JP2002082417A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JP2002082417A
JP2002082417A JP2000271346A JP2000271346A JP2002082417A JP 2002082417 A JP2002082417 A JP 2002082417A JP 2000271346 A JP2000271346 A JP 2000271346A JP 2000271346 A JP2000271346 A JP 2000271346A JP 2002082417 A JP2002082417 A JP 2002082417A
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silver halide
mol
emulsion
silver
light
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JP2000271346A
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Akiya Kondo
暁也 近藤
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、高感度で、かつ放射線耐性
に優れたハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀カラー
写真感光材料を提供することにある。 【解決手段】 支持体上に赤感光性層、緑感光性層、青
感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有するハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層を
有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以下
であり、かつ少なくとも1層の感光性層が還元増感され
た平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を含
有し、かつ該ハロゲン化銀乳剤が、分子内にハロゲンイ
オンを放出可能な置換基を有する化合物を用いて製造さ
れていることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料に関し、詳しくは、感度、放射線耐性に
優れたハロゲン化銀乳剤を有するハロゲン化銀カラー写
真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】カメラ等の撮影機器の普及は近年益々進
み、ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以下、感光材料
とも記す)を用いた写真撮影の機会も増加してきてい
る。高感度化、高画質化に対する要請も益々強くなって
きている。
【0003】感光材料の高感度化、高画質化に対しての
支配的因子の一つは、ハロゲン化銀粒子であり、より高
感度化、高画質化を目指したハロゲン化銀粒子の開発は
従来から当業界で進められてきた。
【0004】しかし、一般に行われているように、画質
向上のためにハロゲン化銀粒子の粒径を小さくして行く
と感度が低下する傾向にあり、高感度化と高画質化とを
両立させるには限界があった。
【0005】より一層の高感度化、高画質化を図るべ
く、ハロゲン化銀粒子1個当たりの感度/粒子サイズ比
を向上させる技術が検討されている。その一つとして、
平板状ハロゲン化銀粒子を使用する技術が特開昭58−
111935号、同58−111936号、同58−1
11937号、同58−113927号、同59−99
433号等に記載されている。これらの平板状ハロゲン
化銀粒子を8面体や14面体、あるいは6面体などの、
いわゆる正常晶ハロゲン化銀粒子と比較すると、ハロゲ
ン化銀粒子の体積が同じ場合には表面積は大きくなり、
従ってハロゲン化銀粒子表面に多くの増感色素を吸着さ
せることができ、一層の高感度化を図れる利点がある。
特開平6−230491号、同6−235988号、同
6−258745号、同6−289516号等では、従
来より更に高アスペクト比(ハロゲン化銀粒子の厚みに
対する直径の比)の平板状ハロゲン化銀粒子を用いる検
討も為されている。
【0006】更に、特開昭63−92942号には平板
状ハロゲン化銀粒子内部に沃化銀含有率の高いコアを設
ける技術が、特開昭63−163541号には双晶面間
の最も長い距離に対する粒子厚みの比が5以上である平
板状ハロゲン化銀粒子を用いる技術が開示されており、
それぞれ感度、粒状性における効果が示されている。
【0007】又、特開昭63−106746号には、二
つの相対向する主平面に対して平行な方向に実質的に層
状構造を有する平板状ハロゲン化銀粒子を、特開平1−
279237号には、二つの相対向する主平面に対して
実質的に平行な面で区切られる層状構造を有し、最外層
の平均沃化銀含有率がハロゲン化銀粒子全体の平均沃化
銀含有率よりも少なくとも1モル%以上高い平板状ハロ
ゲン化銀粒子を、それぞれ用いる技術が記載されてい
る。
【0008】特開平3−121445号では、平行な双
晶面を有し、かつ互いに沃度含率の異なる領域を有する
界面層で構成されたハロゲン化銀粒子が、特開昭63−
305343号では、頂点近傍に現像開始点を有する平
板状ハロゲン化銀粒子が、特開平2−34号では、(1
00)面と(111)面とを有するハロゲン化銀粒子
が、それぞれ開示されている。
【0009】その他、特開平1−183644号には、
沃化銀を含むハロゲン化銀の沃化銀分布が完全に均一で
あることを特徴とする平板状ハロゲン化銀粒子を用いる
技術が開示されている。
【0010】又、メタルドーピングによりキャリアコン
トロールを図る技術、即ち、ハロゲン化銀粒子中に主と
して多価金属酸化物を含有せしめることにより、写真特
性を改良する技術が開示されている。
【0011】特開平3−196135号、同3−189
641号等には、銀に対する酸化剤の存在下で製造され
たハロゲン化銀乳剤(以降、単に乳剤とも言う)及びこ
れを用いた感光材料を用いた際の感度、カブリに対する
効果が開示されている。更に例えば、特開昭63−22
0238号には、転位線の位置を規定した平板状ハロゲ
ン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を用いる技術が、特
開平3−175440号には、粒子の頂点近傍に転位線
が集中している平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン
化銀乳剤を用いる技術が開示され、特公平3−1869
5号には、明確なコア/シェル構造を持つハロゲン化銀
粒子を用いる技術が、特公平3−31245号には、コ
ア/シェル3層構造のハロゲン化銀粒子に関する技術が
取り上げられ、それぞれ高感度化技術として検討されて
きた。
【0012】特開平6−11781号、同6−1178
2号、同6−27564号、同6−250309号、同
6−250310号、同6−250311号、同6−2
50313号、同6−242527号等では、ハロゲン
化銀粒子形成において沃度イオン放出化合物を用いて、
高感度化、カブリ・圧力耐性の改良を実現している。
【0013】しかし、これらの従来技術では、高感度化
と高画質化との両立には限界があり、更には、近年に高
感度ハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀カラー写真
感光材料に対する自然放射線による影響がクローズアッ
プされるようになり、例えば“写真工業”92頁.11
/1986には、超高感度フィルムに対する自然放射線
の影響について詳細な報告がなされている。自然放射線
のハロゲン化銀写真感光材料への影響は、主としてγ線
であることが知られており、そのダメージによりカブリ
濃度が増加したり、それに伴い粒状性の劣化を引き起こ
す。
【0014】以上のように、近年の感光材料における諸
要求を満たすには、現在のハロゲン化銀粒子技術では、
不十分であり、より優れた技術の開発が望まれていた。
特に、上記写真性能向上のため、ハロゲン化銀粒子に対
し、より一層効果的な化学増感、色増感を施すには、ハ
ロゲン化銀粒子表面において、これまで以上に精緻な感
光核サイト及びハロゲン組成の制御を可能とする技術の
開発が必要であり、当業界における従来の検討は、この
要請に対して十分に応えるものではなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度で、かつ放射線耐性に優れたハロゲン化銀乳剤を用い
たハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0017】1.支持体上に赤感光性層、緑感光性層、
青感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有する
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層
を有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以
下であり、かつ少なくとも1層の感光性層が還元増感さ
れた平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を
含有し、かつ該ハロゲン化銀乳剤が、分子内にハロゲン
イオンを放出可能な置換基を有する化合物を用いて製造
されていることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
光材料。
【0018】2.支持体上に赤感光性層、緑感光性層、
青感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有する
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層
を有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以
下であり、かつ少なくとも1層の感光性層が還元増感さ
れた平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を
含有し、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、多価金属原
子、多価金属原子イオン、多価金属原子錯体及び多価金
属原子錯体イオンから選ばれる少なくとも1種を含有す
ることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0019】3.支持体上に赤感光性層、緑感光性層、
青感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有する
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層
を有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以
下であり、かつ少なくとも1層の感光性層が還元増感さ
れた平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を
含有し、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、銀電位30
〜70mVで化学増感されていることを特徴とするハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料。
【0020】4.支持体上に赤感光性層、緑感光性層、
青感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有する
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層
を有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以
下であり、かつ少なくとも1層の感光性層が塩化銀を含
有する平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤
を含有し、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、銀電位3
0〜70mVで化学増感されていることを特徴とするハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0021】5.支持体上に赤感光性層、緑感光性層、
青感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有する
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層
を有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以
下であり、かつ少なくとも1層の感光性層に還元増感さ
れた平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を
含有し、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、塩化銀を含
有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
料。
【0022】6.支持体上に赤感光性層、緑感光性層、
青感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有する
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層
を有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以
下であり、かつ少なくとも1層の感光性層が銀電位30
〜70mVで化学増感されている平板状ハロゲン化銀粒
子を含むハロゲン化銀乳剤を含有し、かつ該ハロゲン化
銀乳剤が分子内にハロゲンイオンを放出可能な置換基を
有する化合物を用いて製造されていることを特徴とする
ハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0023】7.支持体上に赤感光性層、緑感光性層、
青感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有する
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層
を有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以
下であり、かつ少なくとも1層の感光性層がハロゲン化
銀粒子形成過程で限外濾過処理を施された平板状ハロゲ
ン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を含有し、かつ該平
板状ハロゲン化銀粒子が、銀電位30〜70mVで化学
増感されていることを特徴とするハロゲン化銀カラー写
真感光材料。
【0024】8.支持体上に赤感光性層、緑感光性層、
青感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有する
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層
を有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以
下であり、かつ少なくとも1層の感光性層が、多価金属
原子、多価金属原子イオン、多価金属原子錯体及び多価
金属原子錯体イオンから選ばれる少なくとも1種を含有
する平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を
含有し、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、銀電位30
〜70mVで化学増感されていることを特徴とするハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料。
【0025】9.支持体上に赤感光性層、緑感光性層、
青感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有する
ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層
を有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以
下であり、かつ少なくとも1層の感光性層が、表面にハ
ロゲン化銀突起物を有する平板状ハロゲン化銀粒子を含
むハロゲン化銀乳剤を含有し、かつ該ハロゲン化銀乳剤
が、分子内にハロゲンイオンを放出可能な置換基を有す
る化合物を用いて製造されていることを特徴とするハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料。
【0026】10.支持体上に赤感光性層、緑感光性
層、青感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有
するハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光
性層を有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130m
V以下であり、かつ少なくとも1層の感光性層が、転位
線を5本以上有するハロゲン化銀粒子の比率(個数)が
30%以上であり、かつ平均沃化銀含有率が7モル%以
上であり、かつ銀電位30〜70mVで化学増感されて
いる平板状ハロゲン化銀粒子からなるハロゲン化銀乳剤
を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
光材料。
【0027】11.ハロゲン化銀乳剤がセレン化合物及
びテルル化合物から選ばれる少なくとも1種により化学
増感されていることを特徴とする前記1〜10項のいず
れか1項記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0028】12.ハロゲン化銀乳剤が前記一般式
(A)で表される化合物を含有することを特徴とする前
記1〜11項のいずれか1項記載のハロゲン化銀カラー
写真感光材料。
【0029】13.ハロゲン化銀乳剤に含まれる平板状
ハロゲン化銀粒子の平均アスペクト比が、8〜100で
あることを特徴とする前記1〜12項のいずれか1項記
載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0030】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、写真構成層の塗膜銀電位が60mV以上130
mV以下であることが一つの特徴であるが、70mV以
上125mVであることが好ましく、80mV以上12
0mV以下であることが更に好ましい。
【0031】本発明でいう塗膜銀電位(以下、塗膜EA
gとも記す)は、以下の方法により求めることができ
る。ハロゲン化銀感光材料500cm2を短冊状に切
り、暗室にて100mlの純水に6時間浸した後、市販
の飽和銀−塩化銀電極を比較電極とした銀イオン電極を
用いて測定することができる。測定の際に、ハロゲン化
銀乳剤層を有する面の反対側にバッキング層等の非感光
性層を持つ場合は、予め取り除いてから行う必要があ
る。
【0032】感光材料の塗膜銀電位の調整方法は、塗布
液にAgNO3、KBr、NaBr、KCl等の水溶
液、または銀イオンと反応し水に難溶性の錯体を形成す
る化合物を適宜選択して、目的の塗膜銀電位になるよう
に添加すればよい。
【0033】塗膜電位の調整は、本発明に係るハロゲン
化銀乳剤を含有する層、またはその隣接層を構成する層
の各塗布液で行ってもよく、あるいは他の層を構成する
塗布液で行い、塗布及び乾燥中の拡散により調整しても
よく、すべての塗布液の銀電位を制御することによって
調整してもよい。
【0034】請求項1〜3及び5に係る発明において
は、平板状ハロゲン化銀粒子が還元増感されていること
を特徴とする。
【0035】本発明における還元増感とは、ハロゲン化
銀粒子成長が行われる保護コロイド水溶液中に還元剤を
添加するか、或いは該ハロゲン化銀粒子成長が行われる
保護コロイド水溶液をpAg7.0以下の低pAg条件
下で、またはpH7.0以上の高pH条件下におき、ハ
ロゲン化銀粒子を熟成または粒子成長を行うことによっ
て施すことができる。これらの方法は、適宜組み合わせ
て行なってもよい。
【0036】本発明において用いることのできる還元剤
としては、例えば、二酸化チオ尿素、アスコルビン酸及
びその誘導体、第1錫塩、ボラン化合物、ヒドラジン誘
導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物、ア
ミン及びポリアミン類及び亜硫酸塩等を挙げることがで
きるが、好ましくは二酸化チオ尿素、アスコルビン酸及
びその誘導体、第1錫塩である。還元剤を用いる場合、
添加量はハロゲン化銀1モルあたり10-2〜10-8モル
が好ましいが、10-3〜10-7モルがより好ましい。
【0037】本発明において、還元増感をハロゲン化銀
粒子成長が行われる保護コロイド水溶液をpAg7.0
以下の低pAg条件下とすることにより行なう場合に
は、該保護コロイド水溶液中へ銀塩を添加して適切なp
Agとした後、ハロゲン化銀粒子を熟成、または粒子成
長させるのがよい。該銀塩は、水溶性銀塩が好ましく、
硝酸銀の水溶液がとくに好ましい。熟成時のpAgは、
7.0以下が適当であり、好ましくは2.0から5.0
である(ここでpAg値はAg+濃度の逆数の常用対数
である)。
【0038】本発明において、還元増感をハロゲン化銀
粒子成長が行われる保護コロイド水溶液をpH7.0以
上の高pH条件下とすることにより行なう場合には、該
保護コロイド水溶液中へアルカリ性化合物を添加して適
切なpHとした後、ハロゲン化銀粒子を熟成または粒子
成長させる。アルカリ性化合物としては、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等を用いる
ことができるが、特にはアンモニウム化合物以外である
ことが好ましい。
【0039】本発明において、ハロゲン化銀ホスト乳剤
における還元増感は、該ハロゲン化銀粒子成長が行われ
る保護コロイド水溶液をpH7.0以上の高pH条件下
とすることにより効果的に達成され、さらに好ましいp
Hは、7.5〜11.0であり、特に好ましくはpHが
8.0〜10.0である。
【0040】還元剤、還元熟成のための銀塩、アルカリ
性化合物の添加方法としては、ラッシュ添加でもよい
し、あるいは一定時間をかけて添加してもよい。この場
合には、等速添加でもよいし、関数添加を行ってもよ
い。また、何回かに分割して必要量を添加してもよい。
可溶性銀塩及び/または可溶性ハロゲン化物の反応容器
中への添加に先立ち、反応容器中に存在せしめていても
よいし、あるいは可溶性ハロゲン化物溶液に混入し、ハ
ロゲン化物と共に添加してもよい。更には、可溶性銀
塩、可溶性ハロゲン化物とは別個に添加を行ってもよ
い。
【0041】本発明において、還元剤の失活その他の目
的で酸化剤を用いることができ、酸化剤としては、例え
ば、過酸化水素(水)及びその付加物:H22、NaB
2、H22−3H2O、2NaCO3−3H22、Na4
27−2H22、2Na2SO4−H22−2H2Oな
ど。ペルオキシ酸塩:K223、K223、K42
3、K2[Ti(O2)C24]−3H2O、過酢酸、オゾ
ン、I2、チオスルフォン酸化合物等が挙げられる。
【0042】酸化剤の添加量は、還元剤の種別、還元増
感条件、酸化剤の添加時期、酸化剤の添加条件等により
その量に影響を受けるが、用いた還元剤1モルあたり1
-3〜105モルが好ましい。
【0043】酸化剤の添加時期は、ハロゲン化銀乳剤製
造工程中であればどこでもよい。還元剤の添加に先立っ
て添加することもできる。酸化剤の添加方法としては、
当業界で一般に添加剤をハロゲン化銀乳剤に加える方法
を適用することができる。例えば、アルコール類に代表
される適切な有機溶媒に予め溶解したり、あるいは水溶
液として添加することができる。
【0044】また、酸化剤を添加した後に、過剰な酸化
剤を中和するために新たに還元性物質を添加することも
できる。これらの還元性物質としては、上記酸化剤を還
元し得る物質であり、スルフィン酸類、ジ及びトリヒド
ロキシベンゼン類、クロマン類、ヒドラジン及びヒドラ
ジド類、p−フェニレンジアミン類、アルデヒド類、ア
ミノフェノール類、エンジオール類、オキシム類、還元
性糖類、フェニドン類、亜硫酸塩、アスコルビン酸誘導
体などがある。これらの還元性物質の添加量は、用いる
酸化剤の量1モルあたり10-3〜103モルが好まし
い。
【0045】請求項1、6及び9に係る発明において、
