JP2002096300A - マイクロレンズアレイ金型加工方法及びマイクロレンズアレイ金型 - Google Patents

マイクロレンズアレイ金型加工方法及びマイクロレンズアレイ金型

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JP2002096300A
JP2002096300A JP2000283316A JP2000283316A JP2002096300A JP 2002096300 A JP2002096300 A JP 2002096300A JP 2000283316 A JP2000283316 A JP 2000283316A JP 2000283316 A JP2000283316 A JP 2000283316A JP 2002096300 A JP2002096300 A JP 2002096300A
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microlens array
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crystal diamond
groove
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Hisashi Inada
久 稲田
Satoshi Kai
聡 甲斐
Hiroyuki Endo
弘之 遠藤
Susumu Cho
軍 張
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はマイクロレンズアレイ金型を高精度に
加工するマイクロレンズアレイ金型加工方法及びマイク
ロレンズアレイ金型を提供する。 【解決手段】加工機1を用いたレンズアレイ金型10の
溝加工に際して、まず、単結晶ダイヤモンド工具4と砥
粒工具5の工具間距離を測定し、砥粒工具5をマイクロ
レンズアレイ金型10の溝加工位置まで移動させて、単
結晶ダイヤモンド工具4での加工代を残した切り込み量
分X軸方向に移動させる。この状態で、研削液をかけな
がら砥粒工具5を回転させてY軸方向に移動させて、溝
11を形成する粗加工工程処理を行う。その後、単結晶
ダイヤモンド工具4を最初の溝11の加工位置まで移動
させ、単結晶ダイヤモンド工具4を回転させながら溝1
1をそのコーナがシャープエッジな状態に加工する仕上
げ加工工程処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロレンズア
レイ金型加工方法及びマイクロレンズアレイ金型に関
し、詳細には、複写装置や画像形成装置の光学系に用い
られるマイクロレンズアレイ金型を高精度に加工するマ
イクロレンズアレイ金型加工方法及びマイクロレンズア
レイ金型に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロレンズアレイにおいては、各レ
ンズに入った光線が隣接するレンズに抜けて元の像から
離れた位置に結像し、いわゆるゴーストを作るという問
題がある。
【0003】そこで、本出願人は、先に、等間隔に並置
されそれぞれの光軸が平行な複数のレンズが一体に成形
されたプラスチックからなるレンズ・アレイにおいて、
上記レンズに入射した光線が、このレンズに隣るレンズ
へ入射するのを防止する光透過防止用空隙部を有し、上
記光透過防止用空隙部が、相隣るレンズ間にレンズ成形
と同時に形成され、上記光透過防止用空隙部を形成する
壁面が粗面であるレンズ・アレイを提案している(特許
第2718689号公報参照)。
【0004】このレンズアレイにおいては、レンズアレ
イ形成用の金型を入れ子として、金型を1個1個段形状
に加工し、成形時に組み合わせている。
【0005】ところが、マイクロレンズアレイのよう
に、1個のレンズの大きさが1mm程度であると、1個
1個入れ子を加工し組み合わせることは、例えば、A4
サイズの長さ分の場合、200個以上必要となり、加工
が困難である。その結果、一体金型が必要となり、不必
要な光を除去するために、壁面のコーナーのRが数ミク
ロン程度以下の溝が必要となる。
【0006】そして、従来、溝加工においては、放電加
工やエンドミル加工が一般的に用いられており、また、
溝深さがμmオーダの溝加工においては、特開平9−2
54161号公報に示されているようなエッチング加工
