JP2002080472A - アルキルオキシアミノフラノン誘導体の製造方法 - Google Patents

アルキルオキシアミノフラノン誘導体の製造方法

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JP2002080472A
JP2002080472A JP2000347835A JP2000347835A JP2002080472A JP 2002080472 A JP2002080472 A JP 2002080472A JP 2000347835 A JP2000347835 A JP 2000347835A JP 2000347835 A JP2000347835 A JP 2000347835A JP 2002080472 A JP2002080472 A JP 2002080472A
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Yuuki Takuma
勇樹 詫摩
Manabu Katsurada
学 桂田
Yuuzou Kasuga
優三 春日
Naoyuki Watanabe
尚之 渡辺
Takeshi Murakami
健 邑上
Tomoko Sudo
智子 須藤
Yoichi Matsumoto
陽一 松本
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキルオキシフラノンアミン誘導体を工業
的に安価で簡便に製造する方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(A) 【化1】 で示される化合物から還元、還化という工程を経て、下
記一般式(D) 【化2】 (式中、R1及びR3は、一般式(A)と同義である)で
示されるアルキルオキシフラノンアミン誘導体を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルキルオキシア
ミノフラノン誘導体の製造法に関する。アルキルオキシ
アミノフラノン誘導体は、インターロイキン−1−ベー
ター変換酵素阻害物質の合成原料として有用である。ま
た本発明における合成中間体であり、エナミンから誘導
されるβ−アミノ酸エステル及びβ−アミノ酸は、β−
ラクタム等の種々の医薬中間体へと変換可能であり、有
用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】光学活性アルキルオキシアミノフラノン
誘導体は、WO99/03852号公報に記載されてい
るようにインターロイキン−1−ベーター変換酵素阻害
物質の合成原料として有用な化合物であり、このインタ
ーロイキン−1−ベータ変換酵素阻害物質は、リュウマ
チ様関節炎剤として薬効が期待されている。
【0003】またWO99/03852号公報には、下
記に示すような、製造工程においてジアステレオマー分
離を行う光学活性アルキルオキシアミノフラノン誘導体
の製造方法が記載されている。
【0004】
【化13】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記WO99/038
52号公報に記載の製造方法は、出発原料としてエトキ
シフラノンを用い、1)マイケル付加反応、2)ジアス
テレオマー分離、3)エピメリ化反応という3つの工程
により、光学活性アルキルオキシアミノフラノン誘導体
を製造するものであるが、1)Tetrahedron,28,967(197
2)に記載されているように、出発原料であるエトキシフ
ラノンは、フルフラールから光一重項酸素酸化によって
合成されるため、高価であり、工業的に大量に製造する
のが困難であること、2)製造ルート中に1:1の比率
で得られるジアステレオマーの分離工程があるため収率
が50%以下になること、3)さらにその分離工程にお
いて、必要としない一方のジアステレオマーを回収し、
ラセミ化して再利用する手法を用いようとしても、光学
活性中心が3ヶ所もあるために、特定の部位だけのラセ
ミ化反応は困難である等の理由から、製造コストが高く
工業的に実用的ではない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討した結果、工業的に入手容易
で安価であるジアルコキシ酢酸エステルを出発原料とす
る新規な合成ルートにより、光学活性アルキルオキシア
ミノフラノン誘導体を合成する方法を見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、下記一般式
(A)
【0008】
【化14】
【0009】(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して
置換されていても良いアルキル基を示し、R3は、それ
ぞれ置換されていても良い、アルキル基、アリール基、
アルキルアミノ基又はアリールアミノ基を示す。)で表
される化合物を還元して下記一般式(B)
【0010】
【化15】
【0011】(式中、R1、R2及びR3は、一般式
(A)と同義である)で表される化合物を得た後、さら
に環化させることを特徴とする下記一般式(D)
【0012】
【化16】
【0013】(式中、R1及びR3は、一般式(A)と同
義である)で表されるアルキルオキシアミノフラノン誘
導体の製造方法、及び下記一般式(A’)〜(C’)
【0014】
【化17】
【0015】で表される化合物に存する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、以下に示される製造ルートによ
り、製造されるものである。
【0017】
【化18】
【0018】また、下記一般式(A’)
【0019】
【化19】
【0020】(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して
置換されていても良いアルキル基を示し、R4、R5はそ
れぞれ独立して置換されていても良い、アルキル基もし
くはアリール基を示す。)で表されるエナミン誘導体、
このエナミン誘導体を還元することにより得られる下記
