JP2002101868A - 固体支持体を用いた培養容器および培養装置 - Google Patents

固体支持体を用いた培養容器および培養装置

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JP2002101868A JP2000293959A JP2000293959A JP2002101868A JP 2002101868 A JP2002101868 A JP 2002101868A JP 2000293959 A JP2000293959 A JP 2000293959A JP 2000293959 A JP2000293959 A JP 2000293959A JP 2002101868 A JP2002101868 A JP 2002101868A
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Koichi Osuge
康一 大菅
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    • C12M25/14Scaffolds; Matrices
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    • C12M29/00Means for introduction, extraction or recirculation of materials, e.g. pumps
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス交換を容易に実施できる培養容器、特
に、固体支持体を用いた培養のガス交換を促進すること
が可能な培養容器を提供する。 【解決手段】 固体支持体を用いた培養容器であって、
中空の容器本体と、前記容器本体の内部に固定され、そ
こにおいて培養物が維持される固体支持体と、前記固体
支持体に接して配置され、そこを流体が通過する流体通
過部と、および前記流体通過部に対して流体を出し入れ
するための流体出入口とを具備する培養容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体支持体を用い
た培養用の培養容器および培養装置並びにこれらを使用
する培養方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生物細胞の培養には液体培地や固
体支持体が用いられている。例えば、図1aに示すよう
に、液体培養の場合には、液体培地に懸濁した細胞をフ
ラスコ内で振盪しながら培養する(図1a)。この場合
の振盪は、当該細胞の成長に必要な酸素等を供給するた
めに行われるものであり、これによって気相と液相との
ガス交換が円滑に行われる。一方、固体支持体を用いた
培養の場合には、例えば、図1bに示したように、培養
物は、シャーレ内の寒天等のゲル化剤中に埋め込まれて
培養されるか、或いは、ゼラチンまたはコラーゲン等で
容器表面をコーティングしたシャーレ等を用いて、コー
ティングした箇所に培養物を付着して培養される(図1
b)。従って、固体支持体を用いた培養では、液体培養
のような振盪を行うことはできない。即ち、固体支持体
を用いた培養系における気相と固体支持体との間のガス
交換は、培地表面でのみに限られてしまう。従って、固
体支持体を用いた培養は、液体培養に比べてガス交換効
率が極端に悪いことが問題となっている。
【0003】現在、多くの分野において、固体支持体を
用いた培養は欠くことのできない優れた技術とされ、広
く用いられている。例えば、ゲル化剤中に、個々の細胞
を固定して培養できるので、細胞における形態学的およ
び/または生理学的変化を経時的に観察する場合や、細
胞を単離する場合等に特に有利である。また、クリノス
タットに細胞を搭載しての培養する場合等、細胞の固定
が必須である場合には固体支持体は不可欠である。ここ
で、クリノスタットとは、細胞や組織を含む試料を三次
元方向に回転させることにより重力の方向性を相殺し、
地上で微少重力を模擬できる装置である。従って、何れ
の固体支持体を用いた培養であっても液体培養と同様
に、ガス交換が十分に行われることが望ましく、これを
