JP2002080035A - 展示用包装箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 商品の倒れ、滑りを防止する機能を有する展
示用包装箱の提供。 【解決手段】 単位箱又は複数箱集合させた包装箱の底
板に自立性に欠けた商品の倒れ滑りを防止する起立片１
１を設けた包装箱。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自立性に欠けた商
品、例えば小袋に詰めた食品、衣料品、又は書籍、雑
誌、或いはスキンパック、ブリスタパックで内容物が固
定された事務用品や家庭用品等を、ストアの陳列棚等に
起立した姿で陳列できるようした商品の倒れ及び滑りを
防止する機能を有する展示用包装箱に関する。

【０００２】

【従来の技術】日常生活関連消費材等の小売を主とする
商取引において、最終使用者の手元に渡る最小単位の包
装（個装）として、パウチと呼ばれる小袋入りの商品
や、スキンパック、ブリスタパック入り商品が多用され
ている。このような商品は段ボール等の外箱に収納され
て、輸送、保管されている。輸送保管が終わり、小売店
等で販売に供する際は、輸送箱ごとディスプレイするこ
とがあった。

【０００３】また上記の商品は使用する袋や台紙などが
比較的平滑でかつ広面積であるので、消費者への情報量
を多く必要とする消費者包装に適し、かつ小売店舗での
対面販売用に使用されることが多い。すなわち多くの内
容物のメーカーや販売者は、販売促進効果や宣伝効果を
高めるため、商品の顔とも言える正面のデザインを重要
視し、消費者から一番良く見える正面に商品の特徴や機
能、キャッチコピー等を表現している。したがって、販
売店で商品を陳列する際には、他の商品に比較して優れ
た陳列性と表示性を発揮するのである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記商品は通
常自立した姿で陳列棚に並べることができず、横たえた
姿で陳列するか、吊り下げ陳列するかの何れかの方法に
よるしかなかった。例えばパウチの場合、頂部に穴を開
けたもの、スタディングパウチと呼ばれている袋自体が
自立体としての形状保持性を持った特別の袋以外に、平
板状または枕状の形態を有しているため（前者はフラッ
ト袋、後者はピロー袋と呼ばれている）、フラット袋や
ピロー袋は、スタディングパウチと比較すると、前記の
ような自立性を有しないのでスーパーマーケットなどの
量販店、専門店、小売店舗での対面販売用に使用したと
き、自立性がないので次に述べるような問題があった。

【０００５】すなわち小売店などで対面販売またはセル
フ販売に供する場合には、別に陳列用吊り下げフックを
用意しておかねばならなかったり、横に寝かせて展示し
なければならないので場所をとる。また前記のように、
展示箱を兼ねた輸送用包装箱に入れたまま上記の商品を
対面販売またはセルフ販売に供することがあるがその場
合、箱内の商品の入数が減少してくるとパウチ等は自立
性がないので手前側に滑って倒れてしまい、購入者が取
り出しにくくなる。また、包装箱内で倒れている場合が
多いと、メーカー等の意図する商品の特徴や機能、キャ
ッチコピーが消費者に伝わらないので、結果として販売
促進効果や宣伝効果も上がらないので、この点の解決案
が求められていた。

【０００６】本発明は、上記のような自立性に欠けた商
品が常時起立した姿で簡単に陳列できるようにした商品
の倒れ及び滑りを防止できる機能を有する展示用包装箱
を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【０００７】上記の課題を解決するために、本発明が採
用した手段は次の通りである。請求項１記載の発明は、
展示用開口面を有した包装箱の底板の上面に、収納した
内容物の下部を保持して倒れ及び滑りを防止する起立片
を設けたことを特徴とする展示用包装箱である。起立片
は包装箱と一体でも別体でもよい。

【０００８】請求項２の発明は、上記起立片が上記箱の
長さ方向及び／又は幅方向に所定の間隔で複数設けられ
ていることを特徴とする請求項１に記載の展示用包装箱
である。

【０００９】請求項３の発明は、上記起立片が上記底板
に設けたほぼコの字形の切込により形成され、使用時に
箱の底板内側に切起こして起立させることができるよう
に構成されていることを特徴とする請求項１または２の
何れかに記載の展示用包装箱である。

【００１０】請求項４の発明は、上記包装箱が複数個の
箱体と断面コ字状に折り曲げられる蓋体とから成り、上
記箱体は上部が開放されていると共に側面同士を接した
状態に並べて集合されており、集合した箱体の上面に上
記蓋体を被着して、該蓋体の前後フラップを箱体の前後
面に接着し、また上記蓋体は各箱体の側面接合位置に沿
ってカットテープ又はミシン目等の切離し手段を設け
て、各箱体が個々に分離できるように形成されているこ
とを特徴とする請求項１〜３の何れかに記載の展示用包
装箱である。

