JP2002079164A - エクストルージョン型ノズル、塗布装置、並びにプラズマディスプレイパネル前面板の誘電体層の製造方法 - Google Patents
エクストルージョン型ノズル、塗布装置、並びにプラズマディスプレイパネル前面板の誘電体層の製造方法Info
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- JP2002079164A JP2002079164A JP2000271097A JP2000271097A JP2002079164A JP 2002079164 A JP2002079164 A JP 2002079164A JP 2000271097 A JP2000271097 A JP 2000271097A JP 2000271097 A JP2000271097 A JP 2000271097A JP 2002079164 A JP2002079164 A JP 2002079164A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 プラズマディスプレイパネルの製造プロセス
におけるガラス板上への誘電体塗布では、ガラス板の有
する撓みによって均一な塗布が難しい。 【解決手段】 塗布直前において被塗布物5の表面に接
触することで、被塗布物5の表面の高さに応じてスリッ
ト9の先端の吐出口11の開度が変化する機構7を塗布
幅方向に一つ以上備えたことを特徴とするエクストルー
ジョン型ノズル100である。
におけるガラス板上への誘電体塗布では、ガラス板の有
する撓みによって均一な塗布が難しい。 【解決手段】 塗布直前において被塗布物5の表面に接
触することで、被塗布物5の表面の高さに応じてスリッ
ト9の先端の吐出口11の開度が変化する機構7を塗布
幅方向に一つ以上備えたことを特徴とするエクストルー
ジョン型ノズル100である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、矩形ガラス基板の
ような枚葉状の被塗布物の表面に塗布液を塗布するため
のノズル、塗布装置、およびプラズマディスプレイパネ
ル前面板の誘電体層の製造方法に関する。
ような枚葉状の被塗布物の表面に塗布液を塗布するため
のノズル、塗布装置、およびプラズマディスプレイパネ
ル前面板の誘電体層の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス基板のような枚葉状の被塗布物の
表面に、均一に塗布液を塗布する方法として、エクスト
ルージョン型ノズルを用いた塗布方法がある。エクスト
ルージョン型ノズルは、ノズルに供給された塗布液を塗
布幅方向に分配するマニホールドと、マニホールド内の
塗布液を整流しつつ吐出するスリットを備えた構造とな
っている。エクストルージョン型ノズルを用いた粘性を
有する塗布液の塗布では、マニホールド内での圧力損失
により、塗布液の供給側の圧力が高く、その反対側で圧
力が低くなる圧力勾配が生じる。この結果、スリットの
長さが塗布幅方向にわたって一定である通常のエクスト
ルージョン型ノズルでは、供給側からその反対側に徐々
に塗布膜厚が薄くなって均一な膜厚分布が得られない。
表面に、均一に塗布液を塗布する方法として、エクスト
ルージョン型ノズルを用いた塗布方法がある。エクスト
ルージョン型ノズルは、ノズルに供給された塗布液を塗
布幅方向に分配するマニホールドと、マニホールド内の
塗布液を整流しつつ吐出するスリットを備えた構造とな
っている。エクストルージョン型ノズルを用いた粘性を
有する塗布液の塗布では、マニホールド内での圧力損失
により、塗布液の供給側の圧力が高く、その反対側で圧
力が低くなる圧力勾配が生じる。この結果、スリットの
長さが塗布幅方向にわたって一定である通常のエクスト
ルージョン型ノズルでは、供給側からその反対側に徐々
に塗布膜厚が薄くなって均一な膜厚分布が得られない。
【0003】この課題に対して、塗布幅方向にわたる膜
厚を均一にする方法として、特開2000−70811
号公報では、塗布液の供給側のスリットの長さを長く、
その反対側のスリットの長さを短くすることで、マニホ
ールド内の圧力勾配を是正し、均一に塗布する方法を提
案している。
厚を均一にする方法として、特開2000−70811
号公報では、塗布液の供給側のスリットの長さを長く、
その反対側のスリットの長さを短くすることで、マニホ
ールド内の圧力勾配を是正し、均一に塗布する方法を提
案している。
【0004】また、被塗布物であるガラス基板は、反
り、撓みを有している場合が多く、このような被塗布物
に対して、図10に示すような通常のエクストルージョ
ン型ノズルで塗布する場合、図11に示すようにノズル
先端と被塗布物との間隙が塗布幅方向で不均一となり、
間隙が大きい部分で膜厚が大きく、間隙が小さい部分で
は膜厚が小さくなり、膜厚分布は不均一になる。
り、撓みを有している場合が多く、このような被塗布物
に対して、図10に示すような通常のエクストルージョ
ン型ノズルで塗布する場合、図11に示すようにノズル
先端と被塗布物との間隙が塗布幅方向で不均一となり、
間隙が大きい部分で膜厚が大きく、間隙が小さい部分で
は膜厚が小さくなり、膜厚分布は不均一になる。
【0005】この課題に対して、塗布幅方向にわたる膜
厚を均一にする方法として、特開2000−14074
0号公報では、塗布工程以前の工程で基板の反り、撓み
を計測し、その結果に基づいて、ノズルを昇降させた
り、傾斜させたり、ノズルと被塗布物との間隙が塗布幅
方向に渡って均一となるようノズル全体を変形させる方
法を提案している。
厚を均一にする方法として、特開2000−14074
0号公報では、塗布工程以前の工程で基板の反り、撓み
を計測し、その結果に基づいて、ノズルを昇降させた
り、傾斜させたり、ノズルと被塗布物との間隙が塗布幅
方向に渡って均一となるようノズル全体を変形させる方
法を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗布液
の供給側のスリットの長さを長く、その反対側のスリッ
トの長さを短くすることで、マニホールド内の圧力勾配
を是正する方法は、被塗布物とノズルとの間隙が幅方向
にわたって均一な場合に適用可能な方法であり、反り、
撓みを有する被塗布物に対する塗布では効果が得られな
い。
の供給側のスリットの長さを長く、その反対側のスリッ
トの長さを短くすることで、マニホールド内の圧力勾配
を是正する方法は、被塗布物とノズルとの間隙が幅方向
にわたって均一な場合に適用可能な方法であり、反り、
撓みを有する被塗布物に対する塗布では効果が得られな
い。
【0007】また、被塗布物の形状測定結果に基づく、
ノズルの昇降、傾斜による方法は、塗布幅方向の中央部
を中心とした反り、撓みを有している被塗布物に対する
塗布では、被塗布物とノズルとの間隙を塗布幅方向に渡
って均一にすることはできず、均一な塗布は困難であ
る。
ノズルの昇降、傾斜による方法は、塗布幅方向の中央部
を中心とした反り、撓みを有している被塗布物に対する
塗布では、被塗布物とノズルとの間隙を塗布幅方向に渡
って均一にすることはできず、均一な塗布は困難であ
る。
【0008】ノズル全体を変形させる方法は、均一な塗
布を実現するために非常に高い機械的精度および剛性が
必要とされるエクストルージョン型ノズルを任意の形状
に変形させるためには、非常に強大な加圧力を発生し、
かつ緻密に加圧力を制御可能な装置が必要となり、大掛
かりで高価な塗布装置となる。
布を実現するために非常に高い機械的精度および剛性が
必要とされるエクストルージョン型ノズルを任意の形状
に変形させるためには、非常に強大な加圧力を発生し、
かつ緻密に加圧力を制御可能な装置が必要となり、大掛
かりで高価な塗布装置となる。
【0009】本発明は、上述の従来のエクストルージョ
ン型ノズルおよび塗布装置の有する課題を考慮して、反
り、撓みを有する被塗布物の表面全域にわたって均一な
膜厚分布を得ることができ、かつ、矩形枚葉状の被塗布
物表面に、必要な部分のみに塗布液を断続的に塗布する
ことができるエクストルージョン型ノズルおよび塗布装
置を提供することを目的とするものである。また、反
り、撓みを有するガラス基板上に誘電体ペースト塗布す
る工程を有するプラズマディスプレイパネル前面板の製
造方法を提供することを目的とするものである。
ン型ノズルおよび塗布装置の有する課題を考慮して、反
り、撓みを有する被塗布物の表面全域にわたって均一な
膜厚分布を得ることができ、かつ、矩形枚葉状の被塗布
物表面に、必要な部分のみに塗布液を断続的に塗布する
ことができるエクストルージョン型ノズルおよび塗布装
置を提供することを目的とするものである。また、反
り、撓みを有するガラス基板上に誘電体ペースト塗布す
る工程を有するプラズマディスプレイパネル前面板の製