達成できる技術の開発が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の状況に鑑み、本
発明の目的は、ガス交換を効率よく実施できる培養容
器、特に、固体支持体を用いた培養のガス交換を効率よ
く十分に行うことが可能な培養容器を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記に課題を解決するた
めに発明者らは、以下の手段を見出した。即ち、固体支
持体を用いた培養容器であって、中空の容器本体と前記
容器本体の内部の一部分を占め、且つその一部分で前記
容器本体に固定された固体支持体と、前記容器本体の内
部の前記固体支持体以外の部分をなす流体通過部と、お
よび前記流体通過部が接する前記容器本体に配置された
流体出入口とを具備する培養容器である。
【0006】
【発明の実施の形態】1.培養容器 本発明の第1の実施の態様を図2を用いて説明する。図
2には、本発明の培養容器13の側面図(図2の上図)
とその平面図(図2の下図)である。培養容器13は、
基本的に、細胞を培養するための固体支持体14と、流
体を流通することにより固体支持体14のガス交換等を
円滑に行うための流体通過部15および16と、並びに
前記流体を出し入れするための流体出入口17〜20を
具備する。
【0007】本容器本体は、プラスチック等の樹脂およ
びガラス等の一般的に培養に使用することが可能な材質
により形成することが可能である。その形状は、図2に
示すような、中空の直方体であっても(図2)、円筒
形、円錐形および球体であっても、または所望に応じた
如何様な形態であってもよい。その内部は中空である。
容器本体の大きさは所望に応じて選択することが可能で
ある。また、本培養容器本体は、それ自身公知の何れか
の手段により、固体支持体等の出し入れが可能であるよ
うに開閉が可能な構造になっていてもよく、または開閉
が不可能な構造になっていてもよいが、使用時には、圧
力または吸引力による流体出入口からの液体の流出入に
支障がないように気密性が保たれることが好ましい。
【0008】上記の固体支持体14は、容器本体の内部
に配置される。配置される位置は、例えば、図2の側面
図の通りである。即ち、容器本体が直方体である場合に
は、底面に平行な2つの面により、当該本体内部を3つ
の部分に分けたときに、得られる3部分の中央部分に当
たる部分を満たすように配置することが可能である(図
2)。固体支持体14が占める当該中央部分以外の部
分、即ち、上部分と下部分は、夫々に流体通過部15と
16とすることができる(図2)。しかしながら、固体
支持体の配置はこれに限定されるものではなく、容器本
体の底面に垂直な面に平衡となるように配置することも
可能である。或いは間に更なる流体通過部を具備して2
層以上の固体支持体を具備するように配置されてもよ
い。また、固体支持体14の配置は、容器本体の形状に
応じて変更できる。固体支持体14と夫々の流体通過部
の体積比は、所望に応じて変更することが可能である。
また例えば、固体支持体14が、容器本体の底部に接す
るように配置され、流体通過部が容器本体中に1つだけ
で配置されてもよい。或いは、固体支持体14がその一
部分により容器本体に固定され、固体支持体14の他の
部分は全て流体通過部に接するように配置されてもよ
い。
【0009】固体支持体14は、寒天およびゼラチン等
の一般的に培養に使用されるゲル化剤により液体培地を
固化することにより製造することが可能である。また、
所望に応じて、培地の組成、例えば、栄養源の種類およ
び濃度およびイオンの種類および濃度を選択することが
可能である。或いは、固体支持体14は、支持部材の表
面を、ゼラチンおよびコラーゲン等でコーティングして
製造することも可能である。このような支持部材は、プ
ラスチック等の樹脂およびガラス等の一般的に培養に使
用することが可能な材質により形成することが可能であ
る。
【0010】固体支持体14の容器本体への維持は、固
体支持体14の弾力性および強度を調節することによっ
て、固体支持体自身で支持することにより達成されても
よい。または、固体支持体14と流体通過部15および
16との間、或いは固体支持体と更なる流体通過部との
間を、フィルター等の膜状物、網状物、棒状物および穿
孔した板状物等の支持用部材を設けることにより支持し
てもよい。或いは固体支持体14の内部に前記支持用部
