JP2002086711A - インクジェットヘッドの駆動方法 - Google Patents
インクジェットヘッドの駆動方法Info
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- JP2002086711A JP2002086711A JP2000273342A JP2000273342A JP2002086711A JP 2002086711 A JP2002086711 A JP 2002086711A JP 2000273342 A JP2000273342 A JP 2000273342A JP 2000273342 A JP2000273342 A JP 2000273342A JP 2002086711 A JP2002086711 A JP 2002086711A
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- ink
- drive pulse
- ink chamber
- electrode
- pulse
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2002/14403—Structure thereof only for on-demand ink jet heads including a filter
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2202/00—Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
- B41J2202/01—Embodiments of or processes related to ink-jet heads
- B41J2202/10—Finger type piezoelectric elements
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】インクジェットヘッドを加熱する発熱体を設け
ることなくインクジェットヘッドに構成されている全て
のインク室内のインクの温度を均一にすることができ、
コストの著しい上昇を招くことなく画質の劣化を防止す
る。 【解決手段】インクを吐出すべきインク室12−2B及
び12−3Bの隔壁11を第1駆動パルスP1及び第2
駆動パルスP2により変形させた後に、インクを吐出す
べきでないインク室12−1Bの隔壁11を第3駆動パ
ルスP3により変形させる。インク室12−2B及び1
2−3Bの隔壁11に生じる発熱がインク室12−1B
の隔壁11にも同様に生じ、インク室12間でインク温
度が不均一になることを防止できる。
ることなくインクジェットヘッドに構成されている全て
のインク室内のインクの温度を均一にすることができ、
コストの著しい上昇を招くことなく画質の劣化を防止す
る。 【解決手段】インクを吐出すべきインク室12−2B及
び12−3Bの隔壁11を第1駆動パルスP1及び第2
駆動パルスP2により変形させた後に、インクを吐出す
べきでないインク室12−1Bの隔壁11を第3駆動パ
ルスP3により変形させる。インク室12−2B及び1
2−3Bの隔壁11に生じる発熱がインク室12−1B
の隔壁11にも同様に生じ、インク室12間でインク温
度が不均一になることを防止できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インク室内のイ
ンクを加圧して記録媒体上に吐出することにより画像形
成を行なうインクジェットプリンタにおけるインクジェ
ットヘッドの駆動方法に関する。
ンクを加圧して記録媒体上に吐出することにより画像形
成を行なうインクジェットプリンタにおけるインクジェ
ットヘッドの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、印刷対象で
ある画像を構成する画素に対して2値以上の多値化を行
い、この結果得られた画素毎のデータに基づいて、イン
クジェットヘッドを介して吐出されるインク滴により記
録媒体上への画像の形成を制御している。インクジェッ
トヘッドからインクを吐出する方法は、基本的には、ノ
ズルに至るインク通路において、極めて短時間にインク
を加圧することにより、インク滴がノズルから吐出する
ようにしている。インクに加える圧力の発生方式として
は、電歪素子を用いた方式や加熱による気泡の発生を用
いた方式がある。
ある画像を構成する画素に対して2値以上の多値化を行
い、この結果得られた画素毎のデータに基づいて、イン
クジェットヘッドを介して吐出されるインク滴により記
録媒体上への画像の形成を制御している。インクジェッ
トヘッドからインクを吐出する方法は、基本的には、ノ
ズルに至るインク通路において、極めて短時間にインク
を加圧することにより、インク滴がノズルから吐出する
ようにしている。インクに加える圧力の発生方式として
は、電歪素子を用いた方式や加熱による気泡の発生を用
いた方式がある。
【0003】このようなインクジェットプリンタにおけ
るインクの吐出状態は、粘度等のインク特性に依存す
る。また、インクの粘度はインクの温度に応じて変化
し、インクの温度が低いほどインクの粘度が高くなる。
したがって、インクの温度が変化するとインクの吐出量
や吐出速度が変動し、画像に濃度ムラを生じたり、ドッ
ト形成位置に誤差を生じたりして画質が劣化する。特
に、インクジェットヘッドの各インク室に設けた圧電素
子によりインクを加圧する構成では駆動時の圧電素子に
おけるヒステリシス損により圧電素子が発熱するが、イ
ンク室毎のインクの吐出頻度に差異があるとインク室毎
に圧電素子の発熱状態が異なり、インクジェットヘッド
に形成された複数のインク室においてインクの吐出状態
が不均一になる。
るインクの吐出状態は、粘度等のインク特性に依存す
る。また、インクの粘度はインクの温度に応じて変化
し、インクの温度が低いほどインクの粘度が高くなる。
したがって、インクの温度が変化するとインクの吐出量
や吐出速度が変動し、画像に濃度ムラを生じたり、ドッ
ト形成位置に誤差を生じたりして画質が劣化する。特
に、インクジェットヘッドの各インク室に設けた圧電素
子によりインクを加圧する構成では駆動時の圧電素子に
おけるヒステリシス損により圧電素子が発熱するが、イ
ンク室毎のインクの吐出頻度に差異があるとインク室毎
に圧電素子の発熱状態が異なり、インクジェットヘッド
に形成された複数のインク室においてインクの吐出状態
が不均一になる。
【0004】そこで、従来のインクジェットプリンタと
して、特開平10−193597号公報には、インクジ
ェットヘッドに発熱体を設け、インクの温度が低下した
際に発熱体によってインクジェットヘッド全体を加熱す
ることにより、全てのインク室内のインクの温度を均一
に高温にし、各インク室からのインクの吐出状態を良好
な状態に均一化するようにした構成が開始されている。
して、特開平10−193597号公報には、インクジ
ェットヘッドに発熱体を設け、インクの温度が低下した
際に発熱体によってインクジェットヘッド全体を加熱す
ることにより、全てのインク室内のインクの温度を均一
に高温にし、各インク室からのインクの吐出状態を良好
な状態に均一化するようにした構成が開始されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平10−193597号公報に開示された構成では、
インクジェットヘッドにインク加熱用の発熱体を追加す
るとともに、その駆動制御のために検出素子や駆動回路
を別途設ける必要があり、コストの上昇を招く問題があ
った。また、インク室毎の吐出頻度に応じたインク室毎
の温度を均一化するものは、従来なかった。
開平10−193597号公報に開示された構成では、
インクジェットヘッドにインク加熱用の発熱体を追加す
るとともに、その駆動制御のために検出素子や駆動回路
を別途設ける必要があり、コストの上昇を招く問題があ
った。また、インク室毎の吐出頻度に応じたインク室毎
の温度を均一化するものは、従来なかった。
【0006】この発明の目的は、インクジェットヘッド
を加熱する発熱体を設けることなくインクジェットヘッ
ドに構成されている全てのインク室内のインクの温度を
均一にすることができ、コストの著しい上昇を招くこと
なく画質の劣化を防止することができるインクジェット
ヘッドの駆動方法を提供することにある。
を加熱する発熱体を設けることなくインクジェットヘッ
