JP2002086144A - 内分泌撹乱化学物質の除去法 - Google Patents

内分泌撹乱化学物質の除去法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 飲料水、乳飲料、母乳より内分泌撹乱化学物
質を除去する方法を提供する。 【解決手段】 水溶液(水飲料水、乳飲料、母乳)中の
内分泌撹乱化学物質を吸着剤に吸着させて、内分泌撹乱
化学物質を水溶液中より除去する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の利用分野は母乳、乳飲
料、飲料水の分野における内分泌撹乱化学物質の除去方
法である。
【0002】
【従来の技術】野生生物の間に個体数の減少、メス化並
びに生殖機能の変調等の異常現象が内分泌撹乱化学物質
(環境ホルモン)により引き起こされていることが明ら
かとなってきた。特に、母乳中には全国平均で15pg
TEQ/g-脂肪の濃度のダイオキシンが含まれており
(TEQは毒性等価量を表す)、授乳期の乳児は毎日平
均50pg(耐容1日摂取量は4pg)すなわち許容摂
取量の約12倍のダイオキシンを母乳から摂取している
状況であり、母乳から摂取される内分泌撹乱化学物質に
よる乳児の健康への悪影響が懸念されている(宮田秀
明、よくわかるダイオキシン汚染、合同出版(199
8))。また、乳製品、缶入り飲料水、プラスチックボ
トル入り飲料水等からも内分泌撹乱化学物質が流出して
くることが知られている(デボラ・キャドバリー、メス
化する自然、集英社(1998))。
【0003】オイルまたは、有機溶媒に溶解させた2,3,
7,8-テトラクロロダイオキシンに6時間から7日間光照
射することにより、2,3,7,8-テトラクロロダイオキシン
を分解することが可能であると報告されている(露本伊
佐男、ダイオキシン、ナツメ社(2000))。しかし
ながら、飲料水、乳飲料、母乳は水系であり、ダイオキ
シンを光分解することは困難である。また、飲料水、乳
飲料、母乳を光照射することにより、(1)香り成分の
光分解、(2)糖、ビタミン等の栄養分の光分解、
(3)乳飲料、母乳中のタンパク質の光変性、が生じて
しまい、もはや飲料水、乳飲料、母乳として用いること
は不可能となってしまう。
【0004】内分泌撹乱化学物質が含まれている水溶液
中に超音波を照射させ、超音波のエネルギーにより発生
された高温、高気圧の気泡並びに超音波の局所的エネル
ギーを用いてダイオキシン等内分泌撹乱化学物質を分解
させることが報告されている(例えば、Y. Lu and L.K.
Weavers, 220th National Meeting, American Chemica
l Society, ENVR-359 (2000))。しかしながら、この方
法の処理コストが高いこと、さらに飲料水、乳飲料、母
乳中でこの方法により内分泌撹乱化学物質の分解を行な
うと、ビタミン、糖、脂質等栄養成分が分解し、抗体等
免疫タンパク質が変性してしまうこと、さらには、香り
成分、味覚成分等有機低分子も分解してしまい、飲料
水、乳飲料、母乳としての役割を果たさない水溶液に変
化してしまう。
【0005】微生物により土壌中の内分泌撹乱化学物質
を分解する方法が提案されている。例えば、木材腐朽菌
を用いることによりゴミ焼却灰より抽出されたダイオキ
シンは、30日間で49〜79%分解されることが報告
されている(福岡県保健環境研究所研究報告)。しかし
ながら、この方法は、飲料、乳飲料、母乳に適用するこ
とは不可能である。なぜなら、木材腐朽菌が飲料、乳飲
料、母乳中に不純物として入るのみならず、木材腐朽菌
の排出する毒素、老廃物が飲料、乳飲料、母乳中に混入
するためである。
【0006】他の内分泌撹乱化学物質を分解する方法と
して、(a)超臨界水中における酸化剤による内分泌撹
乱化学物質の分解、(b)オゾンによる内分泌撹乱化学
物質の分解、(c)触媒を用いた内分泌撹乱化学物質の
分解、等が知られている(露本伊佐男、ダイオキシン、
ナツメ社(2000))。しかしながら、これらの方法
は、(1)香り成分の分解、(2)糖、ビタミン糖の栄
