JP2002091500A - デジタルデータ符号化方法 - Google Patents

デジタルデータ符号化方法

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JP2002091500A
JP2002091500A JP2000284286A JP2000284286A JP2002091500A JP 2002091500 A JP2002091500 A JP 2002091500A JP 2000284286 A JP2000284286 A JP 2000284286A JP 2000284286 A JP2000284286 A JP 2000284286A JP 2002091500 A JP2002091500 A JP 2002091500A
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Hidenao Yamamoto
英尚 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高域部分が、時間的に不連続であるような曲
でも、聴覚に優れた人に違和感を与えないデジタルデー
タ符号化方法を提供する。 【解決手段】 楽音、音声等のデジタルデータを、複数
の周波数帯域に分割した後、スペクトル信号に変換し、
各周波数帯域毎にビット割り当てを行って符号化する。
聴覚心理特性を反映して、各周波数帯域のパワー又はエ
ネルギーの大きさから各周波数帯域のマスキング閾値対
雑音比MNRiを求め(S5)、マスキング閾値対雑音
比MNRiの大小に基づいてビット割り当てを行って符
号化する(S6、S10、S11)。各周波数帯域のス
ケールファクタが一定値j以上であるかを判断し(S
7)、一定値j以上のスケールファクタを持つ周波数帯
域を特定帯域とし、この特定帯域には、マスキング閾値
対雑音比MNRiの大小にかかわらず少なくとも最低量
子化ビット数=2ビットを割り当てる(S8、S9)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ミニディスク等の
記録媒体に楽音や音声等のデジタルデータを記録するに
際して、楽音や音声等に適応して各周波数帯域のスペク
トルに対するビット割り当てを行い、データ量を圧縮す
ることができるデジタルデータ符号化方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】楽音や音声等のデジタルデータを高能率
で圧縮符号化する方法として、例えば、ミニディスク
(MD)で用いられているATRAC(Adaptive Trans
form Acoustic Coding) が挙げられる。
【0003】このATRACでは、デジタルデータは、
複数の周波数帯域に分割された後、可変長の単位時間で
ブロック化されてMDCT(Modified Discrete Cosine
Transform)処理が施されることによってスペクトル信
号に変換され、さらに、聴覚心理特性を利用して割り当
てられたビット数によって各スペクトル信号がそれぞれ
符号化される。
【0004】ここで、圧縮符号化に適用することができ
る聴覚心理特性には、等ラウドネス特性やマスキング効
果が挙げられる。等ラウドネス特性は、同じ音圧レベル
の音であっても、人間が感じ取る音の大きさが周波数に
よって変化することを表すものである。したがって、等
ラウドネス特性は、人間が感じ取ることができる音の大
きさである最小可聴限が、周波数によって変化すること
を表している。
【0005】一方、マスキング効果には、同時マスキン
グと経時マスキングとがある。同時マスキングは、複数
の周波数成分の音が同時に発生しているときに、或る音
が別の音を聴き取り難くさせる現象であり、経時マスキ
ングは、大きな音の時間軸方向の前後では、マスキング
を受ける現象である。ただし、最小可聴限やマスキング
閾値は、一般的な聴覚特性を備える人の聴覚特性がモデ
ルとされている。したがって、聴取者の聴覚や好みの違
いによって違和感を覚える場合がある。
【0006】そこで、本願出願人は、先に、特開平7−
202823号公報において、大きいパワーを持つ周波
数帯域の近傍の、パワーが大きいにもかかわらず同時マ
