JP2002082092A - 一酸化炭素検出器 - Google Patents

一酸化炭素検出器

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JP2002082092A
JP2002082092A JP2000269813A JP2000269813A JP2002082092A JP 2002082092 A JP2002082092 A JP 2002082092A JP 2000269813 A JP2000269813 A JP 2000269813A JP 2000269813 A JP2000269813 A JP 2000269813A JP 2002082092 A JP2002082092 A JP 2002082092A
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carbon monoxide
catalyst
case
electrode
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JP2000269813A
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Nobuharu Katsuki
暢晴 香月
Masato Shoji
理人 東海林
Takashi Ida
隆 伊田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い応答性を有する一酸化炭素検出器を提供
することを目的とする。 【解決手段】 水素イオン伝導性を有する電解質膜8の
一方の面に接して配置される触媒を有する第1の触媒電
極9と、前記電解質膜8の他方の面に接して配置される
触媒を有する第2の触媒電極10とから構成される検出
素子1と、前記検出素子1周囲に配置されるケース12
と、前記ケース12内に被検出ガスを供給する開閉機能
を有するガス導入部14と、前記ケース内の被検出ガス
を排出する開閉機能を有するガス排出部15と、前記第
1の触媒電極9と前記第2の触媒電極10との間に接続
された直流電源23と、前記被検出ガス中の一酸化炭素
ガスの濃度に応じて変化する前記第1の触媒電極9と前
記第2の触媒電極10間の電流値を検出する電流検出手
段とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば燃料電池に
用いられる燃料ガス中に含まれる一酸化炭素ガスの濃度
を検出する一酸化炭素検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料電池の開発が盛んに行われて
おり、最も実用化に近いものとして固体高分子からなる
水素イオン伝導膜を用いた燃料電池がある。これは、動
作温度が100℃未満と、他方式に比べ非常に低温で動
作するため取り扱いやすく、従って、家庭用及び自動車
用の燃料電池として期待されている。
【0003】この燃料電池に供給する燃料ガスとしては
純粋な水素ガスが望ましいが、現在、純粋な水素ガスを
供給するためのインフラはほとんど整備されていない。
従って、メタノールなどの液体燃料を改質することによ
って、水素ガスを取り出す方式が主流となりつつある。
この場合、改質器から出てくる燃料ガスは、ほとんどが
水素ガスと二酸化炭素ガスであるものの、数十ppmレ
ベルのごくわずかな一酸化炭素ガスが含まれる場合があ
る。この一酸化炭素ガスはたとえ数十ppmレベルでも
燃料電池の電極を構成する白金触媒に吸着(この現象を
被毒という)すると、起電力が低下してしまう。そのた
め、常に燃料ガス中の一酸化炭素ガスの濃度をモニター
し、一酸化炭素ガスを減らすように改質器を制御しなけ
ればならない。従って、改質器を用いた燃料電池におい
て、一酸化炭素検出器は必須部品である。
【0004】前述したような燃料電池として機能させる
ために供給される燃料ガス(水素ガスを多量に含む)中
の一酸化炭素ガスを検出する一酸化炭素検出器として
は、特開平8−327590号公報に記載されたものが
知られている。
【0005】この一酸化炭素検出器の概略構造の断面図
を図7に示す。110はプロトン伝導性を有する高分子
からなる電解質膜で、その両表面にはカーボンクロス上
に触媒用の白金を担持したカーボン粉を練り込んだ電極
112、114がホットプレスにより接合されている。
電極112、114の電解質膜110と接合されていな
い表面にはメッシュ状の金属板116、118が配設さ
れている。電解質膜110、電極112、114および
金属板116、118は金属製の円筒状の形状をしたホ
ルダ120、122の内側に設けられたフランジ部12
0a、122aによって挟持されている。ホルダ122
の端面の電解質膜110側には、ガスシール用のOリン
グ126が設けられている。
【0006】ホルダ120、122の外周にはそれぞれ
ネジ部120b、122bが加工されており、これらが
ポリテトラフルオルエチレン{例えばテフロン(デュポ
ン社の商標)}からなる絶縁性部材124の内側に加工
されたネジ部124a、124bにねじ込まれることに
よりホルダ120、122が固定されている。
【0007】ホルダ120の一端にはガス流入通路12
8の一端が接続されており、ここから被検出ガス(燃料
ガスに同じ)が一酸化炭素センサ素子に導入される。一
方、ホルダ122の一端にはガス流入通路128が接続
されておらず、大気中に開放された状態となっている。
【0008】ガス流入通路128の他端は燃料電池に導
入される燃料ガス通路140の一部に設けた分岐口14
0aに接続されている。
【0009】ホルダ120、122にはそれぞれ検出端
子120T、122Tが設けられており、ここに電気回
路130が接続されている。電気回路130は、電圧計
132と負荷電流の調整用の抵抗器134が並列に接続
された構成である。なお、検出端子120Tは電圧計1
32の負極に、検出端子122Tは正極にそれぞれ接続