【００１１】請求項５の発明は、上記箱体が正面の下部
寄り位置に水平方向の切取部を設け、左右両側面には上
記切取部の両端から斜め方向に切離し手段を設けて、展
示用の開口面を形成させることを特徴とする請求項１〜
４いずれかに記載の展示用包装箱である。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図面を参
照して説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。

【００１３】図１は本発明の展示用包装箱における複数
の箱体を示した斜視図であり、図２は小売店で販売に供
する際に、集合した各箱体Ａの上面に被着した蓋体Ｂ
を、各箱体の隣接位置に沿って切り離す状態を示した斜
視図である。また図３は各箱体を構成するブランクの平
面図、図４は蓋体の平面図である。

【００１４】図１と２に示したようにこの実施形態の包
装箱は、展示用開口部を有する各箱体Ａの底板１の中央
部上面に、収納した内容物の下部を保持して移動を防止
するストッパー、即ち内容物の倒れ及び滑りを防止する
起立片１１を設けたものである。すなわちこの実施の形
態では、底板中央部にコの字形の切込を形成して、この
切込の内側を箱内に切起こして起立片を形成させてい
る。しかし、この起立片は、図示されていないが各箱体
とは別体のプラスチックや金属などの材料で、断面Ｌ字
形に成形した後このものを底板の上にカシメ止め、又は
接着剤等で固定することも可能である。しかしながら、
図１または２のように箱体を構成する底板からら切起こ
して形成させることが経済的にも製造効率の点でも好ま
しいものである。

【００１５】なお図１の場合、起立片１１は上記底板の
中央に１個設けられているが、その位置は図示の例に限
定されるものではない。大きさも同様であって、箱内に
収容する内容物に応じ適宜に定めることができる。例え
ば、箱の長さ方向及び／又は幅方向に所定の間隔で起立
片を複数設けることが可能である。このように、起立片
を複数設けた場合には、箱内が細かく区分され、内部に
収容した商品の入り数が少なくなっても、収納した商品
が倒れ或いは滑って横に寝るようなことがなく、商品の
起立状態を確実に維持できる（図５参照）。

【００１６】

【実施例】以下本発明の一実施例について具体的に説明
する。はじめに箱体Ａの構成を説明すると、この実施例
の箱体Ａは段ボールシートを素材とする図３に示すブラ
ンクを使用して組み立てる。

【００１７】図３において、符号１はブランク中央部に
区画形成した底板であり、２Ａ、２Ｂは底板の左右の両
縁に連接した一対の側板である。３Ａ、３Ｂは左右側板
の端縁に連接した一対の補助フラップである。これらの
底板、両側板、両フラップは、図示のように全体として
一方向に連接されている。４Ａ、５Ｂは底板の前後両縁
に連接した外フラップ、６Ａと６Ｂ、７Ａと７Ｂは左右
側板の前後両縁に連接した内フラップであって、これら
の内フラップは、箱の組立て時に、各側板に対し直角に
折り曲げてから互いに突き合わせた後、４Ａと５Ｂで示
す外フラップをその上に接着することで、箱体の正面部
材と背面部材を形成するようになっている。

【００１８】底板１は、中央にほぼコ字形の切込線９を
形成すると共にその切込線の両端を結んで折線１０を形
成することにより、切起こし可能な起立片１１を形成す
る。また、正面部材となる内フラップ６Ａと６Ｂの中央
部分には、フラップの連接折目とフラップの自由端との
間に跨って帯状の切取部１２Ａと１２Ｂを形成する。さ
らに、左右の側板２Ａと２Ｂにはそれぞれに前記フラッ
プの連接折目と切取部が交わる個所から、内フラップ７
Ａ、７Ｂと補助フラップ３Ａ、３Ｂとの交点に向かって
斜め方向にミシン目などで形成した切り離し手段１３Ａ
と１３Ｂを形成する。後記のように、前記切り離し手段
１３Ａと１３Ｂと、帯状の切取部１２Ａと１２Ｂは、小
売店等で本発明の展示用包装箱を箱ごと展示販売に供す
る際に、箱体の正面及び左右両側面を斜めに切除して展
示用の開口を形成させるものである。

【００１９】上記ブランクを組み立てるときは、通常の
通り、底板１に対して両側板２Ａ、２Ｂを直角に立上げ
てから内フラップ６Ａと６Ｂを突き合わせ、また内フラ
ップ７Ａと７Ｂを突き合わせてから、その上に外フラッ
プ４Ａと５Ｂをそれぞれ接着すると天面が開口した箱体
Ａが完成する。

