JP2002091572A - ロボットシステムの制御方法及び制御装置 - Google Patents

ロボットシステムの制御方法及び制御装置

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JP2002091572A
JP2002091572A JP2000278063A JP2000278063A JP2002091572A JP 2002091572 A JP2002091572 A JP 2002091572A JP 2000278063 A JP2000278063 A JP 2000278063A JP 2000278063 A JP2000278063 A JP 2000278063A JP 2002091572 A JP2002091572 A JP 2002091572A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロボット機構部の各関節の許容ピークトルク
(許容値)を越えずかつ最短時間で動作が終了できる最
適な各関節の加減速度を求めることができ、動作時間を
短縮できる。 【解決手段】 開始位置及び目標位置と速度予測値とロ
ボットダイナミクスベースパラメータに基づいて、慣性
行列と粘性行列と重力行列とを含む開始位置及び目標位
置におけるロボットダイナミクスモデルを計算し、計算
されたロボットダイナミクスモデルに基づいて、加速度
予測値の各関節間の比例関係と各関節の許容ピークトル
クの条件を満足する最適な加速度及び減速度を演算した
後、すべての関節で動作時間を一致させる同期処理を実
行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロボットシステム
の制御方法及び制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数の関節を有するロボットシス
テムの制御装置では、動作速度指令に加減速度(以下、
加速度と減速度を意味する。また、加速と減速とを含
み、加減速という。)を設け、なめらかな動作を実現し
ている。ロボットの関節を、同じ速度パターンで動作さ
せても、関節に発生するトルクは、ロボットの姿勢に依
存して異なる。重力や他の関節から受ける干渉力などの
負荷トルクが、ロボットの関節位置すなわちロボット姿
勢により変わってしまうためである。負荷トルクが最大
となるロボット姿勢で、速度パターンを固定すると、負
荷トルクの影響が小さい姿勢での動作時間が必要以上に
延びてしまう。一方、最小の姿勢で固定すると、負荷ト
ルクの大きな姿勢で、モータが許容できる以上のトルク
が必要となり、モータ制御に異常が発生して問題とな
る。
【0003】図10は、第1の従来例の位置決め動作処
理を示すフローチャートである。図10において、ま
ず、ステップS101で関節番号iを0にリセットした
後、関節番号iが最終の関節imaxとなるまで、各関節
番号i毎にステップS102からステップS104まで
の処理を繰り返す。ここで、ステップS102では、開
始位置、目標位置及び目標速度をセットし、ステップS
103で移動量の計算処理を実行した後、ステップS1
04で加速度及び減速度のプリセット情報に基づいて速
度パターンの計算を行う。さらに、ステップS107で
は、最長動作時間の関節を抽出し、ステップS108で
関節番号iを0にリセットした後、関節番号iが最終の
関節imaxとなるまで、各関節番号i毎にステップS1
09における速度パターンの再計算処理である終了時間
の同期処理を繰り返す。
【0004】図11は、図10の終了時間の同期処理の
一例を説明するための各関節の速度パターンを示すグラ
フである。図10のステップS107では、第2の関節
が最長動作時間tmaxを有するとして抽出され、第1の
関節と第3の関節の速度パターンは、それらの動作時間
が第2の関節が最長動作時間tmaxとなり、(a)面積
Saが面積Sapに等しくなり、(b)面積Sbが面積
Sbpに等しくなり、(c)面積Scが面積Scpに等
しくなり、(d)面積Sdが面積Sdpに等しくなるよ
うに決定される。なお、図10のグラフの積分値である
面積は距離を表す。
【0005】この第1の従来例において、ステップS1
04での速度パターンの生成に使われる、加速度及び減
速度の情報は、関節毎にプリセットされており、ロボッ
トの姿勢に応じて変動する負荷トルクの影響度は考慮さ
れていない。変動する負荷トルクとは、重力及び負荷慣
性モーメント並びに他の関節から受ける干渉力等であ
る。そのため、プリセットされる加速度及び減速度情報
は、負荷トルクが最大となるロボット姿勢において、モ
ータ制御に異常が発生しない値とするのが一般的であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来例の方法では以下の問題がある。 (a)負荷トルクが最大でないロボット姿勢における位
置決め動作では、モータの能力が最大限に使用されてい
ない。 (b)ロボット設計の際、負荷トルクが最大のロボット
姿勢において、モータ制御に異常が発生しないようにモ
ータを選定しなければならず、必然的にオーバースペッ
クとなる。
【0007】この問題を解決するために、特開平7−2
61822号公報(以下、第2の従来例という。)で
は、重力モーメント、加速度による慣性、他の関節の動
作による干渉トルクを受ける駆動関節に対して、各関節
の質量並びに重心位置から発生する負荷トルク成分を計
算し、加速度の影響を受ける負荷トルク成分が、駆動関
節の許容ピークトルクから加減速度の影響を受けない負
荷トルク成分の値を差し引いた値となるように、加減速
時間を求める方法がとられていた。しかしながら、この
方法にも、以下の問題がある。
【0008】(a)ロボットのすべての関節の加減速時
間が同じという前提条件のもとで、加減速時間が演算さ
れており、関節毎の移動量に大きな差があるような位置
決め動作を行う場合、駆動関節の許容トルクに余裕があ
るにもかかわらず、動作時間を短縮できない。以下、第
1の課題という。 (b)ロボットのリンク自体の慣性テンソルによる負荷
トルク成分を考慮していないため、関節の回転中心から
重心位置までの距離が短いロボットでは厳密な負荷トル
ク成分の計算ができない。以下、第2の課題という。
【0009】本発明の目的は以上の問題点を解決し、ロ
ボット機構部の各関節の許容ピークトルク(許容値)を
越えず、かつ最短時間で動作が終了できる最適な各関節
の加減速度を求めることができ、しかも、動作時間を短
縮できるロボットシステムの制御方法及び制御装置を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るロボットシ
ステムの制御方法は、複数の関節を有するロボット機構
部の動作を制御するロボットシステムの制御方法であっ
て、上記ロボット機構部を動作させるときのロボット機
構部の各関節の開始位置と、目標位置と、目標速度とを
教示データとして第1の記憶手段に格納する第1の記憶
ステップと、上記ロボット機構部の各関節の速度パター
ンを予測演算するときに用いる各関節の加速度と減速度
の情報とを第2の記憶手段に格納する第2の記憶ステッ
プと、上記第1の記憶手段に格納された教示データと、
上記第2の記憶手段に格納された各関節の加速度及び減
速度とに基づいて、所定の第1の速度パターン計算方法
を用いて、上記ロボット機構部の各関節の仮速度予測値
と、動作時間予測値を演算し、上記動作時間予測値の中
から、その最大値を最長動作時間として演算する第1の
演算ステップと、所定の速度パターン再計算方法を用い
て、上記ロボット機構部の各関節について、上記第1の
演算ステップによって演算された動作時間予測値が、上
記第1の演算ステップによって演算された最長動作時間
と同じになるように、速度並びに加速度及び減速度とし
て再計算した値を、速度予測値、加速度予測値及び減速
度予測値とする第2の演算ステップとを含むロボットシ
ステムの制御方法において、上記ロボット機構部の各関
節に連結される各リンクの慣性テンソル、質量及び重心
位置とを含むロボットダイナミクスベースパラメータを
第3の記憶手段に格納する第3の記憶ステップと、上記
第1の記憶手段に格納された各関節の開始位置及び目標
位置と、上記第2の演算ステップによって演算された速
度予測値と、上記第3の記憶手段に格納されたロボット
ダイナミクスベースパラメータとに基づいて、(a)上
記ロボット機構部の各関節についての、加速度により関
節自身に発生するトルク、並びに他関節の加速度により
発生する干渉トルクを示す慣性行列と、(b)上記ロボ
ット機構部の各関節についての、遠心力及びコリオリ力
により発生するトルクを示す粘性行列と、(c)上記ロ
ボット機構部の各関節の重力モーメントにより発生する
トルクを示す重力行列とを含む上記開始位置及び目標位
置におけるロボットダイナミクスモデルを計算する第3
の演算ステップと、上記第3の演算ステップによって演
算されたロボットダイナミクスモデルと、上記第2の演
算ステップによって演算された各関節の加速度予測値及
び減速度予測値とに基づいて、各関節間の加速度予測値
の比例関係である第1の条件を満足し、かつ関節の許容
ピークトルクから、加速度及び減速度に関係の無い重力
行列及び粘性行列を減算した減算結果値が、各関節が上
記加速度予測値及び減速度予測値で動作した場合に各関
節で発生するトルク以上となるという第2の条件を満足
するような最適な加速度及び最適な減速度を演算する第
4の演算ステップと、上記第1の演算ステップにおいて
最長動作時間となった関節を検索し、検索した関節であ
る第kの関節について、上記第4の演算ステップによっ
て演算された最適な加速度及び最適な減速度と、上記第
1の記憶手段に格納された第kの関節の開始位置、目標
位置及び目標速度を含む教示データとから、上記第1の
速度パターン計算方法を用いて第k関節の速度パターン
を演算し、その動作時間を基準動作時間とする第5の演
算ステップと、上記第kの関節以外のすべての関節につ
いて、上記第5の演算ステップによって演算された基準
動作時間と、上記第4の演算ステップによって演算され
た最適な加速度及び最適な減速度と、上記第1の記憶手
段に格納された開始位置及び目標位置を含む教示データ
とに基づいて、所定の第2の速度パターン計算方法を用
いて、動作時間が上記基準動作時間となり、上記最適な
加速度及び最適な減速度で動作するような速度パターン
を生成する第6の演算ステップとを含むことを特徴とす
る。
【0011】また、上記ロボットシステムの制御方法に
おいて、好ましくは、上記加速度に関係しないトルク成
分を、上記粘性行列及び重力行列に加算することによ
り、上記各関節で発生する摩擦抵抗を考慮することを特
徴とする。
【0012】さらに、上記ロボットシステムの制御方法
において、好ましくは、上記慣性行列の対角成分に、上
記各関節の慣性モーメントを加算することにより、上記
各関節自身の加減速で発生するトルク演算値を補正する
ステップとをさらに含むことを特徴とする。
【0013】本発明に係るロボットシステムの制御装置
は、複数の関節を有するロボット機構部の動作を制御す
るロボットシステムの制御装置であって、上記ロボット
機構部を動作させるときのロボット機構部の各関節の開
始位置と、目標位置と、目標速度とを教示データとして
格納する第1の記憶手段と、上記ロボット機構部の各関
節の速度パターンを予測演算するときに用いる各関節の
加速度と減速度の情報とを格納する第2の記憶手段と、
上記第1の記憶手段に格納された教示データと、上記第
2の記憶手段に格納された各関節の加速度及び減速度と
に基づいて、所定の第1の速度パターン計算装置を用い
て、上記ロボット機構部の各関節の仮速度予測値と、動
作時間予測値を演算し、上記動作時間予測値の中から、
その最大値を最長動作時間として演算する第1の演算手
段と、所定の速度パターン再計算装置を用いて、上記ロ
ボット機構部の各関節について、上記第1の演算手段に
よって演算された動作時間予測値が、上記第1の演算手
段によって演算された最長動作時間と同じになるよう
に、速度並びに加速度及び減速度として再計算した値
を、速度予測値、加速度予測値及び減速度予測値とする
第2の演算手段とを備えたロボットシステムの制御装置
において、上記ロボット機構部の各関節に連結される各
