JP2002090220A - マルチチャンネル分光器 - Google Patents

マルチチャンネル分光器

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JP2002090220A
JP2002090220A JP2000282744A JP2000282744A JP2002090220A JP 2002090220 A JP2002090220 A JP 2002090220A JP 2000282744 A JP2000282744 A JP 2000282744A JP 2000282744 A JP2000282744 A JP 2000282744A JP 2002090220 A JP2002090220 A JP 2002090220A
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incident
entrance
wavelength
detector
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JP2000282744A
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Koji Masutani
浩二 増谷
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SOMA KOUGAKU KK
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MICRO SCIENCE KK
SOMA KOUGAKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 検出素子の数を増やすことなく測定波長領域
を広くすることができる実用的なマルチチャンネル分光
器を提供する。 【解決手段】 入射スリット1からの光が分散素子2に
より各波長毎に分散し、複数の検出素子31を分散素子
2の分散方向に並べたアレイ型検出器30に入射して各
波長毎の光の強さが検出される。入射スリット1は、分
散素子2への入射角がほぼ等しい角度ずつ異なる互いに
異なるようにして複数設けられている。各入射スリット
1には、出射端が分岐した光ファイバ9により光が導か
れて入射するとともに、各シャッタ81〜85が光の入
射を独立して制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、光の強度を各
波長毎に分けて測定する分光器に関するものであり、特
に、異なる波長を同時に測定できるマルチチャンネルタ
イプの分光器に関するものである。尚、正確には、各波
長域毎の測定であるが、本明細書では単に「各波長」と
表現する。
【0002】
【従来の技術】光の強度を各波長毎に分けて測定する分
光測定は、産業の各分野で盛んに行われている。例え
ば、材料分析の分野では、吸光度や光透過率等の光学特
性の分析に分光測定が盛んに利用されているし、新光源
の開発においては、光源の発光スペクトルを測定するこ
とが必須となっている。
【0003】図5を使用して、このような分光測定を行
う従来の分光器の構成について説明する。図5は、従来
の分光器の概略構成を示す図である。図5に示す分光器
は、測定される光が入射する入射スリット1と、入射ス
リット1からの光を各波長毎に分散させる回折格子等の
分散素子2と、入射スリット1からの光を平行光にして
分散素子2に入射させる平行光用光学素子41と、分散
素子2で分散された光を出射スリット10に結像させる
結像用光学素子42と、分散素子2で分散された光が出
射スリット10を通って入射する検出器3と、検出器3
が検出した光の強度の信号を処理する不図示の信号処理
部と、不図示の信号処理部が処理した結果に基づいて測
定結果を表示する不図示の表示部等から主に構成されて
いる。
【0004】被測定光は、入射スリット1を経て分散素
子2で各波長毎の光に分散し、これが出射スリット10
を通って検出器3に入射する。検出器3は、各波長毎の
光の強度を電気信号に変換し、これが信号処理部で処理
され、その結果が表示部で表示される。
【0005】前述した分光器は、単一チャンネルの分光
器(単色計)であり、一回の測定では特定の限られた波
長の光の強度が分かるのみである。異なる波長の光の強
度を同時に測定することはできない。例えば対象物の刻
々と変化する分光特性を調べたい場合や、フラッシュラ
ンプ等の非連続光源の発光スペクトルを調べたい場合等
