JP2002103485A - 紙管の製造方法、紙管および紙管用接着剤 - Google Patents

紙管の製造方法、紙管および紙管用接着剤

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JP2002103485A JP2000294338A JP2000294338A JP2002103485A JP 2002103485 A JP2002103485 A JP 2002103485A JP 2000294338 A JP2000294338 A JP 2000294338A JP 2000294338 A JP2000294338 A JP 2000294338A JP 2002103485 A JP2002103485 A JP 2002103485A
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Akira Takenaka
亮 竹仲
Tomiko Obata
臣子 小畑
Tokusaburo Maeda
徳三郎 前田
Seiki Maeda
成輝 前田
Kiyoshi Ideoka
淑 出岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紙管の製造時に適切な接着特性を発揮し、且つ
耐熱性および再資源化に優れた紙管の製造方法、紙管お
よび紙管用接着剤を提供する。 【解決手段】クレーおよび炭酸カルシウムのうちの少な
くとも一方並びにアルカリ性水溶液中で糊化された澱粉
を含む紙管用接着剤を生成する工程と、前記紙管用接着
剤を紙に塗布しつつ棒状部材に前記紙を巻きつけて連続
的に紙管を製造する工程とを備えた紙管の製造方法であ
る。前記前記澱粉が酸化澱粉、酸処理澱粉および酸焙焼
澱粉のうちの少なくとも一つを含むものを使用すること
ができる。更に前記紙管用接着剤に硼砂を含ませること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、棒状部材に紙を巻
きつけて行う紙管の製造方法、紙を積層して製造された
紙管およびこれらに使用する接着剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から紙管を製造するひとつの方法
に、テープ状に加工された原紙に接着剤を塗布しつつ鉄
芯に螺旋状に巻きつけ、連続的に、テープ状の原紙を筒
状に成形するものがある。
【0003】このような紙管の製造に用いられる紙管用
接着剤は、静止した紙同士を張り合わせるために用いら
れる紙用接着剤の一般的特性に加え、紙管を製造する際
中に加わる動的な力に対して適切な接着特性を発揮する
ことが要求される。紙管用接着剤が適切な接着特性を発
揮しない場合には、巻きずれや変形が生じ、真円度、寸
法安定性、圧縮強度などの紙管の諸特性が低下してしま
う。
【0004】従来の紙管用接着剤には、酢酸ビニル系エ
マルジョン、ポリビニルアルコール、水ガラス、熱硬化
型接着剤などがある。従来の紙管用接着剤の中では、作
業性や生産性が良いことから、酢酸ビニル系エマルジョ
ンが最も多量に使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記の紙管用
接着剤の中で特に酢酸ビニル系エマルジョンは、紙管用
接着剤としては優れた特性を発揮するが、酢酸ビニル系
エマルジョンを用いて製造された紙管は、使用後に再資
源化しようとしても、紙管を水で溶解し、叩解してパル
プの状態に簡単に戻すことができないため再資源化のコ
ストが増加するという問題がある。
【0006】更に、酢酸ビニル系エマルジョンから生成
される接着剤皮膜は熱可塑性である。そのため、酢酸ビ
ニル系エマルジョンを用いて製造された紙管は、酢酸ビ
ニルの軟化点以上の温度で使用されると、変形や強度の
低下を起すという問題がある。
【0007】この発明は、上記の問題点を解消するため
になされたものであり、紙管の製造時に適切な接着特性
を発揮し、且つ耐熱性および再資源化に優れた紙管の製
造方法、紙管および紙管用接着剤を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る紙管の製造方法は、クレーおよび炭酸カ
ルシウムのうちの少なくとも一方並びにアルカリ性水溶
液中で糊化された澱粉を含む紙管用接着剤を生成する工
程と、前記紙管用接着剤を紙に塗布しつつ棒状部材に前
記紙を巻きつけて連続的に紙管を製造する工程とを備え
たことを特徴とするものである。
【0009】本発明の前記紙管用接着剤は、耐熱性を有
し且つ再資源化に適した紙管を製造することにができ
る。
【0010】そして、前記クレーおよび炭酸カルシウム
は、紙管用接着剤が塗布された紙が棒状部材に巻きつけ
られるときに適切な初期接着特性が発揮されて巻きずれ
