JP2002092985A - 光ディスク成形用スタンパおよびそのスタンパを製造するための基板 - Google Patents

光ディスク成形用スタンパおよびそのスタンパを製造するための基板

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JP2002092985A
JP2002092985A JP2000283062A JP2000283062A JP2002092985A JP 2002092985 A JP2002092985 A JP 2002092985A JP 2000283062 A JP2000283062 A JP 2000283062A JP 2000283062 A JP2000283062 A JP 2000283062A JP 2002092985 A JP2002092985 A JP 2002092985A
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JP
Japan
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stamper
optical disk
substrate
single crystal
alloy
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JP2000283062A
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Michi Misumi
美知 三角
Hideo Kitamura
英男 北村
Takanori Matsui
孝憲 松井
Akira Mihashi
章 三橋
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光ディスク成形用スタンパおよびそのスタンパ
を製造するための基板を提供する。 【解決手段】Al:1.5〜6.5%を含有し、さら
に、Ti:0.5〜7.0%、Ta:0.5〜6.5
%、Nb:0.5〜3.5%の内の1種または2種以上
を含有し、さらにCo:1.0〜20.0%を含有し、
残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するN
i基合金またはNi基単結晶合金からなる光ディスク成
形用スタンパ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種光ディスクを製
造するためのスタンパおよびそのスタンパを作製するた
めの基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度に情報を蓄積できる光記録
媒体として、光ディスクの製造が盛んに行われている。
これら光ディスクは、表面にランドおよびグルーブが形
成された光ディスク盤の上に追記型媒体、相変化媒体、
もしくは光磁気記録媒体などの記録膜を成膜し、さらに
保護膜を成膜して製造される。情報は光ディスク盤のラ
ンドまたはグルーブのどちらかに記録され、これらラン
ドおよびグルーブを有する光ディスク盤は、通常、熱可
塑性樹脂を微小凹凸の情報信号が形成された金属製母型
(以下、金属スタンパという)をセットした金型内に高
温で注入し、金属スタンパの微小凹凸を熱可塑性樹脂表
面に転写してランドおよびグルーブを形成した後、冷却
し硬化させることにより作製する。前記金属スタンパ
は、従来、電鋳法で作製されていたが、この方法による
金属スタンパの製造には大型の電鋳装置を必要とし、さ
らに大きな電力を得るための配電設備や広いクリーンル
ームを必要とし、さらに、電鋳を行った後、スタンパ内
外周のトリミング、研磨、打抜きなどの後処理工程を必
要とすることなどから製造コストが高くなるという問題
点があった。
【0003】そこで、近年、金属スタンパは金属基板の
表面にArイオンを照射してエッチングするドライエッ
チング法により製造することが盛んに行われるようにな
ってきた。このArイオンを照射するドライエッチング
法は一般にイオンミリング法と呼ばれており、このイオ
ンミリング法による金属スタンパの製造方法を図1
(a)〜(f)の断面図により説明する。まず、図1
(a)に示される金属基板1を用意する。この金属基板
1はステンレス鋼(例えばSUS303)またはNiの
金属板が用いられている。この金属基板1の上に図1
(b)に示されるようにフォトレジストを塗布してフォ
トレジスト層2を形成する。次に、図1(c)に示され
るようにフォトレジスト層2に情報に対応するレーザ光