平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤が、分
子内にハロゲンイオンを放出可能な置換基を有する化合
物を用いて製造されていることを特徴とする。
【0046】本発明に係る分子内にハロゲンイオンを放
出可能な置換基を有する化合物は、特に制限はないが、
下記一般式(I)で表される化合物が好ましく、かつ該
一般式(I)中のL1が一般式(II)で表される構造で
あることが好ましい。
【0047】まず、一般式(I)について詳述する。 一般式(I) {X−(L1n1n2−L2−(SOL)m ここで、Xはハロゲン原子を表すが、好ましくは塩素原
子、臭素原子、沃素原子であり、より好ましくは沃素原
子である。
【0048】L1で表される2価の連結基は、脂肪族
基、芳香族基、複素環基及び、それらの基と−COO
−、−OCO−、−SO2−、−SO2O−、−CON
(R4)−、−N(R4)CO−、−CSN(R4)−、
−N(R4)CS−等が任意に結合して得られる基が好
ましく(R4は水素原子、アルキル基又はアリール基を
表す)、更に好ましくは2価の脂肪族基と−COO−、
−OCO−、−SO2−、−SO2O−、−CON
(R4)−、−N(R4)CO−、−CSN(R4)−、
−N(R4)CS−等が任意に結合して得られる基であ
り、特に好ましくは一般式(II)で表される構造を採る
ことである。n1は0又は1を表すが、好ましくは1で
ある。
【0049】L2で表される2価の連結基は、脂肪族
基、芳香族基、複素環基であることが好ましいが、より
好ましくは芳香族基であり、特にフェニレン基が好まし
い。
【0050】SOL基は水溶性基を表すが、具体的には
カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシル基、4級アン
モニウム基等が挙げられる。中でも好ましくはスルホ基
である。カルボキシル基及びスルホ基は、アルカリ金属
原子(ナトリウル、カリウム等)の塩の形であること
が、水溶性を向上させる点で好ましい。mは1〜4の整
数を表すが、好ましくは1又は2であり、特に1である
ことが好ましい。
【0051】次に、一般式(B)について詳述する。 一般式(B) −C(R1)(R2)−CH(R3)−EWG− R1〜R3で表される置換基としては、具体的にアルキル
基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アル
コキシ基、アリール基、置換アミノ基、ウレイド基、ウ
レタン基、アリールオキシ基、スルファモイル基、カル
バモイル基、アルキル又はアリールチオ基、アルキル又
はアリールスルホニル基、アルキル又はアリールスルフ
ィニル基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、
スルホ基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボンアミ
ド基、スルホンアミド基、カルボキシル基、燐酸アミド
基、ジアシルアミノ基、イミド基などが挙げられる。R
1〜R3として好ましくは水素原子である。
【0052】EWGは−COO−、−OCO−、SO2
−、−SO2O−、−CON(R5)−、−N(R5)C
O−、−CSN(R5)−、−N(R5)CS−、−O
−、−S−、−N(R5)−、−CO−、−CS−、−
COCO−、−SO2N(R5)−又は−N(R5)SO2
−を表し、R5は水素原子、アルキル基又はアリール基
を表すが、好ましくは水素原子である。
【0053】本発明に係る分子内にハロゲンイオンを放
出可能な置換基を有する化合物の具体例としては、例え
ば、特願平11−50334号段落番号0077〜01
18に記載されているCL−1〜CL−159、BR−
1〜BR−159、ID−1〜ID−159等が挙げら
れる。
【0054】本発明に係る分子内にハロゲンイオンを放
出可能な置換基を有する化合物は、当業界で一般的に用
いられている方法により化合物をハロゲン化銀乳剤に加
えて用いる他に、必要に応じて、添加した後、塩基又は
/及び求核試薬との反応により、沃素イオンを放出させ
て用いることができる。求核試薬と塩基とを併用するこ
ともできる。用いることのできる該求核試薬の例として
は、水酸化物イオン、ヒドロキシルアミン、亜硫酸イオ
ン、ヒドロキサム酸、メタ重亜硫酸イオン、チオ硫酸イ
オン、オキシム類、メルカプタン類、スルフィン酸塩、
カルボン酸塩、アンモニウム化合物、アミン化合物、フ
ェノール類、アルコール類、チオ尿素類、尿素類、ヒド
ラジン類、スルフィド類、ホスフィン類等があるが、水
酸化アルカリ化合物が好ましい。
【0055】ハロゲン化銀乳剤及び感光材料の製造工程
は、ハロゲン化銀粒子形成、脱塩、分光増感、化学増
感、塗布液調製、塗布、乾燥等の各工程から構成され
る。
【0056】本発明において、本発明に係る分子内にハ
ロゲンイオンを放出可能な置換基を有する化合物は、ハ
ロゲン化銀粒子形成の開始から塗布液調整工程の前まで
の各工程、即ちハロゲン化銀粒子の結晶成長並びに物理
熟成、脱塩、分光増感、化学増感工程等の何れか一つ又
は複数の工程で用いられるが、ハロゲン化銀粒子形成時
に用いることがより好ましい。この場合、ハロゲン化銀
粒子形成がハロゲン化銀粒子体積の50%〜100%の
過程で用いられることがさらに好ましい。
【0057】本発明において、ハロゲン化銀粒子形成と
は、ハロゲン化銀乳剤におけるハロゲン化銀粒子の核が
生成されてから該ハロゲン化銀粒子の結晶成長ならびに
物理熟成が完了する迄の工程を指す。
【0058】本発明に係る分子内にハロゲンイオンを放
出可能な置換基を有する化合物をハロゲン化銀乳剤の製
造工程で添加するには、それらを直接乳剤中に分散して
もよいし、あるいは、水、メタノール、エタノール等の
溶媒の単独もしくは混合溶媒に溶解したものを添加して
もよく、当業界で一般に添加剤をハロゲン化銀乳剤に加
える方法を適用できる。
【0059】本発明に係る分子内にハロゲンイオンを放
出可能な置換基を有する化合物の添加量は、ハロゲン化
銀に対して1×10-7〜30モル%が好ましく、1×1
-6〜5モル%がより好ましい。
【0060】本発明においては、塩基又は/及び求核試
薬の添加方法、濃度、反応温度により、本発明に係わる
分子内にハロゲンイオンを放出可能な置換基を有する化
合物からのハロゲンイオンの放出のタイミング、速度を
制御することができる。
【0061】この塩基又は/及び求核試薬の濃度は1×
10-7〜50モルが好ましく、1×10-5〜10モルが
より好ましく、1×10-3〜5モルが特に好ましい。添
加温度は、20〜90℃が好ましく、30〜85℃がよ
り好ましく、35〜80℃が更に好ましい。ハロゲンイ
オンの放出に塩基を用いる場合、pHを制御してもよ
い。この際のpHは2〜12が好ましく、3〜11がよ
り好ましい。
【0062】放出されるハロゲンイオンは、全ハロゲン
化銀量の0.001〜30モル%が好ましく、0.01
〜10モル%がより好ましい。
【0063】本発明において分子内にハロゲンイオンを
放出可能な置換基を有する化合物は、ハロゲン化銀乳剤
製造時において、該化合物中のハロゲンイオンの全てを
放出してもよく、ハロゲンイオンの一部あるいは全てが
放出されなくてもよい。
【0064】請求項2及び8に係る発明において、平板
状ハロゲン化銀粒子が多価金属原子、多価金属原子イオ
ン、多価金属原子錯体及び多価金属原子錯体イオンから
選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする。
【0065】本発明において、多価金属原子、多価金属
原子イオン、多価金属原子錯体及び多価金属原子錯体イ
オンから選ばれる少なくとも1種を含有する平板状ハロ
ゲン化銀粒子とは、平板状ハロゲン化銀粒子の内部又は
表面に、ハロゲン化銀粒子を構成するハロゲン化銀の面
心立方結晶格子構造内に含有される銀もしくはハロゲン
イオン以外の多価金属原子、多価金属原子イオン、多価
金属原子錯体または多価金属原子錯体イオンの少なくと
も1種が含有されていることをいう。
【0066】前記の多価金属原子イオン、多価金属原子
錯体または多価金属原子錯体イオンとしては、例えば、
Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Re、Os、I
r、Pt、Mg、Al、Ca、Sc、Ti、V、Cr、
Mn、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Sr、
Y、Mo、Zr、Nb、Cd、In、Sn、Sb、B
a、La、W、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Ce及
びU等の元素の周期表の第3〜7周期(最も一般的には
第4〜6周期)からの金属原子、イオン、その錯体及び
これらを含む塩(錯塩を含む)、その他これらを含む化
合物等から選ばれる少なくとも1種を用いることができ
るが、単塩又は金属錯体から選択することが好ましい。
【0067】金属錯体から選択する場合、6配位錯体、
5配位錯体、4配位錯体、2配位錯体が好ましく、八面
体6配位錯体、平面4配位錯体がより好ましい。
【0068】錯体を構成する配位子としては、CN-
CO、NO2 -、1,10−フェナントロリン、2,2′
−ビピリジン、SO3 -、エチレンジアミン、NH3、ピ
リジン、H2O、NCS-、NCO-、O3、SO4 2-、O
-、N3 -、S2 -、F-、Cl-、Br-、I-等を用いる
ことができる。
【0069】本発明に用いられるハロゲン化銀ホスト乳
剤に本発明の化合物を含有させるには、以下の技術が適
用できる。
【0070】例えば、B.H.Carroll,「Ir
idium Sensitization,A Lit
erature Review」,Photograp
hic Science and Engineeri
ng,第24巻,第6号,1980年11/12月,第
265〜267頁、米国特許第1,951,933号、
同第2,628,167号、同第3,687,676
号、同第3,761,267号、同第3,890,15
4号、同第3,901,711号、同第3,901,7
13号、同第4,173,483号、同第4,269,
927号、同第4,413,055号、同第4,47
7,561号、同第4,581,327号、同第4,6
43,965号、同第4,806,462号、同第4,
828,962号、同第4,835,093号、同第
4,902,611号、同第4,981,780号、同
第4,997,751号、同第5,057,402号、
同第5,134,060号、同第5,153,110
号、同第5,164,292号、同第5,166,04
4号、同第5,204,234号、同第5,166,0
45号、同第5,229,263号、同第5,252,
451号、同第5,252,530号、EPO第024
4184号、同第0488737号、同第048860
1号、同第0368304号、同第0405938号、
同第0509674号、同第0563946号、特願平
2−249588号、WO第93/02390号等に記
載の技術が適用できる。更に、米国特許第4,847,
191号、同第4,933,272号、同第4,98
1,781号、同第5,037,732号、同第93
7,180号、同第4,945,035号、同第5,1
12,732号、EPO第0509674号、同第05
13738号、WO第91/10166号、同第92/
16876号、ドイツ国特許第298,320号、米国
特許第5,360,712号、同第5,024,931
号等に記載の技術も適用することが出来る。
【0071】また、Research Disclos
ure(以降、単にRDと略す)第367巻,1994
年11月,アイテム36736には、浅い電子トラップ
ドーパントを選定する基準のわかりやすい説明がある。
【0072】本発明の化合物の中で、下記に示すような
6配位錯体イオンを使用することが好ましい。
【0073】〔ML6n 式中、Mは充満フロンティア軌道多価金属イオン、好ま
しくはFe+2、Ru+2、Os+2、Co+3、Rh+3、Ir
+3、Pd+4もしくはPt+4であり;L6は独立して選択
することができる6配位錯体リガンドを表すが、但し、
リガンドの少なくとも4個はアニオンリガンドであり、
リガンドの少なくとも1個(好ましくは少なくとも3個
及び最適には少なくとも4個)は何れのハロゲン化物リ
ガンドよりも電気的陰性が高く;そしてnは−、2−、
3−又は4−を表す。浅い電子トラップを提供すること
ができる6配位錯体イオンの具体例を以下に示す。
【0074】SET−1 〔Fe(CN)64- SET−2 〔Ru(CN)64- SET−3 〔Os(CN)64- SET−4 〔Rh(CN)63- SET−5 〔Ir(CN)63- SET−6 〔Fe(ピラジン)(CN)54- SET−7 〔RuCl(CN)54- SET−8 〔OsBr(CN)54- SET−9 〔RhF(CN)53- SET−10 〔IrBr(CN)53- SET−11 〔FeCO(CN)53- SET−12 〔RuF2(CN)44- SET−13 〔OsCl2(CN)44- SET−14 〔RhI2(CN)43- SET−15 〔IrBr2(CN)43- SET−16 〔Ru(CN)5(OCN)〕4- SET−17 〔Ru(CN)5(N3)〕4- SET−18 〔Os(CN)5(SCN)〕4- SET−19 〔Rh(CN)5(SeCN)〕3- SET−20 〔Ir(CN)5(HOH)〕2- SET−21 〔Fe(CN)3Cl33- SET−22 〔Ru(CO)2(CN)4- SET−23 〔Os(CN)Cl54- SET−24 〔Co(CN)63- SET−25 〔Ir(CN)4(オキサレート)〕
3- SET−26 〔In(NCS)63- SET−27 〔Ga(NCS)63- 本発明において、Ir化合物を用いる場合、好ましい化
合物例として、K2IrCl6、K3IrCl6、K2Ir
Br6等がある。また、好ましく用いられるその他の多
価金属化合物の具体例としては、InCl3、K4Fe
(CN)6、K3Fe(CN)6、K4Ru(CN)6、P
b(NO32等が挙げられる。
【0075】本発明において用いられる多価金属原子、
多価金属原子イオン、多価金属原子錯体または多価金属
原子錯体イオンは、Ru、Os、Fe、Rh、Co、I
n、Ga、Ge、Pd又はPt等の各原子、そのイオ
ン、その錯体及びその錯体イオンが特に好ましく用いら
れる。
【0076】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
に多価金属原子、そのイオン及びその錯体、そのイオン
からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させるに
は、ハロゲン化銀粒子の物理熟成中にドーピングを行っ
てもよいし、ハロゲン化銀粒子の形成過程(一般に、水
溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化アルカリの添加中)にド
ーピングを行ってもよいし、またハロゲン化銀粒子形成
を一時止めた状態でドーピングを施しその後更に粒子形
成を継続してもよい。また、ハロゲン化銀粒子形成終了
後にドーピングを施し、ハロゲン化銀粒子表面に多価金
属原子、そのイオン及びその錯体、そのイオンからなる
群から選ばれる少なくとも1種を導入してもよい。多価
金属原子、そのイオン及びその錯体、そのイオンからな
る群から選ばれる少なくとも1種の導入は、該多価金属
原子、そのイオン及びその錯体、そのイオンの存在下で
核形成や物理熟成、粒子形成を行うことにより実施でき
る。
【0077】本発明で用いられる多価金属原子、そのイ
オン及びその錯体、そのイオンからなる群から選ばれる
少なくとも1種の濃度としては、一般的にハロゲン化銀
1モルあたり1×10-7モル以上1×10-2モル以下の
範囲が適当であり、より好ましくは1×10-6モル以上
1×10-3モル以下の範囲であり、2×10-6〜1×1
-4モルの範囲が特に好ましい。
【0078】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
に多価金属原子、多価金属原子イオン、多価金属原子錯
体または多価金属原子錯体イオンを含有させるには、そ
れらを直接乳剤中に分散してもよいし、或いは水、メタ
ノール、エタノール等の単独もしくは混合溶媒に溶解し
たものを添加してもよく、当業界で一般に添加剤をハロ
ゲン化銀乳剤に加える方法を適用することができる。ま
た、多価金属原子、多価金属原子イオン、多価金属原子
錯体または多価金属原子錯体イオンの少なくとも1種を
ハロゲン化銀微粒子とともにハロゲン化銀乳剤に加える
ことができるが、多価金属原子、多価金属原子イオン、
多価金属原子錯体または多価金属原子錯体イオンの少な
くとも1種を含有するハロゲン化銀微粒子をハロゲン化
銀乳剤に添加することもでき、ハロゲン化銀乳剤中のハ
ロゲン化銀粒子形成中に多価金属原子、多価金属原子イ
オン、多価金属原子錯体または多価金属原子錯体イオン
の少なくとも1種を含有するハロゲン化銀微粒子を添加
することができる。
【0079】上記ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒
子形成中に多価金属原子、多価金属原子イオン、多価金
属原子錯体または多価金属原子錯体イオンの少なくとも
1種を含有するハロゲン化銀微粒子を添加する製造方法
に関しては、特願平10−14194号及び特願平10
−258311号記載の方法を参照することができる。
【0080】請求項3、4、6、7、8及び10に係る
発明においては、平板状ハロゲン化銀粒子が銀電位30
〜70mVで化学増感されていることを特徴の1つとす
る。
【0081】本発明において、ハロゲン化銀粒子の化学
増感における銀電位とは、分光増感及び化学増感を施す
前のハロゲン化銀乳剤の銀電位であり、40℃で溶解し
た乳剤を飽和銀−塩化銀電極を比較電極として銀イオン
選択電極で測定することが出来る。本発明に係わる乳剤
の銀電位は30〜70mVであり、好ましくは40〜7
0mVであり、更に好ましくは40〜60mVである。
【0082】上記ハロゲン化銀粒子の化学増感における
銀電位は、塗布液にAgNO3、KBr、NaBr、K
Cl等の水溶液、又は、銀イオンと反応し水に難溶性の
錯体を形成する化合物を目的の銀電位になるように添加
することにより調整することができる。
【0083】請求項4及び5に係る発明においては、平
板状ハロゲン化銀粒子が塩化銀を含有することを特徴と
する。
【0084】本発明に係る塩化銀を含有するハロゲン化
銀乳剤とは、ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀粒子の
平均塩化銀含有率が0.1〜100モル%であるハロゲ
ン化銀乳剤であり、更には0.3〜50モル%であるこ
とが好ましく、0.5〜30モル%が特に好ましい。
【0085】本発明において、ハロゲン化銀粒子中の平
均塩化銀含有率が10モル%より低い場合における好ま
しい形態の1つは、特開平11−184028号、同1
1−258720号、同11−271901号、同11
−184028号等に記載のハロゲン化銀粒子最表層も
しくはハロゲン化銀粒子の特定部分に塩化銀を含有する
ハロゲン化銀粒子であり、ハロゲン化銀粒子の頂点部に
塩化銀を特異的に含有するハロゲン化銀粒子も好まし
い。
【0086】本発明において、塩化銀以外の構成要素
は、臭化銀及び/又は沃化銀が好ましく、ハロゲン化銀
組成として、塩化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀
を用いることができる。
【0087】本発明に係るハロゲン化銀乳剤が塩臭化銀
である場合、臭化銀がハロゲン化銀結晶の頂点又はその
近傍に局在することが好ましい。このようなハロゲン化
銀乳剤は、塩化銀又は塩臭化銀粒子結晶上に増感色素又
は抑制剤を吸着させた後、臭化銀微粒子を添加して熟成
するか、水溶性の臭化物の溶液を添加してハロゲン置換
することによって得ることができる。
【0088】また、本発明において、ハロゲン化銀乳剤
中の平均塩化銀含有率が10モル%より高い場合、特に
ハロゲン化銀乳剤中の平均塩化銀含有率が50〜100
モル%である場合には、沃化銀及び/または臭化銀をハ
ロゲン化銀粒子中のコア部もしくはシェル部、あるいは
ハロゲン化銀粒子表面の特定部位に局在させる形態も好
ましい。
【0089】請求項7に係る発明において、平板状ハロ
ゲン化銀粒子がハロゲン化銀粒子形成過程の少なくとも
一部において限外濾過が行われていることを特徴の1つ
とする。本発明におけるハロゲン化銀粒子形成過程と
は、ハロゲン化銀乳剤の製造において、ハロゲン化銀粒
子の核が形成され始めてから、該ハロゲン化銀粒子の結
晶成長、物理熟成が終了するまでの過程をいう。本発明
における限外濾過は、ハロゲン化銀粒子形成過程におけ
る任意の時点でハロゲン化銀粒子成長を中断して行って
もよく、ハロゲン化銀粒子成長を継続しながら任意の期
間にわたって行ってもよく、ハロゲン化銀粒子形成過程
で複数回実施してもよいが、好ましくはハロゲン化銀粒
子形成が終了するよりも前、より好ましくはハロゲン化
銀粒子成長中あるいは、ハロゲン化銀粒子成長途中で実
施することが好ましい。該限外濾過を利用して、ハロゲ
ン化銀粒子形成過程において不要水溶性塩類の除去・脱
塩等を行うことができる。また、ハロゲン化銀粒子形成
時に添加される還元剤、酸化剤、ハロゲンイオン放出化
合物、ハロゲン化銀溶剤、多価金属原子、多価金属原子
イオン、多価金属原子錯体または多価金属原子錯体イオ
ン等の未反応物、未ドープ残存物等の除去、失活を行う
ことができる。さらにはハロゲン化銀粒子間距離制御や
ハロゲン化銀粒子成長pH、pBrの制御に利用した任
意のハロゲン化銀粒子成長条件制御、そしてハロゲン化
銀粒子形成時の反応溶液の容量の制御、濃縮等を実施す
ることができる。
【0090】限外濾過の方法に関しては、RDの102
巻10208及び同131巻13122、特公昭59−
43727号、同62−27008号、特開昭62−1
13137号、同57−209823号、同59−43
727号、同62−113137号、同61−2199
48号、同62−23035号、同63−40137
号、同63−40039号、特開平3−140946
号、同2−172816号、同2−172817号、同
4−22942号等に記載の方法を参考にすることがで
きる。限外濾過には、特開平11−339923号ある
いは同11−231448号記載の装置または方法を用
いることが好ましい。
【0091】請求項9に係る発明においては、表面にハ
ロゲン化銀突起物を有する平板ハロゲン化銀粒子を含む
ハロゲン化銀乳剤を用いることを特徴とする。
【0092】本発明でいう表面にハロゲン化銀突起物を
有する平板ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤と
は、ハロゲン化銀粒子表面にハロゲン化銀突起物を有す
る平板状ハロゲン化銀粒子がハロゲン化銀粒子の全投影
面積の30%以上であるハロゲン化銀乳剤のことをい
い、全投影面積の50%以上がハロゲン化銀粒子表面に
ハロゲン化銀突起物を有する平板状ハロゲン化銀粒子で
あることが好ましく、全投影面積の70%以上がハロゲ
ン化銀粒子表面にハロゲン化銀突起物を有する平板状ハ
ロゲン化銀粒子であることがさらに好ましい。本発明に
おいて、ハロゲン化銀粒子表面のハロゲン化銀突起物
は、エピタキシャルであることが好ましい。
【0093】ハロゲン化銀粒子(以下「ホスト粒子」と
呼ぶこともある)の選択された部位にハロゲン化銀突起
部をエピタキシャル配置することにより、像様露光での
光子吸収により放出された伝導帯電子の増感部位への競
争が減少され、よって感度が向上することが一般的に言
われている。米国特許第4,435,501号では、ホ
スト平板粒子の表面の選択された部位に銀塩をエピタキ
シャル付着することによる感度の向上を開示している。
該米国特許では感度の増加は銀塩のエピタキシャル付着
をホスト平板粒子の表面積の小部分に制限したためとし
ている。即ち、平板状粒子の主平面の限定された部分へ
のエピタキシャル配置は、主平面の全部またはほとんど
を覆うエピタキシャル配置よりも効率的であり、更に好
ましいのは、ホスト粒子のエッジに実質的に制限され、
且つ主平面への被覆量が限定されるエピタキシャル配置
であり、更に効率的で好ましいのは、ホスト粒子のコー
ナーまたはその近傍または他の別個の部位に制限される
エピタキシャル配置である。ホスト粒子それ自体の主平
面のコーナーの間隔は、光電子競争をほぼ最大感度が実
現できる程度に十分減少させる。前記米国特許第4,4
35,501号では、エピタキシャル付着速度を遅くす
ることにより、ホスト粒子へのエピタキシャル配置部位
の数を減少できると教示している。
【0094】よって、本発明においても、平板状ハロゲ
ン化銀粒子の表面にエピタキシャル配置されるハロゲン
化銀突起部は、該平板状ハロゲン化粒子の表面積の小部
分に制限することが好ましく、コーナーまたはその近傍
