧と前記第2の油
圧アクチュエータ(2)の第2の負荷圧との差圧が前記
第1の制御差圧よりも小さい第2の制御差圧となるよう
に前記第2の油圧アクチュエータ(2)に供給される流
量を制御する第2の制御弁(42)と、前記第1および
第2のポンプ吐出圧のうち高圧側のポンプ吐出圧を導く
とともに前記前記第1および第2の負荷圧のうち高圧側
の負荷圧を導き、ポンプ吐出圧と負荷圧との差圧がポン
プ制御差圧となるように前記油圧ポンプ(5)の容量を
制御する容量制御手段(10)とを備えた油圧ポンプの
容量制御装置において、前記第2の負荷圧が高圧側であ
る場合に、前記第2の負荷圧を所定圧だけ減圧して前記
第1の制御弁(31、32)に第1の負荷圧として供給
する減圧手段(21、21b)を設け、前記減圧手段
(21、21b)から供給された第1の負荷圧によって
前記第1の制御弁(31、32)で生成される第1のポ
ンプ圧を、前記容量制御手段(10)に導き、前記容量
制御手段(10)に導かれた第1のポンプ圧と第2の負
荷圧との差圧を前記ポンプ制御差圧に一致させるように
したことを特徴とする。
【0027】第1発明を図1を参照して説明する。
【0028】第2の制御差圧ΔPLS2(10kg/cm2)は
第1の制御差圧ΔPLS1(24kg/cm2)よりも小さい値
に設定されているものとする。またポンプ制御差圧ΔP
LS(24kg/cm2)は第2の制御差圧ΔPLS2(10kg/cm
2)よりも大きい値に設定されているものとする。
【0029】第2の負荷圧PLS2(70kg/cm2)が高圧
側である場合には、減圧弁21で第2の負荷圧PLS2
(70kg/cm2)が所定圧(8kg/cm2)だけ減圧され(7
0kg/cm2−8kg/cm2=62kg/cm2)、これが油路21
b、油路12を介して第1の制御弁31、32に第1の
負荷圧PLS1(62kg/cm2)として供給される。
【0030】減圧弁21、油路21b、油路12を介し
て供給された第1の負荷圧PLS1(62kg/cm2)によっ
て第1の制御弁31、32では、第1のポンプ圧Pp1
(94kg/cm2=第1の負荷圧(62kg/cm2)+アンロー
ド弁31の作動圧(32kg/cm2))が生成され、これが
油路11、油路17を介して容量制御手段10に導かれ
る。一方油路14、シャトル弁22、油路18を介して
高圧側の第2の負荷圧PLS2(70kg/cm2)が容量制御
手段10に導かれる。このため容量制御手段10に導か
れた第1のポンプ圧Pp1(94kg/cm2)と第2の負荷圧
PLS2(70kg/cm2)との差圧(24kg/cm2=94kg/cm
2−70kg/cm2)がポンプ制御差圧ΔPLS(24kg/cm
2)に一致する。
【0031】このように本発明によれば第2の油圧アク
チュエータ2が単独で駆動している場合(ステアリング
機構が単独で作動している場合)あるいは第2の油圧ア
クチュエータ2と第1の油圧アクチュエータ1の両方が
同時駆動している場合(ステアリング機構と作業機の両
方が複合作動している場合)であって第2の油圧アクチ
ュエータ2側の負荷圧PLS2が高圧側である場合には、
ポンプ容量制御手段10に導かれるポンプ吐出圧Ppと
負荷圧PLSとの差圧Pp−PLSが見かけ上第2の制御差
圧ΔPLS2(10kg/cm2)ではなく第1の制御差圧ΔPL
S1(24kg/cm2)になる。このため差圧Pp−PLSがポ
ンプ制御差圧ΔPLS(24kg/cm2)に一致し、油圧アク
チュエータ1、2の要求流量と油圧ポンプ5の吐出流量
とがマッチングする。これにより不要な流量を供給する
ことによるヒートバランスの悪化等が発生することが防
止される。
【0032】なお第1の油圧アクチュエータ1が単独で
駆動している場合(作業機が単独で作動している場合)
あるいは第2の油圧アクチュエータ2と第1の油圧アク
チュエータ1の両方が同時駆動している場合(ステアリ
ング機構と作業機の両方が複合作動している場合)であ
って第1の油圧アクチュエータ1側の負荷圧PLS1が高
圧側である場合には、ポンプ容量制御手段10には第1
の油圧アクチュエータ1側のポンプ吐出圧Pp1と負荷圧
PLS1が導かれる。第1の油圧アクチュエータ1側の制
御差圧ΔPLS1(24kg/cm2)は第2の制御差圧ΔPLS2
(10kg/cm2)よりも大きい。このため差圧Pp−PLS
がポンプ制御差圧ΔPLS(24kg/cm2)に一致し、油圧
アクチュエータ1、2の要求流量と油圧ポンプ5の吐出
流量とがマッチングする。したがってヒートバランスの
悪化や作業機の速度が低下し作業効率が低下するという
問題は発生しない。
【0033】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明に係る
油圧ポンプの容量制御装置の実施の形態について説明す
る。なお本実施形態ではグレーダなどの建設機械に搭載
される油圧ポンプの容量制御装置を想定している。
【0034】図1は実施形態の油圧回路図を示してい
る。図2は図1に示す実施形態の構成を概念的に示した
図である。図1と図2の構成、動作は同様であるので以
下図1を中心に説明する。なお図1、図2においてメイ
ンの油路を実線でパイロット油路を破線で示している。
【0035】まず図1、図2、図3の対応関係について
説明する。
【0036】図1、図2に示すように実施形態では作業
機を作動させるための作業機用油圧シリンダ1と、ステ
アリング機構を作動させるためのステアリング機構用油
圧シリンダ2が設けられている。図1、図2に示すよう
に油圧シリンダ2は油圧シリンダ2L、2Rからなる。
図1に示す作業機用制御弁部30は図2に示す作業機用
制御弁部30L、30Rに相当する。つまり油圧シリン
ダ1は作業機用制御弁部30L、30Rに対応して複数
(2つ)設けられているものとする。
【0037】図1、図2に示すステアリング制御部41
とプライオリティ弁42は図3に示すステアリング機構
用の制御弁部40に対応している。
【0038】また図1に示す減圧弁21、シャトル弁2
2、チェック弁23は図2に示す減圧弁部20を構成し
ている。
【0039】図1に示すように実施形態の油圧回路は、
大きくは、容量制御部50と、プライオリティ弁42
と、ステアリング制御部41と、作業機用制御弁部30