や紙管の変形を防止するように作用する。
【0011】前記紙管用接着剤を生成する工程に使用す
る澱粉には特に限定はないが、前記澱粉が酸化澱粉、酸
処理澱粉および酸焙焼澱粉のうちの少なくとも一つを含
むものを使用することが好ましい。これらの澱粉は処理
によって澱粉が低粘度化されているので、処理がなされ
ていない澱粉を添加する場合に比べて澱粉含有量を同じ
にしても粘度を低くすることができ、所定の粘度におい
て適当な初期接着強さが得やすくなる。なお、本発明に
おいて澱粉とはヨウ素澱粉反応を起こすものをいう。
【0012】前記アルカリ性水溶液としては、特に限定
はないが、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムな
ど工業的に汎用性の高い材料を使用することができるの
で、比較的安価に紙管を製造することができる。
【0013】前記紙管用接着剤を生成する工程におい
て、更に硼砂を加えると、初期接着強さを維持しつつ、
澱粉の含有割合を減らして粘度を調整し易くする。それ
により、紙管用接着剤を塗布した後、ワイヤーバーなど
で塗膜を均一化することが容易となり、製造方法の種類
を豊富にすることができる。
【0014】上記目的を達成する本発明の紙管は、積層
された紙の間に、クレーおよび炭酸カルシウムのうちの
少なくとも一方並びに澱粉を含むアルカリ性の紙管用接
着剤を備えたことを特徴とするものである。
【0015】また前記紙管に使用する本発明の紙管用接
着剤は、紙管の製造に用いられる紙管用接着剤であっ
て、クレーおよび炭酸カルシウムのうちの少なくとも一
方並びに、アルカリ性水溶液で糊化された澱粉を含むこ
とを特徴とするものである。
【0016】前記紙管用接着剤を生成する工程に使用す
る澱粉には特に限定はないが、酸化澱粉、酸処理澱粉お
よび酸焙焼澱粉からなる群から選ばれた1種以上の澱粉
を使用することが好ましい。これらの澱粉は処理によっ
て澱粉が低粘度化されているので、処理がなされていな
い澱粉を添加する場合に比べて澱粉含有量を同じにして
も粘度を低くすることができ、所定の粘度において適当
な初期接着強さが得やすくなる。
【0017】前記アルカリ性水溶液は、前記したとおり
特に限定はないが、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カ
リウムなど工業的に汎用性の高い材料を使用し安価な紙
管を製造することができる。
【0018】また前記紙管用接着剤に、更に硼砂を加え
初期接着強さを維持しつつ、澱粉の含有割合を減らして
粘度を調整し易くすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の一実施の形態により本発明を具体的に説明する。 (第1の実施の形態)本発明の紙管の製造方法に係る第
1の実施の形態は、図1〜3に示すとおり、紙管1を、
チャック8により支持された鉄芯2に、テープ状に裁断
された厚紙3,4を巻きつけた筒状部分15を機頭(駆
動用プーリー)7で駆動するエンドレスベルト6により
回転させることで、厚紙3, 4を鉄芯上に巻取りながら
矢印Aの方向に筒状部分を送りを掛けて製造する装置を
用いたものである。
【0020】まず、接着剤塗布部10でテープ状の厚紙
4に紙管用接着剤が塗布される。
【0021】接着剤塗布部10における紙管用接着剤の
塗布工程について図2および図3を用いて説明する。図
2に示すように、接着剤塗布部10は、受け皿12、塗
布ローラー13、および調整ローラー14を備える。
【0022】図2に示す受け皿12に供給される紙管用
接着剤11は、図3に示す工程を経て製造される。ま
ず、クレーおよび炭酸カルシウムのうちの一方並びに澱
粉を含む混合物を水の中で攪拌して混合液を生成した
後、混合液を徐々にアルカリ性にすることによって、澱
粉をアルカリ性水溶液中で糊化する。澱粉をアルカリ性
水溶液中で糊化することによって紙管用接着剤が得られ
る。
【0023】なお、この発明において澱粉とはヨウ素澱
粉反応を起こすものをいう。
【0024】図3の工程で製造された紙管用接着剤11
を、図2に示す接着剤塗布部10の受け皿12の中に供
給する。受け皿12の中の紙管用接着剤11は、塗布ロ
ーラー13により厚紙4の下面に塗布される。厚紙4に
紙管用接着剤11を塗布する際には、塗布ローラー13
に原紙5が密着するように原紙4に対し図示しないロー
ラーによってテンションをかける。
【0025】紙管用接着剤塗布後、厚紙3,4は、張力
を掛けられながら鉄芯2へ螺旋状に巻き付けられる。厚
紙3,4は、鉄芯2に巻き付けられることにより、筒状
に成形される。鉄芯2はチャック8により支持されてい
る。チャック8に装着されている鉄芯2を、径の異なる
ものや形の異なるものに付け替えることにより、さまざ
