JP2002084781A - リニアモータ検査装置 - Google Patents

リニアモータ検査装置

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JP2002084781A
JP2002084781A JP2001125792A JP2001125792A JP2002084781A JP 2002084781 A JP2002084781 A JP 2002084781A JP 2001125792 A JP2001125792 A JP 2001125792A JP 2001125792 A JP2001125792 A JP 2001125792A JP 2002084781 A JP2002084781 A JP 2002084781A
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linear motor
thrust
inspection device
guide
actuator
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JP2001125792A
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English (en)
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Shigeki Kageyama
滋樹 影山
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 リニアモータの粘性抵抗またはコギングを精
度良く測定することができるリニアモータ検査装置を提
供する。 【解決手段】 ガイド5と、ガイド5の移動部を駆動す
る駆動用アクチュエータと、駆動用アクチュエータの可
動部もしくはガイド5の移動部の位置を測定する測長器
とを有してなる一軸ステージ2と、駆動用アクチュエー
タの推力を検知する手段とを有し、可動子4aがガイド
5の移動部に着脱可能に取り付けられ、かつ固定子3b
が一軸ステージ3のベース部に着脱可能に取り付けられ
ている被検リニアモータの特性を駆動用アクチュエータ
の推力から測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアモータ検査
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステージの駆動などに使用されるアクチ
ュエータとして、ACサーボリニアモータがある。半導体
露光装置でも高速性、高応答性の要求からエアステージ
との組み合わせでリニアモータが使用されることが多
い。
【0003】以前よりも高精度化が進んだ現在、リニア
モータのストローク方向における推力特性(ストローク
上のどの位置でも同じだけ推力が出せるかどうか)が非
常に重要になってきている。
【0004】場所によって、発生推力が異なってしまう
場合、ステージの位置制御においては誤差となってしま
う。そのため、リニアモータに対しては、高推力ととも
に、推力変動を極小にするような要求がなされている。
【0005】リニアモータの推力はコイルの不均一性や
磁束密度分布の不適などによって変動し、これらは主に
製造工程に起因する(製造誤差があるため、もともとの
リニアモータの駆動原理を厳密に実現できない)。リニ
アモータが発生する推力をコイルに流す電流値で割った
ものを推力定数(単位電流あたりに発生する推力)とい
うが、上述の推力変動は推力定数を測定することによ
り、はっきりさせることができる。その方法としては、
実際にコイルに通電し、その電流値と発生した推力とを
測定することで求める方法がある。他にも、モータの原
理上、逆起電力定数と推力定数が一致することから、コ
イルを磁石に対して、相対的に動かすことで発生する逆
起電力(電圧)とそのときの速度を測定し、逆起電力定
数(単位速度あたりの逆起電力)を求めて、それを推力
定数とする方法もある。
【0006】しかし、このリニアモータ駆動原理に起因
するもの以外にも変動要因はある。渦電流ブレーキなど
の応用例からもわかるように、磁界中に導電体があり、
相対的に動いていれば、制動力が発生してしまう。した
がって、コイル側の部品に導電体を使用している場合、
停止しているときと動いているときで出せる推力が異な