されている。
【0010】次に、この一酸化炭素検出器の動作につい
て説明する。水素ガスを多量に含む被検出ガス(燃料ガ
ス)はガス流入通路128を介して電極112に到達す
る。一方、電極114は常に大気中の酸素ガスと接して
いる。従って、各電極112、114と接する電解質膜
110の表面では、以下の(化1)および(化2)で示
す反応が起こる。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】これらの反応は、水素ガスと酸素ガスを燃
料として発電する燃料電池と同様な電池反応であり、電
極112、114間には起電力が発生する。電極11
2、114間には抵抗器134が接続されているため所
定の負荷電流が流れ、この時の電極112、114間の
電位差が電圧計132により検出される。
【0014】この状態で被検出ガス中に一酸化炭素ガス
が混在すると、電極112中の触媒用の白金に一酸化炭
素ガスが吸着し、電極112は被毒する。その結果、水
素ガスと酸素ガスによる電池反応が阻害され、電極11
2、114間の電位差が低下する。一酸化炭素ガスの濃
度が被毒の程度に反映されるため、電極112、114
間の電位差の時間的な変化量を測定することで被検出ガ
ス中の一酸化炭素ガスの濃度を知ることができる。
【0015】図7に示す一酸化炭素検出器について、5
0ppmの濃度の一酸化炭素ガスを流した時の時間と出
力電位差の関係を測定した結果を図8に示す。
【0016】図8において、横軸は時間、縦軸は出力電
位差である。その結果、一酸化炭素(50ppm)を流
してから約5分後に出力電位差が変化し始めた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】この一酸化炭素検出器
は、上記(化2)で示すように水素イオン電子と酸素ガ
スから水を生成する化学反応が起こり起電力を発生させ
ているが、この水の生成反応は上記(化1)に示す水素
イオンの生成反応に比べて非常に遅い。従って、被検出
ガス中に一酸化炭素ガスが混在し電極112が被毒して
水素イオンの生成が阻害されても、すぐには水の生成反
応にその影響が表われない。これは取りも直さず、しば
らくの間起電力が変化せず、応答性が速く一酸化炭素ガ
スの検出ができないといった課題を有していた。
【0018】本発明はこの課題を解決するものであり、
応答性の速い一酸化炭素検出器を提供することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の一酸化炭素検出器は、水素イオン伝導性を有
する電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に接して配置
される触媒を有する第1の触媒電極と、前記電解質膜の
他方の面に接して配置される触媒を有する第2の触媒電
極とから構成される検出素子と、前記検出素子周囲に配
置されるケースと、前記ケース内に被検出ガスを供給す
る開閉機能を有するガス導入部と、前記ケース内の被検
出ガスを排出する開閉機能を有するガス排出部と、前記
第1の触媒電極と前記第2の触媒電極との間に接続され
た直流電源と、前記被検出ガス中の一酸化炭素ガスの濃
度に応じて変化する前記第1の触媒電極と前記第2の触
媒電極間の電流値を検出する電流検出手段とを備えたこ
とを特徴とするものである。この構成により、応答性の
速い一酸化炭素検出器が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、水素イオン伝導性を有する電解質膜と、前記電解質
膜の一方の面に接して配置される触媒を有する第1の触
媒電極と、前記電解質膜の他方の面に接して配置される
触媒を有する第2の触媒電極とから構成される検出素子
と、前記検出素子周囲に配置されるケースと、前記ケー
ス内に被検出ガスを供給する開閉機能を有するガス導入
部と、前記ケース内の被検出ガスを排出する開閉機能を
有するガス排出部と、前記第1の触媒電極と前記第2の
触媒電極との間に接続された直流電源と、前記被検出ガ
ス中の一酸化炭素ガスの濃度に応じて変化する前記第1
の触媒電極と前記第2の触媒電極間の電流値を検出する
電流検出手段と、前記ガス導入部と前記ガス排出部を開
け被検出ガスを前記ケース内部に導入した後、前記ガス
導入部と前記ガス排出部を閉じ前記直流電源を投入し前
記第1の触媒電極と前記第2の触媒電極間の電流値を検
出する動作手順を実行する制御手段を有しているため、
第1の触媒電極で水素が水素イオンと電子になる解離現
象、第2の触媒電極で水素イオンと電子から水素ができ
る生成現象が起こり、一酸化炭素による触媒の被毒によ
る電流値の変動が素早く起こる。従って、水素イオンと
電子と酸素から水が生成するという反応速度の遅い化学
反応が本質的に起こらない構成であるため、応答性が速
くなるといった作用を有する。
【0021】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、カーボンクロス上に触媒が担持させた
カーボン粉を固着した第1の触媒電極と第2の触媒電極
の外側にそれぞれ少なくとも1ヶ所以上の貫通孔を有す
るように加工された金属製の平板状の金属電極が配置さ
れ、前記2つの金属電極により電解質膜、前記第1の触
媒電極と前記第2の触媒電極を挟持するように固定して
いるため、第1の触媒電極へのガスの拡散と第2の触媒
電極からのガスの排出を妨げずに第1の触媒電極および
第2の触媒電極と2つの金属電極を面接触させることが
でき、良好な出力安定性が得られるという作用を有す
る。
【0022】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、2つの金属電極の表面を平滑に加工
し、かつ金メッキ層が形成されているため、第1の触媒
電極および第2の触媒電極と2つの金属電極の接触性が
さらに改善され、低ノイズの出力が得られるという作用
を有する。