まな断面形状を有する紙管を製造することができる。
【0026】鉄芯2に巻き付けられて筒状に成形された
原紙3,4の筒状部分15の所定個所にエンドレスベル
ト6が巻き付けられている。エンドレスベルト6の巻き
付け方向は、鉄芯2の軸方向に対して斜めになってい
る。そのため、機頭7を矢印Bの方向に回転させてエン
ドレスベルト6を矢印Cの方向に動かすと、エンドレス
ベルト6と厚紙4の間に生じる摩擦力によって、筒状部
分15を鉄芯2の周りで矢印Dの方向に回転させつつ鉄
芯2の軸方向(矢印Aの方向)に進めることができる。
【0027】紙管用接着剤11を紙4に塗布した後は、
紙4を加熱することなく鉄芯2に巻きつけて紙管1を製
造することができる。例えば、段ボール用接着剤を用い
てダンボールが製造される場合には、熱が加えられる必
要のある場合が一般的である。
【0028】順次送り出された筒状部分15が所定長さ
に達したところでカッター5により一定の長さLに寸法
切りして紙管1が形成される。
【0029】その後、紙管1を室温で放置し、または温
度及び湿度が管理された環境下で保存することによって
紙管用接着剤11の乾燥が行われる。
【0030】本願発明の紙管用接着剤によれば、他の澱
粉系接着剤に比べ剪断力が強いので、酢酸ビニル系エマ
ルジョンを紙管用接着剤として用いた場合と同様に、張
力を掛けて鉄芯2に原紙3,4が螺旋状に巻き付けられ
るとき、あるいはエンドレスベルト6により厚紙4に力
が加わるとき、巻きずれを防止することができる。
【0031】また、本願発明の紙管用接着剤は、初期接
着強さが優れているので、カッター5により寸法切りさ
れた紙管1を乾燥する工程における変形を防止すること
ができる。例えば、寸法切りされた紙管1は、紙管用接
着剤が完全に乾燥するまでに、運搬や保管において変形
を引き起こされる力が加わるが、それらの力よりも大き
な初期接着強さを有していることによって所定の形状を
保つことができる。
【0032】特に、本願発明の紙管用接着剤を用いて製
造された紙管1は、酢酸ビニルのようなプラスチックを
用いていないため、比較的簡単にパルプの状態に戻すこ
とができ、再資源化が容易になる。
【0033】さらに、紙管1は、酢酸ビニルのような熱
可塑性樹脂を含まない澱粉系の紙管用接着剤で製造され
るので、耐熱性に優れたものとなる。 (第2の実施の形態)次に、この発明に係る第2の実施
の形態による紙管の製造方法について図4に基づいて説
明する。
【0034】第2の実施の形態による紙管の製造方法が
第1の実施の形態と異なるのは、接着剤塗布部の構成で
ある。
【0035】図4は、第2の実施の形態に用いられる接
着剤塗布部の構成を示す概略図であり、図3に示した部
材と同様の部材には同じ符号を付して説明を省略する。
即ち、第2の実施の形態においては、図3の図4の調整
ローラー14に代えてワイヤーバー24を用いたもので
ある。
【0036】実施の形態1で説明した接着剤塗布部10
は、塗布量が塗布ローラー13によって制御されつつ厚
紙4に紙管用接着剤を塗布するため、紙管用接着剤の粘
度は、500 m.Pa.s. 〜10000m.Pa.s.と比較的高くなけれ
ばならない。一方、第2の実施の形態による接着剤塗布
部10では、塗布ローラー13によって塗布した後、原
紙4に塗布された紙管用接着剤をワイヤーバー24で掻
き落として塗膜厚さを一定にするため比較的粘度が低く
なければならない。
【0037】ところが、粘度を低くするために澱粉の添
加量を減らすと、初期接着強さが低下するため、第2の
実施の形態における紙管用接着剤では、クレーおよび炭
酸カルシウムのうちの少なくとも一方と澱粉とからなる
混合物に加えて硼砂を添加する。その後、混合物を水の
中で攪拌して混合液を生成した後、混合液を徐々にアル
カリ性にすることによって、澱粉をアルカリ性水溶液中
で糊化する。澱粉をアルカリ性水溶液中で糊化すること
によって紙管用接着剤が得られる。このようにして得ら
れた第2の実施の形態における紙管用接着剤の粘度は、
50m.Pa.s. 〜2000 m.Pa.s.と比較的低く設定できる。
【0038】なお、上記の実施の形態1,2において、
澱粉として用いるものには、酸化澱粉、酸処理澱粉また
は酸焙焼澱粉が含まれていることが好ましい。
【0039】また、未加工の澱粉としては、ハイアミロ
ースコーンを用いることが好ましい。
【0040】また、アルカリ性水溶液は水酸化ナトリウ
ムまたは水酸化カリウムであることが好ましい。工業用
として汎用性の高い水酸化ナトリウムまたは水酸化カリ
ウムを用いることによりコストの削減を図ることができ
る。
【0041】以下実施例により本発明の紙管用接着剤お
よび紙管を具体的に説明する。 [実施例1]澱粉を30kg〜100kg 、水酸化ナトリウムを
0.4kg 以上、クレーを1kg〜8kg添加し、500 m.Pa.s.
