JP2002105103A - βグルカン抽出促進剤 - Google Patents

βグルカン抽出促進剤

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JP2002105103A JP2000295660A JP2000295660A JP2002105103A JP 2002105103 A JP2002105103 A JP 2002105103A JP 2000295660 A JP2000295660 A JP 2000295660A JP 2000295660 A JP2000295660 A JP 2000295660A JP 2002105103 A JP2002105103 A JP 2002105103A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 穀類等のβグルカン含有物から水溶性βグル
カンを効率よく抽出するためのβグルカン抽出促進剤を
提供すること。 【解決手段】 イネ科植物の糠もしくは糠抽出物、又は
小麦フスマ、小麦胚芽、トウモロコシ胚芽、トウモロコ
シフスマ、麦芽、オーツ麦胚芽、オーツ麦フスマもしく
はそれらの抽出物等のイネ科植物由来物からなる、βグ
ルカン抽出促進剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穀類等のβグルカ
ン含有物から、水溶性βグルカンを効率よく抽出するた
めのβグルカン抽出促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】国民栄養調査によると、我が国における
国民1人あたりの食物繊維摂取量は、年々減少傾向にあ
り、食物繊維は、不足している栄養素に数えられ、積極
的な摂取が推奨されている。食物繊維は、水への溶解性
の違いから水溶性と不溶性の2つに分類される。不溶性
食物繊維は、便容積の増加、腸内容物の通過時間の短
縮、腸内圧、腹圧の低下があり、その結果、便秘、大腸
ガン等各種大腸疾患の予防、治療効果があるとされる。
一方、水溶性食物繊維は、消化管活動の活性化、食事成
分、特に糖類や脂肪の消化吸収性の低下、消化管を循環
する胆汁酸の吸着排出、消化管内での通過時間の遅延と
大腸内で発酵しやすい点に特徴があり、その結果、その
摂取によって便秘、大腸疾患、肥満、糖尿病、高脂血症
等の予防、治療効果があるとされる。また、水溶性食物
繊維の中には、免疫増強作用に優れたものがあり、抗腫
瘍剤や抗ガン剤、インフルエンザ予防、その他感染症予
防に役立つものがある。
【0003】上記のように不溶性食物繊維と水溶性食物
繊維はそれぞれ異なる機能を有しており、両者のバラン
スよい摂取が望まれている。水溶性食物繊維を多く含む
食品として、海草類のアルギン酸ナトリウム、カラギー
ナン、穀類では、トウモロコシ外皮や小麦フスマのヘミ
セルロース、大麦やオーツ麦のβグルカン、微生物類
(微生物の細胞壁や胆子菌きのこの菌糸体や子実体)の
βグルカンが知られている。大麦やオーツ麦のβグルカ
ンは、血清コレステロールの低下、血清インスリン濃度
の低下による血糖値上昇抑制効果等の生理作用が特に強
く、FDAにおいてもその摂取が心臓疾患などの生活習
慣病のリスクを低減する素材として認められるに至って
いる。また、大麦あるいは微生物類のβグルカンは、免
疫増強活性に優れていることが知られている。
【0004】近年、我が国の食生活は、欧米諸外国と類
似してきたのと同時に、グルメ志向、おいしさ追求のあ
まり、食品から食物繊維をなるべく除外するようになっ
た。その結果、食物繊維の摂取量が減少し、現在の食物
繊維の摂取不足を招くに至っている。また、味噌や納豆
のような発酵食品の摂取量が減少、抗生物質の多用によ
る微生物菌相の変化、環境からの微生物の排除等によ
り、病原菌を含めた微生物全体に対して接触する機会が
減少した。その結果、感染症に罹患する機会が減少した
が、同時に免疫力の低下を招いて、自己免疫疾患やアレ
ルギー、発ガン率等が増加傾向にある。そこで、生活習
慣病や免疫力の維持・増強のためには、食品のおいしさ
を損ねず、食物繊維や免疫増強作用のある多糖体の摂取
量を増加させることが必要となっている。このような状
況の中で、食品素材より抽出・単離された水溶性食物繊
維を他の食品あるいは加工食品に添加する方法が、食物
繊維や多糖体の摂取量を増加させる1つの方法として非
常に期待されている。
【0005】大麦やオーツ麦由来の水溶性食物繊維は、
その主成分がβグルカンであり、このような穀類由来の
