JP2002105860A - 中空繊維への重合体の充填方法 - Google Patents
中空繊維への重合体の充填方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 中空繊維の中空部に、樹木抽出成分などの機
能性付与剤を含む重合体を効率よく充填し、しかも中空
繊維本来の風合を維持しながら、該機能が充分に発現
し、しかもその耐久性が著しく改良された中空繊維への
重合体の充填方法を提供すること。 【解決手段】 繊維表面から中空部への連通孔が繊維表
面に散在する中空繊維の中空部に、該連通孔を介してモ
ノマー溶液を95〜105℃の常圧蒸気雰囲気中で加熱
処理しつつ充填した後、繊維表面に残存するモノマー溶
液を、気体を吹き付けるか或いは吸引することにより除
去し、次いで該中空繊維に重合開始剤を付与して常温で
放置した後、中空部に存在するモノマーのみを選択的に
重合させる。
能性付与剤を含む重合体を効率よく充填し、しかも中空
繊維本来の風合を維持しながら、該機能が充分に発現
し、しかもその耐久性が著しく改良された中空繊維への
重合体の充填方法を提供すること。 【解決手段】 繊維表面から中空部への連通孔が繊維表
面に散在する中空繊維の中空部に、該連通孔を介してモ
ノマー溶液を95〜105℃の常圧蒸気雰囲気中で加熱
処理しつつ充填した後、繊維表面に残存するモノマー溶
液を、気体を吹き付けるか或いは吸引することにより除
去し、次いで該中空繊維に重合開始剤を付与して常温で
放置した後、中空部に存在するモノマーのみを選択的に
重合させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空繊維の中空部
に重合体を効率よく充填する方法に関するものである。
更に詳しくは中空繊維の中空部に吸湿性などの機能性付
与剤や、樹木抽出成分を含む機能性付与剤を含む重合体
を効率よく充填する方法に関するものである。
に重合体を効率よく充填する方法に関するものである。
更に詳しくは中空繊維の中空部に吸湿性などの機能性付
与剤や、樹木抽出成分を含む機能性付与剤を含む重合体
を効率よく充填する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維表面から中空部への連通孔を
繊維表面に有し、しかも該中空部分に機能物質を付着せ
しめた中空繊維に関してはいくつかの提案がある。
繊維表面に有し、しかも該中空部分に機能物質を付着せ
しめた中空繊維に関してはいくつかの提案がある。
【0003】例えば、特開平5−339878号公報、
特開平6−17372号公報及び特開平6−17373
号公報には、繊維表面から中空部への連通孔を繊維表面
に有する中空合成繊維の中空孔内に天然蛋白質を含浸さ
せ、架橋不溶化して、吸湿の耐久性を向上させることが
開示されている。
特開平6−17372号公報及び特開平6−17373
号公報には、繊維表面から中空部への連通孔を繊維表面
に有する中空合成繊維の中空孔内に天然蛋白質を含浸さ
せ、架橋不溶化して、吸湿の耐久性を向上させることが
開示されている。
【0004】しかしながら、天然蛋白質溶液は一般に粘
度が高く、しかも水溶液がゲル化する場合があるので、
連通孔を介して中空部内に含浸させることは極めて困難
である。一方、低濃度で天然蛋白質を含浸させた場合に
は中空部内に含まれる天然蛋白質の量が少なくなり、発
現する機能のレベルが不充分になるという問題がある。
度が高く、しかも水溶液がゲル化する場合があるので、
連通孔を介して中空部内に含浸させることは極めて困難
である。一方、低濃度で天然蛋白質を含浸させた場合に
は中空部内に含まれる天然蛋白質の量が少なくなり、発
現する機能のレベルが不充分になるという問題がある。
【0005】また、特開平6−173167号公報に
は、芯・鞘型複合繊維をアルカリ減量し、芯部を溶解除
去して、繊維の長手方向に中空部まで達する割裂溝が形
成された中空繊維とし、該中空繊維の中空部に、繊維形
成性ポリマーのガラス転移点以下の曇点を持つモノマー
から形成された吸湿剤を付着させた吸湿性繊維が開示さ
れている。
は、芯・鞘型複合繊維をアルカリ減量し、芯部を溶解除
去して、繊維の長手方向に中空部まで達する割裂溝が形
成された中空繊維とし、該中空繊維の中空部に、繊維形
成性ポリマーのガラス転移点以下の曇点を持つモノマー
から形成された吸湿剤を付着させた吸湿性繊維が開示さ
れている。
【0006】しかし、上記の方法においては、芯部を完
全に溶解除去することが難しく、モノマーの付着が不充
分になる上、仮に溶解除去されたとしても、巾及び長さ
が過度に大きい割裂溝が形成されるので、洗濯等の際
に、該割裂溝から吸湿剤が脱落し、耐久性に劣るという
問題があった。
全に溶解除去することが難しく、モノマーの付着が不充
分になる上、仮に溶解除去されたとしても、巾及び長さ
が過度に大きい割裂溝が形成されるので、洗濯等の際
に、該割裂溝から吸湿剤が脱落し、耐久性に劣るという
問題があった。
【0007】このような問題を解決するため、先に本発
明者らは、繊維表面から中空部への連通孔が繊維表面に
散在する中空繊維の中空部に、重合開始剤を含む水溶性
モノマーを、該連通孔を介して吸引充填した後、該水溶
性モノマーを重合する方法を提案した(特開平8−18
8967号公報)。
明者らは、繊維表面から中空部への連通孔が繊維表面に
散在する中空繊維の中空部に、重合開始剤を含む水溶性
モノマーを、該連通孔を介して吸引充填した後、該水溶
性モノマーを重合する方法を提案した(特開平8−18
8967号公報)。
【0008】しかしながら、該方法においては、水溶性
モノマーを連通孔を介して中空部に吸引充填する際、モ
ノマーが繊維表面に付着し、該表面で重合体を形成する
ので、得られる繊維の風合が硬化するという問題を有し
ていた。
モノマーを連通孔を介して中空部に吸引充填する際、モ
ノマーが繊維表面に付着し、該表面で重合体を形成する
ので、得られる繊維の風合が硬化するという問題を有し
ていた。
【0009】また、上記のように吸引充填する方法は中
空内部に充填するモノマー溶液中に蒸散しやすい物質が
含まれる場合には適用不可能であること、また減圧の工
程を経るためには耐圧設備が必要であり、また、生産量
を増やすには該設備自体を大規模なものにするか、ある
いは該設備を数多く導入するかしなければならず、大量
生産には不向きであるといった欠点を有していた。
空内部に充填するモノマー溶液中に蒸散しやすい物質が