造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の本発明は、塗布液
を塗布幅方向に行き渡らせるマニホールドと、前記マニ
ホールドに供給された前記塗布液を整流して吐出するス
リット部を備えるエクストルージョン型ノズルであっ
て、塗布直前において被塗布物の表面に接触すること
で、前記被塗布物の表面の高さに応じて前記スリット部
先端の吐出口の開度が変化する機構を塗布幅方向に一つ
以上備えたことを特徴とするエクストルージョン型ノズ
ルである。
を塗布幅方向に行き渡らせるマニホールドと、前記マニ
ホールドに供給された前記塗布液を整流して吐出するス
リット部を備えるエクストルージョン型ノズルであっ
て、塗布直前において被塗布物の表面に接触すること
で、前記被塗布物の表面の高さに応じて前記スリット部
先端の吐出口の開度が変化する機構を塗布幅方向に一つ
以上備えたことを特徴とするエクストルージョン型ノズ
ルである。
【0011】第2の本発明は、塗布液を塗布幅方向に行
き渡らせるマニホールドと、前記マニホールドに供給さ
れた前記塗布液を整流して吐出するスリット部を備える
エクストルージョン型ノズルであって、被塗布物の表面
の高さを検出する手段と、検出された前記被塗布物の表
面の高さに応じて前記スリット部先端の吐出口の開度を
調節する手段を備えたことを特徴とするエクストルージ
ョン型ノズルである。
き渡らせるマニホールドと、前記マニホールドに供給さ
れた前記塗布液を整流して吐出するスリット部を備える
エクストルージョン型ノズルであって、被塗布物の表面
の高さを検出する手段と、検出された前記被塗布物の表
面の高さに応じて前記スリット部先端の吐出口の開度を
調節する手段を備えたことを特徴とするエクストルージ
ョン型ノズルである。
【0012】第3の本発明は、被塗布物の塗布直前の部
分を上下からロールにより押さえながら搬送することを
特徴とする塗布装置である。
分を上下からロールにより押さえながら搬送することを
特徴とする塗布装置である。
【0013】第4の本発明は、塗布直前の位置において
被塗布物と接触することにより、前記被塗布物の撓みに
応じて変形する弾性体からなる第1ロール、および前記
被塗布物と非接触かつ前記第1ロールと接触することに
よって前記被塗布物の有する撓みに応じた変形をする弾
性体からなる第2ロールを備え、前記第2ロールにより
塗布液を前記被塗布物に塗布する塗布装置である。
被塗布物と接触することにより、前記被塗布物の撓みに
応じて変形する弾性体からなる第1ロール、および前記
被塗布物と非接触かつ前記第1ロールと接触することに
よって前記被塗布物の有する撓みに応じた変形をする弾
性体からなる第2ロールを備え、前記第2ロールにより
塗布液を前記被塗布物に塗布する塗布装置である。
【0014】第5の本発明は、塗布液を塗布幅方向に行
き渡らせるマニホールドと、前記マニホールドに供給さ
れた前記塗布液を整流して吐出するスリット部を備える
エクストルージョン型ノズルであって、前記マニホール
ドの一部と連通したピストンの往復運動により、前記マ
ニホールドへの前記塗布液の充填およびノズルからの吐
出を行うエクストルージョン型ノズルである。
き渡らせるマニホールドと、前記マニホールドに供給さ
れた前記塗布液を整流して吐出するスリット部を備える
エクストルージョン型ノズルであって、前記マニホール
ドの一部と連通したピストンの往復運動により、前記マ
ニホールドへの前記塗布液の充填およびノズルからの吐
出を行うエクストルージョン型ノズルである。
【0015】第6の本発明は、プラズマディスプレイパ
ネルの前面板のガラス板に形成される誘電体層の製造方
法であって、第1〜第5の本発明のノズルまたは塗布装
置を用いて、前記ガラス板上に誘電体ペーストからなる
塗布液を塗布して誘電体層を形成することを特徴とする
プラズマディスプレイパネル前面板の誘電体層の製造方
法である。
ネルの前面板のガラス板に形成される誘電体層の製造方
法であって、第1〜第5の本発明のノズルまたは塗布装
置を用いて、前記ガラス板上に誘電体ペーストからなる
塗布液を塗布して誘電体層を形成することを特徴とする
プラズマディスプレイパネル前面板の誘電体層の製造方
法である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。
いて、図面を参照して説明する。
【0017】(実施の形態1)以下に、本願の請求項1
記載の発明に係る実施の形態1について説明する。
記載の発明に係る実施の形態1について説明する。
【0018】図1は、実施の形態1のエクストルージョ
ン型ノズル100の斜視図である。また、図2は、実施
の形態1の塗布装置100の側断面図である。定量ポン
プのように安定した送液が可能な供給ポンプにより送り
出された塗布液10が、供給配管1を通して、ノズル1
00内に供給される。ノズル100内に供給された塗布
液10は、マニホールド8において塗布幅方向に分配さ
れ、スリット9を通じて吐出口11から吐出される。ノ
ズル100から吐出された塗布液10は、被塗布物5上
に塗布され、塗膜6が形成される。
ン型ノズル100の斜視図である。また、図2は、実施
の形態1の塗布装置100の側断面図である。定量ポン
プのように安定した送液が可能な供給ポンプにより送り
出された塗布液10が、供給配管1を通して、ノズル1
00内に供給される。ノズル100内に供給された塗布
液10は、マニホールド8において塗布幅方向に分配さ
れ、スリット9を通じて吐出口11から吐出される。ノ
ズル100から吐出された塗布液10は、被塗布物5上
に塗布され、塗膜6が形成される。
【0019】図1に示されるように、ノズル100は、
下ブロック2と上ブロック3と2つのサイドブロック4
L及び4Rから構成される。下ブロック2は、上ブロッ
ク3と組み合わせることによってマニホールド8及びス
リット9が形成されるような形状に加工がなされてい
る。各ブロック2,3,4L及び4Rは、互いにネジ
(図示せず)で連結されている。また、一方のサイドブ
ロック4Lには、塗布液10を供給するための配管1が
接続されている。
下ブロック2と上ブロック3と2つのサイドブロック4
L及び4Rから構成される。下ブロック2は、上ブロッ
ク3と組み合わせることによってマニホールド8及びス
リット9が形成されるような形状に加工がなされてい
る。各ブロック2,3,4L及び4Rは、互いにネジ
(図示せず)で連結されている。また、一方のサイドブ
ロック4Lには、塗布液10を供給するための配管1が
接続されている。
【0020】本発明の特徴である吐出口開度調節機構7
は、図1に示されるように、塗布幅方向(矢印A)に渡
って少なくとも1つ以上配置される。吐出口開度調節機
構7は、塗布直前の位置において、被塗布物5の表面に
接触するように配置されている。被塗布物5の表面の高
さによって、例えばコイルバネの伸縮を利用して吐出口
開度調節機構7が図2に示される矢印Cの方向に上下す
ることによって、吐出口の開度が変化する。被塗布物5
の表面の高さによる吐出口開度の変化量は、例えば、吐
出口開度調節機構7の塗布液10の吐出を遮る部分の角
度を調節したり、吐出口開度調節機構7の形状を変更す
ることにより調節することができ、塗布液10の物性
や、塗布膜厚、塗布速度などの塗布条件によって最適な
変化量となるように設定する。
は、図1に示されるように、塗布幅方向(矢印A)に渡
って少なくとも1つ以上配置される。吐出口開度調節機
構7は、塗布直前の位置において、被塗布物5の表面に
接触するように配置されている。被塗布物5の表面の高
さによって、例えばコイルバネの伸縮を利用して吐出口
開度調節機構7が図2に示される矢印Cの方向に上下す
ることによって、吐出口の開度が変化する。被塗布物5
の表面の高さによる吐出口開度の変化量は、例えば、吐
出口開度調節機構7の塗布液10の吐出を遮る部分の角
度を調節したり、吐出口開度調節機構7の形状を変更す
ることにより調節することができ、塗布液10の物性
や、塗布膜厚、塗布速度などの塗布条件によって最適な
変化量となるように設定する。
【0021】ガラス基板のように反りや撓みといった塗
布幅方向Aの不均一性を有する被塗布物5の表面に塗布
する場合において、通常の、吐出口開度調節機構7のな
いエクストルージョン型ノズルを用いた場合には、被塗
布物5の表面が高い部分では、ノズル先端11と被塗布
物5の間隙が小さくなることによって、被塗布物5の表
面が低い部分に比べて塗布量が少なくなる。
布幅方向Aの不均一性を有する被塗布物5の表面に塗布
する場合において、通常の、吐出口開度調節機構7のな
いエクストルージョン型ノズルを用いた場合には、被塗
布物5の表面が高い部分では、ノズル先端11と被塗布
物5の間隙が小さくなることによって、被塗布物5の表
面が低い部分に比べて塗布量が少なくなる。
【0022】これに対して、本実施の形態のエクストル
