JP2002103209A - ウェハ研磨装置用テーブル - Google Patents
ウェハ研磨装置用テーブルInfo
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Abstract
優れ、大口径・高品質ウェハの製造に好適なウェハ研磨
装置用テーブルを提供すること。 【解決手段】 このウェハ研磨装置用テーブル2は、セ
ラミックス基材11A,11Bからなるテーブル本体
と、そのテーブル本体のパッド貼付面2aに粘着剤17
を介して着脱可能に貼り付けられる研磨パッド18とを
備える。その研磨パッド18に対して半導体ウェハ5を
摺接させることにより、半導体ウェハ5が研磨される。
パッド貼付面2aの表面粗さRaは0.15μm〜0.
3μmである。
Description
テーブルに関するものである。
して炭化珪素(SiC)が知られている。炭化珪素は、
熱伝導性、耐熱性、耐熱衝撃性、耐摩耗性、硬度、耐酸
化性、耐食性等に優れるという好適な特性を有する。
軸受等の耐磨耗材料をはじめとして、高温炉用の耐火
材、熱交換器、燃焼管等の耐熱構造材料、酸やアルカリ
に晒されやすいポンプ部品等の耐腐食材料など、広く利
用可能な材料であるといえる。また、近年では上記の諸
特性、特に高い熱伝導性に着目し、炭化珪素の多孔質体
を半導体製造装置(例えばウェハ研磨装置等)の構成材
料として利用しようとする動きがある。これに加え、炭
化珪素からなる多孔質体に存在する開放気孔中に金属を
含浸することによって、非含浸体よりもさらに熱伝導性
に優れた炭化珪素・金属複合体を製造することも提案さ
れている。
イス形成面を研磨するためのラッピングマシンやポリッ
シングマシンのことを指す。この装置は、プッシャプレ
ートと、炭化珪素・金属複合体からなる複数枚の基材か
らなるテーブル等を備えている。各基材同士は、積層さ
れた状態で樹脂製の接着剤により接合されている。テー
ブルにおける接合界面には流路が設けられ、その流路に
は冷却水が循環される。また、プレートの保持面には、
半導体ウェハが熱可塑性ワックス等を用いて貼り付けら
れる。回転するプレートに保持された半導体ウェハは、
研磨パッドが設けられたテーブル本体のパッド貼付面に
対して上方から押し付けられる。その結果、研磨パッド
に対して半導体ウェハが摺接することにより、ウェハの
片側面が均一に研磨される。そして、このときウェハに
発生した熱は、テーブル内を伝導した後、流路を循環す
る冷却水により装置の外部に持ち去られるようになって
いる。
性等の特性を有しており、このような基材を用いて構成
されたテーブルは、均熱性や熱応答性に優れたものとな
ると考えられる。従って、かかるテーブルを用いて研磨
を行えば、大口径・高品質の半導体ウェハが得やすくな
るものと考えられる。
種のテーブルの場合、テーブル本体のパッド貼付面に対
し、粘着材の粘着力によって研磨パッドが貼り付けられ
るようになっている。また、一定期間使用して古くなっ
た研磨パッドは、テーブル本体から剥がされて新しいも
のと交換されるようになっている。
繰り返して行うと、研磨パッドの密着性が次第に悪くな
ることに加え、研磨パッドを剥がす際にパッド貼付面か
ら加工変質層が脱落してパーティクルとなり、テーブル
の周囲が汚れやすくなる。
面に鏡面加工を施して加工変質層を除去すると、パーテ
ィクルの問題は解消される反面、粘着材の粘着力だけで
は研磨パッドを保持できなくなってしまう。従って、研
磨パッドの位置ズレや脱落が起こりやすくなり、半導体
ウェハの研磨作業に支障を来してしまう。
であり、その第1の目的は、パッド貼付面に対する研磨
パッドの密着性に優れ、大口径・高品質ウェハの製造に
