JP2002100332A - 電池収納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動衝撃対策のため接着材で保持プレートと
電池セルとを互いに固定しており、この接着作業、乾燥
に工数がかかり、また、電池セルの交換に電池セル保持
体全体を交換しなくてはならず、また、電圧変更（電池
セルの数の変更）も柔軟には対応できないという問題も
生じていた。 【解決手段】 緩衝材を保形して構成された保持本体４
の内部に、電池セル３の外形に合せた空間からなる電池
セル収納部５を設けた電池セル保持体１と、電池セル保
持体１の所定の潰し代を設定した電池セル保持体収納空
間７を有するケース２とを備え、電池セル収納部５に電
池セル３を収納して電池セル保持体１で電池セル３を保
持し、電池セル保持体１を電池セル保持体収納空間７に
収容して電池セル保持体１を潰し代分潰すことで、電池
セル保持体１で電池セル３を挟み込むようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、宇宙航行体搭載電
子機器等の電源等に使用される電池セルの収納装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、宇宙航行体搭載電子機器等の電源
等に使用される電池セルはフェノ一ル樹脂等の絶縁物で
電池セルを挟み込み、金属等のスペーサーとねじで保持
し、振動衝撃対策のため接着材にて絶縁物と電池セルを
固定しユニット化した装置を金属ケースに収納し搭載し
ていた。

【０００３】すなわち、従来の電池セル収納装置は、図
６乃至図８に示すように金属性のケース１０と、このケ
ース１０内に収納される電池セル保持体１１とで構成し
てある。そして、ケース１０はベース部１２と筐体部１
３とで構成してあり、ベース部１２の内面の４つの隅角
部側にはマウント部１４が設けてある。

【０００４】ケース１０には電池セル保持体挿入手段が
設けてある。この保持体挿入手段は、例えば、ベース部
１２に電池セル保持体１１を装着した状態で、このベー
ス部１２に筐体部１３を取付けるようにしてある。

【０００５】電池セル保持体１１は、フェノ一ル樹脂等
の絶縁物である保持プレート１５、１６とスペーサー１
７とを有しており、一方の保持プレート１５の内面には
縦横の２方向に所定の間隔をおいて複数のセル受部１８
が形成してあり、これらのセル受部１８の中心には孔部
１８ａが設けてある。また、一方の保持プレート１５の
内面には、この一方の保持プレート１５の中心Ｐを中心
とする仮想円上にあって、この仮想円を四等分する位置
に凹部からなるスペーサー受部１９が設けてあり、これ
らのスペーサー受部１９の中心にはねじ挿通孔部２０が
設けてある。また、一方の保持プレート１５の４つの隅
角部にはねじ挿通孔２１が設けてある。

【０００６】また、他方の保持プレート１６の内面には
縦横の２方向に所定の間隔をおいて複数のセル受部２２
が形成してあり、これらのセル受部２２の中心には孔部
２２ａが設けてある。また、他方の保持プレート１６の
内面には、この他方の保持プレート１６の中心Ｐを中心
とする仮想円上にあって、この仮想円を四等分する位置
に凹部からなるスペーサー受部２３が設けてあり、これ
らのスペーサー受部２３の中心にはねじ挿通孔部２４が
設けてある。また、他方の保持プレート１６の４つの隅
角部にはねじ挿通孔２５が設けてある。

【０００７】そして、一方及び他方の保持プレート１
５、１６のセル受部１８、２２で電池セル２６の両端部
を受け、一方及び他方の保持プレート１５、１６のスペ
ーサー受部１９、２３でスペーサー１７の両端部を受け
て、一方及び他方の保持プレート１５、１６のそれぞれ
の外側から、スペーサー固定ねじ２７をねじ挿通孔部２
０、２４に挿通してスペーサー１７の端部に螺合させる
ことで、一方及び他方の保持プレート１５、１６で電池
セル２６を保持している。この場合、振動衝撃対策のた
めに、接着材（図示せず）で一方及び他方の保持プレー
ト１５、１６と電池セル２６とが互いに固定してある。

【０００８】そして、一方の保持プレート１５の４つの
隅角部に設けたねじ挿通孔２１から中空スペーサー２８
を介して他方の保持プレート１６の４つの隅角部に設け
たねじ挿通孔２５に取付ねじ２９を挿通し、これらの取
付ねじ２９を、ケース１０のベース部１２のマウント部
１４に螺合することにより電池セル保持体１１をベース
部１２に固定し、このベース部１２に筐体部１３を取付
けることで、ケース１２内に電池セル保持体１１を収納
するようにしていた。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の電池セル収納装置にあっては、振動衝撃対策の
ために、接着材で一方及び他方の保持プレート１５、１
６と電池セル２６とを互いに固定してあり、この接着作
業、乾燥に工数がかかり、また、電池セル保持体１１に
保持されてユニット化された電池セル２６のいずれか１
個でも不良となったとき、この電池セル２６の交換が不
可能であって、電池セル保持体１１全体を交換しなくて
はならないという問題があったし、また、電圧変更（電
池セル２６の数の変更）も柔軟には対応できないという
問題も生じていた。