では、複数波長の光強度測定を同時に行うことが好まし
いが、前述した分光器ではできない。
【0006】一方、ダイオードアレイ等の検出素子を並
べたアレイ型受光器の開発により、一回の測定で異なる
波長の光強度測定が同時に行える分光器(本明細書では
マルチチャンネル分光器と呼ぶ)の開発が可能となって
きた。マルチチャンネル分光器は、出射スリット10を
配置せず、出射スリット10の位置(又はこれと光学的
に等価な位置)にアレイ型検出器を配置する。アレイ型
受光器の検出素子の配列方向は分散素子2が光を分散さ
せる方向と一致させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したマルチチャン
ネル分光器において、より広範な波長領域において1つ
の分光器で測定できることが望ましいが、検出素子のコ
スト等の問題から、測定波長領域を広げることには限界
がある。即ち、分解能を低下させずに測定波長領域を広
くするには、アレイを構成する検出素子の数を多くする
必要がある。しかしながら、検出素子には、PbSやI
nGaAsといった高価な半導体材料を使用する場合が
多く、検出素子の数を多くすることは、検出器の価格を
上昇させ、最終的には、分光器のコストを大きく上昇さ
せる要因となる。特に、赤外域の測定用の場合、その傾
向が強い。
【0008】検出素子の数を増やさずに測定波長領域を
広くする方法としては、幾つかの波長毎に分けて測定す
る方法がある。例えば、400nm〜800nmの波長
の光を分光測定する場合、最初に400〜600nmの
波長を測定した後、回折格子等の分散素子の角度を変
え、同じ検出器で次に600〜800nmの波長の光の
分光測定を行うようにする。このようにすれば、検出素
子を増やさなくても、測定波長領域を広くすることはで
きる。
【0009】しかしながら、上記方法では、分散素子の
角度を変えながら測定しているので、その点では従来の
分光器と同じである。つまり、純粋なマルチチャンネル
分光器とはいえない。すべての波長の光を同時にリアル
タイムで測定することは、この方法ではできない。ま
た、分散素子の角度を変える構成では、高精度の分散素
子の姿勢制御機構を必要とするし、また、毎回同じ条件
で測定ができているかという測定条件の再現性の点でも
問題が生じやすい。本願の発明は、かかる課題を解決す
るためになされたものであり、検出素子の数を増やすこ
となく測定波長領域を広くすることができる実用的な構
成を提供するという技術的意義を有する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、測定される光が入射
する入射スリットと、分散素子で分散された光を入射さ
せて各波長毎の光の強さを検出する検出器とより成り、
検出器は、複数の検出素子を分散素子の分散方向に並べ
たアレイ型検出器であり、複数の波長の光の測定が同時
に行えるマルチチャンネル分光器であって、前記入射ス
リットは、前記分散素子への入射角が互いに異なるよう
にして複数設けられているという構成を有する。また、
上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記
請求項1の構成において、前記複数の入射スリットに
は、各々独立して開閉されるシャッタが設けられている
という構成を有する。また、上記課題を解決するため、
請求項3記載の発明は、前記請求項1の構成において、
前記複数の入射スリットには、出射端が前記入射スリッ
トの数だけ分岐した光ファイバが設けられており、この
光ファイバは、測定する光を導いて各入射スリットに入
射させるものであるという構成を有する。また、上記課
題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項
1の構成において、前記複数の入射スリットから光の前
記分散素子への入射角は、ほぼ等しい角度ずつ異なると
いう構成を有する。また、上記課題を解決するため、請
求項5記載の発明は、前記請求項1の構成において、前
記複数の入射スリットは前記分散素子による分散方向の
面である主平面を挟んで一方の側に配置され、前記アレ
イ型検出器は主平面を挟んで他方の側に配置されたファ
スティー・エバート形であって、前記複数の入射スリッ
トは、主平面に対して平行な方向に並べて配置されてい
るという構成を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本願発明の第一の実施形態のマ
ルチチャンネル分光器の概略構成を示す図である。図1