を用いる場合もある。
【0007】レンズアレイの隔壁は、例えば、隔壁の幅
/高さが0.1mm程度で、ピッチ精度が5μm程度、
かつ、断面形状のエッジが丸まっていないことが必要で
あるが、上述のエンドミル加工では、エンドミル自体が
0.5mm程度までしか製作できずに、0.1mm幅の
溝を形成することができない。また、放電加工では、電
極のコーナー部が摩耗しやすく、丸まり、溝コーナーに
Rがつくという問題がある。
【0008】一方、シリコンやセラミックなどの硬脆性
材料にはダイシングが用いられるが、ニッケル等のねば
い材料の加工には目詰まりを生じやすいため、シャープ
なエッジを得るための細かい砥粒のブレードを用いるこ
とが難しいく、ブレードのエッジ部が摩耗しやすいこと
から、溝のコーナーにRがつきやすいという問題があ
る。
【0009】また、ニッケルなどの加工には、ダイヤモ
ンド工具による溝加工例(特開平11−010428号
公報参照)が提案されているが、切り込み量が大きい
と、チッピングを生じやすいため、一度の切り込み量が
10μm以下程度であり、100μmの深さをレンズア
レイのアレイ方向に多数溝を形成するには、時間がかか
り、切削距離が長くなることから摩耗が促進される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、上述のように、レンズアレ
イの隔壁が、図7の右端に示す隔壁のように、先端部が
丸みを帯びたものとなり、完全なゴースト防止対策を得
ることができず、改良の必要があった。
【0011】そこで、請求項1記載の発明は、加工物と
工具との相対位置を制御して、工具で、複数のレンズが
隔壁を隔てて配列されたマイクロレンズアレイを成形す
るマイクロレンズアレイ金型を加工するに際して、工具
として固定砥粒工具を用いて加工物に隔壁成形用の溝を
粗加工する粗加工工程と、工具として回転軸に固定され
た単結晶ダイヤモンド工具を用いて粗加工で形成された
加工物の溝に合わせて仕上げ加工を行う仕上げ加工工程
と、を順次行うことにより、マイクロレンズアレイのゴ
ースト防止隔壁に対応した金型の溝を簡単で能率的に、
かつ、高精度に加工するマイクロレンズアレイ金型加工
方法を提供することを目的としている。
【0012】請求項2記載の発明は、固定砥粒工具と単
結晶ダイヤモンド工具を、同じ回転軸上に設けることに
より、粗加工の溝に仕上げ用のダイヤモンド刃先を容易
に合わせて、粗加工から仕上げ加工までを連続して無人
加工を行えるようにし、金型の溝をより一層簡単で能率
的に、かつ、高精度に加工するマイクロレンズアレイ金
型加工方法を提供することを目的としている。
【0013】請求項3記載の発明は、形成された溝を、
その断面形状の底部に平面部が形成されたものとするこ
とにより、金型の溝をより一層簡単で能率的に、かつ、
高精度に加工するマイクロレンズアレイ金型加工方法を
提供することを目的としている。
【0014】請求項4記載の発明は、単結晶ダイヤモン
ド工具として、その先端が平坦な粗面に形成されている
単結晶ダイヤモンド工具を用いることにより、金型の溝
をより一層簡単で能率的に、かつ、高精度に加工するマ
イクロレンズアレイ金型加工方法を提供することを目的
としている。
【0015】請求項5記載の発明は、固定砥粒工具とし
て、その側面テーパー角部が、単結晶ダイヤモンド工具
の側面テーパー角部よりも大きな角度に形成されている
固定砥粒工具を用いることにより、単結晶ダイヤモンド
工具の切削時の抵抗を減少させて、工具の損傷を防ぎ、
金型の溝を簡単で、より一層能率的に、かつ、高精度に
加工するマイクロレンズアレイ金型加工方法を提供する
ことを目的としている。
【0016】請求項6記載の発明は、溝加工面を、無電
解ニッケル面とすることにより、溝加工後に、単結晶ダ
イヤモンド工具によるレンズ面の鏡面切削加工を可能と
し、研磨等を不要として、より一層能率的に、かつ、高
精度に加工するマイクロレンズアレイ金型加工方法を提
供することを目的としている。
【0017】請求項7記載の発明は、粗加工工程及び仕
上げ加工工程で、溝を直線上に形成することにより、溝
をより一層簡単に形成し、より一層能率的に、かつ、高
精度に加工するマイクロレンズアレイ金型加工方法を提
供することを目的としている。
【0018】請求項8記載の発明は、マイクロレンズア
レイ金型を、請求項1から請求項8のいずれかのマイク
ロレンズアレイ金型加工方法で製作することにより、マ
