JP2002085496A - 松葉杖用石突およびそれを用いた松葉杖 - Google Patents

松葉杖用石突およびそれを用いた松葉杖

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 杖本体にスムーズな傾動を与えて、杖使用者
の体荷重に基づく地面の衝撃的反力を軽減乃至は防止さ
せると共に、進行方向への加速度的な傾動速度を制限さ
せて、歩行の安全性を向上せしめ得る新規な構造の松葉
杖用石突およびそれを用いた松葉杖を提供すること。 【解決手段】 松葉杖10の先端に取り付けられる松葉
杖用石突において、接地面となる底面を、松葉杖10の
中心軸に対して略直交して広がる平坦な中央平坦面50
と、中央平坦面50の外周部分において、前後方向両側
で斜め上方に向かって湾曲状に延び出した一対の湾曲面
52,52とによって構成すると共に、各湾曲面52の
延出方向先端縁部において、かかる湾曲面52上に立ち
上がって下方に向かって突出するストッパ部54を固設
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、足等の下半身に傷や障害のある
病人等が歩行等する際に使用される松葉杖に係り、特
に、松葉杖の先端に装着される新規な構造の松葉杖用石
突等に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、足等の下半身に傷や障害のある
病人等が、一人で移動するときには、一般に、松葉杖等
を片脇乃至は両脇に挟むようにして、松葉杖に載せた体
荷重のバランスを整えながら歩行している。このような
歩行に際して使用される松葉杖は、周知の如く、例え
ば、緩いS字状の一対の縦杆を鉛直方向上方に広がるよ
うに向かい合わせ、その上端部に緩衝用の脇当てを連結
固定する一方、下端部に裁頭円錐状の石突を備えた支持
ロッドを装着すると共に、両縦杆の間に把持杆を渡して
固着した構造とされている。
【0003】ところで、このような松葉杖は、その本体
が、要求される強度や耐久性を達成するために、樫など
の硬質の木材やアルミニウム合金などの剛性の金属材,
硬質の合成樹脂材料等によって形成されているため、杖
をついた接地時の衝撃が大きい傾向にある。そのため
に、杖をつくたびに、杖使用者に対して、接地の衝撃が
杖から手、腕を経て頭部にまで伝わり、杖に体重を載せ
る脇に痛みや傷を生ずる場合さえあった。
【0004】そこで、このような問題に鑑み、接地部
(石突)を弾性体で形成すると共に、実開昭63−13
5625や実開平1−87732号公報等に記載されて
いるように、ボールジョイントを介して松葉杖本体の下
端部に石突を揺動自在に取り付けることにより、常に接
地部の下端面を地面に対して安定的に当接させて、杖使
用者への衝撃負担を低減するようにした松葉杖や、或い
は、実開昭63−264062号公報や実開平7−54
12号公報等に記載されているように、接地面を全体に
亘って前後方向に湾曲形状とすることにより、接地後の
松葉杖の傾斜が円滑に行われるようにして、松葉杖の傾
動時の衝撃を軽減するようにした松葉杖が提案されてい
る。
【0005】ところが、これらの何れも、杖の傾動がス
ムーズであるが故に、実際に使用すると、杖を前方に傾
斜させて使用者が体を前に移行させた際、使用者の体重
によって、杖の傾斜角度が加速度的に大きくなり、その
制限がきかないために、使用者が前のめりとなり易く、
最悪の場合には転倒にまで至るおそれがあった。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、杖本体にスムーズな傾動を与えて、杖使用
者の体荷重に基づく地面の衝撃的反力を軽減乃至は防止
させると共に、進行方向への加速度的な傾動速度を制限
して、歩行の安全性を向上せしめ得る新規な構造の松葉
杖用石突およびそれを用いた松葉杖を提供することにあ
る。
【0007】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0008】本発明の第一の態様は、松葉杖の下端の接
地部に取り付けられる松葉杖用石突であって、接地面と
なる底面を、松葉杖の中心軸に対して略直交して広がる
平坦な中央平坦面と、該中央平坦面の外周部分におい
て、少なくとも前後方向両側で斜め上方に向かって湾曲
状に延び出した湾曲面とによって構成すると共に、該湾
曲面の延出方向先端縁部において、該湾曲面上に立ち上
がって下方に向かって突出するストッパ部を固設した松
葉杖用石突を、特徴とする。
【0009】このような本態様に従う構造とされた松葉
杖用石突においては、先ず、松葉杖の下端(本態様の松
葉杖用石突)を前方に突き出して接地させ、杖使用者の
体重を松葉杖に載せて体を前方に移行させる。そして、
松葉杖を略鉛直状態から前方に傾動させて、歩行出来る
側の片足を進行方向に着地させることにより、体を前進
させる。即ち、かかる使用状態に際して、杖用石突を前
方に突き出して接地させた後傾状態から略鉛直状態に至
るまでの間、後方側の湾曲面による前傾案内作用によ
り、接地部が平坦面のみで構成された石突に比して、ス
ムーズな傾斜角度の変化が行われる。また、杖用石突を
略鉛直状態から前傾状態に至るまでの間、前方側の湾曲
面による前傾案内作用により、スムーズな傾斜角度の変
化が行われる。従って、全体としてスムーズな体重移動
が杖使用者に提供されることにより、体重に対する地面
の反発衝撃が軽減されて、使用性乃至は使用感が向上さ
れる。
【0010】また、特に本態様においては、ストッパ部
が湾曲面の延出方向先端縁部から下方に向かって突出し
て設けられていることにより、杖本体の湾曲面に沿った
前方への傾き運動に際して、ストッパ部が地面に当たる
ことにより節度的な抵抗力が発揮されて、制動効果が生
ぜしめられる。従って、行き過ぎた加速が制限されて、
最大傾斜速度を抑えることができることから、前のめり