に制限されることが特に好ましい。具体的には50%未
満であることが好ましく30%未満であることが更に好
ましい。また、エピタキシャル配置されるハロゲン化銀
突起部の銀量は、ホスト粒子の銀量に対して0.3〜2
5%であることが好ましく、0.5〜15%であること
が更に好ましい。
【0095】本発明における好ましい態様の1つとして
は、エピタキシャル配置されるハロゲン化銀突起部はホ
スト粒子のコーナーまたはその近傍の制限された位置に
形成されることが好ましく、これを達成するための方法
としては公知の方法を適用することができる。前記米国
特許第4,435,501号では、分光増感色素やアミ
ノアザインデン類を部位指向体(site direc
tor)として吸着させる方法が開示されており、本発
明においても好ましく適用できる。
【0096】ホスト粒子の構造的崩壊を回避するため
に、エピタキシャル配置されるハロゲン化銀突起部は、
その総溶解度がホスト粒子を形成するハロゲン化銀の総
溶解度よりも高いことが好ましい。よって、エピタキシ
ャル配置されるハロゲン化銀突起部は、具体的には塩化
銀であることが好ましい。塩化銀は臭化銀のように面心
立方格子構造を形成するので、エピタキシャル付着を容
易にする。
【0097】ホスト粒子の構造的一体性を保持するため
に、エピタキシャル付着は、ホスト粒子を形成するハロ
ゲン化物の溶解性を制限する条件下で行われることが好
ましい。しかし、エピタキシャル配置されたハロゲン化
銀突起部のハロゲン化物が、ホスト粒子からのものであ
るようにする場合がある。即ち、少量の臭化物及び場合
によっては沃化物を含有する塩化銀突起部であるように
する。
【0098】請求項10に係る発明においては、転位線
を5本以上有するハロゲン化銀粒子比率(個数)が30
%以上であり、かつ平均沃化銀含有率が7モル%以上で
ある平板状ハロゲン化銀粒子からなるハロゲン化銀乳剤
を用いることを特徴とする。
【0099】ハロゲン化銀粒子が有する転位線は、例え
ばJ.F.Hamilton,Photo.Sci.E
ng.11(1967)57や、T.Shiozaw
a,J.Soc.Phot.Sci.Japan35
(1972)213に記載の、低温での透過型電子顕微
鏡を用いた直接的な方法により観察できる。即ち、乳剤
から粒子に転位が発生するほどの圧力をかけないように
注意して取り出したハロゲン化銀粒子を、電子顕微鏡用
のメッシュに乗せ、電子線による損傷(プリントアウト
など)を防ぐように試料を冷却した状態で透過法により
観察を行う。この時、粒子の厚みが厚いほど電子線が透
過しにくくなるので、高加速電圧型の電子顕微鏡を用い
た方がより鮮明に観察することができる。このような方
法によって得られた粒子写真から、個々の粒子における
転位線の数や位置を知ることができる。本発明に係る平
板状ハロゲン化銀粒子においては、転位線を5本以上有
するハロゲン化銀粒子の比率(個数)が50%以上であ
ることが好ましく、70%以上であることがさらに好ま
しい。また、平板状ハロゲン化銀粒子の1粒子あたりの
転位線の本数としては、10本以上であることが好まし
く、20本以上であることがさらに好ましい。
【0100】又、転位線の形態は適宜選択できる。例え
ば、粒子の結晶方位の特定の方向に対して直線的に存在
する転位線、或いは曲った転位線を選ぶことができる。
さらには、粒子全体に渡って存在する、あるいは粒子の
特定の部分にのみ存在する、例えば粒子のフリンジ部
(外周部)に限定して転位線が存在する形態や、主平面
に限定して転位線が存在する形態あるいは頂点近傍に集
中的に転位線が存在する形態等から選ぶこともできる。
本発明に係る平板状ハロゲン化銀乳剤においては、少な
くとも粒子のフリンジ部に転位線が存在することが好ま
しく、フリンジ部と主平面部に転位線が存在することが
特に好ましい。
【0101】ハロゲン化銀粒子への転位線の導入法とし
ては、例えば、沃化カリウムのような沃素イオンを含む
水溶液と水溶性銀塩溶液をダブルジェットで添加する方
法、もしくは沃化銀微粒子を添加する方法、沃素イオン
を含む溶液のみを添加する方法、あるいは前出の分子内
にハロゲンイオンを放出可能な置換基を有する化合物を
用いる方法等の、公知の方法を使用して所望の位置で転
位線の起源となる転位を形成することができる。これら
の方法の中では、沃素イオンを含む水溶液と水溶性銀塩
溶液をダブルジェットで添加する方法や沃化銀微粒子を
添加する方法、分子内にハロゲンイオンを放出可能な置
換基を有する化合物を用いる方法を用いる方法が好まし
く、特に分子内にハロゲンイオンを放出可能な置換基を
有する化合物を用いる方法が好ましい。
【0102】請求項10に係る発明においては、ハロゲ
ン化銀粒子の平均沃化銀含有率が7モル%以上であるこ
とが一つの特徴であるが、7モル%以上20モル%以下
が好ましく、9モル%以上15モル%以下がさらに好ま
しい。
【0103】該ハロゲン化銀粒子の平均沃化銀含有率
は、EPMA法(ElectronProbe Mic
ro Analyzer法)により求める。具体的に
は、ハロゲン化銀粒子を互いに接触しないようによく分
散させた試料を作製し、液体窒素で−100℃以下に冷
却しながら電子ビームを照射し、個々のハロゲン化銀粒
子から放射される銀及び沃素の特性X線強度を求めるこ
とにより、まず個々のハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率
が決定できる。
【0104】上記方法により100個以上のハロゲン化
銀粒子について個々のハロゲン化銀粒子の沃化銀含有率
を求め、これを平均したものを平均沃化銀含有率とす
る。
【0105】本発明に係わるハロゲン化銀乳剤は、セレ
ン化合物及びテルル化合物から選ばれる少なくとも1種
により化学増感されていることが好ましい。
【0106】本発明において用いることのできるセレン
増感剤としては、従来公知の特許に開示されているセレ
ン化合物を挙げることができる。即ち通常、不安定型セ
レン化合物及び/又は非不安定型セレン化合物を添加し
て、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間攪拌
することにより用いられる。不安定型セレン化合物とし
ては、例えば、特公昭44−15748号、同43−1
3489号、特開平4−25832号、同4−1092
40号に記載の化合物を用いることが好ましい。具体的
な不安定セレン増感剤としては、イソセレノシアネート
類(例えば、アリルイソセレノシアネートの如き脂肪族
イソセレノシアネート類)、セレノ尿素類、セレノケト
ン類、セレノアミド類、セレノカルボン酸類(例えば、
2−セレノプロピオン酸、2−セレノ酪酸)、セレノエ
ステル類、ジアシルセレニド類(例えば、ビス(3−ク
ロロ−2,6−ジメトキシベンゾイル)セレニド)、セ
レノホスフェート類、ホスフィンセレニド類、コロイド
状金属セレンが挙げられる。
【0107】不安定型セレン化合物の好ましい類型を上
に述べたが、これらは限定的なものではない。当業技術
者には写真乳剤の増感剤としての不安定型セレン化合物
といえば、セレンが不安定である限りにおいて、該化合
物の構造はさして重要なものではなく、セレン増感剤分
子の有機部分はセレンを担持し、それを不安定な形で乳
剤中に存在せしめる以外何らの役割をもたないことが一
般に理解されており、かかる広範な概念の不安定セレン
化合物が有利に用いられる。
【0108】本発明で用いられる非不安定型セレン化合
物としては特公昭46−4553号、同52−3449
2号及び同52−34491号に記載の化合物が用いら
れる。非不安定型セレン化合物としては、例えば、亜セ
レン酸、セレノシアン化カリウム、セレナゾール類、セ
レナゾール類の四級塩、ジアリールセレニド、ジアリー
ルジセレニド、ジアルキルセレニド、ジアルキルジセレ
ニド、2−セレナゾリジンジオン、2−セレノオキサゾ
リジンチオン及びこれらの誘導体が挙げられる。
【0109】本発明で用いることのできるセレン増感剤
及びテルル増感剤として、以下に好ましい化合物の具体
例を示すが、これに限定されるものではない。
【0110】
【化1】
【0111】これらのセレン増感剤及びテルル増感剤
は、水又はメタノール、エタノールなどの有機溶媒の単
独又は混合溶媒に溶解、又は特開平4−140738
号、同4−140742号、同5−11381号、同5
−11385号又は同5−11388号に記載の形態に
て化学増感時に添加することができる。好ましくは、化
学増感開始前に添加される。使用されるセレン増感剤及
びテルル増感剤は、1種に限られず上記セレン増感剤及
びテルル増感剤の2種以上を併用して用いることができ
る。不安定セレン化合物と非不安定セレン化合物を併用
してもよい。また、セレン増感剤とテルル増感剤の各々
少なくとも1種を併用してもよい。本発明に使用される
セレン増感剤及びテルル増感剤の添加量は、用いるセレ
ン増感剤及びテルル増感剤の活性度、ハロゲン化銀の種
類や大きさ、熟成の温度及び時間などにより異なるが、
好ましくは、ハロゲン化銀1モル当り1×10-8モル以
上である。より好ましくは1×10-7モル以上3×10
-5モル以下である。セレン増感剤及びテルル増感剤を用
いた場合の化学熟成の温度は、好ましくは45℃以上で
あり、より好ましくは50℃以上、80℃以下である。
pAg及びpHは任意である。例えば、pHは4から9
までの広い範囲で本発明の効果は得られる。セレン増感
及びテルル増感は、ハロゲン化銀溶剤の存在下で行うこ
とは、より効果的である。
【0112】請求項12に係る発明のハロゲン化銀乳剤
には、前記一般式(A)で表される化合物の少なくとも
1種を含有することが特徴である。
【0113】前記一般式(A)において、Ra1及びRa2
で表される脂肪族基としては炭素数1〜30、好ましく
は1〜20の直鎖、又は分岐したアルキル、アルケニ
ル、アルキニル又はシクロアルキル基が挙げられる。具
体的には、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ヘキシル、デシル、ドデシル、イソプロピル、t−
ブチル、2−エチルヘキシル、アリル、2−ブテニル、
7−オクテニル、プロパルギル、2−ブチニル、シクロ
プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロド
デシル等の各基が挙げられる。Ra1及びRa2で表される
芳香族基としては炭素数6〜20のものが挙げられ、具
体的には、例えば、フェニル、ナフチル、アントラニル
等の各基が挙げられる。Ra1及びRa2で表されるヘテロ
環基としては、単環でも縮合環でもよく、O、S、及び
N原子、アミンオキシド基の少なくとも1種を環内に有
する5〜6員のヘテロ環基が挙げられる。
【0114】具体的には、例えば、ピロリジン、ピペリ
ジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オキ
シラン、モルホリン、チオモルホリン、チオピラン、テ
トラヒドロチオフェン、ピロール、ピリジン、フラン、
チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾー
ル、チアゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ト
リアゾール、テトラゾール、チアジアゾール、オキサジ
アゾール及びこれらのベンゼローグ類から導かれる基が
挙げられる。Ra1及びRa2で環を形成するものとしては
員数4から7員環を挙げることができる。このましくは
5〜7員環である。Ra1及びRa2で好ましい基としては
ヘテロ環基および芳香族基であり、更に好ましくはヘテ
ロ芳香環基である。Ra1及びRa2で表される脂肪族基、
芳香族基又はヘテロ環基は更に置換基により置換されて
いてもよく、該置換基としては、ハロゲン原子(例え
ば、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えば、メ
チル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル
基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブ
チル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えば、
ベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例え
ば、フェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロ
ロフェニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、
アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、4−メトキ
シフェノキシ基等)、シアノ基、アシルアミノ基(例え
ば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、ア
ルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、
ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニル
チオ基、p−メチルフェニルチオ基等)。スルホニルア
ミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼン
スルホニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、3−メ
チルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3
−ジメチルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基
(例えば、ジメチルスルファモイルアミノ基、ジエチル
スルファモイルアミノ基等)、カルバモイル基(例え
ば、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジ
メチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例え
ば、エチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル
基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキ
シカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基、p
−クロロフェノキシカルボニル基等)、スルホニル基
(例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、
フェニルスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチ
ル基、プロパノイル基、ブチロイル基等)、アミノ基
(例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチル
アミノ基等)、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、
アミンオキシド基(例えば、ピリジン−オキシド基
等)、イミド基(例えば、フタルイミド基等)、ジスル
フィド基(例えば、ベンゼンジスルフィド基、ベンズチ
アゾリル−2−ジスルフィド基等)、ヘテロ環基(例え
ば、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾ
リル基、ベンズオキサゾリル基等)が挙げられる。電子
吸引性基を含有する置換基が特に好ましい。Ra1及びR
a2はこれらの置換基の中から単独又は複数を有すること
ができる。またそれぞれの置換基は更に上記の置換基で
置換されていてもよい。nは2〜6の整数で、好ましく
は2〜3である。
【0115】本発明で用いられる一般式(A)で表され
る化合物としては、例えば、特願平11−79969号
に記載されているb−1〜b−7等を挙げることができ
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0116】本発明の一般式(A)で表される化合物の
添加方法としては、そのまま直接添加してもよいし、或
いは水、メタノール、エタノール等の水溶性溶媒または
これらの混合溶媒に溶解して添加しても、乳剤分散によ
り添加しても、固体粒子分散体として添加してもよい。
【0117】一般式(A)で表される化合物は、ハロゲ
ン化銀乳剤の製造工程のいかなる工程でも添加して用い
ることができるし、乳剤製造後塗布直前までのいかなる
段階でも添加して用いることができる。
【0118】一般式(A)で表される化合物の添加量と
しては、銀1モル当たり1×10-9〜1モルが好まし
く、より好ましくは1×10-6〜1×10-2である。
【0119】本発明において、平板状ハロゲン化銀粒子
とは、アスペクト比が2以上のハロゲン化銀粒子をい
う。本発明において平板状ハロゲン化銀粒子の平均アス
ペクト比は、3〜100が好ましく、5〜100がより
好ましく、請求項13に係る発明では平均アスペクト比
が8〜100である。
【0120】該平板状ハロゲン化銀乳剤粒子の平均アス
ペクト比は、当業界で公知の製造方法により上記範囲に
調整することができる。
【0121】ハロゲン化銀乳剤粒子のアスペクト比は、
後記の方法により粒径と粒子厚さを個々のハロゲン化銀
乳剤粒子について求め、下式で得られる。
【0122】アスペクト比=粒径/粒子厚さアスペクト
比を求めるには、まずハロゲン化銀乳剤粒子直径と厚み
とを以下の方法で求める。支持体上に内部標準となる粒
径が既知であるラテックスボール及び主平面が該支持体
に対し平行に配向するように塗布した試料を作製し、あ
る方向からカーボン蒸着法によりシャドーイングを施し
た後、通常のレプリカ法によりレプリカ試料を作製す
る。同試料の電子顕微鏡写真を撮影し、画像処理装置等
を用いて各々のハロゲン化銀乳剤粒子の投影面積直径と
厚みとを求める。この際、ハロゲン化銀乳剤粒子の厚み
は内部標準とハロゲン化銀乳剤粒子の影(シャドー)の
長さから算出することができる。
【0123】本発明においてハロゲン化銀乳剤粒子の平
均粒径は0.2〜10μmが好ましく、0.3〜7.0
μmがより好ましく、0.4〜5.0μmが最も好まし
い。
【0124】本発明において、平均粒径とは、粒径ri
の算術平均とする。ただし、有効数字3桁、最小桁数字
は四捨五入し、測定粒子個数は無差別に1,000個以
上あることとする。
【0125】ここでいう粒径riとは平板状ハロゲン化
銀乳剤粒子の場合には主平面に対し、垂直な方向から見
たときの投影像を同面積の円像に換算したときの直径で
あり、平板状ハロゲン化銀乳剤粒子以外の形状のハロゲ
ン化銀乳剤粒子においては、該ハロゲン化銀乳剤粒子の
投影像を同面積の円像に換算したときの直径である。
【0126】粒径riは、ハロゲン化銀乳剤粒子を電子
顕微鏡で1万〜7万倍に拡大して撮影し、そのプリント
上の粒子直径または投影時の面積を実測することにより
得ることができる。
【0127】本発明において、ハロゲン化銀乳剤は、粒
径分布の広い多分散乳剤、粒径分布の狭い単分散乳剤な
ど、任意のものが用いられるが、単分散乳剤であること
が好ましい。単分散乳剤とは、下記式によって粒径分布
を定義した時、粒径分布が20%未満のものであり、よ
り好ましくは16%未満である。
【0128】粒径分布(%)=(粒径の標準偏差/平均
粒径)×100 平均粒径及び標準偏差は前に定義した粒径riから求め
るものとする。
【0129】本発明に係わるハロゲン化銀乳剤及びその
製造においては、上記以外の条件については、特開昭6
1−6643号、同61−14630号、同61−11
2142号、同62−157024号、同62−185
56号、同63−92942号、同63−151618
号、同63−163451号、同63−220238
号、同63−311244号、RD38957のI項及
びIII項、RD40145のXV項等を参考にして適切な
条件を選択することができる。
【0130】本発明のハロゲン化銀乳剤を用いてカラー
感光材料を構成する際には、ハロゲン化銀乳剤は、物理
熟成、化学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。
このような工程で使用される添加剤は、RD38957
のIV及びV項、RD40145のXV項等に記載されてい
る。
【0131】本発明に使用できる公知の写真用添加剤
も、同じくRD38957のII〜X項項、RD4014
5のI〜XIII項のものを用いることができる。
【0132】本発明のハロゲン化銀乳剤写真感光材料に
は、赤、緑及び青感光性ハロゲン化銀乳剤層を設ける
が、各層にカプラーを含有させることができる。これら
各層に含まれるカプラーから形成される発色色素は、分
光吸収極大が少なくとも20nm離れていることが好ま
しい。カプラーとしては、シアンカプラー、マゼンタカ
プラー、イエローカプラーを用いることが好ましい。各
乳剤層とカプラーの組み合わせとしては、通常、イエロ
ーカプラーと青感光性層、マゼンタカプラーと緑感光性
層、シアンカプラーと赤感光性層の組み合わせが用いら
れるが、これら組み合わせに限られるものではなく、他
の組み合わせであってもよい。
【0133】本発明においてはDIR化合物を用いるこ
とができる。用いることのできるDIR化合物の具体例
としては、例えば、特開平4−114153号に記載の
D−1〜D−34が挙げられ、本発明はこれらの化合物
を好ましく用いることができる。
【0134】本発明において用いることのできるDIR
化合物の具体例は、上記のほかに、例えば、米国特許第
4,234,678号、同第3,227,554号、同
第3,647,291号、同第3,958,993号、
同第4,419,886号、同第3,933,500
号、特開昭57−56837号、同51−13239
号、米国特許第2,072,363号、同第2,07
0,266号、RD40145のXIV項などに記載され
ているものを挙げることができる。
【0135】また、本発明で用いることができるカプラ
ーの具体例は、RD40145のII項等に記載されてい
る。
【0136】本発明に使用する添加剤は、RD4014
5のVIII項に記載されている分散法などにより添加する
ことができる。
【0137】本発明においては、前述RD38957の
XV項等に記載される公知の支持体を使用することができ
る。
【0138】本発明の感光材料には、前述RD3895
7のXI項に記載されるフィルター層や中間層等の補助層
を設けることができる。
【0139】感光材料は、前述RD38957のXI項に
記載の順層、逆層、ユニット構成等の様々な層構成を採
ることができる。
【0140】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、一般用
又は映画用のカラーネガフィルム、スライド用又はテレ
ビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポ
ジフィルム、カラー反転ペーパーに代表される種々のカ
ラー感光材料に好ましく適用することができる。
【0141】本発明のハロゲン化銀乳剤カラー感光材料
を現像処理するには、例えば、T.H.ジェームズ著、
セオリイ オブ ザ ホトグラフイック プロセス第4
版(The Theory of The Photo
grafic Process Forth Edit
ion)第291頁〜第334頁及びジャーナル オブ
ザ アメリカン ケミカル ソサエティ(Journ
a1 of theAmerican Chemica
l Society)第73巻、第3,100頁(19
51)に記載されている、それ自体公知の現像剤を使用
することができ、また、前述のRD38957のXVII〜
XX項及びRD40145のXXIII項に記載された通常の
方法によって、現像処理することができる。
【0142】
【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されるもの
ではない。
【0143】実施例1 以下の方法により、ハロゲン化銀乳剤(Em−1)を調
製した。
【0144】《乳剤Em−1の調製》 [核生成、核熟成工程]反応容器内の下記ゼラチン水溶
液−1を30℃に保ち、特開昭62−160128号公
報記載の混合撹拌装置を用いて激しく撹拌しながら、ダ
ブルジェット法を用いて、以下の硝酸銀水溶液−1とハ
ライド水溶液−1を一定の流量で1分間で添加し、核形
成を行った。
【0145】 〈ゼラチン水溶液−1〉 アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 32.4g 臭化カリウム 9.9g H2O 13.0L 〈硝酸銀水溶液−1〉 硝酸銀 50.43g H2O 225.9ml 〈ハライド水溶液−1〉 臭化カリウム 35.33g H2O 224.7ml 上記添加終了後、直ちに下記ゼラチン水溶液−2を加
え、30分間を要して60℃に昇温した後、pHを5.