一般式(B’)
【0021】
【化20】
【0022】(式中、R1'及びR2'は、それぞれ独立し
て、炭素数2以上の置換されていても良いアルキル基を
示し、R4及びR5はそれぞれ独立して置換されていても
良い、アルキル基もしくはアリール基を示す。)で表さ
れるβ−アミノ酸エステル及びこのエステルを加水分解
して得られる下記一般式(C’)
【0023】
【化21】
【0024】(式中、R1'は炭素数2以上の置換されて
いても良いアルキル基を示し、R4及びR5はそれぞれ独
立して置換されていても良い、アルキル基もしくはアリ
ール基を示す。)で表されるβ−アミノ酸は、いずれも
新規化合物であり、β−ラクタム等の種々の医薬中間体
へと変換可能である有用な化合物である。ここで上記R
1及びR2はそれぞれ同一でも異なっていても良く、ハロ
ゲン原子、アルコキシ基及びアリール基等の反応に不活
性な置換基で置換されていても良い直鎖、分岐または環
状のアルキル基であり、その炭素数は1〜10までが好
ましい。その具体例としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ベンジル基、フェニルエチル基等
が挙げられる。このうちメチル基、エチル基が好まし
い。
【0025】また上記R1'及びR2'はそれぞれ同一でも
異なっていても良く、ハロゲン原子、アルコキシ基及び
アリール基等の反応に不活性な置換基で置換されていて
も良い、炭素数は2以上の直鎖、分岐または環状のアル
キル基であり、このうち炭素数2〜10が好ましい。そ
の具体例としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ベンジル基、フェニルエチル基等が挙げられる。このう
ちエチル基が好ましい。
【0026】R4及びR5は、それぞれ独立して、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基及びアリール基等の反応に不活性
な置換基で置換されていても良い直鎖、分岐または環状
のアルキル基、又はハロゲン原子、アルコキシ基、アル
キル基及びアリール基等の反応に不活性な置換基で置換
されていても良いアリール基である。R45CHで表さ
れるアミノ基の置換基の具体例としては、フェネチル
基、ナフチルエチル基等が挙げられる。この中でも、工
業的に入手が容易な光学活性フェネチルアミンより誘導
される光学活性なフェネチル基が特に好ましい。
【0027】(エナミン)本発明に用いられる下記一般
式(A)
【0028】
【化22】
【0029】め(式中、R1及びR2は、それぞれ独立し
て置換されていても良いアルキル基を示し、R3は、そ
れぞれ置換されていても良い、アルキル基、アリール
基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基を示す。)
で表されるエナミンは、下記一般式(H)
【0030】
【化23】
【0031】(式中、R1及びR2は、一般式(A)と同
義である。)で表される化合物と下記一般式(I)
【0032】
【化24】
【0033】式中、R2は、一般式(A)と同義であ
る。)で表される化合物とを縮合させ、下記一般式
(J)
【0034】
【化25】
【0035】(式中、R1及びR2は、一般式(A)と同
義である。)で表される化合物を得た後、R3NH2で表
されるアミン(式中、R3は一般式(A)と同義であ
る。)を脱水縮合して得ることができる。ここで上記式
中、R1及びR2は、前述の通りである。R3は、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基、アリール基等の反応に不活性な
置換基で置換されていても良い直鎖、分岐または環状の
アルキル基;ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基
等の反応に不活性な置換基で置換されても良いアリール
基;ハロゲン原子、アルコキシ基、アリール基など反応
に不活性な置換基で置換されていても良い直鎖、分岐ま
たは環状のアルキルアミノ基;ハロゲン原子、アルコキ
シ基、アルキル基等の反応に不活性な置換基で置換され
ても良いアリールアミノ基であり、その炭素数は1〜1
2までが好ましい。またジアステレオ選択的な還元反応
を行う場合は、不斉炭素を有するアリールアルキル基が
好ましい。その具体例としては、フェネチル基、ナフチ
ルエチル基などが挙げられる。この中でも、工業的に入
手が容易な光学活性フェネチルアミンから誘導される光
学活性フェネチル基が特に好ましい。
【0036】また、還元反応に用いるエナミン(A)
は、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどで精製した物
でも、粗生成物のままでも構わない。 (エナミンの還元)本発明で用いられる還元反応として
は、公知の還元反応であれば特に限定されないが、好ま
しくは、接触水素化反応又はハイドライド還元剤による
還元反応が用いられる。 接触水素化反応又はハイドラ
イド還元剤による還元反応を用いると、光学活性体の立
体を保持したまま還元が可能であり、かつ、ジアステレ
オ選択的な還元反応を行うことも可能である。
【0037】接触水素化反応としては、水素存在下、遷
移金属触媒によるものが挙げられる。具体的には、触媒
として、通常、接触水素化反応に用いられる遷移金属触
媒であれば特に限定されないが、このうち、エナミンお
よびβ−アミノ酸エステルの加水素分解を起こしにくい
白金系の触媒が好ましく、酸化白金、活性炭に担持した
白金、アルミナに担持した白金等が用いられる。この接
触水素化反応は、反応系内を塩酸、リン酸等の無機酸も
しくは酢酸、メタンスルホン酸等の有機酸を用いて、酸
性条件にすることが好ましい。酸の量としては、エナミ
ン及び生成するβ−アミノ酸エステルのアミノ基による
触媒不活性化を防ぐため、一般式(A)で表される化合
物に対して、1モル倍量以上加えた方が好ましい。反応
に用いる触媒の量としては、溶媒、反応温度、水素圧等
の組み合わせによって最適値が異なるが、通常、一般式
