JP2002085045A - 加熱空気による予備加熱を伴う穀類の蒸煮方法及び装置 - Google Patents

加熱空気による予備加熱を伴う穀類の蒸煮方法及び装置

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JP2002085045A
JP2002085045A JP2000275950A JP2000275950A JP2002085045A JP 2002085045 A JP2002085045 A JP 2002085045A JP 2000275950 A JP2000275950 A JP 2000275950A JP 2000275950 A JP2000275950 A JP 2000275950A JP 2002085045 A JP2002085045 A JP 2002085045A
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heated air
steaming
cereal
preheating
belt
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Kazuhiro Araki
和弘 荒木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主として酵素工業又は醸造工業における穀類
の蒸煮方法及び装置に関する。 【解決手段】 加水処理を行った穀類に対して加熱空気
を接触させ、穀類表面の水を蒸発させると共に、穀類の
温度を上昇させた後、蒸気による湿熱処理を行うと共
に、通気性のあるベルト4を備えた横型連続蒸煮装置1
を設け、横型連続蒸煮装置1のホッパ3の下方に近接す
るベルト4の裏面側に送風室7を設け、送風室7に加熱
ヒータ9と加熱空気を送り込む送風ファン10を接続す
る、加熱空気による予備加熱を伴う穀類の蒸煮方法及び
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】この発明は、主として酵素工業又
は醸造工業における穀類の蒸煮方法及び装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】穀類を蒸煮する場合には、主として穀類
を所定の時間、水と接触させる浸漬工程を行い、浸漬水
と穀類を分離する水切工程を経て、水蒸気を使用する蒸
煮装置により蒸煮していた。水蒸気を使用する蒸煮に
は、大型の甑装置、穀類が上方から下方に移動する竪型
連続蒸煮装置、コンベア上に穀類を堆積させて水平方向
に移動させる横型連続蒸煮装置等が使用されている。ま
た、圧力容器を使用した蒸煮装置も使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水蒸気を使用して穀類
を蒸煮する場合、水蒸気と接触した穀類は水蒸気の熱を
吸収し、穀類の温度が上昇する。熱を吸収された水蒸気
は結露し、穀類表面に付着した後に内部へ吸収される。
水蒸気と同程度の温度まで穀類の温度が上昇すると、穀
類への接触により水蒸気が結露することがなくなり、穀
類への結露水の供給が停止する。穀類の堆積層の下方か
ら蒸気を供給している場合には、蒸気が堆積層を通過し
て上方へ吹き上げる吹抜現象が発生する。このため、吹
き抜けるまでの間に穀類は、水蒸気から発生する結露を
吸収することにより水分含量が増加し、吹抜現象以降に
は水分含量の増加がなくなることになる。
【0004】穀類に水分が付着し100℃に近い温度に達
する吹抜現象以前では、蒸す状態ではなく、一時的に煮
る状態となるため、穀類表層の糊化が進み、粘着性が増
加する。特に、穀類の温度が低い場合や穀類表面に浸漬
水が残存している状態では、穀類温度を上昇させるため
に多量の水蒸気が消費される。多量の結露水が発生する
ことにより、穀類表層の糊化が非常に進み、強い粘着性
が発生する。このため、蒸煮穀類が装置に付着しやすく
なり、また穀類同士がこの粘着性により塊状となるた
め、以降の工程において問題が発生する。
【0005】この発明の課題は、浸漬水切後の穀類に加
熱空気を接触させ、穀類温度を上昇させながら表面水分
を減少させることにより、穀類表層の糊化を減少させる
ことで粘着性を低下させる、加熱空気による予備加熱を
伴う穀類の蒸煮方法及び装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1で
は、加水処理を行った穀類に対して加熱空気を接触させ
る。穀類表面の水を蒸発させると共に、穀類の温度を上
昇させる。その後、蒸気による湿熱処理を行う。
【0007】この発明の請求項2では、通気性のあるベ
ルトを備えた横型連続蒸煮装置を設ける。横型連続蒸煮
装置のホッパの下方に近接するベルトの裏面側に送風室
を設ける。送風室に加熱ヒータと加熱空気を送り込む送
風ファンを接続する。
【0008】この発明の請求項3では、通気性のあるベ