ドに構成されている全てのインク室内のインクの温度を
均一にすることができ、コストの著しい上昇を招くこと
なく画質の劣化を防止することができるインクジェット
ヘッドの駆動方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するための手段として、以下の構成を備えてい
る。
を解決するための手段として、以下の構成を備えてい
る。
【0008】(1) 電極を有する圧電体の隔壁を挟んで並
設された複数のインク室を互いに異なる吐出期間が設定
された所定数のグループに分け、吐出期間にあるインク
室のうち画像データに基づいて選択されたインクを吐出
すべきインク室の電極に第1の駆動パルスを印加した
後、非吐出期間にあるインク室の電極に第2の駆動パル
スを印加し、又は前記とは逆極性となる駆動パルスで非
吐出期間にあるインク室の電極に第1の駆動パルスを印
加した後、吐出期間にあるインク室のうち画像データに
基づいて選択されたインクを吐出すべきインク室の電極
に第2の駆動パルスを印加し、隔壁に生じた剪断変形に
よって画像データに応じたインク室内のインクを加圧し
て吐出するインクジェットヘッドの駆動方法において、
吐出期間にあるインク室のうちインクを吐出すべきでな
いインク室の電極に対して、そのインク室内のインクに
吐出時の圧力より小さい圧力が加わる剪断変形を隔壁に
生じさせる第3の駆動パルスを、第1の駆動パルス及び
第2の駆動パルスのオフ期間に印加することを特徴とす
る。
設された複数のインク室を互いに異なる吐出期間が設定
された所定数のグループに分け、吐出期間にあるインク
室のうち画像データに基づいて選択されたインクを吐出
すべきインク室の電極に第1の駆動パルスを印加した
後、非吐出期間にあるインク室の電極に第2の駆動パル
スを印加し、又は前記とは逆極性となる駆動パルスで非
吐出期間にあるインク室の電極に第1の駆動パルスを印
加した後、吐出期間にあるインク室のうち画像データに
基づいて選択されたインクを吐出すべきインク室の電極
に第2の駆動パルスを印加し、隔壁に生じた剪断変形に
よって画像データに応じたインク室内のインクを加圧し
て吐出するインクジェットヘッドの駆動方法において、
吐出期間にあるインク室のうちインクを吐出すべきでな
いインク室の電極に対して、そのインク室内のインクに
吐出時の圧力より小さい圧力が加わる剪断変形を隔壁に
生じさせる第3の駆動パルスを、第1の駆動パルス及び
第2の駆動パルスのオフ期間に印加することを特徴とす
る。
【0009】この構成においては、吐出期間にあるイン
ク室のうち、インクを吐出すべきインク室を構成する隔
壁が第1の駆動パルス及び第2の駆動パルスにより剪断
変形するとともに、インクを吐出すべきでないインク室
を構成する隔壁が第1の駆動パルス及び第2の駆動パル
スのオフ期間に印加される第3の駆動パルスによって吐
出時の圧力より小さい圧力がインクに加わる程度に剪断
変形する。したがって、インクを吐出すべきでないイン
ク室は、隔壁の剪断変形時におけるヒステリシス損によ
り、インクを吐出することなく加熱される。
ク室のうち、インクを吐出すべきインク室を構成する隔
壁が第1の駆動パルス及び第2の駆動パルスにより剪断
変形するとともに、インクを吐出すべきでないインク室
を構成する隔壁が第1の駆動パルス及び第2の駆動パル
スのオフ期間に印加される第3の駆動パルスによって吐
出時の圧力より小さい圧力がインクに加わる程度に剪断
変形する。したがって、インクを吐出すべきでないイン
ク室は、隔壁の剪断変形時におけるヒステリシス損によ
り、インクを吐出することなく加熱される。
【0010】(2) 電極を有する圧電体の隔壁を挟んで複
数のインク室を並設し、画像データに基づいて選択され
たインクを吐出すべきインク室の電極に第1の駆動パル
スを印加した後、隣接するインク室の電極に第2の駆動
パルスを印加し、又は前記とは逆極性となる駆動パルス
で非吐出期間にあるインク室の電極に第1の駆動パルス
を印加した後、吐出期間にあるインク室のうち画像デー
タに基づいて選択されたインクを吐出すべきインク室の
電極に第2の駆動パルスを印加し、隔壁に生じた剪断変
形によって画像データに応じたインク室内のインクを加
圧して吐出するインクジェットヘッドの駆動方法におい
て、インクの吐出が開始される前に、温度状態に応じ
て、インク室内のインクに吐出時の圧力以上の圧力を加
えない剪断変形を隔壁に生じさせる第3の駆動パルスを
所定のインク室の電極に印加することを特徴とする。
数のインク室を並設し、画像データに基づいて選択され
たインクを吐出すべきインク室の電極に第1の駆動パル
スを印加した後、隣接するインク室の電極に第2の駆動
パルスを印加し、又は前記とは逆極性となる駆動パルス
で非吐出期間にあるインク室の電極に第1の駆動パルス
を印加した後、吐出期間にあるインク室のうち画像デー
タに基づいて選択されたインクを吐出すべきインク室の
電極に第2の駆動パルスを印加し、隔壁に生じた剪断変
形によって画像データに応じたインク室内のインクを加
圧して吐出するインクジェットヘッドの駆動方法におい
て、インクの吐出が開始される前に、温度状態に応じ
て、インク室内のインクに吐出時の圧力以上の圧力を加
えない剪断変形を隔壁に生じさせる第3の駆動パルスを
所定のインク室の電極に印加することを特徴とする。
【0011】この構成においては、インクの吐出が開始
される前に、インク室の温度状態に応じて、所定のイン
ク室の電極に対して第3の駆動パルスが印加され、隔壁
がインク室内のインクに吐出時の圧力以上の圧力を加え
ることのない剪断変形を生じる。したがって、インク室
の温度が所定の状態にある場合に、画像データに基づい
てインクを吐出する前に、全てのインク室が、隔壁の剪
断変形時におけるヒステリシス損により、インクを吐出
することなく加熱される。
される前に、インク室の温度状態に応じて、所定のイン
ク室の電極に対して第3の駆動パルスが印加され、隔壁
がインク室内のインクに吐出時の圧力以上の圧力を加え
ることのない剪断変形を生じる。したがって、インク室
の温度が所定の状態にある場合に、画像データに基づい
てインクを吐出する前に、全てのインク室が、隔壁の剪
断変形時におけるヒステリシス損により、インクを吐出
することなく加熱される。
【0012】(3) 前記第3の駆動パルスは、画像データ
に基づいて選択されたインクを吐出すべきインク室の電
極に印加される吐出駆動パルスと共通の信号線を介して
インク室の電極に印加されるとともに、選択信号により
前記吐出駆動パルスと択一的に有効にされることを特徴
とする。
に基づいて選択されたインクを吐出すべきインク室の電
極に印加される吐出駆動パルスと共通の信号線を介して
インク室の電極に印加されるとともに、選択信号により
前記吐出駆動パルスと択一的に有効にされることを特徴
とする。
【0013】この構成においては、第3の駆動パルス
が、インクを吐出すべきインク室の電極に印加される吐
出駆動パルスと同一の信号線において、選択信号によっ
て択一的に有効にされ、インクを吐出すべきでないイン
ク室の電極に印加される。したがって、インクを吐出す
べきインク室の電極に印加される吐出駆動パルスを発生
する駆動回路と第3の駆動パルスを発生する駆動回路と
が共通化され、構成が簡略化される。
が、インクを吐出すべきインク室の電極に印加される吐
出駆動パルスと同一の信号線において、選択信号によっ
て択一的に有効にされ、インクを吐出すべきでないイン
ク室の電極に印加される。したがって、インクを吐出す
べきインク室の電極に印加される吐出駆動パルスを発生
する駆動回路と第3の駆動パルスを発生する駆動回路と
が共通化され、構成が簡略化される。
【0014】(4) 前記第3の駆動パルスは、電圧値が第
1の駆動パルスに等しく、パルス幅が第1の駆動パルス
より狭いことを特徴とする。
1の駆動パルスに等しく、パルス幅が第1の駆動パルス
より狭いことを特徴とする。
【0015】この構成においては、第3の駆動パルスの
電圧値が第1の駆動パルスの電圧値に等しくされるとと
もに、吐出期間にあるインクを吐出すべきでないインク
室の電極に対して、隔壁の剪断変形によって容積が拡大
したインク室へのインクの流入より生じた圧力波がイン
ク室の全域を伝播する時間に等しく設定された第1の駆
動パルスのパルス幅よりも狭いパルス幅の第3の駆動パ
ルスが印加される。したがって、第3の駆動パルスを第
1の駆動パルスと同一の駆動回路から出力する際に電圧
値を変更する必要がない。また、インクを吐出すべきで
ないインク室においては、容積が拡大したインク室への