スキングされ、ビットを割り当てられない周波数帯域に
少なくとも最低量子化ビット数を割り当てることによっ
て聴覚に優れた人にも違和感を与えない方法を提案して
いる。
【0007】また、本願出願人は、特開平10−207
489号公報において、最小可聴限特性、マスキング特
性をそれぞれ変更可能にすることによって、聴取者の聴
覚に一致した音質を選択することができる方法を提案し
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のデジタルデータ符号化方法だけでは、聴取者の聴覚
に一致した音質を得ることに充分に対応できていない。
【0009】すなわち、図5に示すように、最小可聴限
カーブが急激に立ち上がり始める高域部分では、最小可
聴限によってマスキングされる。したがって、マスキン
グされた高域部分が時間的に不連続であるような曲で
は、図6に示すように、配分されるビットも時間的に不
連続となっている。すなわち、同図は、MDCT処理が
施された後において、各周波数毎にビットが配分されて
いる所を時間軸に沿って表したものであり、縦軸に時間
の推移をSG(Sound Group)番号として表すとともに、
横軸にMDCT係数番号を表している。1SGは、1
1.6msecに相当する。また、MDCT係数は、0
〜22kHzの周波数を512個に分割して示したもの
である。したがって、MDCT係数番号512が、2
2.05kHzを示し、MDCT係数番号300〜35
0付近が周波数13kHz〜15kHzに相当する。そ
して、同図においては、上記MDCT係数番号300〜
350付近にビット配分のバラツキが存在することが分
かる。
【0010】このように、最小可聴限によりマスクされ
た部分にはビットが配分されないため、スペクトルデー
タがなくなってしまい、音質に問題が生じる。その結
果、聴覚に優れた人には違和感として感じられるという
問題点を有している。
【0011】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、高域部分が、時間的に不
連続であるような曲でも、聴覚に優れた人に違和感を与
えないデジタルデータ符号化方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のデジタルデータ
符号化方法は、上記課題を解決するために、楽音、音声
等のデジタルデータを周波数軸上に変換し、複数の周波
数帯域に分割した後、スペクトル信号に変換し、さら
に、変換されたスペクトル信号を各周波数帯域毎にビッ
ト割り当てを行って符号化するに際して、聴覚心理特性
を反映して、上記各周波数帯域のパワー又はエネルギー
の大きさから各周波数帯域のマスキング閾値対雑音比を
求め、そのマスキング閾値対雑音比の大小に基づいてビ
ット割り当てを行って符号化するデジタルデータ符号化
方法において、各周波数帯域のスケールファクタが一定
値以上であるかを判断し、一定値以上のスケールファク
タを持つ周波数帯域を特定帯域とし、この特定帯域に
は、上記マスキング閾値対雑音比の大小にかかわらず少
なくとも最低量子化ビット数を割り当てることを特徴と
している。
【0013】上記発明によれば、楽音、音声等のデジタ
ルデータを符号化するときには、デジタルデータを周波
数軸上に変換し、複数の周波数帯域に分割した後、スペ
クトル信号に変換し、さらに、変換されたスペクトル信
号を各周波数帯域毎にビット割り当てを行って符号化す
るに際して、聴覚心理特性を反映して、上記各周波数帯
域のパワー又はエネルギーの大きさから各周波数帯域の
マスキング閾値対雑音比を求め、そのマスキング閾値対
雑音比の大小に基づいてビット割り当てを行って符号化
する。
【0014】このとき、本発明では、各周波数帯域のス
ケールファクタが一定値以上であるかを判断し、一定値
以上のスケールファクタを持つ周波数帯域を特定帯域と
し、この特定帯域には、上記マスキング閾値対雑音比の
大小にかかわらず少なくとも最低量子化ビット数を割り
当てる。
【0015】このため、違和感として知覚され易い高域
への強制配分をすることによって、聴覚に優れた人が感
じる違和感を解消することができる。また、聞こえない
超高域への強制配分を可能な限り避けることにより、聴
取者に応じた対応ができる。