ージョン型ノズルを用いると、被塗布物5の表面が高く
なると吐出口の開度が大きくなることによって、他の部
分と同じ塗布量にすることができる。また、本実施の形
態の吐出口開度調節機構7は、被塗布物5の表面に接触
することによって、被塗布物5の表面の高さに応じて直
接的に吐出口の開度が変化するため、被塗布物5の表面
の高さを測定するための変位計や、吐出口の開度を変化
させるためのアクチュエーターといった装置が不要であ
り、簡素な構造で均一な塗布が実現できる。
ージョン型ノズルを用いると、被塗布物5の表面が高く
なると吐出口の開度が大きくなることによって、他の部
分と同じ塗布量にすることができる。また、本実施の形
態の吐出口開度調節機構7は、被塗布物5の表面に接触
することによって、被塗布物5の表面の高さに応じて直
接的に吐出口の開度が変化するため、被塗布物5の表面
の高さを測定するための変位計や、吐出口の開度を変化
させるためのアクチュエーターといった装置が不要であ
り、簡素な構造で均一な塗布が実現できる。
【0023】(実施の形態2)以下に、本願の請求項2
に記載の発明に係る実施の形態2について説明する。
に記載の発明に係る実施の形態2について説明する。
【0024】図3は、実施の形態2のエクストルージョ
ン型ノズル200の斜視図である。定量ポンプのように
安定した送液が可能な供給ポンプにより送り出された塗
布液が、供給配管12を通して、ノズル200内に供給
される。ノズル200内に供給された塗布液は、マニホ
ールドにおいて塗布幅方向に分配され、スリットを通じ
て吐出される。ノズル200から吐出された塗布液は、
被塗布物16上に塗布され、塗膜17が形成される。
ン型ノズル200の斜視図である。定量ポンプのように
安定した送液が可能な供給ポンプにより送り出された塗
布液が、供給配管12を通して、ノズル200内に供給
される。ノズル200内に供給された塗布液は、マニホ
ールドにおいて塗布幅方向に分配され、スリットを通じ
て吐出される。ノズル200から吐出された塗布液は、
被塗布物16上に塗布され、塗膜17が形成される。
【0025】図3に示されるように、ノズル200は、
下ブロック13と上ブロック14と2つのサイドブロッ
ク15L及び15Rから構成される。下ブロック13
は、上ブロック14と組み合わせることによってマニホ
ールド及びスリットが形成されるような形状に加工がな
されている(ノズル内部の構造は実施の形態1の説明に
おける図2と同様)。各ブロック13,14,15L及
び15Rは、互いにネジ(図示せず)で連結されてい
る。また、一方のサイドブロック15Lには、塗布液を
供給するための配管12が接続されている。
下ブロック13と上ブロック14と2つのサイドブロッ
ク15L及び15Rから構成される。下ブロック13
は、上ブロック14と組み合わせることによってマニホ
ールド及びスリットが形成されるような形状に加工がな
されている(ノズル内部の構造は実施の形態1の説明に
おける図2と同様)。各ブロック13,14,15L及
び15Rは、互いにネジ(図示せず)で連結されてい
る。また、一方のサイドブロック15Lには、塗布液を
供給するための配管12が接続されている。
【0026】本実施の形態のエクストルージョン型ノズ
ル200は、塗布直前の部分における被塗布物16の高
さを検出するための手段18を備えている。高さ検出手
段18は、塗布幅方向Dに2つ以上配置する、あるい
は、塗布幅方向Dに走査できる機構とし、塗布幅方向D
にわたる被塗布物16の高さを検出できるものとする。
高さ検出手段18としては、例えば、レーザー式変位
計、超音波変位計などを用いることができる。なお、高
さ検出手段18は、ノズル200と被塗布物16の間隙
を測定できるのであれば、必ずしもノズル200本体に
取付ける必要はない。
ル200は、塗布直前の部分における被塗布物16の高
さを検出するための手段18を備えている。高さ検出手
段18は、塗布幅方向Dに2つ以上配置する、あるい
は、塗布幅方向Dに走査できる機構とし、塗布幅方向D
にわたる被塗布物16の高さを検出できるものとする。
高さ検出手段18としては、例えば、レーザー式変位
計、超音波変位計などを用いることができる。なお、高
さ検出手段18は、ノズル200と被塗布物16の間隙
を測定できるのであれば、必ずしもノズル200本体に
取付ける必要はない。
【0027】また、本実施の形態のエクストルージョン
型ノズル200は、ノズル200の先端部を変形させる
ことにより吐出口の開度を調節する機構19を、塗布幅
方向Dに少なくとも一つ以上備えている。吐出口開度調
節機構19としては、差動ネジ、ヒートボルト、ピエゾ
アクチュエーターなどを用いることができる。
型ノズル200は、ノズル200の先端部を変形させる
ことにより吐出口の開度を調節する機構19を、塗布幅
方向Dに少なくとも一つ以上備えている。吐出口開度調
節機構19としては、差動ネジ、ヒートボルト、ピエゾ
アクチュエーターなどを用いることができる。
【0028】ガラス基板のように反りや撓みといった塗
布幅方向Dの不均一性を有する被塗布物5の表面に塗布
する場合において、高さ検出手段18により検出された
塗布直前の位置の被塗布物16の表面の高さに応じて、
吐出口開度調節機構19により、被塗布物16の表面が
高い部分では吐出口の開度を大きく、逆に低い部分では
吐出口の開度を小さくするように 調節することで均一
な塗布が可能となる。また、塗布前に、あらかじめ被塗
布物16の全面にわたって高さを測定しておき、その測
定結果に応じて、塗布時に吐出口開度を調節することも
できる。
布幅方向Dの不均一性を有する被塗布物5の表面に塗布
する場合において、高さ検出手段18により検出された
塗布直前の位置の被塗布物16の表面の高さに応じて、
吐出口開度調節機構19により、被塗布物16の表面が
高い部分では吐出口の開度を大きく、逆に低い部分では
吐出口の開度を小さくするように 調節することで均一
な塗布が可能となる。また、塗布前に、あらかじめ被塗
布物16の全面にわたって高さを測定しておき、その測
定結果に応じて、塗布時に吐出口開度を調節することも
できる。
【0029】塗布液の物性、塗布条件によって、均一に
塗布するための吐出口開度は変化するが、流体計算や、
代表的な条件での実験により、均一に塗布するために最
適な吐出口開度調節量を決定することができる。
塗布するための吐出口開度は変化するが、流体計算や、
代表的な条件での実験により、均一に塗布するために最
適な吐出口開度調節量を決定することができる。
【0030】(実施の形態3)以下に、本願の請求項3
に記載の発明に係る実施の形態3について説明する。
に記載の発明に係る実施の形態3について説明する。
【0031】図4は、実施の形態3の塗布装置の斜視図
である。塗布面側抑えロール20および非塗布面側抑え
ロール21は、塗布直前の位置において、被塗布物22
の厚さ分の間隙を一定して保持できるように回転自在に
保持されている。塗布面側および非塗布面側抑えロール
20、21の間を通過して、被塗布物22は塗布方向G
に搬送され、塗布手段24により表面に塗布液が塗布さ
れ、塗膜23を形成する。
である。塗布面側抑えロール20および非塗布面側抑え
ロール21は、塗布直前の位置において、被塗布物22
の厚さ分の間隙を一定して保持できるように回転自在に
保持されている。塗布面側および非塗布面側抑えロール
20、21の間を通過して、被塗布物22は塗布方向G
に搬送され、塗布手段24により表面に塗布液が塗布さ
れ、塗膜23を形成する。
【0032】塗布手段24としては、エクストルージョ
ン型ノズル、ドクターブレード、ロール、グラビア印刷
などの一般的な塗布手段を用いることができる。
ン型ノズル、ドクターブレード、ロール、グラビア印刷
などの一般的な塗布手段を用いることができる。
【0033】塗布面側抑えロール20と非塗布面側抑え
ロール21が、被塗布物22の厚さ分だけの間隙を常に
一定して保持できるように配置されていることで、ガラ
ス基板のように反り、撓みを有する被塗布物22の表面
に塗布する場合において、塗布手段24による塗布部で
は、被塗布物22の有する反り、撓みが矯正された状態
で塗布することができ、均一な塗布が可能となる。
ロール21が、被塗布物22の厚さ分だけの間隙を常に
一定して保持できるように配置されていることで、ガラ
ス基板のように反り、撓みを有する被塗布物22の表面
に塗布する場合において、塗布手段24による塗布部で
は、被塗布物22の有する反り、撓みが矯正された状態
で塗布することができ、均一な塗布が可能となる。
【0034】なお、塗布面側抑えロール20および非塗
布面側抑えロール21は、被塗布物22の反り、撓みを
矯正することが可能な剛性を有するものであれば、形
状、寸法、材質は特に限定されるものではない。また、
被塗布物22の搬送については、塗布面側抑えロール2