βグルカンは、でんぷん・脂質・蛋白質との相和性がき
わめてよく、加工食品に対する添加剤として優れている
ことが知られている。しかし、大麦やオーツ麦、水溶性
βグルカン以外の成分を多量に含んでいるため、そのま
ま食品に添加すると、食品の食感を損ね、あるいは小麦
加工食品においては、製パン性等の加工適性を損ねるこ
とが一般的に指摘されている。そこで、これらβグルカ
ンを含む食品から水溶性の食物繊維を濃縮あるいは単離
して利用する方法が有効とされ、大麦あるいはオーツ麦
に含まれる食物繊維であるβグルカンを抽出する方法が
知られている。
【0006】穀類から高分子量のβグルカンを得る方法
としては、例えば、多ろう質大麦を原料とし、水抽出に
より製造する方法(特公平4−11197号公報)、あ
るいは、大麦、オーツ麦を原料として、アルカリ抽出、
中和、アルコール沈殿により、重量平均分子量10万〜
100万のβグルカンを得る方法(特公平6−8365
2号公報)、搗精歩留まり82%以下の大麦糠類を原料
として、80〜90℃の熱水にてβグルカンを抽出する
方法(特開平11−225706号公報)等が知られて
いる。大麦のβグルカンは、麦粒の細胞壁を構成してい
る多糖類の1種であり、分子量は、250万ともいわれ
ている。抽出過程でβグルカンは、低分子化するが、通
常、上記のような熱水抽出あるいはアルカリ性水溶液下
では、比較的高分子量のβグルカンが得られる(分子量
10万以上)。これら抽出されたβグルカンは、高分子
量であるがゆえ、水溶液は高粘性を示す。また、乾燥物
を水に再可溶させるのに時間がかかり、高濃度に溶解さ
せることも困難であるという欠点がある。
【0007】これらの欠点は、βグルカンを低分子化す
ることで、改良できることが知られている。大麦粉砕物
を温水で抽出することで、低分子化したβグルカンを得
る方法が、WO98/13056号公報に記載されてい
る。しかし、この公報記載の抽出温度、抽出時間を用い
た方法では、必ずしも、低分子化したβグルカンを得る
ことはできず、公報記載の方法は、大麦原料に依存して
大きく異なり、多くの大麦原料に適応できる方法でな
い、極めて限られたものであった。従って、作業性がよ
く水への溶解性に優れた、分子量10万以下に低分子化
されたβグルカンを安定して効率よく得る方法は、これ
までに知られておらず、その方法の開発が望まれてい
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、穀類等のβグルカン含有物から、水溶性βグルカン
を効率よく抽出するためのβグルカン抽出促進剤を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、イネ科植物由
来物からなる、βグルカン含有物から水溶性βグルカン
を抽出するためのβグルカン抽出促進剤を提供すること
により、上記目的を達成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、水溶性食物繊維として
多くの生理機能を持つβグルカンを効率よく抽出するた
めのβグルカン抽出促進剤、さらに詳しくは、分子量1
0万以下に低分子化されたβグルカンを効率よく安定に
抽出するためのβグルカン抽出促進剤である。以下に本
発明についてさらに詳しく説明する。
【0011】本発明のβグルカン抽出促進剤とは、βグ
ルカン含有物から、水、冷水、温水、熱水、各種溶剤等
を用いて水溶性βグルカンを抽出する場合に、水溶性β
グルカンを効率よくかつ純度よく抽出することができる
βグルカン抽出促進剤である。
【0012】本発明において水溶性βグルカンとは、グ
ルコースを主成分とする重合体であり、分子内に1,2 、
1,3 、1,4 、1,6-β-Dク゛ルコース 結合を少なくとも1種類
以上有するものをいい、分子量10万以下のβグルカン
及び、分子量10万以下のβグルカンを主成分として水
に溶解するβグルカンのことをいう。
【0013】本発明のβグルカン抽出促進剤は、イネ科
植物由来物である。イネ科植物の例としては、米類、小
麦類、トウモロコシ類、モロコシ類、ヒエ類、アワ類、
キビ類、大麦類、オーツ麦類(カラス麦類)、ライ麦類
等が挙げられ、好ましくは大麦類、オーツ麦類、さらに
好ましくは大麦類である。イネ科植物由来物とは、これ
らのイネ科植物の糠、フスマ、麦芽、胚芽、さらにはそ
れらの抽出物が挙げられる。本発明のβグルカン抽出促
進剤は、特に糠又は糠抽出物からなるものが好ましい。
【0014】本発明でいう糠とは、穀類の粒を外周部か
ら連続して搗精したときの糠のことをいい、外周部から
