JP2002094757A - 通信装置 - Google Patents

通信装置

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JP2002094757A
JP2002094757A JP2000278167A JP2000278167A JP2002094757A JP 2002094757 A JP2002094757 A JP 2002094757A JP 2000278167 A JP2000278167 A JP 2000278167A JP 2000278167 A JP2000278167 A JP 2000278167A JP 2002094757 A JP2002094757 A JP 2002094757A
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JP2000278167A
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English (en)
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Akira Nakabayashi
亮 中林
Tetsuya Shibata
哲也 柴田
Katsumi Nagata
勝己 永田
Tamotsu Shudo
保 周藤
Shigeki Nakahara
茂樹 中原
Tsutomu Taniguchi
努 谷口
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通信回線の品質に対応した最適な伝送速度
を速やかに設定する。 【解決手段】 ITU−T勧告V.34規定の半二重モ
ード通信をエラーコレクションモードで実行する通信装
置であるデジタル複合機において、通信相手から送信さ
れている1単位分の画像のデータをモデム4が受信する
度に、EQMモニタ5が指標値であるEQM値を求め
る。メイン制御部3は、最新のEQM値に応じて、通信
相手とモデムとの間の伝送速度を設定する。最新のEQ
M値が求められた後、次の1単位分の画像のデータの受
信に先だって、伝送速度が変更される。EQM値が増加
または減少するほど、伝送速度が大きく低下または上昇
する。これによって、伝送速度を素早くかつ適切に設定
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にITU−T勧
告のV.34に規定される半二重モード通信を実行する
ことができるファクシミリ装置に関し、詳しくはその通
信速度の変更のための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ファクシミリ装置において、
ITU−T勧告のエラーコレクションモード(ECM)
が知られている。ITU−T勧告のエラーコレクション
モードでは、画像のデータの送受に用いられるフレーム
の伝送エラーが発生した場合、エラーが生じたフレーム
の再送を行う。
【0003】図6(a)は、画像データ伝送にエラーコ
レクションモードを用いるファクシミリ通信手順のフェ
イズB〜フェイズDの部分を説明するための図である。
なお図6では、送信側端末が発呼側端末を兼ねている。
【0004】送信側端末からの呼出しに応答して、受信
側端末は、最初に、ファクシミリ通信であることを表す
被呼局識別信号CED(Called Station Identificatio
nsignal)を送出し、引続いて、受信可能幅および符号
化能力等の受信能力を表すデジタル識別信号DIS(Di
gital Identification Signal)を送出する。被呼局識
別信号CEDおよびデジタル識別信号DISに応答し
て、送信側端末は、伝送モードを設定するためのデジタ
ル命令信号DCS(Digital Command Signal)を送出
し、引続いて、通信回線の品質を確認するためのトレー
ニングチェック信号TCF(Training Check signal)
を送出する。
【0005】受信側端末は、トレーニングチェック信号
TCFが正常に受信されたならば、受信準備確認信号C
FR(Comfirmation to Receive signal)を送出し、ト
レーニングチェック信号TCFが正常に受信されなかっ
たならば、トレーニング失敗信号FTT(Failure to T
rain signal)を送出する。トレーニングが失敗した場
合、送信側端末と受信側端末との間のデータおよび信号
の伝送速度を現在の伝送速度よりも低下させるように、
デジタル命令信号DCSおよびトレーニングチェック信
号TCFが送信側端末から受信側端末に対して再度送信
される。デジタル命令信号DCSおよびトレーニングチ
ェック信号TCFの送出は、受信準備確認信号CFRが
送信側端末に受信されるまで、繰返される。
【0006】受信準備確認信号CFRの受信後、予め定
める単位分の画像のデータPIXと部分ページ信号PP
S−Q(Partial Page Signal−Q)との伝送が、開始
される。1単位分の画像のデータは、たとえばHLDC
に基づく2以上のフレームに分割された状態で、フレー
ム毎に送信される。部分ページ信号PPS−Qとは、P
PS−EOP(PPS-End of procedures:手順終了),P
PS−EOM(PPS-End of Message:メッセージ終
了),マルチページ信号PPS−MP3(PPS-multi Pa
ge signal),およびヌルPPS−NULLの総称であ
り、これら4種の信号のうちのいずれか1つで実現され
る。所定単位分の画像のデータPIXと部分ページ信号
PPS−Qとは、一対の信号として連続して伝送され
る。
【0007】所定単位分の画像のデータPIXの伝送中
にエラーフレームが発生した場合、受信側端末はエラー
フレームの発生を再送要求信号PPR(Partial Pagesi
gnal)によって送信側端末に通知し、部分ページの要求
をする。送信側端末は、再送要求信号PPRを受信する
ことで、自己が送出した全フレームのうちのどこのフレ
ームにエラーが発生したか判断し、エラーしたフレーム
のみを再送する。
【0008】画像のデータ伝送の単一ブロック内におい
て4回の再送要求信号PPRを受信したならば、送信側
端末は、訂正続行信号CTC(Continue To Correct si
gnal)を送出して、伝送速度を1段階落とす通知を行
う。受信側端末は、訂正続行信号CTCを受信すると、
訂正続行応答信号CTR(Response for Continue ToCo
rrect signal)の送信によって応答する。訂正続行応答
信号CTRを受信した送信側端末は、伝送速度を1段階
分落として、画像のデータPIXを再送する。
【0009】画像のデータ伝送中にエラーフレームが発
生しない場合、受信側端末は、再送要求信号PPRでは
なく、部分ページ信号PPS−Qに対する応答であるメ
ッセージ確認信号MCFを送出する。メッセージ確認信