リンクの慣性テンソル、質量及び重心位置とを含むロボ
ットダイナミクスベースパラメータを格納する第3の記
憶手段と、上記第1の記憶手段に格納された各関節の開
始位置及び目標位置と、上記第2の演算手段によって演
算された速度予測値と、上記第3の記憶手段に格納され
たロボットダイナミクスベースパラメータとに基づい
て、(a)上記ロボット機構部の各関節についての、加
速度により関節自身に発生するトルク、並びに他関節の
加速度により発生する干渉トルクを示す慣性行列と、
(b)上記ロボット機構部の各関節についての、遠心力
及びコリオリ力により発生するトルクを示す粘性行列
と、(c)上記ロボット機構部の各関節の重力モーメン
トにより発生するトルクを示す重力行列とを含む上記開
始位置及び目標位置におけるロボットダイナミクスモデ
ルを計算する第3の演算手段と、上記第3の演算手段に
よって演算されたロボットダイナミクスモデルと、上記
第2の演算手段によって演算された各関節の加速度予測
値及び減速度予測値とに基づいて、各関節間の加速度予
測値の比例関係である第1の条件を満足し、かつ関節の
許容ピークトルクから、加速度及び減速度に関係の無い
重力行列及び粘性行列を減算した減算結果値が、各関節
が上記加速度予測値及び減速度予測値で動作した場合に
各関節で発生するトルク以上となるという第2の条件を
満足するような最適な加速度及び最適な減速度を演算す
る第4の演算手段と、上記第1の演算手段において最長
動作時間となった関節を検索し、検索した関節である第
kの関節について、上記第4の演算手段によって演算さ
れた最適な加速度及び最適な減速度と、上記第1の記憶
手段に格納された第kの関節の開始位置、目標位置及び
目標速度を含む教示データとから、上記第1の速度パタ
ーン計算装置を用いて第k関節の速度パターンを演算
し、その動作時間を基準動作時間とする第5の演算手段
と、上記第kの関節以外のすべての関節について、上記
第5の演算手段によって演算された基準動作時間と、上
記第4の演算手段によって演算された最適な加速度及び
最適な減速度と、上記第1の記憶手段に格納された開始
位置及び目標位置を含む教示データとに基づいて、所定
の第2の速度パターン計算装置を用いて、動作時間が上
記基準動作時間となり、上記最適な加速度及び最適な減
速度で動作するような速度パターンを生成する第6の演
算手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】また、上記ロボットシステムの制御装置に
おいて、好ましくは、上記加速度に関係しないトルク成
分を、上記粘性行列及び重力行列に加算することによ
り、上記各関節で発生する摩擦抵抗を考慮することを特
徴とする。
【0015】さらに、上記ロボットシステムの制御装置
において、好ましくは、上記慣性行列の対角成分に、上
記各関節の慣性モーメントを加算することにより、上記
各関節自身の加減速で発生するトルク演算値を補正する
手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。
【0017】図1は、本発明に係る一実施形態であるロ
ボットシステムの構成を示すブロック図であり、図2
は、図1のロボット機構部1の構成を示すスケルトン図
である。図1において、この実施形態に係るロボットシ
ステムは、例えば3個である複数の関節RJ1乃至RJ
3を有するロボット機構部1と、ロボット機構部1の動
作を制御するための制御装置10と、教示データなどの
データを入力するための入力手段であるティーチペンダ
ント20とを備えて構成される。ここで、ロボット機構
部1は、図2に示すように、ベースBA1からリンクL
1を介して関節RJ1に連結され、次いで、関節RJ1
はリンクL2を介して関節RJ2に連結され、そして、
関節RJ2はリンクL3を介して関節RJ3に連結さ
れ、さらに、関節RJ3にはリンクL4が連結され、そ
のリンクL4の端部は例えば溶接作業などの所定の操作
を行う操作端LEとなっている。ここで、各関節RJ1
乃至RJ3は回転可能に構成されている。
【0018】この実施形態に係るロボットシステムの制
御装置10は、概略説明すれば、ロボット機構部1の各
関節RJ1乃至RJ3を駆動するモータの性能を効率よ
く使用することで、タクトタイム(工程時間)の短縮、
並びにマニピュレータ開発時のモータ選定裕度の向上を
行い、具体的には、関節RJ1乃至RJ3に発生させる
ことができる許容ピークトルクを指定しておき、ロボッ
ト機構部1の各関節RJ1乃至RJ3の開始位置、目標
位置及び目標速度と、各関節に連結されるロボットリン
ク(リンクアームともいうが、本実施形態では、リンク
L1乃至L4をいう。)の重心位置、質量及び慣性テン
ソルから成るダイナミクスベースパラメータから、各関
節の許容ピークトルクを越えず、かつ最短時間で動作が
終了できる最適な各関節の加減速度を求める。この場
合、ロボット機構部1の関節RJ1乃至RJ3毎の移動
量に大きな差がある位置決め動作を行う場合でも、駆動
関節の許容ピークトルクを最大限有効に使用した加減速
度を演算し、動作時間の短縮を可能にするとともに、関
節に連結されるリンク自体の慣性テンソルによる負荷ト
ルク成分を考慮し、関節の回転中心からリンクの重心位
置までの距離が短いロボットや、ロボットが特異な姿勢
となっても、厳密な負荷トルク成分の計算を実現するこ
とで、許容値を越えるトルクを必要とするような加減速
度の演算を防止する。また、この実施形態に係るロボッ
トシステムの制御装置10は、モータMO1乃至MO3
の軸受けや減速機の摩擦抵抗を考慮し、厳密な負荷トル
ク成分の計算を実現することで、許容値を越えるトルク
を必要とするような加減速度の演算を防止する。さら
に、この実施形態に係るロボットシステムの制御装置1
0は、減速機を含むモータMO1乃至MO3のロータの
慣性モーメントにより発生するトルクを考慮し、厳密な
負荷トルク成分の計算を実現することで、許容値を越え
るトルクを必要とするような加減速度の演算を防止す
る。
【0019】まず、この実施形態に係る制御方法の動作
原理について以下に詳述する。ロボット機構部1の各関
節に連結されるリンクの重心位置、質量、リンク長さ、
慣性テンソル並びに、各関節の位置(角度)、速度、加
速度から、各関節に発生するトルクTが、次式により演
算できることが知られており、ロボットダイナミクスモ
デルという。
【0020】
【数1】 T=H(θ)・θdd+C(θ,θd)+G(θ)・g
【0021】この数1は、例えば、従来技術文献1「広
瀬茂男,”ロボット工学−機械システムのベクトル解析
−”,裳華房,2版,1989年2月10日」の11.
3.[4]項に、剛体の運動解析手法の1つであるニュ
ートンオイラー法を用いた逆動力学演算の手順が詳しく
説明されており、最終的に逆動力学の演算式は、当該従
来技術文献1の式(11.28)となる。ここで、式
(11.28)中のJTKは、ロボット先端に加えるべ
き外力とモーメントで、本発明に係る実施形態では考慮
する必要の無い項となり、上記数1を得ることができ
る。ここで、上記ロボットダイナミクスモデルは、慣性
行列H、粘性行列C及び重力行列Gから構成され、慣性
行列Hはロボット機構部の各関節の加速度により関節自
身に発生するトルク並びに他関節の加速度により発生す
る干渉トルクを示し、粘性行列Cはロボット機構部の各
関節の遠心力及びコリオリ力により発生するトルクを示
し、重力行列Gは、ロボット機構部の各関節の重力モー
メントにより発生するトルクを示す。
【0022】慣性行列H、粘性行列C及び重力行列G
は、ロボット機構部1の各関節に連結されるリンクの重
心位置、質量、慣性テンソル、及び各関節の位置、速
度、加速度から計算できる。ここで、ロボット各関節に
連結されるリンクの重心位置、質量、慣性テンソル、リ
ンク長さは、ロボットの機構やリンク形状及び材質から
予め求めておくことが可能な既知の固定値であるから、
上記数1を使用すると、各関節の位置、速度、加速度の
3つから、各関節に発生するトルクが演算できる。上記
数1の各項目は以下の意味を持つ。なお、実施例では、
各関節の数n=3である。
【0023】
【表1】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― T:関節に発生するトルクn×1行列 θ:関節位置n×1行列 θd:関節速度n×1行列 θdd:関節加速度n×1行列 H:慣性行列n×n行列 C:粘性行列n×1行列 G:重力行列n×3行列 n:ロボットの制御関節数 g:重力加速度ベクトル3×1行列 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0024】次いで、この実施形態で用いる各項目の単
位及び個数を以下に示す。
【0025】
【表2】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 記号 項目 単位 個数 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― T 関節に発生するトルク N・m n×1行列 θ 関節位置(角度) rad n×1行列 θd 関節速度 rad/sec n×1行列 θdd 関節加速度 rad/sec2 n×1行列 H 慣性行列 kg・m2 n×n行列 C 粘性行列 N・m n×1行列 G 重力行列 kg・m n×3行列 g 重力加速度ベクトル m/s2 3×1行列 Tpeak 関節の許容ピークトルク N・m n×1行列 θs 開始位置 rad n×1 θe 目標位置 rad n×1 V 目標速度 rad/sec n×1 Asmp 仮の加速度 rad/sec2 n×1 Dsmp 仮の減速度 rad/sec2 n×1 Vest 仮速度予測値 rad/sec n×1 Test 動作時間予測値 sec n×1 Vrea 速度予測値 rad/sec n×1 Area 加速度予測値 rad/sec2 n×1 Drea 減速度予測値 rad/sec2 n×1 Tmax 最長動作時間 sec 1 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― Ixi,Ixyi,Ixzi リンクの慣性テンソル kg・m2 3×3 Ixyi,Iyi,Iyzi Ixzi,Iyzi,Izi ――――――――――――――――――――――――――――――――――― mi リンク質量 kg 1×n mxi,myi,mzi リンク重心位置ベクトル m 3×n 記号なし 重力加速度 m/sec2 1 Cm 動粘性係数 N・m・sec n×1行列 θdm モータ速度 rad/sec n×1行列 Fcou クーロン摩擦トルク N・m n×1行列 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― Im 減速機を含むモータロータの kg・m2 1×n 慣性モーメント ――――――――――――――――――――――――――――――――――― Tad 加減速で使用できるトルク N・m n×1行列 Aopt 最適な加速度 rad/sec2 n×1行列 Dopt 最適な減速度 rad/sec2 n×1行列 Tbase 基準動作時間 sec 1 Sai 第iの関節の移動量 rad 1 Vopti 第iの関節の最適な速度 rad/sec 1 Tai 第iの関節の加速時間 sec 1 Tci 第iの関節の定速時間 sec 1 Tdi 第iの関節の減速時間 sec 1 ξi 第iの関節の減速比 無次元 1 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0026】次いで、実施例(n=3)におけるロボッ
トダイナミクスのベースパラメータについて説明する。
質量miは、第iの関節(ここで、iは自然数であり、
1から関節の最大個数までとる。)の動作により移動し
かつ第i+1の関節の動作によっては移動しない第iの
関節に連結されるリンクの質量を示す。また、重心位置
mxi、myi、mziは、第iの関節の動作により移
動し、かつ第i+1の関節の動作によっては移動しない
第iの関節に連結されるリンクの重心位置を示す。ま
た、第iの関節の慣性テンソルIxi乃至Iziは、第
iの関節の動作により移動しかつ第i+1の関節の動作
によっては移動しない第iの関節に連結されるリンクの
慣性テンソルを示し、例えば、従来技術文献1の節3.