連続して30重量%以内まで搗精したときの糠、いわゆ
る搗精歩留まり70重量%以内の糠が好ましく、外周部
から連続して20重量%以内まで搗精したときの糠、い
わゆる搗精歩留まり80重量%以内の糠がより好まし
く、外周部から連続して18重量%以内まで搗精したと
きの糠、いわゆる搗精歩留まり82重量%以内の糠がさ
らに好ましい。また、糠抽出物は、外周部から連続して
30重量%以内まで搗精したときの糠、いわゆる搗精歩
留まり70重量%以内の糠から抽出したものが好まし
く、外周部から連続して20重量%以内まで搗精したと
きの糠、いわゆる搗精歩留まり80重量%以内の糠から
抽出したものがより好ましく、外周部から連続して18
重量%以内まで搗精したときの糠、いわゆる搗精歩留ま
り82重量%以内の糠から抽出したものがさらに好まし
い。
【0015】また、糠又は糠抽出物を得る穀類の例とし
ては、米、小麦、トウモロコシ、ヒエ、アワ、キビ、モ
ロコシ、大麦、オーツ麦(カラス麦)、ライ麦等が挙げ
られ、好ましくは大麦、オーツ麦、さらに好ましくは大
麦である。
【0016】本発明のβグルカン抽出促進剤である糠抽
出物の製造方法は、糠100重量部に温水200〜10
000重量部、好ましくは300〜5000重量部、さ
らに好ましくは400〜1000重量部を加え、0.1
〜12時間、好ましくは0.2〜6時間、さらに好まし
くは0.5〜2時間、撹拌しながら抽出するのが望まし
い。糠は、脱脂されたものであってもかまわない。抽出
後の糠―温水の混合物は、遠心分離、濾過分離、膜分
離、自然沈降等、固液分離方法として知られる任意の方
法で固液分離し、糠抽出物(糠抽出液)を得ることがで
きる。ここで抽出に用いる温水とは、温度80℃以下4
℃以上の抽出用水であり、好ましくは70℃以下5℃以
上、さらに好ましくは60℃以下10℃以上がよい。抽
出用水は、水道水、地下水、井戸水等、食品衛生上問題
なく、食品製造に使用可能であればいずれも使用でき
る。抽出用水のpHは、中性付近がよく、pH10〜p
H4、好ましくはpH9〜pH5、さらに好ましくはp
H8〜pH6がよい。抽出用水には、糠抽出物の安定性
を保持するため、必要に応じて塩類、酸・アルカリ類を
添加して用いることができる。
【0017】上記方法で得られた糠抽出物(糠抽出液)
は、水溶液であり、これは、膜濃縮法、凍結濃縮法、減
圧濃縮法、塩析沈殿法、有機溶媒沈殿法等、液体の濃縮
方法として知られる任意の方法で濃縮し、糠抽出物濃縮
物を得ることができる。また、糠抽出物、あるいは、糠
抽出物濃縮物は、塩析沈殿法、有機溶媒沈殿法、凍結乾
燥等、乾燥方法として知られる任意の方法で乾燥させ、
糠抽出物乾燥物を得ることができる。糠抽出物乾燥物は
粉砕して粉末化して使用することができる。
【0018】また、本発明のβグルカン抽出促進剤は、
小麦フスマ、小麦胚芽、トウモロコシ胚芽、トウモロコ
シフスマ、麦芽、オーツ麦胚芽、オーツ麦フスマ等から
なるものも好ましく、これらをそのまま又はこれらの抽
出物であってもよい。抽出方法は、前記糠からの抽出方
法と同様に行なえばよく、抽出液、抽出物濃縮物、抽出
乾燥物いずれの形で用いてもよい。
【0019】本発明のβグルカン抽出促進剤を使用する
ことで、βグルカン含有物から、分子量10万以下に低
分子化されたβグルカンを安定して抽出することができ
る。
【0020】本発明のβグルカン抽出促進剤を用いて抽
出する抽出対象のβグルカン含有物は、βグルカンが含
まれている穀類であればいずれでもよく、その例として
は、米、小麦、トウモロコシ、ヒエ、アワ、キビ、大
麦、オーツ麦(カラス麦)、ライ麦又はこれらの粉砕
物、米糠、小麦糠、大麦糠、オーツ麦糠、ライ麦糠、小
麦糠等のこれらの糠、小麦フスマ、小麦胚芽、トウモロ
コシ胚芽、麦芽、トウモロコシ外皮が挙げられ、特に、
大麦、オーツ麦、大麦糠、オーツ麦糠、大麦粉砕物、オ
ーツ麦粉砕物が好ましい。特に大麦、オーツ麦であれば
全粒粉、糠、精製されたもの、蒸煮されたもの、加熱さ
れたもの、いずれも用いることができる。特にβグルカ
ンを多く含む全粒粉砕物あるいはβグルカンが濃縮され
た分画物を抽出原料に選択するのが好ましい。大麦、オ
ーツ麦は、主食用、醸造用、飼料用等、いずれも使用す
ることができる。目的とするβグルカンを多く含むもの
が望ましく、例えば大麦ではβグルカンを比較的多量に
含むことが知られている蛋白質含有量の高い性質を持っ
た二条や六条の大麦種、あるいは、でんぷんがもち性の
性質を持ったもち性皮つき大麦、もち性裸大麦等が望ま
しい。
【0021】本発明のβグルカン抽出促進剤を用いての
