JP2002088602A

JP2002088602A - 意匠糸製造装置

Info

Publication number: JP2002088602A
Application number: JP2000286995A
Authority: JP
Inventors: Nobuyasu Nishi; 信康西
Original assignee: NISHI NENSHI KK
Current assignee: NISHI NENSHI KK
Priority date: 2000-09-21
Filing date: 2000-09-21
Publication date: 2002-03-27

Abstract

(57)【要約】【課題】ニット用のべら針と、このべら針に対し固定
位置を調節可能にしたゲージと、両者に花糸を巻き付け
るフライヤーによって芯糸と花糸を同時にニットして意
匠糸を製造することができる意匠糸製造装置を提供す
る。【解決手段】固定位置においてそれ自体上下動作をし
ながら芯糸Ａと花糸Ｂを同時にニットするべら針１と、
このべら針１に対置され、芯糸Ａに対する花糸Ｂの長さ
の長短を調節するために、該べら針１に対する固定位置
を可変可能にしたゲージ３ａと、上記べら針１とゲージ
３ａに対して花糸Ｂを巻き付けるフライヤー１５を備
え、上記ゲージ３ａに掛け止められた花糸Ｂをカッター
３ｂによって切断し、又は切断せずに掛け外し装置３０
を用いて送出して意匠糸Ｃを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、意匠糸製造装置に
係り、特にニット用のべら針と、このべら針に対し固定
位置を調節可能にしたゲージと、両者に花糸を巻き付け
るフライヤーによって芯糸と花糸を同時にニットして意
匠糸を製造することができる意匠糸製造装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、芯糸と花糸を同時にニットし
て意匠糸を製造する意匠糸製造装置として、図７（ａ）
及び（ｂ）に示すような、内面に対称位置に装置される
べら針５０とカッター針５１を上下動作させるためのカ
ム溝５２を穿設した円筒状のカム筒５３の筒孔５４内
に、中心軸線上に芯糸Ａを挿通案内させる貫通孔５５を
形成すると共に、外周壁上一側に軸方向に向かうべら針
５０用の案内溝５６を、また直径方向の他側対称位置に
カッター針５１用の案内溝５７を穿設したシリンダー５
８を内装し、両者５４、５８間にべら針５０とカッター
針５１を介装した状態でカム筒５４又はシリンダー５８
（図示例はカム筒５３を回転させる構造を示している）
を相対的に回転させることによりべら針５０とカッター
針５１に軸方向に沿った往復運動を起こさせ、シリンダ
ー５８の貫通孔５５内を通過する芯糸Ａとフライヤー５
９によってべら針５０とカッター針５１間に掛け渡され
た花糸Ｂをべら針５０によって同時にニットする（図７
（ａ）参照）と共に、カッター針５１によって花糸Ｂの
先端部分をカットして（図７（ｂ）参照）意匠糸Ｃに仕
上げる装置が用いられていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の装置においては、カム筒５３とそれに内装すべきシ
リンダー５８の外径及び内径が予め設計された大きさに
特定されており、花糸Ｂの長さを変えるためにはカム筒
５３及びシリンダー５８をを含め、装置全体を所望の花
糸Ｂの長さに合わせて設計変更をする必要があり、各種
長さの花糸Ｂをニットするために夫々の長さに対応した
装置を準備しなければならず、極めて不経済であり、操
作性に劣るという問題を有するものであった。

【０００４】本発明は、上記問題を解決するために創案
されたものであり、カム筒を用いることなくべら針と花
糸の長さを自由に調節することができるゲージを使用し
た一台の装置によって各種長さの花糸を芯糸に編み込む
ことができるように構成し、装置自体の操作性を向上す
ると共に、従来のカム筒とシリンダーを用いた装置の側
方にゲージを付設するだけで従来の装置をそのまま利用
して実施化することも可能であり、芯糸に対する花糸の
長さを任意の長さに調節し、意匠性に優れた意匠糸を簡
単に製造することができる意匠糸製造装置を提供するこ
とを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題を解決するためになされたものであって、その要旨と
するところは、固定位置においてそれ自体上下動作をし
ながら芯糸と花糸を同時にニットするべら針と、このべ
ら針に対置され、芯糸に対する花糸の長さの長短を調節
するために、該べら針に対する固定位置を可変可能にし
たゲージと、上記べら針とゲージに対して花糸を巻き付
けるフライヤーを備えたことにある。

【０００６】前記ゲージには、掛け止められた花糸を切
断するカッターを付設した構成になっている。このゲー
ジには、前記カッターに替えて花糸掛け外し装置を付設
することもできる。