0に調整しその状態で20分間熟成した。
【0146】 〈ゼラチン水溶液−2〉 アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 17.5g 臭化カリウム 3.18g 界面活性剤(*EO−1)の10質量%メタノール溶液 0.20ml H2O 673.5ml *EO−1:HO(CH2CH2O)m[CH(CH3)CH2O]19.8(CH2C H2O)nH (m+n=9.77) [粒子成長工程−1]核熟成工程終了後、続いてダブル
ジェット法を用いて硝酸銀水溶液−2とハライド水溶液
−2を流量を加速しながら添加した。添加終了後にゼラ
チン水溶液−3を加え、引き続いて硝酸銀水溶液−3と
ハライド水溶液−3を流量を加速しながら添加した。こ
の間の反応容器内の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比較
電極として銀イオン選択電極で測定)を1モル/Lの臭
化カリウム溶液を用いて6mVに制御した。
【0147】 〈硝酸銀水溶液−2〉 硝酸銀 639.8g H2O 2866.2ml 〈ハライド水溶液−2〉 臭化カリウム 448.3g H2O 2850.7ml 〈ゼラチン水溶液−3〉 アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 175.9g 界面活性剤(EO−1)の10質量%メタノール溶液 0.67ml H2O 4260.1ml 〈硝酸銀水溶液−3〉 硝酸銀 989.8g H2O 1437.2ml 〈ハライド水溶液−3〉 臭化カリウム 679.6g 沃化カリウム 19.35g H2O 1412.0ml [粒子成長工程−2]粒子成長工程−1終了後に、1モ
ル/L硝酸水溶液を用いてpHを5.0に調整し、次い
で3.5モル/Lの臭化カリウム水溶液を用いて反応容
器内の銀電位を−19mVに調整し、続いて、硝酸銀水
溶液−4とハライド水溶液−4を流量を加速しながら添
加した。
【0148】 〈硝酸銀水溶液−4〉 硝酸銀 720.0g H2O 1045.6ml 〈ハライド水溶液−4〉 臭化カリウム 499.3g 沃化カリウム 7.0g H2O 1027.1ml なお、粒子成長工程−1、2を通して、硝酸銀水溶液と
ハライド水溶液の添加速度は、新たなハロゲン化銀乳剤
粒子が生成しないように、かつ成長中のハロゲン化銀乳
剤粒子間でのオストワルド熟成により粒径分布の劣化が
生じないように最適に制御した。
【0149】上記粒子成長工程終了後に脱塩、水洗処理
を施し、ゼラチンを加えて良く分散し、40℃にてpH
を5.8、pAgを8.1に調整した。かくして得られ
たハロゲン化銀乳剤をレプリカ法による電子顕微鏡で観
察したところ、平均粒径1.4μm、粒径分布22%、
平均アスペクト比7の六角平板状粒子からなるハロゲン
化銀乳剤であった。また、透過型電子顕微鏡で観察した
ところ、転位線を有するハロゲン化銀乳剤粒子は殆ど存
在しなかった。
【0150】その後、50℃に昇温し、銀電位を100
mVに調整した後、ハロゲン化銀1モル当たり、後記増
感色素SD−6を4.1×10-5モル、SD−7を2.
6×10-5モル、SD−8を3.7×10-4モル、SD
−10を4.9×10-5モルを添加し、20分後、チオ
硫酸ナトリウム五水塩を8.0×10-6モル/ハロゲン
化銀乳剤1モル、塩化金酸を3.2×10-6モル/ハロ
ゲン化銀乳剤1モルとチオシアン酸カリウムを3.5×
10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モルの混合溶液を順次
2分間隔で添加して感度が最適となるように化学熟成を
施した。熟成終了時に6−メチル−4ヒドロキシ−1,
3,3a,7−テトラザインデンを6.5×10-3モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル、1−フェニル−5メルカプ
トテトラゾールを1.5×10-4モル/ハロゲン化銀乳
剤1モル添加して降温し、冷却固化させて化学増感済み
の乳剤Em−1を調製した。
【0151】《乳剤Em−2の調製》上記乳剤Em−1
の調製において、[粒子成長工程−2]における硝酸銀
水溶液−4の添加開始直前に、下記S−1液を添加し、
かつ硝酸銀水溶液−4の添加終了直後に、下記T−1液
を添加すること以外は同様にして、乳剤Em−2を調製
した。
【0152】 (S−1液) 二酸化チオ尿素 6.4mg H2O 50.0ml (T−1液) エタンチオスルホン酸ナトリウム 500mg H2O 100.0ml 《乳剤Em−3の調製》乳剤Em−1の調製における
[粒子成長工程−2]を、下記[粒子成長工程−2A]
に変更した以外は同様にして、乳剤Em−3を調製し
た。
【0153】[粒子成長工程−2A]粒子成長工程−1
終了後に、下記水溶液−A1を添加し、1モル/L水酸
化カリウム水溶液を用いてpHを10.0に調整して沃
素イオンを放出させ、その後、直ちに1モル/L硝酸水
溶液を用いてpHを5.0に調整し、次いで3.5モル
/Lの臭化カリウム水溶液を用いて反応容器内の銀電位
を−19mVに調整し、続いて、硝酸銀水溶液−5とハ
ライド水溶液−5を流量を加速しながら添加した。
【0154】 〈水溶液−A1〉 化合物(ID−109) 123.5g H2O 1500ml 〈硝酸銀水溶液−5〉 硝酸銀 720.0g H2O 1045.6ml 〈ハライド水溶液−5〉 臭化カリウム 494.4g 沃化カリウム 14.1g H2O 1027.1ml 以上のようにして調製した乳剤Em−3を、レプリカ法
による電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径1.2μ
m、粒径分布20%、平均アスペクト比7の六角平板状
粒子からなるハロゲン化銀乳剤であった。また、透過型
電子顕微鏡を用いてハロゲン化銀乳剤粒子に形成された
転位線の状態を調べたところ、Em−3には、1粒子あ
たり5本以上の転位線を有する粒子が全ハロゲン化銀乳
剤粒子の投影面積の95%以上であり、転位線を主平面
の中心領域及びフリンジ部に有する粒子が全ハロゲン化
銀乳剤粒子の投影面積の80%であり、かつフリンジ部
に1粒子あたり30本以上の転位線を有する粒子が全ハ
ロゲン化銀乳剤粒子の投影面積の50%を占めていた。
【0155】
【化2】
【0156】《乳剤Em−4の調製》乳剤Em−3の調
製において、[粒子成長工程−2A]における硝酸銀水
溶液−5の添加開始直前に、前記S−1液を添加し、か
つ硝酸銀水溶液−5の添加終了直後に、前記T−1液を
添加すること以外は同様にして乳剤Em−4を調製し
た。
【0157】《乳剤Em−5の調製》乳剤Em−4の調
製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.0×10
-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わりに、チ
オ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル/ハロゲ
ン化銀乳剤1モル及び例示化合物であるセレン増感剤S
e−5を2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル
とを、順次2分間隔で添加して感度が最適となるように
熟成すること以外は同様にして、乳剤Em−5を調製し
た。
【0158】《乳剤Em−6の調製》乳剤Em−4の調
製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.0×10
-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わりに、チ
オ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル/ハロゲ
ン化銀乳剤1モル及び例示化合物であるテルル増感剤T
e−2を2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル
とを、順次2分間隔で添加して感度が最適となるように
熟成すること以外は同様にして、乳剤Em−6を調製し
た。
【0159】《乳剤Em−7の調製》乳剤Em−4の調
製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.0×10
-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わりに、チ
オ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル/ハロゲ
ン化銀乳剤1モル及び前記セレン増感剤Se−5を2.
5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順次2
分間隔で添加して感度が最適となるように熟成し、かつ
1−フェニル−5メルカプトテトラゾールに代えて、下
記化合物(b−2)を1.2×10-4モル/ハロゲン化
銀乳剤1モル添加すること以外は同様にして、乳剤Em
−7を調製した。
【0160】
【化3】
【0161】《乳剤Em−8の調製》以下に示す溶液を
用い、乳剤Em−8を調製した。
【0162】 (AX−1液) オセインゼラチン 10.4g 臭化カリウム 3.2g 水で 4175ml (BX−1液) 1.25モル/L硝酸銀水溶液 1047ml (CX−1液) 臭化カリウム 155.7g 水で 1047ml (DX−1液) 臭化カリウム 1224.6g 沃化カリウム 34.9g 水で 3000ml (EX−1液) 臭化カリウム 416.5g 水で 1000ml (FX−1液) 臭化カリウム 416.5g 水で 2000ml (GX−1液) オセインゼラチン 44.8g 界面活性剤(EO−1)の10%メタノール溶液 1.5ml 水で 8949ml (HX−1液) オセインゼラチン 224.0g 水で 2000ml (IX−1液) 3.5モル/L硝酸銀水溶液 3524ml (JX−1液) 10%水酸化カリウム水溶液 必要量 (KX−1液) 10%硫酸水溶液 必要量 (MX−1液) 56%酢酸水溶液 必要量 反応容器内にAX−1液を添加し、30℃にてKX−1
液でpHを2.0に調整した。その後、30℃にて激し
く撹拌しながら、BX−1液、CX−1液の各々76.
