JP2002100498A - X線診断装置 - Google Patents

X線診断装置

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JP2002100498A
JP2002100498A JP2000286596A JP2000286596A JP2002100498A JP 2002100498 A JP2002100498 A JP 2002100498A JP 2000286596 A JP2000286596 A JP 2000286596A JP 2000286596 A JP2000286596 A JP 2000286596A JP 2002100498 A JP2002100498 A JP 2002100498A
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tube
power supply
deterioration
ray tube
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JP2000286596A
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Takeshi Okamoto
剛 岡本
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧電源周りの故障による装置の停止を未然
に防ぐとともに、故障の場合も短時間で修復できるよう
にする。 【解決手段】 X線透視撮影装置は、X線管1のX線曝
射ごとの管電圧を管電圧実測部22で、管電流を管電流
実測部23で、放電を放電検出部24でそれぞれ検出し
てCPU12に送る。CPU12では、曝射データメモ
リ25に撮像条件として予め設定された管電圧・管電流
を読み出し実測値と比較する。結果、実測値が設定許容
範囲を越えている場合もしくは放電が検出された場合
は、電話回線を介しX線管1の劣化・放電の検出・通知
を自動的に保守担当部門に連絡する。つまり、X線管1
の劣化の段階で修理技術者が迅速に対応が可能なので、
高圧電源2周りの故障による装置の停止を未然に防げ
る。また、高圧電源2まわりの異常の場合も短時間で修
復することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医療分野で用い
られているX線透視撮影装置などのX線診断装置に係
り、特に高圧電源まわりの故障に至る異常発生を未然に
防ぐとともに、異常発生の場合も短時間で修復されるよ
うにするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】病院等で使われているX線透視撮影装置
などのX線診断装置は、X線撮影のために被検体へX線
を曝射するX線管と、X線発生に必要な電力をX線管に
供給する高圧電源とを備えている。X線撮影の際には、
撮影条件に従って設定される管電圧・管電流に応じて高
圧電源よりX線管に電力供給が行われて被検体にX線が
曝射されるように構成されている。しかし、高圧電源ま
わりに異常が起こるとX線管へ電力が正常に供給されな
くなり、適正なX線撮影が行えない。
【0003】そこで、従来のX線診断装置の場合、高圧
電源は自らのまわりの異常を検出する自己診断機能を備
えており、この自己診断機能により異常が検出される
と、高圧電源まわりに異常のあったことがコンソール盤
面に表示される構成になっている。検出された異常が安
全性に係わることであれば、装置自体がX線曝射を強制
的にストップすることもある。一方、コンソール盤面に
高圧電源まわりの異常が表示されるとオペレータは直ち
に保守担当部門(通常はメーカーの修理サービス部門)
へ連絡を取る。オペレータからの連絡を受けて来たサー
ビスマン(修理技術者)は、異常の原因を究明するとと
もに、修理作業を行って、装置を正常な状態に復帰させ
る。異常は、電源装置自体の故障が原因で起こる場合だ
けでなく、X線管の不良が原因で起こることもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、上記従来のX線診断装置では、高圧電
