JP2002096482A - インクジェット装置 - Google Patents
インクジェット装置Info
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- JP2002096482A JP2002096482A JP2000287458A JP2000287458A JP2002096482A JP 2002096482 A JP2002096482 A JP 2002096482A JP 2000287458 A JP2000287458 A JP 2000287458A JP 2000287458 A JP2000287458 A JP 2000287458A JP 2002096482 A JP2002096482 A JP 2002096482A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 インクを貯蔵するインクタンクを具備してな
るインクジェットプリンタにおいて,従来,インクタン
ク内のインク残量をいつでも把握することができず印字
作業中にインク切れを起こして作業能率を下げる問題が
あった。また,インク特性に合わせて,インクジェット
ヘッドを駆動することが出来なかった。 【解決手段】 インクを媒質として進行する圧力波を発
生する圧電体と,該圧力波の進行方向を変化させる反射
器と,該圧電体を駆動すると共に,該圧電体に発生した
電圧を検出する駆動検出手段と,該圧力波の反射波を検
出する時刻を計時する計時手段と,該計時手段で計時さ
れた時刻の時間差に基づいてインク残量を算出する演算
手段より構成される。
るインクジェットプリンタにおいて,従来,インクタン
ク内のインク残量をいつでも把握することができず印字
作業中にインク切れを起こして作業能率を下げる問題が
あった。また,インク特性に合わせて,インクジェット
ヘッドを駆動することが出来なかった。 【解決手段】 インクを媒質として進行する圧力波を発
生する圧電体と,該圧力波の進行方向を変化させる反射
器と,該圧電体を駆動すると共に,該圧電体に発生した
電圧を検出する駆動検出手段と,該圧力波の反射波を検
出する時刻を計時する計時手段と,該計時手段で計時さ
れた時刻の時間差に基づいてインク残量を算出する演算
手段より構成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,インクジェット装
置のインクタンク内のインクの残量やインクの特性等
を,圧電体を用いて圧力波を発生,検出することによっ
て求め,或いはそのデータによってインクジェットノズ
ルを制御することが可能なインクジェット装置に関する
ものである。
置のインクタンク内のインクの残量やインクの特性等
を,圧電体を用いて圧力波を発生,検出することによっ
て求め,或いはそのデータによってインクジェットノズ
ルを制御することが可能なインクジェット装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】現在,液体インクを紙面に吐出させる機
構により,印字を行うインクジェットプリンタが数多く
存在している。このインクジェットプリンタの多くは,
液体インクを貯蔵するインクタンクと,インクを吐出す
るインクジェットヘッド部分とが一体化したインクカー
トリッジを使用して印字を行う機構となっているものが
多い。したがって,印字回数を重ねるとインクタンクの
インクが減少し,最終的にはインク切れの状態となっ
て,印字が行えなくなる。そこで,再び,印字を行うに
は,新しい又はインクが残っているインクカートリッジ
に交換することが必要となる。
構により,印字を行うインクジェットプリンタが数多く
存在している。このインクジェットプリンタの多くは,
液体インクを貯蔵するインクタンクと,インクを吐出す
るインクジェットヘッド部分とが一体化したインクカー
トリッジを使用して印字を行う機構となっているものが
多い。したがって,印字回数を重ねるとインクタンクの
インクが減少し,最終的にはインク切れの状態となっ
て,印字が行えなくなる。そこで,再び,印字を行うに
は,新しい又はインクが残っているインクカートリッジ
に交換することが必要となる。
【0003】しかし,上述したように,インクカートリ
ッジのインクが,印字作業中に無くなってしまうと,印
字ができなくなり,或いはノズルが空気を吸込んでしま
いインクジェットプリンタの印字作業の能率を下げてし
まう。したがって,印字作業中にインクカートリッジの
インクが無くなることが無いように,インクカートリッ
ジのインク残量が把握できることが望ましい。そこで,
従来より,さまざまな方法でインクカートリッジの内部
のインク切れの予知を行うような方法があった。例え
ば,(特開平7−137291)記載の発明によると,
二つの圧電体がインクタンク内部の底面に,インクに浸
かった状態で設けられている。そこで,1つの圧電体か
ら圧力波を発生し,残りのもう1つの圧電体でその圧力
波を受けることによって,該圧力波を電気信号に変換し
て検出する。圧力波が検出されている状態,又は言い換
えると,圧力波がインクを媒質として伝達されている状
態とは,前記圧電体がインクに浸かっていて,インクタ
ンク内にインクがあることを意味する。したがって,イ
ンクタンク内のインクが減少して,圧電体がインクに十
分浸かっていない場合において,圧力波を発生するよう
に圧電体を駆動しても,圧力波は発生せず,圧力波を受
ける側である圧電体は圧力波を受波しない状態となる。
つまり,この従来技術は,圧力波の伝達の有無により,
インクカートリッジのインクが減少して,インクタンク
内のインクが残りわずかであると判断するものである。
ッジのインクが,印字作業中に無くなってしまうと,印
字ができなくなり,或いはノズルが空気を吸込んでしま
いインクジェットプリンタの印字作業の能率を下げてし
まう。したがって,印字作業中にインクカートリッジの
インクが無くなることが無いように,インクカートリッ
ジのインク残量が把握できることが望ましい。そこで,
従来より,さまざまな方法でインクカートリッジの内部
のインク切れの予知を行うような方法があった。例え
ば,(特開平7−137291)記載の発明によると,
二つの圧電体がインクタンク内部の底面に,インクに浸
かった状態で設けられている。そこで,1つの圧電体か
ら圧力波を発生し,残りのもう1つの圧電体でその圧力
波を受けることによって,該圧力波を電気信号に変換し
て検出する。圧力波が検出されている状態,又は言い換
えると,圧力波がインクを媒質として伝達されている状
態とは,前記圧電体がインクに浸かっていて,インクタ
ンク内にインクがあることを意味する。したがって,イ
ンクタンク内のインクが減少して,圧電体がインクに十
分浸かっていない場合において,圧力波を発生するよう
に圧電体を駆動しても,圧力波は発生せず,圧力波を受
ける側である圧電体は圧力波を受波しない状態となる。
つまり,この従来技術は,圧力波の伝達の有無により,
インクカートリッジのインクが減少して,インクタンク