含まれる場合には適用不可能であること、また減圧の工
程を経るためには耐圧設備が必要であり、また、生産量
を増やすには該設備自体を大規模なものにするか、ある
いは該設備を数多く導入するかしなければならず、大量
生産には不向きであるといった欠点を有していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、中空
繊維の中空部に、樹木抽出成分などの機能性付与剤を含
む重合体を効率よく充填し、しかも中空繊維本来の風合
を維持しながら、該機能が充分に発現し、しかもその耐
久性が著しく改良された中空繊維への重合体の充填方法
を提供することにある。
繊維の中空部に、樹木抽出成分などの機能性付与剤を含
む重合体を効率よく充填し、しかも中空繊維本来の風合
を維持しながら、該機能が充分に発現し、しかもその耐
久性が著しく改良された中空繊維への重合体の充填方法
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、モノマー溶液の充填
が終了した後、繊維表面に残存するモノマー溶液を除去
することにより、中空内部に存在するモノマーのみを選
択的に重合させることができ、所望の中空繊維が得られ
ることを究明し、本発明に到達した。
達成するために鋭意検討した結果、モノマー溶液の充填
が終了した後、繊維表面に残存するモノマー溶液を除去
することにより、中空内部に存在するモノマーのみを選
択的に重合させることができ、所望の中空繊維が得られ
ることを究明し、本発明に到達した。
【0012】すなわち本発明は、繊維表面から中空部へ
の連通孔が繊維表面に散在する中空繊維の中空部に、該
連通孔を介してモノマー溶液を95〜105℃の常圧蒸
気雰囲気中で加熱処理しつつ充填した後、繊維表面に残
存するモノマー溶液を、気体を吹き付けるか或いは吸引
することにより除去し、次いで該中空繊維に重合開始剤
を付与して常温で放置した後、中空部に存在するモノマ
ーのみを選択的に重合させることを特徴とする中空繊維
への重合体の充填方法、及び繊維表面から中空部への連
通孔が繊維表面に散在する中空繊維の中空部に、重合開
始剤を含むモノマー溶液を5〜40℃の常圧下に放置す
ることにより該連通孔を介して充填した後、繊維表面に
残存するモノマー溶液を、気体を吹き付けるか或いは吸
引することにより除去し、次いで中空部に存在するモノ
マーのみを選択的に重合させることを特徴とする中空繊
維への重合体の充填方法である。
の連通孔が繊維表面に散在する中空繊維の中空部に、該
連通孔を介してモノマー溶液を95〜105℃の常圧蒸
気雰囲気中で加熱処理しつつ充填した後、繊維表面に残
存するモノマー溶液を、気体を吹き付けるか或いは吸引
することにより除去し、次いで該中空繊維に重合開始剤
を付与して常温で放置した後、中空部に存在するモノマ
ーのみを選択的に重合させることを特徴とする中空繊維
への重合体の充填方法、及び繊維表面から中空部への連
通孔が繊維表面に散在する中空繊維の中空部に、重合開
始剤を含むモノマー溶液を5〜40℃の常圧下に放置す
ることにより該連通孔を介して充填した後、繊維表面に
残存するモノマー溶液を、気体を吹き付けるか或いは吸
引することにより除去し、次いで中空部に存在するモノ
マーのみを選択的に重合させることを特徴とする中空繊
維への重合体の充填方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で言うの中空繊維とは、レーヨン、アセテートなど
の化学繊維、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維か
らなる中空繊維をいい、特にポリエステル中空繊維が好
ましく例示される。
発明で言うの中空繊維とは、レーヨン、アセテートなど
の化学繊維、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維か
らなる中空繊維をいい、特にポリエステル中空繊維が好
ましく例示される。
【0014】ここでいうポリエステルとはテレフタル酸
を主たるジカルボン酸成分とし、少なくとも1種のグリ
コール、好ましくは、エチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコールなどから選ばれた少なくとも1種のアル
キレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステルなどである。さらに好ましくはエチレングリコー
ルを主たるグリコール成分とするポリエステルが例示さ
れる。
を主たるジカルボン酸成分とし、少なくとも1種のグリ
コール、好ましくは、エチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチ
レングリコールなどから選ばれた少なくとも1種のアル
キレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステルなどである。さらに好ましくはエチレングリコー
ルを主たるグリコール成分とするポリエステルが例示さ
れる。
【0015】該ポリエステルには必要に応じて安定剤、
酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、触媒、
着色防止剤、耐熱剤、着色剤、無機粒子等を含有しても
良い。
酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、触媒、
着色防止剤、耐熱剤、着色剤、無機粒子等を含有しても
良い。
【0016】また、前記の繊維の繊度、フィラメント
数、断面形状、繊維物性、微細構造やポリマー性状(分
子量など)には何ら限定を受けるものではない。さらに
本発明で言う繊維とは、ヤーン、コード、不織布、織編
物等種々の繊維集合形態を含むものである。
数、断面形状、繊維物性、微細構造やポリマー性状(分
子量など)には何ら限定を受けるものではない。さらに
本発明で言う繊維とは、ヤーン、コード、不織布、織編
物等種々の繊維集合形態を含むものである。
【0017】上記中空繊維は、従来公知の方法によって
製造することができ、例えば実公平2−43879号公
報に記載の方法などが任意に採用できる。
製造することができ、例えば実公平2−43879号公
報に記載の方法などが任意に採用できる。
【0018】また、繊維表面に、繊維表面から中空部へ
の連通孔を形成する方法としては、例えばポリエステル
繊維の場合、有機スルホン酸化合物を共重合したポリエ