【0023】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、第1の触媒電極の触媒が白金および金
の合金からなり、かつ第1の触媒電極は前記直流電源の
正極に接続された構成であり、白金および金の合金は一
酸化炭素ガスに極めて被毒されやすい材料であるため、
これを正電極の触媒に用いることにより応答性がより高
速化するという作用を有する。
【0024】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、第2の触媒電極の触媒が白金または白
金とルテニウムからなる合金からなり、かつ前記第2の
触媒電極は直流電源の負極に接続された構成であり、白
金または白金とルテニウムの合金は一酸化炭素ガスに極
めて被毒されにくい材料であるため、これを負電極の触
媒に用いることにより、被毒した触媒を素早く回復でき
るという作用を有する。
【0025】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、ケースに空気を導入する開閉機能を有
する空気導入部と空気を排出する開閉機能を有する空気
排出部を設け、被毒した触媒を素早く回復できるという
作用を有する。
【0026】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、ガス供給部とガス排出部を開として被
検出ガスをケース内に既定時間導入し、ガス供給部とガ
ス排出部を閉として直流電源を投入し既定時間電流値を
検出した後、空気供給部と空気排出部を開として空気を
ケース内に導入する動作手順を実行する制御手段を有し
ており、触媒が再現性よく被毒し、高精度に一酸化炭素
濃度が検出できるという作用を有する。
【0027】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の発明において、ケース内に空気を導入する際、直流電
源を遮断するとともに、正極および負極に接続された電
圧検出手段により電圧の変化速度を求め、前記電圧の変
化速度が負になった時にガス供給部とガス排出部を開と
してケース内に被検出ガスを導入する動作手順を実行す
る制御手段を有しており、被毒した触媒を素早く、再現
性よく回復できるという作用を有する。
【0028】請求項9に記載の発明は、請求項6に記載
の発明において、非動作時にはガス供給部、ガス排出
部、空気供給部、および空気排出部を閉じる動作手順を
実行する制御手段を有しており、非動作時に電解質膜の
乾燥を防ぎ、安定して一酸化炭素濃度を検出できるとい
う作用を有する。
【0029】請求項10に記載の発明は、請求項1また
は6に記載の発明において、ケース底面に水を確保する
ための窪みを有しており、電解質膜の乾燥を防ぎ、安定
して一酸化炭素濃度を検出できるという作用を有する。
【0030】請求項11に記載の発明は、請求項1また
は6に記載の発明において、ガス排出部、または空気排
出部の少なくとも1つはケースの底面に設置された構成
を有しており、蓄積された余分な水分をガス排出部、ま
たは空気排出部の少なくとも1つから排出でき、安定し
て一酸化炭素濃度を検出できるという作用を有する。
【0031】請求項12に記載の発明は、請求項1に記
載の発明において、ガス排出部は所定ガス圧力以上で開
く構成を有しており、ケース内部の圧力を一定化でき圧
力の変動による影響を受けずに安定性よく一酸化炭素濃
度を検出できるという作用を有する。
【0032】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図6を用いて説明する。
【0033】(実施の形態1)図1は本発明の一酸化炭
素検出器の実施の形態1の概略構造を説明するための断
面図であり、図2は同検出器の検出部を白抜き矢印Aの
方向から見た分解斜視図である。図3は本発明の一酸化
炭素検出器の出力電流を示す特性図である。
【0034】図1において、1は被検出ガス中の一酸化
炭素ガスの濃度を検出するための電解質膜8と前記電解
質膜8の両面に設けられた第1、第2の触媒電極9、1
0とからなる素子である。素子1を2枚の中心部に孔を
有するシール用ゴム11、出力接続部13を有する2つ
の金属電極2、2枚の中心部に孔を有する絶縁シール用
ゴム3、およびガスを素子1の正極側に円滑に供給する
ように流路6aが設けられたステンレス鋼製の正極側に
配置される第1の加圧板4、および負極で生成される水
素ガスを素子から円滑に排出するように流路6bが設け
られたステンレス鋼製の負極側に配置される第2の加圧
板5によって挟み、第1の加圧板4および第2の加圧板
5間をボルトで締め付け固定し、検出部7を形成した。
ケース12は上部が開口の形状であり、側面には検出部
7固定用の孔、対峙する側面には被検出ガス導入部であ
る開閉機能を有する第1の電磁弁14、底面には被検出
ガス排出部である開閉機能を有する第2の電磁弁15が
接続されている。検出部7はこのケース12の開口部か
ら内部に挿入され、検出部7の第2の加圧板5にはケー
ス12の側面に固定するためのネジ部が形成されてお
り、シール用のゴム板16を介してケース12にネジ止
めで固定した。ケース12の第1の電磁弁14が接続さ
れる側の側面には、この部位に対峙して素子1の第1の
触媒電極9が設置されることとなる。さらに、ケース1
2の底面には電解質膜8の乾燥を防止するための水分を
常時確保するために、水を定量溜める窪み17を設け
た。また、結露などによって発生する窪み17の体積以
上の余分な水分はこの第2の電磁弁15を介して外部に
排出される。ケース12上部の開口部は蓋18、および
Oリング19により封止される。また、2つの金属電極
2の各々の一部に設けられた出力接続端子部13にはシ
ール部20を有する2つの端子21と接続され、端子2
1のシール部20は蓋18に設けられた2つの端子取出
孔22の内面との密着により気密性を確保している。な
お、本実施の形態ではケース12内部の空間体積を10