水溶性βグルカンの抽出方法は、抽出時に本発明のβグ
ルカン抽出促進剤を添加すればよい。具体的な抽出方法
としては、βグルカン含有物に本発明のβグルカン抽出
促進剤を加えたもの100重量部に温水250〜150
0重量部を加えるか、又はβグルカン含有物100重量
部に、本発明のβグルカン抽出促進剤を加えた温水25
0〜1500重量部を加え、0.5〜24時間、好まし
くは1〜12時間、さらに好ましくは1.5〜6時間、
撹拌しながら抽出するのが望ましい。抽出後に、固液分
離、精製等の工程を加え、水溶性βグルカンを得ること
ができる。
【0022】βグルカン含有物に対する本発明のβグル
カン抽出促進剤の添加量は、制限されることはないが、
糠を抽出促進剤として使用する場合、βグルカン含有物
100重量部に対して、抽出促進剤の添加量は、200
〜0.1重量部、好ましくは100〜1重量部、さらに
好ましくは50〜5重量部である。糠抽出物あるいは糠
抽出物濃縮物を抽出促進剤として用いる場合の添加量
は、βグルカン含有物1重量部に対して、0.01〜1
00重量部、好ましくは0.05〜50重量部、さらに
好ましくは0.1〜10重量部である。糠抽出物乾燥物
を抽出促進剤として用いる場合の添加量は、βグルカン
含有物1重量部に対して、0.001〜10重量部、好
ましくは0.01〜1重量部、さらに好ましくは0.0
5〜0.5重量部である。本発明のβグルカン抽出促進
剤は、抽出原料(βグルカン含有物)にそのまま添加し
てもよいし、抽出に用いる温水に添加してもよい。
【0023】水溶性βグルカン抽出時に用いる温水と
は、温度80℃以下4℃以上の抽出用水であり、好まし
くは70℃以下5℃以上、さらに好ましくは60℃以下
10℃以上がよい。抽出用水は、水道水、地下水、井戸
水等、食品衛生上問題なく、食品製造に使用可能であれ
ばいずれも使用できる。抽出用水のpHは、中性付近が
よく、pH10〜pH4、好ましくはpH9〜pH5、
さらに好ましくはpH8〜pH6がよい。抽出用水に
は、抽出されたβグルカンの安定性を保持するため、必
要に応じて塩類、酸・アルカリ類を添加して用いること
ができる。
【0024】水溶性βグルカン抽出時に、さらに本発明
の効果を損なわない範囲で、αアミラーゼ、蛋白質分解
酵素、グルコアミラーゼを添加して、低分子化βグルカ
ンの抽出を促進することができる。αアミラーゼとは、
糊化でんぷんやグリコーゲン等のα1-4 グリコシド結合
を任意の位置で加水分解し、分解生成物としてデキスト
リンやオリゴ糖、グルコースを生じるものである。ま
た、グリコアミラーゼとは、可溶性でんぷんのα1-4 グ
リコシド結合を非還元末端より順次グルコース単位で分
解するものである。蛋白質分解酵素は、βグルカンを抽
出時に同時に抽出される可溶性の蛋白質やβグルカンと
複合化しているペプチド類を分解してβグルカンの抽出
をさらに促進するために使用される。
【0025】また、抽出後には、遠心分離、濾過分離、
膜分離、自然沈降等、固液分離方法として知られる任意
の方法で固液分離し、水溶性βグルカン抽出液を得るこ
とができる。さらに水溶性βグルカン抽出液は、膜濃縮
法、凍結濃縮法、減圧濃縮法、塩析沈殿法、有機溶媒沈
殿法等、液体の濃縮方法として知られる任意の方法や、
加熱して水分を蒸発させて濃縮することにより、水溶性
βグルカン抽出液濃縮物とすることができる。さらに、
水溶性βグルカン抽出液や水溶性βグルカン抽出液濃縮
物は、塩析沈殿法、有機溶媒沈殿法、凍結乾燥、加熱乾
燥法等、乾燥方法として知られる任意の方法で乾燥さ
せ、水溶性βグルカン抽出乾燥物を得ることができる。
水溶性βグルカン抽出乾燥物は粉砕して粉末化して使用
することができる。加熱濃縮法や加熱乾燥法は、同操作
により、抽出液に含まれる蛋白質やペプチド等を変性沈
殿あるいは分解させることができ、水溶性βグルカンの
純度を向上させるため、好ましい方法である。
【0026】本発明のβグルカン抽出促進剤を使用すれ
ば、βグルカン含有物に左右されずに安定して効率よく
分子量10万以下の水溶性βグルカンを抽出することが
可能となる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例によって限定されるものでは
ない。尚、特に記述がない限り、実施例中の%は重量に
よるものであり、分子量は重量平均分子量である。
【0028】調製例1(βグルカン抽出促進剤の調製) もち性裸大麦を研削式搗精機により削り、外周部より連
続して18%(搗精歩留まり82%)まで精麦した。こ