号MCFを受信した送信側端末は、画像のデータ伝送の
次ブロックに移行する。画像のデータ送信の手順完了を
指示する部分ページ信号PPS−EOPに応答してメッ
セージ確認信号MCFが返送されたならば、送信側端末
から受信側端末に対して切断命令信号DCN(Disconne
ct signal)が送出されて、端末間の信号送受がファク
シミリ通信手順のフェイズEに移行する。以上が従来の
ファクシミリ通信手順である。
【0010】上記のECMを用いるファクシミリ通信手
順では、エラーフレームが発生した場合、明らかに伝送
速度を落とさなければならないような回線品質であって
も、現状のままの伝送速度で3回の再送を行った後でし
か伝送速度を低下させないので、伝送時間が長くなって
しまうという問題がある。また、ITU−T勧告V.3
4に規定される半二重モード通信、すなわちいわゆるス
ーパG3に規定される半二重モード通信(以下、V.3
4半二重モード通信と称する)においても、伝送速度を
落とすタイミングが再送要求信号PPRを4回受信した
後の時点に設定されているならば、V.34半二重モー
ド通信においても伝送時間が長くなってしまうという問
題がある。たとえば、1単位分の画像のデータPIX
は、最大で64キロバイトのデータ量を有するので、伝
送速度が33.6Kbpsの場合でも1回の画像のデー
タPIXの伝送に約16秒も要してしまい、かつエラー
フレーム発生から伝送速度を低下させるまでの間に16
秒分のデータ伝送が4回繰返されることになるので、エ
ラーフレームの最初に発生した時点から伝送速度が実際
に低下される時点までに1分以上かかってしまう。
【0011】そこで、このような問題を解決するため
に、典型的な従来技術である特開平10−248006
公報では、EQM(Eye Quality Monitor)値と呼ばれ
るデータを用いている。EQM値は、所定伝送速度にお
ける理想的な信号波形に対する実際の信号波形のモニタ
値であり、回線品質を表す指標である。図6(b)は、
図6(a)で示す手順の通信の実行時のEQM値の変化
を示すグラフである。
【0012】従来技術である特開平10−248006
公報では、ファクシミリ通信シーケンス内のトレーニン
グ実行時に、モデムのEQMモニタからEQM値を読出
し、該EQM値と最適伝送速度とを予め対応付けたテー
ブルを格納しているメモリを参照して対応する最適伝送
速度を読出し、現在の伝送速度を該最適伝送速度に直接
フォールバックすることによって、トレーニング時間を
短縮している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】特開平10−2480
06公報の通信装置は、画像のデータの伝送を開始する
前に通信回線の状態を測定し、その測定結果に基づいて
伝送速度を決定している。特性測定時と実際の画像デー
タ伝送時とにおいて通信回線の品質が微妙に変化する可
能性が充分考えられるので、1単位分の画像のデータの
通信毎に、必ずしも適切な伝送速度が選択されるとは限
らないという問題がある。
【0014】また他の従来技術である特開平10−24
3198号公報では、伝送速度の変更にあたって、現在
の伝送速度よりも速くする場合と現在の伝送速度よりも
遅くする場合とで、伝送速度変更までの再送要求信号P
PRの受信回数に差を持たせ、伝送速度の変更を速やか
に行うことが示されている。特開平10−243198
公報のファクシミリ装置は、1ブロック分の画像のデー
タの送信期間内における再送要求信号PPRの受信回数
が4回よりも少なくても、伝送速度を遅くしている。伝
送速度は、1段階分ずつ、すなわち2.4kbpsずつ
低下していくので、たとえば伝送速度が33.6kbp
sまたは28.8kbps等であって非常に高速にデー
タが伝送されている状態から、伝送速度が14.4kb
psまたは9.6kbps等であって低速でデータが伝
送される状態に切換えるには、やはり時間がかかるとい
う問題がある。
【0015】本発明の目的は、データの伝送速度を回線
品質に対応した最適伝送速度に速やかに変更することが
できる通信装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、ITU−T勧
告V.34に規定される半二重モード通信を行い、かつ
ITU−T勧告に規定されるエラーコレクションモード
を実行する通信装置において、通信相手との間で通信回
線を介してデータを送受するためのモデムと、モデムに
よるデータ受信時に、通信相手からの予め定める単位分
の送受すべきデータをモデムが受信する度に、通信回線
の品質を表す指標値を求める指標値算出手段と、モデム
におけるデータ送受を制御し、指標値に応じて、通信相
手とモデムとの間の伝送速度を設定する制御手段とを含
むことを特徴とする通信装置である。
【0017】本発明に従えば、本発明の通信装置は、I
TU−T勧告V.34規定の半二重モード通信を、IT
U−T勧告規定のエラーコレクションモード(ECM)
に基づいて実行する。本発明の通信装置がデータの受信
側端末として機能する状況下で、所定単位分のデータが
モデムに受信されるたびに、送信側端末である通信相手
とモデムの間の通信回線の品質を表す指標値が求められ
る。通信相手とモデムとの間における伝送速度が、求め
られた指標値に応じて、送信側端末である通信相手では
なく、受信側端末である本発明の通信装置によって設定
される。これによって、通信装置から通信相手への再送
要求信号PPRの送出回数に関係なく、指標値に応じて
伝送速度が設定されるので、伝送速度を素早くかつ適切
に設定することができる。伝送速度を設定するための指
標値は、求められた最新の指標値であってもよいが、そ
の代りに、求められた複数の指標値のうちの最小値でも
よく、求められた複数の指標値の平均値でもよく、その
他の値であってもよく、このような指標値に関連する値
も、総括的に「指標値」と言うことがある。
【0018】また本発明の通信装置は、前記モデムは、
前記所定単位分のデータの受信を繰返し、前記制御手段
は、最新の所定単位分のデータ受信に応答して求められ
ている指標値に基づき、次回の所定単位分のデータ受信
に先だって、前記伝送速度を変更することを特徴とす
る。
【0019】本発明に従えば、所定単位分のデータの受
信が繰返される場合、通信装置において、所定単位分の
データ受信に応答して、指標値が求められる。次回のデ
ータ受信に先だって、指標値に基づき伝送速度が変更さ
れる。これによって、通信回線の状態が時間変化に伴っ
て微妙に変化する場合であっても、所定単位分のデータ
受信の度に適切な伝送速度が選択設定されるので、デー
タ送受をより確実に実行することが可能になる。
【0020】また本発明の通信装置は、前記通信回線の
品質が悪化するほど前記指標値が増加するように構成さ
れ、前記制御手段が、予め定める閾値と該指標値とを比
較し、該指標値が該閾値を越えているならば、前記伝送