ccとした。また、端子21には外部の直流電源23お
よび電流検出手段としての電流計24が接続されてい
る。ここで第1の触媒電極9が正極、第2の触媒電極1
0が負極となるように直流電源23を接続した。
【0035】図1に示す矢印は、被検出ガスおよび第2
の触媒電極10で生成される水素ガスの流れの方向を示
す。
【0036】図2において、素子1を中心に詳述する。
8はフッ素系高分子材料からなる直径20mmの水素イ
オン伝導性を有する電解質膜であり、その両面上の一部
に触媒が担持されたカーボン粉をフッ素系高分子材料で
固着した直径12mmのカーボンクロスからなる第1の
触媒電極9、および第2の触媒電極10が配置されてい
る。さらに、電解質膜8の両面の残りの部分(外周部近
く)に2枚のシール用ゴム11が配置されている。この
第1の電解質膜8を第1の触媒電極9、第2の触媒電極
10および2枚のシール用ゴム11によって挟持し、温
度を130℃に設定しホットプレスにより固着した。
【0037】このようにして構成された素子1の両面
に、4ヶ所の扇形の貫通孔25を有するように加工した
ステンレス鋼製の直径20mm、厚さ4mmの平板状の
2枚の金属電極2が配置されている。さらに、金属電極
2の表面は平均表面粗度が1.6μm以下になるように
平滑に加工され、その上に下地としてNiメッキが施さ
れ、さらにその上に厚さ約1μmの金メッキ層が形成さ
れている。本実施の形態においては、貫通孔25の形状
を扇形としたが、その形状や寸法は被検出ガス、水素ガ
スを透過させることができるものであればこれに何ら限
定されるものではない。
【0038】図1中には直流電源23、および電流検出
手段としての電流計24から構成された検出回路部も示
されている。
【0039】より詳しくは、2つの金属電極2に接続さ
れた2つの端子21にケーブルを介して直流電源23が
接続されており、かつ2つの端子21間に流れる電流を
検出するために、直流電源23と直列に電流検出手段と
しての電流計24が接続されている。電流計24の出力
はマイクロコンピュータ(図示せず)に接続されてい
る。マイクロコンピュータは電流計24が検出した電流
から、あらかじめ電流に対する一酸化炭素ガスの濃度の
相関を求めたテーブル(ROMに格納してある)を参照
して一酸化炭素ガスの濃度に換算し出力するとともに、
直流電源23の投入、遮断制御や、各電磁弁の開閉を行
う。
【0040】次に、本実施の形態の一酸化炭素検出器の
動作を説明する。
【0041】まず、マイクロコンピュータは30秒間第
1の電磁弁14、および第2の電磁弁15を開け被検出
ガスを導入する。被検出ガスの流量は50cc/分とし
た。なお、ここで30秒としたのは、本実施の形態の一
酸化炭素検出器の配管やケース12内のガスが流量50
cc/分の被検出ガスで十分置換されるのに必要な時間
である。従って、流量やケース12内の体積によって置
換時間は異なるため、本実施の形態の時間に何ら限定さ
れるものではない。
【0042】被検出ガスは第1の電磁弁14を通りケー
ス12内部に導かれる。第1の加圧板4の被検出ガスを
第1の触媒電極9の白金と金の合金からなる触媒に導く
流路6aの入り口は第1の電磁弁14の近傍に接してい
るので、第1の電磁弁14、および第2の電磁弁15が
開くと、被検出ガスが第1の加圧板4の流路6aを流れ
ることにより第1の触媒電極9の近傍に拡散する。その
後、余分な被検出ガスは第2の電磁弁15を通って排気
される。
【0043】つぎに、ケース12中の気体が被検出ガス
に置換された後、マイクロコンピュータは第1の電磁弁
14、および第2の電磁弁15を閉じ、直流電源23の
スイッチを投入する。これにより、第1の触媒電極9と
第2の触媒電極10の間に電圧が印加される。なお、本
実施の形態では電圧を0.2Vとした。この動作によ
り、被検出ガス中の水素ガスは第1の触媒電極9、およ
び第2の触媒電極10の触媒上で正極、負極それぞれ
(化3)、および(化4)に示す反応が起こる。
【0044】
【化3】
【0045】
【化4】
【0046】(化3)に示すように正極側の第1の触媒
電極9で水素ガスの解離反応が起こり、ここで生じた水
素イオン(H+)が電解質膜8を通って負極側の第2の
触媒電極10に到達し、そこで(化4)に示すように再
び電子(e-)を受け取り水素ガスを生成する。従っ
て、水素ガスの存在下では素子1と直流電源23の間に
電気的な閉回路が形成され、水素イオン伝導度に応じた
電流が流れる。
【0047】このような状態の下で、被検出ガス中に一
酸化炭素ガスが含まれると第1の触媒電極9の白金と金
の合金からなる触媒の表面に一酸化炭素ガスが吸着し被
毒する。その結果、上記(化3)、および(化4)に示
す反応が阻害され電流が減少する。マイクロコンピュー
タは、電流と一酸化炭素ガスの濃度の相関テーブルを参
照して一酸化炭素ガスの濃度を出力する。
【0048】以上の動作により、一酸化炭素ガスの濃度
を検知している。
【0049】本実施の形態の一酸化炭素検出器に一酸化
炭素ガス濃度が0ppm、および5ppmの被検出ガス
を流し、計測したときの出力特性図を図3に示す。横軸
は時間、縦軸は出力電流である。第1の電磁弁14、お
よび第2の電磁弁15が閉じ、一酸化炭素濃度が0pp
mの被検出ガスがケース内に封じられている状況で直流
電源23を投入した場合、直流電源23投入後約8秒で
出力電流は約80mAの値で安定した。次に触媒の被毒
を排除した後に、一酸化炭素濃度が5ppmの被検出ガ
スをケース内に導入し、上記同様に封じられている状況
で直流電源23を投入した場合、直流電源23の投入後
約15秒で出力電流は約20mAの値で安定した。図3
では各々時間が0の時に直流電源23を投入した。これ
ら出力電流値をマイクロコンピュータで求めることで一
酸化炭素ガスの濃度を知ることができた。なお、従来例
の出力電圧は同じ被検出ガスを流しても数分間変化する
ことがなかった。従って、従来技術に比べ格段に応答性
が高い一酸化炭素検出器を実現できた。これは、閉じら