源まわりで異常が起こって始めてコンソール盤面に表示
されるので、異常が表示された時点では既に装置はX線
撮影ができない状態となっている。そのため、修理が完
了するまでは装置の稼働は停止したままとなる。従っ
て、高圧電源まわりの異常は未然に防止することが望ま
れる。それに、サービスマンはユーザー側の担当者から
異常発生の通知を受けてから現地に来て、異常状況を確
認しながら異常原因を究明した上で修理をすることにな
るので、異常原因の特定および装置の修理に時間がかか
る。つまり、異常発生の場合、短時間で修復させること
は難しい現況にある。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、高圧電源まわりの異常発生を未然に
防ぐとともに、異常発生の場合も短時間で修復すること
ができることを主たる目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明は、X線撮影のために被検体
へX線を曝射するX線管と、X線発生に必要な電力をX
線管に供給する高圧電源とを備え、撮影条件に従って設
定される管電圧・管電流に応じて高圧電源よりX線管に
電力供給が行われるように構成されたX線診断装置にお
いて、(a)高圧電源まわりの異常を検出する電源異常
検出手段と、(b)X線曝射ごとの電力供給状況に基づ
いてX線管の劣化を検出するX線管劣化検出手段と、
(c)高圧電源まわりの異常またはX線管の劣化が検出
された場合に高圧電源まわりの異常またはX線管の劣化
があったことを保守情報として通信回線を通じ保守担当
部門側へ自動的に通知する保守情報通知手段とを備えて
いる。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
のX線診断装置において、(d)前記保守情報通知手段
は、高圧電源まわりの異常とX線管の劣化の保守情報を
区別して通知するように構成されている。
【0008】また、請求項3の発明は、請求項1または
2に記載のX線診断装置において、(e)前記X線管劣
化検出手段は、管電圧の設定値と実測値との差が所定範
囲を越える現象、管電流の設定値と実測値との差が所定
範囲を越える現象、X線管で放電が生じる現象のうち少
なくともいずれか一つの現象が起これば、X線管の劣化
として検出するように構成されている。
【0009】また、請求項4の発明は、請求項3に記載
のX線診断装置において、(f)前記X線管劣化検出手
段は、各X線曝射における管電圧の設定値と実測値、管
電流の設定値と実測値、放電の有無を曝射データとして
記憶するX線曝射データメモリを備えるとともに、前記
保守情報通知手段は、通信回線を通じて受信した保守担
当部門側からの要請に応じて記憶されている曝射データ
を通信回線を通じて保守担当部門側へ送信するように構
成されている。
【0010】〔作用〕この発明の作用は次のとおりであ
る。すなわち、請求項1に記載のX線診断装置では、電
源異常検出手段により高圧電源まわりの異常の有無がチ
ェックされるとともに、X線管劣化検出手段によりX線
曝射ごとの電力供給状況に基づいてX線管の劣化の有無
がチェックされる。そして、高圧電源まわりの異常、ま
たはX線管の劣化の少なくともいずれか一方が検出され
た場合は、保守情報通知手段により速やかに保守情報と
して通信回線を通じ保守担当部門側へ自動的に通知され
る。
【0011】したがって、請求項1の発明のX線診断装
置では、X線曝射ごとの電力供給状況に基づくX線管の
劣化の検出と保守担当部門側への通知とが自動的に行わ
れる。そのため、完全な故障に至るまでのX線管の劣化
の段階で修理技術者が迅速に対応することができるの
で、高圧電源まわりの異常発生を未然に防げる。そのた
め、装置の稼働停止を招かずに済む。また、高圧電源ま
わりの異常の検出と保守担当部門側への通知とが自動的
に行われ、修理技術者が異常事態に迅速に対応すること
ができるので、高圧電源まわりの異常の修理の場合も短
時間で修復させられる。
【0012】また、請求項2の発明のX線診断装置で
は、保守情報通知手段が、高圧電源まわりの異常とX線
管の劣化の区別が付く保守情報を保守担当部門側へ通知
するので、保守担当部門側では保守情報を送信して来た
