JP2002080977A - 金属缶の表面処理方法及び金属缶 - Google Patents

金属缶の表面処理方法及び金属缶

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JP2002080977A
JP2002080977A JP2000273086A JP2000273086A JP2002080977A JP 2002080977 A JP2002080977 A JP 2002080977A JP 2000273086 A JP2000273086 A JP 2000273086A JP 2000273086 A JP2000273086 A JP 2000273086A JP 2002080977 A JP2002080977 A JP 2002080977A
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Yasutake Mino
保武 三野
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属缶の動摩擦係数を効果的に低減し、金属
缶製造時の搬送性を向上させることができ、かつ、廃水
処理の必要がなく、滑り性向上剤の使用量を大幅に削減
することができる金属缶の表面処理方法を提供する。 【解決手段】 金属清浄缶の缶底凸部に滑り性向上剤を
塗布した後、乾燥させることを特徴とする金属缶の表面
処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属缶の表面処理
方法に関し、更に詳しくは、金属缶の滑り性を効果的に
向上することができる金属缶の表面処理方法、及び、そ
の方法により表面処理されてなる金属缶に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料缶等の金属缶は、底のある筒状の胴
部及び天板からなる2ピース缶と、底のない筒状の胴
部、底板及び天板からなる3ピース缶とがある。このう
ち、2ピース缶の胴部は、アルミニウム板や錫メッキ鋼
板をカップ形状に打ち抜き、その開口端部を絞りしごき
加工して成形された後、通常、脱脂、水洗、化成処理、
水洗、純水洗、乾燥、塗装の順で順次処理される。成形
工程から乾燥工程までは、直立状態の缶胴部が横に広が
って幅の広いラインで高速搬送され処理されるが、乾燥
工程から塗装工程までの間は、ラインの幅が狭くなり、
缶胴部を1列に整列させて1個ずつ搬送されるようにな
る。塗装工程においては、1個ずつ搬送されてきた缶胴
部の外表面に順次印刷又は塗装が施される。
【0003】化成処理された缶胴部は、外表面に塗装が
行われる前の段階では缶体表面の摩擦係数が大きいた
め、上述のようにラインの幅が狭くなったところで缶胴
部を1列に整列させる際には、移動性が悪くなり、互い
に接触したり衝突したりして、缶体にへこみや損傷を生
じたり、著しい場合には,搬送ライン上で缶胴部が転倒
したり、搬送装置の外部に飛び出してしまうこともあっ
た。更に、印刷を行う際に印刷ミスや誤供給が発生する
こともあった。従って、外面印刷を行う前の段階におけ
る缶体表面の滑り性を改良することが求められている。
【0004】特開昭64−85292号公報には、金属
缶表面の摩擦係数を低減し、移動性を付与することを目
的としたものとして、エチレンオキシド付加アルコール
リン酸エステル、エチレンオキシド付加脂肪酸等の水溶
性物質を含む金属缶用表面処理剤が開示されている。
【0005】特開平1−85292号公報には、エチレ
ンオキシド付加脂肪酸、エチレンオキシド付加脂肪酸
塩、炭素数4以上のアルコール1モルにエチレンオキシ
ド約20モル以下を付加したエチレンオキシド付加アル
コール、エチレンオキシド付加アルキルリン酸エステル
及びそれらの混合物からなる水溶性エチレンオキシド付
加有機物質を含有し、pH1〜6.5の金属缶用表面処
理剤が開示されている。
【0006】特開平3−207766号公報及び特開平
4−66671号公報には、スチレン系樹脂、オルトリ
ン酸又は縮合リン酸及び水からなる表面処理剤を用い、
これを塗布して缶体表面の滑り性を向上させることが開
示されている。
【0007】特開平6−330339号公報には、アル
ミニウム容器の表面に、リン酸−ジルコニウム水溶液で
処理することにより化成皮膜を設け、その上に、N,N