【００１０】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたもので、接着材を使用せず組立工数を削減す
ることができ、電池セルの部分交換及び組み合わせ数に
柔軟に対応でき、小型軽量、振動衝撃対策も充分に考慮
した電池収納装置を提供することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明に係る電池収納装
置は、緩衝材を保形して構成された保持本体の内部に、
電池セルの外形に合せた空間からなる電池セル収納部を
設けて電池セル保持体を構成し、電池セル収納部に電池
セルを収納するようにしたものである。

【００１２】かかる構成により、各電池セル収納部内に
電池セルを収納することで、この電池セルを保持するこ
とができる。このために、接着材を使用せず組立工数を
削減することができ、電池セルの部分交換及び組み合わ
せ数に柔軟に対応でき、また、ネジやスペーサー等の固
定用部材を一切用いずに電池セルを収納固定することが
できて電池収納装置の小型軽量化が実現できる。しか
も、電池セル保持体に緩衝材を用いるために、電池セル
保持体の寸法精度に余裕を持たせた設計、製作が実現で
きるばかりか、振動衝撃から電池セルを保護することが
できる。

【００１３】また、本発明に係る電池収納装置は、緩衝
材を保形して構成された保持本体の内部に、電池セルの
外形に合せた空間からなる電池セル収納部を設けた電池
セル保持体と、電池セル保持体の所定の潰し代を設定し
た電池セル保持体収納空間を有するケースとを備え、電
池セル収納部に電池セルを収納して電池セル保持体で電
池セルを保持し、電池セル保持体を電池セル保持体収納
空間に収容して電池セル保持体を潰し代分潰すことで、
電池セル保持体で電池セルを挟み込むようにしたもので
ある。

【００１４】かかる構成により、各電池セル収納部内に
電池セルを収納した電池セル保持体をケース内に収納し
て、緩衝材からなる電池セル保持体を、ケースに設定し
た潰し代分潰すことで電池セル保持体で電池セルを挟み
込み保持することができる。

【００１５】このように、ケースに緩衝材からなる電池
セル保持体に潰し代を設定して収納することにより、接
着材を使用せず組立工数を削減することができ、電池セ
ルの部分交換及び組み合わせ数に柔軟に対応でき、ま
た、ネジやスペーサー等の固定用部材を一切用いずに電
池セルを収納固定することができて電池収納装置の小型
軽量化が実現できる。しかも、電池セル保持体に緩衝材
を用いるために、電池セル保持体の寸法精度に余裕を持
たせた設計、製作が実現できるばかりか、振動衝撃から
電池セルを保護することができる。

【００１６】また、本発明に係る電池収納装置は、ケー
スが、電池セル保持体収納空間に電池セルを保持した電
池セル保持体を収容した状態であり、ケースを複数個組
合せて、ケース間において電池セルを接続することで必
要な電圧を得るようにしたものである。

【００１７】かかる構成により、ケースを複数個組合せ
て、ケース間において電池セルを接続することで必要電
圧を容易に得ることができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。

【００１９】図１は本発明に係る電池収納装置の斜視
図、図２は図１のＸ−Ｘ線に沿う断面図、図３は図２の
Ｙ−Ｙ線に沿う断面図、図４は図２のＺ−Ｚ線に沿う断
面図である。

【００２０】本発明に係る電池収納装置は、電池セル３
を挟み込んで保持する電池セル保持体１と、この電池セ
ル保持体１を収納する金属性のケース２とにより構成さ
れている。

【００２１】電池セル保持体１は、ウレタンフォーム等
の緩衝材を立方体状に形成して構成された保持本体４を
有しており、この保持本体４の内部には、この保持本体
４の長手方向に沿う円筒状の空間からなる電池セル収納
部５が、保持本体４の短手方向に所定の間隔をおいて複
数設けてある。すなわち、これらの電池セル収納部５
は、緩衝材を保形して構成された保持本体４の内部に、
電池セル３の外形に合せた空間を形成することにより構
成されている。

【００２２】また、保持本体４には電池セル挿入手段が
設けてある。この電池セル挿入手段は、例えば、図５に
示すように保持本体４の表面４ａから電池セル収納部５
に達する切り溝６を入れて、この切り溝６を、押し広げ
ることにより電池セル３の挿入口にするように構成して
もよい。

【００２３】ケース２の内部は、電池セル保持体１の潰
し代を設定した電池セル保持体収納空間７で構成してあ
る。すなわち、電池セル保持体収納空間７は、ウレタン
フォーム等の緩衝材を立方体状に形成して構成された電
池セル保持体１の保持本体４より小さい体積であり、こ
の保持本体４の体積から電池セル保持体収納空間７の体
積を減じた値が潰し代になる。

【００２４】ケース２には、電池セル保持体収納空間７
内に電池セル保持体１を挿入するための保持体挿入手段
が設けてある。この保持体挿入手段は、例えば、ケース
２をベース部２Ｂとこのベース部２Ｂに着脱可能に取付
けられる筐体部２Ａとで構成し、筐体部２Ａに電池セル
保持体１を収納した状態で、この筐体部２Ａをベース部
２Ｂに取付けるようにしてもよいし、また、ケース２の
一端部に挿入口（図示せず）と、この挿入口を閉塞する
閉塞蓋体（図示せず）とで構成してもよい。