ステルを溶融紡糸し、中空繊維とした後、アルカリ減量
することにより、連通孔を形成させることができる(特
開平1−20319号公報など)。
の連通孔を形成する方法としては、例えばポリエステル
繊維の場合、有機スルホン酸化合物を共重合したポリエ
ステルを溶融紡糸し、中空繊維とした後、アルカリ減量
することにより、連通孔を形成させることができる(特
開平1−20319号公報など)。
【0019】また、中空率が20%以上の高中空繊維を
アルカリ処理すれば、有機スルホン酸化合物を使用しな
くても、繊維の長手方向に沿った低配向部及び/または
変形歪集中部の除去痕として連通孔を形成することがで
きる。
アルカリ処理すれば、有機スルホン酸化合物を使用しな
くても、繊維の長手方向に沿った低配向部及び/または
変形歪集中部の除去痕として連通孔を形成することがで
きる。
【0020】さらに、中空率20%以上の高中空繊維
に、該繊維のガラス転移温度以上で且つ熱分解開始温度
又は熱軟化温度のうちいずれか低い方の温度以下の温度
の緩衝液中で、該緩衝液をpHが9.5〜11.5の範
囲内に保ちながら、該繊維の長手方向と交差する方向
に、該繊維の弾性限界内の応力を繰返し付与して、該繊
維の長手方向に沿って、繊維表面から中空部への連通孔
を形成する(特開平11−350341)こともでき
る。
に、該繊維のガラス転移温度以上で且つ熱分解開始温度
又は熱軟化温度のうちいずれか低い方の温度以下の温度
の緩衝液中で、該緩衝液をpHが9.5〜11.5の範
囲内に保ちながら、該繊維の長手方向と交差する方向
に、該繊維の弾性限界内の応力を繰返し付与して、該繊
維の長手方向に沿って、繊維表面から中空部への連通孔
を形成する(特開平11−350341)こともでき
る。
【0021】上記連通孔は巾が0.2〜10μm、長さ
が5〜40μmであることが好ましい。連通孔の巾と長
さが上記範囲をはずれる場合は、モノマー溶液の充填が
不充分になったり、非水溶性重合体が脱落し易くなる場
合がある。
が5〜40μmであることが好ましい。連通孔の巾と長
さが上記範囲をはずれる場合は、モノマー溶液の充填が
不充分になったり、非水溶性重合体が脱落し易くなる場
合がある。
【0022】次に、本発明に使用するモノマー溶液と
は、重合開始剤を使用することで、その状態が低分子量
化合物から高分子量化合物へ不可逆的に変化しうるもの
をいう。具体的には、重合および架橋反応が可能なビニ
ル系モノマーを含む水溶液などの、重合および架橋反応
が可能なモノマーを含む液体等が挙げられる。
は、重合開始剤を使用することで、その状態が低分子量
化合物から高分子量化合物へ不可逆的に変化しうるもの
をいう。具体的には、重合および架橋反応が可能なビニ
ル系モノマーを含む水溶液などの、重合および架橋反応
が可能なモノマーを含む液体等が挙げられる。
【0023】該ビニル系モノマーは水溶性であっても水
不溶性であっても良いが、加工場での加工液の安定性、
作業環境、加工の安定性などの点から水溶性であるもの
が好ましく用いられる。かかる水溶性ビニル系モノマー
としては、分子中にビニル基を有する水溶性ビニル系モ
ノマーが任意に使用される。
不溶性であっても良いが、加工場での加工液の安定性、
作業環境、加工の安定性などの点から水溶性であるもの
が好ましく用いられる。かかる水溶性ビニル系モノマー
としては、分子中にビニル基を有する水溶性ビニル系モ
ノマーが任意に使用される。
【0024】分子中にビニル基を有する水溶性ビニル系
モノマーとしては、カルボン酸基、カルボン酸塩基、ス
ルホン酸基及びスルホン酸塩基から選ばれた少なくとも
1種の基を有する水溶性ビニル系モノマーを用いるもの
が好ましく、具体例として、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマール酸、
シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、メタリルスル
ホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸およびそれらのNa塩、Li塩、K塩等が挙げら
れる。これらは、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を混合して用いることもできる。
モノマーとしては、カルボン酸基、カルボン酸塩基、ス
ルホン酸基及びスルホン酸塩基から選ばれた少なくとも
1種の基を有する水溶性ビニル系モノマーを用いるもの
が好ましく、具体例として、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマール酸、
シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、メタリルスル
ホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸およびそれらのNa塩、Li塩、K塩等が挙げら
れる。これらは、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を混合して用いることもできる。
【0025】さらに、中空部からの流出を防ぐことを目
的として、架橋反応を更に促進させるために、下記一般
式(1)で示される水溶性ビニル系モノマーを加えるこ
とも好ましく例示される。
的として、架橋反応を更に促進させるために、下記一般
式(1)で示される水溶性ビニル系モノマーを加えるこ
とも好ましく例示される。
【0026】
【化1】
【0027】前記(1)式中、Zは1〜6の活性水素を
有する分子量300以下の有機化合物の残基であり、メ
タノール、プロパノール、ブタノール、フェノール、エ
チレングリコール、ビスフェノールA、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリ
スリトール、ソルビトール等のヒドロキシル基含有化合
物の残基およびエチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン等の1級および2級アミン
類の残基等を挙げることができる。なかでもヒドロキシ
ル基含有化合物が好ましい。R1はエチレン基を主体と
し、該ポリオキシエチレン系ポリエーテル(1)が水溶
性である範囲内で一部がプロピレン基やブチレン基等の
他のアルキレン基であってもよく、R2はアクリロイル
基またはメタクリロイル基であり、一部は水素原子また