イクロレンズアレイのゴースト防止隔壁に対応した溝を
簡単で能率的に、かつ、高精度に加工されたマイクロレ
ンズアレイ金型を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のマ
イクロレンズアレイ金型の加工方法は、加工物と工具と
の相対位置を制御して、前記工具で、複数のレンズが隔
壁を隔てて配列されたマイクロレンズアレイを成形する
マイクロレンズアレイ金型を加工するマイクロレンズア
レイ金型加工方法において、前記工具として固定砥粒工
具を用いて前記加工物に前記隔壁成形用の溝を粗加工す
る粗加工工程と、前記工具として回転軸に固定された単
結晶ダイヤモンド工具を用いて前記粗加工で形成された
前記加工物の溝に合わせて仕上げ加工を行う仕上げ加工
工程と、を順次行うことことにより、上記目的を達成し
ている。
【0020】上記構成によれば、加工物と工具との相対
位置を制御して、工具で、複数のレンズが隔壁を隔てて
配列されたマイクロレンズアレイを成形するマイクロレ
ンズアレイ金型を加工するに際して、工具として固定砥
粒工具を用いて加工物に隔壁成形用の溝を粗加工する粗
加工工程と、工具として回転軸に固定された単結晶ダイ
ヤモンド工具を用いて粗加工で形成された加工物の溝に
合わせて仕上げ加工を行う仕上げ加工工程と、を順次行
うので、マイクロレンズアレイのゴースト防止隔壁に対
応した金型の溝を簡単で能率的に、かつ、高精度に加工
することができる。
【0021】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記固定砥粒工具と前記単結晶ダイヤモンド工具
は、同じ回転軸上に設けられていてもよい。
【0022】上記構成によれば、固定砥粒工具と単結晶
ダイヤモンド工具を、同じ回転軸上に設けているので、
粗加工の溝に仕上げ用のダイヤモンド刃先を容易に合わ
せて、粗加工から仕上げ加工までを連続して無人加工を
行えるようにすることができ、金型の溝をより一層簡単
で能率的に、かつ、高精度に加工することができる。
【0023】また、例えば、請求項3に記載するよう
に、前記形成された溝は、その断面形状の底部に平面部
が形成されていてもよい。
【0024】上記構成によれば、形成された溝を、その
断面形状の底部に平面部が形成されたものとしているの
で、金型の溝をより一層簡単で能率的に、かつ、高精度
に加工することができる。
【0025】さらに、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記単結晶ダイヤモンド工具として、その先端が平
坦な粗面に形成されている単結晶ダイヤモンド工具を用
いてもよい。
【0026】上記構成によれば、単結晶ダイヤモンド工
具として、その先端が平坦な粗面に形成されている単結
晶ダイヤモンド工具を用いているので、金型の溝をより
一層簡単で能率的に、かつ、高精度に加工することがで
きる。
【0027】また、例えば、請求項5に記載するよう
に、前記固定砥粒工具として、その側面テーパー角部
が、前記単結晶ダイヤモンド工具の側面テーパー角部よ
りも大きな角度に形成されている固定砥粒工具を用いて
もよい。
【0028】上記構成によれば、固定砥粒工具として、
その側面テーパー角部が、単結晶ダイヤモンド工具の側
面テーパー角部よりも大きな角度に形成されている固定
砥粒工具を用いているので、単結晶ダイヤモンド工具の
切削時の抵抗を減少させて、工具の損傷を防ぐことがで
き、金型の溝を簡単で、より一層能率的に、かつ、高精
度に加工することができる。
【0029】さらに、例えば、請求項6に記載するよう
に、前記溝加工面は、無電解ニッケル面であってもよ
い。
【0030】上記構成によれば、溝加工面を、無電解ニ
ッケル面としているので、溝加工後に、単結晶ダイヤモ
ンド工具によるレンズ面の鏡面切削加工を可能とするこ
とができ、研磨等を不要として、より一層能率的に、か
つ、高精度に加工することができる。
【0031】また、例えば、請求項7に記載するよう
に、前記粗加工工程及び前記仕上げ加工工程は、前記溝
を直線上に形成してもよい。
【0032】上記構成によれば、粗加工工程及び仕上げ
加工工程で、溝を直線上に形成しているので、溝をより
一層簡単に形成することができ、より一層能率的に、か
つ、高精度に加工することができる。
【0033】請求項8記載の発明のマイクロレンズアレ
イ金型は、前記請求項1から請求項8のいずれかのマイ