5mlを1分間定速で同時混合法により添加した(第1
添加)。その後、GX−1液を加え、60℃に昇温し、
JX−1液でpH5.8に調整した。BX−1液の残り
とCX−1液とを同時混合法により26分間で加速添加
した(第2添加)。この添加の間pHは成りゆきとし、
pAgは9.0に制御した。その後HX−1液を添加
し、IX−1液の2817mlとDX−1液とを同時混
合法により79分間で加速添加した(第3添加)。この
添加の間pHは成りゆきとし、pAgは9.0に制御し
た。ここで前記水溶液−A1を添加し、1モル/L水酸
化カリウム水溶液を用いてpHを10.0に調整して沃
素イオンを放出させ、その後、直ちにMX−1液でpH
を6.0に調整し、前記S−1液を添加し、FX−1液
でpAgを9.7に調整し、その後IX−1液の残りと
EX−1液と同時混合法により4分間で加速添加した
(第4添加)。この添加の間pHは5.0に制御し、p
Agは成りゆきとし、IX−1液の添加終了直後に前記
T−1液を添加した。第2添加〜第4添加におけるp
H、pAgの制御には、各々MX−1液、FX−1液を
必要に応じて用いた。粒子形成後に、特開平5−726
58号に記載の方法に従い脱塩処理を行い、ゼラチンを
加えて分散し、40℃においてpAg8.06、pH
5.8に調整した。
【0163】この乳剤中のハロゲン化銀乳剤粒子を電子
顕微鏡にて観察したところ、平均粒径1.80μm、粒
径分布28%、平均厚さ0.11μm、平均アスペクト
比15の六角平板状ハロゲン化銀乳剤粒子であり、透過
型電子顕微鏡を用いてハロゲン化銀乳剤粒子に形成され
た転位線の状態を調べたところ、1粒子あたり5本以上
の転位線を有する粒子が全ハロゲン化銀乳剤粒子の投影
面積の95%以上であり、転位線を主平面の中心領域及
びフリンジ部に有する粒子が全ハロゲン化銀乳剤粒子の
投影面積の80%であり、かつフリンジ部に1粒子あた
り30本以上の転位線を有する粒子が全ハロゲン化銀乳
剤粒子の投影面積の50%を占めていた。
【0164】その後、50℃に昇温し、銀電位を100
mVに調整し、ハロゲン化銀1モル当たり、後記増感色
素SD−6を6.1×10-5モル、SD−7を3.9×
10 -5モル、SD−8を5.5×10-4モル、SD−1
0を7.3×10-5モル添加し、20分後、チオ硫酸ナ
トリウム五水塩を6.6×10-6モル/ハロゲン化銀乳
剤1モル、前記セレン増感剤Se−5を3.0×10-6
モル/ハロゲン化銀乳剤1モル、塩化金酸を3.8×1
-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとチオシアン酸カリ
ウムを4.0×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル含
む混合溶液を、順次2分間隔で添加して感度が最適とな
るように熟成した。熟成終了時に6−メチル−4ヒドロ
キシ−1,3,3a,7−テトラザインデンを6.5×
10-3モル/ハロゲン化銀乳剤1モル、前記化合物(b
−2)を1.2×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル
添加して降温し、冷却固化させて化学増感済みの乳剤E
m−8を調製した。
【0165】《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作
製》下引層を施した厚さ120μmのトリアセチルセル
ロースフィルム支持体上に、表1〜表4に示す組成の各
層を順次支持体側から形成して多層カラー感光材料試料
を作製した。表中、各素材の添加量は特に記載しない限
り1m2当たりのグラム数で示す。また、ハロゲン化銀
とコロイド銀は銀の量に換算して示し、増感色素(SD
で示す)は銀1モル当たりのモル数で示す。
【0166】
【表1】
【0167】
【表2】
【0168】
【表3】
【0169】
【表4】
【0170】表3中の第9層に記載の乳剤Mとして、前
記調製した乳剤Em−1からEm−8をそれぞれ使用
し、かつ各感光性層の塗布液の銀電位を、臭化カリウム
と硝酸銀の各水溶液を用いて調整することにより、感光
材料としての塗膜銀電位を表6に示すように設定した試
料1001〜1025を作製した。
【0171】なお、試料作製に用いた乳剤Mを除く沃臭
化銀乳剤a〜jの特徴を表5に示す。表中、平均粒径と
は、同体積の立方体の一辺長で表す。
【0172】
【表5】
【0173】また、乳剤jを除く上記乳剤a〜i及び乳
剤Mについては、前述の増感色素を添加し、次いでトリ
フェニルホスフィンセレナイド、チオ硫酸ナトリウム、
塩化金酸、チオシアン酸カリウムを適宜添加し、常法に
従い、カブリ、感度関係が最適になるように化学増感を
施したものを用いた。
【0174】尚、上記の構成物の他に、塗布助剤SU−
1、SU−2、SU−3、分散助剤SU−4、粘度調整
剤V−1、安定剤ST−1、ST−2、カブリ防止剤A
F−1、重量平均分子量:10,000及び重量平均分
子量:100,000の2種のポリビニルピロリドン
(AF−2)、抑制剤AF−3、AF−4、AF−5、
硬膜剤H−1、H−2及び防腐剤Ase−1を添加し
た。また、流動パラフィンは、Merck社製のMer
ck Index 117139を用いた。
【0175】上記試料の作製に用いた各化合物の構造を
以下に示す。
【0176】
【化4】
【0177】
【化5】
【0178】
【化6】
【0179】
【化7】
【0180】
【化8】
【0181】
【化9】
【0182】
【化10】
【0183】
【化11】
【0184】
【化12】
【0185】
【化13】
【0186】
【化14】
【0187】《露光、現像処理及び評価》以上のように
して作製した各試料を2部用意し、1部はそのまま、残
りの1部は、137Csを線源に用いて照射線量が20
0mRになるように放射線照射を行った後、それぞれ白
色光を用いて1/200秒、1.6CMSでステップウ
エッジ露光を行い、次いで特開平10−123652号
の段落[0220]〜[0227]記載の現像処理工程
に従ってカラー現像処理を行った。次いで得られた各現
像済み試料をX−rite社製濃度計によりマゼンタ濃
度測定を行い、濃度D−露光量LogEよりなる特性曲
線を作製し、感度を評価した。感度は、マゼンタ濃度の
最小濃度+0.10の光学濃度を与える露光量の逆数で
定義し、試料1001の放射線未照射試料の感度を10
0とした相対値で示した。
【0188】以上の評価により得られた放射線照射の有
無による感度値を表6に示す。
【0189】
【表6】
【0190】表6から明らかなように、本発明に係る試
料1020〜1025は、比較試料1001〜1019
に対して、感度の向上及び放射線照射による感度安定性
の双方において優れた性能を示した。
【0191】実施例2 《乳剤Em−11の調製》実施例1における乳剤Em−
1の調製において、ハロゲン化銀乳剤粒子成長が、ハロ
ゲン化銀乳剤量で50%の時点でK4Fe(CN)6をハ
ロゲン化銀乳剤1モル当たり3.6×10-5モル含む水
溶液を添加すること以外は同様にして、乳剤Em−11
を調製した。
【0192】《乳剤Em−12の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、ハロゲン化銀乳剤粒子
成長が、ハロゲン化銀乳剤量で50%の時点でK4Ru
(CN)6をハロゲン化銀乳剤1モル当たり3.6×1
-5モル含む水溶液を添加すること以外は同様にして、
乳剤Em−12を調製した。
【0193】《乳剤Em−13の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、ハロゲン化銀乳剤粒子
成長が、ハロゲン化銀乳剤量で50%の時点でK4Fe
(CN)6をハロゲン化銀乳剤1モル当たり3.6×1
-5モル含む水溶液を添加し、かつ[粒子成長工程−
2]における硝酸銀水溶液−4の添加開始直前に、前記
S−1液を添加し、かつ硝酸銀水溶液−4の添加終了直
後に、前記T−1液を添加すること以外は同様にして乳
剤Em−13を調製した。
【0194】《乳剤Em−14の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、ハロゲン化銀乳剤粒子
成長が、ハロゲン化銀乳剤量で50%の時点でK4Ru
(CN)6をハロゲン化銀乳剤1モル当たり3.6×1
-5モル含む水溶液を添加し、かつ[粒子成長工程−
2]における硝酸銀水溶液−4の添加開始直前に、前記
S−1液を添加し、かつ硝酸銀水溶液−4の添加終了直
後に、前記T−1液を添加すること以外は同様にして乳
剤Em−14を調製した。
【0195】《乳剤Em−15の調製》上記乳剤Em−
13の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及び前記セレン増感剤Se−
5を2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルと
を、順次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟
成すること以外は同様にして、乳剤Em−15を調製し
た。
【0196】《乳剤Em−16の調製》上記乳剤Em−
13の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及び前記テルル増感剤Te−
2を2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルと
を、順次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟
成すること以外は同様にして、乳剤Em−16を調製し
た。
【0197】《乳剤Em−17の調製》上記乳剤Em−
13の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及び前記セレン増感剤Se−
5を2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルと
を、順次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟
成し、かつ1−フェニル−5メルカプトテトラゾールに
代えて、前記化合物(b−2)を1.2×10-4モル/
ハロゲン化銀乳剤1モル添加すること以外は同様にし
て、乳剤Em−17を調製した。
【0198】《乳剤Em−18の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−8の調製に記載の溶液(AX−1)〜(M
X−1)を用いて、下記に示す方法により乳剤Em−1
8を調製した。
【0199】反応容器内にAX−1液を添加し、30℃
にてKX−1液でpHを2.0に調整した。その後、3
0℃にて激しく撹拌しながら、BX−1液、CX−1液
の各々76.5mlを1分間定速で同時混合法により添
加した(第1添加)。その後、GX−1液を加え、60
℃に昇温し、JX−1液でpH5.8に調整した。BX
−1液の残りとCX−1液とを同時混合法により26分
間で加速添加した(第2添加)。この添加の間pHは成
りゆきとし、pAgは9.0に制御した。その後HX−
1液を添加し、IX−1液の2817mlとDX−1液
とを同時混合法により79分間で加速添加した(第3添
加)。この添加の間pHは成りゆきとし、pAgは9.
0に制御した。尚、このIX−1液の添加の途中でハロ
ゲン化銀乳剤粒子成長が、ハロゲン化銀乳剤量で50%
の時点でK4Fe(CN)6をハロゲン化銀乳剤1モル当
たり3.6×10-5モル含む水溶液を添加した。その後
MX−1液でpHを6.0に調整し、前記S−1液を添
加し、FX−1液でpAgを9.7に調整し、その後I
X−1液の残りとEX−1液と同時混合法により4分間
で加速添加した(第4添加)。この添加の間pHは5.
0に制御し、pAgは成りゆきとし、IX−1液の添加
終了直後に前記T−1液を添加した。
【0200】第2添加〜第4添加におけるpH、pAg
の制御には、各々MX−1液、FX−1液を必要に応じ
て用いた。粒子形成後に、特開平5−72658号に記
載の方法に従い脱塩処理を行い、ゼラチンを加えて分散
し、40℃においてpAg8.06、pH5.8に調整
した。
【0201】この乳剤中のハロゲン化銀乳剤粒子を電子
顕微鏡にて観察したところ、平均粒径1.80μm、粒
径分布28%、平均厚さ0.11μm、平均アスペクト
比15の六角平板状ハロゲン化銀乳剤粒子であり、透過
型電子顕微鏡を用いてハロゲン化銀乳剤粒子を観察した
ところ、転位線はほとんど存在しなかった。
【0202】その後、50℃に昇温し、銀電位を100
mVに調整した後、ハロゲン化銀1モル当たり増感色素
SD−6を6.1×10-5モル、SD−7を3.9×1
-5モル、SD−8を5.5×10-4モル、SD−10
を7.3×10-5モル添加し、20分後、チオ硫酸ナト
リウム五水塩を6.6×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤
1モル及びセレン増感剤Se−5を3.0×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及び塩化金酸を3.8×10
-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとチオシアン酸カリウ
ムを4.0×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル含む
混合溶液を、順次2分間隔で添加して感度が最適となる
ように熟成した。熟成終了時に6−メチル−4ヒドロキ
シ−1,3,3a,7−テトラザインデンを6.5×1
-3モル/ハロゲン化銀乳剤1モル、化合物(b−2)
を1.2×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加し
て降温し、冷却固化させて化学増感済みの乳剤Em−1
8を調製した。
【0203】《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作製
及び評価》上記調製した乳剤Em−11〜Em−18を
実施例1における試料1001中の第9層に記載の乳剤
Mとして用い、かつ各感光性層の塗布液の銀電位を、臭
化カリウムと硝酸銀の各水溶液を用いて適宜調整し、感
光材料としての塗膜銀電位を表7に示すように設定した
試料1101〜1125を作製し、実施例1と同様の方
法にて評価を行い、得られた結果を表7に示す。
【0204】
【表7】
【0205】表7より明らかなように、本発明に係る試
料1119〜1125は、比較試料1101〜1118
に対して、感度の向上及び放射線照射による感度安定性
の双方において優れた性能を示した。
【0206】実施例3 《乳剤Em−21の調製》実施例1における乳剤Em−
1の調製において、色増感、化学増感時の銀電位を65
mVとすること以外は同様にして、乳剤Em−21を調
製した。
【0207】《乳剤Em−22の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、色増感、化学増感時の
銀電位を50mVとすること以外は同様にして乳剤Em
−22を調製した。
【0208】《乳剤Em−23の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、[粒子成長工程−2]
における硝酸銀水溶液−4の添加開始直前に、前記S−
1液を添加し、かつ硝酸銀水溶液−4の添加終了直後
に、前記T−1液を添加すること及び色増感、化学増感
時の銀電位を65mVすること以外は同様にして、乳剤
Em−23を調製した。
【0209】《乳剤Em−24の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、[粒子成長工程−2]
における硝酸銀水溶液−4の添加開始直前に、前記S−
1液を添加し、かつ硝酸銀水溶液−4の添加終了直後
に、前記T−1液を添加すること及び色増感、化学増感
時の銀電位を50mVすること以外は同様にして、乳剤
Em−24を調製した。
【0210】《乳剤Em−25の調製》乳剤Em−24
の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.0×
10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わり
に、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル/
ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−25を調製した。
【0211】《乳剤Em−26の調製》乳剤Em−24
の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.0×
10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わり
に、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル/
ハロゲン化銀乳剤1モル及びテルル増感剤Te−2を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−26を調製した。
【0212】《乳剤Em−27の調製》乳剤Em−24
の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.0×
10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わり
に、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル/
ハロゲン化銀乳剤1モルとセレン増感剤Se−5を2.
5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順次2
分間隔で添加して感度が最適となるように熟成し、かつ
1−フェニル−5メルカプトテトラゾールに代えて、前
記化合物(b−2)を1.2×10-4モル/ハロゲン化
銀乳剤1モル添加すること以外は同様にして、乳剤Em
−27を調製した。
【0213】《乳剤Em−28の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−8の調製に記載した溶液(AX−1)〜
(MX−1)を用いて、下記に示す方法により乳剤Em
−28を調製した。
【0214】反応容器内にAX−1液を添加し、30℃
にてKX−1液でpHを2.0に調整した。その後、3
0℃にて激しく撹拌しながら、BX−1液、CX−1液
の各々76.5mlを1分間定速で同時混合法により添
加した(第1添加)。その後、GX−1液を加え、60
℃に昇温し、JX−1液でpH5.8に調整した。BX
−1液の残りとCX−1液とを同時混合法により26分
間で加速添加した(第2添加)。この添加の間pHは成
りゆきとし、pAgは9.0に制御した。その後HX−
1液を添加し、IX−1液の2817mlとDX−1液
とを同時混合法により79分間で加速添加した(第3添
加)。この添加の間pHは成りゆきとし、pAgは9.
0に制御した。その後、MX−1液でpHを6.0に調
整し、前記S−1液を添加し、FX−1液でpAgを
9.7に調整し、その後IX−1液の残りとEX−1液
と同時混合法により4分間で加速添加した(第4添
加)。この添加の間pHは5.0に制御し、pAgは成
りゆきとし、IX−1液の添加終了直後に前記T−1液
を添加した。第2添加〜第4添加におけるpH、pAg
の制御には、各々MX−1液、FX−1液を必要に応じ
て用いた。粒子形成後に、特開平5−72658号に記
載の方法に従い脱塩処理を行い、ゼラチンを加えて分散
し、40℃においてpAg8.06、pH5.8に調整
した。
【0215】この乳剤中のハロゲン化銀乳剤粒子を電子
顕微鏡にて観察したところ、平均粒径1.80μm、粒
径分布28%、平均厚さ0.11μm、平均アスペクト
比15の六角平板状ハロゲン化銀乳剤粒子であり、透過
型電子顕微鏡を用いてハロゲン化銀乳剤粒子を観察した
ところ、転位線はほとんど存在しなかった。
【0216】その後、50℃に昇温し、銀電位を50m
Vに調整し、ハロゲン化銀乳剤1モル当たり増感色素S
D−6を6.1×10-5モル、SD−7を3.9×10
-5モル、SD−8を5.5×10-4モル、SD−10を
7.3×10-5モル添加し、20分後、チオ硫酸ナトリ
ウム五水塩を6.6×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1
モル、セレン増感剤Se−5を3.0×10-6モル/ハ
ロゲン化銀乳剤1モル、塩化金酸を3.8×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モルとチオシアン酸カリウムを
4.0×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モルを含む混
合溶液を、順次2分間隔で添加して感度が最適となるよ
うに熟成した。熟成終了時に6−メチル−4ヒドロキシ
−1,3,3a,7−テトラザインデンを6.5×10
-3モル/ハロゲン化銀乳剤1モル、化合物(b−2)を
1.2×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加して
降温し、冷却固化させて乳剤Em−28を調製した。
【0217】《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作
製》上記調製した乳剤Em−21〜Em−28を実施例
1における試料1001中の第9層に記載の乳剤Mとし
て用い、かつ各感光性層の塗布液の銀電位を、臭化カリ
ウムと硝酸銀の各水溶液を用いて適宜調整して、感光材
料としての塗膜銀電位を表8に示すように設定した試料
1201〜1225を作製し、実施例1と同様の方法に
て評価を行い、得られた結果を表8に示す。
【0218】
【表8】
【0219】表8より明らかなように、本発明に係る試
料1219〜1225は、比較資料1201〜1218
に対して、感度の向上及び放射線照射による感度安定性
の双方において優れた性能を示した。
【0220】実施例4 《乳剤Em−31の調製》実施例1における乳剤Em−
1の調製において、[粒子成長工程−1]におけるハラ
イド水溶液−3に代えて、下記ハライド水溶液−3aを
用い、かつ色増感、化学増感時の銀電位を65mVとす
ること以外は同様にして、乳剤Em−31を調製した。
【0221】 〈ハライド水溶液−3a〉 臭化カリウム 658.8g 沃化カリウム 48.37g H2O 1410.0ml 《乳剤Em−32の調製》実施例1における乳剤Em−
1の調製において、[粒子成長工程−1]におけるハラ
イド水溶液−3に代えて、前記ハライド水溶液−3aを
用い、かつ色増感、化学増感時の銀電位を50mVとす
ること以外は同様にして、乳剤Em−32を調製した。
【0222】《乳剤Em−33の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、[粒子成長工程−1]
におけるハライド水溶液−3に代えて、前記ハライド水
溶液−3aを用い、かつ粒子成長工程−1終了後、15
分間で40℃に降温し、[粒子成長工程−2]として、
1モル/L硝酸水溶液を用いてpHを5.0に調整し、
次いで3.5モル/Lの臭化カリウム水溶液を用いて反
応容器内の銀電位を−39mVに調整し、続いて、硝酸
銀水溶液−4とハライド水溶液−4を流量を加速しなが
ら添加した。さらに粒子成長工程−2終了後に下記K−
6液のハロゲン化銀乳剤量で1.0モル相当量を10分
で添加し、10分間熟成し、銀電位を−39mVに戻し
た後、同様に脱塩・水洗処理を施した。そして色増感、
化学増感時の銀電位を65mVとすること以外は同様に
して、乳剤Em−33を調製した。
【0223】(K−6液)3.0質量%のゼラチンと塩
化銀微粒子(平均粒径0.08μm)から成る微粒子乳
剤であり、以下に調製法を示す。
【0224】0.06モルの塩化ナトリウムを含む6.
0質量%のゼラチン溶液5000mlに7.06モルの
硝酸銀を含む水溶液2000mlと7.06モルの塩化
ナトリウムを含む水溶液2000mlとを10分間かけ
て等速添加した。微粒子形成中のpHは硝酸を用いて
3.0に、温度は30℃に制御した。添加終了後に、炭
酸ナトリウム水溶液を用いてpHを6.0に調整して、
K−6液を調製した。
【0225】《乳剤Em−34の調製》上記乳剤Em−
33の調製において、色増感、化学増感時の銀電位を5
0mVとすること以外は同様にして、乳剤Em−34を
調製した。
【0226】《乳剤Em−35の調製》上記乳剤Em−
34の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−35を調製した。
【0227】《乳剤Em−36の調製》上記乳剤Em−
34の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びテルル増感剤Te−2を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−36を調製した。
【0228】《乳剤Em−37の調製》上記乳剤Em−
34の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成し、
かつ1−フェニル−5メルカプトテトラゾールに代え
て、化合物(b−2)を1.2×10-4モル/ハロゲン
化銀乳剤1モル添加すること以外は同様にして、乳剤E
m−37を調製した。
【0229】《乳剤Em−38の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−8の調製に記載した溶液(AX−1)〜
(MX−1)を用いて、下記の方法により乳剤Em−3
8を調製した。
【0230】反応容器内にAX−1液を添加し、30℃
にてKX−1液でpHを2.0に調整した。その後、3
0℃にて激しく撹拌しながら、BX−1液、CX−1液
の各々76.5mlを1分間定速で同時混合法により添
加した(第1添加)。その後、GX−1液を加え、60
℃に昇温し、JX−1液でpH5.8に調整した。BX
−1液の残りとCX−1液とを同時混合法により26分
間で加速添加した(第2添加)。この添加の間pHは成
りゆきとし、pAgは9.0に制御した。その後HX−
1液を添加し、IX−1液の2817mlとDX−1液
とを同時混合法により79分間で加速添加した(第3添
加)。この添加の間pHは成りゆきとし、pAgは9.