等による危険が回避されることとなり、杖の使用安定
性、延いては杖使用者の安全性の向上が達成され得る。
【0011】更にまた、杖本体を前方に突き出して接地
させた際に、湾曲面の後方側に位置するストッパ部が接
地せしめられることにより、杖本体に懸かる体荷重に基
づく衝撃を吸収しながら地面の衝撃が緩和されて、使用
性の更なる向上が図られ得る。また、該ストッパ部を滑
らかな湾曲面に対して、突出するようにして固設したこ
とにより、地面に対する接地面の滑り止め機能も発揮さ
れ得る。
【0012】なお、中央平坦面の外周部分において斜め
上方に向かって延び出す湾曲面は、中央平坦面の周方向
の全周に亘って形成することも可能であり、全体として
逆ドーム形状としても良い。このような形状の石突を杖
の先端に装着することにより、杖の地面に対する左右方
向の傾斜角度を上手く調節出来ない杖使用者や、石突の
着地点の目標を上手く見定めることが出来ない杖使用者
等の、例えば、重度のリハビリ患者等に対しても、広い
接地角度と支持角度によって、上述の如き安定且つ確実
な石突動作を行わしめることが出来る。また、そのよう
な場合において、ストッパ部の具体的構造は何等限定さ
れるものでなく、湾曲面の全周に亘って固設されても良
いし、周方向で不連続に固設されていても良い。
【0013】また、本態様において、松葉杖用石突とし
ては、体荷重を負荷支持せしめ得る強度と耐久性を有
し、且つ運動疲労を軽減せしめ得る衝撃吸収作用を備え
たものであれば良く、好適には、天然ゴムや合成ゴム等
のゴム弾性体が採用される。また、松葉杖としては周知
の構造のものが採用可能であり、例えば、上端部に取り
付けられるクッション性を持たせた脇当て部と、下端部
に取り付けられる該杖用石突を除いた杖基体部として
は、体荷重を充分に負荷支持せしめ得る強度を持ち、且
つ運動疲労を可及的に軽減せしめ得る軽さと扱い易さを
備えた、樫等の軽くて丈夫な木やアルミニウム合金等の
軽合金、硬質合成樹脂等が好適に採用される。
【0014】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされた松葉杖用石突において、前記湾
曲面を、前記中央平坦面の前後方向両側において、それ
ぞれ、所定幅で斜め上方に向かって湾曲状に延び出した
一対の湾曲面によって構成したことを、特徴とする。
【0015】このような本態様に従う構造とされた松葉
杖用石突においては、周方向の全周に亘って連続又は不
連続に延びる湾曲面構造の松葉杖用石突に比して、特に
左右方向等への余分なぐらつき等が回避されて、杖本体
の石突における前後方向(進行方向)への傾動がよりス
ムーズ且つ安定して行われ得る。従って、このような石
突を有する松葉杖は、進行速度の向上や進行方向へのス
ムーズな運動機能性等を重視する使用者、例えばアスリ
ート等に対しても有効である。
【0016】すなわち、前記第一の態様に従う構造とさ
れた松葉杖用石突は、使用者の要求特性や嗜好性等に応
じて、中央平坦面や湾曲面の形状や大きさ、或いは中央
平坦面から延び出す湾曲面の延出方向や幅寸法、湾曲角
度等を調節することによって、例えば、第二の態様に係
る石突の如く進行方向前後方向だけに湾曲面を延び出さ
せることも可能であり、それによって、要求される種々
なる杖突運動、即ち松葉杖による前進歩行の補助作動が
実現可能となるのである。
【0017】また、本発明の第三の態様は、前記第二の
態様に従う構造とされた松葉杖用石突において、前記中
央平坦面の幅寸法を、前記一対の湾曲面よりも大きくし
て、該中央平坦面を該湾曲面よりも左右方向に張り出さ
せたことを、特徴とする。
【0018】このような本態様に従う構造とされた松葉
杖用石突においては、左右方向の安定性がより一層向上
され得るのであり、特に松葉杖に最も体重が載る略鉛直
状態となった際に、平坦部の幅が大きくされて左右方向
の接地幅が大きく確保されることから、杖本体の安定性
と使用時の安定感の更なる向上が達成されて、使用性だ
けでなく安心感も向上され得る。
【0019】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至は第三の何れかの態様に従う構造とされた松葉杖用石
突において、前記中央平坦面と前記湾曲面に対して、そ
れぞれ、凹凸を形成したことを、特徴とする。
【0020】このような本態様に従う構造とされた松葉
杖用石突においては、接地面となる中央平坦面と湾曲面
に対して、凹溝又は凸部が形成されることにより、地面
に対する石突接地面(中央平坦面乃至は湾曲面)の滑り
が抑制されて、使用性と安心感がより向上され得る。
【0021】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に従う構造とされた松葉杖用石突
において、前記中央平坦面と前記一対の湾曲面に対し
て、それぞれ、左右方向に延びる凹溝を少なくとも一条
形成したことを、特徴とする。
【0022】このような本態様に従う構造とされた松葉
杖用石突においては、前記第四の態様と同様な滑り抑制
効果が発揮される。また特に本態様では、進行方向と直
交する方向に凹溝が形成されることから、前後方向の滑
り抑制効果が特に有効に発揮されることとなり、杖本体
を前方へ突き出して接地させた際や、略鉛直状態から前
傾させると共に体を前方に移行させた際(所謂、杖の
前,後傾状態時)に、不用意な滑りに起因する転倒が軽
減乃至は防止されて、安全性の更なる向上が達成され得
る。
【0023】また、本発明の第六の態様は、前記第一乃
至第五の何れかの態様に従う構造とされた松葉杖用石突
において、前記湾曲面の延出方向中間部分において、該
湾曲面上で延び出し方向に略直交する方向に延びる段差
部を少なくとも一つ設けて、該段差部を挟んで前記中央
平坦面側よりも前記ストッパ部側を下方に突出させたこ
とを、特徴とする。