れたケース12内で電解質膜8が水素イオンポンプの役
割を果たし被検出ガスが強制的に循環させられるため、
ケース12内に封じられた一酸化炭素ガスが素早く、か
つ全て第1の触媒電極9に集まり被毒が起こることによ
るものと考えられる。また、水素イオンと電子と酸素か
ら水が生成するという反応速度の遅い化学反応が本質的
に起こらない構成であり、さらに、一酸化炭素ガスに極
めて被毒されやすい白金および金の合金を触媒に用いた
ためである。
【0050】なお、本実施の形態では第1の触媒電極9
の触媒として白金と金の合金、第2の触媒電極10の触
媒として白金とルテニウムの合金を用いたが、これはセ
ンサの性能を最大限に引き出すための組み合わせであ
り、第1の触媒電極の触媒として白金、第2の触媒電極
の触媒として白金、または白金と他の貴金属の合金でも
原理的には動作可能である。従って、白金と金の合金や
白金とルテニウムの合金に何ら限定されない。
【0051】(実施の形態2)図4は本発明の一酸化炭
素検出器の実施の形態2の構成を説明するための断面
図、図5は本発明の一酸化炭素検出器の出力電流を示す
特性図である。
【0052】本実施の形態2において、実施の形態1と
同一構成部分に関しては同一番号を付して詳細な説明を
省略し、異なる部分についてのみ詳述する。
【0053】実施の形態1で説明した一酸化炭素検出器
では一酸化炭素の濃度を一度計測すると、触媒が一酸化
炭素を吸着したままの状態であり、断続的に濃度の計測
を行うには、触媒の機能の回復(以下、リフレッシュ)
を行うことが必要である。
【0054】そこで本実施の形態2では、図4に示すよ
うに実施の形態1で述べた一酸化炭素検出器のケース1
2の第1の電磁弁14が接続されている側面に加湿空気
導入部である開閉機能を有する第3の電磁弁26、底面
には被検出ガス排出部である開閉機能を有する第2の電
磁弁15、および加湿空気排出部である開閉機能を有す
る第4の電磁弁27が接続された構成としている。ケー
ス12は上部が開口の形状であり、検出部7はこのケー
ス12の開口部から内部に挿入され、検出部7の第2の
加圧板5にはケース12の側面に固定するためのネジ部
が形成されており、シール用のゴム板16を介してケー
ス12にネジ止めで固定した。従って、ケース12の第
1の電磁弁14、および第3の電磁弁26が接続される
側の側面には、この部位に対峙して素子1の第1の触媒
電極9が設置されることとなる。さらに、ケース12の
底面には電解質膜8の乾燥を防止するための水分を常時
確保するために、水を定量溜める窪み17を設けた。ま
た、結露などによって発生する窪み17の体積以上の余
分な水分はこの第2の電磁弁15、または第4の電磁弁
27を介して外部に排出される。ケース12上部の開口
部は蓋18、およびOリング19により封止される。ま
た、2つの金属電極2の各々の一部に設けられた出力接
続端子部13にはシール部20を有する2つの端子21
と接続され、端子21のシール部20は蓋18に設けら
れた2つの端子取出孔22の内面との密着により気密性
を確保している。なお、本実施の形態2ではケース12
内部の空間体積を10ccとした。また、端子21には
外部の直流電源23、電流検出手段としての電流計2
4、および電圧計28が接続されている。ここで第1の
触媒電極9が正極、第2の触媒電極10が負極となるよ
うに直流電源23を接続した。
【0055】図4に示す矢印は、被検出ガスおよび第2
の触媒電極上で生成される水素ガスの流れの方向を示
す。
【0056】図4中には直流電源23、電流検出手段と
しての電流計24、および電圧計28から構成された検
出回路部も示されている。
【0057】より詳しくは、2つの金属電極2に接続さ
れた2つの端子21にケーブルを介して直流電源23が
接続されており、かつ2つの端子21間に流れる電流を
検出するために、直流電源23と直列に電流検出手段と
しての電流計24が接続されている。また、2つの端子
21間の電圧を検出するために、両者間に電流検出手段
としての電圧計28が接続されている。電流計24、お
よび電圧計28の出力はマイクロコンピュータ(図示せ
ず)に接続されている。マイクロコンピュータは電流計
24が検出した電流から、あらかじめ電流に対する一酸
化炭素ガスの濃度の相関を求めたテーブル(ROMに格
納してある)を参照して一酸化炭素ガスの濃度に換算し
出力するとともに、一酸化炭素ガスが吸着した触媒の機
能の回復(以下、リフレッシュ)を行うため、直流電源
23の投入、遮断制御や、各電磁弁の開閉を行う。
【0058】なお、加湿空気は燃料電池へ供給される加
湿空気を一部分岐して第3の電磁弁26に導入してい
る。
【0059】次に、本実施の形態2の一酸化炭素検出器
の動作を説明する。
【0060】まず、マイクロコンピュータは第3の電磁
弁26、および第4の電磁弁27を開け、30秒間加湿
空気を流す。加湿空気の流量は50cc/分とした。な
お、ここで30秒としたのは、本実施の形態2の一酸化
炭素検出器の配管やケース内のガスが流量50cc/分
の加湿空気で十分置換されるのに必要な時間である。従
って、流量やケース12内の体積によって置換時間は異
なるため、本実施の形態2の時間に何ら限定されるもの
ではない。
【0061】次に、マイクロコンピュータは第3の電磁
弁26、および第4の電磁弁27を閉じ、第1の電磁弁
14、および第2の電磁弁15を開ける。被検出ガスの
流量は50cc/分とした。被検出ガスは第1の電磁弁
14を通り、ケース12内部に導かれる。第1の加圧板
4の被検出ガスを第1の触媒電極9の白金と金の合金か
らなる触媒に導く流路6aの入り口は第1の電磁弁14
の近傍に接しているので、第1の電磁弁14、および第
2の電磁弁15が開くと、被検出ガスが第1の加圧板4
の流路6aを流れることにより第1の触媒電極9の近傍
に拡散する。その後、被検出ガスは第2の電磁弁15を
通って排気される。
【0062】上記の動作から30秒経過し、配管やケー
ス12中のガスが被検出ガスに置換された後、マイクロ