インクの流入により生じた圧力波がインク室の全域を伝
播する前に隔壁の形状が復元し、インク室内のインクが
吐出に至ることがない。
電圧値が第1の駆動パルスの電圧値に等しくされるとと
もに、吐出期間にあるインクを吐出すべきでないインク
室の電極に対して、隔壁の剪断変形によって容積が拡大
したインク室へのインクの流入より生じた圧力波がイン
ク室の全域を伝播する時間に等しく設定された第1の駆
動パルスのパルス幅よりも狭いパルス幅の第3の駆動パ
ルスが印加される。したがって、第3の駆動パルスを第
1の駆動パルスと同一の駆動回路から出力する際に電圧
値を変更する必要がない。また、インクを吐出すべきで
ないインク室においては、容積が拡大したインク室への
インクの流入により生じた圧力波がインク室の全域を伝
播する前に隔壁の形状が復元し、インク室内のインクが
吐出に至ることがない。
【0016】(5) 前記第3の駆動パルスは、第1の駆動
パルスの立ち上がり回数と第2の駆動パルスの立ち上が
り回数との和以下の立ち上がり回数でインクを吐出すべ
きでないインク室の電極に印加することを特徴とする。
パルスの立ち上がり回数と第2の駆動パルスの立ち上が
り回数との和以下の立ち上がり回数でインクを吐出すべ
きでないインク室の電極に印加することを特徴とする。
【0017】この構成においては、インクを吐出すべき
でないインク室の隔壁が、インクを吐出すべきインク室
の隔壁と同一回数以下の剪断変形を生じる。インクを吐
出すべきでないインク室では、隔壁の剪断変形時のヒス
テリシス損により発生した熱量によって圧電素子及びイ
ンクを加熱する。また、インクに加えられた圧力も摩擦
熱として圧電素子及びインクを加熱する。一方、インク
を吐出すべきインク室では、インクに加えられた圧力の
一部は吐出されたインクの運動エネルギとして消費さ
れ、また、加熱されたインクの一部はインクジェットヘ
ッドの外部に放出されることから、インクを吐出すべき
でないインク室よりも放熱される可能性がある。即ち、
インクを吐出すべきでないインク室をインクを吐出すべ
きインク室と必ずしも同等に加熱する必要はなく、それ
以下であってもよい。したがって、第3の駆動パルスの
立ち上がり回数はインクを吐出すべきインク室における
インクの吐出量と残留量との割合や吐出されるインク滴
の量と速度等を考慮して第1の駆動パルスの立ち上がり
回数と第2の駆動パルスの立ち上がり回数との和と同じ
回数にするか、又は、それ以下にするかが決定される。
でないインク室の隔壁が、インクを吐出すべきインク室
の隔壁と同一回数以下の剪断変形を生じる。インクを吐
出すべきでないインク室では、隔壁の剪断変形時のヒス
テリシス損により発生した熱量によって圧電素子及びイ
ンクを加熱する。また、インクに加えられた圧力も摩擦
熱として圧電素子及びインクを加熱する。一方、インク
を吐出すべきインク室では、インクに加えられた圧力の
一部は吐出されたインクの運動エネルギとして消費さ
れ、また、加熱されたインクの一部はインクジェットヘ
ッドの外部に放出されることから、インクを吐出すべき
でないインク室よりも放熱される可能性がある。即ち、
インクを吐出すべきでないインク室をインクを吐出すべ
きインク室と必ずしも同等に加熱する必要はなく、それ
以下であってもよい。したがって、第3の駆動パルスの
立ち上がり回数はインクを吐出すべきインク室における
インクの吐出量と残留量との割合や吐出されるインク滴
の量と速度等を考慮して第1の駆動パルスの立ち上がり
回数と第2の駆動パルスの立ち上がり回数との和と同じ
回数にするか、又は、それ以下にするかが決定される。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施形態に係
る駆動方法が適用されるインクジェットヘッドの構成を
示す組立図である。また、図2は、インクジェットヘッ
ドの基板の構成を示す斜視図、及び、インクジェットヘ
ッドの断面図である。剪断モード型のインクジェットヘ
ッド10は、PZT等の圧電体の板状体からなる基板1
の上面をカバープレート2及びフィルタ4によって被覆
するとともに、基板1の全面に複数のノズルを形成した
ノズルプレート3を固定して構成されている。基板1の
上面には、図2(A)に示すように、ダイヤモンドブレ
ード等を用いた切削加工により、隔壁11を挟んで溝状
のインク室12が複数並設して形成されている。隔壁1
1のインク室12に露出した両面には、上半分に金属電
極13がスパッタリング等によって形成されている。こ
の電極13には、インク室12毎に駆動パルスが印加さ
れる。
る駆動方法が適用されるインクジェットヘッドの構成を
示す組立図である。また、図2は、インクジェットヘッ
ドの基板の構成を示す斜視図、及び、インクジェットヘ
ッドの断面図である。剪断モード型のインクジェットヘ
ッド10は、PZT等の圧電体の板状体からなる基板1
の上面をカバープレート2及びフィルタ4によって被覆
するとともに、基板1の全面に複数のノズルを形成した
ノズルプレート3を固定して構成されている。基板1の
上面には、図2(A)に示すように、ダイヤモンドブレ
ード等を用いた切削加工により、隔壁11を挟んで溝状
のインク室12が複数並設して形成されている。隔壁1
1のインク室12に露出した両面には、上半分に金属電
極13がスパッタリング等によって形成されている。こ
の電極13には、インク室12毎に駆動パルスが印加さ
れる。
【0019】図1に示すノズルプレート3には、各イン
ク室12に対向する位置にノズルが形成されている。ま
た、各インク室12には、図示しないタンクからフィル
タ4及びカバープレート2に形成された孔部2aを経由
してインクが供給される。なお、図1に示す例では、カ
ラー画像の印刷に用いられるイエロー、マゼンタ、シア
ン及びブラックの各色のインクを分離するために、カバ
ープレート2には4個の孔部2aが形成されており、フ
ィルタ4は4分割に構成されている。また、これらの各
色の使用頻度を考慮して、ブラックのインクに対応する
孔部2aの開口面積及びフィルタ4の分割範囲が他より
も広くされている。
ク室12に対向する位置にノズルが形成されている。ま
た、各インク室12には、図示しないタンクからフィル
タ4及びカバープレート2に形成された孔部2aを経由
してインクが供給される。なお、図1に示す例では、カ
ラー画像の印刷に用いられるイエロー、マゼンタ、シア
ン及びブラックの各色のインクを分離するために、カバ
ープレート2には4個の孔部2aが形成されており、フ
ィルタ4は4分割に構成されている。また、これらの各
色の使用頻度を考慮して、ブラックのインクに対応する
孔部2aの開口面積及びフィルタ4の分割範囲が他より
も広くされている。
【0020】図2に示すように、基板1の上面に並設し
て形成された各インク室12は、2つの隔壁11に挟ま
れて形成されている。基板1を構成する圧電体は厚み方
向(図2(B)における上下方向)に分極されており、
各インク室12において互いに対向する電極13には同
一電位の駆動パルスが印加される。このため、各インク
室12は背面側において深さを浅くされて底面にも電極
13が形成されており、この部分に駆動パルスの入力電
極がワイヤボンディング等を用いて接続される。
て形成された各インク室12は、2つの隔壁11に挟ま
れて形成されている。基板1を構成する圧電体は厚み方
向(図2(B)における上下方向)に分極されており、
各インク室12において互いに対向する電極13には同
一電位の駆動パルスが印加される。このため、各インク
室12は背面側において深さを浅くされて底面にも電極
13が形成されており、この部分に駆動パルスの入力電
極がワイヤボンディング等を用いて接続される。
【0021】図3は、上記インクジェットヘッドにおけ
るインク吐出動作を説明する断面図である。また、図4
は、同インクジェットヘッドの電極に印加される駆動パ
ルスを示す図である。図3(A)に示すように、剪断モ
ード型のインクジェットヘッド10において、基板1上
に形成された連続する3個のインク室12a〜12cに
おける中央のインク室12bからインクを吐出する場合
を考える。
るインク吐出動作を説明する断面図である。また、図4
は、同インクジェットヘッドの電極に印加される駆動パ
ルスを示す図である。図3(A)に示すように、剪断モ
ード型のインクジェットヘッド10において、基板1上
に形成された連続する3個のインク室12a〜12cに
おける中央のインク室12bからインクを吐出する場合
を考える。