0および非塗布面側抑えロール21を直接、回転駆動さ
せるものでも、他の駆動手段によるものでもよく、後者
の場合、塗布面側抑えロール20および非塗布面側抑え
ロール21は被塗布物の搬送に伴って連れ回りすること
になる。望ましくは、塗布面側抑えロール20および非
塗布面側抑えロール21を直接、駆動して回転させ、さ
らに被塗布物22に対して押圧することで、より確実に
反り、撓みを矯正することができる。
布面側抑えロール21は、被塗布物22の反り、撓みを
矯正することが可能な剛性を有するものであれば、形
状、寸法、材質は特に限定されるものではない。また、
被塗布物22の搬送については、塗布面側抑えロール2
0および非塗布面側抑えロール21を直接、回転駆動さ
せるものでも、他の駆動手段によるものでもよく、後者
の場合、塗布面側抑えロール20および非塗布面側抑え
ロール21は被塗布物の搬送に伴って連れ回りすること
になる。望ましくは、塗布面側抑えロール20および非
塗布面側抑えロール21を直接、駆動して回転させ、さ
らに被塗布物22に対して押圧することで、より確実に
反り、撓みを矯正することができる。
【0035】(実施の形態4)以下に、本願の請求項4
に記載の発明に係る実施の形態4について説明する。
に記載の発明に係る実施の形態4について説明する。
【0036】図5は、実施の形態4の塗布装置の斜視図
である。また、図6は、実施の形態4の塗布装置の側断
面図である。弾性体からなる第1ロール25は、塗布直
前の位置において、被塗布物27の表面に接触する状態
で配置されている。第1ロール25と接触かつ被塗布物
27と非接触の状態で、同じく弾性体からなる第2ロー
ル26は配置されている。第2ロール26は、被塗布物
27の表面に塗布液を塗布するためのロールであり、塗
布液供給手段29により、塗布液が第2ロール26の表
面に供給される。第2ロール26の表面に供給された塗
布液は、被塗布物27の表面に転写されて塗膜28を形
成する。
である。また、図6は、実施の形態4の塗布装置の側断
面図である。弾性体からなる第1ロール25は、塗布直
前の位置において、被塗布物27の表面に接触する状態
で配置されている。第1ロール25と接触かつ被塗布物
27と非接触の状態で、同じく弾性体からなる第2ロー
ル26は配置されている。第2ロール26は、被塗布物
27の表面に塗布液を塗布するためのロールであり、塗
布液供給手段29により、塗布液が第2ロール26の表
面に供給される。第2ロール26の表面に供給された塗
布液は、被塗布物27の表面に転写されて塗膜28を形
成する。
【0037】塗布液供給手段29としては、エクストル
ージョン型ノズルを用いたカーテン塗布方法のように、
第2ロール表面への塗布液の塗布幅方向Hの供給量分布
が、塗布液供給手段と第2ロールとの間隙によって、変
化しにくい手段を用いることが望ましい。
ージョン型ノズルを用いたカーテン塗布方法のように、
第2ロール表面への塗布液の塗布幅方向Hの供給量分布
が、塗布液供給手段と第2ロールとの間隙によって、変
化しにくい手段を用いることが望ましい。
【0038】ガラス基板のような反り、撓みを有する被
塗布物27の表面に塗布する場合において、被塗布物2
7の表面に接触した状態で配置されている第1ロール2
5は、被塗布物27の塗布幅方向Hの反り、撓みに応じ
て変形する。次に、第1ロール25と接触している第2
ロール26は、第1ロール25の変形に応じて変形す
る。すなわち、塗布ロールである第2ロールは、被塗布
物27の反り、撓みに応じた形状に変形することとな
る。なお、第1ロール25および第2ロール26は、ロ
ール外周部のみを弾性体とした場合、被塗布物27と直
接接触している部分のみが変形することとなるため、回
転軸を含めたロール全体が撓む構造とすることが必要で
ある。ロール全体が撓む構造をとっていれば、形状、寸
法、材質は特に限定されない。
塗布物27の表面に塗布する場合において、被塗布物2
7の表面に接触した状態で配置されている第1ロール2
5は、被塗布物27の塗布幅方向Hの反り、撓みに応じ
て変形する。次に、第1ロール25と接触している第2
ロール26は、第1ロール25の変形に応じて変形す
る。すなわち、塗布ロールである第2ロールは、被塗布
物27の反り、撓みに応じた形状に変形することとな
る。なお、第1ロール25および第2ロール26は、ロ
ール外周部のみを弾性体とした場合、被塗布物27と直
接接触している部分のみが変形することとなるため、回
転軸を含めたロール全体が撓む構造とすることが必要で
ある。ロール全体が撓む構造をとっていれば、形状、寸
法、材質は特に限定されない。
【0039】塗布ロールである第2ロール26が、被塗
布物27の反り、撓みに応じた形状に変形することによ
って、塗布部において、第2ロール26と被塗布物27
の間隙は塗布幅方向Hにわたって均一となり、均一な塗
布が可能となる。
布物27の反り、撓みに応じた形状に変形することによ
って、塗布部において、第2ロール26と被塗布物27
の間隙は塗布幅方向Hにわたって均一となり、均一な塗
布が可能となる。
【0040】また、ガラス基板のような枚葉状の被塗布
物の表面に断続的に塗布する場合において、通常の、エ
クストルージョン型ノズルを用いたカーテン塗布方法で
は、ノズルと被塗布物の間隙を大きく採っているため、
必要とされる部分のみに正確に塗布することは困難であ
り、不要な部分への塗布液の付着や、塗布開始・終了部
の塗膜膜厚の不均一性は避けられない。
物の表面に断続的に塗布する場合において、通常の、エ
クストルージョン型ノズルを用いたカーテン塗布方法で
は、ノズルと被塗布物の間隙を大きく採っているため、
必要とされる部分のみに正確に塗布することは困難であ
り、不要な部分への塗布液の付着や、塗布開始・終了部
の塗膜膜厚の不均一性は避けられない。
【0041】これに対して本実施の形態の塗布装置によ
れば、塗布液供給手段29からの塗布液の供給の停止・
非停止や、第2ロール26の被塗布物27に対する昇降
および回転の停止・非停止により、必要な部分のみに塗
膜28を形成することができる。
れば、塗布液供給手段29からの塗布液の供給の停止・
非停止や、第2ロール26の被塗布物27に対する昇降
および回転の停止・非停止により、必要な部分のみに塗
膜28を形成することができる。
【0042】(実施の形態5)以下に、本願の請求項5
に記載の発明に係る実施の形態5について説明する。
に記載の発明に係る実施の形態5について説明する。
【0043】図7は、実施の形態5のエクストルージョ
ン型ノズル300の斜視図である。また図8は、塗布液
をマニホールド内に充填する場合におけるピストンの動
きおよび塗布液の流れを示した実施の形態5のエクスト
ルージョン型ノズル300の正面断面図である。図9
は、塗布時のピストンの動きおよび塗布液の流れを示し
た実施の形態5のエクストルージョン型ノズル300の
正面断面図である。
ン型ノズル300の斜視図である。また図8は、塗布液
をマニホールド内に充填する場合におけるピストンの動
きおよび塗布液の流れを示した実施の形態5のエクスト
ルージョン型ノズル300の正面断面図である。図9
は、塗布時のピストンの動きおよび塗布液の流れを示し
た実施の形態5のエクストルージョン型ノズル300の
正面断面図である。
【0044】塗布液貯蔵タンク36内の塗布液が塗布液
供給配管38を通じてノズル300内に供給される。ノ
ズル300内に供給された塗布液は、マニホールド39
において塗布幅方向Lに分配され、スリット40を通じ
て吐出される。ノズル300から吐出された塗布液は、
被塗布物33上に塗布され、塗膜34が形成される。
供給配管38を通じてノズル300内に供給される。ノ
ズル300内に供給された塗布液は、マニホールド39
において塗布幅方向Lに分配され、スリット40を通じ
て吐出される。ノズル300から吐出された塗布液は、
被塗布物33上に塗布され、塗膜34が形成される。
【0045】図7に示されるように、ノズル300は、
下ブロック30と上ブロック31と2つのサイドブロッ
ク32L及び32Rから構成される。下ブロック30
は、上ブロック31と組み合わせることによってマニホ
ールド39及びスリット40が形成されるような形状に
加工がなされている(ノズル内部の構造は実施の形態1
の説明における図2と同様)。各ブロック30,31,
32L及び32Rは、互いにネジ(図示せず)で連結さ
れている。
下ブロック30と上ブロック31と2つのサイドブロッ
ク32L及び32Rから構成される。下ブロック30
は、上ブロック31と組み合わせることによってマニホ
ールド39及びスリット40が形成されるような形状に
加工がなされている(ノズル内部の構造は実施の形態1
の説明における図2と同様)。各ブロック30,31,
32L及び32Rは、互いにネジ(図示せず)で連結さ
れている。
【0046】また、一方のサイドブロック32Lには、