内のインクが残りわずかであると判断するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし,上述したよう
な構成であると,高価な2組の圧電体がインクタンク内
部の底面に設けられる必要があるので,コスト高であ
り,且つ,インク切れ間近にならなければ,インクの残
量を予知することが出来なかった。このように,上述し
た従来の技術では,インクジェットプリンタの使用時に
いつでもインクカートリッジのインク残量を把握可能と
いうわけではない。また,ユーザーがインジェットプリ
ンタを使用していて,後どのくらいインクカートリッジ
が使用可能であるかなども当然把握できない。また,別
の問題として,インクカートリッジが長期間放置されて
いる場合などにおいては,インクの特性が変化している
ことが十分考えられ,印字の品質を落としてしまう場合
がある。このような場合には,インクの特性の変化を検
知できるようにしておくことが望ましく,更に,インク
の特性(濃度,粘性)の変化に応じて,インクを吐出す
るインクジェットヘッドの出力を変化させて,印字品質
を均一にすることが望ましい。本発明は,上記事情に鑑
みてなされたものであり,その目的とするところは,イ
ンクタンク内のインク残量やインク特性がいつでも把握
可能で,更に,インク特性に合わせたインクジェットヘ
ッドの制御を行えるインクジェット装置を提供すること
である。
な構成であると,高価な2組の圧電体がインクタンク内
部の底面に設けられる必要があるので,コスト高であ
り,且つ,インク切れ間近にならなければ,インクの残
量を予知することが出来なかった。このように,上述し
た従来の技術では,インクジェットプリンタの使用時に
いつでもインクカートリッジのインク残量を把握可能と
いうわけではない。また,ユーザーがインジェットプリ
ンタを使用していて,後どのくらいインクカートリッジ
が使用可能であるかなども当然把握できない。また,別
の問題として,インクカートリッジが長期間放置されて
いる場合などにおいては,インクの特性が変化している
ことが十分考えられ,印字の品質を落としてしまう場合
がある。このような場合には,インクの特性の変化を検
知できるようにしておくことが望ましく,更に,インク
の特性(濃度,粘性)の変化に応じて,インクを吐出す
るインクジェットヘッドの出力を変化させて,印字品質
を均一にすることが望ましい。本発明は,上記事情に鑑
みてなされたものであり,その目的とするところは,イ
ンクタンク内のインク残量やインク特性がいつでも把握
可能で,更に,インク特性に合わせたインクジェットヘ
ッドの制御を行えるインクジェット装置を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明における第1の発明は,インクを貯蔵するイ
ンクタンクを具備してなるインクジェット装置におい
て,前記インクに圧力波を発生させ,且つ該圧力波の反
射波を受けると電圧を発生させる第1の圧電体と,前記
圧力波の一部の進行方向を変化させる第1の反射器であ
って,上記一部の圧力波が,前記第1の圧電体から前記
第1の反射器を経由し,前記インクの液面に到達して反
射され,再び前記第1の反射器を経由して前記第1の圧
電体に戻るように角度設定された第1の反射器と,前記
第1の反射器に入射しない残りの圧力波の進行方向を1
80度逆向きに変化させ,再び前記第1の圧電体に戻る
ように角度設定された第2の反射器と,前記第1の圧電
体を駆動すると共に,該第1の圧電体に発生した電圧を
検出する第1の駆動検出手段と,前記第1の圧電体,前
記第1の反射器,前記インク液面,前記第1の反射器,
前記第1の圧電体の順序で進行する第1の圧力波の経路
時間と,前記第1の圧電体,前記第2の反射器,前記第
1の圧電体の順序で進行する第2の圧力波の経路時間と
の時間差を計時する第1の計時手段と,前記第1の計時
手段で計時された時間差に基づいて,前記インクタンク
のインク残量を算出する第1の演算手段とを具備するこ
とを特徴とするインクジェット装置として構成されてい
る。このような構成により,インクタンク内部のインク
残量をいつでも把握することが可能となって,例えば,
印刷可能枚数又は印刷可能文字数などを予想することが
可能となる。したがって,印字作業中のインク切れによ
る作業能率の低下を防止することも可能となる。
に,本発明における第1の発明は,インクを貯蔵するイ
ンクタンクを具備してなるインクジェット装置におい
て,前記インクに圧力波を発生させ,且つ該圧力波の反
射波を受けると電圧を発生させる第1の圧電体と,前記
圧力波の一部の進行方向を変化させる第1の反射器であ
って,上記一部の圧力波が,前記第1の圧電体から前記
第1の反射器を経由し,前記インクの液面に到達して反
射され,再び前記第1の反射器を経由して前記第1の圧
電体に戻るように角度設定された第1の反射器と,前記
第1の反射器に入射しない残りの圧力波の進行方向を1
80度逆向きに変化させ,再び前記第1の圧電体に戻る
ように角度設定された第2の反射器と,前記第1の圧電
体を駆動すると共に,該第1の圧電体に発生した電圧を
検出する第1の駆動検出手段と,前記第1の圧電体,前
記第1の反射器,前記インク液面,前記第1の反射器,
前記第1の圧電体の順序で進行する第1の圧力波の経路
時間と,前記第1の圧電体,前記第2の反射器,前記第
1の圧電体の順序で進行する第2の圧力波の経路時間と
の時間差を計時する第1の計時手段と,前記第1の計時
手段で計時された時間差に基づいて,前記インクタンク
のインク残量を算出する第1の演算手段とを具備するこ
とを特徴とするインクジェット装置として構成されてい
る。このような構成により,インクタンク内部のインク
残量をいつでも把握することが可能となって,例えば,
印刷可能枚数又は印刷可能文字数などを予想することが
可能となる。したがって,印字作業中のインク切れによ
る作業能率の低下を防止することも可能となる。
【0006】前記第2の圧力波の経路時間に基づいて前
記圧力波の速度を求めることによって,前記インクタン
クのインク残量を算出することができる。この場合,上
述したことと同様に,精度良くインク残量を検出するこ
とが可能となる。また,演算手段により,インク残量を
算出する場合に,圧力波の速度を算出することによって
インク残量を求める方法は,計算量が少なく高速化が要
求されるインクジェットプリンタには効果的である。
記圧力波の速度を求めることによって,前記インクタン
クのインク残量を算出することができる。この場合,上
述したことと同様に,精度良くインク残量を検出するこ
とが可能となる。また,演算手段により,インク残量を
算出する場合に,圧力波の速度を算出することによって
インク残量を求める方法は,計算量が少なく高速化が要
求されるインクジェットプリンタには効果的である。
【0007】また,本発明における第2の発明は,イン
クを貯蔵するインクタンクを具備してなるインクジェッ
ト装置において,前記インクに圧力波を発生させ,且つ
該圧力波の反射波を受けると電圧を発生させる第2の圧
電体と,前記圧力波の進行方向を180度逆向きに変化