コンピュータは第1の電磁弁14、および第2の電磁弁
15を閉じ、ケース12に接続された電磁弁全てが閉じ
た状態で直流電源23のスイッチを投入する。これによ
り、第1の触媒電極9と第2の触媒電極10の間に電圧
が印加され、ケース12内での被検出ガスの循環が始ま
る。なお、本実施の形態2では電圧を0.2Vとした。
この動作により、被検出ガス中の水素ガスは第1の触媒
電極9、および第2の触媒電極10の触媒上で正極、負
極それぞれ(化3)、および(化4)に示す反応が起こ
る。
【0063】なお(化3)、(化4)、および触媒の被
毒現象の詳細については実施の形態1と同様であるので
省略する。
【0064】つぎに、マイクロコンピュータは既定時間
(本実施の形態では30秒とした)一酸化炭素濃度を計
測した後、以下のリフレッシュ動作を行っている。
【0065】まず、マイクロコンピュータは直流電源2
3のスイッチを遮断するとともに、第3の電磁弁26、
および第4の電磁弁27を開き加湿空気を導入する。こ
れにより、ケース12内部には加湿空気が流れる。
【0066】一方、第3の電磁弁26、および第4の電
磁弁27を開く直前までは(化3)、および(化4)に
示す反応により、第2の触媒電極10近傍、つまり金属
電極2の4ヶ所の扇形の貫通孔25や、第2の加圧板5
の流路6bには水素ガスが生成している。さらに、金属
電極2の4ヶ所の扇形の貫通孔25や、第2の加圧板5
の流路6bは上方が閉じた構成であるため、生成した水
素ガスはすぐに排気されず、第2の触媒電極10近傍に
は水素ガスが存在している。
【0067】従って、素子1は空気と水素ガスからなる
燃料電池を形成することに相当し、第1の触媒電極9が
正極、第2の触媒電極10が負極となる起電力が生じ
る。この起電力による電圧は本実施の形態2の場合、最
高約0.8Vまで増加した後、徐々に減少していく。こ
れは、第2の触媒電極10近傍に存在する水素ガスが徐
々に消費されていくためである。
【0068】このように動作させることにより、被毒し
た第1の触媒電極9には加湿空気中の酸素ガスが供給さ
れ、一酸化炭素と反応して二酸化炭素になり触媒から離
れる。同時に、被毒した第1の触媒電極9は約0.8V
の起電力が発生するため、触媒に吸着した一酸化炭素が
脱離するのに必要な0.68V以上の電圧がかかり、一
酸化炭素は触媒からより一層離れていく。従って、流路
6aに加湿空気を導入するだけで、これら酸化反応と電
圧印加が二重に作用し、被毒した触媒はほぼ元の状態に
リフレッシュされる。また、第2の触媒電極10の被毒
に対する考慮として、第2の触媒電極10近傍の金属電
極2の4ヶ所の扇形の貫通孔25や、第2の加圧板5の
流路6bを上方が閉じた構成とし残存水素により被検出
ガスが回り込みにくい構成とした。さらに、第2の触媒
電極10には一酸化炭素による被毒がしづらい白金とル
テニウムの合金からなる触媒を用いており被検出ガスの
第2の触媒電極10近傍への僅かな回り込みに対しても
影響が出ない構成とした。
【0069】起電力による電圧の変化は第1の触媒電極
9と第2の触媒電極10の間に接続した電圧計28でモ
ニターされている。マイクロコンピュータは電圧計28
の出力から電圧の変化速度を求め、変化速度が負(電圧
が減少)になれば、リフレッシュが完了したと判断し、
第3の電磁弁26、および第4の電磁弁27を閉じ、第
1の電磁弁14、および第2の電磁弁15を開け、被検
出ガスの導入に切り替える。
【0070】次に、マイクロコンピュータは配管やケー
ス12内の加湿空気が被検出ガスに置き換わるまで(本
実施の形態では30秒)待った後、第1の電磁弁14、
および第2の電磁弁15を閉じ、直流電源23のスイッ
チを投入し、一酸化炭素濃度測定を続行する。
【0071】以上の動作を繰り返すことで、一酸化炭素
濃度を検知している。
【0072】一酸化炭素検出器の動作を停止する場合
は、マイクロコンピュータは第1の電磁弁14、および
第2の電磁弁15を閉じ、第3の電磁弁26、および第
4の電磁弁27を開け加湿空気側に導入し、上記のリフ
レッシュ動作を行う。電圧計28の出力から求めた電圧
の変化速度が負になると、マイクロコンピュータは第3
の電磁弁26、および第4の電磁弁27を閉じ、直流電
源23のスイッチを遮断する。このようにして一酸化炭
素検出器を停止するため、素子1は常に加湿空気にさら
されており、電解質膜8が乾燥することに起因する出力
変動を抑えることができる。
【0073】本実施の形態2の一酸化炭素検出器に一酸
化炭素濃度が0ppm、および5ppmの被検出ガスを
計測したときの出力特性図を図5に示す。横軸は時間、
縦軸は出力電流である。0ppmの一酸化炭素濃度であ
る被検出ガスがケース12内に封じられている状況で直
流電源23を投入した(時間が0)。直流電源23の投
入後約8秒で出力電流は約80mAの値で安定した。次
に30秒上記のリフレッシュ動作を行い、5ppmの一
酸化炭素濃度の被検出ガスをケース内に導入し、封じら
れている状況で(時間が90秒)直流電源23を投入し
た。直流電源23の投入後約15秒で出力電流は約20
mAの値で安定した。これら出力電流値をマイクロコン
ピュータで求めることで一酸化炭素濃度を知ることがで
きた。また安定したリフレッシュ動作により断続的に計
測可能なことも確認できた。なお、従来例の出力電圧は
同じ被検出ガスを流しても数分間変化することがなかっ
た。従って、従来技術に比べ格段に応答性が高い一酸化
炭素検出器を実現できた。これは、閉じられたケース1
2内で電解質膜8が水素イオンポンプの役割を果たし被
検出ガスが強制的に循環させられるため、ケース12内
に封じられた一酸化炭素が素早く、かつ全て第1の触媒
電極9に集まり被毒が起こることによるものと考えられ
る。また、水素イオンと電子と酸素から水が生成すると
いう反応速度の遅い化学反応が本質的に起こらない構成
であり、さらに、一酸化炭素ガスに極めて被毒されやす
い白金および金の合金を触媒に用いたためである。