速度を低下させることを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、通信装置において、指標
値が所定の閾値を越えているならば、前記伝送速度が落
とされる。これによって、伝送速度が適切に選択設定さ
れるので、データ送受をより確実に実行することが可能
になる。
【0022】また本発明の通信装置は、前記通信回線の
品質が悪化するほど前記指標値が増加するように構成さ
れ、前記制御手段が、予め定める閾値と前記指標値とを
比較し、該指標値が該閾値未満であるならば、前記伝送
速度を上昇させることを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、通信装置において、指標
値が所定の閾値を下回るならば、前記伝送速度が上げら
れる。これによって、伝送速度が適切に選択設定される
ので、データ送受をより確実に実行することが可能にな
る。
【0024】また本発明の通信装置は、前記制御手段
が、前記指標値に応じて、現在の伝送速度を、該指標値
に対応する伝送速度に変更することを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、通信装置において、現在
の伝送速度が最新の指標値に応じた伝送速度に1度に変
更される。これによって、適切な伝送速度をより素早く
設定することができる。
【0026】また本発明の通信装置は、前記制御手段
が、前記指標値に応じて、現在の伝送速度を、予め定め
る変更段階の1段階分以上の変更幅だけ増減させ、前記
指標値と予め定める閾値との差が大きいほど、前記伝送
速度の変更幅が拡大していることを特徴とする。
【0027】本発明に従えば、通信装置において、指標
値に応じて、伝送速度が段階的に変更される。指標値が
所定の閾値から離れるほど、前記伝送速度の変更幅が拡
大する。これによって、伝送速度が段階的に変更される
場合であっても、適切な伝送速度をより素早く設定する
ことができる。
【0028】また本発明の通信装置は、前記閾値を記憶
している記憶手段をさらに含み、記憶手段内の閾値は、
設定変更可能であることを特徴とする。
【0029】本発明に従えば、通信装置において、伝送
速度変更に係る判断に用いられる閾値が変更可能であ
る。これによって、通信装置の使用状況等に応じて、よ
り適切な伝送速度の微調整が可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
通信装置を兼ねるデジタル複合機の制御装置1の構成を
示すブロック図である。図1のデジタル複合機は、画像
のデータの送受の際にITU−T勧告V.34規定の半
2重モード通信をITU−T勧告V.34規定のエラー
コレクションモードで実行する構成のファクシミリ通信
機能を有している。図1のデジタル複合機の制御装置1
は、メイン制御部3、モデム4、および指標値算出部5
とを少なくとも含み、パネル制御部11、読取・記録制
御部13、符号/復号化制御部14、画像情報メモリ1
5、制御用メモリ17、登録データメモリ19、および
回線制御部NCU18をさらに含む。デジタル複合機
は、制御装置1の他に、操作パネル21とスキャナ22
とプリンタ23とを含む。
【0031】メイン制御部3は、デジタル複写機全体お
よび該デジタル複写機の制御装置1全体の制御、特にモ
デム4によるデータ送受の制御を行う。パネル制御部1
1は、オペレータによるデジタル複写機の操作パネル2
1のキー操作入力に応じた出力をメイン制御部3へ与え
るとともに、メイン制御部3からの表示情報に基づい
て、前記操作パネル21の表示部24に表示を行う。符
号/復号化制御部14は、ファクシミリ通信で必要な画
像のデータの符号化および復号化処理を行う。読取・記
録制御部13は、メイン制御部3からの指示に従い、フ
ァクシミリ通信によって送信すべき原稿のスキャナ22
による読取りを制御し、読取り結果である画像のデータ
を符号/復号化制御部14へ出力する。さらに読取・記
録制御部13は、メイン制御部3からの指示に従い、フ
ァクシミリ通信によってモデム4が受信したデータを符
号/復号化制御部14から受取り、プリンタ23を用い
た該データの印字出力を制御する。
【0032】画像情報メモリ15は、メイン制御部3か
らの指示に従い、ファクシミリ送信時に、符号/復号化
制御部14によって符号化されたデータを自己に格納
し、かつ、ファクシミリ受信時に、自己に格納されてい
るデータを符号/復号化制御部14へ転送する。また画
像情報メモリ15は、メイン制御部3からの指示に従
い、モデム4からのデータを格納し、かつ格納されてい
るデータのモデム4への転送を行う。制御用メモリ17
は、モデム4および回線制御部(NCU)18等に代表
される周辺回路の制御時に、メイン制御部3が一時的に
使用するメモリである。回線制御部18は、通信回線へ
の接続制御処理、および通信回線へのダイヤル信号送出
処理等を行う。登録データメモリ19は、1以上の各通
信相手に関し、ファクシミリ番号、音量、およびダイヤ
ル信号種別等の登録情報を記憶する。
【0033】モデム4は、通信相手との間での通信回線
を介するデータの送受に用いられる。図1では、モデム
4は、DTMF信号の送出/検出処理、ファクシミリ通
信に使用される信号の送出処理、およびファクシミリ通
信に使用される信号の受信処理等を行う。指標値算出部
5は、通信回線の品質を表す指標値を求める。図1で
は、指標値算出部5は、モデム4に内蔵されているEQ
M(Eye QualityMonitor)モニタで実現される。EQM
モニタ5は、通信回線の品質を示す指標値の1つである
EQM値を求めるEQM機能を有する。
【0034】G3ファクシミリ方式などのアナログファ
クシミリ方式では、位相/振幅の直交変調が行われる。
位相振幅直交変調方式では、変調後の信号の位相および
振幅を極座標によって示した場合、送受されるべき所定
ビット分のバイナリデータは、極座標平面上の点、すな
わち所定の位相および振幅の組合せに割当てられる。デ
ータが割当てられる上記極座標平面上の点が、該データ
のアイ・ポイントである。IC化されたモデム4を搭載
しているモデムチップは、モデム4に実際に受信された
データのアイ・ポイントの正規の位置からのずれを示す
EQM値を、回線品質に相当するデータである回線品質
指示値として、出力可能に構成されている。本実施の形
態では、モデム4だけでなくEQMモニタ5を、モデム
チップが内蔵している。EQM値が大きいほど、通信回
線の品質が悪化している。
【0035】本発明の通信装置を兼ねるデジタル複合機
の制御装置1では、ITU−T勧告V.34規定の半二
重モード通信をITU−T勧告V.34規定のエラーコ
レクションモードで実行する際の伝送速度の制御手順に
特徴がある。制御装置1がデータの受信側端末として機
能する状況下で、モデム4によるデータ受信時におい
て、通信相手からの予め定める単位分の送受すべきデー
タをモデム4が受信する度に、指標値算出部として機能
するEQMモニタ5が、指標値であるEQM値を求め