クロレンズアレイ金型加工方法で製作されいることによ
り、上記目的を達成している。
【0034】上記構成によれば、マイクロレンズアレイ
金型を、請求項1から請求項8のいずれかのマイクロレ
ンズアレイ金型加工方法で製作しているので、マイクロ
レンズアレイのゴースト防止隔壁に対応した溝を簡単で
能率的に、かつ、高精度に加工されたマイクロレンズア
レイ金型を提供することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0036】図1〜図7は、本発明のマイクロレンズア
レイ金型加工方法及びマイクロレンズアレイ金型の一実
施の形態を示す図であり、図1は、本発明のマイクロレ
ンズアレイ金型加工方法及びマイクロレンズアレイ金型
の一実施の形態を適用した加工機1の部分拡大正面図で
ある。
【0037】図1において、加工機1は、図示しないX
テーブル、Yテーブル、Zテーブルを有し、Z軸方向に
平行に工具スピンドル2が取り付けられている。工具ス
ピンドル2には、回転軸3が取り付けられており、回転
軸3の先端部には、単結晶ダイヤモンド工具4と砥粒工
具(固定砥粒工具)5が回転軸3の軸方向に所定間隔を
空けて固定(すなわち、同じ回転軸上に固定)されてい
る。この加工機1としては、例えば、位置決め精度が1
μm以下のマシニングセンタが用いられ、また、工具ス
ピンドル2の軸受けとしては、空気軸受けが望ましい。
【0038】この加工機1に対して、加工対象であるマ
イクロレンズアレイ金型10が、図1に示すような位置
に固定される。
【0039】そして、単結晶ダイヤモンド工具4及び砥
粒工具5は、図2に示すように、ぞさぞれ、幅0.1m
mであり、工具テーパー角度が、単結晶ダイヤモンド工
具4のテーパー角をα1、砥粒工具5のテーパー角をα
2とすると、α1≦α2の関係にある。
【0040】そして、工具テーパー角度は、大きくする
と、加工されるマイクロレンズアレイ金型で成形される
マイクロレンズアレイに不要な光が入射し、ゴースト、
フレアの発生原因となり、また、テーパー角度が小さい
と、成型時に樹脂が溝から抜けなくなるため、1度〜5
度程度が望ましい。例えば、単結晶ダイヤモンド工具4
のテーパー角度α1が1度であれば、砥粒工具5のテー
パー角度α2を2度とする。このようにすると、単結晶
ダイヤモンド工具4で加工するときに、単結晶ダイヤモ
ンド工具4の負荷が減り、単結晶ダイヤモンド工具4の
破損がしにくくなる。
【0041】また、単結晶ダイヤモンド工具4の刃先
は、粗さ略1μm程度にする。すなわち、マイクロレン
ズアレイ金型10の溝加工の際に、この程度の粗さの刃
先の単結晶ダイヤモンド工具4により、溝11(図4参
照)の底部を粗面化することで、このマイクロレンズア
レイ金型10で成形したマイクロレンズアレイのレンズ
間隔壁面を粗面化し、ゴースト、フレアを低減する。
【0042】また、単結晶ダイヤモンド工具4のコーナ
ーエッジ部は、単結晶であるので、鋭利にすることがで
きるが、チッピングを防止するために、必要とするコー
ナーR以下での面取りを施すことが好ましい。なお、R
5μm以下のコーナーRを形成するためには、単結晶ダ
イヤモンド工具4のコーナーRは5μm以下とすること
が好ましい。
【0043】砥粒工具5は、例えば、メタルボンド砥
石、電着砥石、レジンボンド砥石等を用いることがで
き、砥粒工具5のエッジ部をシャープにすることはツル
ーイングでは可能であるが、マイクロレンズアレイ金型
10の溝11を加工することで両端のコーナー部の摩耗
が進み、図3に示すように、R形状となる。
【0044】次に、本実施の形態の作用を説明する。本
実施の形態においては、マイクロレンズアレイ金型10
の溝加工に際して、まず、単結晶ダイヤモンド工具4と
砥粒工具5の工具間距離(オフセット)を測定する。こ
れは、例えば、平面に浅く溝11を入れ、その間の距離
を測定することで測定することができる。また、単結晶
ダイヤモンド工具4と砥粒工具5の回転半径差もこの溝
11の深さを測定することで把握でき、単結晶ダイヤモ
ンド工具4と砥粒工具5の加工時の切り込み方向の設定
についても、この差分をオフセットすることで設定する
ことができる。
【0045】次に、砥粒工具5をマイクロレンズアレイ
金型10の溝加工位置まで移動させ、単結晶ダイヤモン
ド工具4での加工代を残した切り込み量分X軸方向(図
1参照)に移動させる。この状態で、研削液をかけなが