【0024】このような本態様に従う構造とされた松葉
杖用石突においては、杖本体を前方に突き出して接地さ
せた後、略鉛直状態から前傾状態に至るまでの間、即
ち、中央平坦面の略全面が接地面となる状態からストッ
パ部によって前傾動作が終了するまでの間に、湾曲面上
に段差部が形成されていることにより、前傾運動時にお
ける前傾途中の段差部の乗り越え抵抗によって、節度的
にスムーズな前傾動作が行われることとなる。そして、
杖の前傾時における速度制限が行われることにより、ス
トッパ部における制動的抵抗力を補助せしめ得る一方、
前傾運動の制動調節が可能となる。また、杖本体の前,
後傾運動が、段差部とストッパ部を組み合わせて、二段
階での加速度制限が行われることにより、かかる前,後
傾運動が、制限時を含めて一層円滑化され得る。
【0025】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃
至第六の何れかの態様に従う構造とされた松葉杖用石突
において、前記湾曲面の延出方向中間部分において、該
湾曲面上に突出して、該湾曲面の延び出し方向に略直交
する方向に延びる中間凸部を少なくとも一つ設けたこと
を、特徴とする。
【0026】このような本態様に従う構造とされた松葉
杖用石突においては、杖本体を前方に突き出して接地さ
せた後、略鉛直状態から前傾状態に至るまでの間に、湾
曲面上に突設した中間凸部が地面に当接されることによ
り、前記第六の態様における段差部と同様に前傾時の速
度制限作用が発揮される。また、特に本態様において
は、異なる形状の中間凸部を複数突設することも可能で
あり、使用条件に応じてより高度な加速度制限の調節を
行うことも可能である。
【0027】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃
至第六の何れかの態様に従う構造とされた松葉杖用石突
において、前記中央平坦面および前記一対の湾曲面と前
記ストッパ部を、弾性材によって一体形成したことを、
特徴とする。
【0028】このような本態様に従う構造とされた松葉
杖用石突においては、杖使用者自身の体荷重により、石
突が着地した時に及ぼされる地面からの衝撃的反力が、
弾性材によって緩和されることとなり、手や脇,肩等に
対して生ぜしめられる痛みを軽減乃至は防止することが
出来る。なお、本態様において、弾性材としては、ゴム
弾性体の他、各種のエラストマ材などが好適に採用され
る。
【0029】また、本発明の第八の態様は、前記第一乃
至第七の何れかの態様に従う構造とされた松葉杖用石突
において、前記中央平坦面および前記湾曲面を弾性材で
形成すると共に、それら中央平坦部および湾曲面を背後
からサポートする剛性の補強材を設けたことを、特徴と
する。
【0030】このような本態様に従う構造とされた松葉
杖用石突においては、特に使用者の体荷重や要求特性等
に応じて、補強材によって、石突の耐荷重性能や耐久性
を確保しつつ、弾性材による衝撃吸収性能を得ることが
出来ると共に、その衝撃吸収性能の調節自由度も有利に
向上せしめられる。なお、本態様において、補強材の材
質としては、金属材の他、硬質の合成樹脂材等が好適に
採用され得る。
【0031】また、本発明の第九の態様は、前記第一乃
至第八の何れかの態様に従う構造とされた松葉杖用石突
を備えた松葉杖を、特徴とする。
【0032】このような本態様に従う構造とされた松葉
杖においては、地面に対する石突の接地面が平坦面と湾
曲面によって構成されることにより、杖本体にスムーズ
な傾動を付与させて、地面の衝撃的反力に起因して生ぜ
しめられる、手や脇,肩等の体の痛みを軽減乃至は防止
することが出来る。しかも、傾動時における進行方向へ
の加速度的な傾動速度が、ストッパ部、或いはストッパ
部に加えて段差部及び/又は中間凸部によって制限され
ることによって、前のめりや滑り等の危険が回避され
て、安全性が向上される。
【0033】
【本発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明
らかにするために、本発明の実施形態について、図面を
参照しつつ、詳細に説明する。
【0034】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としての松葉杖10が、示されている。この松葉杖10
は、使用者の体荷重を地面12に及ぼして補助支持せし
めるものであり、長手状の杖本体14と、杖本体14の
下端部(接地側端部)に取り付けられた松葉杖用石突と
しての接地部材16とによって構成されている。なお、
以下の説明中、上下方向とは、原則として、略鉛直方向
となる図1の上下方向をいうものとする。
【0035】より詳細には、杖本体14は、緩やかに湾
曲したロッド形状を有する一対の長杆18,18を有し
ており、それら長杆18,18が、上方に行くに従って
次第に離隔するようにして水平方向で対向配置されてい
ると共に、それら両長杆18,18の下端部間で、スト
レートな円形ロッド形状を有する支持杆24が挟み込ま
れており、長杆18,18から下方に向かって支持杆2
4が突設されている。なお、支持杆24には、軸直角方
向に貫通する調節孔34が長手方向に所定距離を隔てて
複数設けられており、長杆18,18の下端部において
両長杆18,18の間に跨がって配設固定された固定ボ
ルト38,38を、任意の二つの調節孔34,34に挿
通せしめることにより、長杆18,18に対して支持杆
24がボルトが固定されている。また、固定ボルト3
8,38が挿通される調節孔34,34を、多数の調節
孔34の中から適当に選択変更することによって、長杆
18,18から支持杆24の突出長さ、即ち杖本体14
の高さ寸法を適宜に調節することが出来るようになって
いる。なお、これら長杆18,18や支持杆24は、例
えば、樫等の木材によって形成される。
【0036】また、長杆18,18の上端部には、脇当