8に、演算手順が詳しく説明されており、最終的に慣性
テンソルの演算式は、当該従来技術文献1の式(3.3
8)となる。
【0027】ここで、重心位置及び慣性テンソルを演算
する上での基準をリンク座標系とする。リンク座標系
は、例えば、従来技術文献2「吉川恒夫訳,”ロボット
・マニピュレータ”,株式会社コロナ社,初版,198
9年12月15日」の節2.9に各関節毎に割り当てる
リンク座標系の定義手順が詳細に説明されているが、こ
こでは、基本的なリンク座標系の定義について説明す
る。
【0028】まず、慣性テンソルIは、物体の回転し難
さを示すのに一般的に使用され、公知の通り次式の3×
3の対称行列で表され、その対角成分はロボット機構部
の各関節の慣性モーメントを、その他の成分は慣性乗積
の負の値を表す。
【0029】
【数2】
【0030】また、慣性モーメントは次式より求めら
れ、物体(ロボットリンク)の回り難さ及び止め難さを
表す。
【0031】
【数3】Ix=∫(y2+z2)dm
【数4】Iy=∫(z2+x2)dm
【数5】Iz=∫(x2+y2)dm
【0032】次いで、慣性乗積は、次式より求められ、
物体(ロボットリンク)が回転運動を行っているとき、
その運動を乱すモーメントを表す。
【0033】
【数6】Ixy=∫xydm
【数7】Iyz=∫yzdm
【数8】Izx=∫zxdm
【0034】ここで、式中のx,y,zは、所定の慣性
テンソルの基準座標で表され、dmは微小体積の質量を
示す。ここで、基準座標をリンク座標系とする。例え
ば、第2の関節から第3の関節に伸張するリンクL3に
おいて、第2の関節の回転中心を原点として、第2の関
節に割り当てられたリンク座標が定められ、第2の関節
のリンク座標におけるx方向をリンク長さの方向とし、
z方向を回転軸方向とし、y方向を右手座標系の方向と
する。ここで、第2の関節に連結されたリンクL3の慣
性テンソルの基準座標は、第2の関節に割り当てられた
リンク座標系をリンクL3の重心位置に移動したときの
座標系とする。他の関節についても同様に定義する。
【0035】次いで、慣性、粘性及び重力の行列値の演
算方法について説明する。慣性行列H、粘性行列C、及
び重力行列Gは、次式を用いて数値計算して求める。な
お、第1の関節の位置をθ1とし、第2の関節の位置を
θ2とし、第3の関節の位置をθ3とする。また、第1の
関節の速度をθd1とし、第2の関節の速度をθd2
し、第3の関節の速度をθd3とする。
【0036】
【数9】
【0037】ここで、
【数10】 H11 =mx12・m1+[2・a1・mx2・cos(θ2)+(1/2)・mx22{1+cos(2・θ2)}+a12+mz22]m2 +(a12+2{cos(θ2)・a2-my3・sin(θ23)+mx3・cos(θ23)}a1 +[-my3{sin(2・θ23)+sin(θ3)}+mx3{cos(2・θ23)+cos(θ3)}]a2 -mx3・my3・sin(2・θ3+2・θ2)+(1/2)a22{1+cos(2・θ2)} -(1/2)my32{cos(2・θ3+2・θ2)-1} +(1/2)mx32{cos(2・θ3+2・θ2)+1)}m3+(1/2)Ix2{1-cos(2・θ2)} +(1/2)Iy2{1+cos(2・θ2)} +(1/2)Ix3{1-cos(2・θ3+2・θ2)}+(1/2)Iy3{cos(2・θ3+2・θ2)+1} -Ixy3・sin(2・θ3+2・θ2)+Iz1
【数11】H12=-m2・mz2・mx2・sin(θ2)
【数12】H13=0
【0038】
【数13】H21=H12
【数14】H22=m2・mx22+[a22+2{mx3・cos(θ3)-my3・sin
3)}a2+my32+mx32]m3+Iz3+Iz2
【数15】H23=[{mx3・cos(θ3)-my3・sin(θ3)}a2+my32+
mx32]m3+Iz3
【0039】
【数16】H31=H13
【数17】H32=H23
【数18】H33=(my32+mx32)m3+Iz3
【0040】
【数19】C=[C1 C2 C3]T
【0041】ここで、
【数20】 C1 =[{-mx2・m2(mx2・sin(2・θ2)+2・a1・sin(θ2)) +(-2・a1(mx3・sin(θ23)+my3・cos(θ23)+a2・sin(θ2)) -2・a2(mx3・sin(2・θ23)+my3・cos(2・θ23))-2・my3・mx3・cos(2・θ3+2・θ2) +(my32-mx32)・sin(2・θ3+2・θ2)-a22・sin(2・θ2))m3 +(Ix3-Iy3)sin(2・θ3+2・θ2) +(Ix2-Iy2)sin(2・θ2)-2・Ixy3・cos(2・θ3+2・θ2)}θd2 +{m3(-2・a1(my3・cos(θ23)+mx3・sin(θ23)) -2・my3・mx3・cos(2・θ3+2・θ2) +(my32-mx32)sin(2・θ3+2・θ2) -a2(mx3(sin(2・θ23)+sin(θ3))+my3(cos(2・θ23)+cos(θ3))}] -2・Ixy3・cos(2・θ3+2・θ2)-(Iy3-Ix3)sin(2・θ3+2・θ2))θd3)θd1 -m2・mz2・mx2・cos(θ2)・θd2 2
【数21】 C2 =[(1/2)mx2・m2(mx2・sin(2・θ2)+2・a1・sin(θ2)) +(1/2)(Iy3-Ix3)sin(2・θ3+2・θ2) +(1/2)sin(2・θ2)(Iy2-Ix2)+Ixy3・cos(2・θ3+2・θ2) +{a1(my3・cos(θ23)+mx3・sin(θ23)) +a2(mx3・sin(2・θ23)+my3・cos(2・θ23)) +(1/2)a22・sin(2・θ2)+(1/2)(mx32-my32)sin(2・θ3+2・θ2) +my3・mx3・cos(2・θ3+2・θ2) +a1・a2・sin(θ2)}m3]θd1 2-2・m3・a2(mx3・sin(θ3)+my3・cos(θ3))θd2・θd3 -m3・a2(mx3・sin(θ3)+my3・cos(θ3))θd3 2
【数22】 C3=[{a1(my3・cos(θ23)+mx3・sin(θ23)) +(1/2)a2{mx3(sin(2・θ23)+sin(θ3))+my3(cos(2・θ23)+cos(θ3))} +(1/2)(mx32-my32)sin(2・θ3+2・θ2)+my3・mx3・cos(2・θ3+2・θ2)}m3 +(1/2)(Iy3-Ix3)sin(2・θ3+2・θ2)+Ixy3・cos(2・θ3+2・θ2)]θd1 2 +m3・a2(mx3・sin(θ3)+my3・cos(θ3))θd2 2
【0042】
【数23】
【0043】ここで、
【数24】 G11 =-sin(θ1)・mx1・m1 +{cos(θ1)・mz2-sin(θ1)・a1-(1/2)mx2(sin(θ12)-sin(-θ12))}m2 -sin(θ1)・a1・m3-(1/2)m3((sin(θ12)-sin(-θ12))a2 +mx3(-sin(-θ123)+sin(θ123)) +my3(cos(θ123)-cos(-θ123)))
【数25】 G12 =cos(θ1)・mx1・m1 +{sin(θ1)・mz2+cos(θ1)・a1+(1/2)mx2(cos(-θ12)+cos(θ12))}m2 +cos(θ1)・a1・m3+(1/2)m3{(cos(-θ12)+cos(θ12))a2 +mx3(cos(-θ123)+cos(θ123)) +my3(-sin(-θ123)-sin(θ123))}
【数26】G13=0
【0044】
【数27】G31=(1/2)m3・{mx3(-sin(-θ123)-sin
123))-my3(cos(-θ123)+cos(θ12+
θ3))}
【数28】G32=(1/2)m3・{mx3(cos(θ123)-cos(-
θ123))-my3(-sin(-θ123)+sin(θ12+
θ3))}
【数29】G33=m3(-my3・sin(θ23)+mx3・cos(θ2+
θ3))
【0045】
【数30】 G21 =(1/2)mx2・m2(-sin(θ12)-sin(-θ12)) +(1/2)m3・a2(-sin(θ12)-sin(-θ12)) +(1/2)m3{mx3(-sin(-θ123)-sin(θ123))-my3(cos(-θ123) +cos(θ123))}
【数31】 G22 =(1/2)mx2・m2(-cos(-θ12)+cos(θ12)) +(1/2)m3・a2(-cos(-θ12)+cos(θ12)) +(1/2)m3(mx3(cos(θ123)-cos(-θ123)) -my3(-sin(-θ123)+sin(θ123)))
【数32】G23=m2・mx2・cos(θ2)+cos(θ2)m3・a2+m3(-my
3・sin(θ23)+mx3・cos(θ23))
【0046】上記数9乃至数32は、表2に示すパラメ
ータ、図2に示すリンク長さa1、a2、並びに関節位
置θ、関節速度θdのみから構成され、ここで、θ、θ
d以外はすべて既知の値である。なお、a1はリンクL
2のリンク長さであり、a2はリンクL3のリンク長さ
である。従って、開始位置θsと速度予測値Vreaを
入力すれば、開始位置θsにおけるロボットダイナミク
スモデルを計算することができ、同様に、目標位置θe
と速度予測値Vreaを入力すれば、目標位置における
ロボットダイナミクスモデルが計算できる。具体的に
は、以下の式に示す通りである。速度予測値Vreaの
演算方法については、後述するのでここでの説明は省略
する。
【0047】
【数33】開始位置の慣性行列:Hs=H(θs)
【数34】 開始位置の粘性行列:Cs=C(θs,Vrea)
【数35】開始位置の重力行列:Gs=G(θs)
【数36】目標位置の慣性行列:He=H(θe)
【数37】 目標位置の粘性行列:Ce=C(θe,Vrea)
【数38】目標位置の重力行列:Ge=G(θe)
【0048】ところで、ロボットの各関節に発生させる
ことができるトルクは、モータや機械の設計仕様から制
限される既知の値であり、これをTpeakとすると、
上述の数1の左辺を次式のように置き換えられる。
【0049】
【数39】Tpeak≧H(θ)・θdd+C(θ,θ
d)+G(θ)・g
【0050】ここで、Tpeakは、関節の許容ピーク
トルクn×1行列である。上記数39を変形して次式の
数40の形式に変換する。数40の左辺は、関節の許容
ピークトルクTpeakから、加減速度に関係の無い重
力モーメントや遠心力、コリオリ力等の外乱トルクを差
し引いた値であり、加減速に使用できるトルクを表す。
数40の右辺は、ロボット各関節が加減速度θddで動
作した場合に各関節で発生するトルクを表す。つまり、