−ジポリオキシアルキレン−アルキルアミン系カチオン
界面活性剤を付着させたアルミニウム容器が開示されて
いる。特開平7−62369号公報には、炭素数10〜
20のアルキル基を1つ以上有する4級アンモニウム塩
を含有する表面処理剤を塗布することにより、金属缶に
滑り性を付与する方法が開示されている。
【0008】上述の技術は全て、金属缶の外表面にスプ
レー処理されるものであるが、スプレー処理により使用
された後の表面処理剤は、純水再生装置で処理して純水
として再利用、若しくは、廃水処理を通して廃棄され
る。純水再生装置を通して純水として再使用する場合
は、純水再生装置に付属している活性炭の汚染が大き
く、活性炭の交換頻度が多くなりコストが高いという問
題点があり、廃水処理を通して廃棄する場合には、純水
使用量が大幅に増大するため、コスト高になるという問
題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
缶の動摩擦係数を低減して金属缶製造時の搬送性を向上
させることができるとともに、廃水処理の必要がなく、
滑り性向上剤の使用量を大幅に削減することができる金
属缶の表面処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属清浄缶の
缶底凸部に滑り性向上剤を塗布した後、乾燥させること
を特徴とする金属缶の表面処理方法である。本発明は、
更に、上記金属缶の表面処理方法により表面処理されて
なる金属缶である。以下、本発明を詳述する。
【0011】本発明者らは、金属缶の胴部の構造に着目
し、金属缶の製造時における搬送性及び移動性を向上さ
せるためには、缶底凸部と搬送装置との間の摩擦係数を
低減することが重要であることを見いだし、本発明を完
成した。
【0012】本発明の金属缶の表面処理方法において
は、金属清浄缶の缶底凸部に滑り性向上剤が塗布され
る。缶底凸部に滑り性向上剤を塗布することによって、
金属缶の動摩擦係数を効果的に低減し、金属缶製造時の
搬送性及び移動性並びにその搬送速度を向上させること
ができる。更に、塗布型処理であるため、スプレー処理
する場合に比べて、薬品使用量を大幅に削減することが
でき、廃水処理の必要がなく、ランニングコストを低減
することができる。また、滑り性向上剤の管理が補給剤
の希釈のみとなるため容易である。
【0013】上記缶底凸部は、図1に示した金属缶胴部
1の断面図において、2で表される部位であり、金属缶
底のリム部ともいわれる。上記缶底凸部に滑り性向上剤
を塗布する方法としては、金属缶製造時の搬送ラインの
流れに同調する手段を用いて行うことができれば特に限
定されず、例えば、図1に示すロール3(無端ベルト)
等の回転体を用いて行う方法を挙げることができる。こ
れらの形状としては、複数個の金属缶に対して同時に塗
布することができるように筒形であることが好ましく、
その断面形状としては、図1には断面が円形のものを示
したが、楕円形のものであってもよい。
【0014】上記滑り性向上剤を塗布する際に用いられ
る塗布手段は、その表面に滑り性向上剤が含浸し、か
つ、缶底凸部と接触したときに滑り性向上剤が塗布され
るように、表面が吸水性となっていることが好ましい。
例えば、スポンジ、布、吸水性シート等で表面が覆われ
たものを挙げることができる。
【0015】本発明において、滑り性向上剤とは、アル
ミニウム板又は錫メッキ鋼板に対して塗布した場合に、
その処理を行わない場合に比べて、摩擦係数を低減する
ことができるものを意味する。上記摩擦係数は、ヘイド
ン型摩擦試験機によって測定することができる。
【0016】本発明においては、上記滑り性向上剤とし
ては、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル
(i)及びアニオン系界面活性剤(ii)を含む水溶液が
好ましい。上記滑り性向上剤は、良好な滑り性を付与す
ることができるとともに、発泡による設備汚染が起こら
ず、かつ、長期間使用しても藻やバクテリアが発生しな
いものである点より好ましい。また、金属缶が化成皮膜
形成されたアルミニウム缶である場合にも、化成皮膜の
有する耐食性(缶底黒変性)を低下させることがなく、
塗膜密着性にも悪影響を与えない表面処理を行うことが
できる。上記滑り性向上剤は、水不溶性であるポリオキ
シエチレンアルキルアミンエーテル(i)を、アニオン
系界面活性剤(ii)で水中に分散して得られるものであ