部22が固設されている。この脇当部22は、略矩形ブ
ロック形状を有していると共に、長手方向両端部の近く
には、下面に開口する一対の取付用孔(図示せず)が形
成されており、これらの取付用孔に対して長杆18,1
8の各上端部が差し込まれて固定されている。なお、脇
当部22の表面は、衝撃を吸収するクッション性を持た
せたエラストマ材等によって形成されている。
【0037】更にまた、長杆18,18の長手方向中間
部分には、把持杆20が固設されている。この把持杆2
0は、人が手で握り易い太さの円形ロッド形状を有して
おり、長杆18,18の間に跨がって水平に延びる状態
で配設固定されている。なお、かかる把持杆20も、樫
等、長杆18,18と同様な材質で形成されている。
【0038】さらに、このような構造とされた杖本体1
4には、支持杆24の下端部に対して、接地部材16が
取り付けられている。
【0039】かかる接地部材16は、図2〜4に示され
ているように、補強材としての舟形金具40と、その周
囲を被覆するようにして固着された弾性材としての本体
ゴム弾性体44を含んで形成されている。舟形金具40
は、鉄鋼やアルミニウム合金等の剛性の金属材で形成さ
れており、全体として薄肉の略矩形平板形状を有してい
る。また、該舟形金具40の中央部分は、平坦な底板部
41とされている一方、長手方向両端部分は、底板部4
1から両側に向かって略一定の曲率で上方に向かって湾
曲せしめられた湾曲板部43,43とされている。更に
また、底板部41は、幅方向両側に円弧形状で大きく広
がっており、湾曲板部43よりも幅広とされている。ま
た、舟形金具40の長手方向中央部分、即ち底板部41
の中央部分には、幅方向に広がる薄肉プレート状の竪板
46が、舟形金具40の上面から上方に向かって略垂直
に突出する状態で溶着されている。
【0040】また、舟形金具40における底板部41の
上面には、円筒金具42が重ね合わせられて溶接固定さ
れている。この円筒金具42は、舟形金具40と同様に
鉄鋼やアルミニウム合金等の剛性の金属材で形成されて
おり、薄肉の円筒形状を有している。そして、一方の開
口端面において底板部41の上面に重ね合わせられて、
竪板46の周囲を覆う状態で、底板部41の中央から上
方に向かって垂直に延びる状態で固設されている。
【0041】更にまた、円筒金具42の内周面と、舟形
金具40において円筒金具42で囲まれた中央の円形上
面が、それらの略全体に亘って、略一体厚さで広がる嵌
着ゴム48によって被覆されている。なお、この嵌着ゴ
ム48は、円筒金具42の上側開口部から外周面にも延
び出しており、円筒金具42の上側開口端部の外周面も
嵌着ゴム48で覆われている。
【0042】そして、このような舟形金具40に対し
て、本体ゴム弾性体44が被着形成されている。かかる
本体ゴム弾性体44は、全体として矩形ブロック形状を
有しており、舟形金具40が内部中央に埋設された状態
で、舟形金具40と円筒金具42の外周面に対して加硫
接着されている。即ち、舟形金具40は、本体ゴム弾性
体44内に完全に埋設されており、円筒金具42は、本
体ゴム弾性体44の上面中央から所定高さで上方に突出
せしめられている。要するに、本実施形態においては、
接地部材16が、舟形金具40や円筒金具42を有する
本体ゴム弾性体44の一体加硫成形品によって構成され
ている。
【0043】これにより、舟形金具40の底板部41と
湾曲板部43,43の各下面も所定厚さの本体ゴム弾性
体44で覆われており、本体ゴム弾性体44の下面によ
って接地面が構成されている。
【0044】ここにおいて、舟形金具40の下面を覆う
本体ゴム弾性体44は、舟形金具40の底面の略全体に
亘って略一定の厚さ寸法とされている。これにより、本
体ゴム弾性体44の接地面となる底面は、松葉杖10の
中心軸に対して略直交方向に広がる中央平坦面50と、
中央平坦面50の前後方向両側(図2、左右両側)にお
いて、それぞれ、所定幅:W2で斜め上方に向かって湾
曲状に延び出した一対の湾曲面52,52によって構成
されている。なお、湾曲面52,52の幅寸法:W2に
比して、中央平坦面50の幅寸法:W1は大きく、W1
>W2 とされている。
【0045】また、各湾曲面52には、その前後への延
出方向の中間部分において、段差部56が湾曲面52の
左右方向(幅方向)の全体に亘って連続して延びるよう
にして設けられている。そして、この段差部56によっ
て、舟形金具40の下面を覆う本体ゴム弾性体44の厚
さ寸法が二段階とされて階段状に変化せしめられてお
り、舟形金具40の下面を覆う本体ゴム弾性体44の厚
さ寸法が、底板部41側で薄く、前後方向の突出先端側
で厚く設定されている。これにより、湾曲面52の前後
方向の略中央部分に位置して、湾曲面52から略垂直に
延び出す階段状の段差面が形成されている。なお、この
段差部56の高さは、中央平坦面50を接地させて支持
杆24を地表面に対して略直角に立設させた状態下で、
段差部56の突出先端部が接地しないか、或いは僅かに
接地する程度の高さとされることが望ましく、本実施形
態では、段差部56が接地しない高さで形成されてい
る。
【0046】さらに、前後両側の湾曲面52,52上に
は、それぞれ、前後方向の延び出し先端縁部に位置し
て、ストッパ部としてのストッパ突部54が設けられて
いる。このストッパ突部54は、湾曲面52の延出方向
先端縁部から、湾曲面52上に立ち上がるようにして下
方に向かって延び出しており、中央平坦面50が接地状
態(地面12に対して接した状態)である時、ストッパ
突部54の先端縁部が僅かに接地しない程度まで延び出
した構造とされている。なお、本実施形態では、ストッ
パ突部54の幅が略W2とされて、湾曲面の全幅に亘っ
て連続して形成されていると共に、ストッパ突部54の
突出先端部が、中央平坦面50接地させた状態下で、段
差部56の突出先端部よりも上方、即ち地表から大きく