ルトを備えた予熱コンベアを設ける。穀類を堆積するベ
ルトの表面の裏面側に送風室を設ける。送風室に加熱ヒ
ータと加熱空気を送り込む送風ファンを接続する。予熱
コンベアの排出口を蒸煮装置に接続する。
【0009】この発明の請求項4では、送風室に接する
通気性のあるベルトの上方に、穀類の感知センサを設け
る。加熱ヒータと送風ファンの運転を穀類の感知センサ
により制御する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図によりこの発明の実施例
を説明する。図1は、横型連続蒸煮装置の内部において
加熱空気を吹き込むタイプの縦断面図である。図2は、
横型連続蒸煮装置の外部において加熱空気を吹き込む予
熱コンベアを設けたタイプの縦断面図である。
【0011】実施例として、穀類として白米を使用した
場合について、図1を使用して説明する。前段処理とし
ての加水処理である浸漬工程において水分を吸収した白
米は、水切工程(図示せず)で余分の浸漬水を除去さ
れ、横型連続蒸煮装置1にコンベア2により搬送され
る。この時点での白米は常温であり、白米の粒子の周囲
には付着水が存在している。
【0012】コンベア2から横型連続蒸煮装置1のホッ
パ3aに投入された白米は、通気性のあるベルトとしての
ネットコンベア4を底面としてホッパ3aに堆積する。ネ
ットコンベア4が図1で白抜矢印の示す方向に移動する
ことにより、白米は一定の厚さでネットコンベア4と共
に排出口5へ移動する。ネットコンベア4の空間部に設
けた複数の蒸気室6の供給口6aに供給された蒸気が、白
米の移動中にネットコンベア4から白米堆積層中を通過
し、これによって白米を蒸すことができる。
【0013】ホッパ3aのほぼ直下に位置するネットコン
ベア4の空間部に、ホッパ3aに堆積した白米に対して加
熱空気を供給する送風室7aを設ける。送風室7aには側部
に接続する加熱ダクト8aにより、加熱ヒータ9aと送風フ
ァン10aを接続する。送風ファン10aの空気取入れ口に
は、防塵又は除菌等のフィルタ11を設けてもよい。
【0014】加熱ヒータ9aと送風ファン10aにより送風
室7aに送り込まれる加熱空気は、ネットコンベア4を通
して、ホッパ3a内部に堆積した白米に供給される。加熱
空気は、図1で黒抜矢印に示すように白米堆積層を通過
し、排気ダクト12により排気される。あるいは図2に示
すように、排気ダクト12に調節ダンパ13を設け、調節ダ
ンパ13と送風ファン10bの空気取入れ口を接続し外気の
取入れ口を設けて、排気の一部または全部を再利用して
もよい。
【0015】ホッパ3aに堆積する白米粒子は、表面を水
で覆われ、室温と同程度の温度である。この状態で蒸気
室6から供給される蒸気に接触すると、白米表面の水に
より蒸気が冷却され、更に白米自体により冷却されるた
め、多量の結露水が発生することになる。結露水と白米
が蒸気により加温されるため、蒸気が吹き抜けるまでの
間は、白米を蒸す状態ではなく煮る状態となる。結露水
が少なく煮る状態が短い場合には、白米の表層の糊化は
少なくなるが、結露水が多い場合には煮る状態が長くな
り、白米の表層の糊化が進行する。このため、白米の表
面が糊状となり粘着性が強くなる。このような粘着性が
強い白米が排出口5から排出されると、以後の工程に使
用される冷却装置や搬送装置に付着し、装置のトラブル
やサニタリ性の低下につながる。また、白米同士が団子
状に固まり、冷却の不均一や他原料との混合が不均一と
なるため、著しく品質が低下する。後の工程で白米に微
生物を接種する場合には、白米の分散性が大きな問題と
なる。白米が団子状態であると均一な微生物接種が不可
能である。
【0016】送風室7aから供給される加熱空気は、ホッ
パ3a内の白米堆積層を通過することにより、白米表面の
水分を蒸発させ、白米自体の温度を上昇させる。表面水
が減少し温度の上昇した白米は、少量の蒸気により吹き
抜け温度まで上昇するため、結露水の発生が少なく、煮
る状態が短くなる。このため、白米の糊化が少なく粘着
性が弱くなり、装置への付着が減少し白米同士の付着も
減少する。
【0017】加熱ヒータ9aと送風ファン10aのON/OFFを
自動制御する場合には、穀類の感知センサ15aを送風室7
aの上方にあるホッパ3aの内部に設ける。白米を感知し
た場合には加熱ヒータ9aと送風ファン10aを運転させ、
白米を感知しなくなった場合に、加熱ヒータ9aと送風フ
ァン10aを停止する。
【0018】加熱空気と白米の接触を精度よく行う場合
には、図2に示す装置を使用するとよい。浸漬した白米
を搬送するコンベア2から予熱コンベア14に投入する。
予熱コンベア14には、通気性のあるネットコンベア4bの
間に送風室7bを設ける。送風室7bは穀類の性質に応じ
て、単数でも複数でもよい。送風室7bには側部に接続す
る加熱ダクト8bにより、加熱ヒータ9bと送風ファン10b
を接続する。排気の再利用については、図1の装置の説