数40は、第1の課題を満足させる加減速度を演算する
上での条件式の1つとなる。
【0051】
【数40】Tpeak−(C(θ,θd)+G(θ)・g)
≧H(θ)・θdd
【0052】数40において、Tpeak及びgは既知
の固定値であり、また、H、C、Gは、ロボット各関節
に連結されるリンクの重心位置、質量、慣性テンソル、
リンク長さ、及び関節位置θ、関節速度θdから演算さ
れるロボットのダイナミクスモデルである。従って、上
記数40において、関節加速度θddを除くと、未知の
値は関節速度θdのみとなる。なぜなら、ロボット各関
節に連結されるリンクの重心位置、質量、慣性テンソ
ル、リンク長さは、ロボットの機構やリンク形状及び材
質等から予め求めておくことが可能な既知の固定値で、
また関節位置θは、予め教示された開始位置あるいは目
標位置を使用できるからである。
【0053】そのため、本実施形態では、数40におけ
る関節速度θdを予測する手段を持つ。ここでことわっ
ておくが、θdとして教示された目標速度を使用するこ
とはできない。すべての関節に対して最高速度での位置
決め動作を要求しても、各関節ごとに移動量が違うこと
が一般的であり、目標位置へ到達する時間すなわち動作
時間に差が発生する。そのため、すべての関節で動作時
間を同じにすると、移動量の少ない関節は、目標速度よ
り低い速度で動作する。同様の理由で、移動量の少ない
関節は加減速度も抑えられるので、この考慮をしなけれ
ば、上述の第1の課題を解決する最適な値を演算するこ
とはできない。加減速度が抑えられる関節は、他の関節
へ与える干渉力の影響を抑えることができる。そのた
め、本発明に係る実施形態では、関節毎の加減速度につ
いても予測する手段を持つ。
【0054】関節毎の速度、加減速度の予測は、以下の
手順で行う。まず、ロボットのいかなる姿勢でも正常に
動作が可能な加速度及び減速度(それぞれ以下、仮の加
速度、仮の減速度という。)を予め記憶しておく。次
に、予め教示される開始位置θs、目標位置θe、及び目
標速度Vから、上記した仮の加減速度が保持されるよう
に、すべての関節の速度パターンを計算する。本発明で
は、この速度パターンの計算方法を、第1の速度パター
ン計算方法という。
【0055】この第1の速度パターン計算方法は、後述
する図4の処理フローにおいて、ステップS2、S6及
びS9において用いるものであり、その方法について以
下に説明する。
【0056】ロボットの第iの関節における、第1の速
度パターン計算方法は、第iの関節の教示される教示デ
ータの開始位置θsi、目標位置θei、目標速度Vi
から、目標加速度Ai、目標減速度Diで動作するよう
に、各関節の速度パターンを生成する公知の計算方法で
ある。ここで、各関節の速度パターンとは、図7に示す
台形状の速度パターン、又は図8に示す三角形状の速度
パターンのことであり、第iの関節の加速時間Tai、
定速時間Tci、減速時間Tdi、動作速度Vriがこ
の第1の速度パターン計算方法により演算される。ま
た、第iの関節の加速時間Tai、定速時間Tci、減
速時間Tdiを加算した値が速度パターンにおける動作
時間Triとなる。第iの関節の場合、以下の式を使用
することで、第iの関節の開始位置θsi、目標位置θe
i、目標速度Vi、目標加速度Ai、目標減速度Diか
ら、加速時間Tai、定速時間Tci、減速時間Td
i、動作時間Tri、動作速度Vriを計算できる。
【0057】
【数41】Tai=Vi/Ai
【数42】Tdi=Vi/Di
【数43】Tci={θei−θsi−Vi(Tai+
Tdi)/2}/Vi
【数44】Tri=Tai+Tci+Tdi
【数45】Vri=Vi
【0058】ここで、上記数43により求められた定速
時間Tciが0未満となったときは、図8に示す三角形
状の速度パターンとなるケースで、この場合は、以下の
式により、加速時間Tai、定速時間Tci、減速時間
Tdi、動作時間Tri、及び動作速度Vriを計算で
きる。
【0059】
【数46】
【数47】Tai=Vi/Ai・sf
【数48】Tdi=Vi/Di・sf
【数49】Tci=0
【数50】Tri=Tai+Tci+Tdi
【数51】Vri=Vi・sf
【0060】次に、すべての関節の速度パターンの中か
ら、動作時間が最大となる関節(以下、最大動作関節と
いう。)を抽出し、すべての関節において速度パターン
の動作時間が、最大動作関節の動作時間と同じになるよ
うに速度パターンの再生成を行う。この処理を、終了時
間の同期処理という。終了時間の同期処理については、
公知の技術であるので説明は省略する。以上の処理の一
例を図10及び図11に示す。図10及び図11からも
判るように、第1の速度パターン計算を行い、終了時間
の同期処理を行うことで、速度予測値Vrea、加速度
予測値Area、減速度予測値Dreaを演算できる。
【0061】速度予測値Vreaを上記数40の関節速
度θdに代入することにより、上記数40は関節の加速
度又は減速度であるθdd以外はすべて既知の値とな
る。また、他の関節の動作により干渉トルクを受ける駆
動関節の許容ピークトルクを最適に配分するために、演
算された加速度予測値Area及び減速度予測値Dre
aの各関節間の比例関係を求め、この比例関係と上記数
40とを同時に満足する加減速度を求める。つまり、加
速時においては、予測された加速度の各関節間の比例関
係が保たれ、かつ上記数40を満足させる加速度が、前
述の第1の課題を解決する最適な加速度Aoptとな
り、減速時においては、予測された減速度の各関節間の
比例関係が保たれ、かつ上記数40を満足させる減速度
が、前述の第1の課題を解決する最適な減速度Dopt
となる。
【0062】以上の結果、最適な加速度及び減速度が求
まるがこれだけでは最適な速度パターンが計算できたと
は言えない。なぜなら、最適な加速度Aoptと最適な
減速度Doptを使用しても、速度パターンの生成手段
が従来と同じであれば、関節毎に動作時間が変わり、図
10及び図11に示すような従来と同様の終了時間の同
期処理を施さねばならず、これにより最適な加減速度が
保持されないためである。そのため、本発明に係る実施
形態では、計算の結果求められた最適な加減速度が保持
されるような、速度パターン生成処理を含む。以下に、
その手順を説明する。
【0063】前述した終了時間の同期処理において、最
長動作時間となった関節についてのみ、既に求めた最適
な加速度Aopt及び最適な減速度Doptを用いて、
前述した第1の速度パターン計算方法により基準動作時
間Tbaseを求める(図4のステップS6)。その他
の関節については、最適な加速度Aoptと最適な減速
度Doptを保持し、かつ動作時間が上記基準動作時間
Tbaseとなるように、第2の速度パターン計算方法
を用いた速度パターン生成処理を実行する(図4のステ
ップS7)。これにより、すべての関節の動作時間が最
長動作関節と同じになるので、終了時間の同期処理を施
す必要が無くなり、先に計算された最適な加減速度が保
持される。
【0064】先に求められた最適な加速度Aopt及び
最適な減速度Doptを保持し、かつ動作時間が上記基
準動作時間Tbaseとなるような速度パターンが実現
できない関節が存在した場合は(図4のステップS8で
NO)、その関節のみ第1の速度パターン計算を行い、
すべての関節の速度パターン計算が終了した(図4のス
テップS9)後に、前述の終了時間の同期処理(図4の
ステップS10)を施せばよい。このようなことが起こ
るのは、加減速度を最適化したことで、最適化前とは最
大動作関節が変わってしまうケースである。終了時間の
同期処理を施すことで、加減速度の最適度合いが若干低
下するが、加減速に使用できるトルクを越えることは無
い。
【0065】以上のように演算される速度パターンで各
関節を動作させることにより、第1の課題を解決でき
る。第2の課題については、上記数40の慣性行列H及
び粘性行列Cが関節に連結されるリンクの慣性テンソル
を含んだものになるため、必然的に達成可能となる。
【0066】また、別の実施形態において、各関節内の
モータの軸受けや減速機の摩擦抵抗を考慮した場合につ
いて説明する。上記数1で表されるロボットダイナミク
スモデルを、次式のように変更することにより、各関節
内のモータの軸受けや減速機の摩擦抵抗を考慮できる。
【0067】
【数52】
【0068】ここで、Cmはモータの軸受けや減速機の
動粘性係数n×1行列であり、動粘性係数とは、速度と
動摩擦トルクとの比例関係を表す定数である。また、動
摩擦トルクとは、速度に比例した大きさを持つトルク成
分である。さらに、θdmはモータの速度n×1行列で
あり、Fcouはクーロン摩擦トルクである。クーロン
摩擦トルクとは、速度に無関係な大きさを持ち、常に運
動と逆の方向に働くトルク成分である。上記数52にお
いて、sgn(θdm)はモータの速度n×1行列に基
づいて次式のように決定される符号関数である。
【0069】
【数53】sgn(θdm) =1;θdm>0のとき =0;θdm=0のとき =−1;θdm<0のとき
【0070】また、第iの関節の速度とモータの回転速
度の関係はその減速比ξiから次式のように表される。
【0071】
【数54】θdmi=θdi・ξi
【0072】さらに、上記数52のθdmは、次式で表
される。
【0073】
【数55】 θdm=[θd1・ξ1,θd2・ξ2,θd3・ξ3T
【0074】ここで、ξiは、第iの関節内の減速機の
減速比である。ここで、パラメータCm、Fcou、ξ
も、予め設定可能な既知の値であるから、上記数52で
あっても、上述と同様に最適な加減速度の演算が可能で
あるので、詳細については省略する。
【0075】さらに、そのほかの別の実施形態において
は、上述の数9に示す慣性行列Hを以下のように補正す
ることにより、各関節内における減速機を含むモータロ
ータの慣性モーメントにより発生するトルクの考慮が可
能になる。
【0076】
【数56】
【0077】ここで、Imiは減速機を含むモータロー
タの慣性モーメントである。連動して動く回転体の慣性
モーメントは、その減速比の2乗分の1倍されて入力軸
の慣性モーメントに影響を与える。従って、入力軸の慣
性モーメントが出力軸に与える影響はその逆であるた
め、減速比の2乗倍されなければならない。減速機を含
むモータロータの慣性モーメントが減速比の2乗倍され
て加算されているのはそのためである。
【0078】慣性行列Hの対角要素は自分自身に与える
トルクの影響を示し、他の要素は他の関節に与える干渉
トルクの影響を示している。減速機を含むモータロータ
の慣性モーメントが他の関節に干渉することは無いの
で、対角要素のみ補正すればよい。従って、Imi、ξ
