JP2002089589A - 車両用クラッチ装置 - Google Patents

車両用クラッチ装置

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JP2002089589A
JP2002089589A JP2000279534A JP2000279534A JP2002089589A JP 2002089589 A JP2002089589 A JP 2002089589A JP 2000279534 A JP2000279534 A JP 2000279534A JP 2000279534 A JP2000279534 A JP 2000279534A JP 2002089589 A JP2002089589 A JP 2002089589A
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clutch
vehicle
control
torque
slip
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Yoichiro Yamagishi
陽一郎 山岸
Kyugo Hamai
九五 浜井
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルク伝達効率に優れるクラッチを用いなが
らも、低速・トルク増大のトルク伝達を可能としてクリ
ープやヒルホールドを行うことができるようにするこ
と。 【解決手段】 エンジンEGから変速機構91へトル
ク伝達を行う途中に設けられたクラッチC/Lと、この
クラッチC/Lの締結状態を制御するクラッチコントロ
ールユニットCLCUと、を備え、クラッチコントロー
ルユニットCLCUは、車両停車時にクラッチC/Lを
滑り制御することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の動力源と変
速機との間で動力伝達を行う車両用クラッチ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に、自動変速機を備えた自
動車では、動力源としてのエンジンと自動変速機との間
の動力伝達にトルクコンバータを用いている。このよう
な技術は、例えば、自動車工学全書第9巻(昭和55年
11月20日(株)山海堂発行)の第149頁に記載さ
れている。また、他の動力伝達手段としては、クラッチ
が知られており、操作の簡易性要求から必要に応じて自
動的に電磁クラッチを断接させる自動クラッチシステム
も提案され、この場合、乾式の単板クラッチが用いられ
ているものが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トルク
コンバータは、流体を介して動力伝達を行うために、滑
りによるパワーロスが生じ、燃費が悪いという問題があ
る。
【0004】一方、クラッチを用いた手段は、パワーロ
スは生じにくいがエンジンのアイドリング回転によりじ
わじわ進むいわゆるクリーピング走行や、上り坂で止ま
るいわゆるヒルホールドが実行できない。そこで、ヒル
ホールドを達成するために、ブレーキ装置において自動
的に制動力を発生させることが提案されている。しかし
ながら、この場合、能動的に制動力を発生できる装置を
搭載する必要があり、車両のコストアップを招く。加え
て、乾式単板クラッチを用いた場合、トルク容量を確保
しようとすると、外径寸法が大きくなり、設計自由度が
低くなって車載性を悪化させる。
【0005】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
成されたもので、トルク伝達効率に優れるクラッチを用
いながらも、低速・トルク増大のトルク伝達を可能とし
てクリープやヒルホールドを行うことができるように
し、かつ、車載性に優れた車両用クラッチ装置を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1に記載の車両用クラッチ装置は、動力源側
から従動側へトルク伝達を行う途中に設けられたクラッ
チと、このクラッチの締結状態を制御する制御手段と、
を備え、前記制御手段は、車両停車時に前記クラッチを
滑り制御することを特徴する手段とした。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の車両用クラッチ装置において、前記クラッチ
を、複数の駆動側クラッチ板と複数の従動側クラッチ板
を交互に配置した多板クラッチとしたことを特徴とす
る。また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2
