JP2000348394A - 光ディスク成形用スタンパおよびそのスタンパを製造するための基板 - Google Patents

光ディスク成形用スタンパおよびそのスタンパを製造するための基板

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JP2000348394A
JP2000348394A JP11162200A JP16220099A JP2000348394A JP 2000348394 A JP2000348394 A JP 2000348394A JP 11162200 A JP11162200 A JP 11162200A JP 16220099 A JP16220099 A JP 16220099A JP 2000348394 A JP2000348394 A JP 2000348394A
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Hideo Kitamura
英男 北村
Kazuhiko Tabei
和彦 田部井
Hirochika Ueno
博規 上野
Masaaki Kato
公明 加藤
Takashi Sasaki
尚 佐々木
Takumi Shibuya
巧 渋谷
Akira Mihashi
章 三橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスク成形用スタンパおよびそのスタン
パを製造するための基板を提供する。 【解決手段】単結晶金属で構成された光ディスク成形用
スタンパおよびそのスタンパを製造するための基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種光ディスクを製
造するためのスタンパおよびそのスタンパを製造するた
めの基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度に情報を蓄積できる光記録
媒体として、光ディスクの製造が盛んに行われている。
これら光ディスクは、表面にランドおよびグルーブが形
成された光ディスク盤の上に追記型媒体、相変化媒体、
もしくは光磁気記録媒体などの記録膜を成膜し、さらに
保護膜を成膜して製造される。情報は光ディスク盤のラ
ンドまたはグルーブのどちらかに記録され、これらラン
ドおよびグルーブを有する光ディスク盤は、通常、熱可
塑性樹脂を微小凹凸の情報信号が形成された金属製母型
(以下、金属スタンパという)をセットした金型内に高
温で注入し、金属スタンパの微小凹凸を熱可塑性樹脂表
面に転写してランドおよびグルーブを形成した後、冷却
し硬化させることにより作製する。前記金属スタンパ
は、従来、電鋳法で作製されていたが、この方法による
金属スタンパの製造には大型の電鋳装置を必要とし、さ
らに大きな電力を得るための配電設備や広いクリーンル
ームを必要とし、さらに、電鋳を行った後、スタンパ内
外周のトリミング、研磨、打つ抜きなどの後処理工程を
必要とすることなどから製造コストが高くなるという問
題点があった。
【0003】そこで、近年、金属スタンパは金属基板の
表面にArイオンを照射してエッチングするドライエッ
チング法により製造することが盛んに行われるようにな
ってきた。このArイオンを照射するドライエッチング
法は一般にイオンミリング法と呼ばれており、このイオ
ンミリング法による金属スタンパの製造方法を図3
(a)〜(f)の断面図により説明する。まず、図3
(a)に示される金属基板1を用意する。この金属基板
1はステンレス鋼(例えばSUS303)またはNiの
金属板が用いられている。この金属基板1の上に図3
(b)に示されるようにフォトレジストを塗布してフォ
トレジスト層2を形成する。次に、図3(c)に示され
るようにフォトレジスト層2に情報に対応するレーザ光
(Arレーザ光)を照射してフォトレジスト層2を記録
露光し、露光レジスト層21および非露光レジスト層2
2からなるフォトレジスト層2を形成する。この記録露