X線診断装置に、高圧電源まわりの異常とX線管の劣化
のどちらが起こったのかを区別して知ることができる。
すなわち、装置の状況に応じた的確な対応が迅速に行わ
れる。
【0013】また、請求項3の発明のX線診断装置で
は、管電圧の設定値と実測値との差が所定範囲を越える
現象か、管電流の設定値と実測値との差が所定範囲を越
える現象、X線管で放電が生じる現象のうち少なくとも
いずれか一つの現象が起これば、X線管劣化検出手段に
よりX線管の劣化が検出される。管電圧の設定値と実測
値との差が所定範囲を越える現象、管電流の設定値と実
測値との差が所定範囲を越える現象、X線管で放電が生
じる現象は、いずれもX線管の劣化と強く結び付いてい
る現象である。これら3つの現象に基づいて、X線管の
劣化を検出する請求項3の発明のX線診断装置の場合
は、X線管の劣化についての検出結果は信頼性が高い。
【0014】また、請求項4の発明のX線診断装置で
は、X線管劣化検出手段によって、各X線曝射における
管電圧の設定値と実測値、管電流の設定値と実測値、放
電の有無が曝射データとしてX線曝射データメモリに記
憶される。そして、この記憶された曝射データは、保守
情報通知手段により、通信回線を通じて受信した保守担
当部門側からの要請に応じて通信回線を通じて保守担当
部門側へ送信される。したがって、保守担当部門側では
送信されて来た曝射データからX線管の劣化状況、或い
は、高圧電源まわりの異常状況を具体的に把握すること
ができるので、修理技術者はX線管の劣化や高圧電源ま
わりの異常状況に対し的確に対応することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明のX線診断装置の実施形
態を図面を参照しながら説明する。図1は実施例のX線
透視撮影装置の全体構成を示すブロック図、図2は高圧
電源まわりの構成を示すブロック図である。
【0016】実施例のX線透視撮影装置は、図1に示す
ように、病院等の医療機関側に設置されており、X線撮
影のために被検体MへX線を曝射するX線管1と、X線
発生に必要な電力をX線管1に供給する高圧電源2を備
えているとともに、天板3の上の被検体Mを挟んでX線
管1と対抗配置されたイメージインテンシファイア等の
X線検出器4を備えている。そして、撮影条件に従って
コンソール5に配設された操作卓6などから入力設定さ
れる管電圧・管電流に応じて高圧電源2よりX線管1に
電力供給が行われてX線が被検体Mへ照射される。この
X線照射に伴いX線検出器4から出力されるX線検出デ
ータに基づいて作成されるX線透視画像がコンソール5
に配設されたモニタ7の画面に映し出される構成となっ
ている。
【0017】そして、実施例装置の高圧電源2は、図2
に示すように、制御部10および昇圧部11とからな
り、制御部10には高圧電源稼働用のマイクロコンピュ
ータ(CPU)12や管電圧帰還部13、および管電流
帰還部14が設けられている。一方、昇圧部11には陽
極・陰極間に印加する高圧発生用のインバータ回路15
および高圧トランス16、並びに、フィラメント加熱の
ための電圧発生用のインバータ回路17およびフィラメ
ントトランス18が設けられている。
【0018】また、昇圧部11には出力電圧を分圧して
取り出すための直列接続の抵抗器19,20が設けられ
ているとともに、出力電流検出用の抵抗器21が設けら
れている。抵抗器19,20で分圧された電圧は、制御
部10の側に設けられた管電圧実測部22を介してCP
U12と管電圧帰還部13に実測管電圧として送り込ま
れる。このとき、同時に、抵抗器21により検出された
電流は、制御部10の側に設けられた管電流実測部23
を介してCPU12と管電流帰還部14に実測管電流と
して送り込まれる構成となっている。
【0019】一方、管電圧帰還部13にはCPU12か
らアナログ変換された設定管電圧に相当するアナログ信
号(以下、便宜上「設定管電圧」と略記する)が送り込
まれる。他方、管電流帰還部14にはCPU12から設
定管電流に対応するアナログ信号(以下、便宜上「設定
管電流」と略記する)が送り込まれている。そして、高
圧電源2では、管電圧帰還部13が設定管電圧と実測管
電圧を比較しながらインバータ回路15を駆動すること