と、減圧弁21とから構成されている。
【0040】容量制御部50は油圧ポンプ5の容量を制
御してポンプ吐出油路6にポンプ吐出圧Ppoutの圧油を
吐出する。容量制御部50は、可変容量型油圧ポンプ5
と、サーボピストン9と、LS弁10から構成されてい
る。可変容量型油圧ポンプ5はエンジン80によって駆
動される。
【0041】プライオリティ弁42は油圧ポンプ5の吐
出圧油を圧油供給油路7、8にそれぞれ分流して出力す
るか、一方の圧油供給油路に優先的に出力する。
【0042】ステアリング制御部41は、ハンドルの操
作に応じてステアリング機構の作動を制御する。ステア
リング制御部41を構成する流量方向制御弁41aは、
ハンドル操作に応じてステアリング機構用の左右の油圧
シリンダ2L、2Rに供給する圧油の流量および方向を
切り換える。
【0043】作業機用制御弁部30はレバーの操作に応
じて作業機の作動を制御する。作業機用制御弁部30は
アンロード弁31と圧力補償弁32と流量方向制御弁3
3から構成されている。作業機用制御弁部30を構成す
る流量方向制御弁33は、レバー操作に応じて作業機用
油圧シリンダ1に供給する圧油の流量および方向を切り
換える。
【0044】以下容量制御部5のLS弁10に入力され
るポンプ吐出圧をPp、負荷圧をPLS、容量制御部5の
LS弁10で設定されるポンプ制御差圧をΔPLSとす
る。また油圧ポンプ5の吐出流量をQと定義する。作業
機に関連するものには、これらポンプ吐出圧Pp、負荷
圧PLS、制御差圧ΔPLS、流量Qに添え字「1」を付け
て、ステアリング機構に関連するものには、これらポン
プ吐出圧Pp、負荷圧PLS、制御差圧ΔPLS、流量Qに
添え字「2」を付けて説明する。圧油供給油路7上のポ
ンプ吐出圧をPp1で表し、圧油供給油路8上のポンプ吐
出圧をPp2で表し、ポンプ吐出油路6上におけるポンプ
吐出圧Ppoutと区別する。
【0045】作業機用油圧シリンダ1には油圧ポンプ5
の吐出圧油がポンプ吐出油路6、プライオリティ弁4
2、圧油供給油路7、アンロード弁31、圧力補償弁3
2、流量方向制御弁33を介して供給され、供給された
圧油の流量に応じた速度で駆動される。
【0046】流量方向制御弁33では作業機油圧シリン
ダ1に供給されるポンプ吐出圧Pp1と作業機油圧シリン
ダ1の負荷圧PLS1との差圧が制御差圧ΔPLS1となるよ
うに作業機用油圧シリンダ1に供給される流量が操作レ
バーの操作に応じて制御される。
【0047】圧力補償弁32は油圧ポンプ5からみて流
量方向制御弁33の上流側つまり油圧ポンプ5と流量方
向制御弁33との間の圧油供給路7a上に設けられてい
る。
【0048】圧力補償弁32は、複数の流量方向制御弁
33、33(図1に示す流量方向制御弁33は図2に示
す各制御弁部30L、30Rに相当する)の上流側の圧
油の圧力と下流側の圧油の圧力との間の圧力差を、同一
の値にする弁である。油圧回路の一般公式である下記
(1)式、 Q1=c・A・√(ΔP1) …(1) から導かれる通り、差圧ΔP1を一定の制御差圧ΔPLS1
となるようにすることで、オペレータによって操作され
る操作レバーの操作量(流量方向制御弁33のポンプポ
ートからシリンダポートへの開口の面積)に比例した流
量Q1が負荷の大きさとは無関係に得られる。制御差圧
ΔPLS1はたとえば24kg/cm2に設定される。
【0049】流量方向制御33に対応する圧力補償弁3
2は、フローコントロール弁部32aと減圧弁部32b
とから成る。フローコントロール弁部32a、減圧弁部
32bには油圧ポンプ5から吐出された圧油が圧油供給
油路7、アンロード弁31、圧油供給油路7aを介して
流入される。圧油供給油路7aは油路11に分岐してい
る。油路11にはポンプ吐出圧Pp1が出力される。減圧
弁部32bの出力ポートは油路12に連通している。油
路12には作業機用油圧シリンダ1の負荷圧PLS1が出
力される。
【0050】アンロード弁31の入力ポートは圧油供給
油路7に連通している。
【0051】アンロード弁31は、作業機用油圧シリン
ダ1に供給されるポンプ吐出圧Pp1と、作業機用油圧シ
リンダ1の負荷圧PLS1との差圧を、アンロード弁31
の制御差圧Δ′PLS1に応じた一定値とする。制御差圧
Δ′PLS1はバネ31dのバネ力に応じて定まり、たと
えば32kg/cm2に設定される。
【0052】アンロード弁31は3つの弁位置31a、
31b、31cを有している。弁位置31cは非アンロ
ード位置であり弁位置31a、31bはアンロード位置
である。
【0053】油路12は油路12bと12cに分岐して
いる。油路12cは絞り12dを介してタンク9に連通
している。油路12bはアンロード弁31のバネ31d
側のパイロットポートに連通している。アンロード弁3
1は2つの出力ポートを備えている。アンロード弁31
の一方の出力ポートは油路7aに連通するとともに油路
31eを介してバネ31dとは反対側のパイロットポー
トに連通している。アンロード弁31の他の出力ポート
は排出油路7bを介してタンク90に連通している。
【0054】アンロード弁31はポンプ吐出圧Pp1と作
業機用油圧シリンダ1の負荷圧PLS1との差圧が制御差
圧Δ′PLS1を超えると圧油をタンク90に排出するよ
うに動作する。すなわち差圧がバネ31dで定まる制御
差圧Δ′PLS1以上になったときにはアンロード弁31
はアンロード位置31b、31a側に位置し、圧油供給
油路7と排出油路7bとが連通する。このため圧油供給
油路7のポンプ吐出圧油はタンク90に排出される。こ
れに対して作業機用油圧シリンダ1の負荷圧PLS1が大
きくなり、ポンプ吐出圧Pp1と作業機用油圧シリンダ1
の負荷圧PLS1との差圧がバネ31dで定まる制御差圧
Δ′PLS1よりも小さくなるとアンロード弁31は非ア
ンロード位置31c側に位置し、圧油供給油路7と排出
油路7bとが遮断される。このため圧油供給油路7のポ
ンプ吐出圧油はタンク90に排出されることなく作業機
用油圧シリンダ1に供給される。
【0055】油路11は油路11aに分岐している。油
路11aはチェック弁23の出口に接続している。
【0056】ステアリング機構用油圧シリンダ2には油
圧ポンプ5の吐出圧油がポンプ吐出油路6、プライオリ