る。また、鉄系部品が使われている場合、磁石が近づい
てくれば、鉄系部品と磁石の間に働く吸引力により加速
し、磁石が離れていけば、同様の理由で減速してしま
う。前者は物理的には粘性抵抗と呼ばれ、後者はモータ
の特性における名称としてコギングと呼ばれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、粘性抵抗は
静的な力の測定では検出できない。粘性抵抗は可動子と
固定子を相対的に動かさなければ、発生しないからであ
る。逆起電力によって推力定数を測定する場合は、動か
しはするが、逆起電力の発生原理に関して粘性抵抗やコ
ギングは全く関与していないので、この方法ではそもそ
も検出のしようがない。
【0008】コギングは絶対的な力なので、原理上は力
センサを使えば検出可能であるが、必要な検出レベルは
1(N)以下にもなることがある。そのような場合、力セ
ンサのドリフトやノイズが問題になり、リニアモータの
全ストロークに渡って測定すると、測定終了直前のデー
タは信頼性が低くなってしまったり、ノイズに埋もれて
しまったりする。また、比較的大きなコギングが作用す
る場合でも、コギングは可動子と固定子の相対距離に依
存するので、力センサを使用した場合、コギングが事実
上作用しないところまで可動子と固定子の距離を離し
て、そこでセンサリセットをかけなければならず、そこ
から可動子と固定子を近づける時間が必要であり、やは
りドリフトが問題になる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、第一に「ガイドと、該ガイドの移動部を
駆動する駆動用アクチュエータと、前記駆動用アクチュ
エータの可動部もしくは前記ガイドの移動部の位置を測
定する測長器とを有してなる一軸ステージと、前記駆動
用アクチュエータの推力を検知する手段とを有し、可動
子が前記ガイドの移動部に着脱可能に取り付けられ、か
つ固定子が前記一軸ステージのベース部に着脱可能に取
り付けられている被検リニアモータの特性を前記駆動用
アクチュエータの推力から測定することを特徴とするリ
ニアモータ検査装置(請求項1)」を提供する。
【0010】第二に「前記ガイドはエアスライドである
ことを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ検査装
置(請求項2)」を提供する。第三に「前記駆動用アク
チュエータはリニアモータもしくは回転モータであり、
前記推力を検知する手段は、前記駆動用アクチュエータ
のコイルに流す電流から前記駆動用アクチュエータの推
力を検知することを特徴とする請求項1または2に記載
のリニアモータ検査装置(請求項3)」を提供する。
【0011】第四に「前記駆動用アクチュエータはリニ
アモータもしくは回転モータであり、前記推力を測定す
る手段は、前記駆動用アクチュエータのコイルにかかる
電圧から前記駆動用アクチュエータの推力を検知するこ
とを特徴とする請求項1または2に記載のリニアモータ
検査装置(請求項4)」を提供する。
【0012】第五に「前記駆動用アクチュエータはリニ
アモータもしくは回転モータであり、前記推力を測定す
る手段は、前記駆動用アクチュエータのドライバが前記
駆動用アクチュエータのコイルに印加している電圧から
前記駆動用アクチュエータの推力を検知することを特徴
とする請求項1に記載のリニアモータ検査装置(請求項
5)」を提供する。
【0013】第六に「前記被検リニアモータが前記駆動
用アクチュエータとして用いられ、前記被検リニアモー
タの可動子が前記駆動用アクチュエータの可動部である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のリ
ニアモータ検査装置(請求項6)」を提供する。
【0014】第七に「ガイドと、該ガイドの移動部の位
置を測定する測長器とを有してなる一軸ステージを有
し、該一軸ステージが、鉛直方向と前記一軸ステージの
ストローク方向とを含む面内で傾けられていて、可動子
が前記ガイドの移動部に着脱可能に取り付けられ、かつ
固定子が前記一軸ステージのベース部に着脱可能に取り
付けられている被検リニアモータの特性を測定すること
を特徴とするリニアモータ検査装置(請求項7)」を提
供する。
【0015】第八に「前記被検リニアモータの可動子に
カウンターウェイトが接続されていることを特徴とする
請求項7に記載のリニアモータ検査装置(請求項8)」