(A)で表される化合物に対して、0.0001〜5モ
ル倍量、好ましくは0.001〜2モル倍量の範囲であ
る。
【0038】接触水素化反応における反応溶媒として
は、接触水素化反応に通常用いられるような反応に不活
性な溶媒であれば特に限定されない。このような溶媒の
具体例としては、水;メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、n−プロピルアルコール、tert
−ブチルアルコール等のアルコール類;ジエチルエーテ
ル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、ジ−n−ブチルエーテル、tert−ブチルメチル
エーテル、tert−ブチルエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコール
ジメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n
−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエ
ステル類;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トル
エン、キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン等の脂肪族炭化水素類;アセトニトリル等のニト
リル類が挙げられる。またその中でも、好ましくはエー
テル類及びエステル類が好ましく、特に好ましくはテト
ラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、酢酸エチルである。またこれら
は単独で用いても、2つ以上の混合物として使用しても
良い。
【0039】またハイドライド還元剤としては、水素化
ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、ト
リアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素
ナトリウム類;ジボラン、ボラン、ボラン・THF、ボ
ラン・メチルスルフィド、ボラン・アンモニア、ボラン
・n−ブチルアミン、ボラン・ジメチルアミン等の無置
換ボラン類;(2,3−ジメチル−2−ブチル)ボラン
[別名:テキシルボラン]、イソピノカンフェニルボラ
ン等のアルキルボラン類;ビス(3−メチル−2−ブチ
ル)ボラン[別名:ジシアミルボラン]、9−ボラビシ
クロ[3.3.1]ノナン[別名:9−BBN]、ジイ
ソピノカンフェニルボラン等のジアルキルボラン類;カ
テコールボラン、ピナコールボラン等の分子内にホウ素
−酸素結合を持つボラン類等が挙げられる。この中で
も、水素化ホウ素ナトリウム類、無置換ボラン類、分子
内にホウ素−酸素結合を持ったボラン類が好ましく、特
にこの中でも、水素化ホウ素ナトリウムとカテコールボ
ランが好ましい。また水素化ホウ素ナトリウム類での還
元の場合、酸性条件にすることが好ましく、特に酸とし
て、酢酸のようなカルボン酸類を用いることが特に好ま
しい。還元剤の使用量は、ハイドライド還元剤、溶媒、
反応温度等の組み合わせによって最適値は異なるが、通
常、一般式(A)で表される化合物に対して、0.1〜
20モル倍量、好ましくは0.2〜5モル倍量の範囲で
ある。
【0040】ハイドライド還元剤による反応溶媒として
は、ハイドライド還元剤を用いた反応において通常用い
られるような、反応に不活性な溶媒であれば特に限定さ
れない。このような溶媒の具体例としては、ジエチルエ
ーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、ジ−n−ブチルエーテル、tert−ブチルメ
チルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢
酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等
のエステル類;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−
ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、
トルエン、キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロ
ロベンゼン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;アセトニトリル等
のニトリル類が挙げられる。還元剤として、BH3・ア
ミン錯体やシアノ水素化ホウ素ナトリウム等のようにプ
ロティック溶媒中でも、安定なものを使用する場合は、
水;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、tert−ブチルアルコ
ール等のアルコール類等を用いても構わない。またこれ
らの中でも、好ましくはエーテル類及びエステル類が好
ましく、特に好ましくはテトラヒドロフラン、tert
−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢
酸エチルである。またこれらは単独で用いても、2つ以
上の混合物として使用しても良い。
【0041】接触水素化反応及びハイドライド還元によ
る還元反応のいずれも、溶媒の使用量は、通常、反応基
質に対して0.1倍容量〜100倍容量程度用いられ、
好ましくは2.5〜30倍容量である。上記還元反応の
反応様式の代表例としては、以下にしめすようなものが
ある。接触水素化反応については、反応器に化合物
(A)、溶媒、酸、触媒を仕込み、水素と接触させなが
ら、好ましくは攪拌下、所定の温度下で所定の時間反応
させることにより行われる。
【0042】ハイドライド還元剤による還元反応につい
ては、反応器に化合物(A)、溶媒を仕込み、好ましく
は攪拌下、所定の温度下で還元剤を加え、所定の時間反
応させることにより行われる。また反応の手順として、