させ,再び前記圧電体に戻るように角度設定された第3
の反射器と,前記第2の圧電体を駆動すると共に,該第
2の圧電体に発生した電圧を検出する第2の駆動検出手
段と,前記第2の圧電体,前記第3の反射器,前記第2
の圧電体の順序で進行する第3の圧力波の経路時間を計
時する第2の計時手段と,前記計時手段で計時された第
3の圧力波の経路時間に基づいて,前記インクタンクの
インクの特性を算出する第2の演算手段とを具備するこ
とを特徴をするインクジェット装置として構成されてい
る。このような構成により,圧力波に反映されるインク
タンク内部のインクの特性を知ることが可能となる。更
に,インクの特性が分かることによって,以下に示す各
種効果が見込める。
クを貯蔵するインクタンクを具備してなるインクジェッ
ト装置において,前記インクに圧力波を発生させ,且つ
該圧力波の反射波を受けると電圧を発生させる第2の圧
電体と,前記圧力波の進行方向を180度逆向きに変化
させ,再び前記圧電体に戻るように角度設定された第3
の反射器と,前記第2の圧電体を駆動すると共に,該第
2の圧電体に発生した電圧を検出する第2の駆動検出手
段と,前記第2の圧電体,前記第3の反射器,前記第2
の圧電体の順序で進行する第3の圧力波の経路時間を計
時する第2の計時手段と,前記計時手段で計時された第
3の圧力波の経路時間に基づいて,前記インクタンクの
インクの特性を算出する第2の演算手段とを具備するこ
とを特徴をするインクジェット装置として構成されてい
る。このような構成により,圧力波に反映されるインク
タンク内部のインクの特性を知ることが可能となる。更
に,インクの特性が分かることによって,以下に示す各
種効果が見込める。
【0008】即ち,前記第3の圧力波の経路時間に基づ
いて前記圧力波の速度を求めることによって,前記イン
クタンクのインク濃度を求めることができる。このよう
に,圧力波の速度が求まることによって,インク特性の
1つであるインク濃度が求められるので,そのインク濃
度に合わせてインクジェットプリンタの印字機構を制御
することで,インク濃度に応じた階調制御が可能とな
り,一定の印字品質を得ることができる。
いて前記圧力波の速度を求めることによって,前記イン
クタンクのインク濃度を求めることができる。このよう
に,圧力波の速度が求まることによって,インク特性の
1つであるインク濃度が求められるので,そのインク濃
度に合わせてインクジェットプリンタの印字機構を制御
することで,インク濃度に応じた階調制御が可能とな
り,一定の印字品質を得ることができる。
【0009】前記第3の圧力波の経路時間から求められ
た前記圧力波の速度に基づいて,前記インクを吐出する
インクジェットヘッドへの出力を調整することもでき
る。この場合,インクジェットプリンタにおいて,印字
の際にインクを吐出する機構であるインクジェットヘッ
ドの制御が,インク特性が反映される前記圧力波の速度
に基づいて行われることにより,最適に制御される。
た前記圧力波の速度に基づいて,前記インクを吐出する
インクジェットヘッドへの出力を調整することもでき
る。この場合,インクジェットプリンタにおいて,印字
の際にインクを吐出する機構であるインクジェットヘッ
ドの制御が,インク特性が反映される前記圧力波の速度
に基づいて行われることにより,最適に制御される。
【0010】また,本発明は,前記圧力波の速度と前記
インクジェットヘッドを駆動するための出力との関係を
示した駆動テーブルを用いて,前記インクジェットヘッ
ドへの出力を調整するインクジェット装置として構成さ
れても良い。このように,前記圧力波の速度に対応させ
て,インジェットヘッドへの出力制御を行うことによっ
て,インクジェットヘッドが最適な駆動条件で安定して
インクを吐出することが可能となって,印字品質を均一
に高く保つことが可能となる。
インクジェットヘッドを駆動するための出力との関係を
示した駆動テーブルを用いて,前記インクジェットヘッ
ドへの出力を調整するインクジェット装置として構成さ
れても良い。このように,前記圧力波の速度に対応させ
て,インジェットヘッドへの出力制御を行うことによっ
て,インクジェットヘッドが最適な駆動条件で安定して
インクを吐出することが可能となって,印字品質を均一
に高く保つことが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照しながら,本
発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の
理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本
発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を
限定する性格のものではない。ここに,図1は本発明の
実施の形態に係るインクジェット装置の情報伝達の機能
ブロック図,図2は本発明の実施の形態に係るインクタ
ンク内部の断面図及びインクタンク内部を上面より見た
図,図3は本発明の実施の形態に係る圧電体駆動パルス
と圧電体が受ける圧力波とのタイムチャートである。
発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の
理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本
発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を
限定する性格のものではない。ここに,図1は本発明の
実施の形態に係るインクジェット装置の情報伝達の機能
ブロック図,図2は本発明の実施の形態に係るインクタ
ンク内部の断面図及びインクタンク内部を上面より見た
図,図3は本発明の実施の形態に係る圧電体駆動パルス
と圧電体が受ける圧力波とのタイムチャートである。
【0012】図1は,本発明の実施の形態及び実施例に
係るインクジェット装置において,インク残量,インク
特性を算出するための概略構成図である。まず,第1の
圧電体,第2の圧電体の一例として,インクタンク内部
で圧力波を発生,受波(圧力波を受けること)する1個
の圧電体100がある。また,前記圧電体100に接続
されている制御部200がある。この制御部200は,
駆動検出部201,計時部202,演算部203,駆動
テーブル部204で構成されている。ここで,駆動検出
部201は,第1の駆動検出手段,第2の駆動検出手段
の一例であり,圧電体100を振動させて圧力波を発生
させるために圧電体駆動パルスを発生させると共に,圧
電体100が圧力波を受波した場合に,圧電体100自
身が振動して発生した電圧を受波パルスとして検出する
ものである。また,計時部202は,第1の計時手段,
第2の計時手段の一例であり,前記圧電体駆動パルスが
発生してから受波パルスを検出するまでの時間等を計時
するタイマである。更に,演算部203は,第1の演算
手段,第2の演算手段の一例であり,前記計時部202
で計時された時間に基づいて,インク残量又は圧力波の