iも、予め設定可能な既知の値であるから、上記数56
であっても、上述と同様に最適な加減速度の演算が可能
であるので、詳細については省略する。
【0079】次いで、図1を参照して、本実施形態に係
るロボットシステムの構成について説明する。図1に示
すように、制御装置10は、(a)クロック発生器11
0によって発生されるクロック信号と当該クロック信号
を所定の分周比で分周する分周器111によって発生さ
れる同期信号SYNCに基づいてROM101に格納さ
れたシステムプログラムに従って、ロボット機構部1の
動作を制御するCPU100と、(b)ロボット機構部
1の動作を制御するための位置決め動作処理を含むプロ
グラムと、当該プログラムを実行するために必要なデー
タを格納するROM101と、(c)CPU100のワ
ーキングエリアとして用いられ、計算途中のデータを一
時的に格納するRAM102と、(d)上記位置決め動
作処理を実行するために必要なデータを予め格納する記
憶装置であって、教示データメモリ106aと、仮の加
減速度情報メモリ106bと、ロボットダイナミクスベ
ースパラメータメモリ106cとを含むハードディスク
メモリ106と、(e)ティーチペンダント20が接続
されたインターフェース103と、(f)各モータMO
1乃至MO3に対する駆動制御値であるモータ指令位置
のデータを格納するデュアルポートRAM104とを備
える。これらの各回路100乃至103及び106とデ
ュアルポートRAM104の第1のポートがバス109
を介して接続される。なお、ティーチペンダント20に
ついての処理はCPU100の割り込み処理によって実
行される。
【0080】ハードディスクメモリ106内の教示デー
タメモリ106aは、ロボット機構部1を動作させると
きのロボット機構部1の各関節の開始位置と、目標位置
と、目標速度とを、教示データとして予めティーチペン
ダント20を用いて入力して格納する。また、仮の加減
速度情報メモリ106bは、速度パターンを予測演算す
るときに用いる各関節の仮の加速度と仮の減速度の情報
を予めティーチペンダント20を用いて入力して格納す
る。さらに、ロボットダイナミクスベースパラメータメ
モリ106cは、ロボット機構部1の各関節に連結され
るリンクの慣性テンソルと、質量と、重心位置とを含む
ロボットダイナミクスベースパラメータをティーチペン
ダント20を用いて入力して格納する。
【0081】デュアルポートRAM104の第2のポー
トはラッチ回路105に接続され、ラッチ回路105は
同期信号SYNCに同期して、デュアルポートRAM1
04に格納された各モータMO1乃至MO3に対する3
個のモータ指令位置のデータを同時にラッチした後、ロ
ボット機構部1の関節制御に関するモータ指令位置のデ
ータをサーボ制御回路107を介してモータMO1乃至
MO3に出力して駆動する。
【0082】次いで、ロボット機構部1の各関節RJk
(実施例では、k=1,2,3)の構造とサーボ制御回
路107の構成について図3を参照して説明する。図3
に示すように、モータMOkの回転軸は減速機REkの
入力軸に連結され、減速機REkはモータMOkの回転
速度を所定の減速比λkだけ減速することによって、モ
ータMOkによって発生されるトルクを上記減速比の逆
数倍だけ増大させて、減速機REkの出力軸に連結され
たリンクLkに出力する。ここで、モータMOkの回転
軸にはセンサSNkの軸が連結され、当該センサSNk
からの出力信号がサーボ制御回路107内の加算器12
0の減算入力端子に入力される。一方、ラッチ回路10
5からのモータ指令位置DPkのデータが加算器120
の加算入力端子に入力される。加算器120から出力さ
れるデータは、D/A変換器(図示せず。)によってア
ナログ電圧信号に変換された後、所定の増幅度を有する
増幅器121を介してモータMOkの駆動端子に印加さ
れる。以上のように構成されたサーボ制御のフィードバ
ック系においては、回転角度がモータ指令位置DPkと
なるように制御され、これによって、モータと減速機を
介して連結されるリンクLkが、DPkを減速比で除し
た分である関節変数θkだけ回転される。
【0083】図4は、図1のCPU100によって実行
される位置決め動作処理を示すフローチャートである。
【0084】図4において、まず、ステップS1におい
て、教示データメモリ106a内の教示データに基づい
て、ロボット機構部1の各関節の開始位置、目標位置及
び目標速度を設定し、ステップS2において、上記ステ
ップS1で設定されたデータと、仮の加減速度情報メモ
リ106b内の仮の加減速度情報とに基づいて、第1の
速度パターン計算を行い、ロボット機構部1の各関節の
動作時間と仮速度予測値とを演算する。この処理は、図
10の従来例のステップS103及びS104と同様の
処理である。具体的には、第1の速度パターン計算方法
における目標加速度Aとして仮の加速度Asmpを、目
標減速度Dとして仮の減速度Dsmpを使用する。ま
た、第1の速度パターン計算方法により演算される動作
速度Vrを仮速度予測値Vestとし、動作時間Trを
動作時間予測値Testとする。
【0085】さらに、ステップS3において、ステップ
S2で演算された全ての関節の速度パターンに対して終
了時間の同期処理を実行する。この終了時間の同期処理
は、図10の従来例のステップS109乃至S111の
処理(以下、従来例の速度パターン再計算処理とい
う。)と同様の処理であり、上記動作時間予測値の中か
ら、動作時間が最大となる関節を最大動作関節とし、そ
の最大動作関節の動作時間を最長動作時間Tmaxとす
る。そして、各関節について、上記動作時間予測値が上
記最長動作時間と同じになるように、動作速度及び加減
速度を再計算した値をそれぞれ、速度予測値、加速度予
測値及び減速度予測値としてRAM102に一時的に格
納する。
【0086】そして、ステップS4においてロボットダ
イナミクスベースパラメータメモリ106c内のロボッ
トダイナミクスベースパラメータに基づいて、開始位置
及び目標位置のロボットダイナミクスモデルの演算処理
を実行する。この処理では、上記開始位置及び目標位置
と上記速度予測値と上記ロボットダイナミクスベースパ
ラメータから、数9乃至数38を用いて、開始位置及び
目標位置における慣性行列H、粘性行列C及び重力行列
Gを含むロボットダイナミクスモデルを演算してロボッ
トダイナミクスベースパラメータメモリ106cに格納
する。さらに、ステップS5において最適な加減速度の
演算を実行する。この処理では、上記演算されたロボッ
トダイナミクスモデルに基づいて、上記数40と、上記
加速度予測及び減速度予測における各関節間の比例関係
を同時に満足する加減速度を、最適な加減速度として求
める。つまり、加速時においては、加速度予測値Are
aの各関節間の比例関係(後述する数76)が保たれ、
かつ数40を満足するような最適な加速度Aoptを演
算する一方、減速時においては、減速度予測値Drea
の各関節間の比例関係(後述する数89)が保たれ、か
つ数40を満足するような最適な減速度Doptを演算
し、演算された最適な加速度Aopt及び最適な減速度
DoptをRAM102内に格納する。
【0087】次いで、ステップS6では、ステップS3
の処理結果に基づいて、最長動作時間となった関節を検
索し、検索した関節である第kの関節について、ステッ
プS5で演算された最適な加速度Aoptkと、最適な
減速度Doptkと、第k関節の教示データ(開始位
置、目標位置、目標速度)とから、上述の第1の速度パ
ターン計算方法を用いて第k関節の速度パターンを演算
し、その動作時間を基準動作時間Tbaseとし、演算
結果をRAM102に格納する。さらに、ステップS7
では、上記の第kの関節以外のすべての関節について、
第2の速度パターン計算方法を用いて、基準動作時間T
baseと、最適な加速度Aoptと、最適な減速度D
optと、教示データ(開始位置、目標位置)とから、
動作時間が基準動作時間Tbaseとなり、最適な加速
度Aoptで動作し、最適な減速度Doptで動作する
速度パターンを生成してRAM102に格納する。そし
て、ステップS8では、動作時間が基準動作時間Tba
seとなり、最適な加速度Aoptで動作し、最適な減
速度Doptで動作する速度パターンがすべての関節で
存在したか否かが判断され、YESのときは当該位置決
め動作処理を終了するが、NOのときはステップS9に
進む。
【0088】ステップS9では、動作時間が基準動作時
間Tbaseとなり、最適な加速度Aoptで動作し、
最適な減速度Doptで動作する速度パターンが存在し
なかったすべての関節について、第1の速度パターン計
算方法を用いて、最適な加速度Aoptと、最適な減速
度Doptと、教示データ(開始位置、目標位置、目標
速度)から速度パターンを演算してRAM102に格納
する。最後に、ステップS10では、ステップS6、S
7及びS9で演算された速度パターンに基づいて、すべ
ての関節の速度パターンの中から最長動作時間を抽出
し、従来例の速度パターン再計算処理と同様に、すべて
の関節について、最長動作時間と一致するように、速度
パターンを再計算して計算結果をRAM102に格納す
る。
【0089】この位置決め動作処理の後、生成された速
度パターンに基づいて、公知の通り、モータ指令位置D
Pkのデータを計算してデュアルポートRAM104、
ラッチ回路105及びサーボ制御回路107を介してロ
ボット機構部1に出力することにより、最適に位置決め
動作処理がなされたデータに基づいて、ロボット機構部
1の動作を制御することができる。
【0090】なお、以上の実施形態において、上記数5
2に示すように、加速度に関係しないトルク成分とし
て、粘性行列C及び重力行列Gに加え、モータMO1乃
至MO3の軸受けや減速機RE1乃至RE3から発生す
る摩擦抵抗を考慮することで、加速に使用することので
きるトルクの演算精度を向上させてもよい。また、上記
数56に示すように、慣性行列Hの対角成分に、減速機
RE1乃至RE3を含むモータMO1乃至MO3のロー
タの慣性モーメントを加算することで、自分自身の加減
速で発生するトルク演算値を補正してもよい。
【0091】図4のステップS8において、動作時間が
基準動作時間Tbaseとなり、最適な加速度Aopt
で動作し、最適な減速度Doptで動作する速度パター
ン存在しない関節があったとき(ステップS8でN
O)、その関節を最長動作時間の関節の番号をkとし、
ステップS6からの処理を再度行ってもよい。
【0092】
【実施例】図2に示すロボット機構部1(n=3)にお
ける、位置決め動作のための最適な加減速度の演算例を