明と同様である。白米の堆積層の厚さを薄くすることに
より、上層と下層の水分と温度の差を小さくすることが
できる。予熱コンベア14により表面水を減少され、温度
の上昇した白米は、横型連続蒸煮装置1のホッパ3aに投
入され蒸煮される。予熱コンベア14と横型連続蒸煮装置
1の間には、ベルトコンベア等の搬送装置を組み込んで
もよい。
【0019】加熱ヒータ9bと送風ファン10bのON/OFFを
自動制御する場合には、穀類の感知センサ15bを予熱コ
ンベア14のホッパ3bの内部に設ける。白米を感知した場
合には加熱ヒータ9bと送風ファン10bを運転させ、白米
を感知しなくなった場合には加熱ヒータ9bと送風ファン
10bを停止する。
【0020】横型連続蒸煮装置1内の蒸気は、調節弁16
から排気ダクト17を介して排気ファン18から排気され、
また排気ダクト12内の蒸気も排気ダクト12を経て排気フ
ァン18から排気される。なお調節弁16は必ずしも必須の
ものではない。
【0021】横型連続蒸煮装置1は半密閉式の無圧型蒸
煮装置であるが、円筒形の圧力容器内にネットコンベア
4を設けた加圧型連続蒸煮装置においても、横型連続蒸
煮装置1と同様に送風室7を設けてこの蒸煮方法を採用
することができる。圧力容器を使用したバッチ式の蒸煮
装置においては、蒸気を吹き込む前に加熱空気を吹き込
むことにより、この蒸煮方法を採用することができる。
また、圧力容器を使用したバッチ式の蒸煮装置では、予
熱コンベア14を使用することにより、容易にこの蒸煮方
法を採用することができる。同様に、無圧型のバッチ式
の蒸煮装置に対しても、この蒸煮方法を採用することが
できる。
【0022】
【発明の効果】浸漬後の表面水分が多く温度も低い穀類
に対して、加熱空気を接触させることにより、表面水分
は減少し温度が上昇する。このため、蒸気と接触した状
態での穀類表面では結露水の発生量が減少し、穀類表面
の過剰な糊化を抑制することができる。過剰な糊化の抑
制は、穀類の付着性を減少させる。
【0023】加熱空気を接触させる装置を横型連続蒸煮
装置のホッパの下方に組み込むことにより、既設の横型
連続蒸煮装置においても、周辺の設置スペースに影響さ
れることなく利用することができる。また、加熱空気を
接触させる予熱コンベアを設けることにより、浸漬穀類
に対して高度に均一な乾燥と昇温を行うことが可能とな
る。さらに、加圧型連続蒸煮装置、バッチ式加圧型蒸煮
装置、バッチ式無圧型蒸煮装置で穀類を蒸煮する場合に
も、この方法を採用することができる。
【0024】以上の効果により、穀類が装置に付着する
ことによるサニタリ性の低下を防止し、穀類粒子が塊状
に結合することによる品質の低下を防止する、加熱空気
による予備加熱を伴う穀類の蒸煮方法及び装置を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】横型連続蒸煮装置の内部において加熱空気を吹
込むタイプの縦断面図である。
【図2】横型連続蒸煮装置の外部において加熱空気を吹
込む予熱コンベアを設けたタイプの縦断面図である。
【符号の説明】
1 横型連続蒸煮装置 2 コンベア 3a-b ホッパ 4 ベルト 4a-b ネットコンベア 5 排出口 6 蒸気室 7a-b 送風室 8a-b 加熱ダクト 9a-b 送風ファン 10a-b 送風ファン 11 フィルタ 12 排気ダクト 13 調節ダンパ 14 予熱コンベア 15a-b 感知センサ 16 調節弁 17 排気ダクト 18 排気ファン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水処理を行った穀類に対して加熱空気
    を接触させ、穀類表面の水を蒸発させると共に、穀類の
    温度を上昇させた後、蒸気による湿熱処理を行う、加熱
    空気による予備加熱を伴う穀類の蒸煮方法。
  2. 【請求項2】 通気性のあるベルトを備えた横型連続蒸
    煮装置を設け、横型連続蒸煮装置のホッパの下方に近接
    するベルトの裏面側に送風室を設け、送風室に加熱ヒー
    タと加熱空気を送り込む送風ファンを接続する、加熱空
    気による予備加熱を伴う穀類の蒸煮装置。
  3. 【請求項3】 通気性のあるベルトを備えた予熱コンベ
    アを設け、穀類を堆積するベルトの表面の裏面側に送風
    室を設け、送風室に加熱ヒータと加熱空気を送り込む送
    風ファンを接続し、予熱コンベアの排出口を蒸煮装置に
    接続する、加熱空気による予備加熱を伴う穀類の蒸煮装
    置。
  4. 【請求項4】 送風室に接する通気性のあるベルトの上
    方に穀類の感知センサを設け、加熱ヒータと送風ファン
    の運転を穀類の感知センサにより制御する、請求項2又
    は3記載の加熱空気による予備加熱を伴う穀類の蒸煮装
    置。
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