に記載の車両用クラッチ装置において、前記制御手段
が、滑り制御を実行中に摩擦面温度に関する停止条件が
成立したら滑り制御を解除してクラッチを解放させるこ
とを特徴とする。請求項4に記載の発明は、請求項3に
記載の車両用クラッチ装置において、前記摩擦面温度に
関する停止条件を、滑り制御の実行継続時間が所定時間
となることとしたことを特徴とする。請求項5に記載の
発明は、請求項3に記載の車両用クラッチ装置におい
て、前記摩擦面温度に関する停止条件を、クラッチの雰
囲気温度が所定温度を超えることとしたことを特徴とす
る。
【0008】また、請求項6に記載の発明は、請求項3
ないし5に記載の車両用クラッチ装置において、前記制
御手段が、滑り制御を解除する際には、徐々に滑り量を
多くしてクラッチの締結を解除することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6に記
載の動力伝達装置において、前記制御手段が、エンジン
駆動中であって、アクセルオフ、かつ、車速が0で、さ
らに所定のヒルホールド条件が成立したときに、前記ク
ラッチを滑り制御して従動側への出力回転数を0とする
ヒルホールドトルク制御を実行することを特徴とする。
【0009】
【発明の作用および効果】本発明では、車両停車時に
は、制御手段が滑り制御を行ってクラッチを滑らせる。
したがって、動力源からのトルクが減速されるとともに
トルクを増大して従動側に伝達され、車両をじわじわと
極低速で前進あるいは後退させるクリープ走行や、上り
坂で停止状態に保つヒルホールドが可能となる。また、
走行時にはクラッチを完全に締結させることで、エネル
ギロスのないトルク伝達が可能となる。また、請求項2
に記載の発明では、クラッチとして多板クラッチを用い
たため、外形寸法を小さく設計でき、駆動源と変速機と
の間のように設置スペースに制限がある部位にも設置す
ることが可能となり、車載性の向上を図ることができ、
かつ、滑り制御を実行したときの発熱を抑えることがで
きる。
【0010】請求項3ないし5に記載の発明では、制御
手段は、滑り制御を実行中に摩擦面温度に関する停止条
件が成立した場合、例えば、請求項4に記載のように滑
り制御の実行継続時間が所定時間となってクラッチ摩擦
面温度が高温になっていると推定されたり、あるいは請
求項5に記載のようにクラッチの雰囲気温度が所定温度
を超えてクラッチ摩擦面温度が高温になっていると推定
されたりした場合は、滑り制御を解除してクラッチを解
放させる。したがって、クラッチ摩擦面が高温となるの
を防止することができ、発熱ならびに耐久性低下を防止
することができる。また、請求項6に記載の発明では、
制御手段は、滑り制御を解除する際には、徐々に滑り量
を多くしてクラッチの締結を解除する。したがって、こ
れ以上の発熱を防止することができ、また、坂道に停車
させるヒルホールドの実行中において、滑りを解除した
場合、徐々に車両が後退を始めることになる。このよう
に、急に滑り制御を停止するのではなく、徐々に滑り量
を増大させるため、車両は急に後退するのではなく、徐
々に後退を始めるもので、運転者は、制動操作を行うな
ど自然に対応することができる。請求項7に記載の発明
では、上り坂に停車してブレーキから足を離した場合、
制御手段は、エンジン駆動中であって、アクセルオフ、
かつ、車速が0で、さらに所定のヒルホールド条件が成
立することにより、ヒルホールドトルク制御を実行し、
クラッチを滑り制御して出力軸回転数を0として、停車
状態に維持する。このように、クラッチを用いてもヒル
ホールドを達成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態1】以下に、本発明の実施の形態1
を図面に基づいて説明する。 (実施の形態1)まず、構成について説明する。実施の
形態1の車両用クラッチ装置CLMは、図2に示すよう
に、エンジンEGとトランスミッションTMに設けられ
ているいわゆるCVTである変速機構部91との間の動
力伝達経路の途中に設けられている。
【0012】図1は実施の形態1の車両用クラッチ装置
CLMを示す断面図あり、この車両用クラッチ装置CL
Mは、エンジンEGあるいはトランスミッションTMの
図外のブロックハウジングに結合されるユニットハウジ
ングUHと、エンジンEGのエンジン出力軸(図示省
略)に連結される入力軸(特許請求の範囲の駆動軸に相
当する)1と、変速機構91の入力軸(図示省略)に連
結される出力軸2と、この出力軸2と前記入力軸1側と
を断接する湿式多板クラッチであるクラッチC/Lとを
備えている。
【0013】前記入力軸1は、一端が図外のエンジン出