0に制御した。その後15分間で40℃に降温し、MX
−1液でpHを5.0に調整し、FX−1液でpAgを
10.3に調整し、その後IX−1液の残りとEX−1
液と同時混合法により10分間で加速添加した(第4添
加)。この添加の間pHは5.0に制御し、pAgは成
りゆきとし、IX−1液の添加終了直後に前記K−6液
を10分で添加し、10分間熟成した。尚、第2添加〜
第4添加におけるpH、pAgの制御には、各々MX−
1液、FX−1液を必要に応じて用いた。FX−1液で
pAgを10.3に調整した後に特開平5−72658
号に記載の方法に従い脱塩処理を行い、ゼラチンを加え
て分散し、40℃においてpAg8.06、pH5.8
に調整した。
【0231】この乳剤中のハロゲン化銀乳剤粒子を電子
顕微鏡にて観察したところ、平均粒径1.80μm、粒
径分布26%、平均厚さ0.12μm、平均アスペクト
比14の六角平板状ハロゲン化銀乳剤粒子であり、透過
型電子顕微鏡を用いてハロゲン化銀乳剤粒子を観察した
ところ、転位線はほとんど存在しなかった。
【0232】その後、50℃に昇温し、銀電位を50m
Vに調整し、次いでハロゲン化銀乳剤1モル当たり増感
色素SD−6を6.1×10-5モル、SD−7を3.9
×10-5モル、SD−8を5.5×10-4モル、SD−
10を7.3×10-5モル添加し、20分後、チオ硫酸
ナトリウム五水塩を6.6×10-6モル/ハロゲン化銀
乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を3.0×10-6
モル/ハロゲン化銀乳剤1モル及び塩化金酸を3.8×
10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとチオシアン酸カ
リウムを4.0×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル
の混合溶液を順次2分間隔で添加して感度が最適となる
ように熟成した。熟成終了時に6−メチル−4ヒドロキ
シ−1,3,3a,7−テトラザインデンを6.5×1
-3モル/ハロゲン化銀乳剤1モル、化合物(b−2)
を1.2×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加し
て降温し、冷却固化させて化学増感済みの乳剤Em−3
8を調製した。
【0233】《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作
製》上記調製した乳剤Em−31〜Em−38を、実施
例1における試料1001中の第9層に記載の乳剤Mと
して用い、かつ各感光性層の塗布液の銀電位を、臭化カ
リウムと硝酸銀の各水溶液を用いて適宜調整して、感光
材料としての塗膜銀電位を表9に示すように設定した試
料1301〜1325を作製し、実施例1と同様の方法
にて評価を行い、得られた結果を表9に示す。
【0234】
【表9】
【0235】表9より明らかなように、本発明に係る試
料1319〜1325は、比較試料1301〜1318
に対して、感度の向上及び放射線照射による感度安定性
の双方において優れた性能を示した。
【0236】実施例5 《乳剤Em−41の調製》実施例1における乳剤Em−
2の調製において、[粒子成長工程−1]におけるハラ
イド水溶液−3に代えて、前記ハライド水溶液−3aを
用いること以外は同様にして乳剤Em−41を調製し
た。
【0237】《乳剤Em−42の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、[粒子成長工程−1]
におけるハライド水溶液−3に代えて、前記ハライド水
溶液−3aを用い、かつ粒子成長工程−1終了後、15
分間で40℃に降温し、[粒子成長工程−2]として、
1モル/L硝酸水溶液を用いてpHを5.0に調整し、
次いで3.5モル/Lの臭化カリウム水溶液を用いて反
応容器内の銀電位を−39mVに調整し、続いて、硝酸
銀水溶液−4とハライド水溶液−4を流量を加速しなが
ら添加した。さらに粒子成長工程−2終了後に前記K−
6液のハロゲン化銀乳剤量で1.0モル相当量を10分
で添加し、10分間熟成し、銀電位を−39mVに戻し
た後、同様に脱塩、水洗処理を施すこと以外は同様にし
て、乳剤Em−42を調製した。
【0238】《乳剤Em−43の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−2の調製において、[粒子成長工程−1]
におけるハライド水溶液−3に代えて、前記ハライド水
溶液−3aを用い、かつ粒子成長工程−1終了後、15
分間で40℃に降温し、[粒子成長工程−2]として、
1モル/L硝酸水溶液を用いてpHを5.0に調整し、
次いで3.5モル/Lの臭化カリウム水溶液を用いて反
応容器内の銀電位を−39mVに調整し、続いて、硝酸
銀水溶液−4とハライド水溶液−4を流量を加速しなが
ら添加した。さらに粒子成長工程−2終了後、前記K−
6液のハロゲン化銀乳剤量で1.0モル相当量を10分
で添加し、10分間熟成し、銀電位を−39mVに戻し
た後、同様に脱塩、水洗処理を施すこと以外は同様にし
て、乳剤Em−43を調製した。
【0239】《乳剤Em−44の調製》上記乳剤Em−
43の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−44を調製した。
【0240】《乳剤Em−45の調製》上記乳剤Em−
43の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びテルル増感剤Te−2を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−45を調製した。
【0241】《乳剤Em−46の調製》上記乳剤Em−
43の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成し、
かつ1−フェニル−5メルカプトテトラゾールに代え
て、化合物(b−2)を1.2×10-4モル/ハロゲン
化銀乳剤1モル添加した以外は同様にして、乳剤Em−
46を調製した。
【0242】《乳剤Em−47の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−8の調製に記載の溶液(AX−1)〜(M
X−1)を用いて、以下の方法により乳剤Em−47を
調製した。
【0243】反応容器内にAX−1液を添加し、30℃
にてKX−1液でpHを2.0に調整した。その後、3
0℃にて激しく撹拌しながら、BX−1液、CX−1液
の各々76.5mlを1分間定速で同時混合法により添
加した(第1添加)。その後、GX−1液を加え、60
℃に昇温し、JX−1液でpH5.8に調整した。BX
−1液の残りとCX−1液とを同時混合法により26分
間で加速添加した(第2添加)。この添加の間pHは成
りゆきとし、pAgは9.0に制御した。その後HX−
1液を添加し、前記S−1液を添加し、IX−1液の2
817mlとDX−1液とを同時混合法により79分間
で加速添加した(第3添加)。この添加の間pHは成り
ゆきとし、pAgは9.0に制御した。その後15分間
で40℃に降温し、MX−1液でpHを5.0に調整
し、FX−1液でpAgを10.3に調整し、前記T−
1液を添加した。その後IX−1液の残りとEX−1液
と同時混合法により10分間で加速添加した(第4添
加)。この添加の間pHは5.0に制御し、pAgは成
りゆきとし、IX−1液の添加終了直後に前記K−6液
を10分で添加し、10分間熟成した。尚、第2添加〜
第4添加におけるpH、pAgの制御には、各々MX−
1液、FX−1液を必要に応じて用いた。FX−1液で
pAgを10.3に調整した後に特開平5−72658
号に記載の方法に従い脱塩処理を行い、ゼラチンを加え
て分散し、40℃においてpAg8.06、pH5.8
に調整した。
【0244】この乳剤中のハロゲン化銀乳剤粒子を電子
顕微鏡にて観察したところ、平均粒径1.80μm、粒
径分布26%、平均厚さ0.12μm、平均アスペクト
比14の六角平板状ハロゲン化銀乳剤粒子であり、透過
型電子顕微鏡を用いてハロゲン化銀乳剤粒子を観察した
ところ、転位線はほとんど存在しなかった。
【0245】その後、50℃に昇温し、銀電位を100
mVに調整し、ハロゲン化銀1モル当たり増感色素SD
−6を6.1×10-5モル、SD−7を3.9×10-5
モル、SD−8を5.5×10-4モル、SD−10を
7.3×10-5モル添加し、20分後、チオ硫酸ナトリ
ウム五水塩を6.6×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1
モル、セレン増感剤Se−5を3.0×10-6モル/ハ
ロゲン化銀乳剤1モル、塩化金酸を3.8×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びチオシアン酸カリウムを
4.0×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モルの混合溶
液を、順次2分間隔で添加して感度が最適となるように
熟成した。熟成終了時に6−メチル−4ヒドロキシ−
1,3,3a,7−テトラザインデンを6.5×10-3
モル/ハロゲン化銀乳剤1モル、化合物(b−2)を
1.2×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加して
降温し、冷却固化させて化学増感済みの乳剤Em−47
を調製した。
【0246】《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作
製》上記調製した乳剤Em−41〜Em−47を実施例
1における試料1001中の第9層に記載の乳剤Mとし
て用い、かつ各感光性層の塗布液の銀電位を、臭化カリ
ウムと硝酸銀の各水溶液を用いて適宜調整して、感光材
料としての塗膜銀電位を表10に示すように設定した試
料1401〜1422を作製し、実施例1と同様の方法
にて評価を行い、得られた結果を表10に示す。
【0247】
【表10】
【0248】表10より明らかなように、本発明に係る
試料1417〜1422は、比較試料1401〜141
6に対して、感度の向上及び放射線照射による感度安定
性の双方において優れた性能を示した。
【0249】実施例6 《乳剤Em−51の調製》実施例1の乳剤Em−1の調
製において、[粒子成長工程−1]におけるハライド水
溶液−3に代えて、前記ハライド水溶液−3aを用い、
かつ[粒子成長工程−2]を下記[粒子成長工程−2
B]に変更した以外は同様にして、乳剤Em−51を調
製した。
【0250】[粒子成長工程−2B]粒子成長工程−1
終了後に、下記水溶液−A11を添加し、引き続き下記
水溶液−A12を添加し、1モル/L水酸化カリウム水
溶液を用いてpHを10.0に調整して沃素イオンを放
出させ、その後、直ちに1モル/L硝酸水溶液を用いて
pHを5.0に調整し、次いで3.5モル/Lの臭化カ
リウム水溶液を用いて反応容器内の銀電位を−19mV
に調整し、続いて、硝酸銀水溶液−5とハライド水溶液
−5bを流量を加速しながら添加した。
【0251】 〈水溶液−A11〉 化合物(ID−23) 112.6g H2O 1000ml 〈水溶液−A12〉 亜硫酸ナトリウム 38.0g H2O 500ml 〈硝酸銀水溶液−5〉 硝酸銀 720.0g H2O 1045.6ml 〈ハライド水溶液−5b〉 臭化カリウム 502.0g 沃化カリウム 3.5g H2O 1027.7ml
【0252】
【化15】
【0253】以上のようにして作製した乳剤Em−51
を、レプリカ法による電子顕微鏡で観察したところ、平
均粒径1.2μm、粒径分布20%、平均アスペクト比
7の六角平板状粒子からなるハロゲン化銀乳剤であっ
た。また、透過型電子顕微鏡を用いてハロゲン化銀乳剤
粒子に形成された転位線の状態を調べたところ、乳剤E
m−51には、1粒子あたり5本以上の転位線を有する
粒子が全ハロゲン化銀乳剤粒子の投影面積の95%以上
であり、転位線を主平面の中心領域及びフリンジ部に有
する粒子が全ハロゲン化銀乳剤粒子の投影面積の80%
であり、かつフリンジ部に1粒子あたり20本以上の転
位線を有する粒子が全ハロゲン化銀乳剤粒子の投影面積
の50%を占めていた。
【0254】《乳剤Em−52の調製》実施例1の乳剤
Em−1の調製において、[粒子成長工程−1]におけ
るハライド水溶液−3に代えて、前記ハライド水溶液−
3aを用い、かつ[粒子成長工程−2]を、下記[粒子
成長工程−2C]に変更した以外は同様にして、乳剤E
m−52を調製した。
【0255】[粒子成長工程−2C]粒子成長工程−1
終了後に、下記水溶液−A13を添加し、1モル/L水
酸化カリウム水溶液を用いてpHを10.0に調整して
沃素イオンを放出させ、その後、直ちに1モル/L硝酸
水溶液を用いてpHを5.0に調整し、次いで3.5モ
ル/Lの臭化カリウム水溶液を用いて反応容器内の銀電
位を−19mVに調整し、続いて、硝酸銀水溶液−5と
ハライド水溶液−5bを流量を加速しながら添加した。
【0256】 〈水溶液−A13〉 化合物(ID−109) 123.5g H2O 1500ml 〈硝酸銀水溶液−5〉 硝酸銀 720.0g H2O 1045.6ml 〈ハライド水溶液−5b〉 臭化カリウム 502.0g 沃化カリウム 3.5g H2O 1027.7ml 以上のようにして作製した乳剤Em−52を、レプリカ
法による電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径1.2
μm、粒径分布20%、平均アスペクト比7の六角平板
状粒子からなるハロゲン化銀乳剤であった。また、透過
型電子顕微鏡を用いてハロゲン化銀乳剤粒子に形成され
た転位線の状態を調べたところ、乳剤Em−52には、
1粒子あたり5本以上の転位線を有する粒子が全ハロゲ
ン化銀乳剤粒子の投影面積の95%以上であり、転位線
を主平面の中心領域及びフリンジ部に有する粒子が全ハ
ロゲン化銀乳剤粒子の投影面積の80%であり、かつフ
リンジ部に1粒子あたり30本以上の転位線を有する粒
子が全ハロゲン化銀乳剤粒子の投影面積の50%を占め
ていた。
【0257】《乳剤Em−53の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、[粒子成長工程−1]
におけるハライド水溶液−3に代えて、前記ハライド水
溶液−3aを用い、かつ[粒子成長工程−2]における
ハライド水溶液−5に代えて、前記ハライド水溶液−5
bを用いること以外は同様にして、乳剤Em−53を調
製した。
【0258】《乳剤Em−54の調製》上記乳剤Em−
51の調製において、色増感、化学増感時の銀電位を6
5mVとすること以外は同様にして、乳剤Em−54を
調製した。
【0259】《乳剤Em−55の調製》上記乳剤Em−
52の調製において、色増感、化学増感時の銀電位を6
5mVとすること以外は同様にして、乳剤Em−55を
調製した。
【0260】《乳剤Em−56の調製》上記乳剤Em−
52の調製において、色増感、化学増感時の銀電位を5
0mVとすること以外は同様にして、乳剤Em−56を
調製した。
【0261】《乳剤Em−57の調製》上記乳剤Em−
56の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−57を調製した。
【0262】《乳剤Em−58の調製》上記乳剤Em−
56の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びテルル増感剤Te−2を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−58を調製した。
【0263】《乳剤Em−59の調製》上記乳剤Em−
56の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成し、
かつ1−フェニル−5メルカプトテトラゾールに代え
て、化合物(b−2)を1.2×10-4モル/ハロゲン
化銀乳剤1モル添加すること以外は同様にして、乳剤E
m−59を調製した。
【0264】《乳剤Em−60の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−8の調製に記載の溶液(AX−1)〜(M
X−1)を用いて、以下に示す方法により乳剤Em−6
0を調製した。
【0265】反応容器内にAX−1液を添加し、30℃
にてKX−1液でpHを2.0に調整した。その後、3
0℃にて激しく撹拌しながら、BX−1液、CX−1液
の各々76.5mlを1分間定速で同時混合法により添
加した(第1添加)。その後、GX−1液を加え、60
℃に昇温し、JX−1液でpH5.8に調整した。BX
−1液の残りとCX−1液とを同時混合法により26分
間で加速添加した(第2添加)。この添加の間pHは成
りゆきとし、pAgは9.0に制御した。その後HX−
1液を添加し、IX−1液の2817mlとDX−1液
とを同時混合法により79分間で加速添加した(第3添
加)。この添加の間pHは成りゆきとし、pAgは9.
0に制御した。ここで、前記水溶液−A1を添加し、1
モル/L水酸化カリウム水溶液を用いてpHを10.0
に調整して沃素イオンを放出させ、その後、直ちにMX
−1液でpHを5.0に調整し、FX−1液でpAgを
9.7に調整し、その後IX−1液の残りとEX−1液
と同時混合法により4分間で加速添加した(第4添
加)。この添加の間pHは5.0に制御し、pAgは成
りゆきとした。第2添加〜第4添加におけるpH、pA
gの制御には、各々MX−1液、FX−1液を必要に応
じて用いた。粒子形成後に、特開平5−72658号に
記載の方法に従い脱塩処理を行い、ゼラチンを加えて分
散し、40℃においてpAg8.06、pH5.8に調
整した。
【0266】この乳剤中のハロゲン化銀乳剤粒子を電子
顕微鏡にて観察したところ、平均粒径1.80μm、粒
径分布28%、平均厚さ0.11μm、平均アスペクト
比15の六角平板状ハロゲン化銀乳剤粒子であり、透過
型電子顕微鏡を用いてハロゲン化銀乳剤粒子に形成され
た転位線の状態を調べたところ、1粒子あたり5本以上
の転位線を有する粒子が全ハロゲン化銀乳剤粒子の投影
面積の95%以上であり、転位線を主平面の中心領域及
びフリンジ部に有する粒子が全ハロゲン化銀乳剤粒子の
投影面積の80%であり、かつフリンジ部に1粒子あた
り30本以上の転位線を有する粒子が全ハロゲン化銀乳
剤粒子の投影面積の50%を占めていた。
【0267】その後、50℃に昇温し、銀電位を50m
Vに調整し、ハロゲン化銀1モル当たり増感色素SD−
6を6.1×10-5モル、SD−7を3.9×10-5
ル、SD−8を5.5×10-4モル、SD−10を7.
3×10-5モル添加し、20分後、チオ硫酸ナトリウム
五水塩を6.6×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モ
ル、セレン増感剤Se−5を3.0×10-6モル/ハロ
ゲン化銀乳剤1モル、塩化金酸を3.8×10-6モル/
ハロゲン化銀乳剤1モルとチオシアン酸カリウムを4.