【０００７】更に前記フライヤーの回転位置は、べら針
とゲージの固定位置との中心に位置するように調節する
ことができ、かつフライヤーからの花糸の送出位置がべ
ら針とゲージの固定位置間の距離の２分の１長以上にな
るように構成してある。

【０００８】またべら針は、その中心軸線上に貫通孔を
有するべら針筒の外周壁上軸方向に沿って形成した案内
溝に装着すると共に、このべら針筒の外周に回転自在に
嵌め合わせたカム筒によって前記べら針に上下動作をさ
せるように構成することもできる。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に本発明に係る意匠糸製造装置
についての具体的構造を図面を参照しながら説明する。
図１は、本発明に係る意匠糸製造装置に関する原理を示
す第一の実施の形態に係る概略構成説明図、図２はフラ
イヤーの構造を示すものであり、（ａ）は平面図、
（ｂ）は部分側断面図、図３は駆動系を示す説明図であ
る。これらの図において、本発明に係る意匠糸製造装置
は、大きく分けて芯糸Ａと花糸Ｂを同時にニットするべ
ら針１を装置するニット機構部２と、べら針１に対置し
て芯糸Ａに編み込まれる花糸Ｂの長さを可変調整するゲ
ージ３ａ及びこのゲージ３ａに付設したカッター３ｂか
ら成る花糸長調整機構部３と、花糸Ｂをニット機構部２
及び花糸長調整機構部３間に送出するフライヤー駆動部
４によって構成されている。

【００１０】ニット機構部２（図１参照）は、基台６上
に設置したべら針支持体５の外側面上に案内溝５ａを上
下方向に添って穿設し、このべら針案内溝５ａ内にべら
針１を上下可動自在に収容すると共に、このべら針１に
クランクシャフト７の上部に一体形成した可動体８を接
合し、この可動体８をクランクプーリー９によって駆動
される上記クランクシャフト７を用いて上下動作させ、
べら針１を上下動作（矢印Ｘ方向）させるように構成し
たものである。符号Ｍ１は、上記クランクシャフト７を
回動させる電動機である。

【００１１】べら針１は、上部から外側へ向かって曲成
された鍵型のフック１ａと、ボビン１０から送糸されフ
ック１ａに掛け止めた芯糸Ａ、及びフライヤー駆動部４
側から送糸された花糸Ｂをその下降時に確実に挟持する
べら１ｂを具備しており、上昇時にべら１ｂを開放して
花糸Ｂを受け入れた後、下降しながらべら１ｂを閉じて
芯糸Ａと共にニット（筒編）することができるように構
成したものである。このべら針１の１回の上下運動で意
匠糸Ｃの１目をニットすることができるようにしたもの
である。

【００１２】花糸長調整機構部３は、上記ニット機構部
２と対置して基台６上に構成してあり、本実施形態にお
いては、所定の大きさ（幅又は径）を有し、外側に向か
ってフック部３ｃを形成したゲージ３ａにカッター（例
えば、剃刀等）３ｂを付設してある。このゲージ３ａ
は、一般的には２枚の板材を張り合わせた構造を有して
おり、両板材によってカッター３ｂを挟み込んで固定さ
れた状態に構成することにより、べら針１に対する同一
軸線上に設置し得るようになっており、所望により基台
６上において上記ニット機構部２側に向かって開設され
た調整溝６ａ内を適宜スライド（矢印Ｙ方向）させて所
望位置に螺子６ｂ締めにて固定することができるように
なっている。上記カッター３ｂは、この調整溝６ａの長
手方向中心線上に位置し、上記べら針１と同一軸線上に
対置される。これはゲージ３ａに掛け止められた花糸Ｂ
がその下降に伴ってカッター３ｂによって切断される際
の切断機能を確実に実行させるための構成である。

【００１３】しかし、このカッター３ｂに上記と同様の
切断機能を持たせることができる構造のものであれば、
必ずしもカッター３ｂをゲージ３ａを形成する２枚の板
材で挟持固定するように構成する必要がないことは勿論
である。

【００１４】花糸Ｂは、後述するフライヤー駆動部４側
から送糸され、べら針１とゲージ３ａの外側から巻き付
けられると共に、芯糸Ａと共にフック１ａとべら１ｂの
間に掛け止められる。そして、べら針１の上下運動によ
って両糸Ａ、Ｂが同時にニットされ、ニット後（筒網さ
れた状態）の両糸Ａ、Ｂの下降に伴ってゲージ３ａ側に
掛け止められた花糸Ｂの係止部を下降させながら、カッ
ター３ｂによってその係止部を切断し、芯糸Ａに所定長
さの花糸Ｂが編み込まれた意匠糸Ｃを製造することがで
できる。また、ニットされた意匠糸Ｃは、上記基台６に
開設した透孔６ｃを介してその下方に配設したガイド１
１，１１を経由してロール１２に巻き取られるようにな
っている。Ｍ２は、上記ロール１２を回転させる電動機
である。