好適なウェハ研磨装置用テーブルを提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、周囲を汚しにくいウェハ研
磨装置用テーブルを提供することにある。
めに、請求項1に記載の発明では、セラミックス基材か
らなるテーブル本体と、そのテーブル本体のパッド貼付
面に粘着剤を介して着脱可能に貼り付けられる研磨パッ
ドとを備え、その研磨パッドに対して半導体ウェハを摺
接させることにより前記半導体ウェハが研磨されるウェ
ハ研磨装置用テーブルにおいて、前記パッド貼付面の表
面粗さ(Ra)が0.15μm〜0.3μmであること
を特徴とするウェハ研磨装置用テーブルをその要旨とす
る。
て、前記パッド貼付面の表層における加工変質層の厚さ
が5μm以下であるとした。請求項3に記載の発明は、
請求項1または2において、前記セラミックス基材は炭
化珪素焼結体からなる基材であるとした。
のいずれか1項において、前記テーブル本体は、炭化珪
素焼結体からなる基材を複数枚積層した状態で互いに接
合したものであり、その界面には流体流路が形成されて
いるとした。
る。請求項1〜4に記載の発明によると、パッド貼付面
の表面粗さRaが0.15μm〜0.3μmであるた
め、パッド貼付面に対する研磨パッドの密着性に優れ、
大口径・高品質ウェハの製造に好適なものとなる。
着材の粘着力だけでは研磨パッドを保持できなくなり、
研磨パッドの位置ズレや脱落が起こりやすくなる。従っ
て、半導体ウェハの研磨作業に支障を来し、大口径・高
品質ウェハの製造が困難になるおそれがある。
ド貼付面に厚い加工変質層が残っている確率が高くな
る。ゆえに、研磨パッドの交換を何回か繰り返して行う
と、研磨パッドの密着性が次第に悪くなるおそれがあ
る。ゆえに、この場合には粘着材の粘着力だけでは研磨
パッドを保持できなくなり、研磨パッドの位置ズレや脱
落が起こりやすくなる。従って、半導体ウェハの研磨作
業に支障を来し、大口径・高品質ウェハの製造が困難に
なるおそれがある。また、研磨パッドを剥がす際にパッ
ド貼付面から加工変質層が脱落してパーティクルとな
り、テーブルの周囲が汚れやすくなるおそれがある。
落しやすい加工変質層がそもそも少なくなることによ
り、パーティクルの発生源が減少し、周囲を汚しにくく
なる。また、加工変質層の減少によってパッド貼付面に
おけるアンカー効果も高くなるため、パッド貼付面に対
する研磨パッドの密着性も向上する。なお、加工変質層
の厚さが5μmを超えると、パーティクルの発生を確実
に防止することが困難になるおそれがある。
焼結体は他のセラミックス焼結体に比べ、とりわけ熱伝
導性、耐熱性、耐熱衝撃性、耐摩耗性等に優れている。
従って、このような基材からなるテーブルを用いて研磨
を行えば、半導体ウェハの大口径化・高品質化に確実に
対応することができる。
形態のウェハ研磨装置1を図1,図2に基づき詳細に説
明する。
が概略的に示されている。同ウェハ研磨装置1を構成し
ているテーブル2は円盤状である。テーブル2はテーブ
ル本体と研磨パッド18とを備えている。図2(b)に
示されるように、テーブル本体の上面(パッド貼付面)
2aには、粘着材17を介して研磨パッド18が着脱可
能に貼り付けられている。ここでは、研磨パッド18と
してポリエステル繊維の不織布が用いられており、これ
以外にも例えばポリウレタン発泡体やフルオロカーボン
系発泡体等を用いてもよい。また、本実施形態のテーブ
ル2は、冷却ジャケットを用いることなく、円柱状をし
た回転軸4の上端面に対して水平にかつ直接的に固定さ
れている。従って、回転軸4を回転駆動させると、その
回転軸4とともにテーブル2が一体的に回転する。
置1は、複数(図1では図示の便宜上2つ)のウェハ保