を提供する。
【0016】第九に「前記被検リニアモータの特性は、
粘性抵抗および/またはコギングであることを特徴とす
る請求項1から8のいずれかに記載のリニアモータ検査
装置(請求項9)」を提供する。
【0017】第十に「リニアモータの粘性抵抗またはコ
ギングを高精度で測定できるリニアモータ検査装置(請
求項10)」を提供する。第十一に「リニアモータが駆
動モータを有するステージに設置されていることを特徴
とするリニアモータ検査装置(請求項11)」を提供す
る。
【0018】第十二に「リニアモータの可動方向が重力
に垂直な方向に対して傾けて設置されていることを特徴
とするリニアモータ検査装置(請求項12)」を提供す
る。第十三に「前記リニアモータの可動子にカウンター
ウエイトが接続されていることを特徴とする請求項12
に記載のリニアモータ検査装置(請求項13)」を提供
する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例
を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態
であるリニアモータ検査装置の第1の例を示す概略構成
図である。図1(a)は第1の例のリニアモータ検査装置を
上面から見た概略構成図である。図1(b)は第1の例のリ
ニアモータ検査装置を正面から見た概略構成図である。
図1(a)、(b)において、2は一軸ステージ、1は一軸ステ
ージ2のベース部である定盤、3は被検リニアモータ、3a
は被検リニアモータ3の可動子、3bは被検リニアモータ3
の固定子、4は駆動用アクチュエータである駆動用モー
タ、4aは駆動用アクチュエータ4の可動部である可動
子、5はガイド、5aはガイドの移動部、6は測長器である
リニアスケール、7はドライバ、8はコントローラ、9は
パソコン、10はA/Dボードである。
【0020】逆起電力を測定するときのように、ガイド
5と、ガイド5を駆動する駆動用モータ4と、駆動用モー
タ4の可動子4aの位置を検出するリニアスケール6とを有
してなる一軸ステージ2に被検リニアモータ3が搭載され
ている。具体的には被検リニアモータ3の可動子3aがガ
イド5の移動部5aに着脱可能に取り付けられ、被検リニ
アモータ3の固定子3bが一軸ステージ2のベース部である
定盤1に着脱可能に取り付けられている。
【0021】本発明の実施の形態の第1の例であるリニ
アモータ検査装置では被検リニアモータ3の粘性抵抗と
コギングを測定する。被検リニアモータ3、駆動用モー
タ4、およびリニアスケール6からの信号は、A/Dボード1
0を介してパソコン9へ入力している。ドライバ7により
駆動用モータ4は駆動される。そして、パソコン9からの
制御用信号はコントローラ8に入力し、リニアスケール6
からの位置信号により駆動用モータ4の駆動をフィード
バック制御する構成となっている。
【0022】本発明の実施の形態の第1の例であるリニ
アモータ検査装置においてステージ2を一定速度で駆動
するように制御した場合、走行抵抗が無いならば、加減
速時にだけ駆動力が必要だが、一定速度領域では駆動力
は必要ない(慣性の法則)。逆にいえば、被検リニアモ
ータ3に粘性抵抗とコギングがあれば、それに対抗する
ための力が必要になる。つまり、一定速度領域におい
て、ステージ2を一定速度で駆動するために駆動用モー
タ4が駆動力を出しているのであれば、それは粘性抵抗
分とコギング分を打ち消すためであるので、その駆動力
から粘性抵抗とコギングを逆算できる。
【0023】ここで、駆動用モータ4にリニアモータを
用い、ステージ2のガイド5にエアスライドを採用する
と、駆動用モータ4とガイド5間は非接触のため、駆動用
モータ4で発生した推力はそのまま可動子4a、移動部5
a、可動子3aに伝わる。また、軸受け部も空気静圧軸受
けなので、そこでの摩擦等の損失が無い。この構成の場
合、駆動用モータ4の発生推力を、駆動用モータ4のコイ
ルに通電された電流を検知することでモニタすれば、そ
れがそのまま粘性抵抗とコギングを打ち消すための力で
あるので、好適である。ただし、これら以外の構成、例
えば、転がり軸受け、回転モータとボールねじ等でも、
各部で生じる損失を十分な精度で補正できれば、採用可
能である。
【0024】駆動用モータ4(リニアモータ)が発生す
る推力は次の方法により検知可能である。リニアモータ
の推力は、コイルに流す電流に比例する(F=kf×I、