ティ弁42、圧油供給油路8、流量方向制御弁41aを
介して供給され、供給された圧油の流量に応じた速度で
駆動される。ステアリング機構用油圧シリンダ2の負荷
圧PLS2は油路14に出力される。油路14は油路14
aと14bに分岐している。油路14bは減圧弁21の
バネ21a側とは反対側のパイロットポートに連通して
いる。油路14はシャトル弁22の一方の入口に接続し
ている。
【0057】プライオリティ弁42の入力ポートはポン
プ吐出油路6に連通している。
【0058】プライオリティ弁42は、ステアリング機
構用油圧シリンダ2に供給されるポンプ吐出圧Pp2と、
ステアリング機構用油圧シリンダ2の負荷圧PLS2との
差圧を、プライオリティ弁42の制御差圧ΔPLS2に応
じた一定値とする。制御差圧ΔPLS2はバネ42dのバ
ネ力に応じて定まり、たとえば10kg/cm2に設定され
る。つまりステアリング側の制御差圧ΔPLS2は作業機
側の制御差圧ΔPLS1よりも小さい値に設定されてい
る。
【0059】プライオリティ弁42は3つの弁位置42
a、42b、42cを有している。弁位置42bは分流
位置であり弁位置42aはステアリング機構側優先位置
であり弁位置42cは作業機側優先位置である。
【0060】油路14aはプライオリティ弁42のバネ
42d側のパイロットポートに連通している。プライオ
リティ弁42は2つの出力ポートを備えている。プライ
オリティ弁42の一方の出力ポートは圧油供給油路8に
連通するとともに油路42eを介してバネ42dとは反
対側のパイロットポートに連通している。プライオリテ
ィ弁42の他の出力ポートは圧油供給油路7に連通して
いる。
【0061】プライオリティ弁42は、作業機のみが作
動している場合、つまりステアリング機構用油圧シリン
ダ2に供給されるポンプ吐出圧Pp2とステアリング機構
用油圧シリンダ2の負荷圧PLS2との差圧が制御差圧Δ
PLS2を超えると、圧油を圧油供給油路7側に供給する
ように動作する。すなわち差圧がバネ42dで定まる制
御差圧ΔPLS2よりも大きくなったときにはプライオリ
ティ弁42は作業機側優先位置42c側に位置し、ポン
プ吐出油路6と圧油供給油路7とが連通し、ポンプ吐出
油路6と圧油供給油路8とが遮断される。このためポン
プ吐出油路6のポンプ吐出圧油が作業機用油圧シリンダ
1に供給される。
【0062】これに対してステアリング機構のみが作動
している場合、つまりステアリング機構用油圧シリンダ
2の負荷圧PLS2が大きくなり、ポンプ吐出圧Pp2とス
テアリング機構用油圧シリンダ2の負荷圧PLS2との差
圧がバネ42dで定まる制御差圧ΔPLS2よりも小さく
なると、プライオリティ弁42はステアリング機構側優
先位置42a側に位置し、ポンプ吐出油路6と圧油供給
油路8とが連通し、ポンプ吐出油路6と圧油供給油路7
とが遮断される。このためポンプ吐出油路6のポンプ吐
出圧油はステアリング機構用油圧シリンダ2に供給され
る。
【0063】ポンプ吐出圧Pp2とステアリング機構用油
圧シリンダ2の負荷圧PLS2との差圧がバネ42dで定
まる制御差圧ΔPLS2とほぼ等しいときにはプライオリ
ティ弁42は分流位置42b側に位置し、ポンプ吐出油
路6と圧油供給油路7、8とが連通する。このためポン
プ吐出油路6のポンプ吐出圧油は作業機用油圧シリンダ
1、ステアリング機構用油圧シリンダ2にそれぞれ分流
されて供給される。
【0064】油路8は油路8aに分岐している。油路8
aは減圧弁21の入力ポートに連通している。
【0065】油路8は油路13に連通している。油路1
3はチェック弁23の入口に接続している。チェック弁
23は油路13から油路11aに向かう方向のみ圧油の
流れを許容する。油路11は油路17に連通している。
このためチェック弁23の出口、油路11a、油路11
を介して油路17には、ポンプ吐出圧Pp1、Pp2のうち
高圧側のポンプ吐出圧が出力される。油路17はLS弁
10のバネ10a側とは反対側のパイロットポートに連
通している。
【0066】つぎに減圧弁21について説明する。減圧
弁21の出力ポートは油路21bに連通するとともに油
路21cを介してバネ21a側のパイロットポートに連
通している。油路21bは油路12に連通している。油
路12は油路12aに分岐している。油路12aはシャ
トル弁22の他方の入口に接続している。シャトル弁2
2の出口は油路18に接続している。油路18はLS弁
10のバネ10a側のパイロットポートに連通してい
る。
【0067】減圧弁21は、ステアリング機構が単独で
作動している場合など作業機側の負荷圧PLS1が低圧で
ある場合に、ステアリング機構側の負荷圧PLS2よりも
所定圧Cだけ低い圧力の圧油を油路21bに出力するよ
うに動作する。この所定圧Cはバネ21aのバネ力に応
じて定まり、たとえば8kg/cm2に設定される。
【0068】すなわち油路14bを介して減圧弁21に
作用する負荷圧PLS2と油路21b、油路21cを介し
て減圧弁21に作用する負荷圧PLS1との差圧が、バネ
21aのバネ力で定まる所定圧C以上になったときには
減圧弁21は開くように動作し下流側の負荷圧PLS1を
大きくする。逆に油路14bを介して減圧弁21に作用
する負荷圧PLS2と油路21b、油路21cを介して減
圧弁21に作用する負荷圧PLS1との差圧がバネ21a
のバネ力で定まる所定圧Cよりも小さくなったときには
減圧弁21は閉じるように動作し下流側の負荷圧PLS1
を小さくする。
【0069】このように作業機側の負荷圧PLS1が低圧
である場合には減圧弁21の動作によって、油路21
b、油路12a、油路12内の負荷圧PLS1が見かけ
上、ステアリング機構側の負荷圧PLS2を所定圧Cだけ
減圧した圧力まで上昇される。
【0070】したがって作業機側の負荷圧PLS1が低圧
である場合には、シャトル弁22の一方の入口には油路
14を介して負荷圧PLS2が加えられ他方の入口には負
荷圧PLS2を所定圧Cだけ減圧した負荷圧PLS1が加えら
れることになるので、シャトル弁22の出口から油路1
8へ、高圧側の負荷圧PLS2が出力される。
【0071】逆に作業機が単独で作動している場合な
ど、作業機側の負荷圧PLS1がステアリング機構側の負
荷圧PLS2よりも大きくなった場合には、シャトル弁2