持プレート6を備えている。プレート6の形成材料とし
ては、例えばガラスや、アルミナ等のセラミックス材料
や、ステンレス等の金属材料などが採用される。各ウェ
ハ保持プレート6の片側面(非保持面6b)の中心部に
は、プッシャ棒7が固定されている。各プッシャ棒7は
テーブル2の上方に位置するとともに、図示しない駆動
手段に連結されている。各プッシャ棒7は各ウェハ保持
プレート6を水平に支持している。このとき、保持面6
aはテーブル2の研磨面2aに対向した状態となる。ま
た、各プッシャ棒7はウェハ保持プレート6とともに回
転することができるばかりでなく、所定範囲だけ上下動
することができる。プレート6側を上下動させる方式に
代え、テーブル2側を上下動させる構造を採用しても構
わない。ウェハ保持プレート6の保持面6aには、半導
体ウェハ5が例えば熱可塑性ワックス等を用いて貼付さ
れる。半導体ウェハ5は、保持面6aに対して真空引き
によりまたは静電的に吸着されてもよい。このとき、半
導体ウェハ5における被研磨面5aは、テーブル2の研
磨面2a側を向いている必要がある。
ウェハプロセスにおけるスライス工程を経たものに対す
る研磨を行う装置である場合、ウェハ保持プレート6は
以下のようなものであることがよい。即ち、前記プレー
ト6は、研磨面2aに対して所定の押圧力を印加した状
態で半導体ウェハ5を摺接させるものであることがよ
い。このようなウェハ保持プレート6(つまりプッシャ
プレート)により押圧力を印加しても、エピタキシャル
成長層が形成されていないことから、同層の剥離を心配
する必要がないからである。この装置1がミラーウェハ
製造用のポリッシングマシン、即ち前記ラッピング工程
を経たものに対してエピタキシャル成長工程を実施する
ことなく研磨を行う装置である場合も、同様である。
製造用のポリッシングマシン、即ち前記ラッピング工程
を経たものに対してエピタキシャル成長工程を実施した
うえで研磨を行う装置である場合には、プレート6は以
下のようなものであることがよい。即ち、プレート6
は、研磨面2aに対して押圧力を殆ど印加しない状態で
半導体ウェハ5を摺接させるものであることがよい。シ
リコンエピタキシャル成長層は、単結晶シリコンと比べ
て剥離しやすいからである。この装置1が各種膜形成工
程後にケミカルメカニカルポリッシング(CMP)を行
うためのマシンである場合も、基本的には同様である。
説明する。図1,図2に示されるように、本実施形態の
テーブル本体は、複数枚(ここでは2枚)の基材11
A,11Bを積層してなるセラミックス構造体である。
上側基材11Aの裏面には、流体流路である冷却用水路
12の一部を構成する溝13が所定パターン状に形成さ
れている。2枚の基材11A,11B同士は、有機系接
着剤層14を介して互いに接合されることにより、一体
化されている。その結果、基材11A,11Bの接着界
面に前記水路12が形成される。下側基材11Bの略中
心部には、貫通孔15が形成されている。これらの貫通
孔15は、回転軸4内に設けられた流路4aと、前記水
路12とを連通させている。
基材11Aの裏面(即ち被接着面)を生加工後かつ焼成
前に研削加工することにより形成された研削溝である。
溝13の深さは3mm〜10mm程度に、幅は5mm〜20mm
程度にそれぞれ設定されることがよい。
5が形成されている。これらの貫通孔15は、回転軸4
内に設けられた流路4aと、前記水路12とを連通させ
ている。
セラミックス材料は、珪化物セラミックスまたは炭化物
セラミックスであることがよく、特には炭化珪素粉末を
出発材料とする炭化珪素焼結体(SiC焼結体)である
ことが望ましい。炭化珪素粉末を出発材料とする炭化珪
素焼結体は、他のセラミックス焼結体に比べ、とりわけ