光されたフォトレジスト層2を現像処理して図3(d)
に示されるように非露光レジスト層22を除去し、金属
基板1の表面に露光レジスト層21を残して金属基板1
の一部表面を露出させる。かかる一部表面が露出した金
属基板1にArイオンを照射すると、図3(e)に示さ
れるように金属基板1の一部表面が露出した部分がエッ
チングされて凹部3が形成され、その後、露光レジスト
層21を除去することにより図3(f)に示されるよう
な凸部4および凹部3を有する金属スタンパ5が作られ
る。前記金属基板1にArイオン照射してエッチングす
ることにより凹部を形成したりカッティングしたりする
ことを一般にイオンミリングと称している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、光ディスクに蓄
積される情報はますます高密度化しており、高密度な情
報が内蔵された光ディスクを作製するには一層微細で精
密なランドおよびグルーブを有する光ディスク盤が必要
となり、この一層微細で精密なランドおよびグルーブを
有する高精度な光ディスク盤を作るには表面に一層微細
で寸法精度の高い凹部および凸部が形成された金属スタ
ンパが必要である。しかし、従来のステンレス板または
Ni板では十分に精度の高い微細な凹部および凸部を有
する金属スタンパを形成することができないところから
前記要求に十分に対応することができなかった。
【0005】
【課題を解決する手段】そこで、本発明者らは従来の金
属スタンパよりも一層高精度の凹凸を有する金属スタン
パ得るべく鋭意研究を行った結果、単結晶金属板から作
製した光ディスク成形用スタンパは、通常の圧延金属板
で作製した光ディスク成形用スタンパに比べて精度が優
れている、という知見を得たのである。
【0006】この発明は、かかる知見に基づいてなされ
たものであって、(1)単結晶金属で構成されている光
ディスク成形用スタンパ、に特徴を有するものである。
【0007】前記光ディスク成形用スタンパを構成する
単結晶金属は、腐食しにくくしかも樹脂の高温射出成形
に対して変形することのない十分な硬度を有し、さらに
熱膨張係数の小さな金属または合金の単結晶であればい
かなる金属または合金の単結晶であっても良いが、耐食
性、熱膨張係数および硬度を考慮すると、純Niもしく
はNi基合金、純CoもしくはCo基合金、または耐食
性の優れたFe基合金の各単結晶であることが好まし
い。
【0008】したがって、この発明は、(2)単結晶純
Niもしくは単結晶Ni基合金で構成されている光ディ
スク成形用スタンパ、(3)単結晶純Coもしくは単結
晶Co基合金で構成されている光ディスク成形用スタン
パ、(4)耐食性の優れた単結晶Fe基合金で構成され
ている光ディスク成形用スタンパ、に特徴を有するもの
である。
【0009】前記単結晶純Niよりも単結晶Ni基合金
の方が好ましく、単結晶Ni基合金の内でも、重量%
で、Mo:10.0〜30.0%を含有し、残部がNi
および不可避不純物からなる組成を有する単結晶Ni基
合金、Mo:10.0〜30.0%、Cr:3.0〜2
5.0%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物から
なる組成を有する単結晶Ni基合金、Al:2.5〜
8.0%を含有し、残部がNiおよび不可避不純物から
なる組成を有する単結晶Ni基合金、Al:2.5〜
8.0%、Ti:0.5〜5.0%を含有し、残部がN
iおよび不可避不純物からなる組成を有する単結晶Ni
基合金は熱膨張係数が小さくしかも硬度を高めることが
できるので一層好ましい、
【0010】したがって、この発明は、(5)重量%
で、Mo:10.0〜30.0%を含有し、残部がNi
および不可避不純物からなる組成を有する単結晶Ni基
合金で構成されている光ディスク成形用スタンパ、
(6)重量%で、Mo:10.0〜30.0%、Cr:
3.0〜25.0%を含有し、残部がNiおよび不可避
不純物からなる組成を有する単結晶Ni基合金で構成さ