F:推力、I:電流、kf:推力定数)。これは前述のとお
り、推力定数で表現される。したがって、駆動用モータ
4のコイルに流す電流をモニタすれば、発生推力がわか
る。なお、ここで、駆動用モータの推力特性はすでにわ
かっていることが前提である。
【0025】駆動用モータ4の発生推力を検知する別の
方法として、駆動用モータ4のコイルにかかる電圧を測
定する方法もある。コイルの抵抗を先に測定しておけ
ば、オームの法則(V=I×R、V:電圧、R:抵抗)か
ら、電流を計算でき、したがって、推力を計算できる。
ただし、リニアモータの原理上、ドライバ7による駆動
用モータ4のコイルへの印加電圧をVとして採用すること
はできない。なぜならば、実際に駆動用モータ4のコイ
ルにかかっている電圧は、ドライバ7による印加電圧か
ら駆動用モータ4のコイルに発生する逆起電力を差し引
いたものだからである。だが、前述のとおり、推力定数
がわかっているのならば、逆起電力定数もわかっている
ので(kf=ke、ke:逆起電力定数)、速度がわかれば逆
起電力を計算できる(Ei=ke×v、Ei:逆起電力、v:可
動子の速度)。すなわち、既知の定数である推力定数k
f、逆起電力定数ke、コイルの抵抗R、および、検知すべ
き値であるドライバの発生電圧V、もしくはコイルに実
際にかかっている電圧E、もしくはコイルに流れている
電流I、可動子4aの速度vから、駆動用モータの推力は以
下のように計算される。
【0026】Iを検知する場合:F=kf×I Vを検知する場合:E=V−ke×v,I=E/R,F=kf×I Eを検知する場合:I=E/R,F=kf×I さて、このように駆動用モータの発生推力が既知である
ならば、次のような計算から、粘性抵抗とコギングを算
出できる。
【0027】ここで、粘性抵抗(単位速度で動かしたと
きの走行抵抗)をkd (x)(N/m/s)とする。粘性抵抗は
場所によって変動し得るが、速度には比例する。粘性抵
抗だけを考えると、走行抵抗力Fd1(N)は、 Fd1=v×kd (x) と表され、位置と速度の関数となる。
【0028】コギング(鉄などの強磁性体と磁石との間
の吸引力に起因)をCo (x)(N)とする。コギングはモ
ータの可動子と固定子の相対位置によって変動するが、
速度には依存しない。コギングだけを考えると、走行抵
抗力Fd2は、 Fd2=Co (x) と表される。
【0029】ステージ2の駆動をフィードバック制御す
れば、粘性抵抗等の外乱があっても、一定速度で駆動す
ることが可能である。すなわち、制御しているときに駆
動用モータ4が発生している力をFm、走行抵抗力全体をF
d=Fd1+Fd2とすれば、 Fm=Fd=Fd1+Fd2=v×kd (x)+Co (x) 式1 である。この段階では走行抵抗力は全体のFdしか求まら
ない(上式中で、未知数がkd (x)とCo (x)の2つあるの
に対し、式は一つだけ)が、速度vを変えて2回測れ
ば、 Fm=Fd=Fd1+Fd2=v×kd (x)+Co (x) 式2 Fm'=Fd'=Fd1'+Fd2=v2×kd (x)+Co (x) 式3 となり、 kd (x)=(Fm−Fm')/(v−v2) 式4 Co (x)=(v×Fm'−v2×Fm)/(v−v2) 式5 このように、粘性抵抗とコギングがともに求まる。
【0030】また、なんらかの理由により、制御系のゲ
インを十分あげられず、したがって、外乱に対して、弱
い制御系になってしまい、十分な定速性が得られなかっ
たとする。あるいはその他の理由で十分な定速性が得ら
れなかったとする。この場合は、式1が成り立たない
が、位置フィードバック制御する上で位置は測定してる
ので、2回微分すれば加速度aを求めることができる。
可動子3aの運動は、作用している全体の力Ftから、 Ft=M×a 式6 が成り立ち、Ftとは、 Ft=Fm−Fd 式7 に他ならない。つまり、可動子3aおよび移動部5aの質量
Mを測定しておけば、式4、式5を若干補正するだけ
で、粘性抵抗とコギングは同様に求まる。
【0031】もちろん、駆動用モータ4に粘性抵抗やコ
ギングがあるのは好ましくないので、コイル側には鉄系
部品を使用しない、導電体を使用しない、使用する場合
は渦電流低減の処置を施す、などの工夫が必要である。
それでもなお、粘性抵抗やコギングが生じ、精度上問題
があれば、補正する。補正は次の方法で行う。無負荷状
態で前述の走行抵抗力測定を行う。すでに示したよう
に、速度を変えて測定すれば、粘性抵抗もコギングも求