熱伝導性、耐熱性、耐熱衝撃性、耐摩耗性等に優れてい
るからである。なお、本実施形態では、2枚の基材11
A,11Bの両方について同種の材料を用いている。
粉末、β型炭化珪素粉末、非晶質炭化珪素粉末等が用い
られる。この場合、一種の粉末のみを単独で用いてもよ
いほか、2種以上の粉末を組み合わせて(α型+β型、
α型+非晶質、β型+非晶質、α型+β型+非晶質、の
いずれかの組み合わせで)用いてもよい。なお、β型炭
化珪素粉末を用いて作製された焼結体は、他のタイプの
炭化珪素粉末を用いて作製された焼結体に比べて、多く
の大型板状結晶を含んでいる。従って、焼結体における
結晶粒子の粒界が少なく、熱伝導性に特に優れたものと
なる。
m3以上であることがよく、さらには3.0g/cm3以
上であることが望ましく、特には3.1g/ cm3以上
であることがより望ましい。密度が小さいと、焼結体に
おける結晶粒子間の結合が弱くなったり気孔が多くなっ
たりする結果、充分な耐食性、耐摩耗性を確保できなく
なるからである。
m・K以上であることがよく、さらには80W/m・K
〜200W/m・Kであることが望ましい。熱伝導率が
小さすぎると焼結体内に温度バラツキが生じやすくな
り、半導体ウェハ5の大口径化・高品質化を妨げる原因
となるからである。逆に、熱伝導率は大きいほど好適で
ある反面、200W/m・Kを超えるものについては、
安価かつ安定的な材料供給が難しくなるからである。
有機系接着剤層14は、エポキシ樹脂系の接着剤を用い
て形成されたものであることがよい。その理由は、当該
接着剤は熱に強いことに加えて接着強度にも優れるから
である。具体的にいうと、本実施形態では、エポキシ樹
脂に変形ポリアミン及び酸化ケイ素(SiO2)を所定
割合で混合したものを用いている。この接着剤は、水に
晒されても膨潤しにくいという好ましい性質を有してい
る。なお、前記接着剤には熱硬化性が付与されているこ
とがよい。
5μm〜0.3μmである必要があり、好ましくは0.
2μm〜0.3μmであることがよく、さらに好ましく
は0.25μm〜0.3μmであることがよい。
17の粘着力だけでは研磨パッド18を保持できなくな
り、研磨パッド18の位置ズレや脱落が起こりやすくな
る。従って、半導体ウェハ5の研磨作業に支障を来し、
大口径・高品質ウェハの製造が困難になるおそれがあ
る。
ド貼付面2aに厚い加工変質層16が残っている確率が
高くなる。ゆえに、研磨パッド18の交換を何回か繰り
返して行うと、研磨パッド18の密着性が次第に悪くな
るおそれがある。ゆえに、この場合には粘着材17の粘
着力だけでは研磨パッド18を保持できなくなり、研磨
パッド18の位置ズレや脱落が起こりやすくなる。従っ
て、半導体ウェハ5の研磨作業に支障を来し、大口径・
高品質ウェハの製造が困難になるおそれがある。また、
研磨パッド18を剥がす際にパッド貼付面2aから加工
変質層16が脱落してパーティクルとなり、テーブル2
の周囲が汚れやすくなるおそれがある。
工変質層16の厚さは5μm以下であることが好まし
く、さらには1μm以下であることがより好ましい。そ
の理由は、脆弱で脱落しやすい加工変質層16がそもそ
も少なくなることにより、パーティクルの発生源が減少
し、周囲を汚しにくくなるからである。また、加工変質
層16の減少によってパッド貼付面2aにおけるアンカ
ー効果も高くなるため、パッド貼付面2aに対する研磨
パッド18の密着性も向上するからである。なお、加工
変質層16の厚さが5μmを超えると、パーティクルの
発生を確実に防止することが困難になるおそれがある。
完全に除去されていることが望ましい。この場合、結晶
粒子の粒界が基材表層に露出し、そこに粘着材17が埋