【００２０】図１はこのブランクを組み立てて形成した
箱体Ａを複数集合させた状態を示し、この箱内に図示を
省略したが、自立性に欠けた小袋に詰めた食品、衣料品
または書籍、雑誌、或いは事務用品や家庭用品等を収納
するものである。収納後、各箱体Ａの上面には、図４に
示した共通の蓋体Ｂを被着して、該蓋体の前後接合フラ
ップ１５Ａ、１５Ｂを箱体の前後面にホットメルト接着
することにより一体にまとめて、輸送、保管に供する。
因みに図4において、符号１６で示すものは蓋体の切断
するためのカットテープであり、１７は蓋本体１４にほ
ぼＨ形の切り込みにより形成した指掛け部である。輸送
保管が終わり、小売店等でケースごと展示販売に供する
際に、蓋体に設けたカットテープ又はミシン目等の切離
し手段により各箱体に分離する。また各箱体の正面及び
左右両側面を切離し手段１２、１３により斜めに切除し
て、展示用の開口面を形成させるのである。

【００２１】図５は、小売店等の店頭で箱ごと展示販売
に供する状況を示した部分切欠き断面図であるが、図の
ように展示用開口部８を有した箱Ａの底板の上面に、収
納した内容物Ｇの下部を保持して倒れ及び滑りを防止す
る起立片１１を複数設けた場合は、箱内の内容物の入数
が減少しても内容物Ｇが手前側に滑って倒れたり購入者
が取り出しにくくなることが防止される、また、包装箱
内で倒れている場合が多いと、メーカーや販売者等の意
図する販売促進効果や宣伝効果が発揮されないが、この
ような問題点も未然に解消される。

【００２２】

【発明の効果】上記のとおり本発明によれば、自立性に
欠けた小袋入り商品やスキンパック、ブリスタパック入
り商品などを小売店などで対面販売またはセルフ販売に
供するとき、輸送箱ごと展示することができ、かつその
際に箱内に収納された前記商品が倒れ或いは滑って横に
寝るようなことが防止され、商品が起立し続けるので取
出しやすく、また優れた陳列性と表示性を発揮し、販売
促進効果および宣伝効果が高まる点で優れたものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の箱体を複数集合させた状態を
示した斜視図である。

【図２】図２は、販売時に集合した箱体の上面に被着し
た蓋体を各箱体の隣接位置に沿って切離す状態を示した
斜視図である。

【図３】図３は、各箱体を構成するブランクの平面図で
ある。

【図４】図４は、蓋体の平面図である。

【図５】図５は、店頭で包装箱ごと展示販売に供する状
況を示し部分切欠き断面図である。

【符号の説明】

１ 底板 ２Ａ、２Ｂ 側板 ３Ａ、３Ｂ 補助フラップ ４Ａ、５Ｂ 外フラップ ６Ａ、６Ｂ 内フラップ ７Ａ、７Ｂ 内フラップ ８ 展示開口 ９ コ字形切込線 １０ 折線 １１ 起立片 １２Ａ、１２Ｂ 切取部 １３Ａ、１３Ｂ切り離し手段 １４ 蓋本体 １５Ａ、１５Ｂ 接合フラップ １６ カットテープ １７ Ｈ型指掛部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 展示用開口面を有した包装箱の底板に、
   収納した内容物の下部を保持して倒れ及び滑りを防止す
   る起立片を設けたことを特徴とする展示用包装箱。
2. 【請求項２】 上記起立片は、上記箱の長さ方向及び／
   又は幅方向に複数設けられていることを特徴とする請求
   項１に記載の展示用包装箱。
3. 【請求項３】 上記起立片は、上記底板に設けた略コの
   字形の切込により形成され、使用時に箱の底板内側に切
   起こして起立させることができるように構成されている
   ことを特徴とする請求項１または２の何れかに記載の展
   示用包装箱。
4. 【請求項４】 上記包装箱は、複数個の箱体と断面コ字
   状に折り曲げられる蓋体とから成り、上記箱体は上部が
   開放されていると共に側面同士を接した状態に並べて集
   合されており、集合した箱体の上面に上記蓋体を被着し
   て、該蓋体の前後フラップを箱体の前後面に接着し、ま
   た上記蓋体は各箱体の側面接合位置に沿ってカットテー
   プ又はミシン目等の切離し手段を設けて、各箱体が個々
   に分離できるように形成されていることを特徴とする請
   求項１〜３の何れかに記載の展示用包装箱。
5. 【請求項５】 上記箱体は、正面の下部寄り位置に水平
   方向の切取部を設け、左右両側面には上記切取部の両端
   から斜め方向に切離し手段を設けて、展示用の開口面を
   形成させることを特徴とする請求項１〜４いずれかに記
   載の展示用包装箱。