材を設けてもよい。
【0011】流体通過部15および16は、その内部が
液体または気体等の流体で満たされる。満たされた流体
は、効率のよいガス交換を可能にするために、持続的ま
たは断続的に流体通過部15および16から流出入され
ることにより交換される。
【0012】本発明において使用される液体は、各種液
体培地、各種緩衝液、生理食塩水および血清等、種々の
液体を使用することが可能である。本発明において使用
される気体は、酸素および窒素等の純粋な気体であって
も、空気、高分圧で酸素を含む空気および5%CO
気等の混合物であってもよい。また、液体である場合、
酸素および空気等のガスを通気した液体が使用可能であ
る。気体である場合には、固体支持体の乾燥を防ぐため
に加湿することも可能である。
【0013】ここで使用する「栄養源」の語は、酸素等
のガス、アミノ酸、ビタミンおよび糖等、培養中に培養
物が必要とする物質の全てを意味する。また、ここでい
う「培養中」とは、培養物の生育、成長および増殖等、
またはその生存が維持された状態を示す。従って、培養
の対象となる培養物に応じて、また、培養を行う者の目
的に応じて、如何なる物質も液体に添加してよく、それ
によって固体支持体14の培養物に供給することが可能
である。また、種々の実験に用いる場合には、何れの薬
物を同様に該液体に添加することも可能である。このよ
うな液体が固体支持体に接して通過することにより、培
養物は充分な栄養源を供給され、且つ二酸化炭素や他の
老廃物等は蓄積することなく除去される。
【0014】当該交換は、容器本体に配置された流体出
入口を経て行うことが可能である。当該流体出入口の位
置は、図2に示すように容器本体が直方体である場合に
は、その直方体を構成する側面の互いに向き合う2面に
おいて、流体通過部15または16を間に挟んで互いに
向き合うように、流体通過部毎に1組ずつ配置する(図
2)。これらの流体出入口を用いて、流体を出し入れす
ることが可能である。流体は、例えば、流体出入口17
および18から流入し、流体出入口19および20から
流出しても、またはその逆であっても、流体通過部15
と16における流体の流れが逆向きに設定されてもよ
い。
【0015】また、流体出入口の位置および数は、これ
に限定されるものではなく、所望に応じて変更すること
が可能である。例えば、本培養容器に具備される1つの
流体通過部に、即ち、流体通過部15および16並びに
更なる流体通過部に、各々少なくとも2つ1組で配置す
ることが可能である。その場合、各流体通過部を挟んで
向き合う位置であっても、容器本体を構成する1つの側
面に並んで配置されても、容器本体の上面と底面に2つ
1組で配置されてもよい。あるいは、流体の出入口を流
体通過部毎に1つだけ配置することも可能である。その
場合、当該1つの流体出入口によって、流体通過部内の
流体を交換すればよい。流体出入口を流体通過部毎に2
つ1組で配置することは、流体を効率よく交換するのに
有利であり、また後述の図3に示すように流体を還流系
を用いて管理することも可能であるので有利である。
【0016】2.培養装置 図2に示す本発明の培養容器は、上述した流体出入口1
7および18から流体を流入し、流体出入口19および
20から流体を流出することにより、十分に適切なガス
交換を行うことが可能である。各流体出入口には、夫
々、シリコンチューブおよびゴム管等の送流体管を接続
し、これを経て流体を輸送することが可能である。流体
の輸送は、ペリスターポンプおよびエアーポンプ等のポ
ンプを用いて行うことが可能であり、或いは他の手段に
より圧力を加えることにより、または吸引することによ
り達成することも可能である。
【0017】ここで、本発明の培養容器および培養装置
は、ヒト、ラット、ウサギ、モルモット、ブタ等の哺乳
類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類および昆虫等に由来す
る生物細胞、組織および器官等、並びに各種微生物、好
気性および嫌気性の何れの細菌等の種々の培養物に適用
することが可能である。本発明を使用すれば生産性が飛
躍的に向上する。
【0018】以下に、液体を用いる培養装置と気体を用
いる培養装置の例を図3から6を用いて説明する。