力軸に連結される一方で、他端が振動吸収手段5を介し
て中心軸6に連結されている。なお、前記振動吸収手段
5は、回転方向の剛性が高く、かつ曲げ方向の剛性が低
い曲げ振動吸収用の弾性プレート51と、周知の捻りダ
ンパ52とを備え、弾性プレート51の外周縁部と捻り
ダンパ52の外側プレート52aとが一体に結合されて
いる。そして、弾性プレート51は、その軸心部が入力
軸1の他端に結合され、捻りダンパ52は、内側プレー
ト52bの軸心部が中心軸6の基端に結合されている。
したがって、図外のエンジン出力軸から入力軸1にトル
クが入力されると、そのトルクは弾性プレート51と捻
りダンパ52を順次介して中心軸6に伝達され、このと
き曲げ振動や捻り振動は弾性プレート51と捻りダンパ
52により吸収される。
【0014】前記中心軸6は、先端部が筒状に形成さて
いる一方、前記出力軸2の先端部が中心軸6の先端部に
相対回転自在に挿入されている。さらに、出力軸2に
は、前記中心軸6から離間しながら中心軸6を覆って有
底円筒形状のクラッチケース11が一体的に結合され、
このクラッチケースと前記中心軸6の先端部との間に前
記クラッチC/Lが設けられている。このクラッチC/
Lは、前記中心軸6の先端部外周に形成されたスプライ
ンに軸方向に移動可能に支持された複数の内側クラッチ
板11dと、これら内側クラッチ板11dの間に交互に
配置され、前記クラッチケース11の内周に形成された
スプラインに軸方向に移動可能に支持された外側クラッ
チ板11eとを備え、内外クラッチ板11d,11eが
プレート11pにより押し付けられると、中心軸6と出
力軸2との間でトルク伝達が成されるよう構成されてい
る。なお、前記クラッチケース11の先端部は、軸受け
11gにより支持されている。上述した内外クラッチ板
11d,11eの押し付けは、電磁ソレノイド7ならび
にコントロールカム8により行われる。前記電磁ソレノ
イド7は、前記ユニットハウジングUHの一端に設けら
れている円盤状のプレート61に隣接して中心軸6の外
周に軸受け62を介して支持されている。前記第1コン
トロールカム8は、入力トルクに応じた軸方向の押圧力
を発生させるもので、この第1コントロールカム8は、
プレート63により中心軸6に対して軸方向に移動を規
制されているが回転可能な第1カムリング8aおよび軸
方向に移動可能であるが回転を規制され、かつ内側クラ
ッチ板11dに対面された第2カムリング8bと、これ
ら第1カムリング8aおよび第2カムリング8bの対向
面に形成されたカム溝8c,8dに係合されるボール8
eを備えている。そして、この第1コントロールカム8
は、第1カムリング8aと第2カムリング8bとの間に
回転方向のトルクが生じると、そのトルクに応じてボー
ル8eがカム溝8c,8dの傾斜面を乗り上げ、その結
果、第1カムリング8aと第2カムリング8bとが軸方
向に押し離されて、第1,第2カムリング8a,8bの
間に生じたトルクを、カム溝8c,8dの傾斜に応じた
倍率で増幅し、軸方向の押圧力に変換して第2カムリン
グ8bが内側クラッチ板11dを押圧してクラッチC/
Lを締結させる構造となっている。また、上述の第1・
第2カムリング8a,8b間でトルクを発生させる手段
は、ミニクラッチ板8f,8gである。すなわち、第1
カムリング8aの外周面と、これに対面するクラッチケ
ース11の内周面には、それぞれスプラインが設けら
れ、これらの各スプラインに複数枚のミニクラッチ板8
f,8gが係合され、ミニクラッチ板8gの隣に、前記
電磁ソレノイド7により吸引されるアマチュア7aが軸
方向に移動可能にクラッチケース11に支持されてい
る。したがって、電磁ソレノイド7に通電してアマチュ
ア7aが吸引されると、ミニクラッチ板8f,8gが圧
接されて、両カムリング8a,8bの間に回転方向のト
ルクが発生し、第2カムリング8bが内側クラッチ板1
1dを押すことで、内外クラッチ板11d,11eの締
結が成される。
【0015】図2に戻り、前記クラッチC/Lの作動
は、クラッチ駆動回路とクラッチ制御部とを有したクラ
ッチコントロールユニットCLCUにより成される。ま
た、変速機構部91の作動は、CVT駆動回路とCVT
制御部とを備えたCVTコントロールユニットCVTC
Uにより成される。ここで、クラッチコントロールユニ
ットCLCUの制御流れについて図3のフローチャート
により説明する。ステップ101では、エンジンEGが
停止中であるか否か判定し、停止中であればステップ1
02に進み、駆動中であればステップ108に進む。エ
ンジン停止中である場合に進むステップ102では、エ
ンジンの始動要求が有るか否か判定し、始動要求がある
場合には、ステップ103,104,105によりエン