れている光ディスク成形用スタンパ、(7)重量%で、
Al:2.5〜8.0%を含有し、残部がNiおよび不
可避不純物からなる組成を有する単結晶Ni基合金で構
成されている光ディスク成形用スタンパ、(8)重量%
で、Al:2.5〜8.0%、Ti:0.5〜5.0%
を含有し、残部がNiおよび不可避不純物からなる組成
を有する単結晶Ni基合金で構成されている光ディスク
成形用スタンパ、に特徴を有するものである。
【0011】単結晶純Coおよび単結晶Co基合金で構
成される光ディスク成形用スタンパは、いずれも優れた
特性を有するが、前記単結晶Co基合金の内でも、重量
%でNi:5〜30%,Cr:10〜30%,W:3〜
20%を含有し、残部Coおよび不可避不純物からなる
組成を有する単結晶Co基合金であることが好ましい。
したがって、この発明は、(9)重量%でNi:5〜3
0%,Cr:10〜30%,W:3〜20%を含有し、
残部Coおよび不可避不純物からなる組成を有する単結
晶Co基合金で構成されている光ディスク成形用スタン
パ、に特徴を有するものである。
【0012】光ディスク成形用スタンパの素材として単
結晶純Feよりも耐食性に優れた単結晶Fe基合金の方
が好ましく、単結晶Fe基合金の内でも、重量%でC
r:10〜35%を含有し、残部Feおよび不可避不純
物からなる組成を有する単結晶Fe基合金、Cr:10
〜35%、Mo:0.2〜10%を含有し、残部Feお
よび不可避不純物からなる組成を有する単結晶Fe基合
金、Cr:10〜35%、Ni:2〜8%を含有し、残
部Feおよび不可避不純物からなる組成を有する単結晶
Fe基合金、Cr:10〜35%、Ni:2〜8%、M
o:0.2〜10%を含有し、残部Feおよび不可避不
純物からなる組成を有する単結晶Fe基合金であること
が一層好ましい。
【0013】したがって、この発明は、(10)重量%で
Cr:10〜35%を含有し、残部Feおよび不可避不
純物からなる組成を有する単結晶Fe基合金で構成され
ている光ディスク成形用スタンパ、(11)Cr:10〜
35%、Mo:0.2〜10%を含有し、残部Feおよ
び不可避不純物からなる組成を有する単結晶Fe基合金
で構成されている光ディスク成形用スタンパ、(12)C
r:10〜35%、Ni:2〜8%を含有し、残部Fe
および不可避不純物からなる組成を有する単結晶Fe基
合金で構成されている光ディスク成形用スタンパ、(1
3)Cr:10〜35%、Ni:2〜8%、Mo:0.
2〜10%を含有し、残部Feおよび不可避不純物から
なる組成を有する単結晶Fe基合金で構成されている光
ディスク成形用スタンパ、に特徴を有するものである。
【0014】この発明の単結晶金属からなる光ディスク
成形用スタンパは、前記(1)〜(13)に記載の単結晶
金属からなる基板から作られ、この発明は、前記基板を
も含むものである。したがって、この発明は、(14)前
記(1)〜(13)の内のいずれかに記載の単結晶金属か
らなるスタンパ製造用基板、に特徴を有するものであ
る。
【0015】光ディスク成形用スタンパを単結晶金属で
作製すると寸法精度の優れた凹凸を有するスタンパが得
られる理由としてエッチングの方向性が均一になること
が考えられる。次に、この発明の単結晶金属からなる光
ディスク成形用スタンパおよびそのスタンパを製造する
ための基板の合金組成における各元素の限定理由につい
て詳述する。
【0016】(a)Ni基合金 Mo Moは、Ni素地中に固溶して、熱膨張率を低下させ、
さらに樹脂の型離れを良くする作用があるので含有させ
るが、その含有量が10.0%未満では不十分であり、
一方、30.0%を越えて添加すると合金の硬さ分布が
不均一になり、結果としてイオンミリングによるエッチ
ング形状が不均一になるので好ましくない。したがっ
て、Moの含有量は10.0〜30.0%に定めた。M
o含有量の一層好ましい範囲は、23.0〜28.0%
である。
【0017】Cr Crは、Mo:10.0〜30.0%含有のNi基合金