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級
アルキル基であってもよい。kはZの元になる有機化合
物が有する活性水素原子数に対応する1〜6の整数であ
る。lは正の整数であり、分子間または分子内で同一で
あっても異なってもよい。lの値があまりに大きくなり
過ぎると水溶液とした時の粘度が高くなって、中空部へ
の浸透が困難になる場合もあるので、k×l値が80以
下であるのが好ましい。
有する分子量300以下の有機化合物の残基であり、メ
タノール、プロパノール、ブタノール、フェノール、エ
チレングリコール、ビスフェノールA、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリエタノールアミン、ジグリセリン、ペンタエリ
スリトール、ソルビトール等のヒドロキシル基含有化合
物の残基およびエチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ジエチレントリアミン等の1級および2級アミン
類の残基等を挙げることができる。なかでもヒドロキシ
ル基含有化合物が好ましい。R1はエチレン基を主体と
し、該ポリオキシエチレン系ポリエーテル(1)が水溶
性である範囲内で一部がプロピレン基やブチレン基等の
他のアルキレン基であってもよく、R2はアクリロイル
基またはメタクリロイル基であり、一部は水素原子また
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級
アルキル基であってもよい。kはZの元になる有機化合
物が有する活性水素原子数に対応する1〜6の整数であ
る。lは正の整数であり、分子間または分子内で同一で
あっても異なってもよい。lの値があまりに大きくなり
過ぎると水溶液とした時の粘度が高くなって、中空部へ
の浸透が困難になる場合もあるので、k×l値が80以
下であるのが好ましい。
【0028】このような水溶性ポリオキシエチレン系ポ
リエーテルの好ましい具体例としては、ポリエチレング
リコール(平均分子量;400)ジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコール(平均分子量;600)ジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(平均
分子量;1000)ジ(メタ)アクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコール(平均分子量;1320)モノ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキ
サイド30モル付加物のジ(メタ)アクリレート、グリ
セリンエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレ
ート、グリセリンエチレンオキサイド付加物のトリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオ
キサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパンエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)
アクリレート、ソルビトールエチレンオキサイド付加物
のジ(メタ)アクリレート、ソルビトールエチレンオキ
サイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ソルビトール
エチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレー
ト、ソルビトールエチレンオキサイド付加物のテトラ
(メタ)アクリレート、ソルビトールエチレンオキサイ
ド付加物のペンタ(メタ)アクリレートおよびソルビト
ールエチレンオキサイド付加物のヘキサ(メタ)アクリ
レート等を挙げることができる。また、このような水溶
性ポリオキシエチレン系ポリエーテルは1種のみを単独
で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。
これらの水溶性ビニルモノマーのなかでも吸湿性、洗濯
耐久性、安全性などの面からアクリル酸、アクリル酸
塩、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの
混合物が好ましく例示される。
リエーテルの好ましい具体例としては、ポリエチレング
リコール(平均分子量;400)ジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコール(平均分子量;600)ジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(平均
分子量;1000)ジ(メタ)アクリレート、メトキシ
ポリエチレングリコール(平均分子量;1320)モノ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキ
サイド30モル付加物のジ(メタ)アクリレート、グリ
セリンエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレ
ート、グリセリンエチレンオキサイド付加物のトリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオ
キサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパンエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)
アクリレート、ソルビトールエチレンオキサイド付加物
のジ(メタ)アクリレート、ソルビトールエチレンオキ
サイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ソルビトール
エチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレー
ト、ソルビトールエチレンオキサイド付加物のテトラ
(メタ)アクリレート、ソルビトールエチレンオキサイ
ド付加物のペンタ(メタ)アクリレートおよびソルビト
ールエチレンオキサイド付加物のヘキサ(メタ)アクリ
レート等を挙げることができる。また、このような水溶
性ポリオキシエチレン系ポリエーテルは1種のみを単独