2の一方の入口には油路14を介して負荷圧PLS2が加
えられ他方の入口には負荷圧PLS2よりも高圧の負荷圧
PLS1が加えられることになるので、シャトル弁22の
出口から油路18へ、高圧側の負荷圧PLS1が出力され
る。なおこのとき油路21b、21cを介して高圧の負
荷圧PLS1が減圧弁21に作用するので減圧弁21は閉
じられている。
【0072】以上のようにシャトル弁22の出口から負
荷圧PLS1、PLS2のうち高圧側の負荷圧が油路18に出
力される。
【0073】なお減圧弁21はステアリング機構側の負
荷圧PLS2を所定圧だけ減圧した圧力の圧油を出力して
いるが、ステアリング機構側のポンプ吐出圧Pp2を所定
圧だけ減圧した圧力の圧油を出力するように構成しても
よい。
【0074】つぎの容量制御部50の構成について説明
する。
【0075】油圧ポンプ5の斜板5aは、サーボピスト
ン9に流入される圧油の流量に応じて駆動されポンプ容
量q(cc/rev)が変化する。LS弁10は油路1
7を介してバネ10a側に対向する側のパイロットポー
トに加えられるポンプ吐出圧Pp、油路18を介してバ
ネ10a側のパイロットポートに加えられる負荷圧PLS
に応じて圧油の流量を制御し制御された圧油をサーボピ
ストン9に流入させる。
【0076】LS弁10は油圧ポンプ5の吐出圧Ppと
負荷圧PLSとの差圧をポンプ制御差圧ΔPLSに保持する
ロードセンシング制御を行う。ポンプ制御差圧ΔPLSは
LS弁10に付与されるバネ10aのバネ力に応じて定
まる。ここでポンプ制御差圧ΔPLSは作業機側の制御差
圧ΔPLS1と同じ差圧(24kg/cm2)に設定されてい
る。
【0077】差圧Pp−PLSがポンプ制御差圧ΔPLSよ
りも小さくなったときにはLS弁10は図中で中立の弁
位置から左側の弁位置に移動される。このためサーボピ
ストン9からLS弁10を介して圧油がタンク90に流
出され、油圧ポンプ5の斜板5aが最大容量qMAX側に
移動される。このため油圧ポンプ5から吐出される流量
Q(l/min)が増加され油圧ポンプ5の吐出圧Ppou
tが大きくなる。この結果差圧Pp−PLSが大きくなりポ
ンプ制御差圧ΔPLSに近づく。逆に差圧Pp−PLSがポ
ンプ制御差圧ΔPLSよりも大きくなったときにはLS弁
10は図で中立の弁位置から右側の弁位置に移動され
る。このためLS弁10からサーボピストン9に対して
ポンプ吐出圧油が流入され、油圧ポンプ5の斜板5aが
最小容量qMIN側に移動される。このため油圧ポンプ5
から吐出される流量Qが減らされ油圧ポンプ5の吐出圧
Ppoutが小さくなる。この結果差圧Pp−PLSが小さく
なりポンプ制御差圧ΔPLSに近づく。以上のようにして
LS弁10に導かれるポンプ吐出圧Ppと負荷圧PLSと
の差圧Pp−PLSがポンプ制御差圧ΔPLSに一致され
る。
【0078】差圧Pp−PLSがポンプ制御差圧ΔPLSに
一致している場合には、油圧シリンダ1、2が要求する
流量Q1、Q2と油圧ポンプ5が吐出する流量Qとがマッ
チングしている。
【0079】つぎに図1の油圧回路の動作について説明
する。
【0080】まず作業機とステアリング機構の両方が作
動していない場合を想定する。この場合は負荷圧PLS
1、PLS2は共に低圧(0kg/cm2)になっている。したが
って油圧ポンプ5の斜板5aは最小容量qMINに位置し
ている。またプライオリティ弁42は分流位置42bま
たは作業機側優先位置42cでバランスしている。また
アンロード弁31はアンロード位置31b、31cに位
置している。
【0081】したがってポンプ吐出圧Ppout、Pp1、P
p2はそれぞれアンロード弁31の制御差圧Δ′PLS1
(32kg/cm2)にほぼ等しい値になっている。
【0082】1)つぎに、この状態から作業機とステア
リング機構のうちステアリング機構が単独で作動した場
合を想定する。
【0083】1−1)まずステアリング機構側油圧シリ
ンダ2の要求流量Q2が油圧ポンプ5の最小容量qMIN時
の吐出流量Q(MIN)以下である場合を想定する。
【0084】ステアリング機構用油圧シリンダ2の負荷
圧PLS2が高圧(70kg/cm2)になると、この負荷圧PL
S2は油路14、シャトル弁22、油路18を介してLS
弁10のバネ10a側のパイロットポートに負荷圧PLS
として加えられる。また負荷圧PLS2は油路14、油路
14aを介してプライオリティ弁42のバネ42d側の
パイロットポート42dに加えられる。
【0085】このため油圧ポンプ5、ポンプ吐出油路
6、プライオリティ弁42を介して圧油供給油路8に
は、負荷圧PLS2(70kg/cm2)に対して制御差圧ΔPL
S2(10kg/cm2)を加えたポンプ吐出圧Pp2(80kg/c
m2)が供給される。
【0086】このポンプ吐出圧Pp2(80kg/cm2)の圧
油は油路8aを介して減圧弁21の入力ポートに供給さ
れる。ここで減圧弁21には油路14a、14bを介し
て負荷圧PLS2(70kg/cm2)が作用している。減圧弁
21ではポンプ吐出圧Pp2(80kg/cm2)が減圧され、
負荷圧PLS2(70kg/cm2)よりも所定圧C(8kg/cm
2)だけ低い圧力(70kg/cm2−8kg/cm2=62kg/cm
2)の圧油が下流の油路21bに出力される。この圧油
は油路21b、油路12を介して制御弁部30に加えら
れる。つまり油路12、12bを介してアンロード弁3
1のバネ31d側のパイロットポートに負荷圧PLS2
(70kg/cm2)を所定圧C(8kg/cm2)だけ減圧した負
荷圧PLS1(62kg/cm2)が加えられる。また油路12
を介して圧力補償弁32の減圧弁部32bに負荷圧PLS
2(70kg/cm2)を所定圧C(8kg/cm2)だけ減圧した
負荷圧PLS1(62kg/cm2)が作用する。
【0087】このためアンロード弁31はアンロード位
置31a、31b側から非アンロード位置31c側に移
動する。これにより圧油供給油路7と排出油路7bとが
遮断され、圧油供給油路7のポンプ吐出圧油はタンク9
0に排出されることなく圧油供給油路7a、圧力補償弁
32を介して作業機用油圧シリンダ1に供給される。こ
の結果圧油供給油路7、7aのポンプ吐出圧Pp1は上昇