0×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モルの混合溶液
を、順次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟
成した。熟成終了時に6−メチル−4ヒドロキシ−1,
3,3a,7−テトラザインデンを6.5×10-3モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル、化合物(b−2)を1.2
×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加して降温
し、冷却固化させて化学増感済みの乳剤Em−60を調
製した。
【0268】《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作
製》上記調製した乳剤Em−51〜Em−60を、実施
例1における試料1001中の第9層に記載の乳剤Mと
して用い、かつ各感光性層の塗布液の銀電位を、臭化カ
リウムと硝酸銀の各水溶液を用いて適宜調整して、感光
材料としての塗膜銀電位を表11に示すように設定した
試料1501〜1531を作製し、実施例1と同様の方
法にて評価を行い、得られた結果を表11に示す。
【0269】
【表11】
【0270】表11より明らかなように、本発明に係る
試料1524〜1531は、比較試料1501〜152
3に対して、感度の向上及び放射線照射による感度安定
性の双方において優れた性能を示した。
【0271】実施例7 《乳剤Em−61の調製》実施例1の乳剤Em−1の調
製において、[粒子成長工程−1]終了後にハロゲン化
銀乳剤を限外濾過モジュール(旭化成工業(株)製、分
画分子量13,000のポリアクリロニトリル膜を使用
したタイプALP−1010)に通してハロゲン化銀乳
剤の体積が5分の1になるまで循環させた後、[粒子成
長工程−2]を行うこと以外は同様にして、乳剤Em−
61を調製した。かくして得られたハロゲン化銀乳剤
を、レプリカ法による電子顕微鏡で観察したところ、平
均粒径1.3μm、粒径分布19%、平均アスペクト比
6の六角平板状粒子からなるハロゲン化銀乳剤であっ
た。
【0272】《乳剤Em−62の調製》実施例1の乳剤
Em−1の調製において、[粒子成長工程−1]におけ
る反応容器内の銀電位を12mVに制御すること以外は
同様にして、乳剤Em−62を調製した。かくして得ら
れたハロゲン化銀乳剤を、レプリカ法による電子顕微鏡
で観察したところ、平均粒径1.3μm、粒径分布20
%、平均アスペクト比6の六角平板状粒子からなるハロ
ゲン化銀乳剤であった。
【0273】《乳剤Em−63の調製》上記乳剤Em−
61の調製において、色増感、化学増感時の銀電位を6
5mVとすること以外は同様にして、乳剤Em−63を
調製した。
【0274】《乳剤Em−64の調製》上記乳剤Em−
61の調製において、色増感、化学増感時の銀電位を5
0mVとすること以外は同様にして、乳剤Em−64を
調製した。
【0275】《乳剤Em−65の調製》上記乳剤Em−
63の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルを添加する代
わりに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6
ル/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5
を2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、
順次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成す
ること以外は同様にして、乳剤Em−65を調製した。
【0276】《乳剤Em−66の調製》上記乳剤Em−
63の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルを添加する代
わりに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6
ル/ハロゲン化銀乳剤1モル及びテルル増感剤Te−2
を2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、
順次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成す
ること以外は同様にして、乳剤Em−66を調製した。
【0277】《乳剤Em−67の調製》上記乳剤Em−
63の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルを添加する代
わりに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6
ル/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5
を2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、
順次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成
し、かつ1−フェニル−5メルカプトテトラゾールに代
えて、化合物(b−2)を1.2×10-4モル/ハロゲ
ン化銀乳剤1モル添加すること以外は同様にして、乳剤
Em−67を調製した。
【0278】《乳剤Em−68の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−8の調製に記載の溶液(AX−1)〜(M
X−1)を用いて、以下に示す方法にて乳剤Em−68
を調製した。
【0279】反応容器内にAX−1液を添加し、30℃
にてKX−1液でpHを2.0に調整した。その後、3
0℃にて激しく撹拌しながら、BX−1液、CX−1液
の各々76.5mlを1分間定速で同時混合法により添
加した(第1添加)。その後、GX−1液を加え、60
℃に昇温し、JX−1液でpH5.8に調整した。BX
−1液の残りとCX−1液とを同時混合法により26分
間で加速添加した(第2添加)。この添加の間pHは成
りゆきとし、pAgは9.0に制御した。第2添加終了
後にハロゲン化銀乳剤を限外濾過モジュール(旭化成工
業(株)製、分画分子量13,000のポリアクリロニ
トリル膜を使用したタイプALP−1010)に通して
ハロゲン化銀乳剤の体積が5分の1になるまで循環させ
た後、HX−1液を添加し、IX−1液の2817ml
とDX−1液とを同時混合法により79分間で加速添加
した(第3添加)。この添加の間pHは成りゆきとし、
pAgは9.0に制御した。その後MX−1液でpHを
5.0に調整し、FX−1液でpAgを9.7に調整
し、その後IX−1液の残りとEX−1液と同時混合法
により4分間で加速添加した(第4添加)。この添加の
間pHは5.0に制御し、pAgは成りゆきとした。第
2添加〜第4添加におけるpH、pAgの制御には、各
々MX−1液、FX−1液を必要に応じて用いた。粒子
形成後に、特開平5−72658号に記載の方法に従い
脱塩処理を行い、ゼラチンを加えて分散し、40℃にお
いてpAg8.06、pH5.8に調整した。
【0280】この乳剤中のハロゲン化銀乳剤粒子を電子
顕微鏡にて観察したところ、平均粒径1.60μm、粒
径分布22%、平均厚さ0.13μm、平均アスペクト
比12の六角平板状ハロゲン化銀乳剤粒子であった。
【0281】その後、50℃に昇温し、銀電位を50m
Vに調整し、ハロゲン化銀1モル当たり増感色素SD−
6を6.1×10-5モル、SD−7を3.9×10-5
ル、SD−8を5.5×10-4モル、SD−10を7.
3×10-5モル添加し、20分後、チオ硫酸ナトリウム
五水塩を6.6×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モ
ル、セレン増感剤Se−5を3.0×10-6モル/ハロ
ゲン化銀乳剤1モル、塩化金酸を3.8×10-6モルと
チオシアン酸カリウムを4.0×10-4モル/ハロゲン
銀乳剤1モル含む混合溶液を、順次2分間隔で添加して
感度が最適となるように熟成した。熟成終了時に、6−
メチル−4ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラザイ
ンデンを6.5×10-3モル/ハロゲン化銀乳剤1モ
ル、化合物(b−2)を1.2×10-4モル/ハロゲン
化銀乳剤1モル添加して降温し、冷却固化させて、化学
増感済みの乳剤Em−68を調製した。
【0282】《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作製
及び評価》上記調製した乳剤Em−61〜Em−68を
実施例1における試料1001中の第9層に記載の乳剤
Mとして用い、かつ各感光性層の塗布液の銀電位を、臭
化カリウムと硝酸銀の各水溶液を用いて適宜調整して、
感光材料としての塗膜銀電位を表12に示すように設定
した試料1601〜1625を作製し、実施例1と同様
の方法で評価を行い、得られた結果を表12に示す。
【0283】
【表12】
【0284】表12より明らかなように、本発明に係る
試料1619〜1625は、比較試料1601〜161
8に対して、感度の向上及び放射線照射による感度安定
性の双方において優れた性能を示した。
【0285】実施例8 《乳剤Em−71の調製》実施例1における乳剤Em−
1の調製において、[粒子成長工程−1]におけるハラ
イド水溶液−3に代えて、前記ハライド水溶液−3aを
用い、かつハロゲン化銀乳剤粒子成長がハロゲン化銀乳
剤量で70%の時点で、K4Fe(CN)6をハロゲン化
銀乳剤1モル当たり5.4×10-5モル含む水溶液を添
加すること以外は同様にして、乳剤Em−71を調製し
た。
【0286】《乳剤Em−72の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、[粒子成長工程−1]
におけるハライド水溶液−3に代えて、前記ハライド水
溶液−3aを用い、かつハロゲン化銀乳剤粒子成長がハ
ロゲン化銀乳剤量で70%の時点で、K4Ru(CN)6
をハロゲン化銀乳剤1モル当たり5.4×10-5モル含
む水溶液を添加すること以外は同様にして、乳剤Em−
72を調製した。
【0287】《乳剤Em−73の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、[粒子成長工程−1]
におけるハライド水溶液−3に代えて、前記ハライド水
溶液−3aを用い、かつハロゲン化銀乳剤粒子成長がハ
ロゲン化銀乳剤量で70%の時点で、K4Fe(CN)6
をハロゲン化銀乳剤1モル当たり5.4×10-5モル含
む水溶液を添加すること及び色増感、化学増感時の銀電
位を65mVとすること以外は同様にして、乳剤Em−
73を調製した。
【0288】《乳剤Em−74調製》実施例1における
乳剤Em−1の調製において、[粒子成長工程−1]に
おけるハライド水溶液−3に代えて、前記ハライド水溶
液−3aを用い、かつハロゲン化銀乳剤粒子成長がハロ
ゲン化銀乳剤量で70%の時点で、K4Ru(CN)6
ハロゲン化銀乳剤1モル当たり5.4×10-5モル含む
水溶液を添加すること及び色増感、化学増感時の銀電位
を65mVとすること以外は同様にして、乳剤Em−7
4を調製した。
【0289】《乳剤Em−75の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−1の調製において、[粒子成長工程−1]
におけるハライド水溶液−3に代えて、前記ハライド水
溶液−3aを用い、かつハロゲン化銀乳剤粒子成長がハ
ロゲン化銀乳剤量で70%の時点で、K4Fe(CN)6
をハロゲン化銀乳剤1モル当たり5.4×10-5モル含
む水溶液を添加すること及び色増感、化学増感時の銀電
位を50mVとすること以外は同様にして、乳剤Em−
75を調製した。
【0290】《乳剤Em−76調製》実施例1における
乳剤Em−1の調製において、[粒子成長工程−1]に
おけるハライド水溶液−3に代えて、前記(ハライド水
溶液−3a)を用い、かつハロゲン化銀乳剤粒子成長が
ハロゲン化銀乳剤量で70%の時点で、K4Ru(C
N)6をハロゲン化銀乳剤1モル当たり5.4×10-5
モル含む水溶液を添加すること及び色増感、化学増感時
の銀電位を50mVとすること以外は同様にして、乳剤
Em−76を調製した。
【0291】《乳剤Em−77の調製》上記乳剤Em−
75の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−77を調製した。
【0292】《乳剤Em−78の調製》上記乳剤Em−
75の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びテルル増感剤Te−2を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−78を調製した。
【0293】《乳剤Em−79の調製》上記乳剤Em−
75の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成し、
かつ1−フェニル−5メルカプトテトラゾールに代え
て、化合物(b−2)を1.2×10-4モル/ハロゲン
化銀乳剤1モル添加したこと以外は同様にして、乳剤E
m−79を調製した。
【0294】《乳剤Em−80の調製》実施例1におけ
る乳剤Em−8の調製に記載の溶液(AX−1)〜(M
X−1)を用いて、以下に示す方法にて乳剤Em−80
を調製した。
【0295】反応容器内にAX−1液を添加し、30℃
にてKX−1液でpHを2.0に調整した。その後、3
0℃にて激しく撹拌しながら、BX−1液、CX−1液
の各々76.5mlを1分間定速で同時混合法により添
加した(第1添加)。その後、GX−1液を加え、60
℃に昇温し、JX−1液でpH5.8に調整した。BX
−1液の残りとCX−1液とを同時混合法により26分
間で加速添加した(第2添加)。この添加の間pHは成
りゆきとし、pAgは9.0に制御した。その後HX−
1液を添加し、IX−1液の2817mlとDX−1液
とを同時混合法により79分間で加速添加した(第3添
加)。この添加の間pHは成りゆきとし、pAgは9.
0に制御した。尚、このIX−1液の添加の途中でハロ
ゲン化銀乳剤粒子成長が、ハロゲン化銀乳剤量で65%
の時点でK4Fe(CN)6をハロゲン化銀乳剤1モル当
たり7.2×10-5モル含む水溶液を添加した。その後
MX−1液でpHを5.0に調整し、FX−1液でpA
gを9.7に調整し、その後IX−1液の残りとEX−
1液と同時混合法により4分間で加速添加した(第4添
加)。この添加の間pHは5.0に制御し、pAgは成
りゆきとした。
【0296】第2添加〜第4添加におけるpH、pAg
の制御には、各々MX−1液、FX−1液を必要に応じ
て用いた。粒子形成後に、特開平5−72658号に記
載の方法に従い脱塩処理を行い、ゼラチンを加えて分散
し、40℃においてpAg8.06、pH5.8に調整
した。この乳剤中のハロゲン化銀乳剤粒子を電子顕微鏡
にて観察したところ、平均粒径1.80μm、粒径分布
25%、平均厚さ0.12μm、平均アスペクト比14
の六角平板状ハロゲン化銀乳剤粒子であり、透過型電子
顕微鏡を用いてハロゲン化銀乳剤粒子を観察したとこ
ろ、転位線はほとんど存在しなかった。
【0297】その後、50℃に昇温し、銀電位を50m
Vに調整し、ハロゲン化銀1モル当たり増感色素SD−
6を6.1×10-5モル、SD−7を3.9×10-5
ル、SD−8を5.5×10-4モル、SD−10を7.
3×10-5モル添加し、20分後、チオ硫酸ナトリウム
五水塩を6.6×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モ
ル、セレン増感剤Se−5を3.0×10-6モル/ハロ
ゲン化銀乳剤1モル、塩化金酸を3.8×10-6モル/
ハロゲン化銀乳剤1モルとチオシアン酸カリウムを4.
0×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル含む混合溶液
を、順次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟
成した。熟成終了時に、6−メチル−4ヒドロキシ−
1,3,3a,7−テトラザインデンを6.5×10-3
モル/ハロゲン化銀乳剤1モル、化合物(b−2)を
1.2×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加して
降温し、冷却固化させて化学増感済みの乳剤Em−80
を調製した。
【0298】《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作製
及び評価》上記調製した乳剤Em−71〜Em−80を
実施例1における試料1001中の第9層に記載の乳剤
Mとして用い、かつ各感光性層の塗布液の銀電位を、臭
化カリウムと硝酸銀の各水溶液を用いて適宜調整して、
感光材料としての塗膜銀電位を表13に示すように設定
した試料1701〜1731を作製し、実施例1と同様
の方法にて評価を行い、得られた結果を表13に示す。
【0299】
【表13】
【0300】表13より明らかなように、本発明に係る
試料1723〜1731は、比較試料1701〜172
2に対して、感度の向上及び放射線照射による感度安定
性の双方において優れた性能を示した。
【0301】実施例9 《乳剤Em−81の調製》実施例6における乳剤Em−
53の調製において、粒子成長工程終了後に脱塩、水洗
処理を施し、ゼラチンを加えて良く分散し、40℃にて
pHを5.8、pAgを8.1に調整したところで、4
0℃にて1モル/Lの硝酸銀水溶液と1モル/Lの沃化
カリウム水溶液とを流量比8:1で同時添加し、pBr
4.0に調整した。引き続き1モル/Lの塩化ナトリウ
ム水溶液を乳剤Em−53の1モル当たり0.02モル
添加し、前記増感色素SD−8を合計被覆率が70%に
なるように添加し、その後0.5モル/Lの硝酸銀水溶
液と0.5モル/Lの塩化ナトリウム水溶液とを定速
で、乳剤Em−53の1モル当たり0.05モル相当を
同時添加した。この操作により、平板状ハロゲン化銀乳
剤粒子の主としてコーナーとエッジ部にエピタキシャル
が形成された。
【0302】その後、50℃に昇温し、銀電位を100
mVに調整し、引き続き増感色素SD−6〜SD−10
を必要量追加して最適に分光増感を施すこと以外は同様
にして、乳剤Em−81を調製した。
【0303】《乳剤Em−82の調製》実施例6におけ
る乳剤Em−51の調製において、粒子成長工程終了後
に脱塩、水洗処理を施し、ゼラチンを加えて良く分散
し、40℃にてpHを5.8、pAgを8.1に調整し
たところで、40℃にて1モル/Lの硝酸銀水溶液と1
モル/Lの沃化カリウム水溶液とを流量比8:1で同時
添加し、pBr4.0に調整した。引き続き1モル/L
の塩化ナトリウム水溶液を乳剤Em−51の1モル当た
り0.02モル添加し、前記増感色素SD−8を合計被
覆率が70%になるように添加し、その後0.5モル/
Lの硝酸銀水溶液と0.5モル/Lの塩化ナトリウム水
溶液とを定速で、乳剤Em−51の1モル当たり0.0
5モル相当を同時添加した。この操作により、平板状ハ
ロゲン化銀乳剤粒子の主としてコーナーとエッジにエピ
タキシャルが形成された。
【0304】その後、50℃に昇温し、銀電位を100
mVに調整し、引き続き増感色素SD−6〜SD−10
を必要量追加して最適に分光増感を施すこと以外は同様
にして、乳剤Em−82を調製した。
【0305】《乳剤Em−83の調製》実施例6におけ
る乳剤Em−52の調製において、粒子成長工程終了後
に脱塩、水洗処理を施し、ゼラチンを加えて良く分散
し、40℃にてpHを5.8、pAgを8.1に調整し
たところで、40℃にて1モル/L硝酸銀水溶液と1モ
ル/Lの沃化カリウム水溶液とを流量比8:1で同時添
加し、pBr4.0に調整した。引き続き1モル/Lの
塩化ナトリウム水溶液を乳剤Em−52の1モル当たり
0.02モル添加し、前記増感色素SD−8を合計被覆
率が70%になるように添加し、その後0.5モル/L
の硝酸銀水溶液と0.5モル/Lの塩化ナトリウム水溶
液とを定速で、乳剤Em−52の1モル当たり0.05
モル相当を同時添加した。この操作により、平板状ハロ
ゲン化銀乳剤粒子の主としてコーナーとエッジにエピタ
キシャルが形成された。
【0306】その後、50℃に昇温し、銀電位を100
mVに調整し、引き続き増感色素SD−6〜SD−10
を必要量追加して最適に分光増感を施すこと以外は同様
にして、乳剤Em−83を調製した。
【0307】《乳剤Em−84の調製》上記乳剤Em−
83の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルを添加する代
わりに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6
ル/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5
を2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、
順次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成す
ること以外は同様にして、乳剤Em−84を調製した。
【0308】《乳剤Em−85の調製》上記乳剤Em−
83の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルを添加する代
わりに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6
ル/ハロゲン化銀乳剤1モル及びテルル増感剤Te−2
を2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、
順次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成す
ること以外は同様にして、乳剤Em−85を調製した。
【0309】《乳剤Em−86の調製》上記乳剤Em−
83の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を8.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.5×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.5×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成し、
かつ1−フェニル−5メルカプトテトラゾールに代え
て、化合物(b−2)を1.2×10-4モル/ハロゲン
化銀乳剤1モル添加すること以外は同様にして、乳剤E
m−86を調製した。
【0310】《乳剤Em−87の調製》実施例6に記載
の乳剤Em−60の調製において、粒子形成後に特開平
5−72658号に記載の方法に従い脱塩処理を行い、
ゼラチンを加えて分散し、40℃においてpAg8.0
6、pH5.8に調整したところで、40℃にて1モル
/Lの硝酸銀水溶液と1モル/Lの沃化カリウム水溶液
とを流量比8:1で同時添加し、pBr4.0に調整し
た。引き続き1モル/Lの塩化ナトリウム水溶液を乳剤
Em−60の1モル当たり、0.02モル相当添加し、
前記増感色素SD−8を合計被覆率が70%になるよう
に添加し、その後0.5モル/Lの硝酸銀水溶液と0.
5モル/Lの塩化ナトリウム水溶液とを定速で、乳剤E
m−60の1モル当たり0.05モル相当同時添加し
た。この操作により、平板状ハロゲン化銀乳剤粒子の主
としてコーナーとエッジにエピタキシャルが形成され
た。
【0311】その後、50℃に昇温し、銀電位を100
mVに調整し、引き続き増感色素SD−6〜SD−10
を必要量追加して最適に分光増感を施すこと以外は同様
にして、乳剤Em−87を調製した。
【0312】《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作製
及び評価》上記調製した乳剤Em−81〜Em−87を
実施例1における試料1001中の第9層に記載の乳剤
Mとして用い、かつ各感光性層の塗布液の銀電位を、臭
化カリウムと硝酸銀の各水溶液を用いて適宜調整して、
感光材料としての塗膜銀電位を表14に示すように設定
した試料1801〜1822を作製し、実施例1と同様
の方法で評価を行い、得られた結果を表14に示す。
【0313】
【表14】
【0314】表14より明らかなように、本発明に係る
試料1816〜1822は、比較試料1801〜181
5に対して、感度の向上及び放射線照射による感度安定
性の双方において優れた性能を示した。
【0315】実施例10 《乳剤Em−91の調製》以下に記載の方法により、乳
剤Em−91を調製した。
【0316】[核生成、核熟成工程−11]反応容器内
の下記ゼラチン水溶液−11を30℃に保ち、特開昭6
2−160128号公報記載の混合撹拌装置を用いて激
しく撹拌しながら、ダブルジェット法を用いて以下の硝
酸銀水溶液−11とハライド水溶液−11を一定の流量
で1分間で添加し核形成を行った。
【0317】 〈ゼラチン水溶液−11〉 アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 32.4g 臭化カリウム 9.9g H2O 13.0L 〈硝酸銀水溶液−11〉 硝酸銀 50.43g H2O 225.9ml 〈ハライド水溶液−11〉 臭化カリウム 35.33g H2O 224.7ml 上記添加終了後、直ちに下記ゼラチン水溶液−12を加
え、30分間を要して60℃に昇温した後、pHを5.