まり込んだ状態となる結果、高いアンカー効果が得られ
るものと推定されるからである。ちなみに、加工変質層
16は、焼成工程後に面出し加工を行うことにより表層
に数十μm程度発生する。
に説明する。まず、炭化珪素粉末に少量の焼結助剤を添
加したものを均一に混合する。焼結助剤としては、ほう
素及びその化合物、アルミニウム及びその化合物、炭素
などが選択される。この種の焼結助剤が少量添加されて
いると、炭化珪素の結晶成長速度が増加し、焼結体の緻
密化・高熱伝導化につながるからである。
型成形を行うことにより、円盤状の成形体を作製する。
続いて、後に上側基材11Aとなるべき成形体の底面を
研削加工することにより、同面のほぼ全域に所定幅・所
定深さの溝13を形成する。さらに、この成形体を18
00℃〜2400℃の温度範囲内で焼成することによ
り、炭化珪素焼結体製の基材11A,11Bを2枚作製
する。この場合において焼成温度が低すぎると、結晶粒
径を大きくすることが困難となるばかりでなく、焼結体
中に多くの気孔が残ってしまう。逆に焼成温度が高すぎ
ると、炭化珪素の分解が始まる結果、焼結体の強度低下
を来してしまう。
し加工を行い、さらに上側基材11Aのパッド貼付面2
aにおける加工変質層16を薄くする(または完全に除
去する)処理を行う。かかる薄層化処理や除去処理の例
としては、研削加工機を用いた表面研削加工のような機
械的処理が挙げられる。なお、このような機械的処理を
行う代わりに、化学的処理を行ってもよい。本実施形態
においては、炭化珪素を溶解しうる酸性のエッチャント
を用いたエッチングが、前記化学的処理に該当する。よ
り具体的にいうと、ふっ硝酸に所定量の弱酸を混合した
エッチャントを用いたエッチングを指す。弱酸として
は、例えば酢酸などの有機酸が挙げられる。 ふっ硝酢
酸における各成分の重量比は、ふっ酸:硝酸:酢酸=
1:2:1であることが好ましい。
着剤をあらかじめ塗布したうえで、2枚の基材11A,
11B同士を積層する。この状態で2枚の基材11A,
11Bを樹脂の硬化温度に加熱し、両者11A,11B
を接着することにより、テーブル本体を得る。
に粘着材17を塗布して、その粘着材17の粘着力によ
って研磨パッド18をパッド貼付面2aに貼り付けて保
持させる。本実施形態のテーブル2は、以上の手順を経
て完成する。
かの実施例及び比較例を紹介する。 [実施例1]実施例1の作製においては、94.6重量
%のβ型結晶を含む炭化珪素粉末として、イビデン株式
会社製「ベータランダム(商品名)」を用いた。この炭
化珪素粉末は、1.3μmという結晶粒径の平均値を有
し、かつ1.5重量%のほう素及び3.6重量%の遊離
炭素を含有していた。
し、ポリビニルアルコール5重量部、水300重量部を
配合した後、ボールミル中にて5時間混合することによ
り、均一な混合物を得た。この混合物を所定時間乾燥し
て水分をある程度除去した後、その乾燥混合物を適量採
取しかつ顆粒化した。次いで、前記混合物の顆粒を、金
属製押し型を用いて50kg/cm2のプレス圧力で成
形した。得られた生成形体の密度は1.2g/cm3で
あった。
形体の底面を研削加工することにより、深さ5mmかつ
幅10mmの溝13を底面のほぼ全域に形成した。次い
で、外気を遮断することができる黒鉛製ルツボに前記生
成形体を装入し、タンマン型焼成炉を使用してその焼成
を行った。焼成は1気圧のアルゴンガス雰囲気中におい
て実施した。また、焼成時においては10℃/分の昇温
速度で最高温度である2300℃まで加熱し、その後は
その温度で2時間保持することとした。得られた基材1
1A,11Bを観察してみたところ、板状結晶が多方向
に絡み合った極めて緻密な三次元網目構造を呈してい