の硬さ分布を一層均一にする作用を有するので、必要に
応じて含有させるが、その含有量が3.0%未満では不
十分であり、一方、25.0%を越えて添加すると靭性
が低下して樹脂の射出成形時にランド部の角部(端部)
が欠けることがあり、スタンパの形状変化を起こすよう
になるので好ましくない。したがって、Crの含有量は
3.0〜25.0%に定めた。
【0018】Al Alは、熱処理によりNi基合金素地中に非常に微細な
析出物を均一に分散することにより硬さを増加させるこ
とができ、さらに樹脂の型離れを良くする作用があるの
で含有させるが、その含有量が2.5%未満では不十分
であり、一方、8.0%を越えて添加すると表面を研磨
したときにピーリングと呼ばれる傷が発生しやすくなる
ので好ましくない。したがって、Alの含有量は2.5
〜8.0%に定めた。Al含有量の一層好ましい範囲は
4.0〜5.0%である。
【0019】Ti Tiは、熱処理によりAlとの相乗効果でNi基合金素
地中に非常に微細な析出物を均一に分散することにより
硬度を増加させ、さらに射出成形した樹脂の離型性を増
す作用を有するので、必要に応じて含有させるが、その
含有量が0.5%未満では不十分であり、一方、5.0
%を越えて添加すると表面を研磨したときにピーリング
と呼ばれる傷が発生しやすくなるので好ましくない。し
たがって、Tiの含有量は0.5〜5.0%に定めた。
【0020】(b)Co基合金 Ni Niは、Co基合金素地中に固溶して、熱膨張率を低下
させ、さらにイオンミリング性を良くする作用があるの
で含有させるが、その含有量が5.0%未満では不十分
であり、一方、30.0%を越えて添加すると硬さが低
下するようになりスタンパの寿命が短くなるので好まし
くない。したがって、Niの含有量は5.0〜30.0
%に定めた。Ni含有量の一層好ましい範囲は、21.
0〜23.0%である。
【0021】Cr Crは、Co基合金の硬さ分布を一層均一にする作用を
有するので含有させるが、その含有量が10.0%未満
では不十分であり、一方、30.0%を越えて添加する
と靭性が低下して樹脂の射出成形時にランド部の角部
(端部)が欠けることがあり、スタンパの形状変化を起
こすようになるので好ましくない。したがって、Crの
含有量は10.0〜30.0%に定めた。Cr含有量の
一層好ましい範囲は、21.0〜23.0%である。
【0022】W Wは、Co基合金素地中に固溶して、熱膨張率を低下さ
せ、さらにイオンミリング時のスタンパの寸法変化を少
なくし、さらに射出成形樹脂の型離れを良くする作用を
有するので含有させるが、その含有量が3.%未満では
不十分であり、一方、20.0%を越えて添加すると合
金の硬さ分布が不均一になり、結果としてイオンミリン
グによるエッチング形状が不均一になるので好ましくな
い。したがって、Wの含有量は3.0〜20.0%に定
めた。W含有量の一層好ましい範囲は、13.0〜1
6.0%である
【0023】(c)Fe基合金 Cr Crは、Fe基合金の熱膨張係数を低下させる作用を有
するので添加するが、その含有量が10.0%未満では
不十分であり、一方、35.0%を越えて添加すると靭
性が低下して樹脂の射出成形時にランド部の角部(端
部)が欠けることがあり、スタンパの形状変化を起こす
ようになるので好ましくない。したがって、Crの含有
量は10.0〜35.0%に定めた。Cr含有量の一層
好ましい範囲は、15.0〜20.0%である。
【0024】Mo Moは、Fe基合金素地中に固溶して熱膨張係数を低下
させ、さらに射出成形樹脂の型離れを良くする作用があ
るので必要に応じて含有させるが、その含有量が0.2
%未満では不十分であり、一方、10.0%を越えて添
加すると靭性が低下して樹脂の射出成形時にランド部の
角部(端部)が欠けることがあり、スタンパの形状変化
を起こすようになるので好ましくない。したがって、M
oの含有量は0.2〜10.0%に定めた。
【0025】Ni Niは、イオンミリング性を良くする作用があるので必