のとき発生した糠を糠−1とした。また、もち性裸大麦
を研削式搗精機により削り、外周部より連続して30%
(搗精歩留まり70%)まで精麦した。このとき発生し
た糠を糠−2とした。また、もち性裸大麦を研削式搗精
機により削り、外周部より連続して10%(搗精歩留ま
り90%)まで精麦した。このとき発生した糠を糠−3
とした。
【0029】上記外周部より連続して18%(搗精歩留
まり82%)まで精麦した大麦を、さらに研削式搗精機
により削り、搗精歩留まり55%まで精麦した。このと
き発生した粉砕物を粉砕物−1とした。得られた大麦精
麦粒をさらに削り、搗精歩留まり35%までの粉砕物を
粉砕物−2、搗精歩留まり35〜15%までを粉砕物―
3、残った中心部15%を粉砕し、粉砕物―4とした。
【0030】調製例2(βグルカン抽出促進剤:抽出液
の調製) 調製例1で得た糠−1の粉砕物10gを100mlコニ
カルビーカーにとり、50mlの蒸留水を加えて25℃
にて10分間、撹拌抽出した。抽出後、遠心分離上清を
得て、抽出促進剤液−1とした。温度10℃、抽出時間
を1時間としたこと以外は抽出促進剤液−1と同様に操
作し、抽出促進剤液−2を得た。温度30℃、抽出時間
を0.5時間としたこと以外は抽出促進剤液−1と同様
に操作し、抽出促進剤液−3を得た。抽出促進剤液−2
の20mlを分子量3000でカットする膜を用いた限
外濃縮によって容量を半分となるまで濃縮し、抽出促進
剤濃縮物を得た。抽出促進剤液−3の20mlを凍結乾
燥して、0.4gの抽出促進剤乾燥物を得た。
【0031】調製例3(βグルカン抽出促進剤の調製) 調製例1で得た糠−2の粉砕物20gを200mlコニ
カルビーカーにとり、100mlのアセトンを加えて4
℃にて10分間、撹拌抽出した。抽出後、遠心分離にて
沈殿を回収し、さらに100mlのアセトンを加え、脱
脂操作を繰り返した。遠心分離で回収した沈殿をドラフ
トに放置し、脱脂糠−1を得た。
【0032】調製例4(βグルカン抽出促進剤:抽出液
の調製) コシヒカリ玄米を搗精機により削り、外周部より連続し
て18%(搗精歩留まり92%)まで精米した。このと
き発生した糠を米糠とした。米糠の5gを100mlの
コニカルビーカーにとり、25mlの蒸留水を加えて2
0℃にて30分間、撹拌抽出した。抽出後、遠心分離上
清を得て、抽出促進剤液−4とした。
【0033】調製例5(βグルカン抽出促進剤:抽出液
の調製) 麦芽を粉砕し麦芽粉砕物を得た。麦芽粉砕物の5gを1
00mlのコニカルビーカーにとり、50mlの蒸留水
を加えて25℃にて40分間、撹拌抽出した。抽出後、
遠心分離上清を得て、抽出促進剤液−5とした。
【0034】試験例1 調製例1で得た各大麦分画物のβグルカン含有量を調べ
た。βグルカンの分析は、メガザイム社のβグルカン測
定キットを用いて、McCleary法(酵素法)により行っ
た。まず、500μm(30メッシュ)のふるいにかけ
た各分画物の水分含量を測定し、その100mgを17
mlチューブに取り、50%エタノール溶液を200μ
l加え、分散させた。次に4mlの20mMリン酸緩衝
液(pH6.5)を加え、よく混合した後、煮沸した湯
浴中にて1分間加温した。よく混合し、さらに2分間、
湯浴中で加熱した。50℃に冷却後、5分間放置してか
ら、各チューブにリケナーゼ酵素溶液(キットに付属す
るバイアルを20mlの20mMリン酸緩衝液で希釈、
残量は凍結保存)の200μl(10U)を加え、1時
間、50℃にて反応させた。チューブに200mM酢酸
緩衝液(pH4.0)を、5ml加えて、静かに混合し
た。室温に5分間放置し、遠心分離にて上清を得た。1
00μl を3 本のチューブに取り、1本には100μl
の50mM酢酸緩衝液(pH4.0)を、他の2本には
100μl(0.2U)のβグルコシターゼ溶液(キッ
トに付属するバイアルを20mlの50mM酢酸緩衝液
で希釈、残量は凍結保存)を加え、50℃にて10分
間、反応させた。3mlのグスコースオキシターゼ/ペ
ルオキシターゼ溶液を加えて、50℃にて20分間反応
させ、各サンプルの510nmにおける吸光度(EA)
を測定した。βグルカン含有量は、次式により求めた。
【0035】βグルカン(%,W/W)=(EA)×
(F/W)×8.46 F=(100)/(グスコース100μgの吸光度) W=算出された無水物重量(mg)
【0036】その結果、大麦分画物におけるβグルカン
含有量は、糠−1は(3.3%)、糠−2は(3.6
%)、糠−3は(2.7%)、粉砕物−1は(5.4
%)、粉砕物−2は(6.5%)、粉砕物−3は(6.