により高圧トランス16を経てX線管1の陽極・陰極間
に40kV〜150kVの高電圧の電力を印加供給する
とともに、管電流帰還部14が設定管電流と実測管電流
を比較しながらインバータ回路17を駆動することによ
りフィラメントトランス18を経てX線管1のフィラメ
ントに加熱用の電力を印加供給する構成となっている。
【0020】なお、抵抗器19,20で分圧された電圧
は放電検出部24にも送り込まれており、放電検出部2
4は実際の出力電圧の一時的な急変化を捉えることによ
りX線管1に放電が生じたことを感知する。そして、放
電検出部24は放電を感知すると、CPU12へ放電感
知信号を送出するように構成されている。また、CPU
12は1回のX線曝射期間中に実測管電圧および実測管
電流を何度もサンプリングしてデジタル信号に変換した
上で平均をとり、時間的な変動の影響を除いてデジタル
形式の実測管電圧と実測管電流の各データを得るように
構成されている。
【0021】そして、実施例装置の高圧電源2は、曝射
データを記憶する曝射データメモリ25を備えており、
この曝射データメモリ25にはアナログ変換前のデジタ
ル形式の設定管電圧および設定管電流や、平均化後のデ
ジタル形式の実測管電圧および実測管電流や、放電の有
無が、各曝射ごとの電力供給状況を示す曝射データとし
て記憶される。さらに、管電圧および管電流の設定値と
実測値との差を示す誤差データ(実測値/設定値×10
0%)もCPU12により算出されて記憶される構成と
なっている。つまり、曝射データメモリ25では、図3
に示すように、日付と共に各曝射データが曝射ごとに記
録されてゆく。
【0022】さらに、実施例装置の場合、図2に示すよ
うに、高圧電源2まわりの異常を検出する電源異常検出
部26(電源異常検出手段)を備えており、例えば、高
圧電源2の高電圧が全く発生しない異常状態、X線管1
に管電圧はかかっても管電流が全く流れない異常状態、
或いは、高圧電源2の出力電圧や出力電流が正常範囲を
逸脱している異常状態、或いは、CPU12の設定管電
圧ないし設定管電流が上限の管電圧や管電流を越えた正
常範囲を逸脱したものである異常状態などを検出するよ
う構成されている。なお、高圧電源2の出力電圧や出力
電流が正常範囲を逸脱している場合、或いは、CPU1
2の設定管電圧ないし設定管電流が上限の管電圧や管電
流を越えた正常範囲を逸脱している場合は、高圧電源2
を強制的に直ちにオフにするよう構成されてもいる。な
お、この電源異常検出部26により検出される高圧電源
2まわりの異常は、高圧電源2自体の故障が原因で起こ
るものだけでなく、X線管1の故障が原因で起こるもの
も含まれる。
【0023】さらに、実施例装置の場合、図2に示すよ
うに、曝射データメモリ25に記憶されているX線曝射
ごとの曝射データに基づいてX線管1の劣化を検出する
X線管劣化検出部27(X線管劣化検出手段)を構成上
の特徴として備えている。X線曝射があるごとに管電圧
または管電流の誤差が例えば±25%を越えたか否か、
放電は有無を逐次チェックし、管電圧または管電流の誤
差が±25%を越えているとき、または放電が有ったと
きのうち少なくとも一つの現象が起これば、X線管劣化
検出部27がX線管1の劣化を検出する構成となってい
る。
【0024】そして、実施例のX線透視撮影装置の場
合、電源異常検出部26で高圧電源2まわりの異常、ま
たはX線管劣化検出部27でX線管1の劣化が検出され
た場合は、高圧電源2まわりの異常またはX線管1の劣
化があったことを示す保守情報がCPU12で作成され
る。作成された保守情報は、コンソール5(保守情報通
信手段)の通信ポート8を介して通信モデム9から公衆
電話回線28を経由して保守担当部門(例えばメーカー
の修理サービス部門)側に設置されている保守管理用パ
ソコン29へ保守情報として送られる。なお、実施例の
装置の保守情報の場合、高圧電源2まわりの異常とX線
管1の劣化が区別されたかたちで通知される構成となっ
ている。
【0025】保守管理用パソコン29は、保守情報を通
信モデム30を介して通信ポート31から取り込んで保
持するとともに、必要事項(例えば顧客名・保守情報の
通知のあったことを示すメッセージ)をモニタ32の画
面に映し出すよう構成されている。保守担当部門側の修