で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。
これらの水溶性ビニルモノマーのなかでも吸湿性、洗濯
耐久性、安全性などの面からアクリル酸、アクリル酸
塩、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートの
混合物が好ましく例示される。
【0029】該ビニル系モノマーの使用量は、中空繊維
に対して1〜50重量%の範囲が好ましく、なかでも5
〜30重量%の範囲が特に好ましい。該使用量が1重量
%未満では機能性付与剤の充填固定化後の洗濯耐久性等
が不充分になる場合があり、また50重量%を超えると
繊維構造物としての風合が硬くなる場合があり好ましく
ない。
に対して1〜50重量%の範囲が好ましく、なかでも5
〜30重量%の範囲が特に好ましい。該使用量が1重量
%未満では機能性付与剤の充填固定化後の洗濯耐久性等
が不充分になる場合があり、また50重量%を超えると
繊維構造物としての風合が硬くなる場合があり好ましく
ない。
【0030】このような本発明に使用する重合および架
橋反応が可能なモノマー溶液には、機能性付与剤を任意
に含んでいるものが好ましい。該機能性付与剤には、ア
ロエ、カッコン、ニンニクなどの薬効、植物香を有する
物質(植物エキス、植物蛋白質)、コラーゲン、ケラチ
ン、セリシンなどの細菌培養、傷治療用等の医学的、生
理学的機能付与物質(動物蛋白質)、酸化チタン、シリ
カ、アルミナ、ゼオライトなどの導電体用、磁性体用等
の電気的機能付与物質(セラミックス微粒子)、オクタ
カルボ鉄フタロシアニン、フタル酸ジメチル、有機シリ
コン系第4アンモニウム、有機窒素化合物などの抗菌
性、消臭性を有する物質、各種着香料(フレーバー、フ
レグランス)、ポリエチレングリコールなどの吸水性、
吸湿性、保水性を有する物質、パーフルオロアルキル基
を有する化合物などの撥水性、撥油性物質などが適宜用
いられ、さらに、樹木抽出成分を挙げることができる。
橋反応が可能なモノマー溶液には、機能性付与剤を任意
に含んでいるものが好ましい。該機能性付与剤には、ア
ロエ、カッコン、ニンニクなどの薬効、植物香を有する
物質(植物エキス、植物蛋白質)、コラーゲン、ケラチ
ン、セリシンなどの細菌培養、傷治療用等の医学的、生
理学的機能付与物質(動物蛋白質)、酸化チタン、シリ
カ、アルミナ、ゼオライトなどの導電体用、磁性体用等
の電気的機能付与物質(セラミックス微粒子)、オクタ
カルボ鉄フタロシアニン、フタル酸ジメチル、有機シリ
コン系第4アンモニウム、有機窒素化合物などの抗菌
性、消臭性を有する物質、各種着香料(フレーバー、フ
レグランス)、ポリエチレングリコールなどの吸水性、
吸湿性、保水性を有する物質、パーフルオロアルキル基
を有する化合物などの撥水性、撥油性物質などが適宜用
いられ、さらに、樹木抽出成分を挙げることができる。
【0031】該樹木抽出成分としては、精油、なかで
も、天然精油が好ましく、具体的にはヒノキ油、スギ
油、ハッカ油、ユーカリ油、ヒバ油、ショウノウ油等を
あげることができる。これらの精油は通常植物の枝葉、
根茎、木皮、果実、蕾、樹脂等から水蒸気蒸留によって
採油されるもので、テルペノイドを主成分にしているも
のである。
も、天然精油が好ましく、具体的にはヒノキ油、スギ
油、ハッカ油、ユーカリ油、ヒバ油、ショウノウ油等を
あげることができる。これらの精油は通常植物の枝葉、
根茎、木皮、果実、蕾、樹脂等から水蒸気蒸留によって
採油されるもので、テルペノイドを主成分にしているも
のである。
【0032】かかる樹木抽出成分の使用量は、中空繊維
に対して1〜40重量%の範囲が好ましく、なかでも1
〜30重量%の範囲が特に好ましい。この量が1重量%
未満では樹木抽出成分の効能が充分に発現しない場合が
あり、また40重量%を超えると樹木抽出成分の効能が
最早著しい向上を示さなくなる。
に対して1〜40重量%の範囲が好ましく、なかでも1
〜30重量%の範囲が特に好ましい。この量が1重量%
未満では樹木抽出成分の効能が充分に発現しない場合が
あり、また40重量%を超えると樹木抽出成分の効能が
最早著しい向上を示さなくなる。
【0033】さらに本発明で用いる重合開始剤として
は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水
素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、硫酸第二セリウム
アンモニウム、硝酸第二セリウムアンモニウムなどのセ
リウムアンモニウム塩、あるいはα、α’−アゾビスイ
ソブチロニトリルなどが例示され、この中でも過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウムが特に好ましく用いられ
る。
は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水
素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、硫酸第二セリウム
アンモニウム、硝酸第二セリウムアンモニウムなどのセ
リウムアンモニウム塩、あるいはα、α’−アゾビスイ
ソブチロニトリルなどが例示され、この中でも過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウムが特に好ましく用いられ
る。
【0034】さらにモノマー溶液を中空部に充填する方
法としては、以下の方法が具体的に例示出来る。 中空繊維をモノマーと重合開始剤とからなるモノマー
溶液を付着させた後、室温下に放置し、モノマー溶液を
中空部に充填する方法。 中空繊維にモノマー溶液を付着させた後、温度95℃
〜105℃の常圧蒸気雰囲気中で加熱処理を施すことに
よりモノマー溶液を充填する方法。
法としては、以下の方法が具体的に例示出来る。 中空繊維をモノマーと重合開始剤とからなるモノマー
溶液を付着させた後、室温下に放置し、モノマー溶液を
中空部に充填する方法。 中空繊維にモノマー溶液を付着させた後、温度95℃
〜105℃の常圧蒸気雰囲気中で加熱処理を施すことに
よりモノマー溶液を充填する方法。
【0035】なおの方法を採用する場合は、モノマー
溶液を充填後、重合開始剤を付与する。しかる後に重合
開始剤が中空繊維内にまで均一に行き渡るよう重合開始
剤の重合発生温度未満の温度、通常は室温下で一定時間
放置するのが好ましい。
溶液を充填後、重合開始剤を付与する。しかる後に重合