た。また、基材11A,11Bの密度は3.1g/cm
3 であり、熱伝導率は150W/m・Kであった。基材
11A,11Bに含まれているほう素は0.4重量%、
遊離炭素は1.8重量%であった。
を行った後、さらに薄層化処理として、ふっ硝酢酸をエ
ッチャントとして用いた化学的処理を行った。それによ
り、上側基材11Aのパッド貼付面2aの表面粗さRa
が0.3μmとなり、その表層にある加工変質層16の
厚さが5μmとなるように調整した。
「EP−160」、セメダイン社製)を用いて2枚の基
材11A,11Bを接着して一体化した。有機系接着剤
層14の厚さは約20μmに設定した。硬化温度は16
0℃、硬化時間は90分、接着時の荷重は10g/cm
2にそれぞれ設定した。
付面2aに粘着材17を塗布した後、研磨パッド18を
パッド貼付面2aに貼り付けて、最終的にテーブル2を
完成させた。
ル2を上記各種の研磨装置1にセットし、水路12内に
冷却水Wを常時循環させつつ、各種サイズの半導体ウェ
ハ5の研磨を行った。そして、各種の研磨装置1による
研磨を経て得られた半導体ウェハ5を観察したところ、
ウェハサイズの如何を問わず、ウェハ5には傷が付いて
いなかった。また、ウェハ5に大きな反りが生じるよう
なこともなかった。
を肉眼観察したところ、研磨パッド18の位置ズレや脱
落は特に起きていなかった。さらに、研磨パッド18の
交換を何回か繰り返して行いながら長期間にわたり使用
を続けたところ、やはり位置ズレや脱落が起こるような
ことはなかった。即ち、研磨パッド18の密着性低下が
防止され、密着性が確実に維持されていた。しかも、研
磨パッド18を剥がす際にパッド貼付面2aから加工変
質層16が脱落することも殆どなかった。
・高品質な半導体ウェハ5の製造に好適であることがわ
かった。 [実施例2〜6]実施例2〜6においても、基本的には
実施例1と同様の手順を経てテーブル2を完成させた。
の表面粗さRaが0.25μmとなり、その表層にある
加工変質層16の厚さが5μmとなるように調整した。
実施例3では、パッド貼付面2aの表面粗さRaが0.
2μmとなり、その表層にある加工変質層16の厚さが
5μmとなるように調整した。
さRaが0.15μmとなり、その表層にある加工変質
層16の厚さが5μmとなるように調整した。実施例5
では、パッド貼付面2aの表面粗さRaが0.25μm
となり、その表層にある加工変質層16の厚さが1μm
となるように調整した。
さRaが0.25μmとなり、その表層にある加工変質
層16の厚さが0.1μm未満となるように調整した。
得られた5種のテーブル2を上記各種の研磨装置1にセ
ットし、各種サイズの半導体ウェハ5の研磨を行ったと
ころ、前記実施例1とほぼ同様の優れた結果を得ること
ができた。つまり、これら実施例2〜6のテーブル2
も、大口径・高品質な半導体ウェハ5の製造に好適であ
ることがわかった。 [比較例1]比較例1では、面出し加工後に薄層化処理
を行わないことを除き、基本的には実施例1と同様の手
順を経てテーブル2を完成させた。その結果、パッド貼
付面2aの表面粗さRaは0.4μmであり、その表層
にある加工変質層16の厚さは30μmであった。
ル2を上記各種の研磨装置1にセットして研磨を行った
後、研磨パッド18の保持状態を肉眼観察したところ、
研磨パッド18の位置ズレや脱落は特に起きていなかっ
た。さらに、研磨パッド18の交換を何回か繰り返して
行いながら長期間にわたり使用を続けたところ、研磨パ
ッド18の密着性が次第に悪くなり、位置ズレが起こり
やすくなっていた。それに加え、研磨パッド18を剥が
す際にパッド貼付面2aから加工変質層16が脱落して
パーティクルとなり、テーブル2の周囲が汚れやすくな