【0016】したがって、高域部分が、時間的に不連続
であるような曲でも、聴覚に優れた人に違和感を与えな
いデジタルデータ符号化方法を提供することができる。
【0017】また、本発明のデジタルデータ符号化方法
は、上記課題を解決するために、上記記載のデジタルデ
ータ符号化方法において、一定値以上のスケールファク
タを持つ周波数帯域について、マスキング閾値対雑音比
の大小にかかわらず少なくとも最低量子化ビット数を割
り当てるに際して、特定帯域は変更可能となっているこ
とを特徴としている。
【0018】このため、特定帯域を変更することができ
るので、聴取者の聴覚に応じて、マスキング領域におけ
る最低量子化ビット数を割り当てる高域領域を自在に設
定することができる。
【0019】したがって、上記の作用に加えて、操作性
の高いデジタルデータ符号化方法を提供することができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0021】本実施の形態のデジタルデータ符号化方法
が適用されるミニディスク(MD)録音再生装置1で
は、図2に示すように、情報の記録時においては、コン
パクトディスク再生装置や衛星放送受信装置等のデジタ
ル音声信号源から入力端子2に例えば光信号にてデジタ
ルデータがシリアル入力される。
【0022】上記光信号は、光電素子3にて電気信号に
変換された後、デジタルPLL回路4に入力される。デ
ジタルPLL回路4は、デジタルデータからクロックの
抽出を行うとともに、サンプリング周波数及び量子化ビ
ット数に対応したマルチビットデータを再現する。
【0023】このマルチビットデータは、例えば、コン
パクトディスク(CD)では44.1kHz、デジタル
オーディオテープレコーダでは48kHz、又は衛星放
送(Aモード)では32kHz等の各種のサンプリング
周波数から、周波数変換回路5にてミニディスクの規格
に対応した44.1kHzのマルチビットデータにサン
プリングレートが変換された後、音声圧縮回路6に入力
される。
【0024】上記音声圧縮回路6は、後述するように、
ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding) 方
式によって入力データの圧縮符号化を行い、その符号化
された音声データは、ショックプルーフメモリコントロ
ーラ7を介してエンコーダデコーダ信号処理回路8に入
力される。ここで、上記ショックプルーフメモリコント
ローラ7に関連してショックプルーフメモリ9が設けら
れており、このショックプルーフメモリ9は、音声圧縮
回路6から出力される音声データの転送速度とエンコー
ダデコーダ信号処理回路8に入力される音声データの転
送速度との差を吸収するとともに、後述する再生時にお
ける振動等の外乱による再生信号の中断を補間し、音声
データを保護するために設けられている。
【0025】上記エンコーダデコーダ信号処理回路8
は、エンコーダ及びデコーダとしての機能を備えてお
り、エンコーダ機能としては、音声データをシリアルの
磁界変調信号にエンコードしてヘッド駆動回路11に与
える。
【0026】ヘッド駆動回路11は、記録ヘッド12を
光磁気ディスク13上の所定の記録位置に移動させると
ともに、磁界変調信号に対応した磁界を発生させる。こ
のとき、光磁気ディスク13の所定の記録位置には、光
ピックアップ21からレーザ光が照射されており、これ
によって、磁界に対応した磁化パターンが光磁気ディス
ク13上に形成されて行き、情報が記録される。
【0027】一方、情報の再生時においては、光磁気デ
ィスク13からは、磁化パターンに対応したシリアル信
号が光ピックアップ21によって読み取られ、その信号
は高周波(RF:Radio Frequency)アンプ22にて増幅
された後、エンコーダデコーダ信号処理回路8に入力さ
れて音声データにデコードされる。デコードされた音声
データは、ショックプルーフメモリコントローラ7及び
ショックプルーフメモリ9によって外乱による影響が除
去された後、音声伸長回路23に入力される。
【0028】音声伸長回路23は、ATRAC方式によ
る圧縮符号化の逆変換処理を行い、フルビットのデジタ
ル音声信号に復調を行う。復調されたデジタル音声信号
は、デジタル/アナログ(D/A)変換回路24によっ