理技術者は、保守情報を受信すると保守管理用パソコン
29を操作して保守情報の具体的な内容をモニタ32の
画面に映し出してチェックする。また、保守情報を送っ
て来たX線透視撮影装置の曝射データメモリ25に記憶
されている曝射データのうち、必要なデータを公衆電話
回線28を通して保守担当部門側へ送信する要請ができ
るように構成されている。一方、実施例のX線透視撮影
装置は、曝射データメモリ25に記憶されている曝射デ
ータの中から保守担当部門側からの要請に対応するデー
タを読み出して、公衆電話回線28を通して保守管理用
パソコン29へ送信するように構成されている。
【0026】そして、保守担当部門側では修理技術者が
公衆電話回線28を通して送信された曝射データをモニ
タ32の画面に映し出してチェックする。例えば、本当
にX線管1が劣化しているか否かをチェックする。管電
圧または管電流の誤差が±25%を越えるか、或いは、
放電有りの場合であっても、一過性の現象でX線管1の
劣化ではないこともあるので、X線管1の劣化の場合
は、曝射データのチェックが必要である。また、X線管
1の劣化ではなく高圧電源2まわりの異常の場合も、設
定管電圧や設定管電流、或いは、実測管電圧や実測管電
流などの曝射データから異常状況が把握される。
【0027】以上に述べた実施例のX線透視撮影装置に
より、X線管1の劣化または高圧電源2まわりの異常の
検出・保守担当部門側への通知が行われる時の装置動作
を図面を参照しながら説明する。図4は実施例装置によ
るX線管の劣化・高圧電源まわりの異常の検出・通知プ
ロセスを示すフローチャートである。なお、以下では被
検体Mが天板3の上に載せられて撮影位置にセットされ
た後、X線曝射が繰り返し行われて、X線撮影が進めら
れるものとして説明する。
【0028】〔ステップS1〕X線管1から被検体Mに
対して1回のX線曝射が行われる。
【0029】〔ステップS2〕曝射データメモリ25に
設定管電圧および設定管電流、実測管電圧および実測管
電流と、放電の有無、並びに管電圧および管電流の設定
値と実測値との差を示す誤差データが記憶される。
【0030】〔ステップS3〕電源異常検出部26によ
り高圧電源2まわりの異常の有無がチェックされると同
時に、X線管劣化検出部27により曝射データ中の誤差
データの±25%超過の有無および放電の有無がチェッ
クされる。高圧電源2まわりの異常またはX線管1の劣
化が検出されると、ステップS4へ進む。逆に高圧電源
2まわりの異常もX線管1の劣化も無ければ、ステップ
S5へ進む。
【0031】〔ステップS4〕X線透視撮影装置から高
圧電源2まわりの異常またはX線管1の劣化のあったこ
とを示す保守情報が、保守担当部門側の保守管理用パソ
コン29へ公衆電話回線28経由で送信した後、先のス
テップS6へ進む。
【0032】〔ステップS5〕X線撮影は完了か否かを
チェックする。完了でなければステップS1へ戻る。
【0033】〔ステップS6〕高圧電源2まわりの異常
発生の場合は、次のステップS7へ進む。もし高圧電源
2まわりの異常は無くてX線管1の劣化だけであればス
テップS5へ戻る。
【0034】〔ステップS7〕装置が強制的に直ちにス
トップさせられる。撮影は中断、或いは、終了する。
【0035】なお、X線透視撮影装置から保守情報を受
け取った保守担当部門側の修理技術者は、保守情報が高
圧電源2まわりの異常を告げるものか、X線管1の劣化
を告げるものかをチェックする。さらに、必要に応じて
X線透視撮影装置の曝射データメモリ25の中の必要な
曝射データを送って貰う要請をX線透視撮影装置側へ行
う。そして、X線透視撮影装から送信されて来た曝射デ
ータをチェックし、高圧電源2まわりの異常の状況やX
線管1の劣化の状況を十分に把握した上で、必要があれ
ば、出張修理などの対応を実行する。
【0036】以上に詳述したように、実施例のX線透視
撮影装置では、X線管1の劣化の検出と保守担当部門側
への通知とが自動的、かつ速やかに行われ、修理技術者
が迅速に対応することができるので、高圧電源2まわり
の異常発生を未然に防げる。つまり、装置の稼働停止を
招かずに済む。また、高圧電源2まわりの異常の検出と
保守担当部門側への通知とが自動的、かつ速やかに行わ