還元剤と溶媒の混合物に対して、基質を加えて反応させ
ても良いし、溶媒と基質の混合物を還元剤に加えても良
い。特に還元剤として、水素化ホウ素ナトリウム類を使
用する場合は、酸を加える工程を要するが、発生する水
素量及び反応熱を制御するため、化合物(A)、還元
剤、溶媒の混合物に酸を加えていくのが好ましい。
【0043】通常、還元反応は、反応温度−78〜12
0℃で行われる。光学活性体を製造する場合に、還元選
択性を上げるには、低温で行う方が好ましいが、冷却コ
スト等の工業的な観点から、−30〜30℃で反応を行
うのが好ましい。反応時間については、通常1時間〜1
2時間の範囲であり、また反応圧力に関しては、通常、
常圧であるが、必要に応じて、加圧下でも、減圧下でも
差し支えない。なおハイドライド還元剤による還元反応
は空気中で行っても、窒素等の不活性ガス中で行っても
良いが、還元剤の吸湿による分解を防ぐため、特に窒素
ガス等の不活性ガス中で行うのが好ましい。
【0044】本還元反応で得られる生成物である、一般
式(B)で表される化合物は、上記反応終了後、常法に
よって反応液から分離精製することができる。例えば、
反応液に水を加えた後、水層を中和して、有機溶媒で抽
出、濃縮、乾燥することにより、単離することができ
る。またさらにカラムクロマトグラフィーや蒸留によっ
て、精製し高純度の目的物を得ることもできる。加え
て、粗生成物に酸を加えることにより、酸付加塩として
精製することも可能である。次の反応には、精製した生
成物もしくは生成物の酸付加塩を用いても、粗生成物の
まま用いても構わない。
【0045】(β−アミノ酸エステルの環化)環化反応
は、酸性条件下で行われるのが好ましい。本発明に使用
される酸については、例えば、硫酸、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン
酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタン
スルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン
酸、2ーナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類;リン
酸、縮合リン酸化合物等のリン酸化合物類;蟻酸、酢
酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢
酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、安息香酸などのカ
ルボン酸類;塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などのハ
ロゲン化水素酸類;塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、四塩化ス
ズ、3フッ化ホウ素、3フッ化ホウ素エーテラート、四
塩化チタン、塩化アルミニウム等のルイス酸類が挙げら
れ、このうち、pKaが3以下の酸を使用するのが好ま
しい。この中でも特に、硫酸、メタンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、リン酸化合物
類が好ましく、最も好ましくはリン酸化合物類である。
また、4位のアミノ基と5位のアルコキシ基がシス配置
を持つアルキルオキシアミノフラノン誘導体を選択的に
得るために、環化反応を行うに当たっては、P25換算
で65〜73重量%の縮合リン酸化合物類が特に好まし
い。酸の使用量(縮合リン酸化合物の場合を除く)は、
一般式(B)で表される化合物に対して、通常0.1〜
30モル倍量使用され、好ましくは1.0〜10モル倍
量である。また縮合リン酸化合物の場合は、通常、0.
5〜100重量倍量使用され、好ましくは2〜10重量
倍量である。
【0046】上記環化反応は、無溶媒でも行うことはで
きるが、通常溶媒中で行われ、用いられる溶媒として
は、通常は非プロトン性の溶媒が用いられる。具体的に
は、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、te
rt−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエー
テル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、
酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類;塩
化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、1,2−ジクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族化水素類;ア
セトニトリル等のニトリル類が挙げられる。これらは単
独で用いても良いし、2つ以上の混合物として用いても
良い。
【0047】溶媒の使用量は、通常、反応基質に対して
0.5倍容量〜100倍容量程度用いられ、好ましくは
2.5〜30倍容量である。環化反応については、反応
器に化合物(B)、溶媒、酸を仕込み、好ましくは攪拌
下、所定の温度下で所定の時間反応させることにより行
われる。反応温度については、通常、0〜150℃で行
われ、好ましくは0〜50℃であり、反応時間は、反応
に使用する酸、溶媒、反応温度によって異なるが、30
分〜12時間、好ましくは1〜5時間の範囲で行われ
る。また反応圧力については、通常、常圧であるが、必
要に応じて加圧下でも減圧下でも差し支えない。
【0048】本還化反応で得られる生成物である一般式
(D)で表される化合物は、上記反応終了後、常法によ
って反応液から分離精製することができる。例えば、反
応液に水を加えた後、水層を中和して、有機溶媒で抽
出、濃縮、乾燥することにより、単離することができ
る。またさらにカラムクロマトグラフィーや蒸留によっ
て、精製し高純度の目的物を得ることもできる。環化反
応時に添加する酸の種類を選択することにより、環化反
応の進行とともに、酸付加塩の状態で析出させ取り出す