てアナログ音声信号に変換された後、出力端子25から
出力される。
【0029】ここで、上記高周波(RF)アンプ22に
て増幅されたシリアル信号は、また、サーボ回路31に
入力されており、このサーボ回路31は、再生されたシ
リアル信号に応答して、ドライバ回路32を介してスピ
ンモータ33の回転速度をフィードバック制御し、これ
によって、所望とする線速度での光磁気ディスク13の
回転が可能となる。
【0030】また、送りモータ34の回転速度をフィー
ドバック制御することによって、光ピックアップ21に
おける光磁気ディスク13の半径方向に対する変移、す
なわちトラッキングを制御することができる一方、光ピ
ックアップ21のフォーカシングをフィードバック制御
する。
【0031】上記サーボ回路31、光ピックアップ2
1、高周波(RF)アンプ22、エンコーダデコーダ信
号処理回路8及びドライバ回路32等は、電源ON/O
FF回路35によって電力付与される。また、この電源
ON/OFF回路35の電源ON/OFF動作や、後述
する信号処理動作等が、システムコントロールマイコン
36によって集中管理されている。また、このシステム
コントロールマイコン36に関連して、曲名入力や選曲
操作等を行うとともに後述する音質調整動作が可能な入
力操作手段37が設けられている。
【0032】次に、上記構成のミニディスク録音再生装
置1における音声圧縮回路6及び音声伸長回路23の内
部構成について説明する。
【0033】音声圧縮回路6及び音声伸長回路23は、
図3に示すように、ブロック長決定部41、周波数帯域
分割部42、ビット配分部50、量子化部43、及びマ
ルチプレクサ44からなる符号化部40と、デマルチプ
レクサ61、逆量子化部62及び周波数帯域合成部63
からなる復号化部60とを備えている。上記符号化部4
0と復号化部60とは、伝送路70にて接続されてい
る。このうち、符号化部40が音声圧縮回路6に相当
し、復号化部60が音声伸長回路23に相当する。
【0034】また、上記のビット配分部50は、パワー
計算部51とマスキング閾値計算部52とSMR(信号
対マスキング閾値比)計算部53とMNR(マスキング
閾値対雑音比)計算部54とビット配分計算部55と強
制ビット配分部56とを有している。
【0035】上記構成を有する音声圧縮回路6における
ATRAC方式による入力データの圧縮符号化について
説明する。また、ここでは、CDからMDに録音される
場合について説明する。
【0036】CDでは、44.1kHz(22.7μs
ec)毎にサンプリングした音声データである信号電圧
瞬時値を16ビットのデータとして記録している。そし
て、MDではこれを録音するときには1/5に圧縮す
る。このとき、MDでは、入力信号を512サンプル
(22.7μsec×512=約11.6msec)毎
に信号を扱う。この固まりを1サウンドフレームとい
う。
【0037】図3に示すように、先ず、512サンプル
のデジタル入力信号が、符号化部40の周波数帯域分割
部42に入力される。周波数帯域分割部42では、例え
ばQMF(Quadrature Mirror Filter)という帯域分割フ
ィルタにて例えば3つの周波数帯域、すなわち0〜5.
5kHzの低域帯域、5.5〜11kHzの中域帯域及
び11〜22kHzの高域帯域に分割する。
【0038】この分割された各帯域毎に所定の時間フレ
ームにわたる音声データがビット配分部50のパワー計
算部51にてMDCT(Modified Discrete Cosine Tra
nsform)処理される。具体的には、各周波数帯域毎にフ
ーリエ解析し、全周波数軸上が512個のスペクトル信
号に変換される。この512個に変換されたスペクトル
信号は、前記図6に示すグラフの横軸に示すように、M
DCT係数と呼ばれる。したがって、MDCT係数=5
12が22.05kHzとなる。
【0039】次に、上記の512個に変換されたMDC
T係数が、前記図5に示すように、i個の周波数帯域の
スペクトルパワーSi(i=1,2,…,I)に、さら
に変換される。なお、Iは例えば52ユニットとして扱
われる。また、1ユニットのサンプル数は、各ユニット
毎に決められている。さらに、各ユニット毎の最大値を
スケールファクタ(SF)といい、各ユニット毎に正規