開始剤が中空繊維内にまで均一に行き渡るよう重合開始
剤の重合発生温度未満の温度、通常は室温下で一定時間
放置するのが好ましい。
【0036】上記いずれの方法を用いても、中空部にモ
ノマー溶液を充填することは可能であるが、工業的に実
施するという点において、の方法が、常圧蒸気スチー
マーを用いて1〜40分という短時間で充填でき、その
後スプレー法、コーティング法、パディング法等で重合
開始剤を付与でき、連続生産が容易であると言う点から
特に好ましい。
ノマー溶液を充填することは可能であるが、工業的に実
施するという点において、の方法が、常圧蒸気スチー
マーを用いて1〜40分という短時間で充填でき、その
後スプレー法、コーティング法、パディング法等で重合
開始剤を付与でき、連続生産が容易であると言う点から
特に好ましい。
【0037】本発明においては、上記の方法でモノマー
溶液を中空部に充填した後、繊維表面に付着したモノマ
ー溶液を気体を吹き付けるか或いは吸引することで除去
し、次いで加熱等により、中空部に存在するモノマーの
みを重合させることが必要である。
溶液を中空部に充填した後、繊維表面に付着したモノマ
ー溶液を気体を吹き付けるか或いは吸引することで除去
し、次いで加熱等により、中空部に存在するモノマーの
みを重合させることが必要である。
【0038】本発明で繊維表面のモノマー溶液を除去す
るのに用いる気体は、モノマー溶液を変質させる影響の
ないものであれば特に限定はなく、通常に加工場で用い
られる気体を任意に選ぶ事が出来る。なかでも安価で取
扱いやすいということから、常圧空気、圧縮空気が好ま
しく用いられる。
るのに用いる気体は、モノマー溶液を変質させる影響の
ないものであれば特に限定はなく、通常に加工場で用い
られる気体を任意に選ぶ事が出来る。なかでも安価で取
扱いやすいということから、常圧空気、圧縮空気が好ま
しく用いられる。
【0039】気体を吹き付ける設備に付いては特に限定
はなく、細長いスリットから、走行する布帛の幅方向に
対して気体を吹き付ける方法や、エアーガンを並べて吹
き付ける方法などが適宜挙げられる。
はなく、細長いスリットから、走行する布帛の幅方向に
対して気体を吹き付ける方法や、エアーガンを並べて吹
き付ける方法などが適宜挙げられる。
【0040】さらに吸引によってモノマー溶液を除去す
る方法については布帛に密着させたスリットから吸引す
る方法などが適宜用いられる。
る方法については布帛に密着させたスリットから吸引す
る方法などが適宜用いられる。
【0041】さらに重合する方法については繊維表面の
モノマー溶液が充分に除去された後、重合開始剤の重合
発生温度以上に加熱することで重合および架橋反応が発
生する。この際、繊維全体を、モノマー溶液を溶解また
は分散させることが可能な液体中に浸漬して加熱するこ
とは、繊維表面に残存するモノマー溶液や、中空内部の
未反応モノマーや反応が不十分なオリゴマー等を、繊維
表面から迅速に洗い流すことが出来る点で好ましく用い
られる。
モノマー溶液が充分に除去された後、重合開始剤の重合
発生温度以上に加熱することで重合および架橋反応が発
生する。この際、繊維全体を、モノマー溶液を溶解また
は分散させることが可能な液体中に浸漬して加熱するこ
とは、繊維表面に残存するモノマー溶液や、中空内部の
未反応モノマーや反応が不十分なオリゴマー等を、繊維
表面から迅速に洗い流すことが出来る点で好ましく用い
られる。
【0042】
【発明の作用】本発明においては、繊維表面に、繊維表
面から中空部への連通孔が散在した中空繊維の中空部に
のみ重合体が充填されているので、中空繊維が本来有す
る風合が損なわれることなく、該重合体の持つ機能が発
現し、しかもその耐久性が格段に向上する。
面から中空部への連通孔が散在した中空繊維の中空部に
のみ重合体が充填されているので、中空繊維が本来有す
る風合が損なわれることなく、該重合体の持つ機能が発
現し、しかもその耐久性が格段に向上する。
【0043】即ち、本発明においては、中空繊維表面に
付与されたモノマー溶液が除去されているので、中空部
のモノマーのみが重合体を形成する。
付与されたモノマー溶液が除去されているので、中空部
のモノマーのみが重合体を形成する。
【0044】これに対して、この処理を行わないと、繊
維表面にも重合体が形成され、中空繊維が本来有する風
合が損なわれるばかりでなく、重合体の持つ機能が充分
に発現されない場合がある。
維表面にも重合体が形成され、中空繊維が本来有する風
合が損なわれるばかりでなく、重合体の持つ機能が充分
に発現されない場合がある。
【0045】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0046】(1)被加工布の作成 固有粘度が0.61のポリエチレンテレフタレートを溶
融し、中空紡糸口金を用いて中空率が40%の中空繊維
の未延伸糸を得た。次いで、この未延伸糸を延伸して丸
中空で56デシテックス、20フィラメント(酸化チタ
ン量0.3重量%)のマルチフィラメント糸を得た。
融し、中空紡糸口金を用いて中空率が40%の中空繊維
の未延伸糸を得た。次いで、この未延伸糸を延伸して丸
中空で56デシテックス、20フィラメント(酸化チタ
ン量0.3重量%)のマルチフィラメント糸を得た。
【0047】上記マルチフィラメント糸を常法に従い、
丸編地に編成した。得られた編地を高圧液流染色機を用
いて、0.5g/lの炭酸ソーダを含む緩衝溶液中で1
20℃で30分間処理を行った。
丸編地に編成した。得られた編地を高圧液流染色機を用
いて、0.5g/lの炭酸ソーダを含む緩衝溶液中で1
20℃で30分間処理を行った。
【0048】得られた布帛からマルチフィラメント糸を
取り出し、その表面を電顕で観察したところ、繊維軸方
向に、幅0.2〜2.0μm、長さ5〜40μmのマイ
クログルーブが各フィラメントに少なくとも1個以上観
察された。
取り出し、その表面を電顕で観察したところ、繊維軸方
向に、幅0.2〜2.0μm、長さ5〜40μmのマイ
クログルーブが各フィラメントに少なくとも1個以上観
察された。
【0049】また別に同じマルチフィラメント糸を用い
て、常法に従い、綾織物を作成し精練、プレセットを行
った。更に得られた布帛を高圧液流染色機を用いて、
0.5g/lの炭酸ソーダを含む緩衝溶液中で130℃
で40分間処理を行った。
て、常法に従い、綾織物を作成し精練、プレセットを行
った。更に得られた布帛を高圧液流染色機を用いて、
0.5g/lの炭酸ソーダを含む緩衝溶液中で130℃