離隔して位置せしめられるように、ストッパ凸部54の
突出高さが設定されている。
【0047】また、湾曲面52には、図5にも示されて
いるように、段差部56とストッパ突部54の間に、凹
溝としてのスリット58が一条形成されている。スリッ
ト58は、湾曲面52の左右方向(所謂、幅方向)の全
体に亘って連続して略一定断面形状で延びており、その
深さ寸法が0.5〜5mmとされていると共に、幅寸法が
0.5〜5mmとされている。これにより、接地部材16
が、体荷重を負荷されて斜めに傾斜して接地せしめられ
た際に、段差部56の弾性変形が有利に生ぜしめられ
て、一層優れた緩衝性能が発揮されるようになっている
と共に、段差部56の地面12に対する追従性が向上さ
れるようになっている。
【0048】さらに、中央平坦面50には、図5に示さ
れているように、凹溝としてのガター60が複数条(本
実施形態では、四条)形成されている。各ガター60
は、中央平坦面50の左右方向(所謂、幅方向)の全体
に亘って連続して略一定断面形状で延びており、それぞ
れ、前後方向に等間隔に形成されている。また、その深
さ寸法や幅寸法は、前記スリット58と略同一とされて
いる。これにより、中央平坦面50の地面12への接地
時における水はけ性が向上されると共に、スリット58
の形成部位におけるエッジ効果等によって、接地部材1
6の地面12に対する滑りが防止されて、特に濡れた路
面等で使用する際のスリップ等の危険が軽減されるよう
になっている。
【0049】そして、このような構造とされた接地部材
16は、杖本体14の支持杆24の下端部に対して、円
筒金具42が外嵌固定されることによって取り付けられ
ている。なお、接地部材14の支持杆24への取り付け
は、接着材等を用いて取外し不能に固定する他、外嵌に
よって嵌着ゴム48等の弾性を利用して取外し可能に固
定したり、螺子やボルト等で固定しても良い。
【0050】上述の如き構造とされた接地部材16を備
えた松葉杖10においては、その使用時に、把持杆20
を把持すると共に、脇当部22を脇で挟んで、松葉杖1
0の下端部(接地部材16)を前方に突き出して接地さ
せると、先ず、ストッパ突部54が地面12に着地せし
められる。そして、図6に示されているように、杖本体
14に懸かる体荷重による地面12からの反力によって
ストッパ突部54が弾性変位せしめられることとなり、
杖本体14を前傾させることにより、続いて段差部56
が接地せしめられて、弾性変形せしめられる。この状態
を杖本体14の後傾状態という。
【0051】そして、かかる後傾状態から杖本体14に
体重を載せつつ、杖使用者が前方に体重移動させること
に伴って、湾曲面52によって前方に杖本体14が案内
されることにより、杖使用者の前方への移動と共に、杖
本体14の起立が行われる。この状態を杖本体14の鉛
直状態という。
【0052】さらに、図7に示されているように、かか
る鉛直状態から杖本体14に体重を載せつつ、杖使用者
が更に前方に体重移動させることに伴って、湾曲面52
によって杖本体14が更に前方に案内されることによ
り、接地部材16の前方側に形成された湾曲面52から
段差部56、次いでストッパ突部54の順に接地が行わ
れて、それら段差部56とストッパ突部54が弾性変形
せしめられる。この状態を杖本体14の前傾状態とする
と、杖本体14の後傾状態からの前傾動作と、足の踏出
しを同期させて、かかる前傾状態の完了と略同時に足の
着地を行うことにより、松葉杖10のサポートによる前
進歩行を行うことが出来る。
【0053】続いて、松葉杖10の下端部分を歩行方向
前方に振り出して接地面における他の位置に接地部材1
6を接地させて、上述の如き杖本体14の後,前傾動作
を行うことにより、杖本体14のスムーズな傾斜角度の
変化が行われ得て、目的とする前進歩行を連続して行う
ことが出来るのである。
【0054】従って、上述の如き構造とされた松葉杖1
0によれば、接地部材16を前方に突き出して接地させ
た歩行開始時の後傾状態から、歩行終了時の前傾状態に
至るまでの間、前後両側の湾曲面52,52と、そこに
形成されたストッパ突部54および段差部56による前
傾案内作用により、松葉杖10の円滑で且つ緩衝的な傾
斜角度の変化が行われることとなり、全体としてスムー
ズな体重移動による衝撃負担の軽減が実現され得る。し
かも、前方側の湾曲面52に形成された段差部56とス
トッパ突部54の節度的且つ緩衝的な制動作用が発揮さ
れることから、松葉杖10の前傾加速がつき過ぎること
が防止されて、安全性の向上が達成され得る。
【0055】また、特に本実施形態においては、舟形金
具40および円筒金具42によって本体ゴム弾性体44
が補強されていることから、本体ゴム弾性体44の材質
の選択等に基づく、弾性特性等の調節自由度が有利に向
上され得る。
【0056】次に、図8〜9には、本発明の第二の実施
形態としての接地部材62が示されている。なお、本実
施形態における杖本体としては、前記第一の実施形態に
おける杖本体(14)と同様な構造とされたものが採用
され得ることから、その詳細な説明は割愛する。また、
図8,9は、前記第一の実施形態における図2,3に対
応した図であって、図中、第一の実施形態と同様な構造
とされた部材および部位については、それぞれ第一の実
施形態と同様な符号を付することにより、それらの詳細
な説明を省略する。
【0057】すなわち、本実施形態の接地部材62にお
いては、前記第一の実施形態における舟形金具(40)
や円筒金具(42)を備えておらず、接地部材62が、
ゴム弾性体のみによって形成されている。より具体的に
は、かかる接地部材62は、天然ゴムや合成ゴムを材質
とする本体ゴム弾性体64によって一体成形されてい
る。本体ゴム弾性体64の接地面となる底面には、前記
第一の実施形態と同様な構造とされた中央平坦面50と
湾曲面52が形成されており、中央平坦面50には、前