化される。
【0040】こうして得られた各スペクトルパワーSi
に対応して、図1に示すフローチャートに基づいてビッ
ト割り当て処理が行われることになる。このフローチャ
ートを図3を参照しながら説明する。
【0041】すなわち、先ず、MDCT処理によって得
られた各周波数帯域に含まれるMDCT係数が入力され
ると(S1)、このMDCT係数の2乗和からスペクト
ルパワーSiが計算される(S2)。次に、マスキング
閾値計算部52にてマスキング特性、最小可聴限特性等
を考慮してマスキング閾値Miが決定される(S3)。
【0042】次いで、各周波数帯域のインデックスをi
とするとき、S2にて求められたスペクトルパワーSi
と、S3にて求められた各周波数帯域のマスキング閾値
Miとの比である信号対マスキング閾値比SMRi=S
i/Miが、SMR計算部53にて全ての周波数帯域に
わたって計算される(S4)。この信号対マスキング閾
値比SMRiは、対数グラフでは各周波数帯域のスペク
トルパワーSiのマスキング閾値Miを超えている部分
の長さに相当する。
【0043】次に、MNR計算部54にて、先ず、各周
波数帯域のスペクトルパワーSiをnビットで量子化し
たときの、そのスペクトルパワーSiと量子化雑音パワ
ーNi(n)との信号対雑音比SNR(n)=Si/N
i(n)が求められる。この信号対雑音比SNR(n)
は、統計的には信号の特性に応じた定数となるので、統
計処理によって予め求めておいても良い。そして、さら
に、上記の信号対雑音比SNR(n)と信号対マスキン
グ閾値比SMRiとの比から、マスキング閾値と量子化
雑音パワーとの比であるマスキング閾値対雑音比MNR
i(n)=SNRi(n)/SMRiが求められる(S
5)。
【0044】次いで、ビット配分計算部55にて、ビッ
ト数nを順に大きくして行き、その都度、各周波数帯域
のマスキング閾値と量子化雑音パワーとの比であるマス
キング閾値対雑音比MNRi(n)を計算し、そのマス
キング閾値対雑音比MNRi(n)が最小となる周波数
帯域から順にビットを割り当てて行き、量子化ビット数
nを更新する毎に、同様にして、マスキング閾値対雑音
比MNRi(n)が最小となる周波数帯域にビットの割
り当てを行い、所定の割り当てビット数となるまで割り
当てを行うことにより、各周波数帯域の量子化ビット数
を割り当てる(S6)。
【0045】その後、高域の周波数帯域においてスケー
ルファクタが或る一定値j以上であってかつビット配分
が0ビットとなるか否かを判断し(S7)、スケールフ
ァクタが或る一定値j以上であってかつビット配分が0
ビットとなるときには、強制ビット配分部56にて最低
配分ビット数である例えば2ビットを強制的に配分し
(S8)、最低量子化ビット数を割り当てる(S9)。
このとき、前記システムコントロールマイコン36のレ
ジスタ36aによって変数kを切り換えることによっ
て、この強制配分域を切り替えることができ、また同様
に、スケールファクタの値を判断する変数jも切り替え
ることができる。この変数j・kは、前記入力操作手段
37を介して聴取者によって設定可能である。本実施の
形態においては、上記のスケールファクタの閾値jは、
例えば−84dBを採用する。
【0046】そして、上記S9において最低量子化ビッ
ト数が割り当てられた後、新しくマスキング閾値対雑音
比MNRi(n)を計算し、そのマスキング閾値対雑音
比MNRi(n)に基づいてビット割り当て調整を行い
(S10)、全体のビット数を一定に保つ。すなわち、
高域にビットを配分した分、他の部分からビットを減ら
し、全体のビット数を調整する。これによって、各周波
数帯域の語長(WL:Word Length)が決定されて出力さ
れる(S11)。一方、上記S6において各周波数帯域
の量子化ビット数を割り当てを行った後、スケールファ
クタが或る一定値j以上であってかつビット配分が0ビ
ットとなるとき以外には、直接S10に移行して新しく
マスキング閾値対雑音比MNRi(n)を計算し、その
マスキング閾値対雑音比MNRi(n)に基づいてビッ
ト割り当て調整を行った後、S11にて各周波数帯域の
語長(WL:Word Length)が決定されて出力される。
【0047】すなわち、スペクトルパワーSiの絶対値