で40分間処理を行った。
【0050】得られた布帛からマルチフィラメント糸を
取り出し、その表面を電顕で観察したところ、繊維軸方
向に、幅0.2〜1.0μm、長さ5〜40μmのマイ
クログルーブが各フィラメントに少なくとも1個以上観
察された。
取り出し、その表面を電顕で観察したところ、繊維軸方
向に、幅0.2〜1.0μm、長さ5〜40μmのマイ
クログルーブが各フィラメントに少なくとも1個以上観
察された。
【0051】(2)重合および架橋反応が可能なモノマ
ー溶液の準備 表1に記載した処方にてモノマー溶液を準備した(単位
は重量部)。
ー溶液の準備 表1に記載した処方にてモノマー溶液を準備した(単位
は重量部)。
【0052】
【表1】
【0053】(3)物性の測定方法 (A)充填固着率 充填した重合体の固着率(単位:%)は、加工前と加工
後の布帛重量をそれぞれV0、V1として測定し、下記の
式により繊維重量に対する増加率として固着率を算出し
た。
後の布帛重量をそれぞれV0、V1として測定し、下記の
式により繊維重量に対する増加率として固着率を算出し
た。
【0054】
【数1】
【0055】(B)洗濯耐久性 JIS L−1018−77 6.36 H法に準じ、
洗濯は20回繰り返した。 (C)風合 加工が終了した布帛を直接手で触り、ソフト、中間、硬
いの3段階評価を行った。 (D)充填斑 加工を行った布帛からランダムに10ヶ所サンプリング
を行い、試料を50℃×2Hr予備乾燥後、105℃×
2Hr絶乾した(この時の重量をW0とする)。次に2
0℃×90RHのデシケータ中に3日間入れた後重量
(W1とする)を測定して、下記の式で吸湿率を算出
し、その最大値と最小値の差を充填斑とした。
洗濯は20回繰り返した。 (C)風合 加工が終了した布帛を直接手で触り、ソフト、中間、硬
いの3段階評価を行った。 (D)充填斑 加工を行った布帛からランダムに10ヶ所サンプリング
を行い、試料を50℃×2Hr予備乾燥後、105℃×
2Hr絶乾した(この時の重量をW0とする)。次に2
0℃×90RHのデシケータ中に3日間入れた後重量
(W1とする)を測定して、下記の式で吸湿率を算出
し、その最大値と最小値の差を充填斑とした。
【0056】
【数2】
【0057】(E)ヒノキ精油含有量の定量分析 試料からヒノキ精油を240℃×6分間の条件下に熱脱
着して−50℃の温度でコールドトラップした後、GC
−MS(横河アナリテカルシステムズ株式会社製)を用
いて定量分析した。
着して−50℃の温度でコールドトラップした後、GC
−MS(横河アナリテカルシステムズ株式会社製)を用
いて定量分析した。
【0058】[実施例1]前記(1)で準備した丸編地
(幅120cm、長さ20m)を前記(2)で準備した
モノマー溶液Aに浸漬し、モノマー溶液の付着量が布帛
に対して100%となるように圧絞し、引続いて、常圧
蒸気スチーマーにて100℃の温度で5分間加熱処理を
行った。しかる後にこの布帛を10m/minで走行さ
せながら、布帛表面に3kg/cm2の圧縮空気を幅5
mmのスリットから布帛の幅方向付に吹き付けた。次に
5%過硫酸アンモニウム水溶液を該編地に対して25g
/m2となるようにスプレー法で付与し、25℃で15
分放置した。更に、100℃の熱湯中で攪拌しながら3
分間浸漬し、モノマーの重合を行った後、乾燥熱セット
を行った。得られた布帛の物性の測定結果を表2に示
す。得られた布帛表面を電子顕微鏡で観察した結果、繊
維表面に重合体は見られなかった。
(幅120cm、長さ20m)を前記(2)で準備した
モノマー溶液Aに浸漬し、モノマー溶液の付着量が布帛
に対して100%となるように圧絞し、引続いて、常圧
蒸気スチーマーにて100℃の温度で5分間加熱処理を
行った。しかる後にこの布帛を10m/minで走行さ
せながら、布帛表面に3kg/cm2の圧縮空気を幅5
mmのスリットから布帛の幅方向付に吹き付けた。次に
5%過硫酸アンモニウム水溶液を該編地に対して25g
/m2となるようにスプレー法で付与し、25℃で15
分放置した。更に、100℃の熱湯中で攪拌しながら3
分間浸漬し、モノマーの重合を行った後、乾燥熱セット
を行った。得られた布帛の物性の測定結果を表2に示
す。得られた布帛表面を電子顕微鏡で観察した結果、繊
維表面に重合体は見られなかった。
【0059】[実施例2]実施例1で用いた丸編生地の
かわりに前記(1)で準備した綾織生地を用いて、前記
(2)で準備したモノマー溶液Bを用いてモノマー溶液
の付着量が布帛に対して100%となるように圧絞し、
引続いて、ポリエチレン製の袋でシールを行い、30℃
で3日間放置した。ついで、この布帛表面に幅5mmの
スリットを密着させ、1kg/cm2の負圧で吸引して
布帛表面のモノマー溶液を除去した。さらに、100℃
で20分間常圧スチーマーで加熱し、モノマーの重合を
行った後、水洗し、乾燥熱セットを行った。得られた布
帛の物性の測定結果を表2に示す。得られた布帛表面を
電子顕微鏡で観察した結果、繊維表面に重合体は見られ
なかった。
かわりに前記(1)で準備した綾織生地を用いて、前記
(2)で準備したモノマー溶液Bを用いてモノマー溶液
の付着量が布帛に対して100%となるように圧絞し、
引続いて、ポリエチレン製の袋でシールを行い、30℃
で3日間放置した。ついで、この布帛表面に幅5mmの
スリットを密着させ、1kg/cm2の負圧で吸引して
布帛表面のモノマー溶液を除去した。さらに、100℃
で20分間常圧スチーマーで加熱し、モノマーの重合を
行った後、水洗し、乾燥熱セットを行った。得られた布
帛の物性の測定結果を表2に示す。得られた布帛表面を
電子顕微鏡で観察した結果、繊維表面に重合体は見られ
なかった。
【0060】[実施例3]実施例1においてモノマー溶
液Aを用いる代わりにモノマー溶液Cを用いて加工を行
う以外は、実施例1と同様に実施した。得られた布帛の
物性の測定結果を表2に示す。得られた布帛表面を電子
顕微鏡で観察した結果、繊維表面に重合体は見られなか
った。
液Aを用いる代わりにモノマー溶液Cを用いて加工を行
う以外は、実施例1と同様に実施した。得られた布帛の
物性の測定結果を表2に示す。得られた布帛表面を電子
顕微鏡で観察した結果、繊維表面に重合体は見られなか
った。
【0061】[実施例4]実施例1においてモノマー溶
液Aを用いる代わりにモノマー溶液Dを用いて加工を行
う以外は、実施例1と同様に実施した。得られた布帛の
物性の測定結果を表2に示す。得られた布帛表面を電子