【００２５】そして、上記のように構成された電池セル
保持体１の各電池セル収納部５内には、切り溝６を押し
広げることにより電池セル３の挿入口にして、この挿入
口より複数の電池セル３が挿入される。これらの電池セ
ル３は必要個数組み合わせあらかじめ接続済みのリード
線（図示せず）により配線が行なわれているものであ
る。

【００２６】このように、各電池セル収納部５内に電池
セル３を収納した電池セル保持体１はユニット構成にな
り、この電池セル保持体１をケース２内に収納して、緩
衝材からなる電池セル保持体１を、ケース２に設定した
潰し代分潰すことで電池セル保持体１が電池セル３を挟
み込み保持している。

【００２７】以上のように本発明の実施の形態によれ
ば、各電池セル収納部５内に電池セル３を収納した電池
セル保持体１をケース２内に収納して、緩衝材からなる
電池セル保持体１を、ケース２に設定した潰し代分潰す
ことで電池セル保持体１で電池セル３を挟み込み保持す
ることができる。

【００２８】このように、ケース２に緩衝材からなる電
池セル保持体１に潰し代を設定して収納することによ
り、接着材を使用せず組立工数を削減することができ、
電池セル３の部分交換及び組み合わせ数に柔軟に対応で
き、また、ねじやスペーサー等の固定用部材を一切用い
ずに電池セル３を収納固定することができて電池収納装
置の小型軽量化が実現できる。

【００２９】しかも、電池セル保持体１に緩衝材を用い
るために、電池セル保持体１の寸法精度に余裕を持たせ
た設計、製作が実現できるばかりか、振動衝撃から電池
セル３を保護することができる。

【００３０】このように、接着材や一方及び他方の保持
プレート、スペーサー、ねじ等の部材を使用せずに、電
池セル３の収納固定ができ、修理交換、電圧変更が容易
に行え、振動衝撃から電池セル３を保護することができ
る。

【００３１】また、電池セル保持体収納空５間に電池セ
ル保持体１を収容した状態のケース２を複数個組合せ、
ケース２間において電池セル３を接続することで、必要
電圧を容易に得ることができる。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電池
収納装置によれば、各電池セル収納部内に電池セルを収
納することで、この電池セルを保持することができる。
このために、接着材を使用せず組立工数を削減すること
ができ、電池セルの部分交換及び組み合わせ数に柔軟に
対応でき、また、ネジやスペーサー等の固定用部材を一
切用いずに電池セルが収納固定することができて電池収
納装置の小型軽量化が実現できる。しかも、電池セル保
持体に緩衝材を用いるために、電池セル保持体の寸法精
度に余裕を持たせた設計、製作が実現できて振動衝撃か
ら電池セルを保護することができる。

【００３３】特に、各電池セル収納部内に電池セルを収
納した電池セル保持体をケース内に収納して、緩衝材か
らなる電池セル保持体を、ケースに設定した潰し代分潰
すことで電池セル保持体で電池セルを挟み込み保持する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る電池収納装置の斜視図

【図２】図１のＸ−Ｘ線に沿う断面図

【図３】図２のＹ−Ｙ線に沿う断面図

【図４】図２のＺ−Ｚ線に沿う断面図

【図５】本発明に係る電池収納装置における電池セル挿
入手段の説明図

【図６】従来の電池収納装置の縦断面図

【図７】従来の電池収納装置の横断面図

【図８】従来の電池収納装置における電池セル保持体の
一部省略した断面図

【符号の説明】

１ 電池セル保持体 ２ ケース ２Ａ 筐体部 ２Ｂ ベース部 ３ 電池セル ４ 保持本体 ５ 電池セル収納部 ６ 切り溝（電池セル挿入手段） ７ 電池セル保持体収納空間

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 緩衝材を保形して構成された保持本体の
   内部に、電池セルの外形に合せた空間からなる電池セル
   収納部を設けて電池セル保持体を構成し、前記電池セル
   収納部に電池セルを収納するようにしたことを特徴とす
   る電池収納装置。
2. 【請求項２】 緩衝材を保形して構成された保持本体の
   内部に、電池セルの外形に合せた空間からなる電池セル
   収納部を設けた電池セル保持体と、前記電池セル保持体
   の所定の潰し代を設定した電池セル保持体収納空間を有
   するケースとを備え、 前記電池セル収納部に前記電池セルを収納して前記電池
   セル保持体で前記電池セルを保持し、前記電池セル保持
   体を前記電池セル保持体収納空間に収容して前記電池セ
   ル保持体を前記潰し代分潰すことで、前記電池セル保持
   体で前記電池セルを挟み込むようにしたことを特徴とす
   る電池収納装置。
3. 【請求項３】 前記ケースが、前記電池セル保持体収納
   空間に前記電池セルを保持した前記電池セル保持体を収
   容した状態であり、前記ケースを複数個組合せて、前記
   ケース間において前記電池セルを接続することで必要な
   電圧を得るようにした請求項２に記載の電池収納装置。