ジンEGの始動制御を実行する。ちなみに、この始動要
求は、車両走行時の最初の始動時であれば図外のイグニ
ッションスイッチをONとした後のスタータスイッチの
ONであるが、本実施の形態1では、走行途中の停車時
にエンジンEGの駆動を停止させる一般にアイドリング
ストップと呼ばれる制御を実行するものであり、この場
合の始動要求としては、図外のアクセルペダルの踏み込
みあるいは図外のアイドリングストップ解除スイッチの
投入などである。ステップ103以降のエンジン始動制
御を実行する場合、ステップ104においてクラッチC
/LをOFFとして解放させ、ステップ105において
図外のスタータモータを始動させる。この場合、エンジ
ンEGが始動してもクラッチC/Lは解放されているか
ら出力軸2にエンジンEGの回転が伝達されることはな
い。その後、ステップ106において図外のエンジン回
転数センサなどからの入力に基づいてエンジンEGの始
動と判定されたら、ステップ107に進んでスタータモ
ータの駆動を停止させる。
【0016】次に、ステップ101において、エンジン
EGが駆動中の場合に進むステップ108にあっては、
図外のアクセルスイッチがON、すなわちアクセルペダ
ルが踏み込まれているか否か判定し、踏み込まれている
場合には、ステップ109ならびにステップ110にお
いて、この踏み込みが発進意図あるいは加速意図を示し
ているか否か判定する。すなわち、ステップ109にお
いて、車速が停車状態を示す設定値X(例えば、X=0
〜3km/h)未満であるか否か判定し、車速<Xの場
合には、停車状態においてアクセルがONになっている
から、運転者が発進意図を持っているとしてステップ1
11に進んで発進加速制御を行い。また、車速≧Xで走
行中の場合には、加速要求を持っているか定速走行中で
あるかを、例えばアクセル開度の変化率などにより判定
し、加速要求がある場合にはステップ113に進んで加
速制御を行う。また、発進意図も加速意図も無い場合に
は、ステップ115に進んで定常走行制御を行う。
【0017】ステップ111およびそれに続くステップ
112において実行する発進制御では、クラッチC/L
の滑り制御を実行する。このようにクラッチC/Lを滑
らせながら締結させることにより、エンジンEGにより
回転される入力軸1に比べて出力軸2を低速回転させる
ことができ、よってトルクを高めて変速機構部91に伝
達させてスムーズな発進が可能となる。なお、ここで行
うクラッチC/Lの滑り制御の詳細については後述す
る。また、ステップ113およびそれに続くステップ1
14において実行する加速制御、ならびに、ステップ1
15〜117で実行する定常走行制御にあっては、クラ
ッチC/LをONとして締結させる。したがって、エン
ジンEGのトルクが、入力軸1からクラッチC/Lを介
して出力軸2に伝達される。この場合、滑りが無く無駄
なくトルク伝達される。
【0018】次に、エンジンEGが駆動していてアクセ
ルがONとなっておらず、ステップ101,108でN
Oと判定された場合、アイドルストップ制御、ヒルホー
ルドトルク制御、クリープトルク制御、減速制御のいず
れの制御を実行するかを判断する。この判断を行うた
め、まず、ステップ117に進んで、車速が予め設定さ
れた極低速の設定値Y(例えば、Y=3〜10km/
h)未満か否か判定し、車速≧Yの場合は、アクセルを
離して極低速よりも速い走行を行っている状態であるか
らステップ118以下の減速制御を実行する。この減速
制御の場合には、ステップ119において、エンジンE
Gにおける燃料噴射をカットするいわゆるフューエルカ
ット制御の実行が成されるか否か判定し、フューエルカ
ットが実行される場合にはステップ120に進んで、ク
ラッチC/Lを非締結状態としてエンジンEGとトラン
スミッションTMとを切り離して過大なエンジンブレー
キが作用しないようにする。一方、ステップ119にお
いてフューエルカットを実行しない場合には、ステップ
121に進んで、クラッチC/Lを締結状態として、力
軸1と出力軸2とを接続して図外の駆動輪に対してエン
ジンブレーキが作用する状態とする。
【0019】次に、ステップ117において車速<Yと
判定された場合、ステップ122に進んで車速=0であ
るか否か判定し、車速≠0の場合は、ステップ123お
よび124において、クリープトルク制御を実行し、ク
ラッチC/Lに対して後述する滑り制御を実行し、出力
軸2に対して減速してトルク伝達を行う。したがって、
変速機構部91に対して高トルクの伝達が成され、車両
をじわじわと極低速で前進あるいは後退させるクリープ
走行を行うことができる。
【0020】次に、ステップ122において車速=0の