顕微鏡で観察した結果、繊維表面に重合体は見られなか
った。
液Aを用いる代わりにモノマー溶液Dを用いて加工を行
う以外は、実施例1と同様に実施した。得られた布帛の
物性の測定結果を表2に示す。得られた布帛表面を電子
顕微鏡で観察した結果、繊維表面に重合体は見られなか
った。
【0062】[比較例1]実施例1において圧縮空気を
吹き付ける処理を省く以外は実施例1と同様に実施し
た。得られた布帛の物性の測定結果を表2に示す。得ら
れた布帛表面を電子顕微鏡で観察した結果、繊維表面、
特に編目の結節部に重合体が多く見られた。
吹き付ける処理を省く以外は実施例1と同様に実施し
た。得られた布帛の物性の測定結果を表2に示す。得ら
れた布帛表面を電子顕微鏡で観察した結果、繊維表面、
特に編目の結節部に重合体が多く見られた。
【0063】[比較例2]実施例1において圧縮空気を
吹き付ける処理の代わりに遠心脱水機でモノマー溶液を
除去する処理を行った以外は実施例1と同様に実施し
た。得られた布帛の物性の測定結果を表2に示す。得ら
れた布帛表面を電子顕微鏡で観察した結果、繊維表面、
特に編目の結節部に重合体が多く見られた。
吹き付ける処理の代わりに遠心脱水機でモノマー溶液を
除去する処理を行った以外は実施例1と同様に実施し
た。得られた布帛の物性の測定結果を表2に示す。得ら
れた布帛表面を電子顕微鏡で観察した結果、繊維表面、
特に編目の結節部に重合体が多く見られた。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】本発明の布帛は実施例に示したように、
布帛の表面には重合体は付着しておらず、風合がソフト
で充填斑が少なかった。さらに、この布帛は洗濯耐久性
に優れ、洗濯20回後も充填固着率にはほとんど変化は
なかった。
布帛の表面には重合体は付着しておらず、風合がソフト
で充填斑が少なかった。さらに、この布帛は洗濯耐久性
に優れ、洗濯20回後も充填固着率にはほとんど変化は
なかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06M 11/38 D06M 15/17 15/17 15/53 15/53 15/72 15/00 5/02 B 5/00 (72)発明者 鈴木 東義 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 Fターム(参考) 3B154 AA07 AA08 AA12 AB05 BA18 BB05 BB33 BB42 BE01 DA09 DA13 DA18 4J011 CA03 CB00 CC02 DA02 PA07 PA13 PA24 PA30 PA43 PA47 PA55 PA56 PA57 PA60 PA66 PA90 PB34 PB35 PB40 PC02 PC08 4L031 AA18 AB01 AB33 BA11 BA14 BA17 CA01 DA12 DA13 4L033 AA07 AB01 AB06 AC10 AC15 CA09 CA18 CA48 CA70 DA02 DA07
Claims (5)
- 【請求項1】 繊維表面から中空部への連通孔が繊維表
面に散在する中空繊維の中空部に、該連通孔を介してモ
ノマー溶液を95〜105℃の常圧蒸気雰囲気中で加熱
処理しつつ充填した後、繊維表面に残存するモノマー溶
液を、気体を吹き付けるか或いは吸引することにより除
去し、次いで該中空繊維に重合開始剤を付与して常温で
放置した後、中空部に存在するモノマーのみを選択的に
重合させることを特徴とする中空繊維への重合体の充填
方法。 - 【請求項2】 繊維表面から中空部への連通孔が繊維表
面に散在する中空繊維の中空部に、重合開始剤を含むモ
ノマー溶液を5〜40℃の常圧下に放置することにより
該連通孔を介して充填した後、繊維表面に残存するモノ
マー溶液を、気体を吹き付けるか或いは吸引することに
より除去し、次いで中空部に存在するモノマーのみを選
択的に重合させることを特徴とする中空繊維への重合体
の充填方法。 - 【請求項3】 気体が空気である請求項1又は2記載の
中空繊維への重合体の充填方法。 - 【請求項4】 モノマー溶液が機能性付与剤を含む溶液
である請求項1又は2記載の中空繊維への重合体の充填
方法。 - 【請求項5】 機能性付与剤が樹木抽出成分を含む請求
項4記載の中空繊維への重合体の充填方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000304624A JP2002105860A (ja) | 2000-10-04 | 2000-10-04 | 中空繊維への重合体の充填方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000304624A JP2002105860A (ja) | 2000-10-04 | 2000-10-04 | 中空繊維への重合体の充填方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002105860A true JP2002105860A (ja) | 2002-04-10 |
Family
ID=18785640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000304624A Pending JP2002105860A (ja) | 2000-10-04 | 2000-10-04 | 中空繊維への重合体の充填方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002105860A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007277733A (ja) * | 2006-04-03 | 2007-10-25 | Yyl:Kk | 抗菌・抗ウイルス性繊維の製造方法と製造装置 |
-
2000
- 2000-10-04 JP JP2000304624A patent/JP2002105860A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007277733A (ja) * | 2006-04-03 | 2007-10-25 | Yyl:Kk | 抗菌・抗ウイルス性繊維の製造方法と製造装置 |
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