【0074】なお、本実施の形態2では第1の触媒電極
9の触媒として白金と金の合金、第2の触媒電極10の
触媒として白金とルテニウムの合金を用いたが、これは
センサの性能を最大限に引き出すための組み合わせであ
り、第1の触媒電極の触媒として白金、第2の触媒電極
の触媒として白金、または白金と他の貴金属の合金でも
原理的には動作可能である。従って、白金と金の合金や
白金とルテニウムの合金に何ら限定されない。
【0075】(実施の形態3)図6は本発明の一酸化炭
素検出器の実施の形態3の開閉弁、およびその近傍の構
成を説明するための断面図である。
【0076】本実施の形態3において、実施の形態1、
および実施の形態2と同一構成部分に関しては同一番号
を付して詳細な説明を省略し、異なる部分についてのみ
詳述する。
【0077】実施の形態1、および実施の形態2で説明
した一酸化炭素検出器では被検出ガスの圧力の変動によ
りケース12内部に封じられる圧力も変動しガス圧力を
計測して補正をかける事が必要である。
【0078】そこで本実施の形態3では、図6に示すよ
うに実施の形態1、および実施の形態2で述べた一酸化
炭素検出器(以下、一酸化炭素ガス検出部)のケース1
2の、底面に一定圧力以上で開く開閉弁29を設置し
た。開閉弁29はバネ30、シールゴム31、およびバ
ネホルダ32から構成され、所定圧力以上のガス圧が与
えられるとケース12のシール面33からシールゴム3
1が離れ開く構造になっている。
【0079】次に、本実施の形態3の一酸化炭素検出器
の動作を説明する。
【0080】まず、マイクロコンピュータは第3の電磁
弁26、および第4の電磁弁27を開け、30秒間加湿
空気を流す。加湿空気の流量は50cc/分とした。な
お、ここで30秒としたのは、本実施の形態3の一酸化
炭素検出器の配管やケース内のガスが流量50cc/分
の加湿空気で十分置換されるのに必要な時間である。従
って、流量やケース内の体積によって置換時間は異なる
ため、本実施の形態3の時間に何ら限定されるものでは
ない。
【0081】次に、マイクロコンピュータは第3の電磁
弁26、および第4の電磁弁27を閉じ、第1の電磁弁
14を開ける。ケース12内部には開閉弁29の所定圧
以上のガス圧がかかり開閉弁29は開く。被検出ガスは
第1の電磁弁14を通り、ケース12内部に導かれる。
第1の加圧板4の被検出ガスを第1の触媒電極9の白金
と金の合金からなる触媒に導く流路6aの入り口は第1
の電磁弁14の近傍に接しているので、第1の電磁弁1
4を開くと、被検出ガスが第1の加圧板4の流路6aを
流れることにより白金と金の合金からなる第1の触媒電
極9の近傍に拡散する。その後、被検出ガスは開閉弁2
9を通って排気される。
【0082】上記の動作から30秒経過し、配管やケー
ス12中のガスが被検出ガスに置換された後、マイクロ
コンピュータは第1の電磁弁を閉じる。第1の電磁弁1
4を閉じる事で開閉弁29はケース12の内圧が所定の
圧力に低下するまで開の状態で被検出ガスを排気し、所
定圧になると閉じる。これにより、ケース12内部の圧
力はケース内部に導入される被検出ガスの圧力に関わら
ず一定に保たれる。このケース12内部の圧力が一定に
保たれる事で圧力誤差のない高精度な一酸化炭素濃度計
測が可能となる。
【0083】なお、本実施の形態では開閉弁29にバネ
を用いた構成を用いたが、他の所定圧力以上で弁が開く
構成、例えば円錐形の重りがガス排出部の孔にはまりシ
ールをとり閉の状態とし、一定圧以上かかると重りが持
ち上がり開となるような構成でも適応可能である事は言
うまでもない。
【0084】以上の本実施の形態1、2、および3で述
べた具体的な材料名は、本発明の一酸化炭素検出器を構
成する上での一例であり、これらの材料に何ら限定され
るものではない。
【0085】以上により、簡単な構造でありながら応答
性能に優れる一酸化炭素検出器を実現することができ
る。また、被毒しても検出機能を回復することが可能な
一酸化炭素検出器も実現できる。
【0086】
【発明の効果】以上のように本発明は、水素イオン伝導
性を有する電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に接し
て配置される触媒を有する第1の触媒電極と、前記電解
質膜の他方の面に接して配置される触媒を有する第2の
触媒電極とから構成される検出素子と、前記検出素子周
囲に配置されるケースと、前記ケース内に被検出ガスを
供給する開閉機能を有するガス導入部と、前記ケース内
の被検出ガスを排出する開閉機能を有するガス排出部
と、前記第1の触媒電極と前記第2の触媒電極との間に
接続された直流電源と、前記被検出ガス中の一酸化炭素
ガスの濃度に応じて変化する前記第1の触媒電極と前記
第2の触媒電極間の電流値を検出する電流検出手段とを
備え、前記ガス導入部と前記ガス排出部を開け被検出ガ
スを前記ケース内部に導入した後、前記ガス導入部と前
記ガス排出部を閉じ前記直流電源を投入して前記第1の
触媒電極と前記第2の触媒電極間の電流値を検出する動
作手順を実行することにより、応答性の速い一酸化炭素
検出器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一酸化炭素検出器の実施の形態1の概
略構成を示す断面図
【図2】同検出器の検出部を白抜き矢印Aから見た分解
斜視図
【図3】同検出器の出力電流特性図
【図4】本発明の一酸化炭素検出器の実施の形態2の概
略構成を示す断面図
【図5】同検出器の出力電流特性図
【図6】本発明の一酸化炭素検出器の実施の形態3にお
ける開閉弁、およびその近傍の概略構成を示す断面図
【図7】従来の一酸化炭素検出器の概略構成を示す断面
【図8】同検出器の出力電位差特性図
【符号の説明】
