JP2002081632A - 溶融メタル出湯口の緊急遮断装置 - Google Patents

溶融メタル出湯口の緊急遮断装置

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JP2002081632A JP2000269845A JP2000269845A JP2002081632A JP 2002081632 A JP2002081632 A JP 2002081632A JP 2000269845 A JP2000269845 A JP 2000269845A JP 2000269845 A JP2000269845 A JP 2000269845A JP 2002081632 A JP2002081632 A JP 2002081632A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融メタルの出湯中に不測の事態によって、
溶融メタルの水砕・冷却に必要な水量を確保できないと
きや溶融メタル出湯口を自動で閉塞するマッド充填装置
を使用できないときに、溶融メタルの出湯を強制的に停
止させることができるようにする。 【解決手段】 炉底に溜まった溶融メタルMを炉壁に設
けた溶融メタル出湯口2から抜き出して冷却水Wにより
水砕するようにした溶融炉1の溶融メタル出湯口2の出
口側に設けた緊急遮断装置Aであって、当該緊急遮断装
置Aは、溶融メタル出湯口2の出口側に昇降自在に配設
され、溶融メタル出湯口2から出湯された溶融メタルM
が排出されるメタル排出路5aを開閉するゲート12
と、ゲート12を磁力により上方位置に保持してメタル
排出路5aを開放する電磁石13とを備えたメタル遮断
ゲートA1から成り、電磁石13の励磁状態が解除され
ることによって、ゲート12が自重により下降してメタ
ル排出路5aを閉塞するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみや産業廃
棄物等の焼却炉から排出された焼却残渣や飛灰等の被溶
融物を溶融処理すると共に、炉底に溜まった溶融メタル
を炉壁に設けた溶融メタル出湯口(タップホール)から
抜き出して冷却水により水砕するようにした溶融炉に用
いられるものであり、溶融メタルの出湯中に不測の事態
によって、溶融メタルの水砕・冷却に必要な水量を確保
できないときや溶融メタル出湯口を自動で閉塞するマッ
ド充填装置を使用できないときに、溶融メタルの出湯を
強制的に停止させることができるようにした溶融メタル
出湯口の緊急遮断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ごみ等の焼却炉から排出され
る焼却残渣や飛灰(以下被溶融物と云う)の減容化及び
無害化を図る為、被溶融物の溶融固化処理法が注目さ
れ、現実に実用に供されている。何故なら、被溶融物は
溶融固化することにより、その容積を1/2〜1/3に
減らすことができると共に、重金属等の有害物質の溶出
防止や溶融スラグの再利用、最終埋立て処分場の延命等
が可能になるからである。
【0003】而して、前記被溶融物の溶融固化処理方法
には、プラズマ溶融炉やアーク溶融炉、電気抵抗炉等の
電気式溶融炉を使用し、電気エネルギーによって被溶融
物を溶融した後、これを水冷若しくは空冷により固化す
る方法と、表面溶融炉や旋回溶融炉、コークスベッド炉
等の燃焼式溶融炉を使用し、燃料の燃焼エネルギーによ
って被溶融物を溶融した後、これを水冷若しくは空冷に
より固化する方法とが多く利用されて居り、ごみ焼却処
理設備に発電設備が併置されている場合には、前者の電
気エネルギーを用いる方法が、又、発電設備が併置され
ていない場合には、後者の燃焼エネルギーを用いる方法
が夫々多く採用されている。
【0004】図4はごみ焼却処理設備に併置した電気式