4%)、粉砕物−4は(8.0%)であり、外周部は、
βグルカン含有量は低く、中心部がより多くβグルカン
を含んでいることがわかった。βグルカンを抽出する原
料としては、大麦粒の場合、より中心部に近い粉砕物を
使用することが有利である。
【0037】試験例2 WO98/13056号公報に記載の方法にて低分子化
βグルカンの製造を試みた。得られた抽出物は、さらに
HPLCゲル濾過法にて分画し、βグルカンの分子量測
定を行った。試験例1に示したように、中心部に近いほ
どβグルカン量が多いことがわかったので、外周部45
%を除去した精製大麦を原料とした。すなわち、市販の
精製大麦粒(米粒様に加工されたもの)を粉砕し、50
0μm(30メッシュ)のふるいにかけ大麦粉砕物を得
た。試験例―1と同様にβグルカン含有量を測定したと
ころ、6.5%であった。得られた大麦粉砕物20gに
100mlの蒸留水を加え、温度25,40、45、5
5℃にて撹拌抽出した。抽出時間を0.5〜5時間まで
変化させて、経時的に5mlをサンプリングした。抽出
混合液を10分間、遠心分離(10000rpm)し
て、遠心上清を得た。遠心上清を−10℃に冷却して一
昼夜そのまま放置してから解凍した。遠心分離後、上清
を捨て、沈殿を凍結乾燥させた。得られた沈殿の5mg
をチューブに取り、0.5mlの蒸留水を加えて、沸騰
水中で溶解させた。0.22μmのフィルターを通して
HPLC用のサンプルとした。分離にはHPLCゲル濾
過カラムであるShodexのパックドカラムKS−8
05(昭和電工社製)を用い、流速0.6ml/mi
n.、温度50℃、検出にはRI検出器、分離溶媒は水で
実施した。分子量マーカーとしてはShodexプルラ
ン標準液P−82(昭和電工社製)を用いた。温度55
℃においては、3時間の抽出まで分子量10万以下30
00以上の範囲にピークは得られず、主に分子量40万
〜20万のピークをもつ抽出物が得られた。5時間の抽
出で得られた抽出物は分子量40万〜20万のピークが
分子量11万〜10万にピークがシフトしたが10万以
下で分子量3000以上の範囲にピークは認めなかっ
た。45℃で抽出したところ、2時間の抽出で分子量2
0万、5時間の抽出で分子量11万のピークを示す抽出
物が得られたが、分子量10万以下で分子量3000以
上の範囲にピークは認められなかった。40℃の0.5
時間抽出では、得られたピークは分子量40万を示し、
分子量10万以下で3000以上の範囲にピークは認め
られなかった。25℃抽出では、0.5時間〜3時間ま
での抽出で、分子量40万〜20万のピークをもつ抽出
物が得られ、分子量10万以下で分子量3000以上の
範囲にピークは認められなかった。HPLC分離で分子
量10万以上に溶出される画分は、試験例1記載の方法
でβグルカンであることを確認した。外周部より45%
を削除した精製大麦粒を温水抽出したが、低分子化βグ
ルカンは得られなかった。
【0038】実施例1 調製例1で得た糠−1の1gと試験例−2で得られた大
麦粉砕物10gを100mlコニカルビーカーにとり、
50mlの蒸留水を加えて40℃にて2時間、撹拌抽出
した。抽出後、遠心分離上清を得て、沸騰水中に10分
間放置し、再度、遠心分離して、上清を得た。その0.
5mlに1mlのエタノールを加え、1時間放置後、遠
心分離にて沈殿を回収した。凍結乾燥機で、エタノール
・水分を除去し、沈殿に0.5mlの蒸留水を加え、沸
騰水中で溶解させた。遠心分離上清を0.22μmのフ
ィルターを通した後、サンプル1とした。また、調製例
1で得た糠−1の1gを100mlコニカルビーカーに
とり、50mlの蒸留水を加えて40℃にて2時間、撹
拌抽出した。以後、サンプル1の抽出後の操作と同様に
操作し、サンプル2を得た。試験例−2で得られた大麦
粉砕物の10gを100mlコニカルビーカーにとり、
50mlの蒸留水を加えて40℃にて2時間、撹拌抽出
した。以後、サンプル1の抽出後の操作と同様に操作
し、サンプル3を得た。調製例1で得た糠−1の10g
を100mlコニカルビーカーにとり、50mlの蒸留
水を加えて40℃にて2時間、撹拌抽出した。以後、サ
ンプル1の抽出後の操作と同様に操作し、サンプル4を
得た。サンプル1〜4は、試験例−2と同様にピークの
分子量を測定するとともに、ピーク面積値を算出した。
その結果、サンプル1は、分子量40万〜1万に検出さ
れ、最大ピークは、分子量3万であり、分子量10万以
下に検出されたエリア面積値は33万であった。サンプ
ル2は、分子量40万〜1万にピークを認め、最大ピー
クは、分子量3万であり、分子量10万以下に検出され
たエリア面積値は0.5万であった。サンプル1とサン
プル2で分子量10万以下の面積値を比較したところ、
サンプル1は、サンプル2に対して66倍であった。サ
ンプル3は、分子量10万以下3000以上の範囲に検
出されず、主に分子量40万〜20万のピークを認め
た。分子量3万に検出される面積値は0であった。サン
プル4は、分子量40万〜1万にピークを認め、最大ピ
ークは、分子量3万であり、分子量10万以下に検出さ
れたエリア面積値は12万であった。サンプル1〜2、
4で分子量10万以下にHPLCで溶出された画分は、試験
例1記載の方法でβグルカンであることを確認した。実
施例1より、低分子化βグルカンが抽出されない大麦粒
の中心部へ糠を添加してβグルカンを抽出することで、
大麦粒の中心に近い部分に含まれるβグルカンが低分子
化し、その抽出が促進されていることがわかった。