ことも出来る。一方、上記反応後に単離した一般式
(D)で表される化合物を鉱酸もしくは有機酸と溶媒中
で反応させることにより、酸付加塩として析出させ取り
出すこともできる。さらに、環化反応終了後、酸付加塩
の状態で単離した化合物を同様に別の種類の酸溶液中で
処理することにより、別の酸付加塩に変換することも可
能である。
【0049】(酸付加塩の製造)酸付加塩として、単離
する場合に用いる具体的な酸としては、塩酸、硫酸、リ
ン酸、縮合リン酸化合物等の鉱酸類;酢酸、モノクロロ
酢酸、ジクロロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ
酢酸などのカルボン酸類;メタンスルホン酸、トリフル
オロメタンスルホン酸、pートルエンスルホン酸、カン
ファースルホン酸等のスルホン酸類等が挙げられる。こ
の中でも塩酸、硫酸、モノクロロ酢酸、ジクロロロ酢
酸、トリクロロ酢酸、pートルエンスルホン酸が好まし
く。特に塩酸、モノクロロ酢酸、ジクロロロ酢酸、トリ
クロロ酢酸がもっとも好ましい。酸の使用量は、一般式
(D)で表される化合物に対して、通常0.1〜20モ
ル倍量使用され、好ましくは0.5〜2モル倍量であ
る。
【0050】酸付加塩の生成に関しては、反応器に化合
物(D)、溶媒を仕込み、好ましくは攪拌下、所定の温
度下で、酸もしくは溶媒に溶かした酸を加え、所定の時
間反応させることにより行われる。 また生成の方法と
しては、酸に化合物(D)を加えても良い。反応温度に
ついては、通常、−78〜150℃で行われ、好ましく
は0〜50℃であり、酸付加塩生成に要する時間は、使
用する酸、溶媒、温度によって異なるが、30分〜12
時間、好ましくは1〜5時間の範囲で行われる。
【0051】酸付加塩の単離方法としては、溶媒量にも
依存するが、上記酸付加塩の生成反応の進行とともに析
出する酸付加塩を濾過等により取り出してもよいし、必
要に応じて、反応液をそのまま冷却するか、あるいは反
応溶液に、例えばヘプタン等の炭化水素系溶媒のような
酸付加塩に対する貧溶媒を添加することにより、酸付加
塩として析出させ、取り出すこともできる。また得られ
た酸付加塩は、再結晶、再沈殿等の方法によって、さら
に精製し高純度の付加塩を得てもよい。
【0052】(加水分解反応)本発明においては、上記
化合物(B)を環化させて、化合物(D)を製造するに
当たり、化合物(B)をあらかじめ加水分解して、化合
物(C)を得た後に上述と同様の環化反応を行っても良
い。加水分解反応においては、反応系内にアルカリ化合
物を共存させて行うことが好ましい。使用されるアルカ
リとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;ナ
トリウムアミド、カリウムアミド等のアルカリ金属アミ
ド類;アンモニア、ピリジン、トリエチルアミン、ジイ
ソプロピルエチルアミンなどアミン類;ナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシド、tert−ブトキシカ
リウム、tert−ブトキシナトリウム等のアルコキシ
ド類が挙げられるが、これらの中でも、アルカリ金属水
酸化物が好ましく、特に水酸化リチウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムが好ましい。
【0053】上記アルカリの添加量としては、通常、反
応基質に対して0.1〜10モル倍量の範囲であるが、
好ましくは0.5〜5モル倍量である。上記加水分解反
応に用いられる溶媒としては、通常、加水分解反応で用
いられるような、反応に不活性な溶媒であれば特に限定
されない。具体的には、水;メタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t
ert−ブチルアルコール等のアルコール類;ジエチル
エーテル、ジーn−プロピルエーテル、ジイソプロピル
エーテル、ジーn−ブチルエーテル、tert−ブチル
メチルエーテル、テトラヒドロフラン、1、4ージオキ
サン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、
クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン等の芳香族
炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族
炭化水素類が挙げられ、それらを単独で用いても、混合
溶媒にして用いても良い。このうち、少なくともアルコ
ール系溶媒が混合されている溶媒を用いることが好まし
く、またアルコール類としては、特にメタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコールを用いることが好まし
い。
【0054】溶媒の使用量は、通常、反応基質に対して
0.5倍容量〜100倍容量程度用いられ、好ましくは
2.5〜30倍容量である。加水分解反応については、
反応器に化合物(B)、溶媒、水、アルカリを仕込み、
好ましくは攪拌下、所定の温度下で、所定の時間反応さ
せることにより行われる。反応温度については、通常、
反応温度が0〜100℃で行われ、好ましくは20〜8
0℃の範囲であり、反応時間については、加水分解に使
用する試薬、溶媒、反応温度により異なるが、通常30
分〜12時間の範囲であり、反応圧力については、通
常、常圧であるが、必要に応じて加圧下でも減圧下でも
差し支えない。
【0055】加水分解反応で得られる生成物である、一
般式(C)で表される化合物は、常法によって、反応液
から分離精製することができ、例えば具体的には、反応
終了後、中和してから、有機溶剤で抽出、濃縮、乾燥す
ることにより単離することができる。またさらにカラム
クロマトグラフィー等により精製し、高純度の生成物を
得ることもできる。
【0056】一般式(C)で表される化合物からは、こ
の後引き続いて上述と同様の環化反応の操作で一般式
(D)で表される化合物を製造できる。環化反応には、
精製した生成物(C)を用いても、粗生成物のまま用い