っていた。 [比較例2]比較例2では、面出し加工後における薄層
化処理の代わりに鏡面加工を行うことを除き、実施例1
と同様の手順を経てテーブル2を完成させた。その結
果、比較例2では、パッド貼付面2aの表面粗さRaは
0.05μmであり、その表層にある加工変質層16の
厚さは0.1μmであった。
ル2を上記各種の研磨装置1にセットして研磨を行った
後、研磨パッド18の保持状態を肉眼観察した。その結
果、パッド貼付面2aに対する研磨パッド18の保持力
が不十分なものとなり、研磨パッド18に位置ズレが起
きやすかった。
以下のような効果を得ることができる。 (1)前記実施例のテーブル2の場合、パッド貼付面2
aの表面粗さRaが0.15μm〜0.3μmに設定さ
れている。このため、パッド貼付面2aに対する研磨パ
ッド18の密着性向上が図られ、研磨パッド18の位置
ズレや脱落が確実に防止される結果、半導体ウェハ5の
研磨作業に支障を来すことがなくなる。よって、大口径
・高品質ウェハの製造に好適なテーブル2とすることが
できる。
ッド貼付面2aの表層における加工変質層16の厚さが
5μm以下になっている。このため、脆弱で脱落しやす
い加工変質層16がそもそも少なくなり、パーティクル
の発生源が減少する。従って、周囲を汚しにくくてクリ
ーンなテーブル2を提供することができる。また、加工
変質層16が減少することによって、パッド貼付面2a
におけるアンカー効果も高くなる。ゆえに、パッド貼付
面2aに対する研磨パッド18の密着性もさらに向上す
る。
枚の基材11A,11Bは、いずれも炭化珪素粉末を出
発材料とする炭化珪素焼結体製の緻密体である。このよ
うな緻密体は、結晶粒子間の結合が強くてしかも気孔が
極めて少ない点で好適である。それに加えて、炭化珪素
粉末を出発材料とする炭化珪素焼結体は、他のセラミッ
クス焼結体に比べ、とりわけ熱伝導性、耐熱性、耐熱衝
撃性、耐摩耗性等に優れている。従って、このような基
材11A,11Bからなるテーブル2を用いて研磨を行
えば、半導体ウェハ5の大口径化・高品質化に確実に対
応することができる。
A,11Bの接着界面に存在する水路12に冷却水Wを
流すことができる。そのため、半導体ウェハ5の研磨時
に発生した熱をテーブル2から直接かつ効率よく逃がす
ことができ、しかも温度制御を細かく行うことができ
る。よって、冷却ジャケットにテーブル2を載せて間接
的に冷却を行う従来装置に比べ、テーブル2内の温度バ
ラツキが小さくなり、均熱性も確実に向上する。ゆえ
に、この装置1によれば、ウェハ5が熱による悪影響を
受けにくくなり、ウェハ5の大口径化に対応することが
できるようになる。しかも、ウェハ5を高い精度で研磨
することが可能となるため、高品質化にも対応すること
ができるようになる。
1A,11Bからなる積層構造が採用されている。よっ
て、水路12となる構造(即ち溝13)をあらかじめ上
側基材11Aの裏面に形成した後で、基材11A,11
B同士を接着することができる。従って、接着界面に水
路12を比較的簡単に形成することができる。よって、
テーブル2の製造に特に困難を伴うことがないという利
点がある。さらに、この構造であると、接合界面に配管
構造を追加する必要もないので、構造の複雑化や高コス
ト化も回避される。
装置1の場合、冷却ジャケット自体が不要になることか
ら、装置全体の構造が簡単になる。なお、本発明の実施
形態は以下のように変更してもよい。
体に代えて、3層構造をなすテーブルや、4層以上の多
層構造をなすテーブル本体にしても構わない。 ・ 溝13は上側基材11Aの裏面に形成されるばかり
でなく、下側基材11Bの上面に形成されていてもよい
ほか、両方の基材11A,11Bに各々形成されていて
もよい。