【0019】2−1.液体を用いる培養装置 図3に本発明の培養装置の好ましい態様の1例を示す。
図に示した培養装置は、培養容器21の流体通過部23
に液体、例えば、液体培地等を流すことにより円滑に固
体支持体42のガス交換を行える装置である。上述と同
様に培養容器21には、容器本体中央部に維持された固
体支持体22と、固体支持体22の2つの面に接して配
置された2つの流体通過部23とが具備される。各々の
流体通過部23には、夫々、流体流出入口が設けられて
いる。各流体流出口には、夫々に送液チューブ26が接
続されている。流体通過部23に含まれる液体は、送液
チューブ26bを経て流出し、物質交換手段24に回収
される。物質交換手段24において、細胞に必要な栄養
源等が供給される。例えば、細胞に必要であり且つ水や
培地に溶存させにくい酸素等のガスを飽和状体になるま
で供給することも可能である。尚、上述した通り、ここ
で使用されるガスは、酸素に限定するものではなく、所
望に応じた種々のガスを使用してよい。また、ガス以外
の物質もここで添加される。続いて、物質交換手段24
によって再生された液体は、送液チューブ26aを経て
培養容器21の流体通過部23に輸送される。送液は、
送液手段25により行うことが可能である。
【0020】ここで、物質交換手段24は、以下の手段
の少なくとも1を備えるものである;(1)栄養源等の
培養物に必要な物質を液体に添加する手段、(2)培養
物に必要なガスを液体に溶解する手段、(3)老廃物等
の培養物から放出された物質を液体から除去、例えば、
吸着または分離により除去する手段、(4)ガスや揮発
性物質等の培養物から放出された物質を液体から例え
ば、換気等により除去する手段。
【0021】また、本発明の更なる好ましい態様の1例
では、更に図4に示すように、還流系を具備していなく
てもよい。即ち、溶液保持部34に含まれる液体は、送
液チューブ36を経て、送液手段35によって培養容器
31の流体通過部33に送液される。流体通過部31に
おいて固体支持体32からの除去されるべき物質および
/またはガスを回収し、また、固体支持体32に対して
供給されるべき物質および/またはガスを供給した後の
液体は、液体流出口37から排出される(図4)。
【0022】図5に本発明の培養装置の更なる好ましい
態様の1例を示す。図5に示した培養装置もまた、培養
容器41の流体通過部43に液体を流すことにより円滑
に固体支持体42のガス交換を行える装置である。上述
と同様に培養容器41には、容器本体中央部分に維持さ
れた固体支持体42と、固体支持体42の2つの面に接
して配置された2つの流体通過部43とが具備される。
各々の流体通過部43には、夫々、流体流出入口が設け
られている。各流体流出口には、夫々に送液チューブ4
7が接続されている。更に、全ての送液チューブはガス
交換器44に接続されている。ガス交換器と流体通過部
43との間での液体の輸送は、少なくとも1ヶ所にポン
プを設置することにより行うことが可能である。
【0023】液体のガス交換を行うためのガス交換器4
4では、容器内の液体に対して一般的な手段によって所
望の気体を通気することにより、使用した液体のガス交
換を行って新鮮な状態に再生することによって再び利用
する。ガスの通気は、エアーポンプ49を用いて空気を
供給することによって行ってもよく、および/または空
気や酸素ボンベ等のボンベ50を用いることによって行
ってもよく、または前述の何れかの手段により供給され
る気体をガス混合器46で混合した後に通気してもよ
い。余剰のガスおよび排出されたガス等の気体は排気口
51から排気される。また、ガス交換器44において他
の栄養源を供給されてもよい。
【0024】このような培養装置の使用例を以下に示
す。培養容器中の固体支持体42に所望する培養物を埋
め込に播種する。播種は、流体流出入口から行っても、
何れかの位置に設けられた播種用口(図示せず)より行
ってもよく、或いは容器本体の一部分を開閉可能に設計
したならば、その部分を用いて行ってもよい。またこの
とき、必要に応じて、固体支持体42を、予め液体培地
を還流することにより平衡化しておいてもよい。培養容
器41内の流体通過部43に満たされた液体培地は、続
いて、ポンプ48により送液チューブ47aを経てガス
交換器44に送液される。
【0025】エアーポンプ49により供給される空気