ても構わない。
【0057】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はそれらの例に限定されるものではない。 (製造例1)エタノール66.7mlに金属ナトリウム
4.24gを加え、90℃までに加熱、攪拌後、トルエ
ン134mlを加え、内温が105℃程度になるまで溶
媒を留去した。室温まで冷却の後、ジエトキシ酢酸エチ
ル25g、酢酸エチル12.5gを滴下して、その後、
加熱還流した。1時間後、0〜10℃で、10%酢酸水
溶液100mlを加え、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中
和、水層を酢酸エチルで抽出して、有機層を飽和食塩水
で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮して4,4
−ジエトキシ−3−オキソ−ブタン酸エチル22.5g
(収率73%)を得た。
【0058】(製造例2)製造例1で得た、4,4−ジ
エトキシ−3−オキソ−ブタン酸エチル22.5gをト
ルエン250mlに溶解し、酢酸7.69g、(R)−
(+)−1−フェネチルアミン15.5gを加え、加熱
還流させ、共沸脱水を行った。反応系を室温まで冷却し
て、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和して、酢酸エチル
で抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮して、4,
4−ジエトキシ−3−[(1R)−1−フェニルエチ
ル]アミノ−2−ブテン酸エチル29.4g(収率92
%)を得た。1 H−NMR(CDCl3)Z−体:1.11(t,J=
7.2Hz,3H),1.15(t,J=7.2Hz,
3H),1.29(t,J=7.0Hz,3H),1.
51(d,J=6.8Hz,3H),3.37〜3.5
1(m,4H),4.16(q,J=7.0Hz,2
H),4.77(s,1H),4.88(s,1H),
5.10(dq,J=6.8,8.8Hz,1H),
7.35〜7.24(m,5H),8.71(d,J=
8.8Hz,1H) (実施例1)
【0059】
【化26】
【0060】(3S)−4,4−ジエトキシ−3−
[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ−2−ブテン
酸エチル20gをテトラヒドロフラン122.5mlに
溶かし、0℃に冷却して1Mカテコールボラン・テトラ
ヒドロフラン溶液124.5mlを内温を保ちながら滴
下した。0℃で1時間攪拌後、酢酸7.5gを加えた。
さらに酢酸エチルと10%水酸化ナトリウム水溶液20
0mlを加えて攪拌後、分液をした有機層をもう一度1
0%水酸化ナトリウム水溶液200mlで洗浄した。水
層を酢酸エチルで再度抽出して、得られた有機層合わせ
て飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
濃縮して、4,4−ジエトキシ−3−[(1R)−1−
フェニルエチル]アミノ−ブタン酸エチル19.6g
(収率92%)(3S:3R=74:26)を得た。1 H−NMR(CDCl3): (3S)体=1.13(t,J=6.3Hz,3H),
1.15(t,J=6.3Hz,3H),1.25
(t,J=7.2Hz,3H),1.34(d,J=
6.9Hz,3H),2.43(dd,J=5.7,1
5.0Hz,1H),2.55(dd,J=6.0,1
5.0Hz,1H),2.55(dd,J=6.0,1
5.0Hz,1H),2.98(ddd,J=5.7,
6.0,6.0Hz,1H),3.32〜3.68
(m,4H),3.88(q,J=6.9Hz,1
H),4.12(q,J=7.2Hz,2H),4.3
1(d,J=6.0Hz,1H),7.22〜7.34
(m,5H) (3R)体=1.23〜1.16(m,9H),1.3
1(d,J=6.6Hz,3H),2.29(dd,J
=7.2,15.0Hz,1H),2.47(dd,J
=5.1,15.0Hz,1H),3.06(ddd,
J=3.9,5.1,7.2Hz,1H)、3.44〜
3.76(m,4H),4.10〜3.96(m,3
H),4.48(d,J=3.9Hz,1H),7.2
1〜7.33(m,5H) (実施例2)
【0061】
【化27】
【0062】(3S)−4,4−ジエトキシ−3−
[(1R)−1−フェニルエチル]アミノ−2−ブテン
酸エチル0.91gをtert−ブチルメチルエーテル
10mlに溶かし、97%水素化ホウ素ナトリム220
mgを加え、0℃に冷却して酢酸1.7gを滴下した。
0℃で2時間攪拌後、18%水酸化ナトリウム水溶液
6.0mlを加えて攪拌後、分液をした有機層を飽和食
塩水10mlで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥後、濃
縮して、4,4−ジエトキシ−3−[(1R)−フェニ
ル−エチルアミノ]−ブタン酸エチル995mg(収率
95%、純度87%) (3S:3R=64:36)を得た。
【0063】(実施例3)
【0064】
【化28】
【0065】4,4−ジエトキシ−3−[(1R)−1
−フェニルエチル]アミノブタン酸エチルのジアステレ
オマー混合物 865mg(3S:3R=64:36)
をtert−ブチルメチルエーテル4.0mLに溶かし
た後、室温でp−トルエンスルホン酸1水和物 508
mgを加えた。そのまま30分間攪拌すると白色結晶が
析出した。さらに0〜5℃まで冷却して30分間攪拌し
た。この白色結晶を濾過し、tert−ブチルメチルエ
ーテル 4.0mLで洗浄、減圧下で乾燥を行い、(3
S)−4,4−ジエトキシ−3−[(1R)−1−フェ
ニルエチル]アミノブタン酸エチル・p−トルエンスル
ホン酸塩 722mg(化学純度95%、混合物中に含
まれる3S体に対して、収率81%)を得た。HPLC
でジアステレオマー過剰率を分析すると、得られた3S
体は98%d.e.であることが分かった。
【0066】1H−NMR(CDCl3):3S体=1.