る。メイン制御部3は、最新のEQM値に応じて、通信
相手とモデム4との間の伝送速度を設定する。
【0036】このように、図1のデジタル複合機では、
通信相手とモデム4との間の伝送速度が、最新の指標値
であるEQM値に応じて、送信側端末である通信相手で
はなく、受信側端末である図1のデジタル複合機の制御
装置1によって設定される。これによって、図1のデジ
タル複合機から通信相手への再送要求信号PPRの送出
回数に関係なく、EQM値に応じて伝送速度が設定され
るので、従来技術の通信装置よりも図1のデジタル複合
機のほうが、伝送速度を素早くかつ適切に設定すること
ができる。
【0037】図2(a)は、図1のように構成されるデ
ジタル複合機が受信側端末として機能する状況下で、
V.34通信手順のフェイズAからフェイズEまでに送
受される信号のうち、半二重モード通信を用いるファク
シミリ通信手順を説明するためのシーケンス図である。
図2(b)は、図2(a)で示すファクシミリ通信手順
の通信の実行時におけるEQM値の変化を示すグラフで
ある。なお図2(a)のシーケンス図は、V.34通信
手順で送受される信号から1ブロック分の画像のデータ
PIXまでを示している。
【0038】最初に、通信相手である送信側端末と図1
のデジタル複合機である受信側端末との間で、呼設定お
よび回線確立のためのフェイズAに基づく信号が送受さ
れる。フェイズAにおいて、送信側端末からの呼出し信
号に応答して、ITU−T勧告V.8に規定される手順
を行い送信側端末は、通信回線の品質を確認するための
トレーニングチェック信号TRNを送出する。このトレ
ーニングチェック信号TRNは、V.34で勧告されて
いる信号であり、V.34以外の勧告で使用される「0
0」のデータを送信するトレーニングチェック信号TC
Fとは異なる。その後、受信側端末は、受信可能幅およ
び符号化能力等で規定される受信能力を表すデジタル識
別信号DIS(Digital Identification Signal)を返
信する。デジタル識別信号DISに応答して、送信側端
末は、伝送モードを設定するためのデジタル命令信号D
CS(Digital Command Signal)を送出する。
【0039】図2(b)で示すように、トレーニングチ
ェック信号TRNの送受時において受信側端末と送信側
端末との間の通信回線の通信回線の品質が良好であれ
ば、図2(a)のようにデジタル命令信号DCSに応答
して、受信側端末が受信準備確認信号CFRが送出され
る。設定された伝送モードに応じて、端末間の伝送速
度、すなわち通信相手とモデム4との間における伝送速
度が設定される。V.34半二重モード通信では、トレ
ーニングは1度しか行われない。デジタル識別信号DI
Sから受信準備確認信号CFRまでの信号送受が、前処
理のためのフェイズBに相当する。
【0040】受信準備確認信号CFRの受信後、予め定
める単位分の画像のデータPIXと部分ページ信号PP
S−Qとの伝送が、開始される。エラーコレクションモ
ードを用いるファクシミリ通信手順では、各種の制御信
号だけでなく画像のデータも、HLDCに基づくフレー
ムを用いて伝送されている。1単位分の画像のデータP
IXは、たとえば2以上のフレームに分割された状態
で、フレーム毎に送信される。部分ページ信号PPS−
Qとは、1単位分の画像のデータPIXの送受に係る制
御信号である。部分ページ信号PPS−Qは、PPS−
EOP,PPS−EOM,PPS−MP3,およびPP
S−NULLの総称であり、これら4種の信号のうちの
いずれか1つで実現される。1単位分の画像のデータP
IXと部分ページ信号PPS−Qとは、1対の信号とし
て連続して伝送される。
【0041】所定単位分の画像のデータPIXおよび部
分ページ信号PPS−Qの伝送中にエラーフレームが発
生した場合、受信側端末はエラーフレームの発生を通知
するための再送要求信号PPR(Partial Page signa
l)を、送信側端末に返送する。再送要求信号PPRの
送出に際し、受信側端末は、1単位分の画像のデータP
IXの受信中にEQMモニタ5によって求められている
最新のEQM値に応じて伝送速度を低下させて、画像の
データPIXの再送を要求する。送信側端末は、再送要
求信号PPRの受信に応答して、画像のデータPIXの
伝送のために自己が送出した全フレームのうちの少なく
ともエラーしたフレームを、受信側端末によって低下す
るように再設定されている伝送速度で、再送する。
【0042】画像データ伝送の単一ブロックにおいてエ
ラーフレームが発生しない場合、受信側端末は、再送要
求信号PPRではなく、部分ページ信号PPS−Qに対
する応答であるメッセージ確認信号MCFを送出する。
メッセージ確認信号MCFを受信した送信側端末は、画
像データ伝送の次ブロックに移行する。画像データ伝送
の単一ブロックとは、1単位分の画像のデータPIXを
完全に送出するまでの信号送受であって、たとえば1単
位分の画像のデータPIXの初回の送受から該1単位分
の画像のデータPIXの送信終了を指示する部分ページ
信号PPS−Qに応答するメッセージ確認信号MCFの
送受までの信号送受、すなわちファクシミリ通信手順の
1回分のフェイズCおよびフェイズDに相当する。送信
すべき画像のデータが2単位分以上あれば、フェイズC
からフェイズDまでの信号送受、またはフェイズBから
フェイズDまでの信号送受が、順次繰返される。
【0043】画像データ伝送の手順完了を指示する部分
ページ信号PPS−EOPに応答してメッセージ確認信
号MCFが返送されたならば、送信側端末から受信側端
末に対して切断命令信号DCNが送出される。この結
果、端末間の信号送受がファクシミリ通信手順のフェイ
ズEに移行し、呼の復旧手順および回線切断手順が実行
される。以上の手順によって、ファクシミリ通信手順が
完了する。
【0044】受信側端末から再設定する手順は、V.3
4で定められている手順に沿って行う。V.34では、
データPIXと部分ページ信号PPS−Qとの間に、パ
ラメータの交換を行っており、このときに送信側端末お
よび受信側端末から次のデータPIXで行う伝送速度の
種類を伝達しあう。これにより、次のデータPIXの伝
送速度を上げたり下げたりする。
【0045】図1のデジタル複合機がデータの受信側端
末として機能する状況下で、所定単位分のデータ受信が
繰返される場合、好ましくは、最新の所定単位分のデー
タ受信に応答して、最新の指標値であるEQM値が求め
られ、かつ該最新のEQM値に基づいて、通信相手とモ
デム4との間の伝送速度が、次回のデータ受信に先だっ
て変更される。これによって、通信回線の品質が時間変
化に伴って微妙に変化する場合であっても、所定単位分
の送受すべきデータの受信の度に適切な伝送速度が選択
設定されるので、データ送受をより確実に実行すること
が可能になる。
【0046】EQM値が大きいほど、通信回線の品質が
悪化している。ゆえに、好ましくは、最新のEQM値が
所定の上限閾値Threshold Aを越えているならば、モデ