る。
【0017】上記滑り性向上剤は、pH5〜7である。
pH5未満であると、形成された化成皮膜を溶解して耐
食性が低下し、pH7を超えると、滑り性向上剤の分散
性が悪くなり、不安定となる。上記ポリオキシエチレン
アルキルアミンエーテル(i)は、式(1)
【0018】
【化4】
【0019】で表されるものである。上記ポリオキシエ
チレンアルキルアミンエーテル(i)の有する撥水性に
よって、摩擦係数を低減し、金属缶表面に良好な滑り性
を付与することができ、更に、水不溶性であることによ
り、この滑り性向上剤を塗布する際に生じる泡立ちを防
止することができる。また、長期間使用する際の藻やバ
クテリアの発生を防止することができる。
【0020】上記式中、Rは、分岐を有していてもよい
炭素数が10〜20のアルキル基である。10未満であ
ると、充分な滑り性が得られず、20を超えると、分散
に要するアニオン活性剤の量が増大し、塗膜密着性が低
下する。好ましくは、炭素数12〜18である。上記n
及びmは、独立して1〜4の整数を表す。4を超える
と、一部水溶化し、常温で塗布する際に発泡が多くなっ
て、薬液タンクからオーバーフローして、コンベアや作
業環境を汚染する。
【0021】上記ポリオキシエチレンアルキルアミンエ
ーテル(i)は、滑り性向上剤中、10〜1000mg
/Lであることが好ましい。10mg/L未満である
と、充分な滑り性が得られず、1000mg/Lを超え
ると、塗膜密着性に劣る。より好ましくは、20〜70
0mg/Lである。
【0022】上記アニオン系界面活性剤(ii)は、アル
キルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩及びジアルキルスルホ琥珀酸塩からな
る群より選択される少なくとも1種である。
【0023】上記アニオン系界面活性剤(ii)によっ
て、水不溶性のポリオキシエチレンアルキルアミンエー
テル(i)を水中に均一に分散することができる。ま
た、上記アニオン系界面活性剤(ii)はスルホン酸塩で
あるため、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル
(i)を水中に安定に分散することができるとともに、
これを塗布した金属缶表面に良好な濡れ性を付与するこ
とができる。更に、泡立ち防止に寄与する。
【0024】上記アルキルジフェニルエーテルジスルホ
ン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩及びジアルキル
スルホ琥珀酸塩において、アルキル基は炭素数が6〜1
8が好ましく、より好ましくは8〜16である。これら
の塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム
及びカリウムがより好ましい。
【0025】上記アニオン系界面活性剤(ii)は、滑り
性向上剤中、5〜1000mg/Lであることが好まし
い。5mg/L未満であると、ポリオキシエチレンアル
キルアミンエーテル(i)の水中における分散性に劣
り、1000mg/Lを超えると、塗膜密着性に劣る。
より好ましくは、20〜500mg/Lである。上記ポ
リオキシエチレンアルキルアミンエーテル(i)に対す
る割合としては、ポリオキシエチレンアルキルアミンエ
ーテル(i)100重量部に対して50〜300重量部
であることが好ましい。60〜250重量部がより好ま
しい。
【0026】上記滑り性向上剤において使用される水
は、純水であることが好ましい。この滑り性向上剤で処
理した金属表面上に塗布される塗料の耐水性を良好に保
つために、電気伝導度が50万Ω・cm以上のものが好
ましく、より好ましくは100万Ω・cm以上の脱イオ
ン水である。
【0027】上記滑り性向上剤においては、上記ポリオ
キシエチレンアルキルアミンエーテル(i)及び上記ア
ニオン系界面活性剤(ii)に加えて、金属缶表面への濡
れ性を向上する濡れ性向上剤として、更に、式(2)
【0028】
【化5】
【0029】(式中、kは10〜30の整数を表す。)
で表されるアビエチン酸エチレンオキサイド付加物、及
び、式(3)
【0030】
【化6】
【0031】(式中、qは10〜30の整数、p及びr
は独立して4〜12の整数を表す。)で表されるポリプ
ロピレングリコールエチレンオキサイド付加物からなる
群より選択される少なくとも1種を、5〜1000mg