速度を算出する機能を有するもので,通常はプログラミ
ングにより達成される。また,駆動テーブル部204
は,圧力波の速度とインクジェットヘッドを駆動するた
めの出力との関係を記憶するメモリである。
係るインクジェット装置において,インク残量,インク
特性を算出するための概略構成図である。まず,第1の
圧電体,第2の圧電体の一例として,インクタンク内部
で圧力波を発生,受波(圧力波を受けること)する1個
の圧電体100がある。また,前記圧電体100に接続
されている制御部200がある。この制御部200は,
駆動検出部201,計時部202,演算部203,駆動
テーブル部204で構成されている。ここで,駆動検出
部201は,第1の駆動検出手段,第2の駆動検出手段
の一例であり,圧電体100を振動させて圧力波を発生
させるために圧電体駆動パルスを発生させると共に,圧
電体100が圧力波を受波した場合に,圧電体100自
身が振動して発生した電圧を受波パルスとして検出する
ものである。また,計時部202は,第1の計時手段,
第2の計時手段の一例であり,前記圧電体駆動パルスが
発生してから受波パルスを検出するまでの時間等を計時
するタイマである。更に,演算部203は,第1の演算
手段,第2の演算手段の一例であり,前記計時部202
で計時された時間に基づいて,インク残量又は圧力波の
速度を算出する機能を有するもので,通常はプログラミ
ングにより達成される。また,駆動テーブル部204
は,圧力波の速度とインクジェットヘッドを駆動するた
めの出力との関係を記憶するメモリである。
【0013】次に,図2は本発明の実施の形態及び実施
例に係るインジェット装置のインクタンク内部を示した
ものである。図2のA図はインクタンク内部を側面より
見た図で,圧電体100がインクタンクTの内壁103
に取り付けられている。また,図2のB図はA図と同じ
インクタンクTを上から見た図である。ここで,図2の
各点の説明をする。点O1と点O2は,圧電体100の
振動面である。点Cは,反射器101において,圧力波
の一部が反射される反射点である。点Bは,反射器10
2において,前記反射器101で反射されなかった残り
の圧力波が反射される反射点である。点B´は,反射点
Cからの距離が,反射点Cと反射点Bとの距離(Le)
と等しくなるように,振動面O1と反射点Cとを結ぶ直
線に対して垂直方向に延びる線上に便宜的に設けた点で
ある。点Aは,反射点Cと点B´を結ぶ線上でインク液
面と交差するインク液面反射点である。第1の反射器の
一例である反射板101は,詳しくはA図において,圧
電体100の振動面O1で発生した圧力波の一部が,反
射板101の反射点Cを経由し,点B´を通過し,イン
ク液面のインク液面反射点Aに到達して反射されて,再
び点B´を通過し,反射板101の反射点Cを経由し
て,圧電体100の振動面O1に戻るような第1の経路
を通るように角度設定されてインクタンク内部に設けら
れている。更に,第2の反射器と第3の反射器の一例で
ある反射板102は,詳しくはB図において,圧電体1
00の振動面O2で発生した圧力波のうち,前記反射器
101で反射されなかった残りの圧力波が,反射点B,
振動面O2という第2の経路を通るように角度設定され
てインクタンクの内壁に取り付けられている。したがっ
て,圧電体100で発生した圧力波が,反射器101で
第1の経路と第2の経路との2方向に分かれて進行し
て,再び圧電体100に戻ってくるようになっている。
例に係るインジェット装置のインクタンク内部を示した
ものである。図2のA図はインクタンク内部を側面より
見た図で,圧電体100がインクタンクTの内壁103
に取り付けられている。また,図2のB図はA図と同じ
インクタンクTを上から見た図である。ここで,図2の
各点の説明をする。点O1と点O2は,圧電体100の
振動面である。点Cは,反射器101において,圧力波
の一部が反射される反射点である。点Bは,反射器10
2において,前記反射器101で反射されなかった残り
の圧力波が反射される反射点である。点B´は,反射点
Cからの距離が,反射点Cと反射点Bとの距離(Le)
と等しくなるように,振動面O1と反射点Cとを結ぶ直
線に対して垂直方向に延びる線上に便宜的に設けた点で
ある。点Aは,反射点Cと点B´を結ぶ線上でインク液
面と交差するインク液面反射点である。第1の反射器の
一例である反射板101は,詳しくはA図において,圧
電体100の振動面O1で発生した圧力波の一部が,反
射板101の反射点Cを経由し,点B´を通過し,イン
ク液面のインク液面反射点Aに到達して反射されて,再
び点B´を通過し,反射板101の反射点Cを経由し
て,圧電体100の振動面O1に戻るような第1の経路
を通るように角度設定されてインクタンク内部に設けら
れている。更に,第2の反射器と第3の反射器の一例で
ある反射板102は,詳しくはB図において,圧電体1
00の振動面O2で発生した圧力波のうち,前記反射器
101で反射されなかった残りの圧力波が,反射点B,
振動面O2という第2の経路を通るように角度設定され
てインクタンクの内壁に取り付けられている。したがっ
て,圧電体100で発生した圧力波が,反射器101で
第1の経路と第2の経路との2方向に分かれて進行し
て,再び圧電体100に戻ってくるようになっている。
【0014】図1と図3において,圧電体駆動パルスと
受波パルスとの関係を説明する。まず,駆動検出部20
1より圧電体100を振動させるために圧電体駆動パル
スが圧電体100に送られ,圧電体100から圧力波が
発射される。このとき,計時部202は圧電体駆動パル
スを発生したときより計時を開始する。ここで,図3に
おいて,この圧電体駆動パルスが発生した時刻をt0と
しているが,以下の説明において必要なのは,圧電体駆
動パルスが発生した時刻を基点として圧電体100が圧
力波を受波するまでの時間であるので,以下,t0=0
として考える。したがって,図3において,受波パルス
の検出時刻である時刻t1からt5はすべて,圧電体駆
動パルスが発生した時刻t0=0からの時間を示してい
ることになる。
受波パルスとの関係を説明する。まず,駆動検出部20
1より圧電体100を振動させるために圧電体駆動パル
スが圧電体100に送られ,圧電体100から圧力波が
発射される。このとき,計時部202は圧電体駆動パル
スを発生したときより計時を開始する。ここで,図3に
おいて,この圧電体駆動パルスが発生した時刻をt0と
しているが,以下の説明において必要なのは,圧電体駆
動パルスが発生した時刻を基点として圧電体100が圧
力波を受波するまでの時間であるので,以下,t0=0
として考える。したがって,図3において,受波パルス
の検出時刻である時刻t1からt5はすべて,圧電体駆
動パルスが発生した時刻t0=0からの時間を示してい
ることになる。
【0015】駆動検出部201で発生された圧電体駆動
パルスにより圧電体100は振動して,圧電体100の
振動面であるO1,O2から圧力波が発生する。圧力波
は,図2において,反射板101の反射点Cまで進行
し,ここで,前記圧力波の一部が前記第1の経路をとる