ら砥粒工具5を回転させてY軸方向(図1参照)に移動
させて、図4に示すように、溝11を形成する粗加工工
程処理を行う。この場合、例えば、溝11の深さを、
0.1mmとすると、溝11の深さ0.1mmに対し
て、5μm程度浅く加工する。上記砥粒工具5による溝
11の加工をマイクロレンズアレイ金型10に形成する
溝1の数だけ加工する。
【0046】その後、マイクロレンズアレイ金型10に
付着した研削液や切り粉をエアーブローにて吹き飛ば
し、単結晶ダイヤモンド工具4をマイクロレンズアレイ
金型10の最初の溝11の加工位置まで移動させ、単結
晶ダイヤモンド工具4を回転させながら溝11をその加
工深さ0.1mmまで切り込み量を設定し、白灯油、あ
るいは植物油ミス等をかけながら、Y軸方向に移動させ
ることで、溝11をそのコーナがシャープエッジな状態
に加工する仕上げ加工工程処理を行う。
【0047】このように、加工機1は、単結晶ダイヤモ
ンド工具4と砥粒工具5が1つの回転軸3上に固定され
ていることから、連続加工を行うことができ、単結晶ダ
イヤモンド工具4での加工と砥粒工具5での加工の段取
りを容易なものとすることができる。
【0048】したがって、上述のようにして形成したマ
イクロレンズアレイ金型10で、図5に示すような金駒
20を形成することができ、この金駒20により、マイ
クロレンズ30を成形することができるとともに、シャ
ープな形状の隔壁31を形成することができる。
【0049】このようにして形成されたマイクロレンズ
アレイ30は、例えば、図6に示すように、等倍結像素
子(ルーフプリズムレンズアレイ)40に適用され、発
光源(LED)50との組み合わされて、デジタルプリ
ンタ等の書込ユニットに用いられる。
【0050】そして、このようなデジタルプリンタ等の
書込ユニットにおいては、ゴーストを防止するために
は、図7に示すように、その等倍結像素子40の隔壁4
1がシャープであることが重要であり、図7の右端に示
す隔壁42(従来例)のように、エッジ部分に丸みがあ
ると、不要な光が入射し、フレアやゴーストの原因とな
る。
【0051】ところが、本実施の形態の加工機1で形成
したマイクロレンズアレイ金型10は、溝10をシャー
プに形成することができるため、このマイクロレンズア
レイ金型10を用いて形成したマイクロレンズアレイ4
0の隔壁41は、図7に示すように、シャープなものと
なり、フレアやゴーストを低減することができる。
【0052】このように、本実施の形態においては、工
具として砥粒工具5を用いて隔壁成形用の溝11を粗加
工する粗加工工程と、工具として回転軸3に固定された
単結晶ダイヤモンド工具4を用いて粗加工で形成された
溝11に合わせて仕上げ加工を行う仕上げ加工工程と、
を順次行っている。
【0053】したがって、マイクロレンズアレイ30の
ゴースト防止隔壁41に対応したマイクロレンズアレイ
金型10の溝11を簡単で能率的に、かつ、高精度に加
工することができる。
【0054】また、本実施の形態においては、砥粒工具
5と単結晶ダイヤモンド工具4を、同じ回転軸3上に設
けているので、粗加工の溝11に仕上げ用のダイヤモン
ド刃先を容易に合わせて、粗加工から仕上げ加工までを
連続して無人加工を行えるようにすることができ、マイ
クロレンズアレイ金型10の溝11をより一層簡単で能
率的に、かつ、高精度に加工することができる。
【0055】さらに、上記形成された溝11を、その断
面形状の底部に平面部が形成されたものとしているの
で、マイクロレンズアレイ金型10の溝11をより一層
簡単で能率的に、かつ、高精度に加工することができ
る。
【0056】また、単結晶ダイヤモンド工具4として、
その先端が平坦な粗面に形成されている単結晶ダイヤモ
ンド工具を用いているので、マイクロレンズアレイ金型
10の溝11をより一層簡単で能率的に、かつ、高精度
に加工することができる。
【0057】さらに、砥粒工具5として、その側面テー
パー角部が、単結晶ダイヤモンド工具4の側面テーパー
角部よりも大きな角度に形成されている固定砥粒工具を
用いているので、単結晶ダイヤモンド工具4の切削時の
抵抗を減少させて、工具の損傷を防ぐことができ、マイ
クロレンズアレイ金型10の溝11を簡単で、より一層
能率的に、かつ、高精度に加工することができる。
【0058】また、溝11の加工面を、無電解ニッケル
面とすると、溝11の加工後に、単結晶ダイヤモンド工