と、ボンベ50から供給される酸素とがガス混合器46
により混合され、得られた酸素富化ガスが供給管45に
よりガス交換器44に送られ通気が達成される。ガス交
換器44でガス交換された液体培地は、ポンプ48によ
り、送液チューブ47bを得て再び培養容器41に送ら
れる。このような液体培地の循環は、必要に応じて、連
続して行っても断続的に行ってもよい。また、所望の場
所にフィルター等を具備し、コンタミネーション等を防
止することも可能である。
【0026】本発明の培養容器および培養装置を使用す
ることによって、固体支持体のガス交換が促進される。
細胞増殖に必要なガス成分、例えば、酸素等を豊富に含
み、且つ細胞増殖を阻害するガスや揮発性成分を除去し
た液体培地を、実際に細胞を培養する固体支持体に送液
し、接触させ、取り除くことによって、また、前記液体
培地について常にガス交換を行い、常に新鮮な液体培地
を還流することによって、細胞を具備する固体支持体の
ガス交換を促進することが可能である。また、常に充分
な栄養源を含有する新鮮な液体を通液することにより、
固体支持体に維持される培養物を、常に良好な環境に維
持することが可能である。
【0027】2−4.気体を用いる培養装置 上記の図3から5の何れかに示したような本発明の培養
装置は、流体として液体を用いた例として記載したが、
これらの装置において、気体を使用することも可能であ
る。また、以下のような構成にすることも可能である。
【0028】図6に本発明の更なる1例を示す。図6に
示した培養装置は、培養容器61の流体通過部63に気
体を流通ことにより円滑に固体支持体のガス交換を行え
る装置である。例えば、空気を気体として使用する場
合、気体輸送手段64により空気を本装置に送り込む。
ガスの切り替え、および複数種類のガスの混合は、物質
交換手段65により行うことが可能である。この場合、
物質交換手段65は、ガス混合器とも称することも可能
であろう。流速および流量等は気体輸送手段64で、ま
た気体の組成等は物質交換手段65により調節および設
定することが可能である。所望に応じて気体輸送手段6
4および物質交換手段65により調整された気体は、続
いて水蒸気飽和器66により加湿された後、流体通過部
63に送気され、流体出入口67から排気される。
【0029】図7に本発明の更なる1例を示す。図7に
示した培養装置は、培養容器71の流体通過部73に気
体を流通ことにより円滑に固体支持体のガス交換を行え
る装置である。上述した図2に示す容器と同様の培養容
器71には、容器本体中央部分に維持された固体支持体
72と、固体支持体72で形成される2つの面の上下に
接して配置された2つの流体通過部73とが具備され
る。各々の流体通過部73には、夫々、流体流出入口が
設けられている。流体流入口にはチューブが接続され、
そこから、流体通過部73に気体が送達される。送られ
る気体は、エアーポンプ74を用いて空気を供給するこ
とによって行ってもよく、および/または空気や酸素ボ
ンベ等のボンベ75を用いることによって行ってもよ
く、または上述の何れかの手段により供給される気体を
ガス混合器76で混合した後に通気してもよい。ガス混
合器76で混合された気体は、水蒸気飽和器78を通過
させることにより加湿してもよい。このように培養容器
71の流体通過部73に送られた気体は、流体流出口7
7から排出される。
【0030】このような培養装置の使用例を以下に示
す。培養容器中の固体支持体72に所望する培養物を埋
め込むことによって播種する。このとき、必要に応じ
て、固体支持体72を、予め気体を還流することにより
平衡化しておいてもよい。
【0031】エアーポンプ74により供給される空気
と、ボンベ75から供給される酸素とがガス混合器76
により混合され、エアーポンプとボンベの圧力により、
ビーカーに水を入れて密閉することにより作製した水蒸
気飽和器78を通過させ、更に、培養容器71の流体通
過部73に送気する。培養容器71内のでガス交換され
た液体培地は、続いて送気される気体に押されて、流体
流出口77から排気される。
【0032】本発明の培養容器および培養装置を使用す
ることによって、固体支持体のガス交換が促進される。
また、細胞増殖に必要なガス成分、例えば、酸素等を豊
富に含む気体を供給することが可能である。更に、細胞