する。ポンプ吐出圧Pp1が負荷圧PLS1(62kg/cm2)
に対して制御差圧Δ′PLS1(32kg/cm2)を加えた圧
力(94kg/cm2=62kg/cm2+32kg/cm2)まで上昇す
るとアンロード弁31は非アンロード位置31c側から
アンロード位置31b、31a側に移動し圧油をタンク
90に排出する。このため作業機側のポンプ吐出圧Pp1
は負荷圧PLS1(62kg/cm2)に対して制御差圧Δ′PL
S1(32kg/cm2)を加えた圧力(94kg/cm2=62kg/c
m2+32kg/cm2)でバランスする。このポンプ吐出圧P
p1(94kg/cm2)は圧油供給油路7a、油路11、11
aを介してチェック弁23の出口に作用する。
【0088】チェック弁23の入口のポンプ吐出圧Pp2
(80kg/cm2)と出口のポンプ吐出圧Pp1(94kg/cm
2)とでは出口側のポンプ吐出圧Pp1(94kg/cm2)が
大きい。したがってこの高圧側のポンプ吐出圧Pp1(9
4kg/cm2)が油路11a、油路17を介してLS弁10
のバネ10a側とは反対側のパイロットポートに加えら
れる。
【0089】一方シャトル弁22の一方の入口には油路
14を介して負荷圧PLS2(70kg/cm2)が加えられ他
方の入口には油路21b、12aを介して負荷圧PLS2
(70kg/cm2)を所定圧C(8kg/cm2)だけ減圧した負
荷圧PLS1(62kg/cm2)が加えられることになるの
で、シャトル弁22の出口から油路18へ、高圧側の負
荷圧PLS2(70kg/cm2)が出力される。したがってこ
の高圧側の負荷圧PLS2(70kg/cm2)がLS弁10の
バネ10aのパイロットポートに加えられる。
【0090】以上のようにしてLS弁10に導かれるポ
ンプ吐出圧Pp(94kg/cm2)と負荷圧PLS(70kg/cm
2)との差圧Pp−PLS(24kg/cm2=94kg/cm2−70
kg/cm2)がポンプ制御差圧ΔPLS(24kg/cm2)に一致
される。このとき油圧ポンプ5の斜板5aは最小容量q
MINの位置に位置する。このようにして油圧シリンダ2
の要求流量と油圧ポンプ5の吐出流量とがマッチングす
る。
【0091】1−2)つぎにステアリング機構側油圧シ
リンダ2の要求流量Q2が油圧ポンプ5の最小容量qMIN
時の吐出流量Q(MIN)よりも大きくなった場合を想定す
る。
【0092】ステアリング機構用油圧シリンダ2の負荷
圧PLS2が高圧(70kg/cm2)になると、この負荷圧PL
S2は油路14、油路14aを介してプライオリティ弁4
2のバネ42d側のパイロットポート42dに加えられ
る。
【0093】ここで油圧シリンダ2の要求流量Q2が油
圧ポンプ5の最小容量qMIN時の吐出流量Q(MIN)よりも
大きいので、プライオリティ弁42に作用するポンプ吐
出圧Pp2と負荷圧PLS2(70kg/cm2)との差圧は制御
差圧ΔPLS2(10kg/cm2)に達しない。
【0094】このためプライオリティ弁42は作業機側
優先位置42c、分流位置42bからステアリング機構
側優先位置42aに移動する。これによりポンプ吐出油
路6の全吐出量がプライオリティ弁42を介して圧油供
給油路8に流入する。圧油供給油路7にはポンプ吐出圧
油が流入しないためLS弁10には高圧側のポンプ吐出
圧Pp2、高圧側の負荷圧PLS2が油路17、18を介し
て導かれる。
【0095】LS弁10に導かれるポンプ吐出圧Ppと
負荷圧PLS(70kg/cm2)との差圧はポンプ制御差圧Δ
PLS(24kg/cm2)に達しないので、LS弁10は図中
で左側の弁位置に移動される。このためサーボピストン
9からLS弁10を介して圧油がタンク90に流出さ
れ、油圧ポンプ5の斜板5aが最小容量qMIN側から最
大容量qMAX側に移動される。このため油圧ポンプ5か
ら吐出される流量Qが増加され油圧ポンプ5の吐出圧P
poutが大きくなる。この結果差圧Pp−PLSが大きくな
りポンプ制御差圧ΔPLSに近づく。
【0096】油圧ポンプ5の吐出流量Qが油圧シリンダ
2の要求流量Q2になると、油圧ポンプ5、ポンプ吐出
油路6、プライオリティ弁42を介して圧油供給油路8
には、負荷圧PLS2(70kg/cm2)に対して制御差圧Δ
PLS2(10kg/cm2)を加えたポンプ吐出圧Pp2(80k
g/cm2)が供給される。このためプライオリティ弁42
はステアリング機構側優先位置42aから作業機側優先
位置42c、分流位置42bに移動する。これによりポ
ンプ吐出油路6、プライオリティ弁42を介して圧油供
給油路7に圧油が流入する。
【0097】ポンプ吐出圧Pp2(80kg/cm2)の圧油は
油路8aを介して減圧弁21の入力ポートに供給され
る。ここで減圧弁21には油路14a、14bを介して
負荷圧PLS2(70kg/cm2)が作用している。減圧弁2
1ではポンプ吐出圧Pp2(80kg/cm2)が減圧され、負
荷圧PLS2(70kg/cm2)よりも所定圧C(8kg/cm2)
だけ低い圧力(70kg/cm2−8kg/cm2=62kg/cm2)の
圧油が下流の油路21bに出力される。この圧油は油路
21b、油路12を介して制御弁部30に加えられる。
つまり油路12、12bを介してアンロード弁31のバ
ネ31d側のパイロットポートに負荷圧PLS2(70kg/
cm2)を所定圧C(8kg/cm2)だけ減圧した負荷圧PLS1
(62kg/cm2)が加えられる。また油路12を介して圧
力補償弁32の減圧弁部32bに負荷圧PLS2(70kg/
cm2)を所定圧C(8kg/cm2)だけ減圧した負荷圧PLS1
(62kg/cm2)が作用する。
【0098】このためアンロード弁31はアンロード位
置31a、31b側から非アンロード位置31c側に移
動する。これにより圧油供給油路7と排出油路7bとが
遮断され、圧油供給油路7のポンプ吐出圧油はタンク9
0に排出されることなく圧油供給油路7a、圧力補償弁
32を介して作業機用油圧シリンダ1に供給される。こ
の結果圧油供給油路7、7aのポンプ吐出圧Pp1は上昇
する。ポンプ吐出圧Pp1が負荷圧PLS1(62kg/cm2)
に対して制御差圧Δ′PLS1(32kg/cm2)を加えた圧
力(94kg/cm2=62kg/cm2+32kg/cm2)まで上昇す
るとアンロード弁31は非アンロード位置31c側から