が、マスキング閾値Miを超えた部分の長さが最も長い
周波数帯域から、順次ビット割り当てが行われることに
なる。なお、上記のビットの配分において、CDでは1
サンプルのデータは16ビットであるので、1サウンド
フレーム当たり512個×16ビット=8192ビット
あったが、MDでは1/5に圧縮するため1サウンドフ
レーム当たり1696ビットと決められている。このた
め、MDでは、効率の良いビット配分が行われ、余り聞
こえないところはビット配分量が少なくなる。
【0048】また、図4に示すように、ビット配分計算
部55におけるビット配分量は0〜16ビット(bi
t)の間である。ただし、1ビットは符号のために必要
であるので、0ビットの次は2ビットとなる。因みに、
CDでは、16ビットで表現された音が数ビットで表現
されるため、その差がノイズとなる。
【0049】これにより、聴覚に優れた入が感じる違和
感の解消に対応しつつも、聴取者の聴覚に一致した音質
を得ることができる。また、観点を変えれば、これによ
り、違和感として知覚されやすい高域への強制配分を実
現しつつも、聞こえない超高域への強制配分を可能な限
り避けることができる。
【0050】次に、このビット配分計算部55にて求め
られた量子化ビット数は、量子化部43に送られる。
【0051】量子化部43ではこの情報を基に周波数帯
域信号を量子化し、符号化する。そして、このようにし
て得られた各周波数帯域の符号とビット配分情報及びブ
ロック長等の補助信号(上記符号を復号化部60にて復
号化するのに必要な情報であって、量子化及び符号化の
方式による)は、マルチプレクサ44にて多重化され
て、符号化として伝送路70に送られる。
【0052】なお、音声伸長回路23では、復号化部6
0のデマルチプレクサ61は、伝送路70からの符号列
を取り込み、各周波数帯域信号の符号とビット配分情
報、ブロック情報等の補助情報に分解する。そして、そ
の補助情報を使って、各周波数帯域信号の符号を復号化
し、逆量子化部62にてビット配分情報等の補助情報に
基づき逆量子化して周波数帯域信号に復元する。この信
号は、周波数帯域合成部63にて合成され、これによ
り、デジタル出力信号が得られる。
【0053】このように、本実施の形態のデジタルデー
タ符号化方法では、楽音、音声等のデジタルデータを符
号化するときには、デジタルデータを周波数軸上に変換
し、複数の周波数帯域に分割した後、スペクトル信号に
変換し、さらに、変換されたスペクトル信号を各周波数
帯域毎にビット割り当てを行って符号化するに際して、
聴覚心理特性を反映して、上記各周波数帯域のパワー又
はエネルギーの大きさから各周波数帯域のマスキング閾
値対雑音比MNRi(n)を求め、そのマスキング閾値
対雑音比MNRi(n)の大小に基づいてビット割り当
てを行って符号化する。
【0054】このとき、本実施の形態では、各周波数帯
域のスケールファクタが一定値j以上であるかを判断
し、一定値j以上のスケールファクタを持つ周波数帯域
を特定帯域とし、この特定帯域には、上記マスキング閾
値対雑音比MNRi(n)の大小にかかわらず少なくと
も最低量子化ビット数=2ビットを割り当てる。
【0055】このため、違和感として知覚され易い高域
への強制配分をすることによって、聴覚に優れた人が感
じる違和感を解消することができる。また、聞こえない
超高域への強制配分を可能な限り避けることにより、聴
取者に応じた対応ができる。
【0056】したがって、高域部分が、時間的に不連続
であるような曲でも、聴覚に優れた人に違和感を与えな
いデジタルデータ符号化方法を提供することができる。
【0057】また、本実施の形態のデジタルデータ符号
化方法は、一定値以上のスケールファクタjを持つ周波
数帯域について、マスキング閾値対雑音比MNRi
(n)の大小にかかわらず少なくとも最低量子化ビット
数=2ビットを割り当てるに際して、特定帯域は変更可
能となっている。
【0058】このため、特定帯域を変更することができ
るので、聴取者の聴覚に応じて、マスキング領域におけ
る最低量子化ビット数を割り当てる高域領域を自在に設
定することができる。
【0059】したがって、上記の作用効果に加えて、操
作性の高いデジタルデータ符号化方法を提供することが
できる。
【0060】
【発明の効果】本発明のデジタルデータ符号化方法は、