溶融炉の一例を示すものであり、図4に於いて、20は
溶融炉、21は溶融炉20の炉壁に形成した溶融メタル
出湯口(タップホール)、22は溶融メタル出湯口21
に連続して設けられた下り傾斜状のメタル出湯樋、23
はメタル出湯樋22に接続された冷却水Wを貯留する冷
却水槽、24は冷却水槽23に設けられ、メタル出湯樋
22から冷却水槽23内に落下する溶融メタルMへ冷却
水Wを噴射して溶融メタルMを水砕・冷却するメタル水
砕ノズル、25はメタル水砕ノズル24及び冷却水槽2
3へ冷却水Wを供給する水砕水ポンプ、26は冷却水槽
23に配設された水封式コンベヤ、27は溶融メタル出
湯口21内に充填した粘土等のマッド材を掘削除去して
溶融メタル出湯口21を開孔する開孔機を搭載している
と共に、開孔した溶融メタル出湯口21に粘土等のマッ
ド材を充填して溶融メタル出湯口21を閉塞するマッド
充填装置である。
【0005】前記溶融炉20内へ供給された被溶融物
は、電気エネルギーにより溶融点を越える温度にまで加
熱され、高温液体状の溶融物となる。この溶融物は、被
溶融物中に鉄を始めとする金属類やシリカを始めとする
スラグ成分が多く含まれているため、比重差によって上
方に位置する溶融スラグSと溶融スラグSの下方に位置
して炉底に溜まる溶融メタルMとに分離される。
【0006】前記溶融スラグSは、溶融炉20の炉壁に
設けた溶融スラグ流出口(図示省略)から連続的に溢れ
出し、冷却水を満したスラグ冷却水槽(図示省略)内へ
落下して水砕スラグとなった後、水封式のスラグ搬出コ
ンベア(図示省略)により排出される。一方、溶融メタ
ルMは、溶融炉20の運転時間の経過と共に順次炉底に
残留・堆積し、溶融メタルMの液面が上昇してその厚さ
が増加することになる。この溶融メタルMの液面が上昇
すると、様々な問題が生じることになる。例えば、溶融
メタルMの液面が上昇して溶融スラグSのオーバーフロ
ーレベルまで達すると、溶融スラグSに溶融メタルMが
混合して排出されることがあり、この場合にはスラグの
品質が低下する等の問題が発生する。
【0007】その為、従来の溶融炉20に於いては、溶
融炉20の炉壁下部に設けた溶融メタル出湯口21を間
欠的に開孔し、ここから溶融メタルMを抜き出して溶融
メタルMの層の厚さが所定の厚さを超えないようにして
いる。又、溶融炉20の運転を停止する際にも、溶融メ
タルM等が炉内で冷却固化してしまうのを防止するた
め、溶融炉20の炉壁下部に設けた溶融メタル出湯口2
1を開孔して溶融メタルM等を抜き出し、溶融炉20内
を空の状態にするようにしている。
【0008】而して、溶融炉20の炉底に溜まった溶融
メタルMを抜き出すには、マッド充填装置27に搭載し
た開孔機により溶融メタル出湯口21内に充填している
マッド材を掘削除去して溶融メタル出湯口21を開孔す
る。これにより、溶融炉20の炉底に溜まっている溶融
メタルMは、溶融メタル出湯口21を通ってメタル出湯
樋22へ出湯される。出湯された溶融メタルMは、メタ
ル出湯樋22内を流下してメタル出湯樋22から冷却水
槽23内に落下し、メタル水砕ノズル24から噴射され
る冷却水Wにより水砕・冷却された後、冷却水槽23内
で完全冷却されて水封式コンベヤ26により搬出され
る。一方、溶融メタルMの抜き出しが完了すると、マッ
ド充填装置27により開孔された溶融メタル出湯口21
内にマッド材が充填され、溶融メタル出湯口21が閉塞
される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の溶融
炉20に於いては、マッド充填装置27によりマッド材
を溶融メタル出湯口21内に充填することによって、強
制的に溶融メタルMの出湯を停止させるようにしていた
が、この場合には次のような問題があった。即ち、溶融
メタルMの出湯中に停電した場合、水砕水ポンプ25が
停止して冷却水Wを供給できなくなるため、冷却水槽2
3内の冷却水Wの温度が上昇し、水蒸気爆発を引き起こ
す危険があった。然も、マッド充填装置27も使用でき
なくなるため、溶融メタルMの出湯を強制的に停止させ
ることができず、溶融メタルMが引き続き冷却水槽23
内に落下し、危険性が増すことになる。又、停電時以外
であっても、マッド充填装置27が故障した場合、溶融
メタルMの出湯を強制的に停止させることができないと
云う問題がある。
【0010】本発明は、このような問題点に鑑みて為さ
れたものであり、その目的は溶融メタルの出湯中に不測
の事態によって、溶融メタルの水砕・冷却に必要な水量
を確保できないときや溶融メタル出湯口を自動で閉塞す
るマッド充填装置を使用できないときに、溶融メタルの
出湯を強制的に停止させることができるようにした溶融
メタル出湯口の緊急遮断装置を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為
に、本発明の請求項1の発明は、炉底に溜まった溶融メ
タルを炉壁に設けた溶融メタル出湯口から抜き出して冷
却水により水砕するようにした溶融炉の溶融メタル出湯
口出口側に設けた緊急遮断装置であって、当該緊急遮断
装置は、溶融メタル出湯口の出口側に昇降自在に配設さ
れ、溶融メタル出湯口から出湯された溶融メタルが排出
されるメタル排出路を開閉するゲートと、ゲートを磁力
により上方位置に保持してメタル排出路を開放する電磁
石とを備えたメタル遮断ゲートから成り、電磁石の励磁
状態が解除されることによって、ゲートが自重により下
降してメタル排出路を閉塞するように構成されているこ
とに特徴がある。
【0012】本発明の請求項2の発明は、メタル遮断ゲ
ートが、下方が開放されたゲートカバーと、ゲートカバ
ー内に昇降自在に収納され、メタル排出路を開閉するゲ
ートと、ゲートを磁力により上方位置に保持してメタル
排出路を開放する電磁石と、ゲートカバーとゲートとの
間に収納された冷却効果のある充填材とを備えており、
ゲートの下降に伴ってゲートカバー内の充填材がゲート
の上流側位置に放出され、放出された充填材によりゲー
トとメタル排出路との隙間から溶融メタルが漏れるのを
防止すると共に、塞き止められたメタル排出路内の溶融
メタルを冷却するように構成されていることに特徴があ
る。
【0013】本発明の請求項3の発明は、緊急遮断装置
が、溶融メタル出湯口の出口側に配設された複数のメタ
ル遮断ゲートから成り、各メタル遮断ゲートのゲートが
メタル排出路を閉塞するように構成されていることに特
徴がある。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態
に係る緊急遮断装置Aを設けた溶融炉1を示し、当該溶
融炉1は、炉底に溜まった溶融メタルMを炉壁下部に設
けた溶融メタル出湯口2(タップホール)から抜き出し
て冷却水Wにより水砕するようにしたものであり、溶融
メタル出湯口2の出口側に駆動方式の異なるメタル遮断
ゲートA1,A2を併設したものである。
【0015】前記溶融炉1は、都市ごみや産業廃棄物等
の焼却炉から排出された焼却残渣や飛灰等の被溶融物を
電気エネルギーにより溶融処理するものであり、従来公
知のものと同様構造に構成されている。この溶融炉1の
炉壁には、焼却残渣や飛灰等の被溶融物を炉内へ供給す
るための被溶融物供給口(図示省略)と、炉内の溶融ス
ラグSをオーバーフローさせるための溶融スラグ流出口
(図示省略)と、炉底に溜まった溶融メタルMを抜き出
すための溶融メタル出湯口2(タップホール)とが夫々
設けられている。
【0016】而して、前記溶融炉1に於いては、溶融メ
タルMの液面が設定値に達したときや溶融炉1の運転を
停止したときにマッド充填装置3に搭載した開孔機によ
り溶融メタル出湯口2を開孔し、炉底に溜まった溶融メ
タルMを抜き出すようにしている。又、溶融メタルMの
抜き出しが終了すると、マッド充填装置3により溶融メ
タル出湯口2を閉塞するようにしている。
【0017】前記マッド充填装置3は、溶融炉1の近傍
に設けたフレーム4に支持されて溶融炉1の溶融メタル
出湯口2に対向するように配置されており、溶融メタル
Mの液面が設定値に達したときや溶融炉1の運転を停止
したときに溶融メタル出湯口2を開孔すると共に、溶融
メタルMの抜き出しを終了したときに溶融メタル出湯口
2を閉塞するものである。このマッド充填装置3は、溶
融メタル出湯口2内に充填した粘土等のマッド材を掘削
除去して溶融メタル出湯口2を開孔する開孔機を搭載し
ていると共に、開孔した溶融メタル出湯口2に粘土等の
マッド材を充填して溶融メタル出湯口2を閉塞するマッ
ドガンを備えており、従来公知のものと同様構造に構成
されている。
【0018】前記溶融炉1の溶融メタル出湯口2の下方
には、溶融メタル出湯口2から出湯された溶融メタルM
を円滑に下方へ流下させるための下り傾斜状のメタル出
湯樋5が溶融メタル出湯口2に連続する状態で設けられ
ている。このメタル出湯樋5は、断面形状が凹状の鋼板
製のシュートに耐火物を内張りすることにより形成され
ており、凹状の部分が溶融メタルMのメタル排出路5a
となっている。又、メタル出湯樋5の下方位置には、所
定量の冷却水Wを貯留した冷却水槽6が設けられてい
る。この冷却水槽6には、メタル出湯樋5から冷却水槽
6内に落下する溶融メタルMへ冷却水Wを噴射して溶融
メタルMを水砕・冷却するメタル水砕ノズル7と、水砕
・冷却されて固化したメタルを搬出する水封式コンベヤ
8とが夫々設けられており、これらは何れも従来公知の
ものと同様構造に構成されている。更に、メタル水砕ノ
ズル7には、メタル水砕ノズル7及び冷却水槽6へ冷却
水Wを供給する水砕水ポンプ9が冷却水供給管10を介
して接続されている。
【0019】そして、本発明の実施の形態に係る緊急遮
断装置Aは、メタル出湯樋5のメタル排出路5aを開閉
する駆動方式が電磁石方式のメタル遮断ゲートA1と、
溶融メタル出湯口2の出口側を開閉する駆動方式がシリ
ンダ方式のメタル遮断ゲートA2とから成り、溶融メタ
ルMの出湯中に不測の事態によって、溶融メタルMの水
砕・冷却に必要な水量を確保できないときや溶融メタル
出湯口2を自動で閉塞するマッド充填装置3を使用でき
ないときに、溶融メタルMの出湯を強制的に停止させる
ものである。
【0020】具体的には、電磁石方式のメタル遮断ゲー
トA1は、図1及び図2に示す如く、フレーム4に支持
されてメタル出湯樋5の上方位置に配置された下方が開
放状態の鋼板製のゲートカバー11と、ゲートカバー1
1内に昇降自在に収納され、メタル排出路5aを開閉す
る鋼材製のゲート12と、ゲートカバー11の上端部に
設けられ、ゲート12を磁気力により上方位置に保持し
てメタル排出路5aを開放する電磁石13と、ゲートカ
バー11とゲート12との間に収納された冷却効果のあ
る多数の鋼球製の充填材14とから成り、電磁石13の
励磁状態が解除されることによって、ゲート12が自重
により下降してメタル排出路5aを閉塞するように構成
されている。又、このメタル遮断ゲートA1は、ゲート
12の下降に伴ってゲートカバー11内の充填材14が
ゲートカバー11の下端部に形成した放出口11aから
ゲート11の上流側位置に放出され、放出された充填材
14によりゲート11とメタル排出路5aとの隙間から
溶融メタルMが漏れるのを防止すると共に、メタル排出
路5a内の溶融メタルMを冷却するように構成されてい
る。
【0021】一方、シリンダ方式のメタル遮断ゲートA
2は、図1及び図2に示す如く、溶融メタル出湯口2の
出口側上方位置に配置されたガイドレール15と、ガイ
ドレール15に昇降自在に支持され、溶融メタル出湯口
2の出口側を開閉する鋼材製のゲート16と、ガイドレ
ール15の上方位置に設けられ、ゲート16を昇降させ
るエアシリンダ17とから成り、エアシリンダ17に作
動流体を供給する作動流体供給管(図示省略)に介設し
た電磁弁(図示省略)の励磁状態が解除されることによ
って、ゲート16が自重により下降して溶融メタル出湯
口2の出口側を閉塞するように構成されている。
【0022】而して、上述した緊急遮断装置Aを設けた
溶融炉1に於いて、溶融炉1内へ供給された焼却残渣や
飛灰等の被溶融物は、電気エネルギーにより溶融点を越
える温度にまで加熱され、高温液体状の溶融物となる。
この溶融物は、被溶融物中に鉄を始めとする金属類やシ
リカを始めとするスラグ成分が多く含まれているため、
比重差によって上方に位置する溶融スラグSと溶融スラ
グSの下方に位置して炉底に溜まる溶融メタルMとに分
離される。
【0023】分離された溶融スラグSは、溶融炉1の炉
壁に設けた溶融スラグ流出口(図示省略)から連続的に
溢れ出し、水を満したスラグ冷却水槽6(図示省略)内
へ落下して水砕スラグとなった後、水封式のスラグ搬出
コンベヤ8(図示省略)により排出される。
【0024】一方、溶融メタルMは、溶融炉1の運転時
間の経過と共に順次炉底に残留・堆積し、溶融メタルM
の液面が上昇してその厚さが増加することになる。この
溶融メタルMの液面が上昇すると、様々な問題を生じる
ため、溶融メタル出湯口2を開孔して溶融メタルMを抜
き出す。又、溶融炉1の運転を停止する際にも、溶融メ
タル出湯口2を開孔して炉底に溜まった溶融メタルMを
抜き出す。
【0025】而して、溶融炉1の炉底に溜まった溶融メ
タルMを抜き出すには、マッド充填装置3に搭載した開
孔機により溶融メタル出湯口2内に充填しているマッド
材を掘削除去して溶融メタル出湯口2を開孔する。これ
により、溶融炉1の炉底に溜まっている溶融メタルM
は、溶融メタル出湯口2を通ってメタル出湯樋5へ出湯
される。このとき、各メタル遮断ゲートA1,A2のゲ
ート12,16は、電磁石13及びエアシリンダ17に
より上方ヘ持ち上げられてメタル出湯樋5のメタル排出
路5aを開放状態にしている。出湯された溶融メタルM
は、メタル出湯樋5内を流下してメタル出湯樋5から冷
却水槽6内に落下し、メタル水砕ノズル7から噴射され
る冷却水Wにより水砕・冷却された後、冷却水槽6内で
完全冷却されて水封式コンベヤ8により搬出される。溶
融メタルMの抜き出しが完了すると、マッド充填装置3
により開孔された溶融メタル出湯口2内にマッド材が充
填され、溶融メタル出湯口2が閉塞される。
【0026】ところで、緊急遮断装置Aを設けた溶融炉
1に於いては、溶融メタルMの出湯中に停電が発生した
場合、電磁石方式のメタル遮断ゲートA1の電磁石13
とシリンダ方式のメタル遮断ゲートA2の電磁弁の励磁
状態が解除される。即ち、電磁石方式のメタル遮断ゲー
トA1の電磁石13の励磁状態が解除されると、ゲート
12が自重により下降してメタル排出路5aを閉塞する
と共に、ゲート12の下降に伴ってゲートカバー11内
の充填材14がゲートカバー11の放出口11aからゲ
ート12の上流側位置で且つメタル排出路5a内に放出
される。メタル排出路5a内に放出された充填材14
は、ゲート12とメタル排出路5aとの隙間から溶融メ
タルMが漏れるのを防止すると共に、塞き止められたメ
タル排出路5a内の溶融メタルMを冷却する。特に、こ
の充填材14は、図3に示す如く、固化したメタルM′
により底面に凹凸が生じているメタル出湯樋5とゲート
12の下端面との間に生じる隙間を埋めて溶融メタルM
が漏れるのを防止する。又、シリンダ方式のメタル遮断
ゲートA2の電磁弁の励磁状態が解除されると、ゲート
16が自重により下降して溶融メタル出湯口2の出口側
を閉塞する。従って、緊急遮断装置Aを設けた溶融炉1
に於いては、各メタル遮断ゲートA1,A2が作動する
ことによりメタル排出路5a及び溶融メタル出湯口2の
出口側を閉塞し、溶融メタルMの出湯を確実に停止させ
ることができる。
【0027】一方、溶融メタルMの出湯中にマッド充填
装置3が故障して使用できなくなった場合でも、作業員
が手動操作によって電磁石方式のメタル遮断ゲートA1
の電磁石13とシリンダ方式のメタル遮断ゲートA2の
電磁弁の励磁状態を解除することにより、各ゲート1
2,16が下降してメタル排出路5a及び溶融メタル出
湯口2の出口側を閉塞し、溶融メタルMの出湯を確実に
停止させることができる。
【0028】このように、緊急遮断装置Aを設けた溶融
炉1に於いては、溶融メタルMの出湯中に停電が発生し
て溶融メタルMの水砕・冷却に必要な水量を確保できな
い場合でも、メタル遮断ゲートA1,A2により溶融メ
タルMの出湯を確実に停止させることができるため、水
蒸気爆発の危険を確実に回避することができる。又、停
電時以外にマッド充填装置3が故障して溶融メタル出湯
口2を閉塞できない場合でも、メタル遮断ゲートA1,
A2により溶融メタルMの出湯を強制的に停止させるこ
とができる。
【0029】尚、上記実施の形態に於いては、電磁石方
式のメタル遮断ゲートA1の上流側位置にシリンダ方式
のメタル遮断ゲートA2を設け、このメタル遮断ゲート
A2のゲート16をエアシリンダ17により上方ヘ持ち
上げるようにしたが、他の実施の形態に於いては、上流
側のメタル遮断ゲートA2のゲート16を電磁石13に
より上方ヘ持ち上げるようにしても良い。
【0030】又、上記実施の形態に於いては、電磁石方
式のメタル遮断ゲートA1とシリンダ方式のメタル遮断
ゲートA2を併設して溶融メタルMの出湯を停止させる
ようにしたが、他の実施の形態に於いては、電磁石方式
のメタル遮断ゲートA1のみで溶融メタルMの出湯を停
止させるようにしても良く、或いは電磁石式のメタル遮
断ゲートA1の上流側位置及び下流側位置の両方に別の
メタル遮断ゲート(図示省略)を夫々設けて溶融メタル
Mの出湯を停止させるようにしても良い。
【0031】更に、上記実施の形態に於いては、溶融メ
タルMを水砕するようにした溶融炉1に緊急遮断装置A
を設けるようにしたが、他の実施の形態に於いては、溶
融メタルMを空冷するようにした溶融炉(図示省略)に
緊急遮断装置Aを設けるようにしても良い。この場合に
も、溶融メタルMを水砕する場合と同様の効果が得られ
る。
【0032】
【発明の効果】上述の通り、本発明の請求項1の発明
は、溶融メタル出湯口の出口側に電磁石方式のメタル遮
断ゲートを設け、電磁石の励磁状態が解除されることに
よって、ゲートが自重により下降してメタル排出路を閉
塞するようにしているため、溶融メタルの出湯中に停電
した場合に溶融メタルの出湯を強制的に停止させること
ができる。その結果、溶融メタルの出湯中に停電して溶
融メタルの水砕・冷却に必要な水量を確保できない場合
でも、メタル遮断装置により溶融メタルの出湯を確実に
停止させることができるため、水蒸気爆発の危険を確実
に回避することができる。又、停電時以外にマッド充填
装置が故障して溶融メタル出湯口を閉塞できない場合で
も、メタル遮断ゲートにより溶融メタルの出湯を強制的
に停止させることができるので至極便利である。然も、
メタル遮断ゲートは、ゲートが下降してメタル排出路を
閉塞するようにしているため、短時間で溶融メタルの出
湯を停止させることができる。
【0033】本発明の請求項2及び請求項3の発明は、
上記効果に加えて更に次のような効果を奏することがで
きる。即ち、本発明の請求項2の発明は、ゲートの下降
に伴ってゲートの上流側位置に冷却効果のある充填材が