要に応じて含有させるが、その含有量が20%未満では
不十分であり、一方8.0%を越えて添加すると熱膨張
係数を大きくする作用があり、スタンパの寸法精度を悪
くするので好ましくない。したがって、Niの含有量は
5.0〜30.0%に定めた。
【0026】この発明の単結晶金属からなる光ディスク
成形用スタンパは、単結晶金属からなる基板から作られ
るが、前記単結晶金属からなる基板の製造方法の一例を
以下に説明する。
【0027】まず、図2の断面図に示されるように、底
部に貫通するくの字または螺旋状に方向変化する湯道
(セパレータともという)9を有する鋳型10を用意
し、この鋳型10を冷却板11の上に載置し、鋳型10
に金属(純金属または合金)の溶湯を注入する。注入さ
れた溶湯は冷却板11に接する部分から凝固し、前記く
の字または螺旋状に方向変化した湯道9によって凝固方
向が選別され、上方向に向かって凝固し、一方向凝固法
による単結晶金属インゴットが得られる。
【0028】このようにして得られた単結晶金属インゴ
ットを図1の斜視図に示す。図1において、6は一方向
凝固法により製造した単結晶金属インゴット、7はスラ
イス線でありスライス線は点線で示されている。8は単
結晶金属インゴット6をスライス線7に沿ってスライス
して得られた単結晶金属板である。この単結晶金属板8
を所定の寸法に切断して基板を作製し、これを図3に示
される金属基板1として通常の方法により光ディスク成
形用スタンパ5を作製する。
【0029】前記一方向凝固法により製造した単結晶金
属インゴット6をスライス線7に沿ってスライスする場
合、スライスの角度は結晶の成長方向に対して特に限定
されるものではないが、結晶の成長方向に対して直角と
なるようにスライスすることが最も好ましく、したがっ
て、結晶の成長方向に対して直角となるようにスライス
して得られた単結晶金属板から作製した光ディスク成形
用スタンパが最も好ましい。したがって、この発明は、
(15)一方向凝固法により製造した前記(1)〜(13)
の内のいずれかに記載の単結晶金属で構成されているデ
ィスク成形用スタンパ、(16)一方向凝固法により製造
した前記(1)〜(13)の内のいずれかに記載の単結晶
金属で構成されているスタンパ製造用基板、に特徴を有
するものである。
【0030】
【発明の実施の形態】実施例1 表1に示される組成の純NiおよびNi基合金を通常の
真空溶解炉を用いて溶解し、得られた溶湯を温度:15
50℃で内径:150mm、外径:170mm、高さ:
200mmの寸法を有する図2に示される鋳型10に鋳
造して図1に示される形状の一方向凝固法により製造し
た単結晶純Niおよび単結晶Ni基合金のインゴット6
を作製し、この単結晶純NiおよびNi基合金インゴッ
ト6をスライスして外径:150mm、厚さ:1.0m
mの寸法を有する単結晶純Ni板および単結晶Ni基合
金板を作製した。
【0031】このようにして得られた単結晶純Ni板お
よび単結晶Ni基合金板から直径:150mmの円板を
切りだし、この円板の表裏両面を両面砥石ラップ盤によ
りラッピングし、その後、表面のみを片面ポリッシング
機で研磨し、Rmax:0.02μm以下の鏡面に仕上
げることによりスタンパ製造用基板を作製した。
【0032】これらスタンパ製造用基板の表面にフォト
レジスト層を0.4μmの厚さに均一にコーティングし
た。このフォトレジスト層の上から記録すべき情報に対
応するArレーザービームを照射してフォトレジスト層
を露光し、現像してArレーザービームの照射された領
域のフォトレジスト層を除去し、基板表面の一部を露出
させた後、焼き付けを行った。
【0033】前記基板表面の一部が露出しかつ基板表面
に残存フォトレジスト層を有するスタンパ用基板の上か
らArイオンを照射し、残存フォトレジスト層をマスク
としてイオンミリングを行い、スタンパ用基板の表面に
深さ:0.1μmの凹部を形成したのち、前記残存フォ
トレジスト層を除去することにより本発明単結晶金属ス