塗布液のマニホールド39内への充填および塗布液のス
リット40を通じたノズル300からの吐出をするため
のピストン35がマニホールド39と連通した状態で取
り付けられている。なお、ピストン35は、往復運動に
よって連通しているマニホールド39の体積を増減させ
る機能を備えていればよく、例えば、油圧やカムにより
駆動することができる。
塗布液のマニホールド39内への充填および塗布液のス
リット40を通じたノズル300からの吐出をするため
のピストン35がマニホールド39と連通した状態で取
り付けられている。なお、ピストン35は、往復運動に
よって連通しているマニホールド39の体積を増減させ
る機能を備えていればよく、例えば、油圧やカムにより
駆動することができる。
【0047】もう一方のサイドブロック32Rには、塗
布液貯蔵タンク36およびバルブ37と連結された塗布
液供給配管38が取り付けられている。なお、バルブと
しては、塗布液貯蔵タンク36とノズル300の間の塗
布液の流路を遮断・開放する機能を備えていればよく、
例えば、ボールバルブ、ニードルバルブを用いることが
できる。発明の目的とする定量かつ均一な塗布を実現す
るためには、瞬時の開閉および開度の微調節が制御可能
な電磁式バルブを用いることが望ましい。
布液貯蔵タンク36およびバルブ37と連結された塗布
液供給配管38が取り付けられている。なお、バルブと
しては、塗布液貯蔵タンク36とノズル300の間の塗
布液の流路を遮断・開放する機能を備えていればよく、
例えば、ボールバルブ、ニードルバルブを用いることが
できる。発明の目的とする定量かつ均一な塗布を実現す
るためには、瞬時の開閉および開度の微調節が制御可能
な電磁式バルブを用いることが望ましい。
【0048】塗布液をマニホールド39内に充填する場
合(非塗布時)、ピストン35は、図8の矢印Lの方
向、すなわちマニホールド39の体積を増加させる方向
に移動する。ピストン35の移動によるマニホールド3
9の体積の増加に相当する量の塗布液が、塗布液貯蔵タ
ンク36から開放されたバルブ37および塗布液供給配
管38を通じて、マニホールド内に充填される。このと
き、スリット40に満たされている塗布液の一部も矢印
Qの方向に移動する。
合(非塗布時)、ピストン35は、図8の矢印Lの方
向、すなわちマニホールド39の体積を増加させる方向
に移動する。ピストン35の移動によるマニホールド3
9の体積の増加に相当する量の塗布液が、塗布液貯蔵タ
ンク36から開放されたバルブ37および塗布液供給配
管38を通じて、マニホールド内に充填される。このと
き、スリット40に満たされている塗布液の一部も矢印
Qの方向に移動する。
【0049】塗布液をスリット40を通じて吐出する場
合(塗布時)、ピストン35は、図9の矢印Rの方向、
すなわちマニホールド39の体積を減少させる方向に移
動する。このとき、塗布液供給配管38に取り付けられ
たバルブ37は閉じられており、マニホールド39の体
積の減少に相当する量の塗布液が、スリット40を通じ
て、ノズル300から吐出される。
合(塗布時)、ピストン35は、図9の矢印Rの方向、
すなわちマニホールド39の体積を減少させる方向に移
動する。このとき、塗布液供給配管38に取り付けられ
たバルブ37は閉じられており、マニホールド39の体
積の減少に相当する量の塗布液が、スリット40を通じ
て、ノズル300から吐出される。
【0050】このようなピストンの一定移動量の往復運
動により、非塗布時の塗布液のノズル内への充填、およ
び塗布時のノズルからの吐出を行い、ガラス基板のよう
な枚葉状の被塗布物33に対して断続的に必要な部分の
みに正確に一定量を塗布をすることが可能となる。
動により、非塗布時の塗布液のノズル内への充填、およ
び塗布時のノズルからの吐出を行い、ガラス基板のよう
な枚葉状の被塗布物33に対して断続的に必要な部分の
みに正確に一定量を塗布をすることが可能となる。
【0051】さらに、塗布液充填時において、図7に示
したようにスリット40の塗布液の一部をマニホールド
39の方向(矢印Q)へ吸引するため、塗布終了部の膜
厚の増加を抑制し、塗布終了部の膜厚を均一にすること
ができる。スリット40の塗布液が吸引される量は、マ
ニホールド39、スリット40およびピストン35、塗
布液供給配管38などの寸法によって変化するが、バル
ブ37の開度によって、スリット40の塗布液の吸引量
を調節することが可能なため、塗布液、塗布条件によら
ず常に塗布終了部の膜厚を均一にすることができる。
したようにスリット40の塗布液の一部をマニホールド
39の方向(矢印Q)へ吸引するため、塗布終了部の膜
厚の増加を抑制し、塗布終了部の膜厚を均一にすること
ができる。スリット40の塗布液が吸引される量は、マ
ニホールド39、スリット40およびピストン35、塗
布液供給配管38などの寸法によって変化するが、バル
ブ37の開度によって、スリット40の塗布液の吸引量
を調節することが可能なため、塗布液、塗布条件によら
ず常に塗布終了部の膜厚を均一にすることができる。
【0052】また、塗布開始部近傍において、ピストン
の移動速度を調節することによって、塗布開始部の膜厚
を増減させることが可能であるため、塗布開始部の膜厚
を均一にすることも可能である。
の移動速度を調節することによって、塗布開始部の膜厚
を増減させることが可能であるため、塗布開始部の膜厚
を均一にすることも可能である。
【0053】このように、本実施の形態のエクストルー
ジョン型ノズルによれば、必要とされる部分のみに塗布
する断続的な定量塗布および塗布開始部から終了部にい
たるまでの均一な膜厚分布を実現することが可能であ
る。
ジョン型ノズルによれば、必要とされる部分のみに塗布
する断続的な定量塗布および塗布開始部から終了部にい
たるまでの均一な膜厚分布を実現することが可能であ
る。
【0054】(実施の形態6)以下に、本願の請求項6
に記載の発明に係る実施の形態6について説明する。一
般に、プラズマディスプレイパネルの前面板には、ガラ
ス板上に誘電体層が形成されており、この誘電体層は、
ガラス粉末、樹脂、溶剤からなる誘電体ペーストをガラ
ス板上に塗布した後、乾燥・焼成の工程を得て形成され
る。
に記載の発明に係る実施の形態6について説明する。一
般に、プラズマディスプレイパネルの前面板には、ガラ
ス板上に誘電体層が形成されており、この誘電体層は、
ガラス粉末、樹脂、溶剤からなる誘電体ペーストをガラ
ス板上に塗布した後、乾燥・焼成の工程を得て形成され
る。
【0055】上述した実施の形態1〜実施の形態5のエ
クストルージョン型ノズルまたは塗布装置を用いて、塗
布液として上述した誘電体ペーストを用い、上記ガラス
板上に誘電体ペーストの塗布を行うことにより、撓み、
反りを有するガラス板上に、必要な領域のみに膜厚が均
一な誘電体層を形成することが可能である。
クストルージョン型ノズルまたは塗布装置を用いて、塗
布液として上述した誘電体ペーストを用い、上記ガラス
板上に誘電体ペーストの塗布を行うことにより、撓み、
反りを有するガラス板上に、必要な領域のみに膜厚が均
一な誘電体層を形成することが可能である。
【0056】
【実施例】以下、上記実施の形態で説明したエクストル
ージョン型ノズル、および塗布装置を用いて、反り、撓
みを有する被塗布物の表面に塗布液を塗布を実施した結
果実施例を、また、比較のために、従来のエクストルー
ジョン型ノズルを用いて反り、撓みを有する被塗布物の
表面に塗布液を塗布した結果、比較例について説明す
る。以下の実施例1〜実施例5および比較例では、同一
の塗布液、被塗布物を用いている。
ージョン型ノズル、および塗布装置を用いて、反り、撓
みを有する被塗布物の表面に塗布液を塗布を実施した結
果実施例を、また、比較のために、従来のエクストルー
ジョン型ノズルを用いて反り、撓みを有する被塗布物の
表面に塗布液を塗布した結果、比較例について説明す
る。以下の実施例1〜実施例5および比較例では、同一
の塗布液、被塗布物を用いている。
【0057】使用した塗布液は、フラットパネルディス
プレイ前面板の誘電体層用のペーストであり、ガラス粉
末、樹脂(エチルセルロース)、溶剤(α−テルピネオ
ール)からなる固形分率70%のもので、せん断速度1
s-1における粘度23000mPa・s、せん断速度1
000s-1における粘度900mPa・sである。
プレイ前面板の誘電体層用のペーストであり、ガラス粉
末、樹脂(エチルセルロース)、溶剤(α−テルピネオ
ール)からなる固形分率70%のもので、せん断速度1
s-1における粘度23000mPa・s、せん断速度1
000s-1における粘度900mPa・sである。
【0058】また、使用した被塗布物は、1000mm
角、厚さ4.5mmの矩形ガラス基板であり、ガラス基
板の表面の高さが周辺部と中心部で約100μm異なる
反り、撓みを有している。塗布領域は、ガラス基板中心
から900mm角の部分とした。