養分の分解、(3)乳飲料、母乳中のタンパク質の変
性、等を引き起こしてしまい、飲料水、乳飲料、母乳と
しての役割を果たさない水溶液に変化してしまう。従っ
て飲料水、乳飲料、母乳中の内分泌撹乱化学物質の除去
法としては用いることが不可能である。
【0007】オクタデシルシリカ等吸着材の微粒子に内
分泌撹乱化学物質を吸着させる方法が河川水等の分析に
おける内分泌撹乱化学物質の補集法として用いられてい
るが、吸着材よりフタル酸エステル類並びにノニルフェ
ノール等内分泌撹乱化学物質が溶出してくることが報告
されている(高田秀重、現代化学1999年1月号p38-
43)。また、吸着法を用いて飲料水並びに乳製品中の内
分泌撹乱化学物質の除去については、いまだ報告例がな
い。
【0008】溶質サイズの大きさで分離する膜ろ過法を
内分泌撹乱化学物質の濃縮分離に用いた場合、内分泌撹
乱化学物質の分子量は、水の分子量(18ダルトン)よ
りも大きく、水が優先的に膜を透過する。従って分子ふ
るい効果を有する多孔膜を用いて透過側に内分泌撹乱化
学物質を濃縮分離することは不可能である。
【0009】また、優先的に内分泌撹乱化学物質以外の
物質(例えば水)を多孔膜透過させ、膜透過した溶液を
内分泌撹乱化学物質除去水溶液とすることも原理的には
可能である。しかしながらこの場合、乳飲料さらには、
果汁を供給液とした場合、供給液中の固形物も除去さ
れ、内分泌撹乱化学物質だけを除去したことには上記の
方法ではならない。従って従来の分子ふるい効果に基づ
く膜分離法で内分泌撹乱化学物質を飲料水、乳飲料から
除去するのは、現実的には不可能である。
【0010】内分泌撹乱化学物質の大部分は、沸点が1
00℃以上であるが、内分泌撹乱化学物質が揮発性の場
合、ガスクロマトグラフ分析における前段処理法として
用いられるパージ・アンド・トラップ法、またはヘッド
スペース法により内分泌撹乱化学物質を濃縮分離するこ
とが可能である。しかしながらこれらの方法では、内分
泌撹乱化学物質が濃縮された液を使用するのであり、内
分泌撹乱化学物質が除去された液を使用された例はな
い。また、パージ・アンド・トラップ法、並びにヘッド
スペース法により濃縮分離される液は、分析用のため、
通常微量の液量であり、飲料水、乳飲料、母乳の分野で
使用するのは不可能である。
【0011】近年、パーベパレーション(浸透気化)法
による水溶液中の揮発性有機溶媒の濃縮法が報告されて
いる(K.W. Boddeker and G. Bengtson, J. Membrane S
ci.,53, 143 (1990))。この方法は、有機物質選択透過
性膜を介して片側(供給側)に、試量水溶液を接しさせ
(液相)、膜の他方側(透過側)を減圧下にする(気
相)。揮発性有機溶媒は、その物質が有する蒸気圧を駆
動力として、透過側に膜中を透過する。透過側に拡散し
てきた揮発性有機溶媒を冷却トラップにより捕集するこ
とにより、揮発性有機溶媒を濃縮分離する方法である。
樋口は、パーベパレーション法により内分泌撹乱化学物
質を飲料水、乳製品から除去する方法を初めて提案した
(特願平11-144210)、しかしながら、この方法による
水溶液からの内分泌撹乱化学物質の除去には、真空ライ
ン、真空ポンプ、膜装着セル、冷却装置等が必要であ
り、化学プラントを用いた内分泌撹乱化学物質の除去に
適しているものの、家庭での母乳からの内分泌撹乱化学
物質の除去には不向きである。なぜなら、パーベパレー
ション装置が高価であるとともに装置が大きく、各家庭
で所持するのが困難であるためである。
【0012】飲料水、乳製品、母乳中より内分泌撹乱化
学物質を吸着剤に吸着させて除去する方法は、いまだ提
案されてこなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】広範囲に分類される内
分泌撹乱化学物質を、手軽な方法で、迅速に、飲料水、
乳飲料並びに母乳より除去し、安全な飲料水、乳飲料並
びに母乳を、母親、胎児、幼児、子供さらには、全人類
に供給する方法が求められている。本発明の課題は、迅
速かつ手軽な方法で、飲料水、乳飲料並びに母乳より内