タンパ1〜9を製造した。
【0034】従来例1 比較のために、実施例1で作製した純Ni溶湯を温度:
1560℃で通常の鋳造法により直径:250mm、高
さ:2000mmの寸法を有する純Niインゴットを作
製し、このインゴットを圧延し、圧延して得られた厚
さ:1.0mmの寸法を有する圧延板から直径:150
mmの円板を切りだし、この円板の表裏両面を両面砥石
ラップ盤によりラッピングし、その後、表面のみを片面
ポリッシング機で研磨し、Rmax:0.02μm以下
の鏡面に仕上げることによりスタンパ製造用基板を作製
した。このスタンパ製造用基板により実施例1と同様に
して従来スタンパ1を作製した。
【0035】実施例1で作製した本発明単結晶金属スタ
ンパ1〜9および従来例1で作製した従来スタンパ1を
射出成形機の金型内にセットし、ポリカーボネート樹脂
を射出成形して光ディスク盤を作製した。得られた光デ
ィスク盤の表面にそれぞれ窒化シリコン(Si34
誘電体層、TbFeCo光磁気記録層、窒化シリコン
(Si34 )誘電体層の順に成膜することにより光デ
ィスクを作製した。
【0036】このようにして作製した光ディスクを、 波長:830nm、 NA:0.55、 ケラレ係数:0.1、 波面収差:0.03λ(rms値)、 偏向状態:直線偏光、 の条件でガイド溝に対して平行となる方向のピックアッ
プにより再生し、反射光量信号出力をスペクトラムアナ
ライザーに入力し、ランド部およびグルーブ部のノイズ
レベルの測定し、その結果を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】表1に示される結果から、本発明単結晶金
属スタンパ1〜9を用いて作製した光ディスク盤に誘電
体層および光磁気記録層を塗布した光ディスクのランド
部およびグルーブ部のノイズレベルは、純Ni圧延板製
の従来スタンパ1を用いて作製した光ディスク盤に誘電
体層および光磁気記録層を塗布した光ディスクのランド
部およびグルーブ部のノイズレベルに比べて低いところ
から、本発明単結晶金属スタンパ1〜9は従来スタンパ
1に比べて精度の高い優れた光ディスク盤を製造できる
ことが分かる。
【0039】実施例2 表2に示される成分組成の純CoおよびCo基合金を用
意し、これらCo基合金を実施例1と同様にして溶解
し、鋳造して一方向凝固法により製造した単結晶純Co
および単結晶Co基合金のインゴットを作製し、このイ
ンゴットを実施例1と同様にしてスライスして外径:1
50mm、厚さ:1.0mmの寸法を有する単結晶純C
o板および単結晶Co基合金板を作製した。これら単結
晶純Co板および単結晶Co基合金板から実施例1と同
様にしてスタンパ製造用基板を作製し、このスタンパ製
造用基板から実施例1と同様にして本発明単結晶金属ス
タンパ10〜18を作製した。これら本発明単結晶金属
スタンパ10〜18を用い、実施例1と同様にして光デ
ィスクを作製し、得られた光ディスクのランド部および
グルーブ部のノイズレベルを前記方法と同じ方法で測定
し、その結果を表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】表2の本発明単結晶金属スタンパ10〜1
8を用いて作製した光ディスク盤に誘電体層および光磁
気記録層を塗布した光ディスクのランド部およびグルー
ブ部のノイズレベルは、表1の従来スタンパ1を用いて
作製した光ディスク盤に誘電体層および光磁気記録層を
塗布した光ディスクのランド部およびグルーブ部のノイ
ズレベルに比べて低いところから、本発明単結晶金属ス
タンパ10〜18は従来スタンパ1に比べて精度の高い
優れた光ディスクを作製できることが分かる。
【0042】実施例3 表3に示される成分組成のFe基合金を用意し、これら
Fe基合金を実施例1と同様にして溶解し、鋳造して一
方向凝固法により単結晶Fe基合金インゴットを作製
し、このインゴットを実施例1と同様にしてスライスし
て外径:150mm、厚さ:1.0mmの寸法を有する