まる。無負荷状態でこの測定を行うということは、駆動
用モータ4自身の粘性抵抗とコギングを測定しているこ
とに等しいので、それぞれをkdm (x)(Nm/s)、Com (x)
(N)とすれば、式1は、 Fm=Fd+Fdm=Fd1+Fd2+Fdm1+Fdm2 =v×kd (x)+Co (x)+v×kdm (x)+Com (x) 式8 となる。その後の計算は、単なる連立一次方程式を解く
だけなので、問題なく、kd (x)、Co (x)が求まる。
【0032】なお、被検リニアモータを駆動用モータと
兼用することも可能である。被検リニアモータがモータ
として使用可能な状態にあれば、被検リニアモータとド
ライバとコントローラを接続して駆動することが可能で
ある。モータを駆動でき、モータの推力定数が既知で、
そのときにコイルに流れている電流I、もしくはコイル
にかかっている電圧Eおよびコイル抵抗Rがわかっていれ
ば、推力モニタが可能であり、測長器が設置されていれ
ば、位置から加速度を計算でき、式1〜式8を応用でき
る。推力定数が不明でも、概略の値がわかっているなら
ば、フィードバック制御を行うことは可能なので、ドラ
イバによる印加電圧(前述のV)をモニタすれば、逆起
電力定数が求められ、したがって推力定数を求めること
ができ、式1〜8を応用して、粘性抵抗とコギングを求
めることができる。
【0033】次に、本発明の実施の形態であるリニアモ
ータ検査装置の第2の例について説明する。図2は、本
発明の実施の形態であるリニアモータ検査装置の第2の
例を示す概略構成図である。
【0034】第2の例は、第1の例と異なり、駆動用モ
ータを使用しない。第2の例のリニアモータ検査装置の
構成は、第1の例と大差なく、駆動用モータが無いだけ
である。この状態で、装置全体、あるいはガイド(エア
スライド)を鉛直方向と一軸ステージのストローク方向
とを含む面内で傾ければよい。図2(a)はジャッキ11a等
により装置全体を傾ける場合のリニアモータ検査装置を
正面から見た概略構成図であり、図2(b)はジャッキ11b
等によりガイドを傾ける場合のリニアモータ検査装置を
正面から見た概略構成図である。こうすれば、自然に被
検リニアモータ3の可動子3aは動き出す。このとき、可
動子3aにかかっている力は重力Fgと走行抵抗力Fdであ
る。これらを相殺したものが可動子3aを加速させるの
で、 M×a=Fg−Fd=M×g0×sinφ−Fd 式9 ここで、g0:重力加速度、φ:傾けた角度 この式9は式6、式7と同様であり、以後の処理は同じ
である。ただし、この場合も式1に相当するものが2つ
なければ解けないので、同様に速度を変えてやる必要が
ある。速度を変えるには傾ける角度を変えるか、もしく
は、可動子3aにダミーウエイトを載せ、式9におけるM
を変えることで実現できる。
【0035】この方法では、傾けた角度が大きすぎる
と、可動子3aの運動において重力の効果が支配的にな
り、走行抵抗力の効果が観察しにくくなる。測定の観点
から言えば、誤差に埋もれやすくなる。これを解消する
には、傾ける角度を例えば、1〜2°と小さくしてやれば
よい。しかし、こうすると傾けた角度を正確に測定する
必要が出てくる。なぜならば、角度が小さいと、Fgの値
が大きな誤差を持ってしまうからである。仮に、実際に
傾けた角度が1.0°であって、角度測定誤差が0.1°ある
ため、1.1°という測定値が得られたとする。この場
合、sinφは1.0°を正確に測定できた場合と比べて、10
%も差が生じる。この差は式9の計算で、Fg=M×g0×s
inφに10%の誤差がのることになる。一方、角度が10.0
°で、測定誤差が同じく0.1°であったときにsinφは1
%の誤差しかのらない。このように角度が小さいと大き
な誤差が生じやすくなるが、この場合の角度測定は重力
方向を基準とした絶対測定であり、簡易な方法で精度良
く角度測定することには困難が伴う。
【0036】この問題を解決するために、カウンターウ
エイトを用いる。式9からわかるように、Fgは角度φと
ともに可動子3aおよび移動部5aの質量Mの関数になって
いる。質量Mそのものは簡単に変えることはできない
が、カウンターウエイトを用いれば、式9におけるFgを
小さくできる。図2(c)はジャッキ11a等によりガイドを
傾け、さらにカウンターウェイト12を用いた場合のリニ
アモータ検査装置を正面から見た概略構成図である。カ