〜10000m.Pa.s.の中の所定値に粘度が調整された紙管用
接着剤を250 kg製造し、その紙管用接着剤を用いて第1
の実施の形態による製造方法で紙管の製造を行った。こ
の場合、紙ずれおよび紙管の変形なく紙管を製造するこ
とができた。 [実施例2]澱粉を20kg〜80kg、水酸化ナトリウムを0.
5kg 以上、クレーを2kg〜20kg、硼砂を0.2 kg〜4kg添
加し、50m.Pa.s. 〜 2000m.Pa.s.の中の所定値に粘度が
調整された紙管用接着剤を 250kg製造し、その紙管用接
着剤を用いて第2の実施の形態による製造方法で紙管の
製造を行った。この場合、紙ずれおよび紙管の変形なく
紙管を製造することができた。 [比較例1]ノーキャリヤー法により製造された段ボー
ル用接着剤すなわち、澱粉を23,8wt%、水酸化ナトリウ
ムを0.6 wt%を含み(残部水)、500 〜600 m.Pa.s. に
粘度が調整された接着剤を用いて紙管の製造を行った。
この場合、紙ずれおよび紙管の変形が発生し、精度よく
紙管を製造することができなかった。 [比較例2]ステインホール法により製造された段ボー
ル用接着剤すなわち、澱粉を25wt%、水酸化ナトリウム
を0,6wt %添加し(残部水)、300 m.Pa.s. に粘度が調
整された接着剤を用いて紙管の製造を行った。この場
合、紙ずれおよび紙管の変形が発生し、精度よく紙管を
製造することができなかった。
【0042】実施例1の紙管用接着剤の中で、澱粉、ク
レー、粘度が中間的な値を有するものを選び、比較例
1,2の段ボール用接着剤と初期接着強さおよび剪断強
度の比較を行った。
【0043】剪断強度は、後述する試験片の作製、接着
条件および試験条件による圧縮剪断試験で測定した。試
験片および試験方法を図5および図6に示し、また、圧
縮剪断試験の結果を図6に示す。 (試験片の作製)図5に示すように、縦35mm、横24mm、
厚さ10mmの木材30に25×24mmの紙片31を木材用シア
ノアクリレート系接着剤32で接着固定して試験片33
a,33bを作製した。 (接着条件)試験片33a,33bそれぞれの紙片31
を接着する接着条件は、塗布量約 100g/m2 (ワイヤ
ーバー0.4 φ使用)、オープンタイム6秒、圧締圧力8
3.3g/cm2 とした。 (試験条件)オートグラフを用い、試験片33a,33
bの一方を台座34に固定し、図6に示すように試験片
33a,33bの接着部分にテストスピード3mm/min.