アンロード位置31b、31a側に移動し圧油をタンク
90に排出する。このため作業機側のポンプ吐出圧Pp1
は負荷圧PLS1(62kg/cm2)に対して制御差圧Δ′PL
S1(32kg/cm2)を加えた圧力(94kg/cm2=62kg/c
m2+32kg/cm2)でバランスする。このポンプ吐出圧P
p1(94kg/cm2)は圧油供給油路7a、油路11、11
aを介してチェック弁23の出口に作用する。
【0099】チェック弁23の入口のポンプ吐出圧Pp2
(80kg/cm2)と出口のポンプ吐出圧Pp1(94kg/cm
2)とでは出口側のポンプ吐出圧Pp1(94kg/cm2)が
大きい。したがってこの高圧側のポンプ吐出圧Pp1(9
4kg/cm2)が油路11a、油路17を介してLS弁10
のバネ10a側とは反対側のパイロットポートに加えら
れる。
【0100】一方シャトル弁22の一方の入口には油路
14を介して負荷圧PLS2(70kg/cm2)が加えられ他
方の入口には油路21b、12aを介して負荷圧PLS2
(70kg/cm2)を所定圧C(8kg/cm2)だけ減圧した負
荷圧PLS1(62kg/cm2)が加えられることになるの
で、シャトル弁22の出口から油路18へ、高圧側の負
荷圧PLS2(70kg/cm2)が出力される。したがってこ
の高圧側の負荷圧PLS2(70kg/cm2)がLS弁10の
バネ10aのパイロットポートに加えられる。
【0101】以上のようにしてLS弁10に導かれるポ
ンプ吐出圧Pp(94kg/cm2)と負荷圧PLS(70kg/cm
2)との差圧Pp−PLS(24kg/cm2=94kg/cm2−70
kg/cm2)がポンプ制御差圧ΔPLS(24kg/cm2)に一致
される。このとき油圧ポンプ5の斜板5aは油圧シリン
ダ2の要求流量Q2とポンプ吐出流量Qがマッチングす
る位置に位置する。このようにして油圧シリンダ2の要
求流量Q2と油圧ポンプ5の吐出流量Qとがマッチング
する。
【0102】2)つぎに、作業機とステアリング機構の
両方が複合作動した場合を想定する。
【0103】2−1)作業機側油圧シリンダ1の要求流
量Q1とステアリング機構側油圧シリンダ2の要求流量
Q2を合計した要求流量が油圧ポンプ5の最小容量qMIN
時の吐出流量Q(MIN)以下である場合を想定する。
【0104】ステアリング機構側負荷圧PLS2(70kg/
cm2)が作業機側負荷圧PLS1以上である場合を想定す
る。
【0105】ステアリング機構用油圧シリンダ2の負荷
圧PLS2が高圧(70kg/cm2)であるので、この高圧の
負荷圧PLS2が油路14、シャトル弁22、油路18を
介してLS弁10のバネ10a側のパイロットポートに
負荷圧PLSとして加えられる。また負荷圧PLS2は油路
14、油路14aを介してプライオリティ弁42のバネ
42d側のパイロットポート42dに加えられる。
【0106】このため油圧ポンプ5、ポンプ吐出油路
6、プライオリティ弁42を介して圧油供給油路8に
は、負荷圧PLS2(70kg/cm2)に対して制御差圧ΔPL
S2(10kg/cm2)を加えたポンプ吐出圧Pp2(80kg/c
m2)が供給される。
【0107】このポンプ吐出圧Pp2(80kg/cm2)の圧
油は油路8aを介して減圧弁21の入力ポートに供給さ
れる。ここで減圧弁21には油路14a、14bを介し
て負荷圧PLS2(70kg/cm2)が作用している。減圧弁
21ではポンプ吐出圧Pp2(80kg/cm2)が減圧され、
負荷圧PLS2(70kg/cm2)よりも所定圧C(8kg/cm
2)だけ低い圧力(70kg/cm2−8kg/cm2=62kg/cm
2)の圧油が下流の油路21bに出力される。この圧油
は油路21b、油路12を介して制御弁部30に加えら
れる。
【0108】以後1−1)と同様にアンロード弁31は
動作し、作業機側のポンプ吐出圧Pp1は負荷圧PLS1
(62kg/cm2)に対して制御差圧Δ′PLS1(32kg/cm
2)を加えた圧力(94kg/cm2=62kg/cm2+32kg/cm
2)でバランスする。
【0109】また1−1)と同様にLS弁10は動作す
る。すなわちLS弁10には高圧側のポンプ吐出圧Pp1
(94kg/cm2)がポンプ吐出圧Ppとして導かれ、高圧
側の負荷圧PLS2(70kg/cm2)が負荷圧PLSとして導
かれこれらの差圧Pp−PLS(24kg/cm2=94kg/cm2
−70kg/cm2)がポンプ制御差圧ΔPLS(24kg/cm2)
に一致される。このとき油圧ポンプ5の斜板5aは最小
容量qMINの位置に位置する。
【0110】これに対して作業機側負荷圧PLS1(10
0kg/cm2)がステアリング機構側負荷圧PLS2(70kg/
cm2)よりも大きくなったときは減圧弁21、アンロー
ド弁31、LS弁10は以下のように動作する。
【0111】すなわち減圧弁21のバネ21aに対向す
る側には油路14、14bを介して負荷圧PLS2(70k
g/cm2)が作用し、バネ21a側には油路12、21
b、21cを介して高圧側の負荷圧PLS1(100kg/cm
2)が作用する。このため減圧弁21は閉じられ、下流
の油路21b内の圧力は作業機側負荷圧PLS1(100k
g/cm2)のままとなる。
【0112】このためアンロード弁31のバネ31d側
のパイロットポートには油路12bを介して負荷圧PLS
1(100kg/cm2)が加えられる。
【0113】ここで油圧シリンダ1、2の合計要求流量
Q1+Q2は油圧ポンプ5の最小容量qMIN時の吐出流量
Q(MIN)以下であるので、アンロード弁31でポンプ吐
出圧Pp1は負荷圧PLS1(100kg/cm2)に制御差圧
Δ′PLS1(32kg/cm2)を加えた圧力(132kg/cm2
=100kg/cm2+32kg/cm2)まで上昇する。アンロー
ド弁31はアンロード位置31b、31a側に移動し圧
油をタンク90に排出する。アンロード弁31ではポン
プ吐出流量Q(MIN)から合計要求流量Q1+Q2を減算し
た圧油がタンク90に排出される。
【0114】ポンプ吐出圧Pp1(132kg/cm2)は圧油
供給油路7a、油路11、11aを介してチェック弁2
3の出口に作用する。
【0115】チェック弁23の入口のポンプ吐出圧Pp2