1 素子 2 金属電極 3 絶縁シール用ゴム 4 第1の加圧板 5 第2の加圧板 6a、6b 流路 7 検出部 8 電解質膜 9 第1の触媒電極 10 第2の触媒電極 11 シール用ゴム 12 ケース 13 接続部 14 第1の電磁弁 15 第2の電磁弁 16 ゴム板 17 窪み 18 蓋 19 Oリング 20 シール部 21 端子 22 端子取出し孔 23 直流電源 24 電流計 25 貫通孔 26 第3の電磁弁 27 第4の電磁弁 28 電圧計 29 開閉弁 30 バネ 31 シールゴム 32 バネホルダ 33 シール面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊田 隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 ZA04 5H027 AA06 BA17 KK31

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素イオン伝導性を有する電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の面に接して配置される触媒を有す
    る第1の触媒電極と、前記電解質膜の他方の面に接して
    配置される触媒を有する第2の触媒電極とから構成され
    る素子と、前記素子周囲に配置されるケースと、前記ケ
    ース内に被検出ガスを供給する開閉機能を有するガス導
    入部と、前記ケース内の被検出ガスを排出する開閉機能
    を有するガス排出部と、前記第1の触媒電極と前記第2
    の触媒電極との間に接続された直流電源と、前記被検出
    ガス中の一酸化炭素ガスの濃度に応じて変化する前記第
    1の触媒電極と前記第2の触媒電極間の電流値を検出す
    る電流検出手段と、前記ガス導入部と前記ガス排出部を
    開け被検出ガスを前記ケース内部に導入した後、前記ガ
    ス導入部と前記ガス排出部を閉じ前記直流電源を投入し
    前記第1の触媒電極と前記第2の触媒電極間の電流値を
    検出する動作手順を実行する制御手段を備えた一酸化炭
    素検出器。
  2. 【請求項2】 カーボンクロス上に触媒が担持させたカ
    ーボン粉を固着した第1の触媒電極と第2の触媒電極の
    それぞれの外側に少なくとも1ヶ所以上の貫通孔を有す
    るように加工された金属製の平板状の金属電極が配置さ
    れ、前記2つの金属電極により前記電解質膜、前記第1
    の触媒電極と前記第2の触媒電極を挟持するように固定
    した請求項1に記載の一酸化炭素検出器。
  3. 【請求項3】 2つの金属電極の表面は平滑に加工さ
    れ、かつ金メッキ層が形成された請求項2に記載の一酸
    化炭素検出器。
  4. 【請求項4】 第1の触媒電極の触媒が白金および金の
    合金からなり、かつ前記第1の触媒電極は前記直流電源
    の正極に接続された請求項1に記載の一酸化炭素検出
    器。
  5. 【請求項5】 第2の触媒電極の触媒が白金または白金
    とルテニウムからなる合金からなり、かつ前記第2の触
    媒電極は直流電源の負極に接続された請求項1に記載の
    一酸化炭素検出器。
  6. 【請求項6】 ケースに空気を導入する開閉機能を有す
    る空気導入部と空気を排出する開閉機能を有する空気排
    出部を設けた請求項1に記載の一酸化炭素検出器。
  7. 【請求項7】 ガス供給部とガス排出部を開として被検
    出ガスをケース内に既定時間導入し、ガス供給部とガス
    排出部を閉として直流電源を投入し既定時間電流値を検
    出した後、空気供給部と空気排出部を開として空気をケ
    ース内に導入する動作手順を実行する制御手段を有する
    請求項6に記載の一酸化炭素検出器。
  8. 【請求項8】 ケース内に空気を導入する際、直流電源
    を遮断するとともに、正極および負極に接続された電圧
    検出手段により電圧の変化速度を求め、前記電圧の変化
    速度が負になった時にガス供給部とガス排出部を開とし
    てケース内に被検出ガスを導入する動作手順を実行する
    制御手段を有する請求項7に記載の一酸化炭素検出器。
  9. 【請求項9】 非動作時にはガス供給部、ガス排出部、
    空気供給部、および空気排出部を閉じる動作手順を実行
    する制御手段を有する請求項6に記載の一酸化炭素検出
    器。
  10. 【請求項10】 ケース底面に水を確保するための窪み
    を有する請求項1または6に記載の一酸化炭素検出器。
  11. 【請求項11】 ガス排出部、または空気排出部の少な
    くとも1つはケースの底面に設置された請求項1または
    6に記載の一酸化炭素検出器。
  12. 【請求項12】 ガス排出部は所定ガス圧力以上で開く
    構成を有する請求項1に記載の一酸化炭素検出器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002063289A1 (fr) * 2001-02-02 2002-08-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Detecteur de densite gazeuse et dispositif de pile a combustible utilisant ledit detecteur

Cited By (1)

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WO2002063289A1 (fr) * 2001-02-02 2002-08-15 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Detecteur de densite gazeuse et dispositif de pile a combustible utilisant ledit detecteur

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