ウンターウェイト12は、滑車13を介して、ワイヤー14に
より被検リニアモータ3の可動子3aに接続されている。
式9で考えると、 (M−M')×a=(M×g0×sinφ−M'×g0)−Fd 式10 カウンターウエイト12の質量M'は次のような制限を受け
る。
【0037】M×g0×sinφ−M'×g0>0 式11 差が0になってしまうと、ステージは動かないし、負で
あれば、ステージは下がらずに上がってしまう(初期位
置を最下点に設定すれば、負でも可)。つまり、 M'<M×sinφ 式12 さらに、速度0の時点で動き始めるためには、式10の
右辺が正でなければならない。
【0038】(M×g0×sinφ−M'×g0)−Fd>0 (M×g0×sinφ−M'×g0)>Fd=v×kd (x)+Co (x)=Co
(x) ∵初期状態においてv=0 M'<M×sinφ−Co (x)/g0 式13 この式13を満足しつつ(Co (x)が正の最大値において
も式13が満足されなければならないので、自動的に式
12は満足される)、M'が小さすぎない重さでなければ
ならない(M'が軽すぎると、式9と式10はほとんど同
じになり、走行抵抗力よりも重力が支配的になり、精度
が悪くなる)。式10の右辺(すなわち重力から走行抵
抗力を差し引いたもの)は数(N)あれば問題なく、そ
れ以上あっても精度が向上することは無い。したがっ
て、数(N)レベルでM'を調整できるようにしておけば
よい。もちろん、カウンターウエイト12の質量は正確に
測定しておく必要がある。また、カウンターウエイト12
を使用する以上、滑車13のような軸受けが必要であり、
また、ワイヤ14等で可動子3aとカウンターウエイト12を
接続しなければならない。この個所には走行抵抗がある
ので、事前に無負荷状態で測定し、補正できるようにし
ておく。M'に関わりのあるワイヤ等の部品の質量も正確
に測定しておく。
【0039】なお、これまで述べてきた駆動用モータを
用いる方式、被検リニアモータを用いる方式、定盤を傾
ける方式、スライドのみを傾ける方式において、被検リ
ニアモータもコイルの電圧測定が可能なようにしておく
と、逆起電力も測定できるので、推力定数測定機をも兼
ねることができ、好適である。
【0040】なお、本発明の実施の第1の例及び第2の
例において、測長器としてリニアスケールを用いている
が、リニアスケールの代わりにレーザ干渉計やその他の
測長器を用いても良い。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リニアモータの粘性抵抗またはコギングを精度良く測定
することができるリニアモータ検査装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるリニアモータ検査装置の第1の例
を示す概略構成図である。図1(a)は第1の例のリニアモ
ータ検査装置を上面から見た概略構成図である。図1(b)
は第1の例のリニアモータ検査装置を正面から見た概略
構成図である。
【図2】本発明によるリニアモータ検査装置の第2の例
を示す概略構成図である。図2(a)はジャッキ11a等によ
り装置全体を傾ける場合のリニアモータ検査装置を正面
から見た概略構成図である。図2(b)はジャッキ11b等に
よりガイドを傾ける場合のリニアモータ検査装置を正面
から見た概略構成図である。図2(c)はジャッキ11a等に
よりガイドを傾け、さらにカウンターウェイト12を用い
た場合のリニアモータ検査装置を正面から見た概略構成
図である。
【符号の説明】
1…定盤 2…一軸ステージ 3…被検リニアモータ 3a…被検リニアモータの可動子 3b…被検リニアモータの固定子 4…駆動用モータ 4a…駆動用モータの可動子 5…ガイド 5a…ガイドの移動部 11a、11b…ジャッキ 12…カウンターウェイト

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイドと、該ガイドの移動部を駆動する
    駆動用アクチュエータと、前記駆動用アクチュエータの
    可動部もしくは前記ガイドの移動部の位置を測定する測
    長器とを有してなる一軸ステージと、 前記駆動用アクチュエータの推力を検知する手段とを有
    し、 可動子が前記ガイドの移動部に着脱可能に取り付けら
    れ、かつ固定子が前記一軸ステージのベース部に着脱可
    能に取り付けられている被検リニアモータの特性を前記