(Arレーザ光)を照射してフォトレジスト層2を記録
露光し、露光レジスト層21および非露光レジスト層2
2からなるフォトレジスト層2を形成する。この記録露
光されたフォトレジスト層2を現像処理して図1(d)
に示されるように非露光レジスト層22を除去し、金属
基板1の表面に露光レジスト層21を残して金属基板1
の一部表面を露出させる。かかる一部表面が露出した金
属基板1にArイオンを照射すると、図1(e)に示さ
れるように金属基板1の一部表面が露出した部分がエッ
チングされて凹部3が形成され、その後、露光レジスト
層21を除去することにより図1(f)に示されるよう
な凸部4および凹部3を有する金属スタンパ5が作られ
る。前記金属基板1にArイオン照射してエッチングす
ることにより凹部を形成したりカッティングしたりする
ことを一般にイオンミリングと称している。
【0004】前記金属基板1として、ステンレス鋼(例
えばSUS303)またはNiの金属板が用いられてい
るが、ステンレス板で作製した金属スタンパは、ステン
レスの熱膨脹係数が大きいために、Arイオンを照射し
てイオンミリングを行うと、ステンレス板が加熱されて
大きく膨脹し、そのため正確な寸法の凹部および凸部を
形成することができないという欠点があった。したがっ
て、現在ではステンレス板よりも熱膨張係数の小さいN
i板で作製した金属スタンパが多く用いられている。
【0005】このNi板で作製した金属スタンパは、一
層のコスト低減のために厚さを一層薄くしているが、金
属スタンパの厚さが薄くなるにつれて人手によるハンド
リングが難しくなり、金属スタンパの加工、移送、装填
などの操作を人手で行うと、金属スタンパを変形させて
しまうことがある。そのために金属スタンパの加工、移
送、装填などの操作は磁石でチャッキングしながら行わ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、光ディスクに蓄
積される情報はますます高密度化すると共に正確さを要
求され、また一方で光ディスクの製造コストの削減が求
められている。このため光ディスク盤のランドやグルー
ブの形状を一層精密に形成すると共に、一枚の金属スタ
ンパで一層多くの光ディスクを射出成形することが求め
られている。かかる要求に対して、Niは熱膨脹係数が
比較的小さいところから、Ni板で作製した金属スタン
パは正確な寸法の凹部および凸部が形成されるが、Ni
は一般に硬さが低く、加工または熱処理しても十分に硬
度を高めることができないところから、Ni板で作製し
た金属スタンパを用いて光ディスク盤を射出成形する
と、光ディスク盤の製造枚数が増加するにつれて金属ス
タンパの凹部および凸部の端部が摩耗し、光ディスク盤
に形成されるランドおよびグルーブの精度が低下する。
そのため、Ni板で作製した金属スタンパを用いて光デ
ィスク盤を射出成形できる枚数は5万枚が限度であると
いわれており、Ni板で作製した1枚の金属スタンパを
用いてそれ以上に光ディスク盤の作製枚数を増やすこと
ができないためにコスト高となる欠点があった。
【0007】
【課題を解決する手段】そこで、本発明者らは、従来の
Ni板から作製した金属スタンパよりも一層多数枚の光
ディスク盤を射出成形することができる金属スタンパを
得るべく鋭意研究を行った結果、(a)Niに質量%で
(以下、%は質量%を示す)Al:1.5〜6.5%添
加し、さらにTi:0.5〜7.0%、Ta:0.5〜
6.5%、Nb:0.5〜3.5%の内の1種または2
種以上を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からな
る組成を有するNi基合金からなる光ディスク成形用ス
タンパは、塑性加工および熱処理により硬度を高くする
ことができ、熱膨脹係数もNiとほぼ同じ程度に低く、
さらに離型性も良くなるところから、このNi基合金板
で作製した金属スタンパを用いて光ディスク盤を作製す
ると、従来のNi板から作製した金属スタンパよりも一
層多くの光ディスク盤を射出成形することができる、
(b)しかし、前記NiにAl:1.5〜6.5%添加
し、さらにTi:0.5〜7.0%、Ta:0.5〜
6.5%、Nb:0.5〜3.5%の内の1種または2
種以上を添加したNi基合金は磁気特性が低下して磁石
によるチャッキング操作が難しくなるところから、これ
にさらにCo:1.0〜20.0%を含有させて磁気特
性を回復させ、それによって磁石によるチャッキング操
作を可能とし、ハンドリングしやすくすることが好まし
い、などの知見を得たのである。