【0039】実施例2 調製例1で得た糠−1の1gと粉砕物−1の10gを1
00mlコニカルビーカーにとり、60mlの蒸留水を
加えて55℃にて1.5時間、撹拌抽出した。抽出後、
遠心分離上清を得て、沸騰水中に10分間放置し、再
度、遠心分離して、上清を得た。その0.5mlに1m
lのエタノールを加え、1時間放置後、遠心分離にて沈
殿を回収した。凍結乾燥機で、エタノール・水分を除去
し、沈殿に0.5mlの蒸留水を加え、沸騰水中で溶解
させた。遠心分離上清を0.22μmのフィルターを通
した後、サンプル5とした。また、粉砕物−1の10g
を100mlコニカルビーカーにとり、60mlの蒸留
水を加えて55℃にて1.5時間、撹拌抽出した。以
後、前記サンプル1の抽出後の操作と同様に操作し、サ
ンプル6を得た。また、調製例1で得た糠−2の0.5
gと粉砕物−2の10gを100mlコニカルビーカー
にとり、50mlの蒸留水を加えて40℃にて2時間、
撹拌抽出した。以後、前記サンプル1の抽出後の操作と
同様に操作し、サンプル7を得た。また、粉砕物−2の
10gを100mlコニカルビーカーにとり、50ml
の蒸留水を加えて40℃にて2時間、撹拌抽出した。以
後、前記サンプル1の抽出後の操作と同様に操作し、サ
ンプル8を得た。また、調製例1で得た糠−3の2gと
粉砕物−3の10gを200mlコニカルビーカーにと
り、80mlの蒸留水を加えて50℃にて1時間、撹拌
抽出した。以後、前記サンプル1の抽出後の操作と同様
に操作し、サンプル9を得た。また、調製例1で得た糠
−3の0.8gと粉砕物−4の10gを200mlコニ
カルビーカーにとり、100mlの蒸留水を加えて45
℃にて3時間、撹拌抽出した。以後、前記サンプル1の
抽出後の操作と同様に操作し、サンプル10を得た。サ
ンプル5〜10は、試験例2と同様にピークの分子量を
測定するとともに、ピーク面積値を算出した。その結
果、サンプル5は、分子量40万〜1万に検出され、最
大ピークは、分子量4.5万であり、分子量10万以下
に検出されたエリア面積値は43万であった。サンプル
6およびサンプル8は、分子量10万以下3000以上
の範囲に検出されず、主に分子量40万〜20万のピー
クを認めた。分子量10万以下に検出される面積値は0
であった。サンプル7は、分子量40万〜1万に検出さ
れ、最大ピークは、分子量5.5万であり、分子量10
万以下に検出されたエリア面積値は40万であった。サ
ンプル9は、分子量40万〜1万に検出され、最大ピー
クは、分子量5万であり、分子量10万以下に検出され
たエリア面積値は42万であった。サンプル10は、分
子量40万〜1万に検出され、最大ピークは、分子量3
万であり、分子量10万以下に検出されたエリア面積値
は47万であった。サンプル5〜10で分子量10万以
下にHPLCで溶出された画分は、試験例1記載の方法でβ
グルカンであることを確認した。
【0040】実施例3 調製例2で得た抽出促進剤液−1の10mlと試験例2
の大麦粉砕物の15gを200mlコニカルビーカーに
とり、90mlの蒸留水を加えて40℃にて15分間、
30分間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、
6時間、12時間、24時間、撹拌抽出した。各抽出時
間が経過の後、遠心分離上清を得て、沸騰水中に10分
間放置し、再度、遠心分離して、上清を得た。その0.
5mlに1mlのエタノールを加え、1時間放置後、遠
心分離にて沈殿を回収した。凍結乾燥機で、エタノール
・水分を除去し、沈殿に0.5mlの蒸留水を加え、沸
騰水中で溶解させた。遠心分離上清を0.22μmのフ
ィルターを通した後、サンプル11〜20とした。サン
プル11〜20は、すべて分子量40万〜1万に検出さ
れ、最大ピークは、分子量9万、8.5万、7万、5.
5万、4.5万、3万、2.5万、2万、1万、600
0であり、分子量10万以下に検出されたエリア面積値
は、それぞれ、15万、14万、18万、25万、37
万、41万、43万、42万、40万、32万であっ
た。分子量10万以下のピーク面積値は、抽出時間とと
もに増加し、6時間より減少に転じた。分子量10万以
下の最大ピークは、抽出時間とともに分子量が低分子化
される傾向にあり、最大ピークは、分子量9万から分子
量6000程度に移行した。分子量10万以下にHPLCで
溶出された画分は、試験例1記載の方法でβグルカンで
あることを確認した。
【0041】実施例4 調製例2で得た抽出促進剤液−2の0ml、1ml、2
ml、5ml、10ml、20mlと調製例1の粉砕物
−4の10gを100mlコニカルビーカーにとり、全
容量が50mlとなるように蒸留水を加えて、55℃に
て2時間、撹拌抽出した。抽出後、遠心分離上清を得
て、沸騰水中に10分間放置し、再度、遠心分離して、
上清を得た。その0.5mlに1mlのエタノールを加
え、1時間放置後、遠心分離にて沈殿を回収した。凍結
乾燥機で、エタノール・水分を除去し、沈殿に0.5m
lの蒸留水を加え、沸騰水中で溶解させた。遠心分離上
清を0.22μmのフィルターを通した後、サンプル2
1〜26とした。サンプル21は、分子量10万以下3
000以上の範囲に検出されず、主に分子量40万〜2
0万のピークを認めた。分子量10万以下に検出される
面積値は0であった。サンプル22〜26は、分子量4
0万〜1万に検出され、最大ピークは、分子量8万、8
万、4.5万、4.5万、3万であり、分子量10万以