【0022】この場合、図4に示すようにインク室12
bからインクを吐出すべき吐出期間である時刻tsから
時刻teまでの間において、先ず、時刻t1から時刻t
2までの時間ALにおいて図4(A)に示す第1駆動パ
ルスP1をインク室12bの電極13bに対して印加す
る。これによって、図3(B)に示すように、インク室
12bを形成する隔壁11b及び11cが互いに離間す
る方向に剪断変形し、インク室12bの容積が拡大する
ことにより、インク室12b内にインクが流入する。
bからインクを吐出すべき吐出期間である時刻tsから
時刻teまでの間において、先ず、時刻t1から時刻t
2までの時間ALにおいて図4(A)に示す第1駆動パ
ルスP1をインク室12bの電極13bに対して印加す
る。これによって、図3(B)に示すように、インク室
12bを形成する隔壁11b及び11cが互いに離間す
る方向に剪断変形し、インク室12bの容積が拡大する
ことにより、インク室12b内にインクが流入する。
【0023】次に、時刻t2から時刻teまでの時間2
ALにおいて図4(B)に示す第2駆動パルスP2をイ
ンク室12bの両側に隣接するインク室12a及び12
cの電極13a及び13cに印加する。これによって、
図3(C)に示すように、インク室12aを構成する一
方の隔壁11bとインク室12cを構成する他方の隔壁
11cとが互いに接近する方向に剪断変形し、インク室
12bの容積が縮小することにより、インク室12b内
のインクがノズルから吐出される。
ALにおいて図4(B)に示す第2駆動パルスP2をイ
ンク室12bの両側に隣接するインク室12a及び12
cの電極13a及び13cに印加する。これによって、
図3(C)に示すように、インク室12aを構成する一
方の隔壁11bとインク室12cを構成する他方の隔壁
11cとが互いに接近する方向に剪断変形し、インク室
12bの容積が縮小することにより、インク室12b内
のインクがノズルから吐出される。
【0024】このとき、第1駆動パルスP1の印加時間
ALは、容積が拡大したインク室12bにインクが流入
することによる圧力波がインク室12bの全域を伝播し
てノズルに達するまでの時間であり、インク室12bの
長さをインク中の音速で除した時間である。これによっ
て、インクの流入によって生じた圧力波をインクの吐出
に効率的に活用できる。また、第2駆動パルスP2の印
加時間2ALは、インク室が収縮した際に発生する圧力
波がインク室12内を往復伝播する時間である。これに
よって、収縮したインク室が復元する際の負圧によって
インク吐出後の残留振動を効率的にキャンセルするする
ことができる。さらに、第2駆動パルスP2の立ち上が
りのタイミングは第1駆動パルスP1の立ち下がりタイ
ミングに一致させることにより、インク室が収縮した際
に発生する圧力波をインクの吐出に効率的に活用するよ
うにしている。
ALは、容積が拡大したインク室12bにインクが流入
することによる圧力波がインク室12bの全域を伝播し
てノズルに達するまでの時間であり、インク室12bの
長さをインク中の音速で除した時間である。これによっ
て、インクの流入によって生じた圧力波をインクの吐出
に効率的に活用できる。また、第2駆動パルスP2の印
加時間2ALは、インク室が収縮した際に発生する圧力
波がインク室12内を往復伝播する時間である。これに
よって、収縮したインク室が復元する際の負圧によって
インク吐出後の残留振動を効率的にキャンセルするする
ことができる。さらに、第2駆動パルスP2の立ち上が
りのタイミングは第1駆動パルスP1の立ち下がりタイ
ミングに一致させることにより、インク室が収縮した際
に発生する圧力波をインクの吐出に効率的に活用するよ
うにしている。
【0025】このように、第1駆動パルスP1の印加に
よって隔壁11に生じる拡大方向の剪断変形による圧力
波と第2駆動パルスP2の印加によって隔壁11に生じ
る縮小方向の剪断変形による圧力波との和によってイン
ク室12内のインクを吐出させるようにしているため、
第1駆動パルスP1及び第2駆動パルスP2のそれぞれ
の電圧値Vaは、インク室12からインクを吐出させる
ために十分な圧力を得るために隔壁11に与えるべき電
位差の1/2にされている。
よって隔壁11に生じる拡大方向の剪断変形による圧力
波と第2駆動パルスP2の印加によって隔壁11に生じ
る縮小方向の剪断変形による圧力波との和によってイン
ク室12内のインクを吐出させるようにしているため、
第1駆動パルスP1及び第2駆動パルスP2のそれぞれ
の電圧値Vaは、インク室12からインクを吐出させる
ために十分な圧力を得るために隔壁11に与えるべき電
位差の1/2にされている。
【0026】この発明の駆動方法が適用されるインクジ
ェットヘッドでは、各インク室の電極に対して、電圧V
aの第1駆動パルスP1及び第2駆動パルスP2に加え
て、電圧値Vaの第3駆動パルスP3が選択的に印加さ
れる。この第3駆動パルスP3は、第1駆動パルスP1
のパルス幅ALに比較して短いパルス幅AL′で、第1
駆動パルスP1及び第2駆動パルスP2と等しい電圧値
Vaにされた連続する2つのパルスである。第3駆動パ
ルスP3は、吐出期間T内において、第1駆動パルスP
1及び第2駆動パルスP2に重複しないタイミングで出
力される。
ェットヘッドでは、各インク室の電極に対して、電圧V
aの第1駆動パルスP1及び第2駆動パルスP2に加え
て、電圧値Vaの第3駆動パルスP3が選択的に印加さ
れる。この第3駆動パルスP3は、第1駆動パルスP1
のパルス幅ALに比較して短いパルス幅AL′で、第1
駆動パルスP1及び第2駆動パルスP2と等しい電圧値
Vaにされた連続する2つのパルスである。第3駆動パ
ルスP3は、吐出期間T内において、第1駆動パルスP
1及び第2駆動パルスP2に重複しないタイミングで出
力される。
【0027】図5は、上記インクジェットヘッドの駆動
部の構成を示す図である。基板1上に複数個連続して並
設されたインク室12は、互いに隣接しないA〜Cの3
つのグループに分けられている。即ち、複数個のインク
室12は、一方向(ここでは左から右へ向かう方向)に
順にAグループ、Bグループ、Cグループに所属し、各
グループに所属する隣接した3個によって1つのチャン
ネル群を構成している。各チャンネル群には一方向(こ
こでは左から右へ向かう方向)に昇順のチャンネル番号
Nが付与されている。
部の構成を示す図である。基板1上に複数個連続して並
設されたインク室12は、互いに隣接しないA〜Cの3
つのグループに分けられている。即ち、複数個のインク
室12は、一方向(ここでは左から右へ向かう方向)に
順にAグループ、Bグループ、Cグループに所属し、各
グループに所属する隣接した3個によって1つのチャン
ネル群を構成している。各チャンネル群には一方向(こ
こでは左から右へ向かう方向)に昇順のチャンネル番号
Nが付与されている。
【0028】なお、以下の説明のため、それぞれにチャ
ンネル群番号及びグループ名からなる後記号を付して各
インク室12を特定することとする。
ンネル群番号及びグループ名からなる後記号を付して各
インク室12を特定することとする。
【0029】第Nチャンネル群において連続する3個の
インク室12−NA、12−NB、12−NCのそれぞ
れの電極13には、第1駆動回路24aの共通パルスA
及び第2駆動回路24bの共通パルスBがゲート素子S
A(SA1〜SA3)、SB(SB1〜SB3)を介し
て接続されている。各ゲート素子SA、SBは、ゲート
切換タイミング回路21から出力されるゲート駆動信号
GSによって駆動される。共通パルスAは前述の第1駆
動パルスP1及び第3駆動パルスP3からなり、共通パ
ルスBは第2駆動パルスP2である。したがって、第1
〜第3の3種類の駆動パルスが2個の駆動回路から出力
されるため、必要とする駆動回路数が削減されてコスト
が低廉化される。
インク室12−NA、12−NB、12−NCのそれぞ
れの電極13には、第1駆動回路24aの共通パルスA
及び第2駆動回路24bの共通パルスBがゲート素子S
A(SA1〜SA3)、SB(SB1〜SB3)を介し
て接続されている。各ゲート素子SA、SBは、ゲート
切換タイミング回路21から出力されるゲート駆動信号
GSによって駆動される。共通パルスAは前述の第1駆
動パルスP1及び第3駆動パルスP3からなり、共通パ
ルスBは第2駆動パルスP2である。したがって、第1
〜第3の3種類の駆動パルスが2個の駆動回路から出力
されるため、必要とする駆動回路数が削減されてコスト
が低廉化される。