場合、さらにステップ125および126において、ヒ
ルホールド条件が成立している否か判断する。すなわ
ち、ステップ125に進んで、車速偏差△V/△tが、
所定値よりも小さいか否か判定し、△V/△tが所定値
以上の場合、坂道であると判定してヒルホールド条件成
立とする。また、△V/△tが所定値よりも小さくても
ステップ126においてブレーキがONとなっていない
場合は、上り坂に停車している(ヒルホールド条件が成
立)とみなし、ステップ127に進んで、ヒルホールド
トルク制御を実行する。このヒルホールドトルク制御に
あっては、ステップ128において、クラッチC/Lに
対して後述の滑り制御を実行して、低速・高トルクで出
力軸2にトルク伝達を行う。さらにステップ129にお
いて摩擦面に関する停止条件として所定時間が経過した
か否か判定し、所定時間が経過した場合、すなわち所定
時間クラッチC/Lの滑り制御を実行して摩擦面が発熱
するおそれがある場合、ステップ130に進んで、クラ
ッチC/Lの滑り制御における滑り量を一定量で増大さ
せて解放させる。これにより、クラッチC/Lの発熱を
抑えることができる。また、このようにクラッチC/L
が解放されると、ヒルホールドトルク制御が停止され
て、エンジンEGから変速機構部91へトルクが全く伝
達されなくなる結果、車両は推進力が無くなって後退す
ることになる。したがって、運転者は、制動操作を行う
などして車両の後退を防ぐか、あるいはアクセルを踏ん
で発進操作を行って、ステップ111に至る処理に基づ
いて再びクラッチC/Lを締結させて前進方向の推進力
を発生させる必要があるが、上記のようなヒルホールド
制御の中止は、クラッチC/Lの滑り量を一定に増大さ
せることで行うため、急に車両が後退することはなく、
徐々に後退するため、運転者は上記の対応を的確に行う
ことができる。また、このようにヒルホールドトルク制
御を停止してステップ130の滑り量を増大させる処理
を実行する場合には、スピーカによる音声あるいはアラ
ームやブザーなどにより、これを知らせるようにするの
が好ましい。なお、ステップ129における摩擦面に関
する停止条件としては、所定時間の経過の他に、クラッ
チ雰囲気温度が所定温度を超えるなど、要は摩擦面が所
定温度以上であると推定できる条件であれば他の条件を
設定してよい。
【0021】次に、ステップ126においてブレーキが
ONである場合には、ステップ131に進んで、エンジ
ン停止制御(いわゆるアイドルストップ)を実行する。
この場合、ステップ132において、クラッチC/Lを
OFFとして、エンジンEGの停止によるショックが変
速機構部91に伝達されないようにするとともに次回の
エンジンスタートに備える。
【0022】次に、滑り制御について説明する。まず、
ステップ123におけるクリープトルク制御時、また、
ステップ112における発進時の滑り制御の流れを図4
のフローチャートにより説明する。ステップ201で
は、滑り制御の開始か否か判定し、開始の場合はステッ
プ202に進み、開始でない場合には1回の流れを終え
る。ステップ202では、滑り制御の初回、すなわち滑
り制御開始判定直後であるか否か判定し、初回の場合は
ステップ203に進み、2回目以降はステップ209に
進む。ステップ203では、エンジン回転数、すなわち
入力軸1の回転数を検知し、続くステップ204では、
トランスミッションTMの前回転数すなわち出力軸2の
回転数を検知し、ステップ205では、エンジントルク
に基づいて目標締結時間を図外のマップを参照して求め
る。なお、この目標締結時間は、発進時とクリープ時と
では異なる。ステップ206では、(エンジン回転−T
M前回転)/目標締結時間から単位時間当たりの目標ス
リップ回転を求める。ステップ207では、エンジント
ルクに基づいて初回デューティを図外のマップを参照し
て求める。ステップ208では、求めたデューティをク
ラッチC/Lの電磁ソレノイド7に向けて出力する。
【0023】一方、滑り制御の2回目からはステップ2
09に進んで、フィードバック制御を実行する。すなわ
ち、ステップ209では、目標スリップ回転×経過時間
からスリップ値Aを求める。さらにステップ210にお
いて、実スリップ回転を、エンジン回転−AT前回転か
ら求める。続くステップ211において、スリップ値A
から実スリップ回転を差し引いて、差分Bを求める。ス
テップ212では、差分Bが0以下であるか否か判定
し、B≦0の場合はステップ213に進んでデューティ
を増加させる補正を行い、一方、B>0の場合は、ステ
ップ214にてデューティを減少させる補正を行う。
【0024】以上のように、エンジン回転とAT前回転
から目標スリップ回転を求め、実スリップ回転がこの目