【0008】この発明は、かかる知見に基づいてなされ
たものであって、(1)Al:1.5〜6.5%を含有
し、さらにTi:0.5〜7.0%、Ta:0.5〜
6.5%、Nb:0.5〜3.5%の内の1種または2
種以上を含有し、さらにCo:1.0〜20.0%を含
有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有
するNi基合金からなる光ディスク成形用スタンパ、に
特徴を有するものである。
【0009】金属スタンパに一層正確な寸法の凹部およ
び凸部を形成するには、前記(1)記載の組成を有するN
i基合金を単結晶組織とすることが好ましい。したがっ
て、この発明は、(2)Al:1.5〜6.5%を含有
し、さらにTi:0.5〜7.0%、Ta:0.5〜
6.5%、Nb:0.5〜3.5%の内の1種または2
種以上を含有し、さらにCo:1.0〜20.0%を含
有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成、並
びに単結晶組織を有するNi基単結晶合金からなる光デ
ィスク成形用スタンパ、に特徴を有するものである。
【0010】前記(1)または(2)記載の光ディスク
成形用スタンパは、Al:1.5〜6.5%を含有し、
さらにTi:0.5〜7.0%、Ta:0.5〜6.5
%、Nb:0.5〜3.5%の内の1種または2種以上
を含有し、さらにCo:1.0〜20.0%を含有し、
残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有するN
i基合金板またはNi基単結晶合金板から作られる。し
たがって、この発明は、前記(1)記載の組成を有する
Ni基合金板および前記(2)記載の組成を有するNi
基単結晶合金板をも含むものであるから、この発明は、
(3)前記(1)記載のNi基合金からなるスタンパ製
造用基板、(4)前記(2)記載のNi基単結晶合金か
らなるスタンパ製造用基板、に特徴を有するものであ
る。
【0011】この発明のNi基単結晶合金からなる光デ
ィスク成形用スタンパは、Ni基単結晶合金からなる基
板から作られるが、前記Ni基単結晶合金からなる基板
の製造方法の一例を以下に説明する。
【0012】まず、図2の断面図に示されるように、底
部に貫通するくの字または螺旋状に方向変化する湯道
(セパレータともという)9を有する鋳型10を用意
し、この鋳型10を冷却板11の上に載置し、鋳型10
にNi基合金の溶湯を注入する。注入された溶湯は冷却
板11に接する部分から凝固し、前記くの字または螺旋
状に方向変化した湯道9によって凝固方向が選別され、
上方向に向かって凝固し、一方向凝固法によるNi基単
結晶合金インゴットが得られる。
【0013】このようにして得られたNi基単結晶合金
インゴットを図3の斜視図に示す。図3において、6は
一方向凝固法により製造したNi基単結晶合金インゴッ
ト、7はスライス線でありスライス線は点線で示されて
いる。8はNi基単結晶合金インゴット6をスライス線
7に沿ってスライスして得られたNi基単結晶合金板で
ある。このNi基単結晶合金板8を所定の寸法に切断し
て基板を作製し、これを図1に示される金属基板1とし
て使用し、通常の方法により光ディスク成形用スタンパ
5を作製する。
【0014】前記一方向凝固法により製造したNi基単
結晶合金インゴット6をスライス線7に沿ってスライス
する場合、スライスの角度は結晶の成長方向に対して特
に限定されるものではないが、結晶の成長方向に対して
直角となるようにスライスすることが最も好ましく、し
たがって、結晶の成長方向に対して直角となるようにス
ライスして得られたNi基単結晶合金板から作製した光
ディスク成形用スタンパが最も好ましい。
【0015】次に、この発明のNi基合金またはNi基
単結晶合金からなる光ディスク成形用スタンパおよびそ
のスタンパを製造するための基板の合金組成における各
元素の限定理由について詳述する。
【0016】Al Alは、熱処理によりNi合金素地中に非常に微細な析
出物を均一に分散することにより硬さを増加させること
ができ、さらに樹脂の型離れを良くする作用があるので
含有させるが、その含有量が1.5%未満では不十分で
あり、一方、6.5%を越えて添加すると加工性が低下
するので好ましくない。したがって、Alの含有量は
1.5〜6.5%に定めた。Al含有量の一層好ましい
範囲は3.5〜5.0%である。
【0017】Ti Tiは、熱処理によりNi合金素地中にNiおよびAl
と結合した非常に微細な析出物を均一に分散させること
により硬度を増加させる作用を有するので含有させる