11(t,J=6.9Hz,3H),1.13(t,J
=6.6Hz,3H),1.24(t,J=6.9H
z,3H),1.82(d,J=6.9Hz,3H),
2.36(s,3H),2.78(dd,J=6.6,
17.4Hz,1H),3.00(dd,J=5.1,
17.4Hz,1H),3.38(m,1H),3.4
4〜3.68(m,4H),4.12(q,J=7.2
Hz,2H),4.55(m,1H),4.75(d,
J=5.1Hz,1H),7.17(d,J=8.1H
z,2H),7.30〜7.60(m,5H),7.7
8(d,J=8.1Hz,2H),8.05(br,1
H),9.50(br,1H) (実施例4)
【0067】
【化29】
【0068】70%縮合リン酸化合物 9g(P25
算で6.3g)を反応器に仕込んだ後、室温下、(3
S)−4,4−ジエトキシ−3−[(1R)−1−フェ
ニルエチル]アミノブタン酸エチル・p−トルエンスル
ホン酸塩3.0g(5.94ミリモル、化学純度98
%、光学純度98%d.e.)を添加した。3時間反応
を続行して反応を終了した。反応液を水40mlに溶解
し、トルエンを20ml添加した後、炭酸水素ナトリウ
ムでpHを6.0にして抽出した。水層を分離除去し、
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
脱水した。有機層を液体クロマトグラフィーで分析した
結果、5−エトキシ−4−[(1R)−1−フェニルエ
チル]アミノ−ジヒドロ−フラン−2−オンが1.07
g(4.29ミリモル、収率72%)、(4S,5
R):(4S:5S)=92:8の比で生成している事
がわかった。
【0069】(実施例5)
【0070】
【化30】
【0071】(3S)−4,4−ジエトキシ−3−
[(1R)−1−フェニルエチル]アミノブタン酸エチ
ル1.0gにテトラヒドロフラン10ml、エタノール
2ml、水2ml、水酸化リチウム1水和物0.52g
を加え、40℃で2時間攪拌し、その後室温へ冷却し
た。6N塩酸水溶液で中和後、酢酸エチルとテトラヒド
ロフランとを溶媒交換して分液、さらに無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。濾過、濃縮して(3S)−4,4−ジ
エトキシ−3−[(1R)−1−フェニルエチル]アミ
ノブタン酸0.90g(収率99%)を得た。1 H−NMR(CDCl3):(3S)体=1.22
(t,J=6.3Hz,3H),1.23(t,J=
6.3Hz,3H)1.56(d,J=6.9Hz,3
H),2.38(dd,J=4.8,16.8Hz,1
H),2.58(dd,J=5.1,16.8Hz,1
H),2.98(ddd,J=4.8,5.1,5.1
Hz,1H)、3.45〜3.82(m,4H),4.
38(q,J=6.9Hz,1H),4.50(d,J
=5.1Hz,1H),7.28〜7.39(m,5
H) (実施例6)
【0072】
【化31】
【0073】(3S)−4,4−ジエトキシ−3−
[(1R)−1−フェニルエチル]アミノブタン酸3.