ように,また,残りの圧力波は前記第2の経路をとるよ
うに2方向にわかれる。そして,2方向に分かれた圧力
波が,前記第1の経路と第2の経路とをそれぞれ進行し
て,再び圧電体100に戻ってきて,圧電体100で受
波される。そして,第1の経路及び第2の経路を進行し
た圧力波が,それぞれ圧電体100に受波された時刻は
計時部202で計時され,その2つの時刻の時間差に基
づいて,演算部203で演算処理が施されて,求めるイ
ンク残量が算出される。また,圧力波の速度を求めるこ
とによって,インク特性も把握することもできる。これ
については,実施例で述べる。以下に,演算部203で
演算処理する内容について説明する。
パルスにより圧電体100は振動して,圧電体100の
振動面であるO1,O2から圧力波が発生する。圧力波
は,図2において,反射板101の反射点Cまで進行
し,ここで,前記圧力波の一部が前記第1の経路をとる
ように,また,残りの圧力波は前記第2の経路をとるよ
うに2方向にわかれる。そして,2方向に分かれた圧力
波が,前記第1の経路と第2の経路とをそれぞれ進行し
て,再び圧電体100に戻ってきて,圧電体100で受
波される。そして,第1の経路及び第2の経路を進行し
た圧力波が,それぞれ圧電体100に受波された時刻は
計時部202で計時され,その2つの時刻の時間差に基
づいて,演算部203で演算処理が施されて,求めるイ
ンク残量が算出される。また,圧力波の速度を求めるこ
とによって,インク特性も把握することもできる。これ
については,実施例で述べる。以下に,演算部203で
演算処理する内容について説明する。
【0016】まず,第2の経路を進行する圧力波の往復
時間から圧力波の速度を求める。第2の経路の全行程
は,圧力波が,圧電体100で発生し,進行して反射器
102で反射され,圧電体100に戻ってくるので,2
×(La+Le)となる。ここで,圧力波の速度をV,
第2の経路の全行程を圧力波が進行するのに要した時間
をt2とすると,該全行程と速度,時間の関係は,V・
t2=2・(La+Le)…………(1)となって,
(1)式を変形して, t2=2・(La+Le)/V……(2)となる。 また,圧力波の速度Vは,(2)式を変形して, V=2・(La+Le)/t2…(3) となる。 ここで,La+Leは既知であり,t2が計測されるこ
とで速度Vがわかる。また,同様に,第1の経路を進行
する圧力波の時間を求めると,第1の経路の全工程は,
圧力波が,圧電体100で発生し,進行して反射器10
1で進行方向が変化され,インク液面104に到達して
反射され,再び反射器101で進行方向が変化され,圧
電体100に戻ってくるので,2×(La+Le+L
d)となる。ここで,圧力波の速度をV,第1の経路の
全行程を圧力波が進行するのに要した時間をt1とする
と, V・t1=2・(La+Le+Ld)………(4)
となって, t1=2・(La+Le+Ld)/V…(5) とな
る。
時間から圧力波の速度を求める。第2の経路の全行程
は,圧力波が,圧電体100で発生し,進行して反射器
102で反射され,圧電体100に戻ってくるので,2
×(La+Le)となる。ここで,圧力波の速度をV,
第2の経路の全行程を圧力波が進行するのに要した時間
をt2とすると,該全行程と速度,時間の関係は,V・
t2=2・(La+Le)…………(1)となって,
(1)式を変形して, t2=2・(La+Le)/V……(2)となる。 また,圧力波の速度Vは,(2)式を変形して, V=2・(La+Le)/t2…(3) となる。 ここで,La+Leは既知であり,t2が計測されるこ
とで速度Vがわかる。また,同様に,第1の経路を進行
する圧力波の時間を求めると,第1の経路の全工程は,
圧力波が,圧電体100で発生し,進行して反射器10
1で進行方向が変化され,インク液面104に到達して
反射され,再び反射器101で進行方向が変化され,圧
電体100に戻ってくるので,2×(La+Le+L
d)となる。ここで,圧力波の速度をV,第1の経路の
全行程を圧力波が進行するのに要した時間をt1とする
と, V・t1=2・(La+Le+Ld)………(4)
となって, t1=2・(La+Le+Ld)/V…(5) とな
る。
【0017】ここで,t1とt2の時間差は, t1−t2=2・Ld/V…………(6) となる。 更に,上式を変形して, Ld=(t1−t2)・V/2……(7) となる。 ここで,図2において,LeとLzは既知であり,イン
クタンク内のインク残量はLd+Le+Lzといえるの
で,Ldを演算部203で算出することによってインク
残量が求められる。つまり,第1の経路を進行して戻っ
てきた圧力波と,第2の経路を進行して戻ってきた圧力
波とが駆動検出部201で検出され,その検出された時
刻を計時部202が計時して,その計時された2つの時
刻の時間差と,(3)式で求めた圧力波の速度Vとに基
づいて,インク残量が求まることになる。また,前記圧
電体駆動パルス発生時刻とt1とt2の関係は,図3に
おいて,受波出力1のような関係になる。また,インク
タンク内のインクが減少した場合は,t2は変化せず,
t1が変化する(小さな値になる)ので,この場合の一
例としては,図3の受波出力2のようになる。
クタンク内のインク残量はLd+Le+Lzといえるの
で,Ldを演算部203で算出することによってインク
残量が求められる。つまり,第1の経路を進行して戻っ
てきた圧力波と,第2の経路を進行して戻ってきた圧力
波とが駆動検出部201で検出され,その検出された時
刻を計時部202が計時して,その計時された2つの時
刻の時間差と,(3)式で求めた圧力波の速度Vとに基
づいて,インク残量が求まることになる。また,前記圧
電体駆動パルス発生時刻とt1とt2の関係は,図3に
おいて,受波出力1のような関係になる。また,インク
タンク内のインクが減少した場合は,t2は変化せず,
t1が変化する(小さな値になる)ので,この場合の一
例としては,図3の受波出力2のようになる。
【0018】
【実施例】(第1の実施例)また,上述の実施の形態に
おいては,圧力波が第1の経路と第2の経路とを進行す
る時間差に基づいてインク残量を求めたが,ここで述べ
る第1の実施例では,時間差を求めずに圧力波の速度に
基づいて,インクタンクのインク残量が求められること
を以下に示す。前記(3)式に示すようにt2から圧力
波の速度Vが求められる。ところで,前記(4式)にお
いて,LaとLeは既知である。(4)式を変形する
と, Le+Ld=V・t1/2−La…………(8) と
なる。 ここで,図2において,インクタンク内のインク残量
は,Ld+Le+Lzであって,Lzは既知であり,
(8)式によってLe+Ldが求められるので,(8)
式からインクタンクのインク残量Ld+Le+Lzを求
めることができる。
おいては,圧力波が第1の経路と第2の経路とを進行す
る時間差に基づいてインク残量を求めたが,ここで述べ
る第1の実施例では,時間差を求めずに圧力波の速度に
基づいて,インクタンクのインク残量が求められること