が、その含有量が0.5%未満では不十分であり、一
方、7.0%を越えて添加すると加工性が低下するので
好ましくない。したがって、Tiの含有量は0.5〜
7.0%に定めた。Ti含有量の一層好ましい範囲は
1.0〜5.0%である。
【0018】Ta Taは、熱処理によりNi合金素地中にNiおよびAl
と結合した非常に微細な析出物を均一に分散させること
により硬度を増加させる作用を有するので含有させる
が、その含有量が0.5%未満では不十分であり、一
方、6.5%を越えて添加すると加工性が低下するので
好ましくない。したがって、Taの含有量は0.5〜
6.5%に定めた。Ta含有量の一層好ましい範囲は
1.0〜5.5%である。
【0019】Nb Nbは、熱処理によりNi合金素地中にNiおよびAl
と結合した非常に微細な析出物を均一に分散させること
により硬度を増加させる作用を有するので含有させる
が、その含有量が0.5%未満では不十分であり、一
方、3.5%を越えて添加すると加工性が低下するので
好ましくない。したがって、Nbの含有量は0.5〜
3.5%に定めた。Nb含有量の一層好ましい範囲は
1.0〜3.0%である。
【0020】Co Coは、Al、さらにTi、Ta、Nbなどを添加する
ことにより低下したNi基合金の磁性を向上させるため
に添加するが、その含有量が1.0%未満では所望の効
果が得られないので好ましくなく、一方、20%を越えて
添加すると加工性が低下すると共に、コストも上がるの
で好ましくない。したがって、Co:1.0〜20.0
%に定めた。Co含有量の一層好ましい範囲は3.0〜
10.0%である。
【0021】なお、この発明の光ディスク成形用スタン
パを構成するNi基合金の不可避不純物は、Fe:2.
0%未満、C:0.01%未満、S:0.01%未満で
あることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】実施例1 表1〜2に示される成分組成を有するNi基合金を真空
溶解し、得られた溶湯を鋳型に鋳込んで縦:250m
m、横:250mm、長さ:2000mmのインゴット
に鋳造し、得られたインゴットを温度:1220℃、5
時間保持の溶体化熱処理した後、さらに温度:1190
℃で熱間鍛造し、その後、温度:1190℃で熱間圧延
し、さらに常温で冷間圧延することにより厚さ:1mm
のNi基合金板材に加工した。このNi基合金板材に温
度:1220℃、30分間保持したのち水冷の焼鈍処理
を施し、さらに温度:620℃、2時間保持の時効熱処
理を施した。
【0023】このようにして得られたNi基合金板材か
ら直径:150mm、厚さ:1mmの円板を切りだし、
この円板の表裏両面を両面砥石ラップ盤によりラッピン
グし、その後、表面のみを片面ポリッシング機で研磨
し、Rmax:0.02μm以下の鏡面に仕上げること
により厚さ:0.5mmのスタンパ用基板を作製した。
さらに、厚さ:1mmの純Ni板から同様にしてRma
x:0.02μm以下の鏡面に仕上げた厚さ:0.5m
mのスタンパ用基板を作製した。
【0024】これらスタンパ用基板の表面にフォトレジ
スト層を0.4μmの厚さに均一にコーティングした。
このフォトレジスト層の上から記録すべき情報に対応す
るArレーザービームを照射してフォトレジスト層を露
光し、現像してArレーザービームの照射された領域以
外のフォトレジスト層を除去し、基板表面の一部を露出
させた後、焼き付けを行った。
【0025】このようにして基板表面の一部が露出しか
つ基板表面に残存フォトレジスト層を有するスタンパ用
基板の上からArイオンを照射し、残存フォトレジスト
層をマスクとしてイオンミリングを行い、スタンパ用基
板の表面に深さ:0.1μmの凹部を形成したのち、前
記残存フォトレジスト層を除去することにより本発明ス
タンパ1〜24および従来スタンパ1を製造した。本発
明スタンパ1〜24は、製造工程のハンドリング上必要
となる十分な磁気特性を有することを確認した。
【0026】得られた本発明スタンパ1〜24および従
来スタンパ1を光ディスク盤の射出成形機の金型内にセ
ットし、ポリカーボネート樹脂を射出成形して光ディス
ク盤を10万枚作製した。最後の10万枚目に作製した
光ディスク盤の表面にそれぞれ窒化シリコン(Si3
4 )誘電体層、TbFeCo光磁気記録層、窒化シリコ
ン(Si34 )誘電体層の順に成膜することにより光
ディスクを作製した。
【0027】このようにして作製した光ディスクを、 波長:830nm、 NA:0.55、 ケラレ係数:0.1、 波面収差:0.03λ(rms値)、 偏向状態:直線偏光、 の条件でガイド溝に対して平行となる方向のピックアッ