ム4と通信相手との間の伝送速度が現行の伝送速度より
も低下させられる。また最新のEQM値が所定の下限閾
値Threshold Bを下回るならば、モデム4と通信相手と
の間の伝送速度が現行の伝送速度よりも上昇させられ
る。これらによって、モデム4と通信相手との間の伝送
速度が適切に選択設定されるので、データ送受をより確
実に実行することが可能になる。さらに好ましくは、最
新のEQM値が所定の上限閾値Threshold Aまたは下限
閾値Threshold Bから離れるほど、または最新のEQM
値と過去のEQM値との差が広がるほど、変更前の伝送
速度と変更後の伝送速度との差である伝送速度の変更幅
が拡大する。これによって、適切な伝送速度をより素早
く設定することができる。
【0047】上述したような詳細構成を含むファクシミ
リ通信手順に係るメイン制御部3の制御処理は、図3〜
図5でそれぞれ説明するように、3通りある。メイン制
御部3は、使用者の指示または自己の判断に応じて、3
通の制御処理のうちのいずれか1つを実行する。
【0048】図3は、図1のデジタル複合機の制御装置
1のメイン制御部3において、図2で説明したファクシ
ミリ通信手順のフェイズCおよびフェイズD実行中の第
1の制御処理を説明するためのフローチャートである。
デジタル複合機の制御装置1への着信後、図2で説明し
たファクシミリ通信手順のフェイズA〜フェイズBの信
号送受が実行される。デジタル複合機のモデム4と通信
相手との間の伝送速度の設定後にモデム4から受信準備
確認信号が送信されたならば、ステップS0からステッ
プS1に進む。
【0049】ステップS1では、1単位分の画像のデー
タPIXが、モデム4によって受信される。ステップS
2では、ステップS1の画像のデータPIXの受信時に
EQMモニタ5によって測定されている最新のEQM値
が、EQMモニタ5からメイン制御部3によって読出さ
れる。ステップS3,S4では、メイン制御部3が、通
信回線の現行の品質の判定のために、読出されている最
新のEQM値を、予め定める第1上限閾値Threshold A
1および第2上限閾値Threshold A2とそれぞれ比較す
る。A1,A2を総括的に参照符Aで示すことがある。
図3では、第1上限閾値Threshold A1は、第2上限閾
値Threshold A2未満の値である(A1<A2)。最新
のEQM値が第1上限閾値Threshold A1を超えている
場合(A1<EQM)、通信回線の品質が悪化している
と判定されてステップS3からステップS4に移り、第
2上限閾値Threshold A2を最新のEQM値が超えてい
るか否かが判断される。最新のEQM値が第2上限閾値
Threshold A2を超えている場合(A2<EQM)、ス
テップS4からステップS5に移る。最新のEQM値が
第2上限閾値Threshold A2以下の範囲内の値である場
合(A1<EQM≦A2)、ステップS4からステップ
S6に移る。
【0050】最新のEQM値が第2上限閾値Threshold
A2を超えている場合(A2<EQM)、通信回線の
品質の悪化の度合いが大きいと判定されている。この場
合、ステップS5において、画像のデータPIXの次回
の伝送速度が、伝送速度の変更段階(rank)の2段
階分の幅(2rank)だけ現行の伝送速度から低下し
た速度に、変更設定される。伝送速度の所定の変更段階
の幅は、たとえば2400bpsである。最新のEQM
値が第1上限閾値Threshold A1よりも大きくかつ第2
上限閾値Threshold A2以下の範囲内の値である場合
(A1<EQM≦A2)、通信回線の品質が悪化してい
るが悪化の度合いが小さいと判定されている。この場
合、ステップS6において、画像のデータPIXの次回
の伝送速度が、伝送速度の変更段階の1段階分(1ra
nk)だけ現行の伝送速度から低下した速度に、変更設
定される。ステップS5,S6において変更設定された
伝送速度は、受信側端末である図1のデジタル複合機か
ら送信側端末である通信相手に対する信号応答、たとえ
ば再送要求信号PPRの返送に伴って、通信相手に通知
される。伝送速度の変更設定後、ステップS5,S6か
らステップS7に移行する。また最新のEQM値が第1
上限閾値Threshold A1以下である場合(EQM≦A
1)、必要充分な品質の通信回線の品質が保たれている
と判定されて、現行の伝送速度を保ったまま、ステップ
S3からステップS7に移行する。
【0051】ステップS7では、総ての画像のデータP
IXの受信が終了したか否かが、判断される。総ての画
像のデータPIXの送受に係る全フレームのうちに未着
のフレームがあるならば、または該全フレームのうちに
送信エラーを生じていてかつ未再送のフレームがあるな
らば、総ての画像のデータPIXの受信が終了していな
いので、ステップS7からステップS1に戻る。総ての
画像のデータPIXの送受に係る全フレームが誤り無く
受信されているならば、または該全フレームのうちのエ
ラーを生じたフレームの再送が誤り無く完了しているな
らば、総ての画像のデータPIXの受信が終了している
ので、ステップS7からステップS8に移行する。ステ
ップS8では、ファクシミリ通信のフェイズDに係る処
理、たとえば切断命令信号DCNのモデム4による待受
けが実行される。切断命令信号DCNが受信されたなら
ば、フェイズDに係る処理が終了し、フェイズEに係る
処理に移行する。フェイズDに係る処理の終了後、ステ
ップS9で図3の制御処理が完了する。
【0052】図3で説明したように、図1のデジタル複
合機では、再送要求信号PPRの送受回数に関係なく、
最新のEQM値の上昇に応じて、フェイズCにおける次
の画像のデータ受信時の伝送速度を低下させる。この結
果、時間経過に伴って通信回線の品質が微妙に変化して
も、フェイズCにおける1単位分の画像のデータの送受
の度に適切な伝送速度が選択可能であり、かつ、通信回
線の品質の微妙な変化に応答して最適な伝送速度を速や
かに変更することができる。
【0053】また図3のように現行の伝送速度が段階的
に増減される場合、伝送速度の変更幅が所定の変更段階
(rank)と係数αとの積に相当しており、かつ、最
新のEQM値が最小の上限閾値Threshold A1から離れ
るほど前記係数αが増加する。変更段階(rank)は
一定値であり、係数αが変化される。これによって、伝
送速度が段階的に増減される場合でも、適切な伝送速度
がより素早く設定される。さらに図3の例では、上限閾
値Threshold Aが2通りA1,A2用意されていて、E
QM値増加時に伝送速度が2段の階段状に低下されてい
る。これに限らず、上限閾値Threshold Aが3通り以上
用意されていて、EQM増加に伴って伝送速度が多段の
段階的に低下されてもよく、または、上限閾値Threshol
d Aが1つだけ用意されていて、EQM値が単一の上限
閾値Threshold Aを越えると伝送速度が所定幅だけ低下
されてもよい。