【0030】相選択回路22は、図示しない制御回路か
ら入力される3相カウント信号に基づいて選択信号SS
を出力する。3相カウンタ信号は吐出期間Tのn倍(n
は自然数であり、1つのグループ選択期間nTにおいて
連続して吐出可能な回数であり、nが2以上の場合、あ
る1つの画素に対して階調性をもたせることができ
る。)を1周期とするパルス信号であり、相選択回路2
2は3相カウンタ信号の立ち上がりのタイミングで選択
信号SSを出力すべきグループを順に切り換えて選択す
る。また、印字データバッファ23は、印刷対象の画像
における画素毎及び吐出期間毎に2値化された印刷デー
タを格納するとともに、画素毎及び吐出期間毎の印字デ
ータをゲート切換タイミング回路21に出力する。
ら入力される3相カウント信号に基づいて選択信号SS
を出力する。3相カウンタ信号は吐出期間Tのn倍(n
は自然数であり、1つのグループ選択期間nTにおいて
連続して吐出可能な回数であり、nが2以上の場合、あ
る1つの画素に対して階調性をもたせることができ
る。)を1周期とするパルス信号であり、相選択回路2
2は3相カウンタ信号の立ち上がりのタイミングで選択
信号SSを出力すべきグループを順に切り換えて選択す
る。また、印字データバッファ23は、印刷対象の画像
における画素毎及び吐出期間毎に2値化された印刷デー
タを格納するとともに、画素毎及び吐出期間毎の印字デ
ータをゲート切換タイミング回路21に出力する。
【0031】ゲート切換タイミング回路21は、ヘッド
駆動回路以外の回路から入力されるゲート選択タイミン
グパルス、相選択回路22から入力される選択信号S
S、及び、印字データバッファ23から入力される印字
データDTに基づいて、ゲート駆動信号GSを出力す
る。ゲート選択タイミングパルスは、吐出期間Tを1周
期として各吐出期間Tの開始タイミングで立ち上がり、
第1駆動パルスP1及び第2駆動パルスP2が立ち下が
った後、第3駆動パルスP3が立ち上がるまでの間にお
いて立ち下がる。つまり、ゲート選択タイミングパルス
は、図4における時刻tsでは“H”レベルであり、時
刻t3からt4の間に“H”から“L”に遷移した後、
次の吐出時刻teで再び“H”へ遷移する。
駆動回路以外の回路から入力されるゲート選択タイミン
グパルス、相選択回路22から入力される選択信号S
S、及び、印字データバッファ23から入力される印字
データDTに基づいて、ゲート駆動信号GSを出力す
る。ゲート選択タイミングパルスは、吐出期間Tを1周
期として各吐出期間Tの開始タイミングで立ち上がり、
第1駆動パルスP1及び第2駆動パルスP2が立ち下が
った後、第3駆動パルスP3が立ち上がるまでの間にお
いて立ち下がる。つまり、ゲート選択タイミングパルス
は、図4における時刻tsでは“H”レベルであり、時
刻t3からt4の間に“H”から“L”に遷移した後、
次の吐出時刻teで再び“H”へ遷移する。
【0032】詳細には、ゲート切換タイミング回路21
は、相選択信号SSが“H”の場合、印字データDTが
“1”の時にゲート選択タイミンクパルスをゲート駆動
信号GSとして出力し、印字データDTが“0”の時に
ゲート選択タイミンクパルスを反転した信号をゲート駆
動信号GSとして出力するとともに、相選択信号SSが
“L”の場合、常時“L”のゲート駆動信号GSを出力
する。
は、相選択信号SSが“H”の場合、印字データDTが
“1”の時にゲート選択タイミンクパルスをゲート駆動
信号GSとして出力し、印字データDTが“0”の時に
ゲート選択タイミンクパルスを反転した信号をゲート駆
動信号GSとして出力するとともに、相選択信号SSが
“L”の場合、常時“L”のゲート駆動信号GSを出力
する。
【0033】ゲート切換タイミンク回路21から出力さ
れたゲート駆動信号GSは、共通パルスA側のゲート素
子SAにそのまま入力され、共通パルスB側のゲート素
子SBにインバータを介して入力される。
れたゲート駆動信号GSは、共通パルスA側のゲート素
子SAにそのまま入力され、共通パルスB側のゲート素
子SBにインバータを介して入力される。
【0034】図6は上記インクジェットヘッドの駆動部
の各部における信号波形を示すタイミングチャートであ
り、同図(A)〜(C)は、吐出期間にあるインクを吐
出すべきインク室の電極に印加する駆動パルス、非吐出
期間にあるインク室の電極に印加する駆動パルス、及
び、吐出期間にあるインクを吐出すべきでないインク室
の電極に印加する駆動パルスのそれぞれについて示して
いる。
の各部における信号波形を示すタイミングチャートであ
り、同図(A)〜(C)は、吐出期間にあるインクを吐
出すべきインク室の電極に印加する駆動パルス、非吐出
期間にあるインク室の電極に印加する駆動パルス、及
び、吐出期間にあるインクを吐出すべきでないインク室
の電極に印加する駆動パルスのそれぞれについて示して
いる。
【0035】なお、図6(A)〜(C)に示すように、
共通パルスA、共通パルスB及びゲート選択タイミング
パルスは、駆動回路以外の回路からインクジェットヘッ
ドの通電中に継続して入力される。
共通パルスA、共通パルスB及びゲート選択タイミング
パルスは、駆動回路以外の回路からインクジェットヘッ
ドの通電中に継続して入力される。
【0036】図6(A)は、吐出期間にあるインクを吐
出すべきインク室12の電極13に第1駆動パルスP1
を印加する場合の信号波形を示している。この場合、ゲ
ート切換タイミング回路21には、吐出期間にあるイン
ク室12に対する相選択信号SSが入力され、インクを
吐出すべきインク室12に対応した“1”を内容とする
印字データDTが入力される。このため、ゲート切換タ
イミング回路21は、ゲート選択タイミングパルスをゲ
ート駆動信号GSとして出力する。これによって、ゲー
ト素子SAはゲート選択タイミングパルスの“H”の間
においてオンし、ゲート素子SBはゲート選択タイミン
グパルスの“L”の間においてオンする。したがって、
インク室12の電極13には、共通パルスAに含まれる
第1駆動パルスP1のみがゲート素子SAを介して入力
される。
出すべきインク室12の電極13に第1駆動パルスP1
を印加する場合の信号波形を示している。この場合、ゲ
ート切換タイミング回路21には、吐出期間にあるイン
ク室12に対する相選択信号SSが入力され、インクを
吐出すべきインク室12に対応した“1”を内容とする
印字データDTが入力される。このため、ゲート切換タ
イミング回路21は、ゲート選択タイミングパルスをゲ
ート駆動信号GSとして出力する。これによって、ゲー
ト素子SAはゲート選択タイミングパルスの“H”の間
においてオンし、ゲート素子SBはゲート選択タイミン
グパルスの“L”の間においてオンする。したがって、
インク室12の電極13には、共通パルスAに含まれる
第1駆動パルスP1のみがゲート素子SAを介して入力
される。
【0037】図6(B)は、非吐出期間にあるインク室
12の電極13に第2駆動パルスP2を印加する場合の
信号波形を示している。この場合、ゲート切換タイミン
グ回路21には、吐出期間にあるインク室12に対する
相選択信号SSは入力されない。このため、ゲート切換
タイミング回路21は、常時“L”レベルのゲート駆動
信号GSを出力する。これによって、ゲート素子SAは
常時オフし、ゲート素子SBは常時オンする。したがっ
て、インク室12の電極13には、共通パルスBである
第2駆動パルスP2のみがゲート素子SBを介して入力
される。
12の電極13に第2駆動パルスP2を印加する場合の
信号波形を示している。この場合、ゲート切換タイミン
グ回路21には、吐出期間にあるインク室12に対する
相選択信号SSは入力されない。このため、ゲート切換
タイミング回路21は、常時“L”レベルのゲート駆動
信号GSを出力する。これによって、ゲート素子SAは
常時オフし、ゲート素子SBは常時オンする。したがっ
て、インク室12の電極13には、共通パルスBである
第2駆動パルスP2のみがゲート素子SBを介して入力
される。
【0038】図6(C)は、吐出期間にあるインクを吐
出すべきでないインク室12の電極13に第2駆動パル
スP2及び第3駆動パルスP3を印加する場合の信号波
形を示している。この場合、ゲート切換タイミング回路
21には、吐出期間にあるインク室12に対する相選択
信号SSが入力され、インクを吐出すべきでないインク
室12に対応した“0”を内容とする印字データDTが
入力される。このため、ゲート切換タイミング回路21
は、ゲート選択タイミングパルスを反転してゲート駆動