分泌撹乱化学物質を除去する方法を提供することであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸着法により
水溶液中の内分泌撹乱化学物質を吸着剤に吸着させて、
内分泌撹乱化学物質を水溶液中より除去することを特徴
とする内分泌撹乱化学物質の除去方法である。本発明で
いう内分泌撹乱化学物質の除去対象となる水溶液は、飲
料水、乳飲料並びに母乳である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる吸着剤として
は、活性炭、モレキュラシーブ、ゼオライト等無機吸着
剤さらに、ポリジメチルシロキサン、ラバー、ポリトリ
メチルシリルプロピン、ポリウレタン、ポリスチレン、
ポリスルホン、塩化ビニル、ナイロン、エンジニアプラ
スチックス等疎水性有機高分子が考えられるが、水の吸
着剤への吸着量より内分泌撹乱化学物質の吸着剤への吸
着量が10倍以上大きければ、これらの吸着剤の物質に
限定されるものではない。
【0016】疎水性有機高分子の定義として、ここで
は、単位吸着剤あたりの内分泌撹乱化学物質の吸着量が
水の吸着量の10倍以上有する有機高分子と定義する。
従って、内分泌撹乱化学物質を含有する水溶液中に疎水
性有機高分子を導入すると、疎水性有機高分子の内分泌
撹乱化学物質の吸着量が水の吸着量を上回るため、水溶
液中の内分泌撹乱化学物質濃度は減少する。単位吸着剤
あたりの内分泌撹乱化学物質の吸着量が水の吸着量の1
倍以上であれば、水溶液中の内分泌撹乱化学物質の濃度
減少は、理論的には可能であるが、少ない吸着剤より飲
料水、乳飲料、母乳中より内分泌撹乱化学物質を除去す
ることが現実的には望まれるので、吸着量の比は10倍
以上であることが好ましい。
【0017】吸着剤の形状として、ブロック状固体、粉
末、ペレット、管、円柱、円板、平板、多孔体等多様な
形状が考えられるが、これらの形状に限定されるもので
はない。
【0018】本発明の除去方法は、室温で十分に内分泌
撹乱化学物質を吸着剤に吸着することが可能であり、特
に温度制御する必要がないが、好ましい使用温度は、0
℃から40℃である。0℃までは、家庭用冷蔵庫にて冷
却することが可能であり、0℃未満では、飲料水が凍結
するため好ましい吸着使用温度ではない。また、一般に
温度が高くなると吸着量は減少する。さらに、乳飲料並
びに母乳中からの内分泌撹乱化学物質の除去を考えた場
合、タンパク質の高温での変性を防がなくてはならな
い。従って、タンパク質が変性しない40℃以下が吸着
操作温度として最適である。
【0019】本発明で内分泌撹乱化学物質を除去するた
めに用いられる飲料水、乳飲料は、水溶液で、人間また
は動物に食料あるいは飲料として与えられるものであれ
ばいかなるものでも良い。例えば、母乳、牛乳、スー
プ、果汁、ジュース、清涼飲料水、ミネラルウオーター
等である。チーズ等最終製品が固形物である食品の製造
過程において、原料あるいは中間原料が水溶性である場
合、水溶性の段階で内分泌撹乱化学物質を本発明の方法
で除去するのであれば、本特許の請求範囲内である。
【0020】本発明で除去される内分泌撹乱化学物質
は、外因性内分泌撹乱化学物質、外因性内分泌撹乱化学
物質の疑いのある物質、農薬等である。これらの物質の
一例は、環境ホルモン分析資料集(環境ホルモン分析資
料集、第1版、島津環境ホルモン分析情報センター、1
998年12月)等に掲載されている。例えば、ポリ塩
化ビフェニール、ポリ臭化ビフェニール、DDT、ダイ
オキシン、フタル酸エステル類、スチレン類、ヘキサク
ロロベンゼン、カルバメート系農薬、シマジン、アルキ
ルフェノール類、ビスフェノールA等であるが、これに
限定されるものではない。
【0021】
【実施例】次に実施例によってこの発明をさらに具体的
に説明する。
【0022】
【実施例1】100cm3のふた付きガラス容器中に1,2-
ジブロモ-3-クロロプロパン(DBCP、農薬)の25
℃の10ppm水溶液を注入した。この水溶液中に吸着
剤として、ポリジメチルシロキサン膜(SR-50、タ
イガースポリマー社製、膜厚500μm、膜面積12.