下に検出されたエリア面積値は、それぞれ、18万、2
6万、53万、55万、56万であった。分子量10万
以下にHPLCで溶出された画分は、試験例1記載の方法で
βグルカンであることを確認した。
【0042】実施例5 調製例2で得た抽出促進剤濃縮物5mlを300mlコ
ニカルビーカーにとり、蒸留水100mlおよび調製例
1で得た粉砕物−1の18gを加え、42℃にて2.5
時間、撹拌抽出した。抽出後、遠心分離上清を得て、沸
騰水中に10分間放置し、再度、遠心分離して、上清を
得た。以後、実施例1と同様に操作し、HPLC検査用
のサンプル27を得た。また、調製例2で得た抽出促進
剤乾燥物の0.25gを300mlコニカルビーカーに
とり、蒸留水100mlに溶解させてから、調製例1で
得た粉砕物−1の18gを加え、42℃にて2.5時
間、撹拌抽出した。抽出後、遠心分離上清を得て、沸騰
水中に10分間放置し、再度、遠心分離して、上清を得
た。以後、実施例1と同様に操作し、HPLC検査用の
サンプル28を得た。試験例2と同様にピークの分子量
および、分子量10万以下に検出される面積値を算出し
た。サンプル27、28は、ともに分子量40万〜1万
にピークを認め、最大ピークは、分子量3.5万であっ
た。分子量10万以下の面積値は、それぞれ、62万、
55万であった。分子量10万以下にHPLCで溶出された
画分は、試験例1記載の方法でβグルカンであることを
確認した。
【0043】実施例6 抽出促進剤として調製例3で得た脱脂糠−1を用いた。
すなわち、脱脂糠−1の0.7gと調製例1で得た粉砕
物−3の10gを100mlコニカルビーカーに取り、
蒸留水40mlを加えて、50℃にて3時間、撹拌抽出
した。抽出後、遠心分離上清を得て、以後、実施例1と
同様に操作し、HPLC検査用のサンプル29を得た。
サンプル29は、分子量40万〜1万にピークを認め、
最大ピークは、分子量3万で、分子量10万以下の検出
される面積値は60万であった。分子量10万以下にHP
LCで溶出された画分は、試験例1記載の方法でβグルカ
ンであることを確認した。
【0044】実施例7 抽出促進剤として調製例4、5で得た抽出促進剤液−
4、−5を用いた。すなわち、300mlコニカルビー
カーに各抽出促進剤液の1ml、および蒸留水90ml
を加え混合した。調製例1で得た粉砕物−1の20gを
加え、40℃にて4時間、撹拌抽出した。抽出後、遠心
分離上清を得て、以後、実施例1と同様に操作し、HP
LC検査用のサンプル30、31を得た。サンプル3
0、31は、分子量40万〜1万にピークを認め、最大
ピークは、分子量5万、3.5万で、分子量10万以下
3000以上に検出される面積値は24万、30万であ
った。分子量10万以下にHPLCで溶出された画分は、試
験例1記載の方法でβグルカンであることを確認した。
【0045】
【発明の効果】本発明のβグルカン抽出促進剤は、穀類
等のβグルカン含有物から水溶性βグルカンを効率よく
抽出する際に、抽出原料又は抽出用液に添加することに
より、βグルカン含有物に左右されずに、作業性がよく
水への溶解性に優れた、分子量10万以下に低分子化さ
れたβグルカンを安定して効率よく得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東海林 義和 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B018 MD35 MD49 ME03 ME14 MF01 4B041 LC10 LH01 LK22 LP05 4C090 AA04 BA21 BB33 BC12 BD03 CA09 DA27

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イネ科植物由来物からなる、βグルカン
    含有物から水溶性βグルカンを抽出するためのβグルカ
    ン抽出促進剤。
  2. 【請求項2】 イネ科植物由来物が、イネ科植物の糠又
    は糠抽出物である請求項1記載のβグルカン抽出促進
    剤。
  3. 【請求項3】 糠又は糠抽出物が、穀類粒の外周部より
    連続して30重量%以内まで搗精したときの糠、又は該
    糠の抽出物である請求項2記載のβグルカン抽出促進
    剤。
  4. 【請求項4】 糠又は糠抽出物が、大麦由来である請求
    項2又は3記載のβグルカン抽出促進剤。
  5. 【請求項5】 糠抽出物が、糠を温水抽出して得られる
    抽出物である請求項2又は3記載のβグルカン抽出促進
    剤。
  6. 【請求項6】 イネ科植物由来物が、小麦フスマ、小麦
    胚芽、トウモロコシ胚芽、トウモロコシフスマ、麦芽、
    オーツ麦胚芽、オーツ麦フスマ、あるいはそれらの抽出
    物である請求項1記載のβグルカン抽出促進剤。
  7. 【請求項7】 抽出物が、小麦フスマ、小麦胚芽、トウ
    モロコシ胚芽、トウモロコシフスマ、麦芽、オーツ麦胚
    芽又はオーツ麦フスマを温水抽出して得られる抽出物で
    ある請求項6記載のβグルカン抽出促進剤。
  8. 【請求項8】 βグルカン含有物が、穀類である請求項
    1記載のβグルカン抽出促進剤。
  9. 【請求項9】 穀類が、大麦粉砕物又はオーツ麦粉砕物
    である請求項8記載のβグルカン抽出促進剤。
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