【００１５】フライヤー駆動部４は、図２（ａ）及び
（ｂ）に示すように、装置の天板１３上に装着されてお
り、天板１３に対して固定位置を自由に調節することが
できるように取り付けられ、所定方向へ自在に回転する
中空スピンドル１４と、この中空スピンドル１４下端部
に取り付けられ、天板１３の下部において中空スピンド
ル１４と共に回転するフライヤー１５によって構成され
ている。

【００１６】即ち、フライヤー駆動部４は、上記天板１
３に開設した位置調整溝１３ａを介して固定される構造
になっている。また、この位置調整溝１３ａは、上記ニ
ット機構部２と花糸長調整機構部３の配置関係（対置位
置方向）に対応する方向に添って開設されており、この
位置調整溝１３ａ内においてフライヤー駆動部４の天板
１３に対する固定位置を可変調整することができるよう
になっている。

【００１７】即ち、フライヤー駆動部４に構成したフラ
イヤー１５は、天板１３下に懸垂された状態で固定され
ており、中空スピンドル１４の筒内を経由させた花糸Ｂ
をフライヤー１５の先端部１５ａに掛け渡し、フライヤ
ー１５の回転に応じて、花糸Ｂをべら針１のフック部１
ａとゲージ３ａ間に巻き付け芯糸Ａに対する花糸Ｂの長
短を調整することができるようになっている。また、こ
のフライヤー駆動部４は、上記ゲージ３ａ位置に応じて
回転中心位置、即ち中空スピンドル１４の固定位置を調
整（図２，Ｚ方向）することができるようになってお
り、花糸Ｂ長を自由に変えることができる。この場合、
上記フライヤー１５の先端部１５ａがべら針１とゲージ
３ａの固定位置間の外周を回転することができるよう
に、中空スピンドル１４の中心軸がべら針１とゲージ３
ａの固定位置間の距離の略２分の１長以上になるような
位置に固定する。

【００１８】また、１６は天板１３上に回動自在に装置
されたタイミングプーリーであり、このタイミングプー
リー１６によって駆動される芯糸スライド用振りシャフ
ト１７によってべら針１に対して送糸する芯糸供給のタ
イミングを調整するように構成されている。この場合、
タイミングプーリー１６と、クランクシャフト７を介し
てべら針１に上下動作を与えるクランクプーリー９との
回転タイミングは、２対１の割合になるように構成され
ており、クランクプーリー９の一回転でべら針１を一回
上下運動させて一目をニットする。また、芯糸Ａのべら
針１に対する振り動作は、べら針１の一回の上下運動に
対して、右側へ移動した時に一目、左側へ移動した時に
一目ニットするようになっている（図３参照）。Ｍ３
は、中空スピンドル１４及びタイミングプーリー１６を
回転させる電動機であり、１８はこの電動機Ｍ３の回転
力を伝動するベルトである。

【００１９】図４は、ゲージ３ａに装置するカッターに
関する他の実施の形態を示すものであり、該ゲージ３ａ
に掛け止められた花糸Ｂを切断するために、第一の実施
の形態に示すカッター３ｂに替えて、図４に示すような
ゲージ２０ａと、このゲージ２０ａと共働する丸刃回転
カッター２０ｂを組み合わせたものである。このような
構成にすると、両者の係合部に花糸Ｂが挟まれる状態で
切断されるめ、切断性能が向上するという効果がある。

【００２０】また、図５は同じく、第一の実施の形態に
おけるカッター３ｂや第二の実施の形態における丸刃回
転カッター２０ｂに替えて、外周に適宜間隔をおいてリ
ング状に掛止片３０ｂを植設した掛止リング３０ａを備
えて成る花糸掛け外し装置３０を装着したものである。
このような掛止リング３０ａによって、花糸Ｂの送り動
作をさせることにより花糸の先端を切断することなく、
リング状に残したままニットすることができるため、花
糸Ｂの編み込み後の意匠糸Ｃに独特な意匠性を形成する
ことができ、意匠糸Ｃに優れた風合いを醸成することが
できる。