記第一の実施形態と同様な構造とされたガター60が設
けられていると共に、湾曲面52には、前記第一の実施
形態と同様な構造とされたストッパ突部54,段差部5
6およびスリット58が、設けられている。
【0058】また、本体ゴム弾性体64は、第一の実施
形態における接地部材と略同じ矩形ブロック状の外形形
状を有しており、上面中央に開口して上下方向に所定深
さで延びる挿入孔66を備えている。また、本体ゴム弾
性体64には、挿入孔66の開口部の周囲から上方に向
かって延び出す円筒状の筒部70が一体形成されてい
る。なお、筒部70の外周面は、上方に行くに従って小
径となるテーパ筒形状とされており、基部側の強度が大
きく補強されている。そして、図8に仮想線で示されて
いるように、松葉杖の支持杆24の下端部が筒部70に
圧入されて、本体ゴム弾性体64の挿入孔66に嵌入固
定されることによって、接地部材62が支持杆24に装
着されるようになっている。更に、挿入孔66底部に
は、第一の実施形態における竪板(46)と略同様な形
状の竪板ゴム68が固設されており、この竪板ゴム68
によって、支持杆24の回転が防止されて、接地部材6
2が支持杆24に対して前後方向に位置決めされるよう
になっている。
【0059】従って、このような本体ゴム弾性体64に
よって形成された本実施形態の接地部材62において
も、接地面となる底面が前記第一の実施形態と同様な構
造とされていることから、第一の実施形態と同様な作用
・効果が何れも有効に発揮され得るのであり、更にそれ
に加えて、接地部材がゴム弾性体のみによって形成され
ていることから、接地部材62の接地感をよりソフトに
することも出来ると共に、容易且つ低コストで製造する
ことが可能となるのである。
【0060】さらに、図10〜13には、本発明の第三
の実施形態としての接地部材72が示されている。な
お、本実施形態における杖本体としては、前記第一の実
施形態における杖本体(14)と同様な構造とされたも
のが採用されることから、その詳細な説明は割愛する。
また、図10〜13は、前記第一の実施形態における図
2〜5に対応した図であって、図中、第一の実施形態と
同様な構造とされた部材および部位については、それぞ
れ第一の実施形態と同様な符号を付することにより、そ
れらの詳細な説明を省略する。
【0061】すなわち、本実施形態の接地部材72は、
補強材としての皿形金具74および円筒金具42と、そ
れらの外周面に配された弾性材としての本体ゴム弾性体
76によって形成されている。皿形金具74は、鉄鋼や
アルミニウム合金等の剛性の金属材で形成されており、
薄肉円板形状を有する中央底板部75と、該中央底板部
75の外周縁部から上方に向かって湾曲した環状湾曲部
77とを一体的に備えた深皿形状を有している。また、
皿形金具74の中央底板部75の中央には、前記第一の
実施形態と同様な構造とされた竪板46が上方に突出し
て溶着されている。更にまた、皿型金具74の中央底板
部75の上面には、前記第一の実施形態と同様な構造と
された円筒金具42が溶着されていると共に、円筒金具
42には、嵌着ゴム48が加硫接着されている。
【0062】また、本体ゴム弾性体76は、全体として
厚肉の略円盤形状を有しており、皿形金具74を全体に
亘って覆うように加硫接着されている。要するに、本実
施形態においては、接地部材72は、皿形金具74、円
筒金具42および嵌着ゴム48を備えた、本体ゴム弾性
体76の一体加硫成形品として形成されている。
【0063】また、本体ゴム弾性体76の接地面となる
底面は、杖本体14の中心軸に対して直交して広がる円
形の中央平坦面78と、中央平坦面78の外周部分の全
周において、斜め上方に向かって湾曲状に延び出した環
状の湾曲面80によって構成されている。
【0064】さらに、湾曲面80には、周方向の全周に
亘って、ストッパ部としてのストッパ突部82が設けら
れている。このストッパ突部82は、湾曲面80の延出
方向先端縁部から、湾曲面80上に立ち上がるようにし
て下方に向かって延び出しており、中央平坦面78が接
地状態である時、ストッパ突部82の先端縁部が僅かに
接地しない高さで突出して、本体ゴム弾性体76によっ
て一体形成されている。なお、本実施形態では、ストッ
パ突部82が、突出方向に向かって先細状とされた逆向
きの山形断面とされており、その幅寸法は、湾曲面80
の基端部から、湾曲面80の延出方向先端縁部までの距
離の略1/6〜1/3とされている。
【0065】更にまた、湾曲面80には、その延出方向
中間部分において、段差部84が湾曲面80の周方向全
体に亘って延びるようにして設けられている。段差部8
4は、皿形金具74の下面を覆う本体ゴム弾性体76の
厚さ寸法が二段階とされて階段状に変化せしめらてお
り、皿形金具74の下面を覆う本体ゴム弾性体76の厚
さ寸法が、中央平坦面78側で薄く、湾曲面80におけ
る外周側への突出先端側で厚く設定されている。なお、
かかる段差部84は、湾曲面80からの突出高さが、ス
トッパ突部82よりも小さく(本実施形態では、ストッ
パ突部82の1/4〜1/2)されており、中央平坦面
78が地面に接地された状態下で、段差部84とストッ
パ突部82の何れの先端部分も接地しない程度の突出高
さとされている。
【0066】また、湾曲面80には、図13にも示され
ているように、段差部84とストッパ突部82の間に、
凹溝としての周溝86が形成されている。周溝86は、
湾曲面80の周方向全体に亘って連続して形成されてお
り、その深さ寸法は、段差部84の突出高さと略同一と
されている。これにより、体荷重が負荷された際に、接
地された段差部84の弾性変形に基づく緩衝性能が一層
有利に発揮されるようになっている。
【0067】さらに、中央平坦面78には、図13に示
される如き、凹溝としての大円溝88および小円溝90
が形成されている。大円溝88および小円溝90は、中
央平坦面78と略同心円上に、周方向全体に亘って略一