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0093】ステップS1では、ロボット機構部1の各
関節について、位置決め動作の開始位置、目標位置及び
目標速度を、教示データメモリ106a内の教示データ
から読み出して以下のようにセットする。
【0094】
【数57】 開始位置:θs=[θs1,θs2,θs3]T
【数58】 目標位置:θe=[θe1,θe2,θe3]T
【数59】目標速度:V=[V1,V2,V3]T
【0095】一方、仮の加減速度情報メモリ106bに
は、ロボットのすべての姿勢で動作が可能な仮の加減速
度情報の値が以下のように予めセットされる。
【0096】
【数60】仮の加速度:Asmp=[Asmp1,As
mp2,Asmp3]T
【数61】仮の減速度:Dsmp=[Dsmp1,Ds
mp2,Dsmp3]T
【0097】そして、ステップS2では、上記セットさ
れた開始位置、目標位置、目標速度、仮の加速度及び仮
の減速度に基づいて、各関節毎に前述の第1の速度パタ
ーン計算を行う。第1の速度パターンの計算は、従来例
と同様である。第1の速度パターン計算により、以下の
値が予測される。その概念を図5に示す。図5の例で
は、第1の関節及び第2の関節は、目標速度に達するに
必要な移動量があったが、第3の関節は移動量が少な
く、目標速度に達していない。
【0098】
【数62】仮速度予測値:Vest=[Vest1,V
est2,Vest3]T
【数63】動作時間予測値:Test=[Test1,
Test2,Test3]T
【0099】さらに、ステップS3においては、前述の
終了時間の同期処理後におけるロボット各関節の速度及
び加減速度の値を以下のように再予測する。
【0100】
【数64】速度予測値:Vrea=[Vrea1,Vr
ea2,Vrea3]T
【数65】加速度予測値:Area=[Area1,A
rea2,Area3]T
【数66】減速度予測値:Drea=[Drea1,D
rea2,Drea3]T
【0101】上記動作時間予測値における最長動作時間
をTmaxとおくと、上記の値は、以下の式から演算で
きる。終了時間の同期処理の概念を図6に示す。図6の
予測例では、移動量の少ない第2の関節及び第3の関節
の速度及び加減速度が低下しているのがわかる。
【0102】
【数67】 Vreai=Vesti・Testi/Tmax
【数68】 Areai=Asmpi・(Testi/Tmax)2
【数69】 Dreai=Dsmpi・(Testi/Tmax)2
【0103】なお、ロボットダイナミクスベースパラメ
ータメモリ106cは、上記数1で表されるロボットダ
イナミクスモデルを生成するための、ロボットダイナミ
クスベースパラメータを予め格納する。ロボットダイナ
ミクスベースパラメータの一覧を以下の表に示す。
【0104】
【表3】 第iの関節に連結されるリンクのロボットダイナミクスベースパラメータ ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 項目 式中の記号 個数 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 慣性テンソル Ixi,Ixyi,Ixzi 3×3行列 Ixyi,Iyi,Iyzi Ixzi,Iyzi,Izi ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 質量 mi 1 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 重心位置 mxi,myi,mzi 3×1行列 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【0105】次いで、ステップS4では、上記ロボット
ダイナミクスベースパラメータと、ロボット機構部の各
関節の位置及び速度から、上記数1で表現されるロボッ
トダイナミクスモデルを生成する。ロボットダイナミク
スモデルは、慣性行列Hと、粘性行列Cと、重力行列G
から構成される。図2の機構を持つロボット機構部1に
おけるダイナミクスモデルを、ニュートン及びオイラー
法に基づき計算したものが数9乃至数38に示されてい
る。これら数9乃至数38に示されたモデル式におい
て、未知の値は、関節の位置及び速度のみであり、これ
に開始位置θsと、速度予測値Vreaとを入力すれ
ば、開始位置におけるロボットダイナミクスモデルを計
算できる。同様に、目標位置θeと、速度予測値Vre
aを入力すれば、目標位置におけるロボットダイナミク
スモデルを計算できる。従って、ステップS4では、以
下のロボットダイナミクスモデルが計算される。
【0106】
【表4】 ―――――――――――――――― Hs:開始位置の慣性行列 Cs:開始位置の粘性行列 Gs:開始位置の重力行列 He:目標位置の慣性行列 Ce:目標位置の粘性行列 Ge:目標位置の重力行列 ――――――――――――――――
【0107】次いで、ステップS5では、最適な加速度
Aopt及び最適な減速度Doptを、以下の手順で演
算する。最初は、最適な加速度Aoptを求める。そし
て、Hs、Gs、Csをそれぞれ数40のH、G、Cに
代入し、最適な加速度Aopt(又は最適な減速度Do
pt)を数40のθddとする。また、簡略化のため数
40の左辺を1つにまとめると次式のように表すことが
できる。
【0108】
【数70】Tad≧Hs(θs)・Aopt
【0109】数70の左辺のTadは、次式で表され、
加速時においては加速に使用できるトルクであり、減速
時においては減速に使用できるトルクとなる。ここで
は、加速度を求めようとしているので、Tadは加速に
使用できるトルクを表す。加速時と減速時とでは、使用
するトルクの符号が異なるので、前述した終了時間の同
期処理後における各関節加速度の予測値Areaの符号
を考慮する。
【0110】
【数71】Tad=sgn2(Area)・Tpeak
−(Cs(θs,Vrea)+G(θs)・g)
【0111】ここで、符号関数sgn2は次式で表され
る。
【0112】
【数72】sgn2(Area) =1;Area≧0のとき =−1;Area<0のとき
【0113】上記数70を要素別に展開すると、次式の
ように表される。Tadは、加速に使用できるトルクを
表しているから、次式が加速に使用できるトルクを最大
限利用するための加速度を求める条件式となる。
【0114】
【数73】Tad1≧Hs11・Aopt1+Hs12
・Aopt2+Hs13・Aopt3
【数74】Tad2≧Hs21・Aopt1+Hs22
・Aopt2+Hs23・Aopt3
【数75】Tad3≧Hs31・Aopt1+Hs32
・Aopt2+Hs33・Aopt3
【0115】前述した終了時間の同期処理後における各
関節加速度の予測値はAreaであった。各関節の最適
な加速度Aoptも、加速度予測値Areaと同じ比例
関係を保つものとすると、次式の関係を満たさなければ
ならない。
【0116】
【数76】Aopt1:Aopt2:Aopt3=Ar
ea1:Area2:Area3
【0117】上記数73乃至75及び数76の関係を満
たす加速度Aoptが、加速度予測値Areaの各関節
間の比例関係を保ち、かつ加速に使用できるトルクを最
大限利用できる加速度であり、本実施形態において、最
適となる値となる。基準関節は、動作する関節であれば
どれでも良いが、本実施例では、Areaの中で絶対値
が最大となる関節を求め、これを基準関節jとする。基
準関節jをベースに上記数76を次式のように変形す
る。
【0118】
【数77】 Aopt1=(Area1/Areaj)・Aoptj
【数78】 Aopt2=(Area2/Areaj)・Aoptj
【数79】 Aopt3=(Area3/Areaj)・Aoptj
【0119】ここで、Areajは基準関節jの予測加
速度であり、Aoptjは基準関節jの最適な加速度で
ある。次に、上記数77乃至79を上記数73乃至75
に代入して展開すると、次の3個の不等式になる。
【0120】
【数80】Tad1≧H11・(Area1/Areaj)・Aoptj+H12・(Area2
/Areaj)・Aoptj+H13・(Area3/Areaj)・Aoptj
【数81】Tad2≧H21・(Area1/Areaj)・Aoptj+H22・(Area2
/Areaj)・Aoptj+H23・(Area3/Areaj)・Aoptj
【数82】Tad3≧H31・(Area1/Areaj)・Aoptj+H32・(Area2
/Areaj)・Aoptj+Hn3・(Area3/Areaj)・Aoptj
【0121】上記数80乃至82の3個の不等式におい
て、基準関節jにおける最適な加速度Aoptj以外は
すべて既知の値であるから、上記数80乃至82の3個
の不等式から、基準関節jにおける最適な加速度が3通
り計算できる。このときに計算される3個の加速度をそ
れぞれを、Aoptj_1、Aoptj_2、Aopt
j_3とすると、次式を得る。
【0122】
【数83】 Aoptj_1=Tad1・Areaj/(H11・Area1+H12・Area2+H13・Area3)
【数84】 Aoptj_2=Tad2・Areaj/(H21・Area1+H22・Area2+H23・Area3)
【数85】 Aoptj_3=Tad3・Areaj/(H31・Area1+H32・Area2+H33・Area3)
【0123】上記数83乃至85に示す加速度Aopt
j_1、Aoptj_2、Aoptj_3から、絶対値
が最小の値を基準関節jの最適な加速度としなければな
らない。なぜなら、絶対値が最小の値のみが、上記数8
0乃至数82の3個の不等式を同時に満たすことができ
るからである。加速度Aoptj_1、Aoptj_
2、Aoptj_3の中で最小の値を最小の加速度Ao
ptj_minとし、これを上記数77乃至数79に代
入すると次式となり、これによりすべての関節の最適な
加速度を求めることができる。
【0124】
【数86】Aopt1=(Area1/Areaj)・
Aoptj_min
【数87】Aopt2=(Area2/Areaj)・
Aoptj_min
【数88】Aopt3=(Area3/Areaj)・
Aoptj_min
【0125】このようにして求められた加速度が、第1
の課題を満たす最適な加速度となる。最適な減速度Do
ptについても、全く同様の手順で求めることができ
る。具体的には、上記数70乃至数88において、パラ
メータθs、Hs、Cs、Gs、Aopt、Areaの
代わりにそれぞれ、パラメータθe、He、Ce、G
e、Dopt、Dreaを使用すればよい。ここで、加
速度に関する数76に対応する減速度に関する式は次式
となる。
【0126】