具4によるレンズ面の鏡面切削加工を可能とすることが
でき、研磨等を不要として、より一層能率的に、かつ、
高精度に加工することができる。
【0059】さらに、粗加工工程及び仕上げ加工工程
で、溝11を直線上に形成しているので、溝11をより
一層簡単に形成することができ、より一層能率的に、か
つ、高精度に加工することができる。
【0060】そして、このようにして製作されたマイク
ロレンズアレイ金型10は、マイクロレンズアレイ30
のゴースト防止隔壁31に対応した溝11を簡単で能率
的に、かつ、高精度に加工されたマイクロレンズアレイ
金型10を提供することができる。
【0061】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0062】
【発明の効果】請求項1記載の発明のマイクロレンズア
レイ金型加工方法によれば、加工物と工具との相対位置
を制御して、工具で、複数のレンズが隔壁を隔てて配列
されたマイクロレンズアレイを成形するマイクロレンズ
アレイ金型を加工するに際して、工具として固定砥粒工
具を用いて加工物に隔壁成形用の溝を粗加工する粗加工
工程と、工具として回転軸に固定された単結晶ダイヤモ
ンド工具を用いて粗加工で形成された加工物の溝に合わ
せて仕上げ加工を行う仕上げ加工工程と、を順次行うの
で、マイクロレンズアレイのゴースト防止隔壁に対応し
た金型の溝を簡単で能率的に、かつ、高精度に加工する
ことができる。
【0063】請求項2記載の発明のマイクロレンズアレ
イ金型加工方法によれば、固定砥粒工具と単結晶ダイヤ
モンド工具を、同じ回転軸上に設けているので、粗加工
の溝に仕上げ用のダイヤモンド刃先を容易に合わせて、
粗加工から仕上げ加工までを連続して無人加工を行える
ようにすることができ、金型の溝をより一層簡単で能率
的に、かつ、高精度に加工することができる。
【0064】請求項3記載の発明のマイクロレンズアレ
イ金型加工方法によれば、形成された溝を、その断面形
状の底部に平面部が形成されたものとしているので、金
型の溝をより一層簡単で能率的に、かつ、高精度に加工
することができる。
【0065】請求項4記載の発明のマイクロレンズアレ
イ金型加工方法によれば、単結晶ダイヤモンド工具とし
て、その先端が平坦な粗面に形成されている単結晶ダイ
ヤモンド工具を用いているので、金型の溝をより一層簡
単で能率的に、かつ、高精度に加工することができる。
【0066】請求項5記載の発明のマイクロレンズアレ
イ金型加工方法によれば、固定砥粒工具として、その側
面テーパー角部が、単結晶ダイヤモンド工具の側面テー
パー角部よりも大きな角度に形成されている固定砥粒工
具を用いているので、単結晶ダイヤモンド工具の切削時
の抵抗を減少させて、工具の損傷を防ぐことができ、金
型の溝を簡単で、より一層能率的に、かつ、高精度に加
工することができる。
【0067】請求項6記載の発明のマイクロレンズアレ
イ金型加工方法によれば、溝加工面を、無電解ニッケル
面としているので、溝加工後に、単結晶ダイヤモンド工
具によるレンズ面の鏡面切削加工を可能とすることがで
き、研磨等を不要として、より一層能率的に、かつ、高
精度に加工することができる。
【0068】請求項7記載の発明のマイクロレンズアレ
イ金型加工方法によれば、粗加工工程及び仕上げ加工工
程で、溝を直線上に形成しているので、溝をより一層簡
単に形成することができ、より一層能率的に、かつ、高
精度に加工することができる。
【0069】請求項8記載の発明のマイクロレンズアレ
イ金型によれば、マイクロレンズアレイ金型を、請求項
1から請求項8のいずれかのマイクロレンズアレイ金型
加工方法で製作しているので、マイクロレンズアレイの
ゴースト防止隔壁に対応した溝を簡単で能率的に、か
つ、高精度に加工されたマイクロレンズアレイ金型を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロレンズアレイ金型加工方法及
びマイクロレンズアレイ金型の一実施の形態を適用した
加工機の部分拡大正面図。
【図2】図1の加工機の単結晶ダイヤモンド工具と砥粒
工具及びこれらの刃先の拡大正面図。
【図3】図1の砥粒工具の刃先と加工対象のマイクロレ
ンズアレイ金型の拡大正面図。
【図4】図1の単結晶ダイヤモンド工具の刃先と加工対
象のマイクロレンズアレイ金型の拡大正面図。
【図5】図1の加工機で形成したマイクロレンズアレイ