プにより再生し、反射光量信号出力をスペクトラムアナ
ライザーに入力し、ランド部およびグルーブ部のノイズ
レベルの測定し、その結果を表1〜2に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】表1〜2に示される結果から、本発明スタ
ンパ1〜24を用いて作製した10万枚目の光ディスク
盤にそれぞれ誘電体層および光磁気記録層を塗布した光
ディスクのランド部およびグルーブ部のノイズレベル
は、従来スタンパ1を用いて作製した10万枚目の光デ
ィスク盤に誘電体層および光磁気記録層を塗布した光デ
ィスクのランド部およびグルーブ部のノイズレベルに比
べて低いところから、表1に示されるNi基合金からな
る本発明スタンパ1〜24は、純Niからなる従来スタ
ンパ1よりも格段に多くの光ディスク盤を作製すること
ができることがわかる。
【0031】実施例2 実施例1で作製した表1〜2に示される組成のNi基合
金溶湯を温度:1550℃で内径:150mm、外径:
170mm、高さ:200mmの寸法を有する図2に示
される鋳型10に鋳造して図3に示される形状の一方向
凝固法により製造したNi基単結晶合金のインゴット6
を作製し、この単結晶純NiおよびNi基合金インゴッ
ト6をスライスして外径:150mm、厚さ:1.0m
mの寸法を有するNi基単結晶合金板を作製した。
【0032】このようにして得られた単結晶Ni基合金
板の表裏両面を両面砥石ラップ盤によりラッピングし、
その後、表面のみを片面ポリッシング機で研磨し、Rm
ax:0.02μm以下の鏡面に仕上げることにより厚
さ:0.5mmを有するスタンパ製造用基板を作製し
た。
【0033】これらスタンパ製造用基板の表面にフォト
レジスト層を0.4μmの厚さに均一にコーティングし
た。このフォトレジスト層の上から記録すべき情報に対
応するArレーザービームを照射してフォトレジスト層
を露光し、現像してArレーザービームの照射された領
域のフォトレジスト層を除去し、基板表面の一部を露出
させた後、焼き付けを行った。
【0034】前記基板表面の一部が露出しかつ基板表面
に残存フォトレジスト層を有するスタンパ用基板の上か
らArイオンを照射し、残存フォトレジスト層をマスク
としてイオンミリングを行い、スタンパ用基板の表面に
深さ:0.1μmの凹部を形成したのち、前記残存フォ
トレジスト層を除去することにより本発明単結晶金属ス
タンパ25〜48を製造した。
【0035】得られた本発明スタンパ25〜48を光デ
ィスク盤の射出成形機の金型内にセットし、ポリカーボ
ネート樹脂を射出成形して光ディスク盤を10万枚作製
した。最後の10万枚目に作製した光ディスク盤の表面
にそれぞれ窒化シリコン(Si34 )誘電体層、Tb
FeCo光磁気記録層、窒化シリコン(Si34 )誘
電体層の順に成膜することにより光ディスクを作製し
た。
【0036】このようにして作製した光ディスクを、 波長:830nm、 NA:0.55、 ケラレ係数:0.1、 波面収差:0.03λ(rms値)、 偏向状態:直線偏光、 の条件でガイド溝に対して平行となる方向のピックアッ
プにより再生し、反射光量信号出力をスペクトラムアナ
ライザーに入力し、ランド部およびグルーブ部のノイズ
レベルの測定し、その結果を表3〜4に示した。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】表3〜4に示される結果から、本発明スタ
ンパ25〜48を用いて作製した10万枚目の光ディス
ク盤にそれぞれ誘電体層および光磁気記録層を塗布した
光ディスクのランド部およびグルーブ部のノイズレベル
は、表2の純Niからなる従来スタンパ1よりも格段に
多くの光ディスク盤を作製することができることがわか
る。さらに、表3〜4の本発明スタンパ25〜48を用
いて作製した10万枚目の光ディスク盤にそれぞれ誘電
体層および光磁気記録層を塗布した光ディスクのランド
部およびグルーブ部のノイズレベルは、表1〜2の本発
明スタンパ1〜24を用いて作製した10万枚目の光デ
ィスク盤に誘電体層および光磁気記録層を塗布した光デ
ィスクのランド部およびグルーブ部のノイズレベルに比
べて低いところから、Ni基単結晶合金からなる本発明
スタンパ25〜48は、Ni基合金からなる本発明スタ
ンパ1〜24に比べて優れていることができることがわ
かる。
【0040】
【発明の効果】上述のように、この発明の光ディスク成
形用スタンパは、正確な寸法のランドおよびグルーブを