定断面形状で連続して形成されている。また、その深さ
寸法は、周溝86と略同一とされている。これにより、
中央平坦面78の地面に対する滑りが防止されて、濡れ
た路面等で使用する際のスリップ等の危険が回避される
ようになっている。
【0068】従って、本発明に従う構造とされた接地部
材72においては、前記第一の実施形態で説明したのと
同様に使用されることにより、前記第一の実施形態と同
様な作用・効果が何れも有効に発揮され得るのである。
しかも、本態様においては、接地面において、円板形状
の中央平坦面78の全周に亘って湾曲面80が連続的に
形成されていることから、正確な前後方向から外れた方
向での松葉杖の傾動に際しても、前述の如き緩衝作用や
前傾速度制限作用等が、何れも有効に発揮され得るので
ある。
【0069】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、
これらの実施形態における具体的記載によって、何等、
限定的に解釈されるものでない。
【0070】例えば、前記実施形態では、湾曲面の延出
方向中間部分において、段差部が形成されていたが、こ
れに限定されるものでなく、例えば、湾曲面上に突出し
て、湾曲面の延出方向に直交する方向に延びる、突出部
を一つ以上設けても良く、或いは要求される使用特性等
によっては、そのような段差部や突出部を設けなくても
良い。
【0071】また、前記実施形態では、接地部材の接地
面(中央平坦面)に凹溝(ガター60、大,小円溝8
8,90等)が設けられていたが、これに限定されるも
のでなく、例えば、半球形状の突出部を接地面に複数設
けることも可能であり、また、要求特性によっては、そ
のような凹溝や突出部をを必ずしも設ける必要はない。
【0072】さらに、湾曲面の外周縁部に形成されるス
トッパ部に対して、金具等の硬質材を用いて補強を行う
こことも可能である。
【0073】また、前記第一及び第二の実施形態では、
中央平坦面50の幅寸法:W1 と湾曲面52の幅寸法:
W2 が、W1 >W2 とされていたが、接地部材全体を、
前後方向で略一定の幅寸法としてW1 =W2 とすること
も可能である。
【0074】更にまた、前記第一及び第二の実施形態で
は、湾曲面が一定の所定幅:W2 で杖本体の中心軸外方
に延び出して形成されていたが、要求される使用特性等
によっては、延出方向先端側に行くに従って、幅寸法を
次第に狭くして先細状に形成すること等も可能である。
【0075】加えて、本発明の接地部材は、例示のよう
に、杖本体に対して取り外し、交換等可能である他、溶
接,接着,ボルト固定等杖本体に接地部材を固着するこ
とも可能である。
【0076】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0077】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた松葉杖用石突を松葉杖に用いること
により、該石突における中央平坦面の少なくとも前後方
向に形成された湾曲面によって、接地面の後,前傾動作
が円滑に為され得て、使用者に及ぼされる衝撃等が軽減
乃至は解消されて使用者の負担が軽減され得る。
【0078】しかも、傾斜角度が大きくなった際には、
その円滑な接地面の後,前傾動作が、湾曲面の外周縁部
に形成されたストッパ部によって速度抑制されることか
ら、使用性および安心感が飛躍的に向上され得るのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての松葉杖を示す
平面図である。
【図2】図1に示された接地部材を示す縦断面図であ
る。
【図3】図2におけるIII ―III 断面図である。
【図4】図2におけるIV―IV断面図である。
【図5】図1に示された接地部材を示す底面図である。
【図6】図1に示された松葉杖の一作動状態を示す説明
図である。
【図7】図1に示された松葉杖の別の作動状態を示す説
明図である。
【図8】本発明の第二の実施形態としての松葉杖用接地
部材を示す縦断面図である。
【図9】図8におけるIX―IX断面図である。
【図10】本発明の第三の実施形態としての松葉杖用接
地部材を示す縦断面図である。
【図11】図10におけるXI―XI断面図である。
【図12】図10におけるXII ―XII 断面図である。
【図13】図10に示された接地部材を示す底面図であ
る。
【符号の説明】
10 松葉杖 14 杖本体 16,62,72 接地部材 50,78 中央平坦面 52,80 湾曲面 54,82 ストッパ突部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年1月29日(2001.1.2
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明の第一の態様は、松葉杖の下端の接
地部に取り付けられる松葉杖用石突であって、接地面と
なる底面を、松葉杖の中心軸に対して略直交して広がる
平坦な中央平坦面と、該中央平坦面の外周部分におい
て、少なくとも前後方向両側で斜め上方に向かって湾曲
状に延び出した湾曲面とを含んで、ゴム弾性体で一体形
成し、更に該湾曲面の延出方向先端縁部において、該湾
曲面上に立ち上がって下方に向かって突出するストッパ
部を該ゴム弾性体で一体形成すると共に、該湾曲面の延
出方向中間部分において、該湾曲面上で延び出し方向に
略直交する方向に延びる段差部を該ゴム弾性体で一体形
成して、該段差部を挟んで前記中央平坦面側よりも前記
ストッパ部側を突出させることにより、前記松葉杖を鉛
直状態から傾斜させた際に接地面に対する該松葉杖の傾
動が該湾曲面によって案内されて、該湾曲面から該段差
部、次いで該ストッパ部の順に接地が行われるようにし
た松葉杖用石突を、特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】また、上述の如き本発明の第一乃至第六の