信号GSとして出力する。これによって、ゲート素子S
Aはゲート選択タイミングパルスの“L”の間において
オンし、ゲート素子SBはゲート選択タイミングパルス
の“H”の間においてオンする。したがって、インク室
12の電極13には、共通パルスBである第2駆動パル
スP2がゲート素子SBを介して入力されるとともに、
共通パルスAに含まれる第3駆動パルスP3がゲート素
子SAを介して入力される。
出すべきでないインク室12の電極13に第2駆動パル
スP2及び第3駆動パルスP3を印加する場合の信号波
形を示している。この場合、ゲート切換タイミング回路
21には、吐出期間にあるインク室12に対する相選択
信号SSが入力され、インクを吐出すべきでないインク
室12に対応した“0”を内容とする印字データDTが
入力される。このため、ゲート切換タイミング回路21
は、ゲート選択タイミングパルスを反転してゲート駆動
信号GSとして出力する。これによって、ゲート素子S
Aはゲート選択タイミングパルスの“L”の間において
オンし、ゲート素子SBはゲート選択タイミングパルス
の“H”の間においてオンする。したがって、インク室
12の電極13には、共通パルスBである第2駆動パル
スP2がゲート素子SBを介して入力されるとともに、
共通パルスAに含まれる第3駆動パルスP3がゲート素
子SAを介して入力される。
【0039】図7は、上記インクジェットヘッドのイン
ク吐出時におけるインク室の形状の変化を示す図であ
る。また、図8は、同インク吐出時における各インク室
の電極に印加される駆動パルスの波形を示す図である。
図7(A)に示すように、A〜Cの各グループに所属す
る第1〜第3チャンネルのインク室12−1A、12−
1B、12−1C、12−2A、12−2B、12−2
C、12−3A、12−3B、12−3Cの連続する9
個のインク室について、吐出期間にあるBグループのイ
ンク室12−2B及び12−3Bに対する印字データD
Tが“1”であり、インク室12−1Bに対する印字デ
ータが“0”である場合について以下に説明する。
ク吐出時におけるインク室の形状の変化を示す図であ
る。また、図8は、同インク吐出時における各インク室
の電極に印加される駆動パルスの波形を示す図である。
図7(A)に示すように、A〜Cの各グループに所属す
る第1〜第3チャンネルのインク室12−1A、12−
1B、12−1C、12−2A、12−2B、12−2
C、12−3A、12−3B、12−3Cの連続する9
個のインク室について、吐出期間にあるBグループのイ
ンク室12−2B及び12−3Bに対する印字データD
Tが“1”であり、インク室12−1Bに対する印字デ
ータが“0”である場合について以下に説明する。
【0040】このような状況では、図8に示すように、
先ず、時刻t1から時刻t2までの間においてインク室
12−2B及び12−3Bの電極13に対して第1駆動
パルスP1が印加される。これによって、図7(B)に
示すように、インク室12−2B及び12−3Bを構成
する隔壁11にインク室12−2B及び12−3Bを拡
大する方向の剪断変形を生じる。
先ず、時刻t1から時刻t2までの間においてインク室
12−2B及び12−3Bの電極13に対して第1駆動
パルスP1が印加される。これによって、図7(B)に
示すように、インク室12−2B及び12−3Bを構成
する隔壁11にインク室12−2B及び12−3Bを拡
大する方向の剪断変形を生じる。
【0041】この後、図8に示すように、時刻t2から
時刻t3までの間において、吐出期間にあるインクを吐
出すべきでないインク室12−1B、及び、非吐出期間
にあるインク室12−1A、12−2A、12−3A、
12−1C、12−2C、12−3Cの電極13に第2
駆動パルスP2が印加される。これによって、図7
(C)に示すように、インク室12−2B及び12−3
Bを構成する隔壁11にインク室12−2B及び12−
3Bを縮小する方向の剪断変形を生じる。
時刻t3までの間において、吐出期間にあるインクを吐
出すべきでないインク室12−1B、及び、非吐出期間
にあるインク室12−1A、12−2A、12−3A、
12−1C、12−2C、12−3Cの電極13に第2
駆動パルスP2が印加される。これによって、図7
(C)に示すように、インク室12−2B及び12−3
Bを構成する隔壁11にインク室12−2B及び12−
3Bを縮小する方向の剪断変形を生じる。
【0042】図7(B)及び(C)に示すように、イン
ク室12−2B及び12−3Bが拡及び縮小することに
より、インク室12−2B及び12−3B内のインクが
ノズルから吐出する。この時、インク室12−2B及び
12−3Bを構成する隔壁11は剪断変形時に生じるヒ
ステリシス損によって発熱し、インク室12−2B及び
12−3B内のインクが加熱される。但し、発生した熱
の一部は、インク室12−2B及び12−3Bから吐出
したインクによって外部に放出される。一方、吐出期間
にあるインクを吐出すべきでないインク室12−1Bで
は、隔壁11が剪断変形しないことから、ヒステリシス
損による発熱を生じることがなく、インクが加熱されな
い。このため、吐出期間にあるインク室においては、イ
ンクを吐出すべきか否かによって温度差を生じ、インク
の吐出量や吐出速度の差異による画像濃度の変化やドッ
ト位置の誤差による画質の低下を招く。
ク室12−2B及び12−3Bが拡及び縮小することに
より、インク室12−2B及び12−3B内のインクが
ノズルから吐出する。この時、インク室12−2B及び
12−3Bを構成する隔壁11は剪断変形時に生じるヒ
ステリシス損によって発熱し、インク室12−2B及び
12−3B内のインクが加熱される。但し、発生した熱
の一部は、インク室12−2B及び12−3Bから吐出
したインクによって外部に放出される。一方、吐出期間
にあるインクを吐出すべきでないインク室12−1Bで
は、隔壁11が剪断変形しないことから、ヒステリシス
損による発熱を生じることがなく、インクが加熱されな
い。このため、吐出期間にあるインク室においては、イ
ンクを吐出すべきか否かによって温度差を生じ、インク
の吐出量や吐出速度の差異による画像濃度の変化やドッ
ト位置の誤差による画質の低下を招く。
【0043】そこで、この実施形態に係るインクジェッ
トヘッドの駆動方法では、図8に示すように、吐出期間
にあるインクを吐出すべきでないインク室12−1Bに
対して第3駆動パルスP3を印加し、図7(D)に示す
ように、インク室12−1Bを構成する隔壁11にヒス
テリシス損を伴う剪断変形を生じさせ、吐出期間にある
インクを吐出すべきでないインク室12−1B内のイン
クを、インク室12−2B及び12−3B内のインクと
同様に加熱することにより、画質の劣化を招来するイン
ク温度の差異を解消するようにしている。
トヘッドの駆動方法では、図8に示すように、吐出期間
にあるインクを吐出すべきでないインク室12−1Bに
対して第3駆動パルスP3を印加し、図7(D)に示す
ように、インク室12−1Bを構成する隔壁11にヒス
テリシス損を伴う剪断変形を生じさせ、吐出期間にある
インクを吐出すべきでないインク室12−1B内のイン
クを、インク室12−2B及び12−3B内のインクと
同様に加熱することにより、画質の劣化を招来するイン
ク温度の差異を解消するようにしている。
【0044】なお、インクを吐出すべきインク室12−
2B及び12−3Bを構成する隔壁は、各吐出期間にお
いて第1駆動パルスP1による拡大方向の剪断変形と第
2駆動パルスP2による縮小方向の剪断変形との2回の
剪断変形を生じる。そこで、インクを吐出すべきでない
インク室12−1Bの電極13に対して各吐出期間にお
いて第3駆動パルスP3を2回連続して印加することに
より、インク室12−1Bを構成する隔壁11にも各吐
出期間において2回の剪断変形を生じさせることによ
り、インク室12−1B内のインクの加熱状態をインク
室12−2B及び12−3B内のインクと同様にするよ
うにしている。
2B及び12−3Bを構成する隔壁は、各吐出期間にお
いて第1駆動パルスP1による拡大方向の剪断変形と第
2駆動パルスP2による縮小方向の剪断変形との2回の
剪断変形を生じる。そこで、インクを吐出すべきでない
インク室12−1Bの電極13に対して各吐出期間にお
いて第3駆動パルスP3を2回連続して印加することに
より、インク室12−1Bを構成する隔壁11にも各吐
出期間において2回の剪断変形を生じさせることによ
り、インク室12−1B内のインクの加熱状態をインク
室12−2B及び12−3B内のインクと同様にするよ