有する光ディスク盤を従来よりも大量に製造できるとこ
ろから光ディスク盤の単価を下げることができ、光ディ
スク盤に誘電体層および光磁気記録層を塗布して得られ
る光ディスクのコストを下げることができて光記録媒体
産業の発展に大いに貢献し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の金属スタンパの製造方法を説明するため
の断面図である。
【図2】単結晶金属のインゴットを製造するための鋳型
の断面図である。
【図3】単結晶金属のインゴットおよびこれらをスライ
スして得られた板の斜視図である。
【符号の説明】
1 金属基板 2 フォトレジスト層 3 凹部 4 凸部 5 金属スタンパ 6 Ni基単結晶合金インゴット 7 スライス線 8 Ni基単結晶合金板 9 湯道 10 鋳型 11 冷却板 21 露光レジスト層 22 非露光レジスト層
フロントページの続き (72)発明者 松井 孝憲 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社総合研究所内 (72)発明者 三橋 章 埼玉県桶川市上日出谷1230 三菱マテリア ル株式会社桶川製作所内 Fターム(参考) 4F202 AA28 AH79 AJ02 CA11 CB01 CD22 CK41 5D121 AA02 CA07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】質量%で、Al:1.5〜6.5%、T
    i:0.5〜7.0%、Co:1.0〜20.0%を含
    有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有
    するNi基合金からなることを特徴とする光ディスク成
    形用スタンパ。
  2. 【請求項2】質量%で、Al:1.5〜6.5%、T
    a:0.5〜6.5%、Co:1.0〜20.0%を含
    有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有
    するNi基合金からなることを特徴とする光ディスク成
    形用スタンパ。
  3. 【請求項3】質量%で、Al:1.5〜6.5%、N
    b:0.5〜3.5%、Co:1.0〜20.0%を含
    有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有
    するNi基合金からなることを特徴とする光ディスク成
    形用スタンパ。
  4. 【請求項4】質量%で、Al:1.5〜6.5%、T
    i:0.5〜7.0%、Ta:0.5〜6.5%、C
    o:1.0〜20.0%を含有し、残部がNiおよび不
    可避不純物からなる組成を有するNi基合金からなるこ
    とを特徴とする光ディスク成形用スタンパ。
  5. 【請求項5】質量%で、Al:1.5〜6.5%、T
    i:0.5〜7.0%、Nb:0.5〜3.5%、C
    o:1.0〜20.0%を含有し、残部がNiおよび不
    可避不純物からなる組成を有するNi基合金からなるこ
    とを特徴とする光ディスク成形用スタンパ。
  6. 【請求項6】質量%で、Al:1.5〜6.5%、T
    a:0.5〜6.5%、Nb:0.5〜3.5%、C
    o:1.0〜20.0%を含有し、残部がNiおよび不
    可避不純物からなる組成を有するNi基合金からなるこ
    とを特徴とする光ディスク成形用スタンパ。
  7. 【請求項7】質量%で、Al:1.5〜6.5%、T
    i:0.5〜7.0%、Ta:0.5〜6.5%、N
    b:0.5〜3.5%、Co:1.0〜20.0%を含
    有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成を有
    するNi基合金からなることを特徴とする光ディスク成
    形用スタンパ。
  8. 【請求項8】請求項1〜7の内のいずれかの請求項に記
    載のNi基合金で構成されていることを特徴とするスタ
    ンパ製造用基板。
  9. 【請求項9】請求項1〜7の内のいずれかの請求項に記
    載の組成および単結晶組織を有するNi基単結晶合金か
    らなることを特徴とする光ディスク成形用スタンパ。
  10. 【請求項10】請求項9記載のNi基単結晶合金で構成
    されていることを特徴とするスタンパ製造用基板。
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