【００２１】図６は、従来から使用していた、べら針１
を中心軸線上に貫通孔４１を有するべら針筒４２の外周
壁上軸方向に沿って形成した案内溝４２ａに装着すると
共に、このべら針筒４２の外周に回転自在に嵌め合わせ
たカム筒４３によって上記べら針１を上下動作をさせる
ように構成したニット機構部４０と、これに対置した花
糸長調整機構部３によって構成したものである。図中符
号Ｍ４は、カム筒４３を駆動する電動機、４４はカム筒
４３と電動機Ｍ４を駆動連結するためのベルトである。
このような構成によれば、従来使用していたニット機構
部４０をそのまま利用して上記花糸長調整機構部３を付
設するだけで、芯糸Ａに対する花糸Ｂの長さ調節をする
ことが可能であり、従来の資源を生かして新しい装置と
しての構成を実現できるという効果がある。

【００２２】なお、上記第一乃至第三の実施の形態にお
いて、複数本のべら針１を並設し、これらのべら針１を
順次上下動させながら、ニットするように構成すること
も可能であり、編み目が重合した重量感のある意匠糸Ｃ
を製造することができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明に係る意匠糸製造装置は、以上の
ように構成したから、簡単な構成により一台の装置によ
って各種長さの花糸を芯糸に編み込むことができると共
に、装置自体の操作性に優れ、かつカム筒とシリンダー
を交換し、又はシリンダーからカッター針を取り外して
ゲージをカム筒の側方に付設するだけで従来の装置をそ
のまま利用して実施化することも可能である等、優れた
作用効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る意匠糸製造装置に関する原理を示
す第一の実施の形態に係る概略構成説明図である。

【図２】フライヤーの構造を示すものであり、（ａ）は
平面図、（ｂ）は部分側断面図である。

【図３】駆動系を示す説明図である。

【図４】ゲージに装置するカッターに関する他の実施の
形態を示す概略構成図である。

【図５】カッターに替えて装着する花糸掛け外し装置に
関する実施の形態を示す概略構成図である。

【図６】従来から使用していたニット機構部に、本発明
に係る花糸長調整機構部を併設して構成した意匠糸製造
装置を示す概略構成図である。

【図７】従来の意匠糸製造装置を示す概略構成図であ
る。

【符号の説明】

Ａ芯糸Ｂ花糸Ｃ意匠糸Ｍ１，Ｍ２，Ｍ３，Ｍ４電動機１べら針１ａフック１ｂべら２ニット機構部３花糸長調整機構部３ａゲージ３ｂカッター３ｃフック部４フライヤー駆動部５針支持体５ａべら針案内溝６基台６ａ調整溝６ｂ螺子６ｃ透孔７クランクシャフト８可動体９クランクプーリー１０ボビン１１ガイド１２ロール１３天板１３ａ位置調整溝１４中空スピンドル１５フライヤー１５ａフライヤーの先端部１６タイミングプーリー１７芯糸スライド用振りシャフト１８ベルト２０ａゲージ２０ｂカッター３０花糸掛け外し装置３０ａ掛止リング３０ｂ掛止片４０ニット機構部４１貫通孔４２べら針筒４２ａ案内溝４３カム筒４４ベルト５０べら針５１カッター針５２カム溝５３カム筒５４筒孔５５貫通孔５６案内溝５７案内溝５８シリンダー５９フライヤー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】固定位置においてそれ自体上下動作をし
ながら芯糸と花糸を同時にニットするべら針と、このべら針に対置され、芯糸に対する花糸の長さの長短
を調節するために、該べら針に対する固定位置を可変可
能にしたゲージと、上記べら針とゲージに対して花糸を巻き付けるフライヤ
ーを備えた意匠糸製造装置。
【請求項２】前記ゲージに掛け止められた花糸を切断
するカッターを付設したことを特徴とする請求項１の意
匠糸製造装置。
【請求項３】前記ゲージに花糸掛け外し装置を付設し
たことを特徴とする請求項１の意匠糸製造装置。
【請求項４】前記フライヤーの回転位置がべら針とゲ
ージの固定位置との中心に位置するように調節すること
ができ、かつ、フライヤーからの花糸の送出位置がべら針とゲー
ジの固定位置間の距離の略２分の１長以上であることを
特徴とする請求項１，２又は３の意匠糸製造装置。
【請求項５】前記べら針を中心軸線上に貫通孔を有す
るべら針筒の外周壁上軸方向に沿って形成した案内溝に
装着すると共に、このべら針筒の外周に回転自在に嵌め
合わせたカム筒によって前記べら針に上下動作をさせる
ように構成したことを特徴とする請求項１，２，３又は
４の意匠糸製造装置。