(80kg/cm2)と出口のポンプ吐出圧Pp1(132kg/c
m2)とでは出口側のポンプ吐出圧Pp1(132kg/cm2)
が大きい。したがってこの高圧側のポンプ吐出圧Pp1
(132kg/cm2)が油路11a、油路17を介してLS
弁10のバネ10a側とは反対側のパイロットポートに
加えられる。
【0116】一方シャトル弁22の一方の入口には油路
14を介して負荷圧PLS2(70kg/cm2)が加えられ他
方の入口には油路12aを介して負荷圧PLS1(100k
g/cm2)が加えられることになるので、シャトル弁22
の出口から油路18へ、高圧側の負荷圧PLS1(100k
g/cm2)が出力される。したがってこの高圧側の負荷圧
PLS1(100kg/cm2)がLS弁10のバネ10aのパ
イロットポートに加えられる。
【0117】以上のようにしてLS弁10に導かれるポ
ンプ吐出圧Pp(132kg/cm2)と負荷圧PLS(100k
g/cm2)との差圧Pp−PLS(32kg/cm2=132kg/cm2
−100kg/cm2)はポンプ制御差圧ΔPLS(24kg/cm
2)よりも大きくなる。差圧Pp−PLSがポンプ制御差圧
ΔPLSよりも大きくなったときにはLS弁10は図中右
側の弁位置に移動される。このためLS弁10からサー
ボピストン9に対してポンプ吐出圧油が流入され、油圧
ポンプ5の斜板5aが最小容量qMIN側に移動される。
このため油圧ポンプ5から吐出される流量Qが減らされ
油圧ポンプ5の吐出圧Ppoutが小さくなる。この結果差
圧Pp−PLSが小さくなりポンプ制御差圧ΔPLSに近づ
く。以上のようにしてLS弁10に導かれるポンプ吐出
圧Ppと負荷圧PLSとの差圧Pp−PLSがポンプ制御差圧
ΔPLSに一致される。このとき油圧ポンプ5の斜板5a
は最小容量qMINの位置に位置する。このようにして油
圧シリンダ1、2の合計要求流量Q1+Q2と油圧ポンプ
5の吐出流量Qとがマッチングする。
【0118】2−2)作業機側油圧シリンダ1の要求流
量Q1とステアリング機構側油圧シリンダ2の要求流量
Q2を合計した要求流量が油圧ポンプ5の最小容量qMIN
時の吐出流量Q(MIN)よりも大きい場合を想定する。
【0119】ステアリング機構側負荷圧PLS2(70kg/
cm2)が作業機側負荷圧PLS1以上である場合を想定す
る。
【0120】この場合1−2)と同様にLS弁10、プ
ライオリティ弁42は動作し、油圧ポンプ5の吐出流量
Qが油圧シリンダ1、2の合計要求流量Q1+Q2になる
と、油圧ポンプ5、ポンプ吐出油路6、プライオリティ
弁42を介して圧油供給油路8には、負荷圧PLS2(7
0kg/cm2)に対して制御差圧ΔPLS2(10kg/cm2)を
加えたポンプ吐出圧Pp2(80kg/cm2)が供給される。
【0121】また1−2)と同様に減圧弁21は動作
し、負荷圧PLS2(70kg/cm2)よりも所定圧C(8kg/
cm2)だけ低い圧力(70kg/cm2−8kg/cm2=62kg/cm
2)が負荷圧PLS1として下流の油路21bに出力され
る。
【0122】また1−2)と同様にアンロード弁31は
動作し、作業機側のポンプ吐出圧Pp1は負荷圧PLS1
(62kg/cm2)に対して制御差圧Δ′PLS1(32kg/cm
2)を加えた圧力(94kg/cm2=62kg/cm2+32kg/cm
2)でバランスする。
【0123】つぎに1−2)と同様にLS弁10は動作
する。すなわちLS弁10には高圧側のポンプ吐出圧P
p1(94kg/cm2)がポンプ吐出圧Ppとして導かれ、高
圧側の負荷圧PLS2(70kg/cm2)が負荷圧PLSとして
導かれこれらの差圧Pp−PLS(24kg/cm2=94kg/cm
2−70kg/cm2)がポンプ制御差圧ΔPLS(24kg/cm
2)に一致される。このとき油圧ポンプ5の斜板5aは
最小容量qMINの位置に位置する。
【0124】これに対して作業機側負荷圧PLS1(10
0kg/cm2)がステアリング機構側負荷圧PLS2(70kg/
cm2)よりも大きくなったときは減圧弁21、アンロー
ド弁31、圧力補償弁32、LS弁10は以下のように
動作する。
【0125】すなわち減圧弁21のバネ21aに対向す
る側には油路14、14bを介して負荷圧PLS2(70k
g/cm2)が作用し、バネ21a側には油路12、21
b、21cを介して高圧側の負荷圧PLS1(100kg/cm
2)が作用する。このため減圧弁21は閉じられ、下流
の油路21b内の圧力は作業機側負荷圧PLS1(100k
g/cm2)のままとなる。
【0126】このためアンロード弁31のバネ31d側
のパイロットポートには油路12bを介して負荷圧PLS
1(100kg/cm2)が加えられる。
【0127】ここで油圧シリンダ1、2の合計要求流量
Q1+Q2は油圧ポンプ5の最小容量qMIN時の吐出流量
Q(MIN)よりも大きいので、アンロード弁31に作用す
るポンプ吐出圧Pp1と負荷圧PLS1(100kg/cm2)と
の差圧は制御差圧Δ′PLS1(32kg/cm2)よりも小さ
く、アンロード弁31は非アンロード位置31c側に移
動する。
【0128】LS弁10に導かれるポンプ吐出圧Ppと
負荷圧PLS(100kg/cm2)との差圧はポンプ制御差圧
ΔPLS(24kg/cm2)に達しないので、LS弁10は図
中で左側の弁位置に移動される。このためサーボピスト
ン9からLS弁10を介して圧油がタンク90に流出さ
れ、油圧ポンプ5の斜板5aが最小容量qMIN側から最
大容量qMAX側に移動される。このため油圧ポンプ5か
ら吐出される流量Qが増加され油圧ポンプ5の吐出圧P
poutが大きくなる。この結果差圧Pp−PLSが大きくな
りポンプ制御差圧ΔPLSに近づく。
【0129】このため油圧ポンプ5の吐出流量Qが油圧
シリンダ1、2の合計要求流量Q1+Q2になり、圧力補
償弁32の上流のポンプ吐出圧Pp1が負荷圧PLS1(1
00kg/cm2)に制御差圧ΔPLS1(24kg/cm2)を加え
た圧力(124kg/cm2=100kg/cm2+24kg/cm2)ま
で上昇する。こうしてLS弁10に導かれる差圧Pp−
PLS(124kg/cm2−100kg/cm2)がポンプ制御差圧
ΔPLS(24kg/cm2)に一致する。
【0130】すなわちポンプ吐出圧Pp1(124kg/cm