/Lで含むものであることが好ましい。
【0032】上記滑り性向上剤は、固形分濃度が6〜2
0重量%の濃縮液として提供することができる。使用時
には各成分が上記濃度範囲となるように、水、好ましく
は純水で希釈して用いることができる。
【0033】本発明においては、上記のポリオキシエチ
レンアルキルアミンエーテル(i)及びアニオン系界面
活性剤(ii)を含む滑り性向上剤が好ましいが、従来の
滑り性向上剤を使用することも可能である。例えば、特
開昭64−85292号公報に記載のエチレンオキシド
付加アルコールリン酸エステル、エチレンオキシド付加
脂肪酸等の水溶性物質を含む金属缶用表面処理剤;;特
開平3−207766号公報及び特開平4−66671
号公報に記載のスチレン系樹脂、オルトリン酸又は縮合
リン酸及び水からなる表面処理剤;特開平6−3303
39号公報に記載のリン酸−ジルコニウム水溶液で処理
することにより設けられた化成皮膜の上に施される、
N,N−ジポリオキシアルキレン−アルキルアミン系カ
チオン界面活性剤を含む表面処理剤;特開平7−623
69号公報に記載の炭素数10〜20のアルキル基を1
つ以上有する4級アンモニウム塩を含有する表面処理剤
等を挙げることができる。
【0034】上記滑り性向上剤によって処理される金属
清浄缶は、脱脂、水洗及び純水洗処理されたものであっ
てもよいし、脱脂、水洗、化成処理、水洗及び純水洗処
理されたものでもよい。また、上記純水洗処理された後
に、乾燥炉における乾燥が行われたものでもよい。
【0035】本発明の金属缶の表面処理方法において
は、上記滑り性向上剤が金属清浄缶の缶底凸部に塗布さ
れた後、乾燥させる工程からなる。上記乾燥工程は、既
存の乾燥炉を使用して行うことができる。上記滑り性向
上剤による処理の前に乾燥炉における乾燥が行われた場
合には、余熱による乾燥を行うことができる。
【0036】即ち、金属缶は、一般的には、脱脂、水
洗、純水洗処理、乾燥からなる処理(1)、又は、脱
脂、水洗、化成処理、水洗、純水洗処理、乾燥からなる
処理(2)のいずれかによって処理されるが、滑り性向
上剤を塗布する工程は、上記既存の処理(1)及び
(2)のいずれにおいても、純水洗処理の後であって乾
燥の前の段階、又は、乾燥の直後に行うことができる。
【0037】本発明において、上記金属缶の材料として
は、アルミニウム、錫メッキ鋼板のいずれでもよく、特
にアルミニウムに好適である。本発明の金属缶の表面処
理方法によって処理される金属缶は、金属缶の摩擦抵抗
値が効率的に低下され、滑り性が改良されたものである
ので、金属缶製造時の搬送性、即ち、搬送速度を向上す
ることができる。
【0038】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例1〜6 アルミニウム板(3004アルミ合金)に対し、 1)脱脂→水洗1→化成→水洗2→純水洗→本発明の処理
→乾燥 の工程によりその表面を処理した。各工程は、下記の条
件下で行った。
【0039】(脱脂)アルミニウム板(3004アルミ
合金)に、サーフクリーナーNHC260A(日本ペイ
ント社製脱脂用濃厚液):4.0重量%と、サーフクリ
ーナーNHC添加剤NO(日本ペイント社製脱脂用添加
剤):0.4%とを水に溶解したものを、75℃で60
秒間スプレーした。 (水洗1)脱脂処理されたアルミニウム板に工業用水を
室温で10秒間スプレーした。 (化成)リン酸塩処理液(商品名:アルサーフ440建
浴剤、日本ペイント社製、リン酸ジルコニウム系処理
剤)を水に溶解して1.8重量%の水溶液にしたもの
を、水洗1で水洗されたアルミニウム板に40℃で10
秒間スプレーした。 (水洗2)化成処理されたアルミニウム板に工業用水を
室温で10秒間スプレーした。 (純水洗)水洗2を行ったアルミニウム板に、室温で脱
イオン水を10秒間スプレーした。 (本発明の処理)純水洗を行ったアルミニウム板に、表
1の滑り性向上剤をしみ込ませたスポンジロールを用い
て、表1の滑り性向上剤を塗布した。 (乾燥)本発明の処理を行ったアルミニウム板を180
℃で2分間乾燥した。
【0040】上記本発明の処理で使用した滑り性向上剤
の配合組成を表1に記載した。上記処理を行ったアルミ
ニウム板の動摩擦係数、1次密着性、2次密着性、水濡
れ性、藻の発生状態を評価して、評価結果を表1に示し
た。 評価方法 (摩擦係数の測定)実施例により得られた金属板から、