うにしている。
【0045】但し、前述のように、インク室12−2B
及び12−3B内のインクの温度は、吐出されたインク
によって放熱される可能性があるため、第3駆動パルス
P3の立ち上がり回数を第1駆動パルスP1の立ち上が
り回数と第2駆動パルスP2の立ち上がり回数との和に
等しくする必要は必ずしもなく、より少なくすることも
できる。
及び12−3B内のインクの温度は、吐出されたインク
によって放熱される可能性があるため、第3駆動パルス
P3の立ち上がり回数を第1駆動パルスP1の立ち上が
り回数と第2駆動パルスP2の立ち上がり回数との和に
等しくする必要は必ずしもなく、より少なくすることも
できる。
【0046】また、第3駆動パルスP3のパルス幅A
L′は、拡大したインク室12内にタンクからインクが
流入することによって生じた圧力波が、インク室12の
全域にわたって伝播する時間ALより短いため、第3駆
動パルスP3が印加されたインクを吐出すべきでないイ
ンク室12からインクが吐出されることはなく、画像を
汚損することはない。
L′は、拡大したインク室12内にタンクからインクが
流入することによって生じた圧力波が、インク室12の
全域にわたって伝播する時間ALより短いため、第3駆
動パルスP3が印加されたインクを吐出すべきでないイ
ンク室12からインクが吐出されることはなく、画像を
汚損することはない。
【0047】なお、外部環境等の影響を受けてインクジ
ェットヘッド10内のインクが適正温度よりも低い場合
には、インクの吐出が開始される前に、インクジェット
ヘッド10内に形成されている全ての隔壁11が所定回
数の剪断変形を生じるように、所定のインク室12の電
極13に第3駆動パルスP3を印加するようにしてもよ
い。これによって、インクジェットヘッド10内のイン
クを印字処理前に予め加熱しておくことができ、外部温
度が低い状態でも、十分な画像濃度を得ることができる
とともにドット位置の誤差の発生を防止することができ
る。
ェットヘッド10内のインクが適正温度よりも低い場合
には、インクの吐出が開始される前に、インクジェット
ヘッド10内に形成されている全ての隔壁11が所定回
数の剪断変形を生じるように、所定のインク室12の電
極13に第3駆動パルスP3を印加するようにしてもよ
い。これによって、インクジェットヘッド10内のイン
クを印字処理前に予め加熱しておくことができ、外部温
度が低い状態でも、十分な画像濃度を得ることができる
とともにドット位置の誤差の発生を防止することができ
る。
【0048】また、以上においては、吐出期間にあるイ
ンク室のうち画像データに基づいて選択されたインクを
吐出すべきインク室の電極に第1の駆動パルスを印加し
た後、非吐出期間にあるインク室の電極に第2の駆動パ
ルスを印加する場合についてのみ説明したが、これとは
逆極性となる駆動パルスで、非吐出期間にあるインク室
の電極に第1の駆動パルスを印加した後、吐出期間にあ
るインク室のうち画像データに基づいて選択されたイン
クを吐出すべきインク室の電極に第2の駆動パルスを印
加する場合についても隔壁の電位差としては同じ状態と
なるため、同様の効果を得ることができる。
ンク室のうち画像データに基づいて選択されたインクを
吐出すべきインク室の電極に第1の駆動パルスを印加し
た後、非吐出期間にあるインク室の電極に第2の駆動パ
ルスを印加する場合についてのみ説明したが、これとは
逆極性となる駆動パルスで、非吐出期間にあるインク室
の電極に第1の駆動パルスを印加した後、吐出期間にあ
るインク室のうち画像データに基づいて選択されたイン
クを吐出すべきインク室の電極に第2の駆動パルスを印
加する場合についても隔壁の電位差としては同じ状態と
なるため、同様の効果を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】この発明によれば、以下の効果を奏する
ことができる。
ことができる。
【0050】(1) 吐出期間にあるインク室のうち、イン
クを吐出すべきインク室を構成する隔壁を第1の駆動パ
ルス及び第2の駆動パルスにより剪断変形させるととも
に、インクを吐出すべきでないインク室を構成する隔壁
を第1の駆動パルス及び第2の駆動パルスのオフ期間に
印加する第3の駆動パルスによって吐出時の圧力より小
さい圧力がインクに加わる程度に剪断変形させる。これ
により、インクを吐出すべきでないインク室内のインク
を、隔壁の剪断変形時におけるヒステリシス損によって
加熱することができ、インク室間におけるインク温度の
不均一による画像濃度のばらつきやドット位置の誤差を
防止するために発熱体を別途設ける必要がなく、コスト
の著しい上昇を招くことなく、画質の劣化を確実に防止
することができる。
クを吐出すべきインク室を構成する隔壁を第1の駆動パ
ルス及び第2の駆動パルスにより剪断変形させるととも
に、インクを吐出すべきでないインク室を構成する隔壁
を第1の駆動パルス及び第2の駆動パルスのオフ期間に
印加する第3の駆動パルスによって吐出時の圧力より小
さい圧力がインクに加わる程度に剪断変形させる。これ
により、インクを吐出すべきでないインク室内のインク
を、隔壁の剪断変形時におけるヒステリシス損によって
加熱することができ、インク室間におけるインク温度の
不均一による画像濃度のばらつきやドット位置の誤差を
防止するために発熱体を別途設ける必要がなく、コスト
の著しい上昇を招くことなく、画質の劣化を確実に防止
することができる。
【0051】(2) 画像データが入力される前に、インク
室の温度状態に応じて、所定のインク室の電極に対して
第3の駆動パルスを印加し、全ての隔壁に何れのインク
室内のインクにも吐出時の圧力以上の圧力を加えること
のない剪断変形を生じさせる。これにより、インク室の
温度が所定の状態にある場合に、画像データに基づいて
インクを吐出する前に、全てのインク室を、隔壁の剪断
変形時におけるヒステリシス損により、インクを吐出す
ることなく加熱することができ、低温環境下でインクの
吐出速度が低下することによる画質の劣化を防止するこ
とができる。
室の温度状態に応じて、所定のインク室の電極に対して
第3の駆動パルスを印加し、全ての隔壁に何れのインク
室内のインクにも吐出時の圧力以上の圧力を加えること
のない剪断変形を生じさせる。これにより、インク室の
温度が所定の状態にある場合に、画像データに基づいて
インクを吐出する前に、全てのインク室を、隔壁の剪断
変形時におけるヒステリシス損により、インクを吐出す
ることなく加熱することができ、低温環境下でインクの
吐出速度が低下することによる画質の劣化を防止するこ
とができる。
【0052】(3) 第3の駆動パルスを、インクを吐出す
べきインク室の電極に印加する吐出駆動パルスと同一の
信号線において、選択信号によって択一的に有効し、イ
ンクを吐出すべきでないインク室の電極に印加すること
により、インクを吐出すべきインク室の電極に印加され
る吐出駆動パルスを発生する駆動回路と第3の駆動パル
スを発生する駆動回路とを共通化し、構成を簡略化して
コストを低廉化できる。
べきインク室の電極に印加する吐出駆動パルスと同一の
信号線において、選択信号によって択一的に有効し、イ
ンクを吐出すべきでないインク室の電極に印加すること
により、インクを吐出すべきインク室の電極に印加され
る吐出駆動パルスを発生する駆動回路と第3の駆動パル
スを発生する駆動回路とを共通化し、構成を簡略化して
コストを低廉化できる。
【0053】(4) 第3の駆動パルスの電圧値を第1の駆
動パルスの電圧値に等しくするとともに、第1の駆動パ
ルスのパルス幅よりも狭いパルス幅の第3の駆動パルス
を印加することにより、第3の駆動パルスを第1の駆動
パルスと同一の駆動回路から出力する際に電圧値を変更
する必要がなく、さらに構成を簡略化することができ
る。また、インクを吐出すべきでないインク室におい
て、容積が拡大したインク室へのインクの流入により生
じた圧力波がインク室の全域を伝播する前に隔壁の形状
を復元させることができ、インクを吐出すべきでないイ
ンク室内のインクが吐出に至ることを防止し、画像の汚
損を防止することができる。
動パルスの電圧値に等しくするとともに、第1の駆動パ
ルスのパルス幅よりも狭いパルス幅の第3の駆動パルス
を印加することにより、第3の駆動パルスを第1の駆動
パルスと同一の駆動回路から出力する際に電圧値を変更
する必要がなく、さらに構成を簡略化することができ
る。また、インクを吐出すべきでないインク室におい
て、容積が拡大したインク室へのインクの流入により生