5cm2)を導入した。この時、25℃に保持されたDB
CP水溶液を各時間ごとに、30μl採取して、ガスク
ロマトグラフによりDBCP濃度を定量した。この結果
を表1に示す。表1の透過時間30分後には、供給液中
DBCP濃度が、半分以下に除去されていた。
【0023】
【表1】 各吸着実験時間における供給液中のDBCP
濃度
【0024】
【実施例2】水溶液として、1.2ppmのジベンゾ-p-
ダイオキシン水溶液を用いた以外は、実施例1と同様に
吸着実験を行なった。この時、ダイオキシン水溶液を各
時間ごとに、30μl採取して、ガスクロマトグラフー
質量分析計により水溶液中のダイオキシン濃度を定量し
た。この時、ヘキサンで水溶液中からジベンゾ-p-ダイ
オキシンを抽出した後、ガスクロマトグラフー質量分析
計で濃度測定を行なった。この結果を表2に示す。表2
の吸着時間2時間後には、水溶液中のジベンゾ-p-ダイ
オキシン濃度は、91%低減していた。
【0025】
【表2】 各吸着実験時間における水溶液中のジベンゾ
-p-ダイオキシン濃度
【0026】
【実施例3】水溶液として、25℃の市販の牛乳(雪印
乳業株式会社製、雪印3.5牛乳50ml)を用い、こ
れに、1ppmのジベンゾ-p-ダイオキシン牛乳溶液と
なるようにジベンゾ-p-ダイオキシンを牛乳中に添加し
た。牛乳中のジベンゾ-p-ダイオキシンをガスクロマト
グラフー質量分析計により定量した所、0.97ppm
であった。この時、ヘキサンで牛乳溶液中からジベンゾ
-p-ダイオキシンを抽出した後、ガスクロマトグラフー
質量分析計で濃度測定を行なった。25℃のジベンゾ-p
-ダイオキシン含有牛乳中に実施例1と同様な操作で吸
着剤として、ポリジメチルシロキサン膜(SR-50、
タイガースポリマー社製、膜厚500μm、膜面積1
2.5cm2)を導入した。吸着実験2時間後には、牛乳溶
液中のジベンゾ-p-ダイオキシン濃度は、0. 032p
pmであった。従って、牛乳中からジベンゾ-p-ダイオ
キシンが97%除去されていた。
【0027】
【実施例4】水溶液として、母乳(横浜市在住28才女
性より採取)50mlを用いた。37℃の母乳中に実施
例1と同様な操作で吸着剤として、ポリジメチルシロキ
サン膜(SR-50、タイガースポリマー社製、膜厚5
00μm、膜面積12.5cm2)を2時間、37℃の条件
下で導入した。吸着前後における母乳中のダイオキシン
濃度を分析センター(東レリサーチセンター)に依頼し
た。吸着実験前における母乳中のダイオキシン濃度は、
17.5pgTEQ/g-脂肪であり、吸着実験後におけ
るダイオキシン濃度は、1.31pgTEQ/g-脂肪で
あった。吸着実験2時間後には、母乳中のダイオキシン
濃度は、92.5%除去されていた。
【0028】
【実施例5】水溶液として、25℃の市販の水(ハウス
食品株式会社製、六甲のおいしい水、50ml)を用
い、これに、ジベンゾ-p-ダイオキシンを添加して、1.