で荷重をかけ、同一条件で3回測定して平均値を算出し
た。圧締後解圧してから荷重がかかるまでの時間を30
秒とした。
【0044】圧縮剪断試験の結果から、比較例1,2の
段ボール用接着剤に比べ、実施例1の紙管用接着剤は、
圧締時間によるばらつきがあるものの30%程度剪断力が
向上している。
【0045】初期接着強さは、後述する条件で接着した
秤量 280g /m2 のライナーの剥離強度を初期接着強さ
(N/cm2 )として求めた。また、被着材の破断率(す
なわち破断した面積/接着材を塗布した面積)を接着率
として求めた。初期接着強さおよび接着率の測定結果を
図8に示す。初期接着試験の条件は、接着面積 12.3cm
2 、塗布量65.15 g/cm2 、圧締圧131.35g/cm2 、オ
ープンタイム6秒である。
【0046】図8から分かるように、比較例1,2の段
ボール用接着剤に比べ、実施例1の紙管用接着剤は、短
時間に初期接着強さおよび接着率が向上している。
【0047】以上のように、実施例1の紙管用接着剤
は、接着後からあまり時間が経過していない時点での剪
断力、初期接着強さおよび接着率が改善されているた
め、製造工程において巻ずれおよび紙管の変形を防止す
る性能に優れているものと考えられる。
【0048】また、実施例2の接着剤を用いてても同様
の結果が得られた。
【0049】さらに、実施例1および実施例2の接着剤
で製造された紙管の偏平圧縮強度および軸圧縮強度を求
めた。その結果、紙管の含水率を同じにした場合に、酢
酸ビニル系エマルジョンを接着剤として用いた紙管に比
べて、いずれの強度についても20〜30%程度向上した。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、接着成分
としてアルカリ性水溶液で糊化された澱粉を使用し、こ
れにクレーおよび炭酸カルシウムのうちの少なくとも一
方を加えた水溶液接着剤を使用したので、紙管用接着剤
が塗布された紙が棒状部材に巻きつけられるときに適切
な初期接着特性が発揮されて巻きずれや紙管の変形を防
止することができ、しかも得られた紙管は耐熱性を有し
且つ再資源化が容易となるという効果を奏することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による紙管製造装置
の構成の概要を示す平面図である。
【図2】図1に示す紙管製造装置の接着剤塗布部の一構
成を示す側面図である。
【図3】紙管用接着剤の製造工程を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による接着剤塗布部
の構成を示す側面図である。
【図5】圧縮剪断試験に使用した試験片を示す図であ
り、(a)は試験片の斜視図であり、(b)はその側面
図である。
【図6】圧縮剪断試験の状態を示す側面図である。
【図7】圧縮剪断試験の結果を示すグラフである。
【図8】初期接着強さの測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 紙管 2 鉄芯 3 厚紙 4 厚紙 5 カッター 6 エンドレスベルト 7 機頭 8 チャック 10 接着剤塗布部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小畑 臣子 大阪府大阪市中央区龍造寺町8番14号 昭 和プロダクツ株式会社内 (72)発明者 前田 徳三郎 大阪府大阪市中央区龍造寺町8番14号 昭 和プロダクツ株式会社内 (72)発明者 前田 成輝 三重県鈴鹿市長太栄町五丁目5番1号 敷 島スターチ株式会社技術開発部内 (72)発明者 出岡 淑 三重県鈴鹿市長太栄町五丁目5番1号 敷 島スターチ株式会社技術開発部内 Fターム(参考) 3E075 AA07 BA72 CA02 DC63 DD02 DD09 DD43 GA04 4J040 BA111 HA196 HA326 HA366 JA05 MA09 MB06 MB09 NA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーおよび炭酸カルシウムのうちの少
    なくとも一方並びにアルカリ性水溶液中で糊化された澱
    粉を含む紙管用接着剤を生成する工程と、前記紙管用接
    着剤を紙に塗布しつつ棒状部材に前記紙を巻きつけて連
    続的に紙管を製造する工程とを備えたことを特徴とする
    紙管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記紙管用接着剤が硼砂をさらに含むこ
    とを特徴とする、請求項1記載の紙管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記澱粉が酸化澱粉、酸処理澱粉および
    酸焙焼澱粉のうちの少なくとも一つを含むことを特徴と
    する、請求項1または2記載の紙管の製造方法。
  4. 【請求項4】 積層された紙の間に、クレーおよび炭酸
    カルシウムのうちの少なくとも一方並びに澱粉を含むア
    ルカリ性の紙管用接着剤を備えたことを特徴とする紙
    管。
  5. 【請求項5】 紙管の製造に用いられる紙管用接着剤で
    あって、クレーおよび炭酸カルシウムのうちの少なくと
    も一方並びに、アルカリ性水溶液で糊化された澱粉を含
    むことを特徴とする紙管用接着剤。
  6. 【請求項6】 硼砂をさらに含むことを特徴とする、請
    求項5記載の紙管用接着剤。
  7. 【請求項7】 前記澱粉が酸化澱粉、酸処理澱粉および
    酸焙焼澱粉のうちの少なくとも一つを含むことを特徴と
    する、請求項5または6記載の紙管用接着剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101802830B1 (ko) 2017-06-29 2017-11-29 김운곤 디스플레이 디바이스의 보호용 필름의 제조 방법
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