56gにトリフルオロ酢酸15.7mlを加え、内温5
0℃に加温して、8時間攪拌した。酢酸エチルで希釈
後、氷冷下、重炭酸ナトリウム水溶液で中和して、酢酸
エチル45mlで3回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、濃縮して、5−エトキシ−4−[(1R)−1−
フェニルエチル]アミノ−ジヒドロ−フラン−2−オン
を(4S,5R)体:(4S,5S)体=92:8の比で
(4S,5R)体1.23g(収率37%)を得た。
【0074】(実施例7)
【0075】
【化32】
【0076】実施例6で得られた(4S,5R):(4
S,5S)=92:8の比の5−エトキシ−4−[(1
R)−1−フェニルエチル]アミノ−ジヒドロ−フラン
−2−オン0.15gを室温でジイソプロピルエーテル
1.5mlに溶解し、トリクロロ酢酸0.094gを含
むジイソプロピルエーテル0.2mlを滴下し、オイル
状の塩が析出した際はイソプロピルアルコールを少量加
え再溶解させながらトリクロロ酢酸ジイソプロピルエー
テル溶液を滴下した。析出した白色固体を濾過、乾燥さ
せて(4S,5R)−5−エトキシ−4−[(1R)−
1−フェニルエチル]アミノ−ジヒドロ−フラン−2−
オン・トリクロロ酢酸塩 0.19gを得た。1 H−NMR(CDCl3):1.23(t,J=7.2
Hz,3H),1.79(d,J=6.9Hz,3
H),2.81〜2.97(m,2H),3.32〜
3.38(m,1H),3.65〜3.76(m,2
H),4.34(q,J=6.9Hz,1H),4.7
9(d,J=4.5Hz,1H),7.45〜7.52
(m,5H)
【0077】
【発明の効果】本発明によりアルキルオキシアミノフラ
ノン誘導体を工業的に安価で簡便に製造することが出来
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春日 優三 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 渡辺 尚之 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 邑上 健 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 須藤 智子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 松本 陽一 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4C037 FA10 4H006 AA01 AB84 BJ50 BP10 BS10 BT12 BU38

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(A) 【化1】 (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して置換されてい
    ても良いアルキル基を示し、R3は、それぞれ置換され
    ていても良い、アルキル基、アリール基、アルキルアミ
    ノ基又はアリールアミノ基を示す。)で表される化合物
    を還元して下記一般式(B) 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は、一般式(A)と同義であ
    る)で表される化合物を得た後、さらに環化させること
    を特徴とする下記一般式(D) 【化3】 (式中、R1及びR3は、一般式(A)と同義である)で
    表されるアルキルオキシアミノフラノン誘導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 下記一般式(B) 【化4】 (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して置換されてい
    ても良いアルキル基を示し、R3は、それぞれ置換され
    ていても良い、アルキル基、アリール基、アルキルアミ
    ノ基又はアリールアミノ基を示す。)で表される化合物
    を環化させて、下記一般式(D) 【化5】 (式中、R1及びR3は、一般式(A)と同義である)を
    製造するに当たり、あらかじめ、上記一般式(B)で表
    される化合物を加水分解し、下記一般式(C) 【化6】 (式中、R1及びR3は、一般式(A)と同義である)で
    表される化合物を得た後に、さらに環化反応を行うこと
    を特徴とする請求項1記載のアルキルオキシアミノフラ
    ノン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルキルオキシアミノフラノン誘導体
    (D)を酸付加塩として析出させて取り出すことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 還元を接触水素化反応又はハイドライド
    還元剤を使用した還元反応により行うことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ハイドライド還元剤が、ホウ素を含有し
    たハイドライド還元剤であることを特徴とする請求項4
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 還元反応を酸性条件下で行うことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 環化反応をpKa=3以下の酸により行
    うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 環化反応をリン酸化合物で行うことを特
    徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 一般式(A)、(B)、(C)及び
    (D)で表される化合物が光学活性体であることを特徴
    とする請求項1〜8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 一般式(A)で表される化合物が、下
    記一般式(H) 【化7】 (式中、R1及びR2は、一般式(A)と同義である。)
    で表される化合物と下記一般式(I) 【化8】 (式中、R2は、一般式(A)と同義である。)で表さ
    れる化合物とを縮合させ、下記一般式(J) 【化9】 (式中、R1及びR2は、一般式(A)と同義である。)
    で表される化合物を得た後、R3NH2(R3は一般式
    (A)と同義である。)と反応させることにより製造さ
    れたものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれ
    かに記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 下記一般式(A’) 【化10】 (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して置換されてい
    ても良いアルキル基を示し、R4、R5はそれぞれ独立し
    て置換されていても良い、アルキル基もしくはアリール
    基を示す。)で表されるエナミン誘導体。
  12. 【請求項12】 下記一般式(B’) 【化11】 (式中、R1'及びR2'は、それぞれ独立して、炭素数2
    以上の置換されていても良いアルキル基を示し、R4
    びR5はそれぞれ独立して置換されていても良い、アル
    キル基もしくはアリール基を示す。)で表されるβ−ア
    ミノ酸エステル。
  13. 【請求項13】 下記一般式(C’) 【化12】 (式中、R1 ' は、炭素数2以上の置換されていても良い
    アルキル基を示し、R4及びR5はそれぞれ独立して置換
    されていても良い、アルキル基もしくはアリール基を示
    す。)で表されるβ−アミノ酸。
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