増殖を阻害するガスや揮発性成分を、送気された気体に
より効率よく除去できるため、従来に比較してより好ま
しい環境下で、培養物を固体支持体を用いた培養するこ
とが可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明の培養容器および培養装置を使用
することによって、固体支持体のガス交換が促進され
る。また、培養物の成長および発達等に必要な種々の栄
養源を補給することが可能である。
【0034】本発明の培養容器および培養装置を使用す
ることによって、固体支持体を用いた培養において、培
養物に必要な栄養源の供給が可能である上に、細胞増殖
を阻害するガスおよび/または培養物の老廃物等を効率
的に除去することも可能である。
【0035】このように、従来の技術に比較し、本発明
を使用することにより、培養物にとってより好ましい環
境下において培養を行うことが可能であり、それにより
良好な培養物の成長または増殖が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の培養容器を示す図。
【図2】本発明の培養容器の好ましい実施の態様を示す
図。
【図3】本発明の培養装置の好ましい実施の態様を示す
図。
【図4】本発明の培養装置の好ましい実施の態様を示す
図。
【図5】本発明の培養装置の好ましい実施の態様を示す
図。
【図6】本発明の培養装置の好ましい実施の態様を示す
図。
【図7】本発明の培養装置の好ましい実施の態様を示す
図。
【符号の説明】
1.フラスコ 2.液体培地 3.栓 11.シ
ャーレ 12.固体支持体 13.培養容器 1
4.固体支持体 15.流体通過部 16.流体通
過部 17.流体流出入口 18.流体流出入口
19.流体流出入口 20.流体流出入口 2
1.培養容器 22.固体支持体 23.流体通過
部 24.物質交換手段 25.送液手段 2
6.送液チューブ 31.培養容器 32.固体支
持体 33.流体通過部 34.液体保持部 3
5.送液手段 36.送液チューブ 37.液体流
出口41.培養容器 42.固体支持体 43.流
体通過部 44.ガス交換器 45.供給管 4
6.ガス混合器 47.送液チューブ 48.ポン
プ 49.エアーポンプ 50.ガスボンベ 5
1.流体流出口 61.培養容器 62.固体支持
体 63.流体通過部 64.気体輸送手段 6
5.ガス混合器または物質交換手段 66.水蒸気飽
和器 67.流体流出口 71.培養容器 7
2.固体支持体 73.流体通過部 74.エアーポンプ 75.ボンベ 76.ガス混
合器 77.流体流出口 78.水蒸気飽和器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体支持体を用いた培養容器であって、
    中空の容器本体と、前記容器本体の内部に固定され、そ
    こにおいて培養物が維持される固体支持体と、前記固体
    支持体に接して配置され、そこを流体が通過する流体通
    過部と、および前記流体通過部に対して流体を出し入れ
    するための流体出入口と、を具備する培養容器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の培養容器と、前記流体
    通過部を流体が通過するための流体輸送手段と、および
    前記流体に対して栄養源を供給する手段と、を具備する
    培養装置。
  3. 【請求項3】 前記流体が、気体または液体の何れかで
    あることを特徴とする培養容器。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の培養装置を用いて培養
    する方法であって、前記固体支持体に培養物を播種する
    ことと、前記流体通過部に気体を流すことと、および前
    記気体に加湿することと、を具備する方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の培養装置を用いて培養
    する方法であって、前記固体支持体に培養物を播種する
    ことと、前記流体通過部に液体を流すことと、および前
    記液体に栄養源を供給することと、を具備する方法。
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