角、厚さ4.5mmの矩形ガラス基板であり、ガラス基
板の表面の高さが周辺部と中心部で約100μm異なる
反り、撓みを有している。塗布領域は、ガラス基板中心
から900mm角の部分とした。
【0059】(実施例1)実施の形態1におけるエクス
トルージョン型ノズルを用いて、搬送テーブル上を10
mm/sの速度で移動する上記ガラス基板の表面に、上
記塗布液を、平均膜厚0.2mmとなるよう単位幅あた
り2mm3/mm/sの流量で塗布した。
トルージョン型ノズルを用いて、搬送テーブル上を10
mm/sの速度で移動する上記ガラス基板の表面に、上
記塗布液を、平均膜厚0.2mmとなるよう単位幅あた
り2mm3/mm/sの流量で塗布した。
【0060】ノズルはステンレス製とし、吐出口開度調
節機構を塗布幅方向に20個備えたものを用いた。
節機構を塗布幅方向に20個備えたものを用いた。
【0061】(実施例2)実施の形態2におけるエクス
トルージョン型ノズルを用いて、実施例1と同じ条件で
塗布した。
トルージョン型ノズルを用いて、実施例1と同じ条件で
塗布した。
【0062】ノズルはステンレス製とし、ガラス基板表
面の高さ検出手段としてのレーザー式変位計(測定精度
0.1μm)を塗布幅方向に5個備え、ピエゾアクチュ
エーターによりノズル先端部を変形させる吐出口開度調
節機構を塗布幅方向に5個備えたものを用いた。あらか
じめ、流体計算を行って、ガラス基板表面の高さに応じ
た最適な吐出口の開度を求めており、レーザー式変位計
からの基板表面高さの出力に応じてピエゾアクチュエー
ターが動作しノズルを変形させる設定がなされている。
面の高さ検出手段としてのレーザー式変位計(測定精度
0.1μm)を塗布幅方向に5個備え、ピエゾアクチュ
エーターによりノズル先端部を変形させる吐出口開度調
節機構を塗布幅方向に5個備えたものを用いた。あらか
じめ、流体計算を行って、ガラス基板表面の高さに応じ
た最適な吐出口の開度を求めており、レーザー式変位計
からの基板表面高さの出力に応じてピエゾアクチュエー
ターが動作しノズルを変形させる設定がなされている。
【0063】(実施例3)実施の形態3における塗布装
置を用いて、実施例1と同じ条件で塗布した。ただし、
ガラス基板の搬送は、ガラス基板の上下に位置する塗布
面側および非塗布面側抑えロールの駆動によるもので、
搬送速度が10mm/sとなるように上下の塗布面側お
よび非塗布面側抑えロールを回転させた。
置を用いて、実施例1と同じ条件で塗布した。ただし、
ガラス基板の搬送は、ガラス基板の上下に位置する塗布
面側および非塗布面側抑えロールの駆動によるもので、
搬送速度が10mm/sとなるように上下の塗布面側お
よび非塗布面側抑えロールを回転させた。
【0064】塗布面側および非塗布面側抑えロールは、
ともにφ150mmのタングステンカーバイト製で、塗
布面側と被塗布面側ロールの間隙は、被塗布物であるガ
ラス基板の厚さを実測した4.505mmに設定した。
塗布手段としては、従来のステンレス製エクストルージ
ョン型ノズルを用いた。
ともにφ150mmのタングステンカーバイト製で、塗
布面側と被塗布面側ロールの間隙は、被塗布物であるガ
ラス基板の厚さを実測した4.505mmに設定した。
塗布手段としては、従来のステンレス製エクストルージ
ョン型ノズルを用いた。
【0065】(実施例4)実施の形態4における塗布装
置を用いて、実施例1と同じ条件で塗布した。
置を用いて、実施例1と同じ条件で塗布した。
【0066】第1ロール、第2ロールは、外周部がEP
DM製、回転軸がフッ素樹脂製で、回転軸を含めたロー
ル全体が容易に撓む構造のものを用いた。また、第1ロ
ールはφ30mm、第2ロールはφ150mmであり、
塗布ロールである第2ロールと被塗布物であるガラス基
板との間隙の平均値が300μmとなるように設定し
た。
DM製、回転軸がフッ素樹脂製で、回転軸を含めたロー
ル全体が容易に撓む構造のものを用いた。また、第1ロ
ールはφ30mm、第2ロールはφ150mmであり、
塗布ロールである第2ロールと被塗布物であるガラス基
板との間隙の平均値が300μmとなるように設定し
た。
【0067】塗布ロールである第2ロールの外周面上に
塗布液を供給する手段としては、従来のエクストルージ
ョン型ノズルを用いたカーテン塗布方法を用いた。エク
ストルージョン型ノズルと第2ロール間との間隙は、第
2ロールの変形状態によらず第2ロール外周面に供給さ
れる塗布液の塗布幅方向の供給量が均一となるように、
5mmに設定した。
塗布液を供給する手段としては、従来のエクストルージ
ョン型ノズルを用いたカーテン塗布方法を用いた。エク
ストルージョン型ノズルと第2ロール間との間隙は、第
2ロールの変形状態によらず第2ロール外周面に供給さ
れる塗布液の塗布幅方向の供給量が均一となるように、
5mmに設定した。
【0068】(実施例5)実施の形態5におけるエクス
トルージョン型ノズルを用いて、実施例1と同じ条件で
塗布した。
トルージョン型ノズルを用いて、実施例1と同じ条件で
塗布した。
【0069】ノズルはステンレス製とし、一方のサイド
ブロックに、マニホールドに連通するように取り付けら
れたピストンは、プログラムによって、任意の速度で移
動させることができる制御機構を備えた、サーボモータ
による駆動方式のものを用いた。また、もう一方のサイ
ドブロックに取り付けられた塗布液供給配管に備えられ
たバルブは、シリンダーの上下により開閉量が調節で
き、最高5msでの開閉が可能な電磁式バルブで、プロ
グラムによって、ピストンの移動との時間差、バルブの
開閉量が自在に設定できる制御機構を備えたものを用い
た。
ブロックに、マニホールドに連通するように取り付けら
れたピストンは、プログラムによって、任意の速度で移
動させることができる制御機構を備えた、サーボモータ
による駆動方式のものを用いた。また、もう一方のサイ
ドブロックに取り付けられた塗布液供給配管に備えられ
たバルブは、シリンダーの上下により開閉量が調節で
き、最高5msでの開閉が可能な電磁式バルブで、プロ
グラムによって、ピストンの移動との時間差、バルブの
開閉量が自在に設定できる制御機構を備えたものを用い
た。
【0070】(比較例)従来のエクストルージョン型ノ
ズルを用いて、実施例1と同じ条件で塗布した。ノズル
はステンレス製で、実施例3における塗布手段、実施例
4における塗布ロールへの塗布液供給手段として用いた
ものと同一のものである。
ズルを用いて、実施例1と同じ条件で塗布した。ノズル
はステンレス製で、実施例3における塗布手段、実施例
4における塗布ロールへの塗布液供給手段として用いた
ものと同一のものである。
【0071】以上の実施例1〜実施例4および比較例に
おいて、塗布幅方向の膜厚分布を測定した結果が図12
〜図15および図16である。
おいて、塗布幅方向の膜厚分布を測定した結果が図12
〜図15および図16である。
【0072】また、実施例5、比較例における塗布開始
部近傍および塗布終了部近傍の膜厚分布を測定した結果
がそれぞれ図17、図18である。
部近傍および塗布終了部近傍の膜厚分布を測定した結果
がそれぞれ図17、図18である。
【0073】従来のエクストルージョン型ノズルを用い
た比較例では、図16に示されているように、塗布幅方
向の膜厚バラツキは、約30%と非常に大きくなってい
る。これは、被塗布物であるガラス基板の有する反り、
撓みによって、ノズル先端とガラス基板との間隙が塗布
幅方向で最大100μm異なっていることによる影響が
現れている。
た比較例では、図16に示されているように、塗布幅方
向の膜厚バラツキは、約30%と非常に大きくなってい
る。これは、被塗布物であるガラス基板の有する反り、
撓みによって、ノズル先端とガラス基板との間隙が塗布
幅方向で最大100μm異なっていることによる影響が
現れている。
【0074】これに対して、被塗布物の有する反り、撓
みに応じて、吐出口の開度を調節することで塗布幅方向
の塗布量を均一にするエクストルージョン型ノズルを用
いた実施例1、実施例2における塗布幅方向の膜厚バラ
ツキはともに図12、図13の如く約2%となり、従来
のエクストルージョン型ノズルを用いた比較例に対し
て、膜厚バラツキを約1/15と極めて小さくすること
ができた。
みに応じて、吐出口の開度を調節することで塗布幅方向
の塗布量を均一にするエクストルージョン型ノズルを用
いた実施例1、実施例2における塗布幅方向の膜厚バラ
ツキはともに図12、図13の如く約2%となり、従来
のエクストルージョン型ノズルを用いた比較例に対し
て、膜厚バラツキを約1/15と極めて小さくすること
ができた。
【0075】また、被塗布物の有する反り、撓みが矯正
された状態で被塗布物を搬送する塗布装置を用いた実施
例3では、図14の如く膜厚バラツキは約4%となり、
従来のエクストルージョン型ノズルを用いた比較例に対
して、膜厚バラツキを約1/7.5と小さくすることが