以上のように、各周波数帯域のスケールファクタが一定
値以上であるかを判断し、一定値以上のスケールファク
タを持つ周波数帯域を特定帯域とし、この特定帯域に
は、上記マスキング閾値対雑音比の大小にかかわらず少
なくとも最低量子化ビット数を割り当てる方法である。
【0061】それゆえ、違和感として知覚され易い高域
への強制配分をすることによって、聴覚に優れた人が感
じる違和感を解消することができる。また、聞こえない
超高域への強制配分を可能な限り避けることにより、聴
取者に応じた対応ができる。
【0062】したがって、高域部分が、時間的に不連続
であるような曲でも、聴覚に優れた人に違和感を与えな
いデジタルデータ符号化方法を提供することができると
いう効果を奏する。
【0063】また、本発明のデジタルデータ符号化方法
は、以上のように、上記記載のデジタルデータ符号化方
法において、一定値以上のスケールファクタを持つ周波
数帯域について、マスキング閾値対雑音比の大小にかか
わらず少なくとも最低量子化ビット数を割り当てるに際
して、特定帯域は変更可能となっている方法である。
【0064】それゆえ、特定帯域を変更することができ
るので、聴取者の聴覚に応じて、マスキング領域におけ
る最低量子化ビット数を割り当てる高域領域を自在に設
定することができる。
【0065】したがって、上記の効果に加えて、操作性
の高いデジタルデータ符号化方法を提供することができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるデジタルデータ符号化方法の実
施の一形態を示すフローチャートである。
【図2】上記デジタルデータ符号化方法が適用されるミ
ニディスク録音再生装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】上記デジタルデータ符号化方法が適用されるミ
ニディスク録音再生装置の音声圧縮回路の構成を示すブ
ロック図である。
【図4】上記デジタルデータ符号化方法において、各ス
ペクトルパワーにて割り当てられるビット数を示す説明
図である。
【図5】従来のデジタルデータ符号化方法を示すもので
あり、各周波数におけるスペクトルパワーとその最小可
聴限レベルとの関係を示す説明図である。
【図6】上記デジタルデータ符号化方法において、MD
CT処理が施された後において、各周波数毎にビットが
配分されている所を時間軸に沿って示す説明図である。
【符号の説明】
6 音声圧縮回路 40 符号化部 42 周波数帯域分割部 50 ビット配分部 51 パワー計算部 52 マスキング閾値計算部 53 SMR(信号対マスキング閾値比)計算部 54 MNR(マスキング閾値対雑音比)計算部 55 ビット配分計算部 56 強制ビット配分部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】楽音、音声等のデジタルデータを周波数軸
    上に変換し、複数の周波数帯域に分割した後、スペクト
    ル信号に変換し、さらに、変換されたスペクトル信号を
    各周波数帯域毎にビット割り当てを行って符号化するに
    際して、聴覚心理特性を反映して、上記各周波数帯域の
    パワー又はエネルギーの大きさから各周波数帯域のマス
    キング閾値対雑音比を求め、そのマスキング閾値対雑音
    比の大小に基づいてビット割り当てを行って符号化する
    デジタルデータ符号化方法において、 各周波数帯域のスケールファクタが一定値以上であるか
    を判断し、一定値以上のスケールファクタを持つ周波数
    帯域を特定帯域とし、この特定帯域には、上記マスキン
    グ閾値対雑音比の大小にかかわらず少なくとも最低量子
    化ビット数を割り当てることを特徴とするデジタルデー
    タ符号化方法。
  2. 【請求項2】一定値以上のスケールファクタを持つ周波
    数帯域について、マスキング閾値対雑音比の大小にかか
    わらず少なくとも最低量子化ビット数を割り当てるに際
    して、特定帯域は変更可能となっていることを特徴とす
    る請求項1記載のデジタルデータ符号化方法。
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