を以下に示す。前記(3)式に示すようにt2から圧力
波の速度Vが求められる。ところで,前記(4式)にお
いて,LaとLeは既知である。(4)式を変形する
と, Le+Ld=V・t1/2−La…………(8) と
なる。 ここで,図2において,インクタンク内のインク残量
は,Ld+Le+Lzであって,Lzは既知であり,
(8)式によってLe+Ldが求められるので,(8)
式からインクタンクのインク残量Ld+Le+Lzを求
めることができる。
【0019】(第2の実施例)つぎに,第2の実施例と
して,インクの特性を求める場合を示す。インクタンク
内のインクにおいて,インクの水分蒸発等によって,イ
ンクの濃度や粘性などのインク特性が変化することが知
られている。また,このインク特性が変化することによ
って,インクを媒質として進行する圧力波の速度が変化
することも知られている。つまり,このことは,圧力波
の速度が分かれば,インク特性が分かるともいえる。し
たがって,本実施例では,圧力波の速度を求めることに
よって,インク特性が求められることを示す。ここで,
本実施例の構成としては,実施の形態及び第1の実施例
で示したように,インクの残量を求める必要は無く,圧
力波の速度のみを求めればよい。上述した(4)式から
圧力波の速度が求まる。圧力波の全行程(距離)が元々
分かっているという前提で,圧力波が進行して圧電体1
00に戻ってくるまでの時間が計時部202で計時され
ることが可能であれば,第3の経路時間を求めるための
圧力波の経路は如何なる経路であってもよい。本実施例
においては,第1の実施例で示した構成より,反射器1
01を除外した構成で足りる。この場合,第2の経路を
圧力波が進行する時間(第3の経路時間)が分かれば良
い。このように,演算部203で上述した演算処理が行
われて,インク特性が反映される圧力波の速度が分かる
ので,この圧力波の速度によって,例えば,インク濃度
もわかる。したがって,インク濃度などのインク特性に
合わせて,インクジェットプリンタが印字出力する際の
階調制御を精度良く行うことが可能となる。つまり,階
調制御等を精度良く行うことは,言い換えると,インク
ジェットプリンタのインクジェットヘッドの制御を精度
良く行うことであるといってもよい。したがって,圧力
波の速度に基づいて,このインクジェットヘッドを駆動
する部分の出力を制御することで,インク特性に応じた
高品質な印字が可能となる。また,圧力波の速度は,温
度によっても変化するので,インクの温度を取得する図
示しない温度センサをインクタンク内部に設けて,その
温度センサで求めたインク温度と求めた圧力波の速度と
を演算部203で吟味することによって,更に詳しくイ
ンク特性を知ることが可能となる。また,図3で,受波
出力2を出力したインクカートリッジにおいて,インク
残量は変化していないが,インク特性が変化したことに
よって,t3→t4(第1の経路時間),t2→t5
(第2の経路時間)と,受波出力の波形が受波出力2か
ら受波出力3に変化していることを示している。つま
り,インク残量が同じであっても,インク特性が変化す
ることで圧力波の速度が変化して,計時部202で計時
される受波時刻が異なるので,(4),(7)式で求め
たインク残量をインクの温度で補正することも可能であ
る。
して,インクの特性を求める場合を示す。インクタンク
内のインクにおいて,インクの水分蒸発等によって,イ
ンクの濃度や粘性などのインク特性が変化することが知
られている。また,このインク特性が変化することによ
って,インクを媒質として進行する圧力波の速度が変化
することも知られている。つまり,このことは,圧力波
の速度が分かれば,インク特性が分かるともいえる。し
たがって,本実施例では,圧力波の速度を求めることに
よって,インク特性が求められることを示す。ここで,
本実施例の構成としては,実施の形態及び第1の実施例
で示したように,インクの残量を求める必要は無く,圧
力波の速度のみを求めればよい。上述した(4)式から
圧力波の速度が求まる。圧力波の全行程(距離)が元々
分かっているという前提で,圧力波が進行して圧電体1
00に戻ってくるまでの時間が計時部202で計時され
ることが可能であれば,第3の経路時間を求めるための
圧力波の経路は如何なる経路であってもよい。本実施例
においては,第1の実施例で示した構成より,反射器1
01を除外した構成で足りる。この場合,第2の経路を
圧力波が進行する時間(第3の経路時間)が分かれば良
い。このように,演算部203で上述した演算処理が行
われて,インク特性が反映される圧力波の速度が分かる
ので,この圧力波の速度によって,例えば,インク濃度
もわかる。したがって,インク濃度などのインク特性に
合わせて,インクジェットプリンタが印字出力する際の
階調制御を精度良く行うことが可能となる。つまり,階
調制御等を精度良く行うことは,言い換えると,インク
ジェットプリンタのインクジェットヘッドの制御を精度
良く行うことであるといってもよい。したがって,圧力
波の速度に基づいて,このインクジェットヘッドを駆動
する部分の出力を制御することで,インク特性に応じた
高品質な印字が可能となる。また,圧力波の速度は,温
度によっても変化するので,インクの温度を取得する図
示しない温度センサをインクタンク内部に設けて,その
温度センサで求めたインク温度と求めた圧力波の速度と
を演算部203で吟味することによって,更に詳しくイ
ンク特性を知ることが可能となる。また,図3で,受波
出力2を出力したインクカートリッジにおいて,インク
残量は変化していないが,インク特性が変化したことに
よって,t3→t4(第1の経路時間),t2→t5
(第2の経路時間)と,受波出力の波形が受波出力2か
ら受波出力3に変化していることを示している。つま
り,インク残量が同じであっても,インク特性が変化す
ることで圧力波の速度が変化して,計時部202で計時
される受波時刻が異なるので,(4),(7)式で求め
たインク残量をインクの温度で補正することも可能であ
る。
【0020】(第3の実施例)また,第2の実施例で求
めた圧力波の速度はインク特性を反映しているので,以
下の第3の実施例では,この圧力波の速度に基づいて,
インクジェットプリンタがインクを吐出する部分である
インクジェットヘッドを駆動するための出力を調整する
ことによって,インクジェットプリンタの印字品質を高
く保つ例を示す。まず,インクジェットヘッドの機構の
一例として,例えば,圧電体で挟まれた空洞部分にイン
クが溜められていて,該圧電体に電圧(駆動パルス)を
加えることによって,該圧電体が収縮してインクが吐出
されるようなものを考える。このようなインクジェット
ヘッドを使用することを前提として,演算部203で,
第2の実施例に示されたように,インク特性を反映した
圧力波の速度が求められる。ここで,図1における,駆
動テーブル部204には,圧力波の速度と,その圧力波
の速度のときに前記インクジェットヘッドを最適に駆動
させるための駆動出力の値とを対応させて記載されたも
のが記憶されてある。したがって,演算部203で求め
られた圧力波の速度より,インクジェットヘッドを最適