れ、修理技術者が迅速に異常事態に対応することができ
るので、高圧電源2まわりの異常発生の場合も短時間で
修復される。
【0037】それに、高圧電源2まわりの異常とX線管
1の劣化の区別が付くかたちで保守情報が通知されるの
で、保守担当部門側では保守情報を送信したX線診断装
置には高圧電源2まわりの異常とX線管1の劣化のどち
らが起こったのかを区別して知ることができる。つま
り、装置の状況に応じた的確な対応が可能となる。
【0038】また、管電圧または管電流の設定値と実測
値との誤差が±25%を越える現象、X線管1で放電が
生じる現象は、X線管1の劣化と強い因果関係があるの
で、これらの現象に基づいて、X線管1の劣化を検出す
る実施例装置の場合、X線管1の劣化についての検出結
果は信頼性が高い。さらに、保守担当部門側では送信さ
れて来た曝射データをチェックすることにより、X線管
1の劣化状況、或いは、高圧電源2まわりの異常状況を
具体的に把握することができるので、修理技術者はX線
管1の劣化や高圧電源2まわりの異常状況に対し的確に
対応することができる。
【0039】この発明は、上記実施の形態に限られるこ
とはなく、下記のように変形実施することができる。 (1)実施例の場合は、X線透視撮影装置であったが、
この発明のX線診断装置は、X線透視撮影装置に限ら
ず、例えばX線CT装置であってもよい。
【0040】(2)実施例の場合は、コンソール5にX
線透過画像を表示するモニタ7を配設しているが、コン
ソール5に異常を示す表示盤面を備えていればよくモニ
タ7を配設していなくてもよい。
【0041】(3)実施例の場合、管電圧または管電流
の誤差が±25%を越えるか否かでX線管の劣化を判定
する構成であったが、X線管の劣化の判定基準は、±2
5%に限られず、他の数値範囲であってもよい。
【0042】(4)実施例の場合、保守情報は、高圧電
源2まわりの異常とX線管1の劣化とが区別して保守情
報が通知される構成であったが、この発明の場合、高圧
電源2まわりの異常とX線管1の劣化が区別されていな
い保守情報が通知される構成であってもよい。
【0043】(5)実施例の場合、曝射データメモリ2
5に記憶されている曝射データは保守担当部門側から要
請があってから送信される構成であったが、保守情報の
通知の際、曝射データメモリ25に記憶されている曝射
データの一部(例えば直前のデータ)が自動的に付加さ
れる構成であってもよい。
【0044】(6)この発明のX線診断装置において
は、保守担当部門側から要請可能なデータとして、曝射
データの他に、高圧電源まわりの異常状況を示すデータ
も保守担当部門側から送信を要請できる構成の装置も、
変形例として挙げられる。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1のX線診断装置によれば、X線曝射ごとの電力供給状
況に基づくX線管の劣化の検出と保守担当部門側への通
知とが自動的、かつ速やかに行われる構成である。つま
り、完全な故障に至る前のX線管の劣化の段階で修理技
術者が迅速に対応することにより、高圧電源まわりの異
常発生を未然に防げるようになり、装置の稼働停止を招
かずに済む。また、高圧電源まわりの異常の検出と保守
担当部門側への通知とが自動的、かつ速やかに行われる
構成であるので、修理技術者が高圧電源まわりの異常事
態に迅速に対応することにより、高圧電源まわりの異常
の修理の場合も短時間で修復することができる。
【0046】また、請求項2の発明のX線診断装置によ
れば、保守情報通知手段が、高圧電源まわりの異常とX
線管の劣化を区別して保守情報を通知する構成となって
おり、保守担当部門側では保守情報を送信したX線診断
装置には高圧電源まわりの異常とX線管の劣化のどちら
が起こったのかを区別して知ることができる。つまり、
装置の状況に応じた的確な対応を行うことができる。
【0047】また、請求項3の発明のX線診断装置によ
れば、X線管の劣化と結び付きの強い3つの現象、すな
わち、管電圧の設定値と実測値との差が所定範囲を越え
る現象、管電流の設定値と実測値との差が所定範囲を越
える現象、X線管で放電が生じる現象のうち少なくとも
いずれか一つの現象が起これば、X線管劣化検出手段に