30mm×150mmの大きさの試験片を切り取り、ヘ
イドン型摩擦試験機(荷重250g、ローラー固定10
0mm/分)により測定した。
【0041】(塗膜密着性)実施例により得られた金属
板に、エポキシアクリル系塗料をバーコーターにより、
乾燥膜厚が5μmになるように塗布した後、250℃で
3分間保持して形成した塗膜について評価した。1次密
着性は、上記のように作成した塗装板を、OT折り曲げ
を行い、折り曲げ部に浮いた塗膜を粘着テープで除去し
た後の折り曲げ部両側の剥離幅を測定する方法、およ
び、1mmの基盤目試験法(カッターナイフを用いて、
塗膜上に、1mm幅で100個の升目を形成し、粘着テ
ープを貼り付けて引き剥がし、塗膜が残った升目の数を
数えた)により行った。2次密着性は、沸騰水中に30
分間浸漬した後の塗膜について、1mm基盤目試験法に
より評価した。
【0042】(水濡れ性)本発明の処理を行った後、3
0秒間静置して、目視により水濡れしている部分の面積
比率で評価した。 (藻の発生)実施例の滑り性向上剤を40℃で30日間
保持した後、目視で藻の発生の有無を評価した。
【0043】比較例1 実施例1〜6における本発明の処理を行わなかったこと
以外は、実施例1〜6と同様にしてアルミニウム板の処
理を行い、評価した。結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】なお、表1中の化合物は、下記の構造のも
のである。
【0046】
【化7】
【0047】
【化8】
【0048】実施例7〜9 アルミニウム板(3004アルミ合金)に対し、 2)脱脂→水洗1→純水洗→本発明の処理→乾燥 の工程によりその表面を処理した。各工程は、化成及び
水洗2を行わない以外は実施例1〜6と同様にして行
い、本発明の処理における滑り性向上剤は、表2に示し
たものを使用した。評価結果を表2に示した。
【0049】比較例2 実施例7〜9における本発明の処理を行わなかったこと
以外は、実施例7〜9と同様にしてアルミニウム板の処
理を行い、評価した。結果を表2に示した。
【0050】
【表2】
【0051】実施例10〜12 錫メッキ鋼板に対し、 1)脱脂→水洗1→化成→水洗2→純水洗→本発明の処理
→乾燥 の工程によりその表面を処理した。各工程は、下記の条
件下で行った。
【0052】(脱脂)錫メッキ鋼板に、商品名:サーフ
クリーナーSN321(日本ペイント社製アルカリ性脱
脂剤)を水に溶解して0.5重量%の水溶液にしたもの
を45℃で60秒間スプレーした。 (水洗1)脱脂処理された錫メッキ鋼板に工業用水を室
温で10秒間スプレーした。 (化成)錫メッキ缶用皮膜化成剤、商品名:サーフテッ
クスSN2201(日本ペイント社製リン酸塩化成処理
剤)を水に溶解して2.7重量%の水溶液にしたもの
を、水洗1で水洗された錫メッキ鋼板に45℃で20秒
間スプレーした。 (水洗2)化成処理された錫メッキ鋼板に工業用水を室
温で10秒間スプレーした。 (純水洗)水洗2を行った錫メッキ鋼板に、室温で脱イ
オン水を10秒間スプレーした。 (本発明の処理)純水洗を行った錫メッキ鋼板に、表3
の滑り性向上剤をしみ込ませたスポンジロールを用い
て、表3の滑り性向上剤を塗布した。 (乾燥)本発明の処理を行った錫メッキ鋼板を、180
℃で2分間乾燥した。本発明の処理における滑り性向上
剤は、表3に示したものを使用した。評価結果を表3に
示した。
【0053】比較例3 実施例10〜12における本発明の処理を行わなかった
こと以外は、実施例10〜12と同様にして錫メッキ鋼
板の処理を行い、評価した。結果を表3に示した。
【0054】
【表3】
【0055】表1〜3の結果より、本発明の処理を行っ
た実施例1〜12のアルミニウム板及び錫メッキ鋼板
は、処理を行わなかった比較例1〜3に比べて、動摩擦
係数を低減することができた。特に、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミンエーテル(i)及びアニオン系界面活
性剤(ii)を含む実施例1〜4、7〜8、10〜11に
ついては、動摩擦係数を効果的に低減することができ、
塗膜密着性及び水濡れ性に優れており、長期保存後も藻
が発生することがなかった。また、脱脂後のものであっ
ても化成処理を行ったものであっても、良好な結果を得
ることができた。ポリオキシエチレンアルキルアミンエ
