JP2002093432A - 固体高分子燃料電池用セパレータの製造方法 - Google Patents

固体高分子燃料電池用セパレータの製造方法

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JP2002093432A
JP2002093432A JP2000280892A JP2000280892A JP2002093432A JP 2002093432 A JP2002093432 A JP 2002093432A JP 2000280892 A JP2000280892 A JP 2000280892A JP 2000280892 A JP2000280892 A JP 2000280892A JP 2002093432 A JP2002093432 A JP 2002093432A
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heat treatment
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Eiki Ito
栄基 伊藤
Toshiro Kobayashi
敏郎 小林
Takuya Moriga
卓也 森賀
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ガスや冷却水の漏れを回避するとと
もに、少ない工数で製作して歩留まりを低減できること
を課題とする。 【解決手段】上型21及び下型22からなる金型23に
熱処理により昇華もしくは溶融する中子25を配置する
工程と、前記金型23に難黒鉛化性樹脂と炭素粉を少な
くとも混合してなる混合物を注入し、セパレータ形状の
成形体27を成形する工程と、熱処理により前記成形体
27中の難黒鉛化性樹脂を炭化させるとともに中子を昇
華若しくは溶融し、内部に中空部26を有したセパレー
タ27を形成する工程とを具備することを特徴とする固
体高分子燃料電池用セパレータの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体高分子燃料電
池(PEFC:Polymer Elecrolyte
Fuel Cell)用セパレータの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、固体高分子燃料電池として、図2
に示す構成のものが知られている。この燃料電池1は、
セル2と、このセル2の両端(図中の上下端)に配置さ
れてセル2をシール材3を介して挟持するセパレータ4
とから構成されている。前記セパレータ4の片側面には
水素又は空気を流す溝5が形成され、内部には冷却水を
流すための中空の冷却水用流路6が形成されている。な
お、図中の付番7は冷却水入口穴を、付番8は冷却水出
口穴を示す。
【0003】前記セル2は、図3に示すように、電解質
膜7と、この電解質膜7の両端に例えば白金触媒層8を
介して形成された燃料極9,空気極10とから構成され
ている。ここで、前記燃料極9、空気極10では、下記
のような反応が行われる。
【0004】燃料極:H→2H+2e 空気極:2H+2e+(1/2)O→HO こうした構成の燃料電池において、セパレータ4を形成
するときは、従来、図4に示すように行っていた。即
ち、水素用溝11及び冷却水用溝12aを形成した,フ
ェノール樹脂及び炭素を主成分とする第1のセパレータ
部材4aと、空気用溝13及び冷却水用溝12bを形成
した,フェノール樹脂及び炭素を主成分とする第2のセ
パレータ部材4bとを、フェノール樹脂等の接着剤14
を介して接着し、セパレータ4を製作した。なお、前記
冷却水用溝12a及び12bより冷却水用流路12が構
成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
セパレータの製造方法によれば、接着剤14による接着
が不十分であると、燃料電池をスタックとして組み立て
て使用したとき、水素、空気等のガスと冷却水が漏れる
恐れがあった。また、第1のセパレータ部材4aには予
め冷却水用流路12を形成したり、あるいはセパレート
部材4a,4b同士を接着するなどの工程があるため、
工数が多く、歩留まりが低いという問題があった。
【0006】本発明はこうした事情を考慮してなされた
もので、金型に熱処理により昇華もしくは溶融する中子
を配置し、金型に熱黒鉛化性樹脂と炭素粉を少なくとも
混合してなる混合物を注入し、セパレータ形状の成形体
を成形した後、熱処理により成形体中の難黒鉛化性樹脂
を炭化させるとともに中子を昇華若しくは溶融して内部
に中空部を有したセパレータを形成することにより、従
来と比べてガスや冷却水の漏れを回避するとともに、工