できた。
された状態で被塗布物を搬送する塗布装置を用いた実施
例3では、図14の如く膜厚バラツキは約4%となり、
従来のエクストルージョン型ノズルを用いた比較例に対
して、膜厚バラツキを約1/7.5と小さくすることが
できた。
【0076】被塗布物の有する反り、撓みに応じた形状
に塗布ロールを変形させて塗布する塗布装置を用いた実
施例4では、図15の如く膜厚バラツキは約5%とな
り、従来のエクストルージョン型ノズルを用いた比較例
に対して、膜厚バラツキを約1/6と小さくすることが
できた。
に塗布ロールを変形させて塗布する塗布装置を用いた実
施例4では、図15の如く膜厚バラツキは約5%とな
り、従来のエクストルージョン型ノズルを用いた比較例
に対して、膜厚バラツキを約1/6と小さくすることが
できた。
【0077】また、従来のエクストルージョン型ノズル
を用いた比較例では、塗布開始部および終了部近傍の膜
厚分布は、図17に示すように、塗布開始点および終了
点の膜厚が他の部分に比べて、それぞれ、70μm、5
5μm盛上っている。また、塗布開始部では、塗布幅方
向で一部スジ状の未塗布領域が発生し、塗布終了部付近
では、塗布液が非塗布部に飛散しているのが確認され
た。
を用いた比較例では、塗布開始部および終了部近傍の膜
厚分布は、図17に示すように、塗布開始点および終了
点の膜厚が他の部分に比べて、それぞれ、70μm、5
5μm盛上っている。また、塗布開始部では、塗布幅方
向で一部スジ状の未塗布領域が発生し、塗布終了部付近
では、塗布液が非塗布部に飛散しているのが確認され
た。
【0078】これに対し、塗布開始部および終了部の膜
厚を均一にするための調整が可能なエクストルージョン
型ノズルを用いた実施例5では、最適な条件の設定によ
り、図18に示したように、塗布開始部および終了部の
膜厚変化はともに±4μm以内と非常に均一な膜厚分布
とすることができ、従来のエクストルージョン型ノズル
を用いた比較例に対して、盛上りを1/7〜1/9に抑
制することができた。また、塗布開始部におけるスジ状
の未塗布領域や、塗布終了部における非塗布部への塗布
液の飛散は全く見られなかった。
厚を均一にするための調整が可能なエクストルージョン
型ノズルを用いた実施例5では、最適な条件の設定によ
り、図18に示したように、塗布開始部および終了部の
膜厚変化はともに±4μm以内と非常に均一な膜厚分布
とすることができ、従来のエクストルージョン型ノズル
を用いた比較例に対して、盛上りを1/7〜1/9に抑
制することができた。また、塗布開始部におけるスジ状
の未塗布領域や、塗布終了部における非塗布部への塗布
液の飛散は全く見られなかった。
【0079】なお、比較例において、塗布開始部に見ら
れたスジ状の未塗布領域は、塗膜およびノズルに付着し
た塗布液の分析の結果、滞留部で生じたと考えられる塗
布液中の固形分の凝集物による目詰まりであると判明し
た。ピストンの往復運動により塗料の吸引・吐出を行う
実施例5では、塗布液がマニホールド内で長時間滞留す
る部分が存在しないため、スジ状の未塗布領域が発生し
なかったものと考えられ、ノズル内での塗布液の凝集の
発生の抑制に対する効果も発見された。
れたスジ状の未塗布領域は、塗膜およびノズルに付着し
た塗布液の分析の結果、滞留部で生じたと考えられる塗
布液中の固形分の凝集物による目詰まりであると判明し
た。ピストンの往復運動により塗料の吸引・吐出を行う
実施例5では、塗布液がマニホールド内で長時間滞留す
る部分が存在しないため、スジ状の未塗布領域が発生し
なかったものと考えられ、ノズル内での塗布液の凝集の
発生の抑制に対する効果も発見された。
【0080】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本願の
請求項1〜5記載の発明によれば、反り、撓みを有する
被塗布物の表面への塗布液の塗布において、被塗布物表
面の塗布領域全域にわたって、断続的に高精度な塗布が
可能であり、非常に均一な膜厚分布を実現できる。
請求項1〜5記載の発明によれば、反り、撓みを有する
被塗布物の表面への塗布液の塗布において、被塗布物表
面の塗布領域全域にわたって、断続的に高精度な塗布が
可能であり、非常に均一な膜厚分布を実現できる。
【0081】また、本願の請求項5記載の発明によれ
ば、ノズル内での塗布液の凝集が抑制でき、スジ状の未
塗布領域の発生といった塗布不良を抑制できる。
ば、ノズル内での塗布液の凝集が抑制でき、スジ状の未
塗布領域の発生といった塗布不良を抑制できる。
【0082】また、本願の請求項6記載の発明によれ
ば、プラズマディスプレイパネル前面板の製造工程にお
いて、非常に膜厚分布の均一な誘電体層が形成可能とな
り、誘電体層の膜厚不均一による絶縁不良、画質劣化を
大幅に抑制することが可能となった。
ば、プラズマディスプレイパネル前面板の製造工程にお
いて、非常に膜厚分布の均一な誘電体層が形成可能とな
り、誘電体層の膜厚不均一による絶縁不良、画質劣化を
大幅に抑制することが可能となった。
【図1】本発明の実施の形態1におけるエクストルージ
ョン型ノズルを用いた塗布の斜視図
ョン型ノズルを用いた塗布の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1におけるエクストルージ
ョン型ノズルを用いた塗布の側断面図
ョン型ノズルを用いた塗布の側断面図
【図3】本発明の実施の形態2におけるエクストルージ
ョン型ノズルを用いた塗布の斜視図
ョン型ノズルを用いた塗布の斜視図
【図4】本発明の実施の形態3における塗布装置を用い
た塗布の斜視図
た塗布の斜視図
【図5】本発明の実施の形態4における塗布装置を用い
た塗布の斜視図
た塗布の斜視図
【図6】本発明の実施の形態4における塗布装置を用い
た塗布の側断面図
た塗布の側断面図
【図7】本発明の実施の形態5におけるエクストルージ
ョン型ノズルを用いた塗布の斜視図
ョン型ノズルを用いた塗布の斜視図
【図8】本発明の実施の形態5において、マニホールド
内への塗布液の充填時におけるノズル内部の塗布液の流
動を示すもので、エクストルージョン型ノズルの正面断
面図
内への塗布液の充填時におけるノズル内部の塗布液の流
動を示すもので、エクストルージョン型ノズルの正面断
面図
【図9】本発明の実施の形態5において、ノズルからの
塗布液の吐出時におけるノズル内部の塗布液の流動を示
すもので、エクストルージョン型ノズルの正面断面図
塗布液の吐出時におけるノズル内部の塗布液の流動を示
すもので、エクストルージョン型ノズルの正面断面図
【図10】従来のエクストルージョン型ノズルを用いた
塗布の斜視図
塗布の斜視図
【図11】従来のエクストルージョン型ノズルと被塗布
物との位置関係を示す正面図
物との位置関係を示す正面図
【図12】本発明の実施例1における塗膜の塗布幅方向
の膜厚分布の測定結果を示す図
の膜厚分布の測定結果を示す図
【図13】本発明の実施例2における塗膜の塗布幅方向
の膜厚分布の測定結果を示す図
の膜厚分布の測定結果を示す図
【図14】本発明の実施例3における塗膜の塗布幅方向
の膜厚分布の測定結果を示す図
の膜厚分布の測定結果を示す図
【図15】本発明の実施例4における塗膜の塗布幅方向
の膜厚分布の測定結果を示す図
の膜厚分布の測定結果を示す図
【図16】比較例における塗膜の塗布幅方向の膜厚分布
の測定結果を示す図
の測定結果を示す図
【図17】本発明の実施例5における塗膜の塗布開始部
および塗布終了部近傍の塗布方向膜厚分布の測定結果を
示す図
および塗布終了部近傍の塗布方向膜厚分布の測定結果を
示す図
【図18】比較例における塗膜の塗布開始部および塗布
終了部近傍の塗布方向膜厚分布の測定結果を示す図
終了部近傍の塗布方向膜厚分布の測定結果を示す図
100,200,300,400 エクストルージョン
型ノズル 1,12,38 塗布液供給配管 2,13,30 下ブロック 3,14,31 上ブロック 4L,4R,15L,15R,32L,32R サイド
ブロック 5,16,22,27,33,41 被塗布物 6,17,23,28,34,42 塗膜 7,19 吐出口開度調節機構 8,39 マニホールド 9,40 スリット 10 塗布液 11 吐出口 18 被塗布物表面の高さ検出手段 20 塗布面側抑えロール 21 非塗布面側抑えロール 24 塗布手段 25 第1ロール 26 第2ロール 29 塗布液供給手段 35 ピストン 36 塗布液貯蔵タンク 37 バルブ 43 ノズル先端部 A,D,F,H,L,T 塗布幅方向 B,E,G,I,M,U 塗布長手方向 C 吐出口開度調節機構の移動方向 J 第1ロール回転方向 K 第2ロール回転方向 N,R ピストン移動方向 O,P,Q,S 塗布液移動方向 V ノズル先端と被塗布物との間隙
型ノズル 1,12,38 塗布液供給配管 2,13,30 下ブロック 3,14,31 上ブロック 4L,4R,15L,15R,32L,32R サイド