に示すマルチチャンネル分光器は、測定される光が入射
する入射スリット1と、入射スリット1からの光を各波
長毎に分散させる回折格子等の分散素子2と、入射スリ
ット1からの光を平行光にして分散素子2に入射させる
平行光用光学素子と、分散素子2で分散された光が入射
する検出器30と、分散素子2で分散された光を検出器
30の入射面に結像させる結像用光学素子と、検出器3
0が検出した光の強度の信号を処理する信号処理部5
と、信号処理部5が処理した結果に基づいて測定結果を
表示する表示部6等から構成されている。尚、図1で
は、見易さのため、エバート形の配置となっているが、
これに限られるものではない。
【0012】本実施形態では、図1から分かる通り、平
行用光学素子と結像用光学素子には、一つの球面鏡7が
兼用されている。平行用光学素子は、球面鏡7の紙面内
上側部分(以下、コリメータ部)71で構成されてい
る。入射スリットからの光は、コリメータ部71で反射
し、平行光となるよう構成されている。即ち、入射スリ
ット1からコリメータ部71までの光軸の長さが、コリ
メータ部71の曲率半径のほぼ1/2に等しくなるよう
構成されている。
【0013】結像用光学素子は、球面鏡7の紙面内下側
部分(以下、コンデンサ部)72で構成されている。即
ち、球面鏡7からアレイ型検出器30の受光面に達する
光軸の長さは、球面鏡7の曲率半径のほぼ1/2に等し
くなっている。結像用光学素子として機能するコンデン
サ部72に入射する分散光は同様に平行光であるから、
コンデンサ部72から反射した被測定光は、アレイ型検
出器30の受光面に結ぶようになっている。
【0014】分散素子2としては、反射型の回折格子2
1が使用されている。回折格子21は、溝の長さ方向が
紙面に対して垂直に向くように配置されている。光を分
散させる回折格子21の表面(以下、回折面)の中心
は、球面鏡7の中心軸(球面鏡7の反射面の中心と曲率
中心とを結んだ軸)上にほぼ位置している。尚、本実施
形態では、図1に示すように、紙面内の斜め上方から被
測定光が回折格子21に入射し、斜め下方に分散しなが
ら出射する。回折格子21による分散作用は紙面内に働
いているから、主平面(分散素子2の光分散作用が働く
方向の面)は紙面内である。
【0015】検出器30は、複数の検出素子を配列した
アレイ型(以下、アレイ型検出器と言い換える)となっ
ている。図2を用いてアレイ型検出器30の検出素子の
構成について説明する。図2は、図1のマルチチャンネ
ル分光器におけるアレイ型検出器30の検出素子の構成
について説明する平面概略図である。アレイ型検出器3
0は、細長い箱状の部材である。図2に示すように、ア
レイ型検出器30は、多数の検出素子31を横に並べた
構成である。個々の検出素子31はアレイ型検出器30
の幅方向に長い長方形の入射面を有し、アレイ型検出器
30の長さ方向に並べられている。検出素子31は、具
体的にはInGaAsフォトダイオード等が使用されて
いる。
【0016】図1から分かるように、回折格子21によ
って分散した各波長の光は、その波長に応じてアレイ型
検出器30の特定の検出素子31に入射するようになっ
ている。より具体的には、アレイ型検出器30の各検出
素子31は、入射スリット1に対して平行で入射スリッ
ト1と同じ向きに長い形状の方形である。そして、前述
したように、コンデンサ部72は、分散する各波長の光
により入射スリット1の像を各検出素子31に結像さ
せ、各波長の光が光電変換されるようになっている。
【0017】さて、本実施形態のマルチチャンネル分光
器の大きな特徴点は、検出素子の数を増やすことなく測
定波長領域が広げられるように複数の入射スリット1を
設けている点である。以下、この点について説明する。
複数の入射スリット1は、図1に示すように、主平面2
0内の上側に配置されている。複数の入射スリット1
は、その長さ方向が主平面20に垂直な方向に沿って一
列に配列されている。この配列方向は、回折格子21の
拡散面の中心を通り、主平面内にある。そして、図1か
ら解るように、複数の入射スリット1は、各入射スリッ
ト1から出た光が分散素子2に入射する際、互いに異な
る角度で入射するようになっている。即ち、各入射スリ
ット1からの光の入射角をα、α、α、α、α
とすると、α≠α≠α≠α≠αである。
【0018】また、各入射スリット1には、図1に示す
ように、シャッタ81〜85が設けられている。各シャ
ッタ81〜85は、不図示の駆動部により各々独立して
駆動されるようになっている。そして、シャッタ81〜