【数89】Dopt1:Dopt2:Dopt3=Dr
ea1:Drea2:Drea3
【0127】次いで、ステップS6では、以上の計算の
結果求められた最適な加減速度が保持されるような、速
度パターンの演算処理を行う。以下に、その手順を説明
する。ステップS3の終了時間の同期処理において、最
長動作時間となった第k関節についてのみ、最適な加速
度Aoptk、最適な減速度Doptkを用いて、前述
した第1の速度パターン計算により基準動作時間Tba
seを求める。次いで、ステップS7では、第k関節以
外の関節について、加速度が最適な加速度Aoptとな
り、減速度が最適な減速度Doptとなり、かつ動作時
間が基準動作時間Tbaseとなるように、第2の速度
パターン計算を行う。ステップS6、S7により、すべ
ての関節の速度パターンにおける動作時間が基準動作時
間Tbaseとなるので、終了時間の同期処理を施す必
要が無くなり、先に計算された最適な加減速度が保持さ
れる。
【0128】ロボットの第iの関節における、第2の速
度パターン計算方法について図9を交えて具体的に説明
する。図9から判るように、既知の値である基準動作時
間Tbase、第iの関節の最適な加速度Aopti、
第iの関節の最適な減速度Dopti、第iの関節の移
動量Saiは、第iの関節の最適な速度Vopti、第
iの関節の加速時間Tai、第iの関節の定速度時間T
ci、第iの関節の減速時間Tdiにより以下の式で表
される。
【0129】
【数90】Tbase=Tai+Tci+Tdi
【数91】Sai=Vopti・(Tci+(Tai+
Tdi)/2)
【数92】Vopti=Tai・Aopti
【数93】Vopti=Tdi・Dopti
【0130】上記数90乃至93の4つの式からなる連
立方程式を解くと、時間Tci、Vopti、Tai、
Tdiを、以下の式から演算できる。
【0131】
【数94】
【0132】
【数95】Vopti=(Tbase−Tci)・Aop
ti・Dopti/(Dopti+Aopti)
【数96】Tai=Vopti/Aopti
【数97】Tdi=Vopti/Dopti
【0133】ただし、加速度が最適な加速度Aopti
となり、減速度が最適な減速度Doptiとなり、かつ
動作時間が基準動作時間Tbaseとなるような、速度
パターン計算が求まらないケースがある。それは、次の
2つのケースである。(a)上記数94において、定速
時間Tciが虚数として求まる場合、及び(b)上記数
94において、最適な速度Voptiが教示速度Viを
越える値として求まる場合。
【0134】ステップS8では、上記の2つのケースに
該当する関節が存在した場合をNOと判定する。ステッ
プS9では、ステップS8でNOと判定された全ての関
節について、従来と同様の第1の速度パターン計算を実
施する。次いでステップS10では、すべての関節の速
度パターンについて、前述の終了時間の同期処理を施
す。ステップS8でNOと判定されるのは、加減速度を
最適化したことで、最適化前とは最大動作関節が変わっ
てしまうケースであるあるが、ステップS9、S10の
処理を実施することで、加減速度の最適度合いが若干低
下するが、加減速に使用できるトルクを越えることは無
い。
【0135】最後に、上記数71におけるgは重力加速
度ベクトルであり、重力の働く方向を定義するものであ
る。一般的に、ロボット座標において重力が−z方向に
働くよう座標を定義するので、gは次式のようになる。
なお、重力加速度は、9.8m/sec2である。
【0136】
【数98】g=[0,0,−1×(重力加速度)]T
【0137】以上説明したように、本発明に係る実施形
態によれば、開始位置及び目標位置と速度予測値とロボ
ットダイナミクスベースパラメータから、上記数9乃至
数38を用いて、開始位置及び目標位置における慣性行
列H、粘性行列C及び重力行列Gを含むロボットダイナ
ミクスモデルを計算し(ステップS4)、計算されたロ
ボットダイナミクスモデルに基づいて、加速度予測値の
各関節間の比例関係と各関節の許容ピークトルクの条件
を満足する最適な加速度及び減速度を演算した(ステッ
プS5)後、すべての関節で動作時間を一致させる同期
処理を実行する(ステップS6、S7)。従って、ロボ
ット機構部1の各関節毎の移動量に大きな差がある位置
決め動作を行う場合でも、駆動関節の許容トルクを最大
限有効に使用した加減速度を演算し、動作時間の短縮を
可能にし、関節に連結されるリンク自体の慣性による負
荷トルク成分を考慮し、関節回転中心から関節に連結さ
れるリンクの重心位置までの距離が短いロボットや、ロ
ボットが特異な姿勢となっても、厳密な負荷トルク成分
の計算を実現することで、許容値を越えるトルクを必要
とするような加減速度の演算を防止する。これにより、
ロボット機構部1の各関節の許容ピークトルクを越え
ず、かつ最短時間で動作が終了できる最適な各関節の加
減速度を求めることができる。
【0138】また、動作時間が基準動作時間Tbase
となり、最適な加速度Aoptで動作し、最適な減速度
Doptで動作する速度パターンがすべての関節で存在
しないときは、ステップS9で第1の速度パターン計算
方法を用いて速度パターンを演算した後、ステップS1
0で従来例の速度パターン再計算処理で同期処理を実行
しているので、すべての場合について、最適な速度パタ
ーンを演算できる。
【0139】さらに、本実施形態によれば、モータの軸
受けや減速機の摩擦抵抗を考慮し、厳密な負荷トルク成
分の計算を実現するので、許容値を越えるトルクを必要
とするような加減速度の演算を防止することができる。
【0140】またさらに、本実施形態によれば、減速機
を含むモータロータの慣性モーメントにより発生するト
ルクを考慮し、厳密な負荷トルク成分の計算を実現する
ので、許容値を越えるトルクを必要とするような加減速
度の演算を防止することができる。
【0141】<変形例>以上の実施形態において、ロボ
ット機構部1は、3個の関節RJ1乃至RJ3を備えて
いるが、本発明はこれに限らず、少なくとも2個の関節
を備えていればよい。
【0142】以上の実施形態においては、各関節RJ1
乃至RJ3は回転可能に構成されているが、本発明はこ
れに限らず、2つの関節以上では少なくとも1つは、並
進運動を行う直動であってもよい。
【0143】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係るロボッ
トシステムの制御方法又は制御装置によれば、計算され
たロボットダイナミクスモデルに基づいて、加速度予測
値の各関節間の比例関係と各関節の許容ピークトルクの
条件を満足する最適な加速度及び減速度を演算した後、
すべての関節で動作時間を一致させる同期処理を実行す
る。従って、ロボット機構部の各関節毎の移動量に大き
な差がある位置決め動作を行う場合でも、駆動関節の許
容トルクを最大限有効に使用した加減速度を演算し、動
作時間の短縮を可能にし、関節自体の慣性による負荷ト
ルク成分を考慮し、関節回転中心から重心位置までの距
離が短いロボットや、ロボットが特異な姿勢となって
も、厳密な負荷トルク成分の計算を実現することで、許
容値を越えるトルクを必要とするような加減速度の演算
を防止する。これにより、ロボット機構部の各関節の許
容ピークトルクを越えず、かつ最短時間で動作が終了で
きる最適な各関節の加減速度を求めることができる。
【0144】また、上記ロボットシステムの制御方法又
は制御装置において、好ましくは、上記加速度に関係し
ないトルク成分を、上記粘性行列及び重力行列に加算す
ることにより、上記各関節で発生する摩擦抵抗を考慮す
る。従って、上記各関節の摩擦抵抗を考慮し、厳密な負
荷トルク成分の計算を実現するので、許容値を越えるト
ルクを必要とするような加減速度の演算を防止すること
ができる。
【0145】さらに、上記ロボットシステムの制御方法
又は制御装置において、好ましくは、上記慣性行列の対
角成分に、上記各関節の慣性モーメントを加算すること
により、上記各関節自身の加減速で発生するトルク演算
値を補正する。従って、上記各関節の慣性モーメントに
より発生するトルクを考慮し、厳密な負荷トルク成分の
計算を実現するので、許容値を越えるトルクを必要とす
るような加減速度の演算を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態であるロボットシス
テムの構成を示すブロック図である。
【図2】 図1のロボット機構部1の構成を示すスケル
トン図である。
【図3】 図1のロボット機構部1の各関節RJk(k
=1,2,3)の構成を示す斜視図、並びに図1の制御
装置10内のサーボ制御回路107の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】 図1のCPU100によって実行される位置
決め動作処理を示すフローチャートである。
【図5】 図4の速度パターンの予測演算処理(ステッ
プS2)の概念を示すグラフであって、(a)は第1の
関節の予想速度パターンを示す時間対第1の関節の速度
特性を示すグラフであり、(b)は第2の関節の予想速
度パターンを示す時間対第2の関節の速度特性を示すグ
ラフであり、(c)は第3の関節の予想速度パターンを
示す時間対第3の関節の速度特性を示すグラフである。
【図6】 図4の速度パターンの終了時間の同期処理
(ステップS3)の概念を示すグラフであって、(a)
は第1の関節の予想速度パターンを示す時間対第1の関
節の速度特性を示すグラフであり、(b)は第2の関節
の予想速度パターンを示す時間対第2の関節の速度特性
を示すグラフであり、(c)は第3の関節の予想速度パ
ターンを示す時間対第3の関節の速度特性を示すグラフ
である。
【図7】 台形状の速度パターンのときの本実施形態で
用いる第1の速度パターン計算方法を示す、時間対速度
特性を示すグラフである。
【図8】 三角形状の速度パターンのときの本実施形態
で用いる第1の速度パターン計算方法を示す、時間対速
度特性を示すグラフである。
【図9】 本実施形態で用いる第2の速度パターン計算
方法を示す、時間対速度特性を示すグラフである。
【図10】 第1の従来例の位置決め動作処理を示すフ
ローチャートである。
【図11】 図10の終了時間の同期処理の一例を説明
するための各関節の速度パターンを示すグラフであっ
て、(a)は第1の関節の速度パターンを示す時間対第
1の関節の速度特性を示すグラフであり、(b)は第2
の関節の速度パターンを示す時間対第2の関節の速度特
性を示すグラフであり、(c)は第3の関節の速度パタ