数を減らして歩留まりを向上し得る固体高分子燃料電池
用セパレータの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上型及び下型
からなる金型に熱処理により昇華もしくは溶融する中子
を配置する工程と、前記金型に難黒鉛化性樹脂と炭素粉
を少なくとも混合してなる混合物を注入し、セパレータ
形状の成形体を成形する工程と、熱処理により前記成形
体中の難黒鉛化性樹脂を炭化させるとともに中子を昇華
もしくは溶融し、内部に中空部を有したセパレータを形
成する工程とを具備することを特徴とする固体高分子燃
料電池用セパレータの製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。
【0009】本発明において、前記難黒鉛化性樹脂とし
ては例えばフェノール樹脂、フルフリルアルコール樹
脂、あるいはリグニンを除いたパルプ等のセルロース系
の材料がが挙げられるが、これに限定されない。また、
前記中子もポリエチレングリコール、炭酸カルシウムの
ように熱処理により昇華もしくは溶融する材質のものが
好ましい。
【0010】本発明において、金型に注入する混合物と
しては、例えば難黒鉛化性樹脂と炭素粉からなるものが
挙げられるが、これに限らない。例えば、この他、難黒
鉛化樹脂と黒鉛粉等を混合してもよい。ここで、難黒鉛
化性樹脂と炭素粉を混合する場合、両者の配合割合は重
量比で100:1〜100:40がよい。難黒鉛化性樹
脂に炭素粉末を添加することで、熱処理(炭素化)した
後の電気抵抗が小さくなり発電効率を向上できる。しか
し、添加しすぎると難黒鉛化性樹脂と炭素粉の混合溶液
を金型に流し込む時に、流動性を失い加工精度が低下す
る。
【0011】本発明において、内部に中空体を有したセ
パレータを形成した後、中子の消失により生じた隙間を
絶縁材料で埋める必要がある。ここで、不要な隙間を埋
める材料として、例えばシリコン系ゴムが挙げられる。
このシリコン系ゴムは、作業性及び気密性を保持する点
で好ましい。しかし、冷却水の流路として必要な箇所の
気密性を保持できる材料ならばいずれの材料でもよい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係るPEFC用セ
パレータの製造方法について図1(A)〜(C)を参照
して工程順に説明する。なお、下記実施例で述べる各構
成部材の材料や数値は一例を示すもので、本発明の権利
範囲を特定するものではない。
【0013】まず、上型21及び下型22からなる金型
23内に、フェノール樹脂からなる中子24を、フェノ
ール樹脂からなる吊り部材25を下型22に固定するこ
とによりセットした(図1(A)参照)。
【0014】次に、前記金型23内に、フェノール樹脂
と炭素粉を重量比で100:5の割合で混合した混合物
を真空中、200℃で溶解し流し込んでモールド成形
し、セパレータ形状の成形体を得た。
【0015】つづいて、例えば真空中、1050℃で熱
処理を施し、成形体中の難黒鉛化性樹脂を炭素化させる
とともに中子24を昇華もしくは溶融し、内部に中空部
26を有したセパレータ形状の成形体27を形成した
(図1(B)参照)。なお、図1(B)において、付番
28は、中子24が熱処理により消失することにより形
成された隙間を示す。
【0016】次に、前記成形体27を金型23から取出
し、吊り部材25の消失によって生じた隙間28をシリ
コン系ゴム(絶縁材料)29で埋め、片面側に水素用溝
30が形成され、反対面側に空気用溝31が形成され、
更に内部に冷却水用流路32が形成されたセパレータ3
3を製造した(図1(C)参照)。
【0017】このように、上記実施例では、金型23内
にフェノール樹脂からなる中子24を、フェノール樹脂
からなる吊り部材25を用いてセットした後、金型23
内に、フェノール樹脂と炭素粉を適宜配合した混合物を
充填し、200℃でモールド成形してセパレータ形状の
成形体27を得、更に1050℃で熱処理を施して成形
体27中の難黒鉛化性樹脂を炭素化させるとともに中子
24を昇華もしくは溶融し、内部に冷却水用流路32を
有したセパレータ33を形成するようになっている。
【0018】従って、上記実施例によれば、従来のよう
に接着剤を用いることがないので、接着不良といった問
題が生ずることなく、燃料電池をスタックとして組立て
て使用したとき、水素、空気等のガスや冷却水の漏れを
回避することができる。また、従来のようにセパレータ
部材に予め冷却水用の流路を形成するなどの特別な工程
を施す必要がないとともに、セパレータ部材間の接着剤
による工程がないため、工数を少なくして、歩留まりを
高くすることができる。
【0019】なお、上記実施例では、中子および吊り部