0に調整しその状態で20分間熟成した。
【0318】 〈ゼラチン水溶液−12〉 アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 17.5g 臭化カリウム 3.18g 界面活性剤(EO−1)の10質量%メタノール溶液 0.20ml H2O 673.5ml [粒子成長工程−11]核熟成工程終了後、続いてダブ
ルジェット法を用いて硝酸銀水溶液−12とハライド水
溶液−12を流量を加速しながら添加した。添加終了後
にゼラチン水溶液−13を加え、引き続いて硝酸銀水溶
液−13とハライド水溶液−13を流量を加速しながら
添加した。この間の反応容器内の銀電位(飽和銀−塩化
銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を1
モル/Lの臭化カリウム溶液を用いて12mVに制御し
た。
【0319】 〈硝酸銀水溶液−12〉 硝酸銀 639.8g H2O 2866.2ml 〈ハライド水溶液−12〉 臭化カリウム 430.4g 沃化カリウム 25.0g H2O 2849.3ml 〈ゼラチン水溶液−13〉 アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 175.9g 界面活性剤(EO−1)の10質量%メタノール溶液 0.67ml H2O 4260.1ml 〈硝酸銀水溶液−13〉 硝酸銀 989.8g H2O 1437.2ml 〈ハライド水溶液−13〉 臭化カリウム 638.1g 沃化カリウム 77.4g H2O 1408.7ml [粒子成長工程−12]粒子成長工程−11終了後に、
1モル/L硝酸水溶液を用いてpHを5.0に調整し、
次いで3.5モル/Lの臭化カリウム水溶液を用いて反
応容器内の銀電位を−19mVに調整し、続いて、硝酸
銀水溶液−14とハライド水溶液−14を定流量で2分
間で添加した。引き続き、硝酸銀水溶液−15とハライ
ド水溶液−15を流量を加速しながら添加した。
【0320】 〈硝酸銀水溶液−14〉 硝酸銀 72.0g H2O 407.2ml 〈ハライド水溶液−14〉 沃化カリウム 70.3g H2O 401.5ml 〈硝酸銀水溶液−15〉 硝酸銀 720.0g H2O 1045.6ml 〈ハライド水溶液−15〉 臭化カリウム 504.3g H2O 1027.5ml なお、粒子成長工程−11、−12を通して、硝酸銀水
溶液とハライド水溶液の添加速度は、新たなハロゲン化
銀乳剤粒子が生成しないように、かつ成長中のハロゲン
化銀乳剤粒子間でのオストワルド熟成により粒径分布の
劣化が生じないように最適に制御した。
【0321】上記粒子成長工程終了後に脱塩、水洗処理
を施し、ゼラチンを加えて良く分散し、40℃にてpH
を5.8、pAgを8.1に調整した。かくして得られ
たハロゲン化銀乳剤をレプリカ法による電子顕微鏡で観
察したところ、平均粒径1.2μm、粒径分布18%、
平均アスペクト比6の六角平板状粒子からなるハロゲン
化銀乳剤であった。また、透過型電子顕微鏡を用いてハ
ロゲン化銀乳剤粒子に形成された転位線の状態を調べた
ところ、1粒子あたり5本以上の転位線を有する粒子が
70%(個数)であり、1粒子あたり20本以上の転位
線を有する粒子が全ハロゲン化銀乳剤粒子の50%(個
数)を占めていた。また、ハロゲン化銀乳剤粒子の平均
沃化銀含有率は7.2モルであった。
【0322】その後、50℃に昇温し、銀電位を100
mVに調整した後、ハロゲン化銀1モル当たり増感色素
SD−11を1×10-4モル、SD−12を2.8×1
-4モルを添加し、20分後、チオ硫酸ナトリウム五水
塩を7.0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル、塩
化金酸を3.2×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル
とチオシアン酸カリウムを3.5×10-4モル/ハロゲ
ン化銀乳剤1モルの混合溶液を、順次2分間隔で添加し
て感度が最適となるように熟成した。熟成終了時に、6
−メチル−4ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラザ
インデンを6.5×10-3モル/ハロゲン化銀乳剤1モ
ル、1−フェニル−5メルカプトテトラゾールを1.5
×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加して降温
し、冷却固化させて化学増感済みの乳剤Em−91を調
製した。
【0323】《乳剤Em−92の調製》以下に記載の方
法により、乳剤Em−92を調製した。
【0324】[核生成、核熟成工程−21]反応容器内
の下記ゼラチン水溶液−21を30℃に保ち、特開昭6
2−160128号公報記載の混合撹拌装置を用いて激
しく撹拌しながら、ダブルジェット法を用いて以下の硝
酸銀水溶液−21とハライド水溶液−21を一定の流量
で1分間で添加し核形成を行った。
【0325】 〈ゼラチン水溶液−21〉 アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 32.4g 臭化カリウム 9.9g H2O 13.0L 〈硝酸銀水溶液−21〉 硝酸銀 50.43g H2O 225.9ml 〈ハライド水溶液−21〉 臭化カリウム 35.33g H2O 224.7ml 上記添加終了後、直ちに下記ゼラチン水溶液−22を加
え、30分間を要して60℃に昇温した後、pHを5.
0に調整しその状態で20分間熟成した。
【0326】 〈ゼラチン水溶液−22〉 アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 20.0g 臭化カリウム 3.18g 界面活性剤(EO−1)の10質量%メタノール溶液 0.20ml H2O 673.5ml [粒子成長工程−21]核熟成工程終了後、続いてダブ
ルジェット法を用いて硝酸銀水溶液−22とハライド水
溶液−22を流量を加速しながら添加した。添加終了後
にゼラチン水溶液−23を加え、引き続いて硝酸銀水溶
液−23とハライド水溶液−23を流量を加速しながら
添加した。この間の反応容器内の銀電位(飽和銀−塩化
銀電極を比較電極として銀イオン選択電極で測定)を1
モル/Lの臭化カリウム溶液を用いて12mVに制御し
た。
【0327】 〈硝酸銀水溶液−22〉 硝酸銀 639.8g H2O 2866.2ml 〈ハライド水溶液−22〉 臭化カリウム 412.4g 沃化カリウム 50.0g H2O 2847.9ml 〈ゼラチン水溶液−23〉 アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 175.9g 界面活性剤(EO−1)の10質量%メタノール溶液 0.67ml H2O 4260.1ml 〈硝酸銀水溶液−23〉 硝酸銀 989.8g H2O 1437.2ml 〈ハライド水溶液−23〉 臭化カリウム 610.4g 沃化カリウム 116.1g H2O 1406.5ml [粒子成長工程−22]粒子成長工程−21終了後に、
1モル/L硝酸水溶液を用いてpHを5.0に調整し、
次いで3.5モル/Lの臭化カリウム水溶液を用いて反
応容器内の銀電位を−19mVに調整し、続いて、硝酸
銀水溶液−24とハライド水溶液−24を定流量で2分
間で添加した。引き続き、硝酸銀水溶液−25とハライ
ド水溶液−25を流量を加速しながら添加した。
【0328】 〈硝酸銀水溶液−24〉 硝酸銀 96.0g H2O 542.9ml 〈ハライド水溶液−24〉 沃化カリウム 93.8g H2O 535.2ml 〈硝酸銀水溶液−25〉 硝酸銀 720.0g H2O 1045.6ml 〈ハライド水溶液−25〉 臭化カリウム 504.3g H2O 1027.5ml なお、粒子成長工程−21、−22を通して、硝酸銀水
溶液とハライド水溶液の添加速度は、新たなハロゲン化
銀乳剤粒子が生成しないように、かつ成長中のハロゲン
化銀乳剤粒子間でのオストワルド熟成により粒径分布の
劣化が生じないように最適に制御した。
【0329】上記粒子成長工程終了後に脱塩、水洗処理
を施し、ゼラチンを加えて良く分散し、40℃にてpH
を5.8、pAgを8.1に調整した。かくして得られ
たハロゲン化銀乳剤をレプリカ法による電子顕微鏡で観
察したところ、平均粒径1.2μm、粒径分布18%、
平均アスペクト比6の六角平板状粒子からなるハロゲン
化銀乳剤であった。また、透過型電子顕微鏡を用いてハ
ロゲン化銀乳剤粒子に形成された転位線の状態を調べた
ところ、1粒子あたり5本以上の転位線を有する粒子が
90%(個数)であり、1粒子あたり30本以上の転位
線を有する粒子が全ハロゲン化銀乳剤粒子の50%(個
数)を占めていた。また、ハロゲン化銀乳剤粒子の平均
沃化銀含有率は10.7モルであった。
【0330】その後、50℃に昇温し、銀電位を100
mVに調整し、増感色素SD−11を1×10-4モル/
ハロゲン化銀乳剤1モル、SD−12を2.8×10-4
モル/ハロゲン化銀乳剤1モルを添加し、20分後、チ
オ硫酸ナトリウム五水塩を7.0×10-6モル/ハロゲ
ン化銀乳剤1モル、塩化金酸を3.2×10-6モル/ハ
ロゲン化銀乳剤1モルとチオシアン酸カリウムを3.5
×10-4モル/ハロゲン化銀乳剤1モル含む混合溶液
を、順次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟
成した。熟成終了時に、6−メチル−4ヒドロキシ−
1,3,3a,7−テトラザインデンを6.5×10-3
モル/ハロゲン化銀乳剤1モル、1−フェニル−5メル
カプトテトラゾールを1.5×10-4モル/ハロゲン化
銀乳剤1モル添加して降温し、冷却固化させて化学増感
済みの乳剤Em−92を調製した。
【0331】《乳剤Em−93の調製》上記乳剤Em−
91の調製において、色増感、化学増感時の銀電位を6
5mVとした以外は同様にして、乳剤Em−93を調製
した。
【0332】《乳剤Em−94の調製》上記乳剤Em−
92の調製において、色増感、化学増感時の銀電位を6
5mVとした以外は同様にして、乳剤Em−94を調製
した。
【0333】《乳剤Em−95の調製》上記乳剤Em−
92の調製において、色増感、化学増感時の銀電位を5
0mVとした以外は同様にして、乳剤Em−95を調製
した。
【0334】《乳剤Em−96の調製》上記乳剤Em−
95の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を7.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.0×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−96を調製した。
【0335】《乳剤Em−97の調製》上記乳剤Em−
95の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を7.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.0×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びテルル増感剤Te−2を
2.0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成する
こと以外は同様にして、乳剤Em−97を調製した。
【0336】《乳剤Em−98の調製》上記乳剤Em−
95の調製において、チオ硫酸ナトリウム五水塩を7.
0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モル添加する代わ
りに、チオ硫酸ナトリウム五水塩を5.0×10-6モル
/ハロゲン化銀乳剤1モル及びセレン増感剤Se−5を
2.0×10-6モル/ハロゲン化銀乳剤1モルとを、順
次2分間隔で添加して感度が最適となるように熟成し、
かつ1−フェニル−5メルカプトテトラゾールに代え
て、化合物(b−2)を1.2×10-4モル/ハロゲン
化銀乳剤1モル添加した以外は同様にして、乳剤Em−
98を調製した。
【0337】《乳剤Em−99の調製》上記乳剤Em−
98の調製において、[核生成・核熟成工程−21]に
おけるゼラチン水溶液−22に代えて、下記ゼラチン水
溶液−22aを用い、かつ[粒子成長工程−21]にお
けるゼラチン水溶液−23に代えて、下記ゼラチン水溶
液−23aを用い、かつ[粒子成長工程−21]におけ
る反応容器内の銀電位を4mVに制御すること以外は同
様にして、乳剤Em−99を調製した。
【0338】 〈ゼラチン水溶液−22a〉 アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 20.0g 臭化カリウム 3.18g 界面活性剤(EO−1)の10質量%メタノール溶液 0.10ml H2O 673.5ml 〈ゼラチン水溶液−23a〉 アルカリ処理不活性ゼラチン(平均分子量10万) 175.9g 界面活性剤(EO−1)の10質量%メタノール溶液 0.40ml H2O 4260.1ml かくして得られたハロゲン化銀乳剤をレプリカ法による
電子顕微鏡で観察したところ、平均粒径1.6μm、粒
径分布23%、平均アスペクト比12の六角平板状粒子
からなるハロゲン化銀乳剤であった。また、透過型電子
顕微鏡を用いてハロゲン化銀乳剤粒子に形成された転位
線の状態を調べたところ、1粒子あたり5本以上の転位
線を有する粒子が80%(個数)であり、1粒子あたり
30本以上の転位線を有する粒子が全ハロゲン化銀乳剤
粒子の50%(個数)を占めていた。また、ハロゲン化
銀乳剤粒子の平均沃化銀含有率は10.7モルであっ
た。
【0339】《ハロゲン化銀カラー写真感光材料の作製
及び評価》上記調製した乳剤Em−91〜Em−99
を、実施例1における試料1001中の第12層に記載
の乳剤fとして用い、かつ各感光性層の塗布液の銀電位
を、臭化カリウムと硝酸銀の各水溶液を用いて適宜調整
して、感光材料としての塗膜銀電位を表15に示すよう
に設定した試料1901〜1928を作製し、イエロー
濃度について実施例1と同様の方法で評価を行い、得ら
れた結果を表15に示す。尚、第9層の乳剤Mには、前
記沃臭化銀乳剤aを用いた。
【0340】
【表15】
【0341】表15より明らかなように、本発明に係る
試料1921〜1928は、比較試料1901〜192
0に対して、感度の向上及び放射線照射による感度安定
性の双方において優れた性能を示した。
【0342】
【発明の効果】本発明により、高感度で、かつ放射線耐
性に優れたハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 1/08 G03C 1/08 1/09 1/09 1/34 1/34 1/43 1/43 7/392 7/392 A Z

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に赤感光性層、緑感光性層、青
    感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有するハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層を
    有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以下
    であり、かつ少なくとも1層の感光性層が還元増感され
    た平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を含
    有し、かつ該ハロゲン化銀乳剤が、分子内にハロゲンイ
    オンを放出可能な置換基を有する化合物を用いて製造さ
    れていることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光
    材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に赤感光性層、緑感光性層、青
    感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有するハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層を
    有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以下
    であり、かつ少なくとも1層の感光性層が還元増感され
    た平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を含
    有し、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、多価金属原
    子、多価金属原子イオン、多価金属原子錯体及び多価金
    属原子錯体イオンから選ばれる少なくとも1種を含有す
    ることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  3. 【請求項3】 支持体上に赤感光性層、緑感光性層、青
    感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有するハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層を
    有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以下
    であり、かつ少なくとも1層の感光性層が還元増感され
    た平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を含
    有し、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、銀電位30〜
    70mVで化学増感されていることを特徴とするハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 支持体上に赤感光性層、緑感光性層、青
    感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有するハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層を
    有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以下
    であり、かつ少なくとも1層の感光性層が塩化銀を含有
    する平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を
    含有し、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、銀電位30
    〜70mVで化学増感されていることを特徴とするハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料。
  5. 【請求項5】 支持体上に赤感光性層、緑感光性層、青
    感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有するハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層を
    有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以下
    であり、かつ少なくとも1層の感光性層に還元増感され
    た平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を含
    有し、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、塩化銀を含有
    することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
  6. 【請求項6】 支持体上に赤感光性層、緑感光性層、青
    感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有するハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層を
    有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以下
    であり、かつ少なくとも1層の感光性層が銀電位30〜
    70mVで化学増感されている平板状ハロゲン化銀粒子
    を含むハロゲン化銀乳剤を含有し、かつ該ハロゲン化銀
    乳剤が分子内にハロゲンイオンを放出可能な置換基を有
    する化合物を用いて製造されていることを特徴とするハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料。
  7. 【請求項7】 支持体上に赤感光性層、緑感光性層、青
    感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有するハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層を
    有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以下
    であり、かつ少なくとも1層の感光性層がハロゲン化銀
    粒子形成過程で限外濾過処理を施された平板状ハロゲン
    化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を含有し、かつ該平板
    状ハロゲン化銀粒子が、銀電位30〜70mVで化学増
    感されていることを特徴とするハロゲン化銀カラー写真
    感光材料。
  8. 【請求項8】 支持体上に赤感光性層、緑感光性層、青
    感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有するハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層を
    有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以下
    であり、かつ少なくとも1層の感光性層が、多価金属原
    子、多価金属原子イオン、多価金属原子錯体及び多価金
    属原子錯体イオンから選ばれる少なくとも1種を含有す
    る平板状ハロゲン化銀粒子を含むハロゲン化銀乳剤を含
    有し、かつ該平板状ハロゲン化銀粒子が、銀電位30〜
    70mVで化学増感されていることを特徴とするハロゲ
    ン化銀カラー写真感光材料。
  9. 【請求項9】 支持体上に赤感光性層、緑感光性層、青
    感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有するハ
    ロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層を
    有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以下
    であり、かつ少なくとも1層の感光性層が、表面にハロ
    ゲン化銀突起物を有する平板状ハロゲン化銀粒子を含む
    ハロゲン化銀乳剤を含有し、かつ該ハロゲン化銀乳剤
    が、分子内にハロゲンイオンを放出可能な置換基を有す
    る化合物を用いて製造されていることを特徴とするハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料。
  10. 【請求項10】 支持体上に赤感光性層、緑感光性層、
    青感光性層及び非感光性層からなる写真構成層を有する
    ハロゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性層
    を有する面側の塗膜銀電位が60mV以上130mV以
    下であり、かつ少なくとも1層の感光性層が、転位線を
    5本以上有するハロゲン化銀粒子の比率(個数)が30
    %以上であり、かつ平均沃化銀含有率が7モル%以上で
    あり、かつ銀電位30〜70mVで化学増感されている
    平板状ハロゲン化銀粒子からなるハロゲン化銀乳剤を含
    有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材
    料。
  11. 【請求項11】 ハロゲン化銀乳剤がセレン化合物及び
    テルル化合物から選ばれる少なくとも1種により化学増
    感されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれ
    か1項記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  12. 【請求項12】 ハロゲン化銀乳剤が下記一般式(A)
    で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1
    〜11のいずれか1項記載のハロゲン化銀カラー写真感
    光材料。 一般式(A) Ra1−(S)n−Ra2 〔式中、Ra1およびRa2は各々、脂肪族基、芳香族基、
    ヘテロ環基または互いに結合して環を形成することがで
    きる原子群を表す。Ra1およびRa2は同じでも異なって
    いてもよく、Ra1およびRa2が脂肪族基である場合、互
    いに結合して環を形成してもよい。nは2〜6の整数を
    表す。〕
  13. 【請求項13】 ハロゲン化銀乳剤に含まれる平板状ハ
    ロゲン化銀粒子の平均アスペクト比が、8〜100であ
    ることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載
    のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
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WO2004077149A1 (ja) * 2003-02-28 2004-09-10 Konica Corporation ハロゲン化銀カラー写真感光材料
WO2004077146A1 (ja) * 2003-02-28 2004-09-10 Konica Corporation ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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