【0054】図4は、図1のデジタル複合機の制御装置
1のメイン制御部3において、図2で説明したファクシ
ミリ通信手順のフェイズCおよびフェイズD実行中の第
2の制御処理を説明するためのフローチャートである。
図4の第2の制御処理は図3の第1の制御処理に類似し
ているので、第2の制御処理の全ステップのうちの第1
の制御処理のステップと同一の処理を行うステップに
は、第1の制御処理のステップと同一のステップ番号を
付し、該ステップの詳細説明を省略する。
【0055】デジタル複合機の制御装置1への着信後、
モデム4から受信準備確認信号が送信されたならば、ス
テップS10からステップS1に進み、ステップS1で
の画像のデータの受信処理、およびステップS2での最
新のEQM値の読出し処理が行われる。次いでステップ
S11では、メイン制御部3が、現行の通信回線の品質
の判定のために、読出されている最新のEQM値を予め
定める単一の上限閾値Threshold Aと比較する。最新の
EQM値が上限閾値Threshold Aを超えている場合(A
<EQM)、通信回線の品質が悪化していると判定され
て、ステップS11からステップS12に移行する。ま
た最新のEQM値が上限閾値ThresholdA以下である場合
(EQM≦A)、必要充分な品質の通信回線の品質が保
たれていると判定されて、現行の伝送速度を保ったま
ま、ステップS11からステップS7に移行する。
【0056】ステップS12では、画像のデータPIX
の次回の伝送速度が、最新のEQM値に対応して設定さ
れる速度に、変更設定される。ステップS12において
変更設定された伝送速度は、ITU−T勧告V.34に
従って通信相手に通知される。伝送速度の変更設定後、
ステップS12からステップS7に移行する。ステップ
S11〜S12における伝送速度の制御後、ステップS
7において総ての画像のデータの受信が終了したか否か
が判断される。終了していればステップS8でフェイズ
Dに係る処理が実行されて、ステップS13で図4のフ
ローチャートの処理が完了する。
【0057】図4で説明する第2の制御処理において、
注目すべきは、最新のEQM値が上限閾値Threshold A
を超えている(A<EQM)と判断されたならば、通信
回線の品質が悪化したと判定されて、画像のデータPI
Xの次回の伝送速度が該最新のEQM値に対応して設定
されることである。このようにして、画像のデータPI
Xの伝送速度を、EQM値に対応した最適な伝送速度
に、1度に変更することができる。
【0058】図4において、最新のEQM値に対する伝
送速度は、たとえば複数の各EQM値に対する伝送速度
を予め記憶しているテーブル内から該最新のEQM値に
対する伝送速度を読出して求められてもよく、EQM値
をパラメータとする伝送速度の予め定める算出式に最新
のEQM値を代入して求めてられも良い。また図4にお
いては、伝送速度変更の負荷の軽減のために上限閾値Th
reshold Aを用いて伝送速度の変更回数を制限している
が、上限閾値Threshold Aとの比較を省略してEQM値
が読出されるたびに伝送速度を再設定しても良い。
【0059】EQM値に対応する伝送速度の設定手法の
1例を述べる。使用するモデムチップによるが、画像デ
ータPIX受信中に、EQM値を読出す。このEQM値
がThreshold Aを超えた場合には、モデムチップに対
し、次のデータPIXにて伝送速度を指示する。このと
き指示する速度とは、次のデータPIXで使用可能な速
度を指定する。したがって、データPIX中、何度でも
速度を指示してもよく、データPIX終了までに行え
ば、その速度が反映される。常にEQM値が低い値が続
くか、もしくは最初EQM値が高くてもすぐに低くなり
PIXの終了まで低い値が続く場合には、フレームエラ
ーが起こりにくい。
【0060】図5は、図1のデジタル複合機の制御装置
1のメイン制御部3において、図2で説明したファクシ
ミリ通信手順のフェイズCおよびフェイズD実行中の第
2の制御処理を説明するためのフローチャートである。
図5の第3の制御処理は図3の第1の制御処理に類似し
ているので、第3の制御処理の全ステップのうちの第1
の制御処理のステップと同一の処理を行うステップに
は、第1の制御処理のステップと同一のステップ番号を
付し、該ステップの詳細説明を省略する。
【0061】デジタル複合機の制御装置1への着信後、
モデム4から受信準備確認信号が送信されたならば、ス
テップS20からステップS1に進み、ステップS1で
の画像のデータの受信処理、およびステップS2での最
新のEQM値の読出し処理が行われる。
【0062】次いでステップS21,22では、メイン
制御部3が、現行の通信回線の品質の判定のために、読
出されている最新のEQM値を予め定める上限閾値Thre
shold Aおよび下限閾値Threshold Bとそれぞれ比較す
る。下限閾値Threshold Bは上限閾値Threshold A未満
の値である(B<A)。
【0063】最新のEQM値が上限閾値Threshold Aを
超えている場合(A<EQM)、通信回線の品質が悪化
していると判定され、ステップS23において、画像の
データPIXの次回の伝送速度が現行の伝送速度よりも
低い速度に変更設定される。最新のEQM値が下限閾値
Threshold B以下である場合(B≦EQM)、通信回線
の品質が改善されていると判定され、ステップS24に
おいて、画像のデータPIXの次回の伝送速度が現行の
伝送速度よりも高い速度に変更設定される。ステップS
23,24において変更設定された伝送速度は、ITU
−T勧告V.34に従って通信相手に通知される。伝送
速度の変更設定後、ステップS23,24からステップ
S7に移行する。また最新のEQM値が下限閾値Thresh
old Bより大きく上限閾値Threshold A以下である場合
(B<EQM≦A)、必要充分な品質の通信回線の品質
が保たれていると判定されて、現行の伝送速度を保った
まま、ステップS22からステップS7に移行する。
【0064】ステップS21〜S24における伝送速度
の制御後、総ての画像のデータの受信終了したかどうか
がステップS7で判断され、終了していればステップS
8でフェイズDに係る処理が実行されて、ステップS2
5で図5のフローチャートの処理が完了する。
【0065】図5で説明した第3の制御処理において、
注目すべきは、最新のEQM値が上限閾値Threshold A
を超えている場合(A<EQM)、通信回線の品質が悪
化したと判定されて、ステップS23で、次回の画像の
データPIXの伝送速度を落とす処理を行うだけでな
く、最新のEQM値が上限閾値Threshold Aを下回って
いる場合(EQM≦A)、最新のEQM値が下限閾値Th
reshold Bと比較されている。最新のEQM値が下限閾
値Threshold Bを下回っているならば(EQM≦B)、
通信回線の品質が良くなったと判定されて、ステップS
24で、次回の画像のデータPIXの伝送速度を上げる