材としてフェノール樹脂を用いた場合について述べた
が、これに限らず、熱処理時(例えば、難黒鉛化性樹脂
の炭素化時)に昇華または溶融する材料であればよい。
【0020】また、上記実施例では、難黒鉛化性樹脂を
炭素化する時の熱処理を1050℃で行なった場合につ
いて述べたが、これに限らず、800℃〜2000℃の
範囲であればよい。ここで、処理温度が低すぎると炭素
化が十分には進まず、セパレータとしての十分な電気導
電率を得ることができない。処理温度が高すぎると、セ
パレータの体積変化率が大きくなり割れ等が発生した
り、加工精度が悪くなったりする。また、黒鉛化も進む
可能性がありガス透過性が表われセパレータとしての性
能を満足しなくなる。
【0021】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、少
なくとも樹脂及び炭素からなるシートもしくは粉末体間
に冷却水溝形状に対応した溝形成用薄板を配置し、前記
溝形成用薄板が配置された状態で前記シート同士もしく
は粉末体をプレスして積層体を形成し、さらに溝形成用
薄板を引き抜いて積層体に冷却水溝を形成した後、不用
な中空溝部を埋めることにより、ガスや冷却水の漏れを
回避するとともに、少ない工数で製作して歩留まりを低
減しえる固体高分子燃料電池用セパレータの製造方法を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係るPEFC用セ
パレータの製造方法を工程順に示す説明図。
【図2】図2は、従来のPEFC用セパレータの展開斜
視図。
【図3】図4は、図2のセパレータのセルの原理説明
図。
【図4】従来のPEFC用セパレータの製造方法の説明
図。
【符号の説明】
21…上型、 22…下型、 23…金型、 24…中子、 25…吊り部材、 26…中空部、 28…隙間、 29…シリコン系ゴム、 30…水素用溝、 31…空気用溝、 32…冷却水用流路、 33…セパレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森賀 卓也 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 Fターム(参考) 5H026 AA06 BB00 BB01 BB08 CC03 EE05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上型及び下型からなる金型に熱処理によ
    り昇華もしくは溶融する中子を配置する工程と、前記金
    型に難黒鉛化性樹脂と炭素粉を少なくとも混合してなる
    混合物を注入し、セパレータ形状の成形体を成形する工
    程と、熱処理により前記成形体中の難黒鉛化性樹脂を炭
    化させるとともに中子を昇華若しくは溶融し、内部に中
    空部を有したセパレータを形成する工程とを具備するこ
    とを特徴とする固体高分子燃料電池用セパレータの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記難黒鉛化性樹脂はフェノール樹脂で
    あることを特徴とする請求項1記載の固体高分子燃料電
    池用セパレータの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記中子は、熱処理により昇華もしくは
    溶融する材料で形成されていることを特徴とする請求項
    1もしくは請求項2記載の固体高分子燃料電池用セパレ
    ータの製造方法。
  4. 【請求項4】 内部に中空体を有したセパレータを形成
    した後、中子の消失により生じた隙間を絶縁材料で埋め
    ることを特徴とする請求項1もしくは請求項3記載の固
    体高分子燃料電池用セパレータの製造方法。
JP2000280892A 2000-09-14 2000-09-14 固体高分子燃料電池用セパレータの製造方法 Withdrawn JP2002093432A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100794030B1 (ko) 2006-09-15 2008-01-10 현대자동차주식회사 연료전지용 일체형 흑연 분리판의 제작 방법
JP2009302037A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Hyundai Motor Co Ltd 燃料電池スタック用分離板及びその製造方法

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Effective date: 20071204