2)は圧油供給油路7a、油路11、11aを介してチ
ェック弁23の出口に作用する。
【0131】チェック弁23の入口のポンプ吐出圧Pp2
(80kg/cm2)と出口のポンプ吐出圧Pp1(124kg/c
m2)とでは出口側のポンプ吐出圧Pp1(124kg/cm2)
が大きい。したがってこの高圧側のポンプ吐出圧Pp1
(124kg/cm2)が油路11a、油路17を介してLS
弁10のバネ10a側とは反対側のパイロットポートに
加えられる。
【0132】一方シャトル弁22の一方の入口には油路
14を介して負荷圧PLS2(70kg/cm2)が加えられ他
方の入口には油路12aを介して負荷圧PLS1(100k
g/cm2)が加えられることになるので、シャトル弁22
の出口から油路18へ、高圧側の負荷圧PLS1(100k
g/cm2)が出力される。したがってこの高圧側の負荷圧
PLS1(100kg/cm2)がLS弁10のバネ10aのパ
イロットポートに加えられる。
【0133】以上のようにしてLS弁10に導かれるポ
ンプ吐出圧Pp(124kg/cm2)と負荷圧PLS(100k
g/cm2)との差圧Pp−PLS(24kg/cm2=124kg/cm2
−100kg/cm2)はポンプ制御差圧ΔPLS(24kg/cm
2)に一致する。油圧ポンプ5の斜板5aは、油圧シリ
ンダ1、2の合計要求流量Q1+Q2が油圧ポンプ5の吐
出流量Qとマッチングする位置に位置する。このように
して油圧シリンダ1、2の合計要求流量Q1+Q2と油圧
ポンプ5の吐出流量Qとがマッチングする。
【0134】なお作業機が単独で作動している場合に
は、2−1)、2−2)で作業機側負荷圧PLS1が高圧
側である場合と同様にして、LS弁10に作業機側ポン
プ吐出圧Pp1と作業機側負荷圧PLS1が導かれ、LS弁
10でこれら差圧Pp−PLSがポンプ制御差圧ΔPLSに
一致するように動作することで、油圧シリンダ1の要求
流量Q1と油圧ポンプ5の吐出流量Qとがマッチングす
る。
【0135】以上のように本実施形態によれば油圧シリ
ンダ1、2の要求流量と油圧ポンプ5の吐出流量とがマ
ッチングするように動作するので、ヒートバランスの悪
化や作業機の速度が低下し作業効率が低下するという問
題は発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施形態の構成を示す油圧回路図であ
る。
【図2】図2は図1に対応する油圧回路図である。
【図3】図3は従来の油圧回路図である。
【符号の説明】
1、2 油圧シリンダ 5 油圧ポンプ 10 LS弁 21 減圧弁 21b 油路 31 アンロード弁 32 圧力補償弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D003 AA03 AB05 BB03 DA03 3H045 AA04 AA10 AA12 AA24 AA33 BA19 BA32 CA03 CA29 DA25 EA33 3H089 AA27 AA73 CC01 CC12 DA03 DA13 DB05 DB07 DB14 DB17 DB33 DB37 DB43 GG02 JJ01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧ポンプ(5)と、この油圧ポン
    プ(5)の吐出圧油が供給されることにより駆動される
    第1および第2の油圧アクチュエータ(1、2)と、前
    記第1の油圧アクチュータ(1)に供給される第1のポ
    ンプ吐出圧と前記第1の油圧アクチュエータ(1)の第
    1の負荷圧との差圧が第1の制御差圧となるように前記
    第1の油圧アクチュエータ(1)に供給される流量を制
    御する第1の制御弁(31、32)と、前記第2の油圧
    アクチュータ(2)に供給される第2のポンプ吐出圧と
    前記第2の油圧アクチュエータ(2)の第2の負荷圧と
    の差圧が前記第1の制御差圧よりも小さい第2の制御差
    圧となるように前記第2の油圧アクチュエータ(2)に
    供給される流量を制御する第2の制御弁(42)と、前
    記第1および第2のポンプ吐出圧のうち高圧側のポンプ
    吐出圧を導くとともに前記前記第1および第2の負荷圧
    のうち高圧側の負荷圧を導き、ポンプ吐出圧と負荷圧と
    の差圧がポンプ制御差圧となるように前記油圧ポンプ
    (5)の容量を制御する容量制御手段(10)とを備え
    た油圧ポンプの容量制御装置において、 前記第2の負荷圧が高圧側である場合に、前記第2の負
    荷圧を所定圧だけ減圧して前記第1の制御弁(31、3
    2)に第1の負荷圧として供給する減圧手段(21、2
    1b)を設け、 前記減圧手段(21、21b)から供給された第1の負
    荷圧によって前記第1の制御弁(31、32)で生成さ
    れる第1のポンプ圧を、前記容量制御手段(10)に導
    き、 前記容量制御手段(10)に導かれた第1のポンプ圧と
    第2の負荷圧との差圧を前記ポンプ制御差圧に一致させ
    るようにしたことを特徴とする油圧ポンプの容量制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007138894A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 Yuken Kogyo Co Ltd 可変容量形双方向回転ポンプおよび該ポンプを用いた油圧回路
CN102536927A (zh) * 2010-11-25 2012-07-04 林德材料控股有限责任公司 负荷传感调节式静液压驱动系统
CN109555747A (zh) * 2019-02-01 2019-04-02 杭叉集团股份有限公司 一种叉车液压系统及叉车集成阀

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CN109555747B (zh) * 2019-02-01 2023-08-25 杭叉集团股份有限公司 一种叉车液压系统及叉车集成阀

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