じた圧力波がインク室の全域を伝播する前に隔壁の形状
を復元させることができ、インクを吐出すべきでないイ
ンク室内のインクが吐出に至ることを防止し、画像の汚
損を防止することができる。
【0054】(5) インクを吐出すべきでないインク室の
隔壁に、インクを吐出すべきインク室の隔壁と同一回数
以下の剪断変形を生じさせることにより、インクを吐出
すべきでないインク室を、吐出したインクによって放熱
される可能性があるインクを吐出すべきインク室と同等
又はそれ以下に加熱することができ、全てのインク室に
ついてインク温度を略均一にすることができる。
隔壁に、インクを吐出すべきインク室の隔壁と同一回数
以下の剪断変形を生じさせることにより、インクを吐出
すべきでないインク室を、吐出したインクによって放熱
される可能性があるインクを吐出すべきインク室と同等
又はそれ以下に加熱することができ、全てのインク室に
ついてインク温度を略均一にすることができる。
【図1】この発明の実施形態に係る駆動方法が適用され
るインクジェットヘッドの構成を示す組立図である。
るインクジェットヘッドの構成を示す組立図である。
【図2】インクジェットヘッドの基板の構成を示す斜視
図、及び、インクジェットヘッドの断面図である。
図、及び、インクジェットヘッドの断面図である。
【図3】上記インクジェットヘッドにおけるインク吐出
動作を説明する断面図である。
動作を説明する断面図である。
【図4】同インクジェットヘッドの電極に印加される駆
動パルスを示す図である。
動パルスを示す図である。
【図5】上記インクジェットヘッドの駆動部の構成を示
す図である。
す図である。
【図6】上記インクジェットヘッドの駆動部の各部にお
ける信号波形を示すタイミングチャートである。
ける信号波形を示すタイミングチャートである。
【図7】上記インクジェットヘッドのインク吐出時にお
けるインク室の形状の変化を示す図である。
けるインク室の形状の変化を示す図である。
【図8】同インク吐出時における各インク室の電極に印
加される駆動パルスの波形を示す図である。
加される駆動パルスの波形を示す図である。
1−基板 2−カバープレート 3−ノズルプレート 10−インクジェットヘッド 11−隔壁 12−インク室 13−電極
Claims (5)
- 【請求項1】電極を有する圧電体の隔壁を挟んで並設さ
れた複数のインク室を互いに異なる吐出期間が設定され
た所定数のグループに分け、吐出期間にあるインク室の
うち画像データに基づいて選択されたインクを吐出すべ
きインク室の電極に第1の駆動パルスを印加した後、非
吐出期間にあるインク室の電極に第2の駆動パルスを印
加し、又は前記とは逆極性となる駆動パルスで非吐出期
間にあるインク室の電極に第1の駆動パルスを印加した
後、吐出期間にあるインク室のうち画像データに基づい
て選択されたインクを吐出すべきインク室の電極に第2
の駆動パルスを印加し、隔壁に生じた剪断変形によって
画像データに応じたインク室内のインクを加圧して吐出
するインクジェットヘッドの駆動方法において、 吐出期間にあるインク室のうちインクを吐出すべきでな
いインク室の電極に対して、そのインク室内のインクに
吐出時の圧力より小さい圧力が加わる剪断変形を隔壁に
生じさせる第3の駆動パルスを、第1の駆動パルス及び
第2の駆動パルスのオフ期間に印加することを特徴とす
るインクジェットヘッドの駆動方法。 - 【請求項2】電極を有する圧電体の隔壁を挟んで複数の
インク室を並設し、画像データに基づいて選択されたイ
ンクを吐出すべきインク室の電極に第1の駆動パルスを
印加した後、隣接するインク室の電極に第2の駆動パル
スを印加し、又は前記とは逆極性となる駆動パルスで非
吐出期間にあるインク室の電極に第1の駆動パルスを印
加した後、吐出期間にあるインク室のうち画像データに
基づいて選択されたインクを吐出すべきインク室の電極
に第2の駆動パルスを印加し、隔壁に生じた剪断変形に
よって画像データに応じたインク室内のインクを加圧し
て吐出するインクジェットヘッドの駆動方法において、 インクの吐出が開始される前に、インク室の温度状態に
応じて、インク室内のインクに吐出時の圧力以上の圧力
を加えない剪断変形を隔壁に生じさせる第3の駆動パル
スを所定のインク室の電極に印加することを特徴とする
インクジェットヘッドの駆動方法。 - 【請求項3】前記第3の駆動パルスは、画像データに基
づいて選択されたインクを吐出すべきインク室の電極に
印加される吐出駆動パルスと共通の信号線を介してイン
ク室の電極に印加されるとともに、選択信号により前記
吐出駆動パルスと択一的に有効にされることを特徴とす
る請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドの駆動
方法。 - 【請求項4】前記第3の駆動パルスは、電圧値が第1の
駆動パルスに等しく、パルス幅が第1の駆動パルスより
狭いことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット
ヘッドの駆動方法。 - 【請求項5】前記第3の駆動パルスは、第1の駆動パル
スの立ち上がり回数と第2の駆動パルスの立ち上がり回
数との和以下の立ち上がり回数でインクを吐出すべきで
ないインク室の電極に印加することを特徴とする請求項
1、3又は4に記載のインクヘッドの駆動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000273342A JP2002086711A (ja) | 2000-09-08 | 2000-09-08 | インクジェットヘッドの駆動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000273342A JP2002086711A (ja) | 2000-09-08 | 2000-09-08 | インクジェットヘッドの駆動方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002086711A true JP2002086711A (ja) | 2002-03-26 |
Family
ID=18759304
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000273342A Pending JP2002086711A (ja) | 2000-09-08 | 2000-09-08 | インクジェットヘッドの駆動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002086711A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007045107A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Sii Printek Inc | インクジェットヘッド駆動方法、インクジェットヘッドおよび、インクジェット記録装置 |
JP2011031441A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | Riso Kagaku Corp | インクジェット記録装置 |
-
2000
- 2000-09-08 JP JP2000273342A patent/JP2002086711A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007045107A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Sii Printek Inc | インクジェットヘッド駆動方法、インクジェットヘッドおよび、インクジェット記録装置 |
JP2011031441A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | Riso Kagaku Corp | インクジェット記録装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20031125 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040126 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040224 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |