JP2002081496A - すべり免震装置 - Google Patents

すべり免震装置

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JP2002081496A
JP2002081496A JP2000272793A JP2000272793A JP2002081496A JP 2002081496 A JP2002081496 A JP 2002081496A JP 2000272793 A JP2000272793 A JP 2000272793A JP 2000272793 A JP2000272793 A JP 2000272793A JP 2002081496 A JP2002081496 A JP 2002081496A
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Kazuo Hirose
和夫 廣瀬
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期特性に優れるとともに、その初期特性を
長期間安定して得られる。 【解決手段】 下部躯体と上部躯体との間に配設される
すべり支承を備えてなるすべり免震装置であって、上記
すべり支承は、平滑板とすべり材とが相互にそれぞれの
摺接面を接触して配設され、上記すべり材がPTFE系
樹脂複合材からなり、少なくとも上記平滑板のすべり材
との摺接面に滑剤が付着され、かつその摺接面の外周縁
に解放端を有しない凹部が形成されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はすべり免震装置に関
し、特にビル、タワー等の高層構造体から一戸建てなど
の低層構造体に至る建築構造体、道路、鉄道などの橋粱
に至る土木構造体を支持し、地震外力を低減するすべり
免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】免震とは、建物に加わる地震力を何らか
の方法で減少させることである。基礎と建物との間に何
らかの装置を入れて、建物への地震入力の減少を図る基
礎絶縁型が免震装置あるいは免震工法の主流となってい
る。例えばすべり支承と水平ばねとの組み合わせによる
すべり免震装置がある。これは、すべり支承の基礎フー
チングに樹脂製すべり板などのすべり材を貼り、その板
と柱に取り付けられた金属板とを相互にすべらせるもの
である。すなわち、地震による地盤の水平振動に対して
建物がすべることにより、すべり面に働く摩擦力以上の
力を建物に作用させるというものであり、建物の位置が
大きく移動しないように水平ばねにより移動範囲を規制
するものである。したがって、上記すべり材の摩擦係数
が小さいほど免震効果が大きく、確実に免震効果を発揮
するためには安定して小さい摩擦係数が必要とされる。
【0003】そのため、すべり材には摩擦係数の小さい
四フッ化エチレン(以下PTFEと略称する)樹脂など
のフッ素系の材料を用いることが多い。また、より小さ
い摩擦係数によって、大きい免震効果を得るため、相手
材となる平滑板の摺接面に反応基を有するフッ素系ある
いはポリシロキサン系化合物からなる被膜を採用するこ
とが知られている(特許第2629011号)。また、
すべり材表面に凹部を設け、この凹部にゲル状潤滑剤を
封入するとともに、凹部周囲に同潤滑剤を塗布してなる
すべり支承が知られている(実公平6−40243
号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、平滑板
の摺接面に形成される反応基を有するフッ素系あるいは
ポリシロキサン系化合物からなる被膜は、耐久性が十分
でないという問題がある。また、すべり材表面に設けら
れた凹部にゲル状潤滑剤を封入・塗布する場合、初期の
摩擦係数を下げることはできても、ゲル状潤滑剤自身の
経時的な劣化があり、また、凹部の形状によっては、潤
滑剤自身が潤滑面より排出されてしまい、やはり耐久性
が十分でないという問題がある。さらに、PTFE樹脂
すべり材と金属板とで構成したすべり支承を備えたすべ
り免震装置の免震効果は、ごく初期の摩擦係数が大きい
ため地震発生初期段階において安定しないという問題が
ある。
【0005】本発明は、このような問題に対処するため
になされたもので、初期特性に優れるとともに、その初
期特性を長期間安定して得られるすべり免震装置を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は下部躯体と上部
躯体との間に配設されるすべり支承を備えてなるすべり
免震装置であって、上記すべり支承は、平滑板とすべり
材とが相互にそれぞれの摺接面を接触して配設され、上
記すべり材がPTFE系樹脂複合材からなり、少なくと
も上記平滑板の摺接面に滑剤が付着されてなることを特
徴とする。また、上記すべり材の摺接面は、外周縁に解
放端を有しない凹部が形成されてなることを特徴とす
る。
【0007】また、上記凹部部分の投影面積がすべり材
の摺接面の表面積に対して 5〜40%であることを特徴と
する。また、上記PTFE系樹脂複合材は、PTFE系
樹脂に、繊維状配合剤、樹脂粉末および無機化合物粉末
から選ばれた少なくとも一つの配合剤が配合されてなる
ことを特徴とする。また、滑剤は、炭化水素系滑剤、高
級脂肪酸系滑剤、アミド系滑剤、エステル系滑剤、高級
アルコール系滑剤および金属石鹸系滑剤から選ばれた少
なくとも一つの滑剤であることを特徴とする。
【0008】地震発生初期段階において摩擦係数が大き
い原因につき研究したところ、PTFE系樹脂は、摺動
開始ごく初期の段階はすべり方向に容易に配向しないこ
とが分かった。PTFE系樹脂が小さい摩擦係数を示す
のは、すべり方向に容易に配向することと、相手面にP
TFE系樹脂の一部が転移して膜を形成し、PTFE系
樹脂同士のすべりとなること等が原因であるので、摺動
開始ごく初期の段階での摩擦係数を低下させることがで
き、その特性を維持できればよいことが分かった。本発
明は、初期の摩擦係数を低下させるとともに、経時的に
その特性を維持する方法につき研究した結果得られたも
のである。
【0009】少なくともすべり支承を構成する平滑板の
すべり材との摺接面に、固体または粉末状の滑剤を付着
することにより、潤滑グリースや潤滑油などの液状物と
異なり、大気の水分やガスを吸収して経時的に劣化しな
い。また、べと付きによる摺接面側への砂塵や異物の吸
着を防ぐ。その結果、耐久性に優れ、すべり免震装置の
初期特性を長期間安定して維持できる。また、すべり材
の摺接面の外周縁に解放端を有しない凹部を形成するこ
とにより、特に該凹部が相互に連通して摺接面に複数個
形成することにより、平滑板の摺接面に塗布される滑剤
が凹部に取り込まれ、摺接面から排出されにくくなる。
また、あらゆる方向にすべりが発生しても、潤滑特性に
差が生じない。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のすべり免震装置を図1に
より説明する。図1はすべり免震装置におけるすべり支
承部分の断面図である。下部躯体1と上部躯体2との間
にすべり支承3が配設されている。すべり支承3は、そ
れぞれの摺接面が相互に接触している平滑板4およびす
べり材5より構成されている。なお、6は積層ゴム等の
すべり材の最大静止摩擦力まで弾性変形する部材、7は
中板を表し、これらは必要に応じて配設される。また、
9はすべり材5の摺接面に形成されている凹部である。
【0011】すべり支承3を構成する平滑板4は、表面
に突起がなく平坦で硬質であれば使用できる。例えば、
金属板、セラミック板、ポリイミド樹脂などの硬質樹脂
板、充填剤の配合によって硬質化したPTFE系樹脂か
らなる板材で平滑な板であれば使用できる。これらの中
で、金属板が好ましく、特に防錆性および製造コスト、
加工性等を考慮するとステンレス鋼板が最も好ましい。
【0012】この平滑板4は、その摺接面における最大
高さ(Ry)で示される表面粗さが0.05〜0.50μm であ
る。好ましくは 0.10〜0.20μm である。ここで、最大
高さ(Ry)は、JIS B 0601に定義される値
をいう。最大高さ(Ry)を上記範囲とすることで、平
滑板とすべり材との摺接面間に滑剤を適量保持すること
ができる。そのため、摺接面全面にわたって滑剤の適量
保持が可能となり、初期すべり性が向上する。最大高さ
(Ry)が 0.05μm 未満の場合、製造コストが上昇す
るとともに維持管理が困難となり、最大高さ(Ry)が
0.50μm を越えるとすべり材の摩耗特性が損なわれる。
【0013】すべり支承を構成するすべり材5はPTF
E系樹脂複合材により形成される。形状としては、平滑
板4の摺接面と摺接できる形状であればよい。すべり材
5の摺接面には、その外周縁に解放端を有しない形状の
凹部が形成される。この凹部は、相互に連通して複数個
形成してもよく、また相互に連通しない形状であっても
よい。例えば摺接面内に一個または複数個の独立した円
形状凹部が例示できる。その他、すべり材5のPTFE
系樹脂複合材の摺接面を旋削仕上する際、故意に大きな
旋削目をつけ、この旋削目の谷部に滑剤を保持できる。
【0014】すべり材5の摺接面に形成される凹部の形
状の一例を図2に示す。図2(a)、(b)は、それぞ
れ凹部を有するすべり材の摺接面の平面図である。図2
(a)においては、すべり材5の摺接面8に円形状凹部
9a、9b、9cが相互に重なり部10を有して形成さ
れている。円形状凹部9が重なり部10を有して形成さ
れることにより、地震によってあらゆる方向にすべりが
発生しても、潤滑特性に差を生じることなく、かつすべ
り回数が多数となっても滑剤がすべり面から排出されに
くくなる。そのため、十分な量の滑剤をすべり面に供給
し続けることができる。重なり部10を有して複数個の
凹部9を形成するのは、凹部9間で滑剤の移動が可能で
あり、摺接面のほぼ全面を覆うことができるからであ
る。
【0015】図2(b)においては、すべり材5の摺接
面8に円形状凹部9dが一個形成されている。この場合
においても滑剤がすべり面から排出されにくくなり、ま
た、地震によってあらゆる方向にすべりが発生しても、
潤滑特性に差が生じない。また、すべり材5の摺接面8
に旋削目が複数個形成されていてもよい。この場合にお
いても旋削目に滑剤が保持されてすべり面から排出され
にくくなる。また、製造工程が簡単になる。
【0016】上記凹部の全投影面積はすべり材の摺接面
の全表面積に対して 5〜40%である。この範囲とするこ
とによって、十分な潤滑性を確保し、かつ積層ゴムが大
きくせん断変形した際のすべり材に負荷される面圧が大
きくなった場合においても耐面圧特性を確保できる。ま
た、すべり材5の摺接面の表面積は、平滑板4の摺接面
のそれよりも小さいことが好ましい。小さくすることに
より、外周縁に解放端を有しない凹部9より滑剤が排出
されにくくなる。
【0017】PTFE系樹脂複合材は、PTFE系樹脂
に繊維状配合剤、樹脂粉末および無機化合物粉末から選
ばれた少なくとも一つの配合剤が配合されてなる。PT
FE系樹脂としては、PTFE樹脂と変性PTFE樹脂
とが挙げられる。PTFE樹脂は四フッ化エチレンの単
独重合体であって、 310〜390℃で軟化して圧縮成形お
よび押出成形は可能であるが通常の射出成形は不可能な
樹脂である。
【0018】変性PTFE樹脂は、四フッ化エチレン単
位と、四フッ化エチレンのフッ素が他の有機基(−Χ)
で置換された置換四フッ化エチレン単位とから構成され
る共重合体である。その一般式を化1に示す。有機基
(−Χ)は特に限定するものではないがパーフルオロア
ルキルエーテル基あるいはフルオロアルキル基などが好
ましい。
【化1】
【0019】上記PTFE樹脂および変性PTFE樹脂
の重合方法は限定されないが、樹脂の分子量は、約 50
万から 1,000万が好ましく、さらに限定すれば 100万か
ら 700万が好ましい。この範囲の分子量を有することに
より、すべり材として摩擦係数を小さくすることがで
き、また耐クリープ性などの機械的強度が維持できる。
特に化1に示す変性PTFEを用いた場合、耐クリープ
特性が向上し、すべり面における許容面圧が 30MPa 程
度まで許容できる。それに伴い、すべり面を小さくで
き、すべり免震装置の小型化が可能となるため好まし
い。
【0020】PTFE系樹脂に配合できる配合剤の中
で、繊維状配合剤はガラス繊維、炭素繊維、あるいはウ
ィスカ類が挙げられる。炭素繊維はピッチ系あるいはパ
ン系炭素繊維のいずれでもよい。
【0021】繊維状配合剤の他の例として、短繊維の各
種ウィスカが挙げられる。例えば、硫酸カルシウムウィ
スカ、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、
硫酸マグネシウムウィスカ等が挙げられる。
【0022】配合剤の中で、樹脂粉末は、PTFEの成
形温度 380℃に耐えうる粉末であることが好ましい。例
えば、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹
脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、全芳香族ポリエ
ステル樹脂、アラミド粉末、ポリアミドイミド樹脂の樹
脂粉末が挙げられる。また、成形性などを考慮すれば、
熱硬化樹脂を硬化後、 500℃以上の高温で熱処理、粉砕
された有機化合物系樹脂粉末が好ましい。さらに 2000
℃以上で処理し、黒鉛化したものが好ましい。樹脂粉末
の平均粒径は 50μm 以下、好ましくは 25μm 以下であ
り、形状は球状が好ましい。
【0023】また、無機化合物粉末は、二硫化モリブデ
ン、酸化亜鉛、酸化チタン、黒鉛、金属酸化粉末、ガラ
スビーズ、シリカ粉末等が挙げられる。
【0024】配合剤の配合量はPTFE系樹脂 100体積
部に対して 5〜40体積部であることが好ましい。配合剤
が40体積部を越えると成形性に問題が生じたり、平滑
板を損傷する場合がある。また、5体積部未満であれば
補強効果に乏しく、十分な耐クリープ性、耐摩耗性が得
られない。
【0025】以上述べたこの発明に用いる諸原料を混合
・混練する手段は特に限定するものではなく粉末原料の
みをヘンシェルミキサー、ボールミキサー、リボンブレ
ンダー、レディゲミキサー、ウルトラヘンシェルミキサ
ー等にて乾式混合すればよい。さらに、湿式法などによ
り成形方法に合致する所定の粒径の粒状に造粒すること
が好ましい。成形について述べれば、一般的に知られた
方法を採用することができる。例示すれば、フリーベー
キング、ホットモールディング、アイソスタチックモー
ルディング、連続ラム押し出し成形、ペースト押し出
し、ダイレクトモールド等を挙げることができる。本発
明に係るすべり材を得る工程としては、フリーベーキン
グの後、スカイブにより所定のシート厚みとする。構造
物の一方のフーチングに設置する金属製プレートとすべ
り材とを接合するには、すべり材の片面をエッチング
し、接着可能状態とする。その後、エポキシ系、フェノ
ール系あるいはポリイミド系接着剤により接合させる。
【0026】滑剤は固体または粉末状で、上記平滑板表
面に付着されるとともに、上記凹部に取り込まれる。固
体または粉末状であることにより、耐久性に優れ、初期
特性を長期間安定して維持できる。滑剤としては、プラ
スチックス類を加工するときに作用する内部滑剤、ある
いは加工後の製品を使用するときに作用する外部滑剤
等、プラスチックス類の配合剤として知られている滑剤
であれば使用できる。例えば、マイクロクリスタリンワ
ックス、天然または合成パラフィン、ポリオレフィンワ
ックス、またはこれらワックスまたはパラフィンの部分
酸化物、フッ化物、塩化物などの炭化水素系滑剤、室温
で固体状の高級アルコール系滑剤、ステアリン酸、12
オキシステアリン酸などの高級脂肪酸系滑剤、ステアリ
ン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステラアミ
ド、エチレンビスステラアミド、エチレンビスヒドロキ
システラアミドなどのアミド系滑剤、ポリエステル系ワ
ックス、モンタンワックスなどのエステル系滑剤、ステ
アリン酸の金属塩などの金属石鹸系滑剤が例示できる。
これらの中で、特に金属石鹸系滑剤、エステル系滑剤、
高級脂肪酸系滑剤が低摩擦特性に優れるため好ましい。
【0027】
【実施例】すべり支承を形成するすべり材を以下の方法
で作製した。 1)変性PTFE樹脂(テフロンTG70J(三井・デ
ュポンフロロケミカル社製)とガラス繊維(MF−MB
06MB120(旭ファイバーグラス社製)とを体積比
で、樹脂:繊維=100:15 となるように秤量した。 2)これをヘンシェル乾式混合機を用いてドライブレン
ドした。 3)その後、プレス機を用いてφ124mm×φ64mm×100mm
の円筒素形材を予備成形した。 4)円筒素形材を 370℃×4 時間、フリーベーキング法
にて焼成した。 5)その後、スカイビング加工により、100mm×1000mm
×1mm のシート試験片を得た。 6)シート試験片の片面をアルカリ処理によりエッチン
グして接着可能とした。 7)ステンレス製治具(20mm×20mm×15mm)の片面にエ
ポキシ系接着剤を用いて表面積 7cm2のシート試験片を
接合し、摩擦係数(μ)測定用のすべり材試験片とし
た。 8)その後、摺接面の中心部に、図2(a)に示す形状
の凹部を追加工したすべり材試験片と、図2(b)に示
す形状の凹部(外径φ12mm×内径φ10mm×深さ 1mmの円
形凹部) 1個追加工したすべり材試験片と、凹部として
摺接面に旋削目(施削目深さ 0.5mm)を複数個追加工し
たすべり材試験片とをそれぞれ得た。
【0028】平滑板はステンレス鋼板(SUS304)
を研磨して、最大高さ(Ry)で示される表面粗さが
0.10 〜0.40μm の試験片を準備した。
【0029】上記方法で作製されたすべり材と平滑板と
を用い、滑剤として滑剤A(ステアリン酸)、滑剤B
(ステアリン酸ステアリル)、滑剤C(12−ヒドロキ
システアリン酸リチウム)を平滑板の摺接面に対して 1
〜5mg/cm2塗布して、摩擦摩耗試験を行なった。試験は
往復動型試験機を用いた。試験条件は、すべり速度 23.