処理を行う。最新のEQM値が上限閾値Threshold A未
満であってかつ下限閾値Threshold Bを上回っていると
き(B≦EQM≦A)には、ステップS22からS7に
移り、次回の画像のデータのPIXの伝送速度を変更す
る処理を行わない。すなわち第3の制御処理では、下限
閾値Threshold B以上、上限閾値Threshold A以下の許
容範囲(B<EQM≦A)と最新のEQM値とが比較さ
れ、最新のEQM値が許容範囲外である場合だけステッ
プS23,S24で、伝送速度が変更されている。この
ようにして、次回の伝送速度を、EQM値に対応した最
適な伝送速度に変更することができる。
【0066】図5のステップS23における次回の伝送
速度を落す処理は、図3のステップS5,S6と同様に
所定の変更幅だけ次の伝送速度を低下させる処理でも良
く、図4のステップS12と同様に最新のEQM値に対
応する伝送速度を設定する処理でも良い。また図5のス
テップS21,S23の処理を、図3のステップS3〜
S6で説明したような伝送速度を段階的に低下させる処
理にしてもよい。
【0067】また図5のステップS24における次回の
伝送速度を上げる処理は、図5のステップS23におけ
る次回の伝送速度を落とす処理と類似の処理、たとえば
所定の変更幅だけ次の伝送速度を上昇させる処理でも良
く、最新のEQM値に対応する伝送速度を設定する処理
でも良い。また図5のステップS22,S24の処理
を、EQM値の減少に伴い伝送速度を段階的に上昇させ
る処理にしてもよい。
【0068】図3〜図5で説明したような伝送速度の制
御処理において、EQM値が大きいほど通信回線の品質
は悪化しているので、好ましくは、EQM値が大きいほ
ど伝送速度が大きく低下される。たとえば図3におい
て、上限閾値Threshold Aが2つ以上ある場合、最新の
EQM値未満であってかつ該最新のEQM値に最も近い
上限閾値Threshold Aが大きいほど、伝送速度の変更幅
を規定する係数αを増加させて該変更幅を大きくすれ
ば、伝送速度を素早く最適化することができる。同様に
図4において、最新のEQM値が大きいほど、該EQM
値に対応する伝送速度を小さくすれば、伝送速度を素早
く最適化することができる。
【0069】図3〜図5の伝送速度の制御処理では、上
限閾値Threshold Aを用いて通信回線の品質の悪化の有
無を判定し、かつEQM値増加に伴い伝送速度を低下さ
せている。また図5の伝送速度の制御処理では、下限閾
値Threshold Bを用いて通信回線の品質の改善の有無を
判定し、かつEQM値減少に伴い伝送速度を上昇させて
いる。これらの上限閾値Threshold Aおよび下限閾値Th
reshold Bは、それぞれ任意に変更設定が可能であって
も構わない。これによって、通信装置の使用状況等に応
じて、より適切な伝送速度の微調整が可能になる。たと
えば上限閾値Threshold Aおよび下限閾値Threshold B
は、制御用メモリ17または登録データメモリ19に記
憶されていて、使用者による操作パネルの操作に応答し
て書換えられたり、伝送速度の制御処理の履歴に応じて
メイン制御部3によって書換えられれば良い。
【0070】図4および図5の単一の上限閾値Threshol
d Aは、たとえば、図3の2以上の上限閾値Threshold
A1,Threshold A2のうちの最小のものと等しい。
伝送速度を1度に上昇させる場合に用いられる単一の下
限閾値Threshold Bは、たとえば、伝送速度を階段状に
上昇させる場合に用いられる2以上の下限閾値Threshol
d Bのうちの最大のものと等しい。
【0071】使用するモデムチップにより、EQM値と
して読出せる範囲を適切に選ぶ。たとえば、あるモデム
チップでは、「0000」〜「FFFF」(16進数)
である。各閾値は前記勧告で決められているわけではな
いので、たとえば、「Threshold A=0x6000」「Thresh
old B=0x0100」である。
【0072】図3〜図5で説明した伝送速度の制御処理
は、1件分のファクシミリ通信実行に際して、1回だけ
行われてもよく、一定間隔をあけて繰返し行われても良
く、または別の基準による間隔をあけて繰返し行われて
も良い。前記伝送速度の制御処理が1件分のファクシミ
リ通信の実行中に時間経過に伴って繰返し実行されるな
らば、通信回線の品質の経時変化に追従して伝送速度を
常に最適に保つことが可能なので、好ましい。
【0073】本実施の形態のデジタル複合機は本発明の
通信装置の例示であり、主要な構成および動作が等しけ
れば、他の様々な形で実現することができる。たとえ
ば、図2〜図5で説明した画像データ伝送時の伝送速度
の制御処理は、ファクシミリ通信手順のフェイズCに限
らず、ITU−T勧告V.34規定の半二重モード通信
をITU−T勧告V.34規定のエラーコレクションモ
ードで実行する通信手順であれば、どのようなデータの
通信に際して行われても良い。たとえば、コンピュータ
間のデータ通信が、ITU−T勧告V.34規定の半二
重モード通信をITU−T勧告V.34規定のエラーコ
レクションモードで実行する通信手順に基づいて行われ
ているならば、該データ通信に際して図2〜図5の伝送
速度制御処理が実行されればよい。勿論、図2〜図5の
伝送速度制御処理の際に送受されるデータは、画像のデ
ータに限らない。また、図1ので時有る複合機の制御装
置1の各構成部品の詳細な構成および動作は、同じ効果
が得られるならば、上述の構成および動作に限らず、他
の構成および動作によって実現されてもよい。
【0074】図2〜図5の伝送速度制御処理を実行する
通信装置は、たとえば汎用の通信装置の記憶部に図2〜
図5の伝送速度制御処理の実行のための制御ソフトウエ
アをインストールし、該通信装置内の制御部に該制御ソ
フトウエア内のプログラムを実行させることによって、
実現されてもよい。上述の制御ソフトウエアは、記憶媒
体に記憶されていて、通信装置に備えられる媒体読出し
部によって該記憶媒体から読出されて記憶部にストアさ
れてもよく、伝送媒体を介した通信によって通信装置に
与えられて記憶部にストアされてもよい。記憶媒体とし
ては、フロッピー(登録商標)ディスクに代表される磁
気記憶媒体、CD−ROM(Compact Disc-Read OnlyMe
mory)およびDVD(Digital Video Disc)に代表され
る光記憶媒体、およびMO(Magneto-Optic Disc)に代
表される光磁気記憶媒体が挙げられる。伝送媒体として
は、電話回線網の伝送路、LAN(Local Area Networ
k)およびWAN(Wide Area Network)等を用いたコン
ピュータネットワークの伝送路、およびコンピュータを
接続する伝送ケーブル等が挙げられる。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、本発明の
通信装置は、ITU−T勧告V.34規定の半二重モー
ド通信をエラーコレクションモードに基づいて実行する