85を介して各入射スリット1に被測定光を入射させる
光ファイバ9が設けられている。光ファイバ9は、被測
定光を導く光ファイバ9である。光ファイバ9は、図1
に示すように、出射側が入射スリット1の数だけ分岐し
ている。分岐した各出射端は、入射スリット1を臨む位
置にそれぞれ配置されている。光ファイバ9は、本実施
形態ではライトガイドファイバであるが、イメージファ
イバ等の特別のものを使用しても良い。また、複数のビ
ームスプリッタにより入射光を分割するようにしても良
い。
【0019】次に、図3を使用して、上記実施形態のマ
ルチチャンネル分光器の原理について説明する。図3
は、図1に示すマルチチャンネル分光器の原理を説明す
る図である。周知のように、回折格子を利用した分光測
定は、光の波長をλ、格子定数をd、回折格子の傾き角
をθ、回折格子21への光の入射角をα、分散角(回折
格子なので以下、回折角と呼ぶ)をβとしたとき、以下
の関係が成立することを利用している。 mλ=dcosθ(sinα+sinβ)…式(1) θ=(α+β)/2…式(2)
【0020】式(1)において、mは次数である。回折
格子による分光測定は、次数mを特定して、異なった角
度でピークが現れる各波長の回折光の強度を測定するも
のである。通常の分光器では、θを変化させる(即ち、
回折格子の角度を変える)ことで、各波長毎の強さを測
定する。マルチチャンネル分光器では、θを固定し、各
βの光を受光する位置にそれぞれ受光素子が位置するよ
うアレイ型検出器を配置する。
【0021】本実施形態のマルチチャンネル分光器で
は、図1から解るように、複数の入射スリット1からの
光は、各々異なった入射角αで入射する。このため、こ
の分だけ、測定波長領域を変えることができる。より具
体的に説明すると、本実施形態では、5つの入射スリッ
ト1が設けられている。5つの入射スリット1からの光
の入射角α、α、α、α、αのそれぞれにつ
いて、固定されたβにおいて、異なる波長λの光が得ら
れることを意味する。つまり、回折格子21の角度を固
定した状態でも、アレイ型検出器30の特定の1つの検
出素子には、5つ分の異なる波長の光が入射する。
【0022】次に、レーザ光の分光強度を測定する場合
を例にして上記構成に係るマルチチャンネル分光器の動
作について、以下に説明する。例えば、新規なレーザー
光源の開発を行っており、そのレーザー光源の発光特性
を調べたい場合を想定する。レーザー光を、図1に示す
光ファイバ9の入射端に入射させ、分岐させた出射端か
ら出射させて各入射スリット1に入射させる。各入射ス
リット1を経た光は、コリメータ部71により平行光に
なって回折格子21に入射する。そして、回折格子21
により、各波長毎に異なる角度で分散した後、アレイ型
検出器30に入射する。そして、アレイ型検出器30で
の光電変換により得られた信号が信号処理部5で処理さ
れ、その結果が表示部6で表示される。
【0023】まず、最初は、全てのシャッタ81〜85
を開けて測定を行う。この場合、前述した説明から解る
ように、各検出素子からの信号には、各入射スリットか
らの光による信号が混ざっている。しかしながら、すべ
ての検出素子からの信号を見ることで、レーザーの発振
を確認することができる。次に、シャッタ81のみを開
けた測定、シャッタ82のみを開けた測定、…シャッタ
85のみを開けた測定を順次行う。そして、表示部6に
おいて出力が確認された場合、その際に開であるシャッ
タ81〜85がどれであるかにより、測定波長領域が特
定される。従って、スリットアレイ型検出器30からの
信号にその測定波長領域を当てはめることで、最終的に
レーザーの分光分布を得ることができる。このような分
光測定は、励起用レーザーでラマン散乱光を誘導放出さ
せる誘導ラマンレーザーの分光測定にも効果的である。
【0024】上記構成及び動作に係る本実施形態のマル
チチャンネル分光器によれば、回折格子21への入射角
が異なるよう複数の入射スリット1が設けられているの
で、検出素子31の数を増やすことなく、測定波長領域
のより広い分光測定が行える。従って、用途が広く且つ
安価な分光器が提供される。また、回折格子21の角度
を変えることなく測定が行えるので、高精度の角度制御
機構を用いることによるコスト上昇や、角度精度の低下
による測定の再現性の低下の問題からは無縁である。
尚、回折格子21を、刻線数(溝の数)の多い別のもの
に変えることで、分解能を上げることも可能である。
【0025】次に、本願発明の第二の実施形態について
説明する。図4は、第二の実施形態のマルチチェンネル