ーンを示す時間対第3の関節の速度特性を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1…ロボット機構部、 10…制御装置、 20…ティーチペンダント、 100…CPU、 101…ROM、 102…RAM、 103…インターフェース、 104…デュアルポートRAM、 105…ラッチ回路、 106…ハードディスクメモリ、 106a…教示データメモリ、 106b…仮の加減速度情報メモリ、 106c…ロボットダイナミクスベースパラメータメモ
リ、 107…サーボ制御回路、 110…クロック発生器、 111…分周器、 RJ1乃至RJ3……関節、 L1乃至L4…リンク、 MO1乃至M3…モータ、 RE1乃至RE3…減速機、 SN1乃至SN3…センサ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の関節を有するロボット機構部の動
    作を制御するロボットシステムの制御方法であって、 上記ロボット機構部を動作させるときのロボット機構部
    の各関節の開始位置と、目標位置と、目標速度とを教示
    データとして第1の記憶手段に格納する第1の記憶ステ
    ップと、 上記ロボット機構部の各関節の速度パターンを予測演算
    するときに用いる各関節の加速度と減速度の情報とを第
    2の記憶手段に格納する第2の記憶ステップと、 上記第1の記憶手段に格納された教示データと、上記第
    2の記憶手段に格納された各関節の加速度及び減速度と
    に基づいて、所定の第1の速度パターン計算方法を用い
    て、上記ロボット機構部の各関節の仮速度予測値と、動
    作時間予測値を演算し、上記動作時間予測値の中から、
    その最大値を最長動作時間として演算する第1の演算ス
    テップと、 所定の速度パターン再計算方法を用いて、上記ロボット
    機構部の各関節について、上記第1の演算ステップによ
    って演算された動作時間予測値が、上記第1の演算ステ
    ップによって演算された最長動作時間と同じになるよう
    に、速度並びに加速度及び減速度として再計算した値
    を、速度予測値、加速度予測値及び減速度予測値とする
    第2の演算ステップとを含むロボットシステムの制御方
    法において、 上記ロボット機構部の各関節に連結される各リンクの慣
    性テンソル、質量及び重心位置とを含むロボットダイナ
    ミクスベースパラメータを第3の記憶手段に格納する第
    3の記憶ステップと、 上記第1の記憶手段に格納された各関節の開始位置及び
    目標位置と、上記第2の演算ステップによって演算され
    た速度予測値と、上記第3の記憶手段に格納されたロボ
    ットダイナミクスベースパラメータとに基づいて、
    (a)上記ロボット機構部の各関節についての、加速度
    により関節自身に発生するトルク、並びに他関節の加速
    度により発生する干渉トルクを示す慣性行列と、(b)
    上記ロボット機構部の各関節についての、遠心力及びコ
    リオリ力により発生するトルクを示す粘性行列と、
    (c)上記ロボット機構部の各関節の重力モーメントに
    より発生するトルクを示す重力行列とを含む上記開始位
    置及び目標位置におけるロボットダイナミクスモデルを
    計算する第3の演算ステップと、 上記第3の演算ステップによって演算されたロボットダ
    イナミクスモデルと、上記第2の演算ステップによって
    演算された各関節の加速度予測値及び減速度予測値とに
    基づいて、各関節間の加速度予測値の比例関係である第
    1の条件を満足し、かつ関節の許容ピークトルクから、
    加速度及び減速度に関係の無い重力行列及び粘性行列を
    減算した減算結果値が、各関節が上記加速度予測値及び
    減速度予測値で動作した場合に各関節で発生するトルク
    以上となるという第2の条件を満足するような最適な加
    速度及び最適な減速度を演算する第4の演算ステップ
    と、 上記第1の演算ステップにおいて最長動作時間となった
    関節を検索し、検索した関節である第kの関節につい
    て、上記第4の演算ステップによって演算された最適な
    加速度及び最適な減速度と、上記第1の記憶手段に格納
    された第kの関節の開始位置、目標位置及び目標速度を
    含む教示データとから、上記第1の速度パターン計算方
    法を用いて第k関節の速度パターンを演算し、その動作
    時間を基準動作時間とする第5の演算ステップと、 上記第kの関節以外のすべての関節について、上記第5
    の演算ステップによって演算された基準動作時間と、上
    記第4の演算ステップによって演算された最適な加速度
    及び最適な減速度と、上記第1の記憶手段に格納された
    開始位置及び目標位置を含む教示データとに基づいて、
    所定の第2の速度パターン計算方法を用いて、動作時間
    が上記基準動作時間となり、上記最適な加速度及び最適
    な減速度で動作するような速度パターンを生成する第6
    の演算ステップとを含むことを特徴とするロボットシス
    テムの制御方法。
  2. 【請求項2】 上記加速度に関係しないトルク成分を、
    上記粘性行列及び重力行列に加算することにより、上記
    各関節で発生する摩擦抵抗を考慮することを特徴とする
    請求項1記載のロボットシステムの制御方法。
  3. 【請求項3】 上記慣性行列の対角成分に、上記各関節
    の慣性モーメントを加算することにより、上記各関節自
    身の加減速で発生するトルク演算値を補正するステップ
    とをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2記載の
    ロボットシステムの制御方法。
  4. 【請求項4】 複数の関節を有するロボット機構部の動
    作を制御するロボットシステムの制御装置であって、 上記ロボット機構部を動作させるときのロボット機構部
    の各関節の開始位置と、目標位置と、目標速度とを教示
    データとして格納する第1の記憶手段と、 上記ロボット機構部の各関節の速度パターンを予測演算
    するときに用いる各関節の加速度と減速度の情報とを格
    納する第2の記憶手段と、 上記第1の記憶手段に格納された教示データと、上記第
    2の記憶手段に格納された各関節の加速度及び減速度と
    に基づいて、所定の第1の速度パターン計算装置を用い
    て、上記ロボット機構部の各関節の仮速度予測値と、動
    作時間予測値を演算し、上記動作時間予測値の中から、
    その最大値を最長動作時間として演算する第1の演算手
    段と、 所定の速度パターン再計算装置を用いて、上記ロボット
    機構部の各関節について、上記第1の演算手段によって
    演算された動作時間予測値が、上記第1の演算手段によ
    って演算された最長動作時間と同じになるように、速度
    並びに加速度及び減速度として再計算した値を、速度予
    測値、加速度予測値及び減速度予測値とする第2の演算
    手段とを備えたロボットシステムの制御装置において、 上記ロボット機構部の各関節に連結される各リンクの慣
    性テンソル、質量及び重心位置とを含むロボットダイナ
    ミクスベースパラメータを格納する第3の記憶手段と、 上記第1の記憶手段に格納された各関節の開始位置及び
    目標位置と、上記第2の演算手段によって演算された速
    度予測値と、上記第3の記憶手段に格納されたロボット
    ダイナミクスベースパラメータとに基づいて、(a)上
    記ロボット機構部の各関節についての、加速度により関
    節自身に発生するトルク、並びに他関節の加速度により
    発生する干渉トルクを示す慣性行列と、(b)上記ロボ
    ット機構部の各関節についての、遠心力及びコリオリ力
    により発生するトルクを示す粘性行列と、(c)上記ロ
    ボット機構部の各関節の重力モーメントにより発生する
    トルクを示す重力行列とを含む上記開始位置及び目標位
    置におけるロボットダイナミクスモデルを計算する第3
    の演算手段と、 上記第3の演算手段によって演算されたロボットダイナ
    ミクスモデルと、上記第2の演算手段によって演算され
    た各関節の加速度予測値及び減速度予測値とに基づい
    て、各関節間の加速度予測値の比例関係である第1の条
    件を満足し、かつ関節の許容ピークトルクから、加速度
    及び減速度に関係の無い重力行列及び粘性行列を減算し
    た減算結果値が、各関節が上記加速度予測値及び減速度
    予測値で動作した場合に各関節で発生するトルク以上と
    なるという第2の条件を満足するような最適な加速度及
    び最適な減速度を演算する第4の演算手段と、 上記第1の演算手段において最長動作時間となった関節
    を検索し、検索した関節である第kの関節について、上
    記第4の演算手段によって演算された最適な加速度及び
    最適な減速度と、上記第1の記憶手段に格納された第k
    の関節の開始位置、目標位置及び目標速度を含む教示デ
    ータとから、上記第1の速度パターン計算装置を用いて
    第k関節の速度パターンを演算し、その動作時間を基準
    動作時間とする第5の演算手段と、 上記第kの関節以外のすべての関節について、上記第5
    の演算手段によって演算された基準動作時間と、上記第
    4の演算手段によって演算された最適な加速度及び最適
    な減速度と、上記第1の記憶手段に格納された開始位置
    及び目標位置を含む教示データとに基づいて、所定の第
    2の速度パターン計算装置を用いて、動作時間が上記基
    準動作時間となり、上記最適な加速度及び最適な減速度
    で動作するような速度パターンを生成する第6の演算手
    段とを備えたことを特徴とするロボットシステムの制御
    装置。
  5. 【請求項5】 上記加速度に関係しないトルク成分を、
    上記粘性行列及び重力行列に加算することにより、上記
    各関節で発生する摩擦抵抗を考慮することを特徴とする
    請求項4記載のロボットシステムの制御装置。
  6. 【請求項6】 上記慣性行列の対角成分に、上記各関節
    の慣性モーメントを加算することにより、上記各関節自
    身の加減速で発生するトルク演算値を補正する手段とを
    さらに備えたことを特徴とする請求項4又は5記載のロ
    ボットシステムの制御装置。
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