標スリップ回転となるように、デューティ制御を行うも
のである。
【0025】次に、ヒルホールドトルク制御時のステッ
プ128における滑り制御を図5のフローチャートによ
り説明する。図において(a)は滑り制御を(b)は滑
り制御中のエンジン制御を示している。ステップ301
では、上位の制御タスクから与えられた車速指令に基づ
いて出力軸回転数指令AAを作成する。なお、ここで言
う出力軸とは、トランスミッションTMの出力軸であ
り、基本的には、ヒルホールドトルク制御を実行する場
合には、車速は0km/hと指令される。ステップ30
2では、車輪速あるいはプロペラシャフト回転数から実
車輪速Bを読み込む。ステップ303では、実車輪速B
から、トランスミッションTMの変速比を考慮してクラ
ッチC/Lの出力部材すなわち出力軸2の回転数Cを演
算する。ステップ304では、出力軸回転数指令AAと
実車輪速Bとから、車速偏差Dを求める。ステップ30
5では、エンジン回転数からクラッチ出力軸回転数Cを
差し引いて(クラッチ)入出力回転差E、すなわち滑り
状態を求める。ステップ306では、出力軸回転数指令
AAと入出力回転差Eとに基づいてトルク指令Fを求め
る。このトルク指令は、車速指令と車速偏差とに基づい
て公知のPID制御などにより決定する。ステップ30
7では、車速偏差Dとトルク指令Fとにより押し付け力
指令Gを求める。すなわち、クラッチの伝達トルクは、
押し付け力と回転速差を主なパラメータとして決定され
る。そこで、この逆関数を用いて、トルク指令Fと車速
偏差D(入出力回転差)から押し付け力指令Gを決定す
る。ステップ308では、押し付け力指令Gに応じた電
磁ソレノイド7に対する電流指令Hを演算する。この場
合、クラッチ締結前は最大値を出力し、締結後は比例関
係とし、フィードフォワード、フィードバックによるP
ID制御を実行する。ステップ309では、電圧指令J
を演算する。
【0026】また、以上の滑り制御を実行している間、
エンジンでは、ステップ311において、出力軸回転数
指令AAに基づいてエンジン回転数指令Qを演算し、続
くステップ312において、エンジン回転数指令Qとト
ルク指令Fとに基づいてエンジン制御操作量Rを求め
る。以上の制御により、上り坂でアクセルペダルから足
を離している状態で車輪速が0となるように、クラッチ
C/Lを滑らせるとともに、エンジンEGが停止するこ
との無いように必要なトルクを出力するものである。
【0027】以上説明したように、実施の形態1にあっ
ては、定常走行時には、クラッチC/Lを完全に締結さ
せて、入力軸1から出力軸2へ途中で滑りが発生するこ
となくトルク伝達を行うもので、エネルギロスが生じる
ことがなく、効率のよいトルク伝達を行うことができ
る。しかも、発進やクリープやヒルホールドといった、
トルクが必要なときには、クラッチC/Lを滑らせて出
力軸2を減速させて、高トルクでトルク伝達を行うこと
ができる。したがって、発進やクリープやヒルホールド
において、十分なトルクを得ることができる。また、滑
りを発生させるクラッチC/Lには、湿式の多板クラッ
チを用いているため、熱が発生し難いとともに、外形寸
法を小さくすることができ、エンジンEGと変速機構部
91との間に設けるのに有利であり、車載性に優れる。
【0028】加えて、本実施の形態1では、ヒルホール
ドトルク制御時にあっては、滑り制御を所定時間実行し
たら、滑り制御における滑り量を一定量で増大させなが
らヒルホールドトルク制御を停止させるようにしてい
る。すなわち、クラッチC/Lとして湿式の多板クラッ
チを用いているために、発熱量は従来よりも低いものの
滑り制御を続けていると発熱する。そこで、滑り制御を
所定時間継続させたら、クラッチC/Lにおける発熱量
がそれ以上上昇し続けるのを防止して、滑り量を一定量
で増大させてクラッチC/Lを解放させ、発熱を抑えて
クラッチC/Lの摩擦面の保護を図ることができる。
【0029】(実施の形態2)図6は実施の形態2の車
両用クラッチ装置を示す全体構成図である。この実施の
形態2にあっては、出力軸2をいわゆる自動変速機の変
速機構部291に接続させた場合を示している。この場
合、変速機後部291の作動は、AT駆動回路ならびに
AT制御部を備えたATコントロールユニットATCU
により行う。 (実施の形態3)図7は実施の形態3の車両用クラッチ
装置を示す全体構成図である。この実施の形態3にあっ
ては、出力軸2を手動変速機の変速機後部391に接続
させた場合を示している。以上示した実施の形態2,3
の他の構成については、実施の形態1と同一であるので
説明を省略する。