分光器の斜視概略図である。図4に示す第二の実施形態
は、光学系の構成が第一の実施形態と異なる。図1に示
すマルチチャンネル分光器の光学系は、エバート(Eb
ert)形と呼ばれる光学系の一種である。即ち、図1
において、主平面(分散素子による分散方向に沿った面
で回折格子21の中心を通る面)は、紙面上である。そ
して、主平面上の回折格子21の一方の側に入射スリッ
ト1があり、他方の側にアレイ型検出器30が配置され
ており、一つの球面鏡7によって平行光用光学素子と結
像用光学素子が構成されている。
【0026】一方、図4に示すマルチチャンネル分光器
は、ファスティー−エバート(Fastie−Eber
t)形と呼ばれる光学系を使用しており、請求項5の発
明の実施形態に相当している。即ち、入射スリット及び
アレイ型検出素子30は主平面20上にはなく、主平面
20を挟んで一方の側に入射スリット1が配置され、他
方の側にアレイ型検出素子30が配置されている。この
ような構成によると、特開平12−55733号公報に
開示されているように、コマ収差の影響が少なくなるの
で、分解能や明るさの点でより優れた測定が行える。
【0027】さらに、図4に示すように、ファスティー
−エバート形の場合、各入射スリット1を主平面20に
平行な方向に並べて配置することができる。従って、球
面鏡7をそれほど大きくする必要がない等、光学系全体
をコンパクトにできるメリットがある。図4に示すよう
に、この実施形態では、各入射スリット1と球面鏡7の
間、及び、球面鏡7とアレイ型検出器30の間に、反射
ミラー100を設けている。この構成は、球面鏡7の焦
点距離を長くして収差の影響を少なくした場合でも、分
光器全体をコンパクトにできる技術的意義がある。
【0028】尚、本願発明のマルチチャンネル分光器
は、前述したエバート形やファスティー−エバート形の
他、ツェルニー−ターナー(Czerny−Turne
r)形等の他の光学系を採用することもできる。また、
前述した各実施形態では、平面型の回折格子21を使用
したため、平行光用光学素子及び結像用光学素子を使用
したが、凹面型の回折格子21等を使用する場合、これ
らの光学素子は不要な場合がある。
【0029】さらに、上記実施形態では、複数の入射ス
リット1の各々に独立開閉のシャッタ81〜85が設け
られたが、これは必ずしも必須の要件ではない。各入射
スリット1に選択的に光を入射させることができれば良
い。例えば、出射端が分岐していない通常の光ファイバ
9で被測定光を導き、出射端を各入射スリット1の付近
に順次配置するようにしても良い。但し、このような構
成に比べると、各シャッタ81〜85を独立して開閉す
る機構は、操作が簡単である。尚、シャッタ81〜85
は、入射スリット1の手前の光路上に設けられることは
必要はなく、入射スリット1から出た光を遮断するよう
にして設けても良い。
【0030】また、出射端が入射スリット1の数だけ分
岐した光ファイバ9を用いることは、各入射スリット1
に光を入射させる光学系が簡略化できるメリットがあ
る。そして、任意の場所に光ファイバ9の入射端を持っ
ていって測定ができるので、操作性も高い。尚、上記実
施形態では、入射スリット1の数は5つであったが、6
つ又はそれ以上でもよい。また、2つ以上あれば、1つ
の場合に比べて測定波長領域が広くなる効果が得られ
る。また、入射スリット1の位置は、平行光用光学素子
の物点の位置であるが、これと光学的に等価な別の位置
に入射スリット1が配置されることが当然にあり得る。
さらに、分散素子2としては、前述した回折格子21の
他、プリズム等でも良い。
【0031】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の請求項1記載
の発明によれば、入射スリットが、分散素子への光の入
射角が互いに異なるようにして複数設けられているの
で、検出素子の数を増やすことなく、測定波長領域のよ
り広い分光測定が行える。従って、用途が広く且つ安価
な分光器が提供される。また、分散素子の角度を変える
ことなく測定が行えるので、高精度の角度制御機構を用
いることによるコスト上昇や、角度精度の低下による測
定の再現性の低下の問題からは無縁である。また、請求
項2記載の発明によれば、上記効果に加え、複数の入射
スリットに各々独立して開閉されるシャッタが設けられ
ているので、操作が容易であるという効果がある。ま
た、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、出