放出されるようにしているため、放出された充填材によ
りゲートとメタル排出路との隙間から溶融メタルが漏れ
るのを防止することができると共に、塞き止められたメ
タル排出路内の溶融メタルを冷却することができる。そ
の結果、溶融メタルの出湯をより確実に停止させること
ができる。又、本発明の請求項3の発明は、溶融メタル
出湯口の出口側に複数のメタル遮断ゲートを配設し、各
メタル遮断ゲートのゲートがメタル排出路を閉塞するよ
うにしているため、溶融メタルの出湯をより確実に停止
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に実施の形態に係る緊急遮断装置を設け
た溶融炉の概略縦断面図である。
【図2】本発明に実施の形態に係る緊急遮断装置を示
し、(A)はメタル遮断ゲートの開放状態を示し、
(B)はメタル遮断ゲートの閉塞状態を示す概略縦断面
図である。
【図3】図2(B)のI−I線断面図である。
【図4】従前の溶融炉の概略縦断面図である。
【符号の簡単な説明】
Aは緊急遮断装置、A1,A2はメタル遮断ゲート、M
は溶融メタル、Wは冷却水、1は溶融炉、2は溶融メタ
ル出湯口、5aはメタル排出路、11はゲートカバー、
12はゲート、13は電磁石、14は充填材、16はゲ
ート、17はエアシリンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K061 DB19 DB20 NB02 NB13 NB15 NB23 NB27 4K045 AA04 CA10 RC12 4K055 AA05 JA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉底に溜まった溶融メタルを炉壁に設け
    た溶融メタル出湯口から抜き出して冷却水により水砕す
    るようにした溶融炉の溶融メタル出湯口出口側に設けた
    緊急遮断装置であって、当該緊急遮断装置は、溶融メタ
    ル出湯口の出口側に昇降自在に配設され、溶融メタル出
    湯口から出湯された溶融メタルが排出されるメタル排出
    路を開閉するゲートと、ゲートを磁力により上方位置に
    保持してメタル排出路を開放する電磁石とを備えたメタ
    ル遮断ゲートから成り、電磁石の励磁状態が解除される
    ことによって、ゲートが自重により下降してメタル排出
    路を閉塞するように構成されていることを特徴とする溶
    融メタル出湯口の緊急遮断装置。
  2. 【請求項2】 メタル遮断ゲートが、下方が開放された
    ゲートカバーと、ゲートカバー内に昇降自在に収納さ
    れ、メタル排出路を開閉するゲートと、ゲートを磁力に
    より上方位置に保持してメタル排出路を開放する電磁石
    と、ゲートカバーとゲートとの間に収納された冷却効果
    のある充填材とを備えており、ゲートの下降に伴ってゲ
    ートカバー内の充填材がゲートの上流側位置に放出さ
    れ、放出された充填材によりゲートとメタル排出路との
    隙間から溶融メタルが漏れるのを防止すると共に、塞き
    止められたメタル排出路内の溶融メタルを冷却するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の溶
    融メタル出湯口の緊急遮断装置。
  3. 【請求項3】 緊急遮断装置が、溶融メタル出湯口の出
    口側に配設された複数のメタル遮断ゲートから成り、各
    メタル遮断ゲートのゲートがメタル排出路を閉塞するよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の溶融メタル出湯口の緊急遮断装置。
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