に駆動させるための駆動出力の値を,駆動テーブル部2
04より読み出して,その読み出された駆動出力の値で
インクジェットヘッドを駆動させる。このようにして,
インクジェットヘッドが最適な駆動条件で安定してイン
クを吐出することが可能となる。
めた圧力波の速度はインク特性を反映しているので,以
下の第3の実施例では,この圧力波の速度に基づいて,
インクジェットプリンタがインクを吐出する部分である
インクジェットヘッドを駆動するための出力を調整する
ことによって,インクジェットプリンタの印字品質を高
く保つ例を示す。まず,インクジェットヘッドの機構の
一例として,例えば,圧電体で挟まれた空洞部分にイン
クが溜められていて,該圧電体に電圧(駆動パルス)を
加えることによって,該圧電体が収縮してインクが吐出
されるようなものを考える。このようなインクジェット
ヘッドを使用することを前提として,演算部203で,
第2の実施例に示されたように,インク特性を反映した
圧力波の速度が求められる。ここで,図1における,駆
動テーブル部204には,圧力波の速度と,その圧力波
の速度のときに前記インクジェットヘッドを最適に駆動
させるための駆動出力の値とを対応させて記載されたも
のが記憶されてある。したがって,演算部203で求め
られた圧力波の速度より,インクジェットヘッドを最適
に駆動させるための駆動出力の値を,駆動テーブル部2
04より読み出して,その読み出された駆動出力の値で
インクジェットヘッドを駆動させる。このようにして,
インクジェットヘッドが最適な駆動条件で安定してイン
クを吐出することが可能となる。
【0021】
【発明の効果】以上の説明より,本発明において,以下
に示すような効果がある。インクを貯蔵するインクタン
クを具備してなるインクジェット装置において,圧電体
の振動により,インクを媒質として進行する圧力波が,
発生し,二手に分かれ,その圧力波の行程が一定である
経路を進行して前記圧電体に戻ってくる時間(第2の圧
力波の経路時間)と,インク液面で反射されて戻ってく
る経路のように行程が変化する経路を進行して前記圧電
体に戻ってくる時間(第1の圧力波の経路時間)との時
間差に基づいて,インク残量を算出するようなインクジ
ェット装置として構成されているので,インクタンク内
部のインク残量をいつでも検出することが可能となっ
て,例えば,印刷可能枚数又は印刷可能文字数などを予
想することが可能となる。したがって,印字作業中のイ
ンク切れによる作業能率の低下を防止することも可能と
なる。
に示すような効果がある。インクを貯蔵するインクタン
クを具備してなるインクジェット装置において,圧電体
の振動により,インクを媒質として進行する圧力波が,
発生し,二手に分かれ,その圧力波の行程が一定である
経路を進行して前記圧電体に戻ってくる時間(第2の圧
力波の経路時間)と,インク液面で反射されて戻ってく
る経路のように行程が変化する経路を進行して前記圧電
体に戻ってくる時間(第1の圧力波の経路時間)との時
間差に基づいて,インク残量を算出するようなインクジ
ェット装置として構成されているので,インクタンク内
部のインク残量をいつでも検出することが可能となっ
て,例えば,印刷可能枚数又は印刷可能文字数などを予
想することが可能となる。したがって,印字作業中のイ
ンク切れによる作業能率の低下を防止することも可能と
なる。
【0022】また,第2の圧力波の経路時間に基づいて
圧力波の速度を求めることによって,インクタンクのイ
ンク残量を算出するインクジェット装置として構成され
ても,上述したことと同様に,精度良くインク残量を検
出することが可能となる。また,演算手段により,イン
クの残量を産出する場合に,圧力波の速度を算出するこ
とによってインク残量を求める方法は,計算量が少なく
高速化が要求されるインクジェットプリンタには効果的
である。
圧力波の速度を求めることによって,インクタンクのイ
ンク残量を算出するインクジェット装置として構成され
ても,上述したことと同様に,精度良くインク残量を検
出することが可能となる。また,演算手段により,イン
クの残量を産出する場合に,圧力波の速度を算出するこ
とによってインク残量を求める方法は,計算量が少なく
高速化が要求されるインクジェットプリンタには効果的
である。
【0023】また,本発明における第2の発明は,イン
クを貯蔵するインクタンクを具備してなるインクジェッ
ト装置において,圧電体の振動により,インクを媒質と
して進行する圧力波が,発生し,二手に分かれ,その圧
力波の行程が一定である経路を進行して前記圧電体に戻
ってくる時間(第3の圧力波の経路時間)に基づいて,
圧力波の速度が求められるように構成されているので,
圧力波の速度に反映されるインク特性を知ることが可能
となる。更に,インクの特性が分かることによって,以
下に示す各種効果が見込める。
クを貯蔵するインクタンクを具備してなるインクジェッ
ト装置において,圧電体の振動により,インクを媒質と
して進行する圧力波が,発生し,二手に分かれ,その圧
力波の行程が一定である経路を進行して前記圧電体に戻
ってくる時間(第3の圧力波の経路時間)に基づいて,
圧力波の速度が求められるように構成されているので,
圧力波の速度に反映されるインク特性を知ることが可能
となる。更に,インクの特性が分かることによって,以
下に示す各種効果が見込める。
【0024】更に,前記第3の圧力波の経路時間に基づ
いて圧力波の速度を求めることによって,前記インクタ
ンクのインク濃度を求めるインクジェット装置として構
成されることによって,圧力波の速度が求められて,イ
ンク特性の1つであるインク濃度が求められるので,そ
のインク濃度に合わせてインクジェットプリンタの印字
機構を制御することで,インク濃度に応じた階調制御が
可能となり,一定の印字品質を得ることが可能となる。
いて圧力波の速度を求めることによって,前記インクタ
ンクのインク濃度を求めるインクジェット装置として構
成されることによって,圧力波の速度が求められて,イ
ンク特性の1つであるインク濃度が求められるので,そ
のインク濃度に合わせてインクジェットプリンタの印字
機構を制御することで,インク濃度に応じた階調制御が
可能となり,一定の印字品質を得ることが可能となる。
【0025】また,前記第3の圧力波の経路時間から求
められた圧力波の速度に基づいて,インクを吐出するイ
ンクジェットヘッドへの出力を調整することもできる。
この場合,インクジェットプリンタにおいて,印字の際
にインクを吐出する機構であるインクジェットヘッドの
制御が,インク特性に反映される前記圧力波の速度に基
づいて行われることにより,最適に制御される。
められた圧力波の速度に基づいて,インクを吐出するイ
ンクジェットヘッドへの出力を調整することもできる。
この場合,インクジェットプリンタにおいて,印字の際
にインクを吐出する機構であるインクジェットヘッドの
制御が,インク特性に反映される前記圧力波の速度に基
づいて行われることにより,最適に制御される。
【0026】更に,前記圧力波の速度と前記インクジェ