    駆動用アクチュエータの推力から測定することを特徴と
    するリニアモータ検査装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイドはエアスライドであることを
    特徴とする請求項1に記載のリニアモータ検査装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動用アクチュエータはリニアモー
    タもしくは回転モータであり、 前記推力を検知する手段は、前記駆動用アクチュエータ
    のコイルに流す電流から前記駆動用アクチュエータの推
    力を検知することを特徴とする請求項1または2に記載
    のリニアモータ検査装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動用アクチュエータはリニアモー
    タもしくは回転モータであり、 前記推力を測定する手段は、前記駆動用アクチュエータ
    のコイルにかかる電圧から前記駆動用アクチュエータの
    推力を検知することを特徴とする請求項1または2に記
    載のリニアモータ検査装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動用アクチュエータはリニアモー
    タもしくは回転モータであり、 前記推力を測定する手段は、前記駆動用アクチュエータ
    のドライバが前記駆動用アクチュエータのコイルに印加
    している電圧から前記駆動用アクチュエータの推力を検
    知することを特徴とする請求項1に記載のリニアモータ
    検査装置。
  6. 【請求項6】 前記被検リニアモータが前記駆動用アク
    チュエータとして用いられ、前記被検リニアモータの可
    動子が前記駆動用アクチュエータの可動部であることを
    特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のリニアモ
    ータ検査装置。
  7. 【請求項7】 ガイドと、該ガイドの移動部の位置を測
    定する測長器とを有してなる一軸ステージを有し、 該一軸ステージが、鉛直方向と前記一軸ステージのスト
    ローク方向とを含む面内で傾けられていて、 可動子が前記ガイドの移動部に着脱可能に取り付けら
    れ、かつ固定子が前記一軸ステージのベース部に着脱可
    能に取り付けられている被検リニアモータの特性を測定
    することを特徴とするリニアモータ検査装置。
  8. 【請求項8】 前記被検リニアモータの可動子にカウン
    ターウェイトが接続されていることを特徴とする請求項
    7に記載のリニアモータ検査装置。
  9. 【請求項9】 前記被検リニアモータの特性は、粘性抵
    抗および/またはコギングであることを特徴とする請求
    項1から8のいずれかに記載のリニアモータ検査装置。
  10. 【請求項10】 被検リニアモータの粘性抵抗またはコ
    ギングを高精度で測定できるリニアモータ検査装置。
  11. 【請求項11】 被検リニアモータが駆動用アクチュエ
    ータを有する一軸ステージに設置されていることを特徴
    とするリニアモータ検査装置。
  12. 【請求項12】 被検リニアモータの可動方向が重力に
    垂直な方向に対して傾けて設置されていることを特徴と
    するリニアモータ検査装置。
  13. 【請求項13】 前記被検リニアモータの可動子にカウ
    ンターウエイトが接続されていることを特徴とする請求
    項12に記載のリニアモータ検査装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004274997A (ja) * 2003-02-21 2004-09-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd モータ駆動装置
KR101099142B1 (ko) * 2010-03-11 2011-12-27 한국기계연구원 리니어모터 가진력 측정장치 및 이를 이용한 측정방법
CN108445390A (zh) * 2018-03-23 2018-08-24 哈尔滨工业大学 对拖式高精度直线电机测试平台

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