して、例えば窒化珪素(Si3N4)やサイアロン等を選
択してもよい。また、炭化珪素以外の炭化物セラミック
スとして、例えば炭化ホウ素(B4C)等を選択しても
よい。さらに、上側基材11A及び下側基材11Bは、
必ずしも同種のセラミックス同士でなくてもよく、異種
のセラミックス同士であってもよい。
って、水路12内に水以外の液体を循環させてもよく、
さらには気体を循環させてもよい。次に、特許請求の範
囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態
によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
記載のテーブルを製造する方法であって、面出し工程を
経たセラミックス基材の前記パッド貼付面に対し、表層
の加工変質層を薄くする薄層化処理(またはそれを完全
に除去する除去処理)を行う工程を含むことを特徴とす
るウェハ研磨装置用テーブルの製造方法。従って、この
技術的思想1に記載の発明によれば、本発明のテーブル
を比較的簡単に得ることができる。
た半導体ウェハの製造方法であって、前記流体流路に冷
却用流体を流しながら、前記研磨パッドの上面に対して
前記半導体ウェハを回転させつつ摺接させることによ
り、前記半導体ウェハの研磨を行う工程を、少なくとも
含むことを特徴とする半導体ウェハの製造方法。従っ
て、この技術的思想2に記載の発明によれば、パッド貼
付面に研磨パッドが確実に保持されるとともに、研磨時
にウェハが熱の悪影響を受けにくくなり、大口径・高品
質のウェハを確実に得ることができる。
載の発明によれば、パッド貼付面に対する研磨パッドの
密着性に優れ、大口径・高品質ウェハの製造に好適なウ
ェハ研磨装置用テーブルを提供することができる。
しにくいウェハ研磨装置用テーブルを提供することがで
きる。
研磨装置を示す概略図。
の要部拡大断面図、(b)はそのテーブル本体と研磨パ
ッドとの界面をさらに拡大して概念的に示した断面図。
2a…パッド貼付面、5…半導体ウェハ、11A,11
B…セラミックス基材、12…流体流路、16…加工変
質層、17…粘着材、18…研磨パッド。
Claims (4)
- 【請求項1】セラミックス基材からなるテーブル本体
と、そのテーブル本体のパッド貼付面に粘着剤を介して
着脱可能に貼り付けられる研磨パッドとを備え、その研
磨パッドに対して半導体ウェハを摺接させることにより
前記半導体ウェハが研磨されるウェハ研磨装置用テーブ
ルにおいて、前記パッド貼付面の表面粗さ(Ra)が
0.15μm〜0.3μmであることを特徴とするウェ
ハ研磨装置用テーブル。 - 【請求項2】前記パッド貼付面の表層における加工変質
層の厚さが5μm以下であることを特徴とする請求項1
に記載のウェハ研磨装置用テーブル。 - 【請求項3】前記セラミックス基材は炭化珪素焼結体か
らなる基材であることを特徴とする請求項1または2に
記載のウェハ研磨装置用テーブル。 - 【請求項4】前記テーブル本体は、炭化珪素焼結体から
なる基材を複数枚積層した状態で互いに接合したもので
あり、その界面には流体流路が形成されていることを特
徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のウェハ
研磨装置用テーブル。
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- 2000-09-22 JP JP2000288732A patent/JP3746948B2/ja not_active Expired - Lifetime
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