ットヘッドを駆動するための出力との関係を示した駆動
テーブルを用いて,インクジェットヘッドへの出力を調
整するインクジェット装置として構成されると,前記圧
力波の速度に対応させて,インジェットヘッドへの出力
制御を行うことによって,インクジェットヘッドが最適
な駆動条件で安定してインクを吐出することが可能とな
って,印字品質を高く保つことが可能となる。
ットヘッドを駆動するための出力との関係を示した駆動
テーブルを用いて,インクジェットヘッドへの出力を調
整するインクジェット装置として構成されると,前記圧
力波の速度に対応させて,インジェットヘッドへの出力
制御を行うことによって,インクジェットヘッドが最適
な駆動条件で安定してインクを吐出することが可能とな
って,印字品質を高く保つことが可能となる。
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェット装置
の情報伝達の機能ブロック図。
の情報伝達の機能ブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係るインクタンク内部の
断面図及びインクタンク内部を上面より見た図。
断面図及びインクタンク内部を上面より見た図。
【図3】本発明の実施の形態に係る圧電体駆動パルスと
圧電体が受ける圧力波とのタイムチャート。
圧電体が受ける圧力波とのタイムチャート。
T………インクタンク 100………圧電体(第1の圧電体,第2の圧電体) 101………反射器(第1の反射器) 102………反射器(第2の反射器,第3の反射器) 103………インクタンク内壁 104………インク液面 200………制御部 201………駆動検出部(第1の駆動検出手段,第2の
駆動検出手段) 202………計時部(第1の計時部,第2の計時部) 203………演算部(第1の演算部,第2の演算部) 204………駆動テーブル
駆動検出手段) 202………計時部(第1の計時部,第2の計時部) 203………演算部(第1の演算部,第2の演算部) 204………駆動テーブル
Claims (6)
- 【請求項1】 インクを貯蔵するインクタンクを具備し
てなるインクジェット装置において,前記インクに圧力
波を発生させ,且つ該圧力波の反射波を受けると電圧を
発生させる第1の圧電体と,前記圧力波の一部の進行方
向を変化させる第1の反射器であって,上記一部の圧力
波が,前記第1の圧電体から前記第1の反射器を経由
し,前記インクの液面に到達して反射され,再び前記第
1の反射器を経由して前記第1の圧電体に戻るように角
度設定された第1の反射器と,前記第1の反射器に入射
しない残りの圧力波の進行方向を180度逆向きに変化
させ,再び前記第1の圧電体に戻るように角度設定され
た第2の反射器と,前記第1の圧電体を駆動すると共
に,該第1の圧電体に発生した電圧を検出する第1の駆
動検出手段と,前記第1の圧電体,前記第1の反射器,
前記インク液面,前記第1の反射器,前記第1の圧電体
の順序で進行する第1の圧力波の経路時間と,前記第1
の圧電体,前記第2の反射器,前記第1の圧電体の順序
で進行する第2の圧力波の経路時間との時間差を計時す
る第1の計時手段と,前記第1の計時手段で計時された
時間差に基づいて,前記インクタンクのインク残量を算
出する第1の演算手段とを具備することを特徴とするイ
ンクジェット装置。 - 【請求項2】 前記第2の圧力波の経路時間に基づいて
前記圧力波の速度を求めることによって,前記インクタ
ンクのインク残量を算出する請求項1記載のインクジェ
ット装置。 - 【請求項3】 インクを貯蔵するインクタンクを具備し
てなるインクジェット装置において,前記インクに圧力
波を発生させ,且つ該圧力波の反射波を受けると電圧を
発生させる第2の圧電体と,前記圧力波の進行方向を1
80度逆向きに変化させ,再び前記圧電体に戻るように
角度設定された第3の反射器と,前記第2の圧電体を駆
動すると共に,該第2の圧電体に発生した電圧を検出す
る第2の駆動検出手段と,前記第2の圧電体,前記第3
の反射器,前記第2の圧電体の順序で進行する第3の圧
力波の経路時間を計時する第2の計時手段と,前記計時
手段で計時された第3の圧力波の経路時間に基づいて,
前記インクタンクのインクの特性を算出する第2の演算
手段とを具備することを特徴をするインクジェット装
置。 - 【請求項4】 前記第3の圧力波の経路時間に基づいて
前記圧力波の速度を求めることによって,前記インクタ
ンクのインク濃度を求める請求項3記載のインクジェッ
ト装置。 - 【請求項5】 前記第3の圧力波の経路時間から求めら
れた前記圧力波の速度に基づいて,前記インクを吐出す
るインクジェットヘッドへの出力を調整する請求項3か
ら請求項4のいずれかに記載のインクジェット装置。 - 【請求項6】 前記圧力波の速度と前記インクジェット
ヘッドを駆動するための出力との関係を示した駆動テー
ブルを用いて,前記インクジェットヘッドへの出力を調
整する請求項5記載のインクジェット装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000287458A JP2002096482A (ja) | 2000-09-21 | 2000-09-21 | インクジェット装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000287458A JP2002096482A (ja) | 2000-09-21 | 2000-09-21 | インクジェット装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002096482A true JP2002096482A (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=18771200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000287458A Pending JP2002096482A (ja) | 2000-09-21 | 2000-09-21 | インクジェット装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002096482A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100609903B1 (ko) * | 2004-12-08 | 2006-08-08 | 삼성전자주식회사 | 잉크잔량검출장치 |
-
2000
- 2000-09-21 JP JP2000287458A patent/JP2002096482A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100609903B1 (ko) * | 2004-12-08 | 2006-08-08 | 삼성전자주식회사 | 잉크잔량검출장치 |
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