より、X線管の劣化が検出される構成であるので、X線
管の劣化についての検出結果は信頼性が高い。つまり、
装置の高信頼性を図ることができる。
【0048】また、請求項4の発明のX線診断装置によ
れば、各X線曝射における管電圧の設定値と実測値、管
電流の設定値と実測値、放電の有無が曝射データとして
X線曝射データメモリに記憶される。そして、通信回線
を通じて受信した保守担当部門側からの要請に応じて記
憶されている曝射データが通信回線を通じて保守担当部
門側へ送信される構成となっており、保守担当部門側で
は送信されて来た曝射データからX線管の劣化状況や、
高圧電源まわりの異常状況を具体的に把握することがで
きる。すなわち、修理技術者はX線管の劣化や高圧電源
まわりの異常に対し的確に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のX線透視撮影装置の全体構成を示すブ
ロック図である。
【図2】実施例のX線透視撮影装置の高圧電源の構成を
示すブロック図である。
【図3】実施例装置の高圧電源における曝射データメモ
リの記憶内容を示す模式図である。
【図4】実施例装置によるX線管の劣化・高圧電源まわ
りの異常の検出・通知プロセスを示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 …X線管 2 …高圧電源 8 …通信ポート 9 …通信モデム 10 …(高圧電源の)制御部 11 …(高圧電源の)昇圧部 12 …CPU 22 …管電圧実測部 23 …管電流実測部 24 …放電検出部 25 …曝射データメモリ 26 …電源異常検出部 27 …X線管劣化検出部 M …被検体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線撮影のために被検体へX線を曝射す
    るX線管と、X線発生に必要な電力をX線管に供給する
    高圧電源とを備え、撮影条件に従って設定される管電圧
    ・管電流に応じて高圧電源よりX線管に電力供給が行わ
    れるように構成されたX線診断装置において、(a)高
    圧電源まわりの異常を検出する電源異常検出手段と、
    (b)X線曝射ごとの電力供給状況に基づいてX線管の
    劣化を検出するX線管劣化検出手段と、(c)高圧電源
    まわりの異常またはX線管の劣化が検出された場合に高
    圧電源まわりの異常またはX線管の劣化があったことを
    保守情報として通信回線を通じ保守担当部門側へ自動的
    に通知する保守情報通知手段とを備えていることを特徴
    とするX線診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のX線診断装置におい
    て、(d)前記保守情報通知手段は、高圧電源まわりの
    異常とX線管の劣化の保守情報を区別して通知するよう
    に構成されているX線診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のX線診断装置
    において、(e)前記X線管劣化検出手段は、管電圧の
    設定値と実測値との差が所定範囲を越える現象、管電流
    の設定値と実測値との差が所定範囲を越える現象、X線
    管で放電が生じる現象のうち少なくともいずれか一つの
    現象が起これば、X線管の劣化として検出するように構
    成されているX線診断装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のX線診断装置におい
    て、(f)前記X線管劣化検出手段は、各X線曝射にお
    ける管電圧の設定値と実測値、管電流の設定値と実測
    値、放電の有無を曝射データとして記憶するX線曝射デ
    ータメモリを備えるとともに、前記保守情報通知手段
    は、通信回線を通じて受信した保守担当部門側からの要
    請に応じて記憶されている曝射データを通信回線を通じ
    て保守担当部門側へ送信するように構成されているX線
    診断装置。
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