2ppmのジベンゾ-p-ダイオキシン水溶液を調製し
た。この25℃の水溶液中に吸着剤として、活性炭(土
佐備長炭、木炭屋製、1.72g)を導入した。2時間
後、水溶液中のジベンゾ-p-ダイオキシン濃度をガスク
ロマトグラフにより定量した所、0.32ppmであっ
た。活性炭を用いることにより、73%ジベンゾ-p-ダ
イオキシンが除去されていた。
【0029】
【実施例6】水溶液として、25℃のオレンジジュース
(全国農協直販社製、50ml)を用い、これに、ジベ
ンゾ-p-ダイオキシンを添加して、1.2ppmのジベン
ゾ-p-ダイオキシン水溶液を調製した。この25℃の水
溶液中に吸着剤として、活性炭(土佐備長炭、木炭屋
製、1.72g)を導入した。2時間後、水溶液中のジ
ベンゾ-p-ダイオキシン濃度をガスクロマトグラフによ
り定量した所、0.46ppmであった。活性炭を用い
ることにより、62%ジベンゾ-p-ダイオキシンが除去
されていた。
【0030】
【実施例7】厚さ1mm、直径4cmのフッソ系ゴム板
(WFAQCG57、2000プラスチック科学機器総
合カタログより選定)を吸着剤として用いた以外は、実
施例4と同様な実験をおこなった。吸着実験前における
母乳中のダイオキシン濃度は、17.5pgTEQ/g-
脂肪であり、吸着実験後におけるダイオキシン濃度は、
5.76pgTEQ/g-脂肪であった。吸着実験2時間
後には、母乳中のダイオキシン濃度は、67.1%除去
されていた。
【0031】
【実施例8】外径4mm、内径2mm、長さ5cmの塩
化ビニル系チューブ(タイゴンチューブ、SE-20
0、2000プラスチック科学機器総合カタログより選
定)を吸着剤として用いた以外は、実施例4と同様な実
験をおこなった。吸着実験前における母乳中のダイオキ
シン濃度は、17.5pgTEQ/g-脂肪であり、吸着
実験後におけるダイオキシン濃度は、7.92pgTE
Q/g-脂肪であった。吸着実験2時間後には、母乳中
のダイオキシン濃度は、54.7%除去されていた。
【0032】
【実施例9】外径4mm、内径2mm、長さ5cmのナ
イロンチューブ(PFA-HG、2000プラスチック
科学機器総合カタログより選定)を吸着剤として用いた
以外は、実施例4と同様な実験をおこなった。吸着実験
前における母乳中のダイオキシン濃度は、17.5pg
TEQ/g-脂肪であり、吸着実験後におけるダイオキ
シン濃度は、9.04pgTEQ/g-脂肪であった。吸
着実験2時間後には、母乳中のダイオキシン濃度は、4
8.3%除去されていた。
【0033】
【実施例10】樋口らの方法によりポリトリメチルシリ
ルプロピン膜を調製した(A. Higuchiet al., J. Poly
m. Sci. Part B, Polym. Phys., 38, 1749 (2000))。
すなわち、ジクロロベンゼンを溶媒として、トリメチル
シリルプロピンを溶解させ、8cmの直径を有するガラ
スシャーレ内にこの高分子溶液を注ぎ、50cmHgの
低真空下で溶媒を蒸発させて、510μmの膜厚を有す
るポリトリメチルシリルプロピン膜を調製した。吸着剤
として、直径3cmのポリトリメチルシリルプロピン膜
を用いた以外は、実施例4と同様な実験をおこなった。
吸着実験前における母乳中のダイオキシン濃度は、1
7.5pgTEQ/g-脂肪であり、吸着実験後における
ダイオキシン濃度は、0.87pgTEQ/g-脂肪であ
った。吸着実験2時間後には、母乳中のダイオキシン濃
度は、95.0%除去されていた。
【0034】
【発明の効果】本発明の効果を列挙すれば、以下のとお
りである。 1)内分泌撹乱化学物質を飲料水、乳飲料より手軽に除
去できる。 2)内分泌撹乱化学物質を母乳、牛乳中より手軽に除去
でき、幼児等に安全な母乳、牛乳を供給できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飲料水中の内分泌撹乱化学物質を吸着剤
    に吸着させて、水溶液中の内分泌撹乱化学物質を低減さ
    せることを特徴とする内分泌撹乱化学物質の除去方法
  2. 【請求項2】 吸着剤が活性炭であることを特徴とする
    請求項1記載の内分泌撹乱化学物質の除去方法
  3. 【請求項3】 吸着剤が疎水性有機高分子であることを
    特徴とする請求項1記載の内分泌撹乱化学物質の除去方
  4. 【請求項4】 飲料水中の内分泌撹乱化学物質を除去す
    べき対象が乳飲料であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の内分泌撹乱化学物質の除去方法
  5. 【請求項5】 飲料水中の内分泌撹乱化学物質を除去す
    べき対象が母乳であることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の内分泌撹乱化学物質の除去方法
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2873593A1 (fr) * 2004-07-30 2006-02-03 Vect Oeur Sarl Procede d'elimination de composes phenoliques polyhalogenes dans les boissons et notamment dans le vin

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