6cm/sec 、面圧60MPa 、ストローク±35mmで 300サイク
ルの往復動運転を行ない、10、 100、 300サイクル時の
最大静摩擦と動摩擦係数を測定した。結果を表1に示
す。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示すように、本発明に係るすべり材
は、静摩擦係数が 0.08 以下と小さく安定しており、耐
久性に優れていた。
【0032】
【発明の効果】本発明のすべり免震装置は、平滑板とP
TFE系樹脂複合材からなるすべり材とからなり、少な
くとも平滑板のすべり材との摺接面に滑剤が付着されて
なるので、初期の摩擦係数を低下させることができる。
また、すべり材の摺接面の摺接面の外周縁に解放端を有
しない凹部が形成されてなるので、長期間にわたって初
期の摩擦係数を維持できる。
【0033】また、上記凹部部分の投影面積がすべり材
の摺接面の表面積に対して 5〜40%であるので、また、
上記PTFE系樹脂複合材は、PTFE系樹脂に、繊維
状配合剤、樹脂粉末および無機化合物粉末から選ばれた
少なくとも一つの配合剤が配合されてなるので、摩擦係
数をより低下させることができる。
【0034】また、滑剤が炭化水素系滑剤、高級脂肪酸
系滑剤、アミド系滑剤、エステル系滑剤、高級アルコー
ル系滑剤および金属石鹸系滑剤から選ばれた少なくとも
一つの滑剤であるので、すべり免震装置の初期特性をよ
り長期間安定して維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】すべり免震装置におけるすべり支承部分の断面
図である。
【図2】すべり材の摺接面の平面図である。
【符号の説明】
1 下部躯体 2 上部躯体 3 すべり支承 4 平滑板 5 すべり材 6 積層ゴム 7 中板 8 すべり材の摺接面 9 凹部 10 重なり部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部躯体と上部躯体との間に配設される
    すべり支承を備えてなるすべり免震装置であって、 前記すべり支承は、平滑板と、すべり材とが相互にそれ
    ぞれの摺接面を接触して配設され、前記すべり材が四フ
    ッ化エチレン系樹脂複合材からなり、少なくとも前記平
    滑板の摺接面に滑剤が付着されてなることを特徴とする
    すべり免震装置。
  2. 【請求項2】 前記すべり材は、その摺接面の外周縁に
    解放端を有しない凹部が形成されてなることを特徴とす
    る請求項1記載のすべり免震装置。
  3. 【請求項3】 前記凹部部分の投影面積が前記すべり材
    の摺接面の表面積に対して 5〜40%であることを特徴と
    する請求項2記載のすべり免震装置。
  4. 【請求項4】 前記四フッ化エチレン系樹脂複合材は、
    四フッ化エチレン系樹脂に、繊維状配合剤、樹脂粉末お
    よび無機化合物粉末から選ばれた少なくとも一つの配合
    剤が配合されてなることを特徴とする請求項1、請求項
    2または請求項3記載のすべり免震装置。
  5. 【請求項5】 前記滑剤は、炭化水素系滑剤、高級脂肪
    酸系滑剤、アミド系滑剤、エステル系滑剤、高級アルコ
    ール系滑剤および金属石鹸系滑剤から選ばれた少なくと
    も一つの滑剤であることを特徴とする請求項1ないし請
    求項4のいずれか一項記載のすべり免震装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009522185A (ja) * 2005-12-28 2009-06-11 オーチス エレベータ カンパニー 乗客コンベヤのハンドレール用すべり層の処理
JP2014077542A (ja) * 2012-09-24 2014-05-01 Kokuyo Furniture Co Ltd 免震具及び免震具を備える被支持物
CN111321813A (zh) * 2020-04-07 2020-06-23 钟建敏 一种双向滑移连接支座

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