金型で成形した金駒と当該金駒を使用して成形したマイ
クロレンズアレイの斜視図。
【図6】図5のマイクロレンズアレイとLEDアレイを
組み合わせた書込ユニットの斜視図。
【図7】図6のマイクロレンズアレイの隔壁と従来の隔
壁を組み合わせて描いたマイクロレンズアレイとLED
拡大正面図。
【符号の説明】
1 加工機 2 工具スピンドル 3 回転軸 4 単結晶ダイヤモンド工具 5 砥粒工具 10 マイクロレンズアレイ金型 11 溝 20 金駒 30 マイクロレンズアレイ 40 等倍結像素子 41 隔壁 50 LED
フロントページの続き (72)発明者 張 軍 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 3C049 AA09 AA18 CA01 4F202 AH74 CA11 CB01 CD18

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加工物と工具との相対位置を制御して、前
    記工具で、複数のレンズが隔壁を隔てて配列されたマイ
    クロレンズアレイを成形するマイクロレンズアレイ金型
    を加工するマイクロレンズアレイ金型加工方法におい
    て、前記工具として固定砥粒工具を用いて前記加工物に
    前記隔壁成形用の溝を粗加工する粗加工工程と、前記工
    具として回転軸に固定された単結晶ダイヤモンド工具を
    用いて前記粗加工で形成された前記加工物の溝に合わせ
    て仕上げ加工を行う仕上げ加工工程と、を順次行うこと
    を特徴とするマイクロレンズアレイ金型加工方法。
  2. 【請求項2】前記固定砥粒工具と前記単結晶ダイヤモン
    ド工具は、同じ回転軸上に設けられていることを特徴と
    する請求項1記載のマイクロレンズアレイ金型加工方
    法。
  3. 【請求項3】前記形成された溝は、その断面形状の底部
    に平面部が形成されていることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載のマイクロレンズアレイ金型加工方
    法。
  4. 【請求項4】前記単結晶ダイヤモンド工具として、その
    先端が平坦な粗面に形成されている単結晶ダイヤモンド
    工具を用いることを特徴とする請求項1から請求項3の
    いずれかに記載のマイクロレンズアレイ金型加工方法。
  5. 【請求項5】前記固定砥粒工具として、その側面テーパ
    ー角部が、前記単結晶ダイヤモンド工具の側面テーパー
    角部よりも大きな角度に形成されている固定砥粒工具を
    用いることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれ
    かに記載のマイクロレンズアレイ金型加工方法。
  6. 【請求項6】前記溝加工面は、無電解ニッケル面である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記
    載のマイクロレンズアレイ金型加工方法。
  7. 【請求項7】前記粗加工工程及び前記仕上げ加工工程
    は、前記溝を直線上に形成することを特徴とする請求項
    1から請求項5のいずれかに記載のマイクロレンズアレ
    イ金型加工方法。
  8. 【請求項8】前記請求項1から請求項8のいずれかのマ
    イクロレンズアレイ金型加工方法で製作されたことを特
    徴とするマイクロレンズアレイ金型。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011523596A (ja) * 2008-05-06 2011-08-18 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. マイクロスケール光学構造を作製する方法
WO2015068566A1 (ja) * 2013-11-11 2015-05-14 大日本印刷株式会社 凹状構造体およびその製造方法、ならびにマイクロレンズアレイおよびその製造方法
KR101841890B1 (ko) * 2017-12-13 2018-03-23 김주환 렌즈 어레이 금형 가공용 지그 어셈블리 및 이를 이용한 렌즈 어레이 금형의 제조 방법.

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