何れかの態様に従う構造とされた松葉杖用石突において
は、何れも、湾曲面の延出方向中間部分において、該湾
曲面上で延び出し方向に略直交する方向に延びる段差部
を形成して、該段差部を挟んで中央平坦面側よりもスト
ッパ部側を突出させた構成とされていることから、かか
る松葉杖用石突にあっては、杖本体を前方に突き出して
接地させた後、略鉛直状態から前傾状態に至るまでの
間、即ち、中央平坦面の略全面が接地面となる状態から
ストッパ部によって前傾動作が終了するまでの間に、湾
曲面上に段差部が形成されていることにより、前傾運動
時における前傾途中の段差部の乗り越え抵抗によって、
節度的にスムーズな前傾動作が行われることとなる。そ
して、杖の前傾時における速度制限が行われることによ
り、ストッパ部における制動的抵抗力を補助せしめ得る
一方、前傾運動の制動調節が可能となる。また、杖本体
の前,後傾運動が、段差部とストッパ部を組み合わせ
て、二段階での加速度制限が行われることにより、かか
る前,後傾運動が、制限時を含めて一層円滑化され得
る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】また、前記段差部は、前記湾曲面の延出方
向中間部分において、該湾曲面上に突出して、該湾曲面
の延出方向に略直交する方向に延びる中間凸部を少なく
とも一つ設けることによって構成することも可能であ
り、このような構造とされた松葉杖用石突においては、
杖本体を前方に突き出して接地させた後、略鉛直状態か
ら前傾状態に至るまでの間に、湾曲面上に突設した中間
凸部が地面に当接されることにより、前記段差部と同様
に前傾時の速度制限作用が発揮される。また、特にこの
ような構造においては、異なる形状の中間凸部を複数突
設して全体として段差部を形成することも可能であり、
使用条件に応じてより高度な加速度制限の調節を行うこ
とも可能である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】また、上述の如き本発明の第一乃至第六の
何れかの態様に従う構造とされた松葉杖用石突において
は、何れも、前記中央平坦面および前記一対の湾曲面と
前記ストッパ部を、弾性材によって一体形成されている
ことから、杖使用者自身の体荷重により、石突が着地し
た時に及ぼされる地面からの衝撃的反力が、弾性材によ
って緩和されることとなり、手や脇,肩等に対して生ぜ
しめられる痛みを軽減乃至は防止することが出来る。な
お、本態様において、弾性材としてはゴム弾性体の他、
各種のエラストマ材などが好適に採用される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】また、本発明の第の態様は、前記第一乃
至第の何れかの態様に従う構造とされた松葉杖用石突
において、前記ゴム弾性体で一体形成された前記中央平
坦面および前記湾曲面を背後からサポートする剛性の補
強材を設けたことを、特徴とする。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃
至第八の何れかの態様に従う構造とされた松葉杖用石突
を備えた松葉杖を、特徴とする。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 松葉杖の下端の接地部に取り付けられる
    松葉杖用石突であって、 接地面となる底面を、松葉杖の中心軸に対して略直交し
    て広がる平坦な中央平坦面と、該中央平坦面の外周部分
    において、少なくとも前後方向両側で斜め上方に向かっ
    て湾曲状に延び出した湾曲面とによって構成すると共
    に、該湾曲面の延出方向先端縁部において、該湾曲面上
    に立ち上がって下方に向かって突出するストッパ部を固
    設したことを特徴する松葉杖用石突。
  2. 【請求項2】 前記湾曲面を、前記中央平坦面の前後方
    向両側において、それぞれ、所定幅で斜め上方に向かっ
    て湾曲状に延び出した一対の湾曲面によって構成した請
    求項1に記載の松葉杖用石突。
  3. 【請求項3】 前記中央平坦面の幅寸法を、前記一対の
    湾曲面よりも大きくして、該中央平坦面を該湾曲面より
    も左右方向に張り出させた請求項2に記載の松葉杖用石
    突。
  4. 【請求項4】前記中央平坦面と前記湾曲面に対して、そ
    れぞれ、凹凸を形成した請求項1乃至3の何れかに記載
    の松葉杖用石突。
  5. 【請求項5】 前記湾曲面の延出方向中間部分におい
    て、該湾曲面上で延び出し方向に略直交する方向に延び
    る段差部を少なくとも一つ設けて、該段差部を挟んで前
    記中央平坦面側よりも前記ストッパ部側を下方に突出さ
    せた請求項1乃至4の何れかに記載の松葉杖用石突。
  6. 【請求項6】 前記湾曲面の延出方向中間部分におい
    て、該湾曲面上に突出して、該湾曲面の延び出し方向に
    略直交する方向に延びる中間凸部を少なくとも一つ設け
    た請求項1乃至5の何れかに記載の松葉杖用石突。
  7. 【請求項7】 前記中央平坦面および前記一対の湾曲面
    と前記ストッパ部を、弾性材によって一体形成した請求
    項1乃至6の何れかに記載の松葉杖用石突。
  8. 【請求項8】 前記中央平坦面および前記湾曲面を弾性
    材で形成すると共に、それら中央平坦面および湾曲面を
    背後からサポートする剛性の補強材を設けた請求項1乃
    至7の何れかに記載の松葉杖用石突。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8の何れかに記載の松葉杖
    用石突を備えた松葉杖。
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