単結晶Fe基合金板を作製した。これら単結晶Fe基合
金板から実施例1と同様にしてスタンパ製造用基板を作
製し、このスタンパ製造用基板から実施例1と同様にし
て本発明単結晶金属スタンパ19〜27を作製した。こ
れら本発明単結晶金属スタンパ19〜27を用い、実施
例1と同様にして光ディスクを作製し、得られた光ディ
スクのランド部およびグルーブ部のノイズレベルを前記
方法と同じ方法で測定し、その結果を表3に示した。
【0043】
【表3】
【0044】表3に示される本発明単結晶金属スタンパ
19〜27を用いて作製した光ディスクのランド部およ
びグルーブ部のノイズレベルは、表1の従来スタンパ1
を用いて作製した光ディスクのランド部およびグルーブ
部のノイズレベルに比べて低いところから、本発明単結
晶金属スタンパ19〜27は従来スタンパ1に比べて精
度の高い優れた光ディスクを作製できることが分かる。
【0045】
【発明の効果】上述のように、この発明の光ディスク成
形用スタンパは、高精度のランドおよびグルーブを有す
る光ディスクを製造できるところから、光記録媒体産業
の発展に大いに貢献し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】単結晶金属のインゴットおよびこれらをスライ
スして得られた板の斜視図である。
【図2】単結晶金属のインゴットを製造するための鋳型
の断面図である。
【図3】従来の金属スタンパの製造方法を説明するため
の断面図である。
【符号の説明】
1 金属基板 2 フォトレジスト層 3 凹部 4 凸部 5 金属スタンパ 6 単結晶金属インゴット 7 スライス線 8 単結晶金属板 9 湯道 10 鋳型 11 冷却板 21 露光レジスト層 22 非露光レジスト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 博規 埼玉県桶川市上日出谷1230 三菱マテリア ル株式会社桶川製作所内 (72)発明者 加藤 公明 埼玉県桶川市上日出谷1230 三菱マテリア ル株式会社桶川製作所内 (72)発明者 佐々木 尚 埼玉県桶川市上日出谷1230 三菱マテリア ル株式会社桶川製作所内 (72)発明者 渋谷 巧 埼玉県桶川市上日出谷1230 三菱マテリア ル株式会社桶川製作所内 (72)発明者 三橋 章 埼玉県桶川市上日出谷1230 三菱マテリア ル株式会社桶川製作所内 Fターム(参考) 5D121 CA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶金属で構成されていることを特徴と
    する光ディスク成形用スタンパ。
  2. 【請求項2】一方向凝固法により製造された単結晶金属
    で構成されていることを特徴とする光ディスク成形用ス
    タンパ。
  3. 【請求項3】前記単結晶金属は、単結晶純Niまたは単
    結晶Ni基合金であることを特徴とする請求項1または
    2記載の光ディスク成形用スタンパ。
  4. 【請求項4】前記単結晶金属は、単結晶純Coまたは単
    結晶Co基合金であることを特徴とする請求項1または
    2記載の光ディスク成形用スタンパ。
  5. 【請求項5】前記単結晶金属は、単結晶Fe基合金であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の光ディスク
    成形用スタンパ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6971116B2 (en) * 2001-06-28 2005-11-29 Sony Corporation Stamper for producing optical recording medium, optical recording medium, and methods of producing the same
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