ーテル(i)を含むがアニオン系界面活性剤(ii)を含
まない実施例12は、動摩擦係数を低減することはでき
たが、水濡れ性が非常に劣るものであった。
【0056】長鎖アルキル基を有する4級アンモニウム
塩及びアニオン系界面活性剤を含む滑り性向上剤を使用
した実施例5及び9については、処理を行わなかった比
較例1及び2に比べると動摩擦係数を低減することがで
きたが、塗膜密着性にやや劣るものであった。特に、化
成処理を行わなかったアルミニウム板を使用した実施例
9は、水濡れ性にも劣っていた。エチレンオキシド付加
脂肪酸及びエチレンオキシド付加アルコールを含有する
滑り性向上剤を使用した実施例6は、塗膜密着性は良好
であったが、長期保存に対して藻が発生した。
【0057】
【発明の効果】本発明の金属缶の表面処理方法は、上述
の構成よりなるので、金属缶の動摩擦係数を効果的に低
減し、金属缶製造時の搬送性を向上させることができ、
かつ、廃水処理の必要がなく、滑り性向上剤の使用量を
大幅に削減することができる。特に、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミンエーテル(i)及びアニオン系界面活
性剤(ii)を含む滑り性向上剤を使用することによっ
て、塗膜密着性及び水濡れ性にも優れ、長期保存に対し
ても藻が発生することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態によって処理され
る金属缶胴部の断面図である。
【符号の説明】
1 金属缶胴部 2 缶底凸部 3 ロール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属清浄缶の缶底凸部に滑り性向上剤を
    塗布した後、乾燥させることを特徴とする金属缶の表面
    処理方法。
  2. 【請求項2】 塗布は、ロールにより行われるものであ
    る請求項1記載の金属缶の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 滑り性向上剤は、式(1) 【化1】 (式中、Rは分岐を有していてもよい炭素数が10〜2
    0のアルキル基、n及びmは独立して1〜4の整数を表
    す。)で表されるポリオキシエチレンアルキルアミンエ
    ーテル(i)を10〜1000mg/L、並びに、アル
    キルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルベン
    ゼンスルホン酸塩及びジアルキルスルホ琥珀酸塩からな
    る群より選択される少なくとも1種のアニオン系界面活
    性剤(ii)を5〜1000mg/L含むものであって、
    pH5〜7の水溶液である請求項1又は2記載の金属缶
    の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 滑り性向上剤は、更に、式(2) 【化2】 (式中、kは10〜30の整数を表す。)で表されるア
    ビエチン酸エチレンオキサイド付加物、及び、式(3) 【化3】 (式中、qは10〜30の整数、p及びrは独立して4
    〜12の整数を表す。)で表されるポリプロピレングリ
    コールエチレンオキサイド付加物からなる群より選択さ
    れる少なくとも1種を、5〜1000mg/Lで含むも
    のである請求項3記載の金属缶の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 金属清浄缶は、脱脂、水洗及び純水洗処
    理されてなるものであるか、又は、脱脂、水洗、化成処
    理、水洗及び純水洗処理されてなるものである請求項
    1、2、3又は4記載の金属缶の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の金属
    缶の表面処理方法により表面処理されてなる金属缶。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021201203A1 (ja) * 2020-04-01 2021-10-07 ディップソール株式会社 トップコート剤及びこのトップコート剤を用いて形成した保護膜を有する銀白色締結部材

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