射端が入射スリットの数だけ分岐した光ファイバが設け
られているので、各入射スリットに光を入射させる光学
系が簡略化できるメリットがある。そして、任意の場所
に光ファイバの入射端を持っていって測定ができるの
で、操作性も高い。また、請求項4記載の発明によれ
ば、上記効果に加え、複数の入射スリットから光の分散
素子への入射角はほぼ等しい角度ずつ異なるので、波長
が均等に分割される。このため、信号処理が容易であ
り、精度の高い測定が行える。また、請求項5記載の発
明によれば、上記効果に加え、コマ収差の影響が少なく
なるので、分解能や明るさの点でより優れた測定が行え
る。また、各入射スリットを主平面に平行な別の平面に
並べて配置することができるので、光学系全体をコンパ
クトにできるメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第一の実施形態のマルチチャンネル
分光器の概略構成を示す図である。
【図2】図1のマルチチャンネル分光器におけるアレイ
型検出器30の検出素子の構成について説明する平面概
略図である。
【図3】図1に示すマルチチャンネル分光器の原理を説
明する図である。
【図4】第二の実施形態のマルチチェンネル分光器の斜
視概略図である。
【図5】従来の分光器の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 入射スリット 2 分散素子 21 回折格子 30 アレイ型検出器 31 検出素子 5 信号処理部 6 表示部 7 球面鏡 71 コリメータ部 72 コンデンサ部 81〜85 シャッタ 9 光ファイバ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月2日(2000.10.
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G020 BA02 BA03 BA05 CA02 CA04 CB04 CB42 CB43 CC04 CC43 CC44 CC48 CC49 CC63 CD06 CD13 CD14 CD24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定される光が入射する入射スリット
    と、入射スリットからの光を各波長毎に分散させる分散
    素子と、分散素子で分散された光を入射させて各波長毎
    の光の強さを検出する検出器とより成り、検出器は、複
    数の検出素子を分散素子の分散方向に並べたアレイ型検
    出器であり、複数の波長の光の測定が同時に行えるマル
    チチャンネル分光器であって、 前記入射スリットは、前記分散素子への入射角が互いに
    異なるようにして複数設けられていることを特徴とする
    マルチチャンネル分光器。
  2. 【請求項2】 前記複数の入射スリットには、各々独立
    して開閉されるシャッタが設けられていることを特徴と
    する請求項1記載のマルチチャンネル分光器。
  3. 【請求項3】 前記複数の入射スリットには、出射端が
    前記入射スリットの数だけ分岐した光ファイバが設けら
    れており、この光ファイバは、測定する光を導いて各入
    射スリットに入射させるものであることを特徴とする請
    求項1記載のマルチチャンネル分光器。
  4. 【請求項4】 前記複数の入射スリットから光の前記分
    散素子への入射角は、ほぼ等しい角度ずつ異なることを
    特徴する請求項1記載のマルチチャンネル分光器。
  5. 【請求項5】 前記複数の入射スリットは前記分散素子
    による分散方向の面である主平面を挟んで一方の側に配
    置され、前記アレイ型検出器は主平面を挟んで他方の側
    に配置されたファスティー・エバート形であって、前記
    複数の入射スリットは、主平面に対して平行な方向に並
    べて配置されていることを特徴とする請求項1記載のマ
    ルチチャンネル分光器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101126363B1 (ko) * 2010-04-23 2012-03-23 (주)쎄미시스코 분광기의 입사광 조절장치
JP2013072874A (ja) * 2011-09-26 2013-04-22 Raytheon Co 統合された3チャネルの気体の検出及び測定の分光計

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