通信装置がデータの受信側端末として機能する状況下
で、通信相手と通信装置のモデムとの間の伝送速度が、
指標値に応じて、通信装置によって設定される。これに
よって、伝送速度を素早くかつ適切に設定することがで
きる。
【0076】また本発明によれば、所定単位分のデータ
受信が繰返される場合、指標値に基づいて、通信相手と
モデムとの間の伝送速度が、次回のデータ受信に先だっ
て変更される。これによって、通信回線の状態が時間変
化に伴って微妙に変化する場合であっても、データ送受
をより確実に実行することが可能になる。さらにまた本
発明によれば、指標値が所定の閾値を越えているなら
ば、前記伝送速度が低下される。また本発明によれば、
指標値が所定の閾値を下回るならば、前記伝送速度が上
昇される。これらによって、伝送速度が適切に選択設定
されるので、データ送受をより確実に実行することが可
能になる。
【0077】さらにまた本発明によれば、現在の伝送速
度が指標値に応じた伝送速度に1度に変更される。これ
によって、適切な伝送速度をより素早く設定することが
できる。また本発明によれば、指標値に応じて、伝送速
度が段階的に変更される。指標値が所定の閾値から離れ
るほど、前記伝送速度の変更幅が拡大する。これによっ
て、伝送速度が段階的に変更される場合であっても、適
切な伝送速度をより素早く設定することができる。さら
にまた本発明によれば、本発明の通信装置において、伝
送速度変更に係る判断に用いられる閾値が変更可能であ
る。これによって、通信装置の使用状況等に応じて、よ
り適切な伝送速度の微調整が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である通信装置を兼ねる
デジタル複合機の制御装置1の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】図1のデジタル複合機におけるファクシミリ通
信手順のフェイズB〜フェイズDの信号送受を示すシー
ケンス図、および該フェイズB〜フェイズDの信号送受
中における時間経過に伴うEQM値の変化を示すグラフ
である。
【図3】図1のデジタル複合機の制御装置1のメイン制
御部3における第1の伝送速度の制御処理を説明するた
めのフローチャートである。
【図4】図1のデジタル複合機の制御装置1のメイン制
御部3における第2の伝送速度の制御処理を説明するた
めのフローチャートである。
【図5】図1のデジタル複合機の制御装置1のメイン制
御部3における第3の伝送速度の制御処理を説明するた
めのフローチャートである。
【図6】従来技術のファクシミリ通信手順の信号送受を
示すシーケンス図、および該信号送受中における時間経
過に伴うEQM値の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 デジタル複合機の制御装置 3 メイン制御部 4 モデム 5 EQMモニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 勝己 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 周藤 保 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 中原 茂樹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 谷口 努 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5C075 CA08 CD07 CE04 CE10 FF04 5K034 AA20 FF05 MM08 5K101 KK01 LL01 MM05 NN06 NN18 NN21 QQ08 TT04 TT06 TT08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ITU−T勧告V.34に規定される半
    二重モード通信を行い、かつITU−T勧告に規定され
    るエラーコレクションモードを実行する通信装置におい
    て、 通信相手との間で通信回線を介してデータを送受するた
    めのモデムと、 モデムによるデータ受信時に、通信相手からの予め定め
    る単位分の送受すべきデータをモデムが受信する度に、
    通信回線の品質を表す指標値を求める指標値算出手段
    と、 モデムにおけるデータ送受を制御し、指標値に応じて、
    通信相手とモデムとの間の伝送速度を設定する制御手段
    とを含むことを特徴とする通信装置。
  2. 【請求項2】 前記モデムは、前記所定単位分のデータ
    の受信を繰返し、 前記制御手段は、最新の所定単位分のデータ受信に応答
    して求められている指標値に基づき、次回の所定単位分
    のデータ受信に先だって、前記伝送速度を変更すること
    を特徴とする請求項1記載の通信装置。
  3. 【請求項3】 前記通信回線の品質が悪化するほど前記
    指標値が増加するように構成され、 前記制御手段が、予め定める閾値と該指標値とを比較
    し、該指標値が該閾値を越えているならば、前記伝送速
    度を低下させることを特徴とする請求項1または2記載
    の通信装置。
  4. 【請求項4】 前記通信回線の品質が悪化するほど前記
    指標値が増加するように構成され、 前記制御手段が、予め定める閾値と前記指標値とを比較
    し、該指標値が該閾値未満であるならば、前記伝送速度
    を上昇させることを特徴とする請求項1〜3のうちのい
    ずれか1項記載の通信装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段が、前記指標値に応じて、
    現在の伝送速度を、該指標値に対応する伝送速度に変更
    することを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1
    項記載の通信装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段が、前記指標値に応じて、
    現在の伝送速度を、予め定める変更段階の1段階分以上
    の変更幅だけ増減させ、 前記指標値と予め定める閾値との差が大きいほど、前記
    伝送速度の変更幅が拡大していることを特徴とする請求
    項1〜5のうちのいずれか1項記載の通信装置。
  7. 【請求項7】 前記閾値を記憶している記憶手段をさら
    に含み、 記憶手段内の閾値は、設定変更可能であることを特徴と
    する請求項3〜6のうちのいずれか1項記載の通信装
    置。
JP2000278167A 2000-09-13 2000-09-13 通信装置 Pending JP2002094757A (ja)

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