ブロック 5,16,22,27,33,41 被塗布物 6,17,23,28,34,42 塗膜 7,19 吐出口開度調節機構 8,39 マニホールド 9,40 スリット 10 塗布液 11 吐出口 18 被塗布物表面の高さ検出手段 20 塗布面側抑えロール 21 非塗布面側抑えロール 24 塗布手段 25 第1ロール 26 第2ロール 29 塗布液供給手段 35 ピストン 36 塗布液貯蔵タンク 37 バルブ 43 ノズル先端部 A,D,F,H,L,T 塗布幅方向 B,E,G,I,M,U 塗布長手方向 C 吐出口開度調節機構の移動方向 J 第1ロール回転方向 K 第2ロール回転方向 N,R ピストン移動方向 O,P,Q,S 塗布液移動方向 V ノズル先端と被塗布物との間隙
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 11/02 H01J 11/02 B Fターム(参考) 4F040 AA02 AA14 AB20 AC01 BA18 CB03 CB15 CB22 CB29 4F041 AA02 AA05 AB02 BA05 BA12 BA36 BA38 BA57 CA02 CA17 CA18 CA23 4F042 AA02 AA10 CA01 CB02 CB11 CB18 DF07 DF19 DF20 5C027 AA06 5C040 GD09
Claims (6)
- 【請求項1】 塗布液を塗布幅方向に行き渡らせるマニ
ホールドと、前記マニホールドに供給された前記塗布液
を整流して吐出するスリット部を備えるエクストルージ
ョン型ノズルであって、塗布直前において被塗布物の表
面に接触することで、前記被塗布物の表面の高さに応じ
て前記スリット部先端の吐出口の開度が変化する機構を
塗布幅方向に一つ以上備えたことを特徴とするエクスト
ルージョン型ノズル。 - 【請求項2】 塗布液を塗布幅方向に行き渡らせるマニ
ホールドと、前記マニホールドに供給された前記塗布液
を整流して吐出するスリット部を備えるエクストルージ
ョン型ノズルであって、被塗布物の表面の高さを検出す
る手段と、検出された前記被塗布物の表面の高さに応じ
て前記スリット部先端の吐出口の開度を調節する手段を
備えたことを特徴とするエクストルージョン型ノズル。 - 【請求項3】 被塗布物の塗布直前の部分を上下からロ
ールにより押さえながら搬送することを特徴とする塗布
装置。 - 【請求項4】 塗布直前の位置において被塗布物と接触
することにより、前記被塗布物の撓みに応じて変形する
弾性体からなる第1ロール、および前記被塗布物と非接
触かつ前記第1ロールと接触することによって前記被塗
布物の有する撓みに応じた変形をする弾性体からなる第
2ロールを備え、前記第2ロールにより塗布液を前記被
塗布物に塗布する塗布装置。 - 【請求項5】 塗布液を塗布幅方向に行き渡らせるマニ
ホールドと、前記マニホールドに供給された前記塗布液
を整流して吐出するスリット部を備えるエクストルージ
ョン型ノズルであって、前記マニホールドの一部と連通
したピストンの往復運動により、前記マニホールドへの
前記塗布液の充填およびノズルからの吐出を行うエクス
トルージョン型ノズル。 - 【請求項6】 プラズマディスプレイパネルの前面板の
ガラス板に形成される誘電体層の製造方法であって、請
求項1〜5のいずれかに記載のノズルまたは塗布装置を
用いて、前記ガラス板上に誘電体ペーストからなる塗布
液を塗布して誘電体層を形成することを特徴とするプラ
ズマディスプレイパネル前面板の誘電体層の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000271097A JP2002079164A (ja) | 2000-09-07 | 2000-09-07 | エクストルージョン型ノズル、塗布装置、並びにプラズマディスプレイパネル前面板の誘電体層の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000271097A JP2002079164A (ja) | 2000-09-07 | 2000-09-07 | エクストルージョン型ノズル、塗布装置、並びにプラズマディスプレイパネル前面板の誘電体層の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002079164A true JP2002079164A (ja) | 2002-03-19 |
Family
ID=18757430
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000271097A Pending JP2002079164A (ja) | 2000-09-07 | 2000-09-07 | エクストルージョン型ノズル、塗布装置、並びにプラズマディスプレイパネル前面板の誘電体層の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002079164A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004139814A (ja) * | 2002-10-17 | 2004-05-13 | Toppan Printing Co Ltd | 塗布装置及びそれを用いた有機el素子の製造方法 |
JP2005270841A (ja) * | 2004-03-25 | 2005-10-06 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | スリットノズル洗浄装置 |
JP2010227861A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Dainippon Printing Co Ltd | ダイヘッド |
JP2012061391A (ja) * | 2010-09-14 | 2012-03-29 | Shibaura Mechatronics Corp | 基板の処理装置 |
JP2014193443A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Mitsubishi Materials Corp | 塗布工具 |
JP2020087747A (ja) * | 2018-11-27 | 2020-06-04 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 両面塗布装置及び両面塗布方法 |
CN114643162A (zh) * | 2020-12-17 | 2022-06-21 | 比亚迪股份有限公司 | 涂布装置 |
-
2000
- 2000-09-07 JP JP2000271097A patent/JP2002079164A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004139814A (ja) * | 2002-10-17 | 2004-05-13 | Toppan Printing Co Ltd | 塗布装置及びそれを用いた有機el素子の製造方法 |
JP2005270841A (ja) * | 2004-03-25 | 2005-10-06 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | スリットノズル洗浄装置 |
JP4489480B2 (ja) * | 2004-03-25 | 2010-06-23 | 東京応化工業株式会社 | スリットノズル洗浄装置 |
JP2010227861A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Dainippon Printing Co Ltd | ダイヘッド |
JP2012061391A (ja) * | 2010-09-14 | 2012-03-29 | Shibaura Mechatronics Corp | 基板の処理装置 |
JP2014193443A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-09 | Mitsubishi Materials Corp | 塗布工具 |
JP2020087747A (ja) * | 2018-11-27 | 2020-06-04 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 両面塗布装置及び両面塗布方法 |
CN114643162A (zh) * | 2020-12-17 | 2022-06-21 | 比亚迪股份有限公司 | 涂布装置 |
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