【0030】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計の変更などがあっても本発明に含まれる。例え
ば、クラッチとして湿式の多板クラッチを用い、かつ、
コントロールカム8によりトルクを増大させながら押圧
力に替える手段を用いた例を示したが、請求項1に記載
の発明にあっては、クラッチとして多板クラッチに限ら
れるものではない。また、コントロールカム8などは、
用いた方が好ましいものではあるが、必須ではない。ま
た、ステップ125およびステップ126におけるヒル
ホールド制御条件としては、これらに限られず、例えば
前後加速度センサを用いて、上り坂を検出した場合とす
るなど、他の条件を設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態1の車両用クラッチ装置を示
す断面図である。
【図2】実施の形態1を適用した車両のパワートレーン
を示す全体構成図である。
【図3】実施の形態1における制御流れを示すフローチ
ャートである。
【図4】実施の形態1における発進時およびクリープト
ルク制御時のクラッチ滑り制御流れを示すフローチャー
トである。
【図5】実施の形態1におけるヒルホールドトルク制御
の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施の形態2の車両用クラッチ装置を適用した
パワートレーンを示す全体構成図である。
【図7】実施の形態3の車両用クラッチ装置を適用した
パワートレーンを示す全体構成図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 5 振動吸収手段 51 弾性プレート 52 ダンパ 52a 外側プレート 52b 内側プレート 6 中心軸 7 電磁ソレノイド 7a アマチュア 8 コントロールカム 8a カムリング 8b カムリング 8c,8d カム溝 8e ボール 8f,8g ミニクラッチ板 11 クラッチケース 11d 内側クラッチ板 11e 外側クラッチ板 11p プレート 61 プレート 63 プレート 91 変速機構 91 変速機構部 291 変速機後部 391 変速機後部 C/L クラッチ CLCU クラッチコントロールユニット(制御手
段) CLM 車両用クラッチ装置 CVTCU CVTコントロールユニット EG エンジン TM トランスミッション UH ユニットハウジング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源側から従動側へトルク伝達を行う
    途中に設けられたクラッチと、 このクラッチの締結状態を制御する制御手段と、を備
    え、 前記制御手段は、車両停車時に前記クラッチを滑り制御
    することを特徴とする車両用クラッチ装置。
  2. 【請求項2】 前記クラッチは、複数の駆動側クラッチ
    板と複数の従動側クラッチ板を交互に配置した多板クラ
    ッチであることを特徴とする請求項1に記載の車両用ク
    ラッチ装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、滑り制御を実行中に摩
    擦面温度に関する停止条件が成立したら滑り制御を解除
    してクラッチを解放させることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の車両用クラッチ装置。
  4. 【請求項4】 前記摩擦面温度に関する停止条件は、滑
    り制御の実行継続時間が所定時間となることであること
    を特徴とする請求項3に記載の車両用クラッチ装置。
  5. 【請求項5】 前記摩擦面温度に関する停止条件は、ク
    ラッチの雰囲気温度が所定温度を超えることであること
    を特徴とする請求項3に記載の車両用クラッチ装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、滑り制御を解除する際
    には、徐々に滑り量を多くしてクラッチの締結を解除す
    ることを特徴とする請求項3ないし5に記載の車両用ク
    ラッチ装置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、エンジン駆動中であっ
    て、アクセルオフ、かつ、車速が0で、さらに所定のヒ
    ルホールド条件が成立したときに、前記クラッチを滑り
    制御して従動側への出力回転数を0とするヒルホールド
    トルク制御を実行することを特徴とする請求項1ないし
    6に記載の動力伝達装置。
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