JP2002076954A - Cdma方式無線通信用増幅装置および送信装置 - Google Patents

Cdma方式無線通信用増幅装置および送信装置

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JP2002076954A
JP2002076954A JP2000256223A JP2000256223A JP2002076954A JP 2002076954 A JP2002076954 A JP 2002076954A JP 2000256223 A JP2000256223 A JP 2000256223A JP 2000256223 A JP2000256223 A JP 2000256223A JP 2002076954 A JP2002076954 A JP 2002076954A
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power
amplifier
modulated wave
differential amplifier
signal
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JP2000256223A
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Takayuki Kato
貴之 加藤
Shoji Otaka
章二 大高
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型・軽量でありながら、信号レベルを増加
させた場合の3次歪の発生を低減するCDMA方式無線通信
用増幅器および送信装置の提供を目的とする。 【解決手段】 電力増幅部10は差動増幅器11とシングル
増幅器12とコンデンサ13とで構成され、差動増幅器11の
出力側とシングル増幅器12の入力側がコンデンサ13を介
して接続される。電力増幅部10には異なるコードを有し
同一周波数で変調された被変調波が入力され、この被変
調波を差動増幅器11で電力増幅した時に発生する3次歪
をシングル増幅器12で打ち消すような電力増幅を行うこ
とで隣接チャネルの通信に影響を及ぼさない被変調波を
出力することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はCDMA(Code Divisio
n Multiple Access:符合分割多元接続)方式無線通信
用増幅装置および送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数のユーザが無線周波数資源を共有し
て同時に通信を行う方法が無線多元接続であり、この無
線多元接続には周波数で無線チャネルの分離を行うFDMA
(Frequency Division Multiple Access)方式、時間で
無線チャネルの分離を行うTDMA(Time Division Multip
le Access)方式、符合ベクトル空間上で無線チャネル
の分離を行うCDMA方式がある。
【0003】このうちCDMA方式は、ユーザごとに異なる
コードを割り当てて、各ユーザは同一の周波数の搬送波
を変調して同時に伝送する多重通信方式である。
【0004】ところで、携帯電話などの無線通信装置と
固定電話機などの有線通信装置とが接続され通話が行わ
れる通信システムは、無線通信装置の基地局、ベースス
テーションコントローラ(BSC)、モバイルスイッチン
グセンター(MSC)を有し、BSCに無線通信装置が接続さ
れ、MSCに公衆電話回線端末として有線通信装置が公衆
網回線で接続される。
【0005】無線通信装置から発せられた電波は、無線
通信装置に最も近い基地局のアンテナに受信される。BS
Cは電波を受信した基地局の制御・管理を行い、基地局
が受け取った電波を電気信号としてMSCに送っている。M
SCは無線通信装置と公衆電話回線端末とを接続する中継
点となっており、無線通信装置から受信した電波の電気
信号をどの回線を使って有線通信装置に送信するのかを
制御(回線の切り替え)を行っている。
【0006】また、公衆電話回線端末から送られた信号
を無線通信装置で受信する場合は上述した場合と逆の動
作を行っている。
【0007】次に、無線通信装置の構成、送受信の動作
について説明する。
【0008】無線通信装置が被変調波なる電波を受信す
る場合は、電波はアンテナで受信された後、フィルタ、
ローノイズアンプ(LNA)、ダウンコンバータ、ベース
バンド信号処理部(BB)を通過し音声信号に変換されて
受信される。まずフィルタで所定の周波数帯域のみの電
波を通過させる。LNAは受信された微弱な電波を増幅
し、ダウンコンバータは受信された電波の周波数をDC領
域の周波数まで低下させ、BBはA/D変換、復調を行って
ベースバンド信号を得ている。
【0009】一方、電波を送信する場合には、音声信号
が変換された送信信号がベースバンド信号処理部(B
B)、アップコンバータ、増幅器、フィルタを通ってア
ンテナから送信される。BBはベースバンド信号のD/A変
換、変調を行い、アップコンバータは変調された被変調
波の周波数を送信される周波数まで上昇させ、増幅器で
被変調波の電力増幅を行ってフィルタを介してアンテナ
から送信する。なお増幅器とフィルタとの間にカプラ、
アイソレータが設けられた場合は、カプラは増幅器から
出力された被変調波の一部を増幅器にフィードバック
し、アイソレータは被変調波が通過する方向を一方向と
する。またフィルタは周波数によって送受信の切り替え
を行っている。
【0010】ここで従来の増幅器は、図5に示すような
1個のバイポーラトランジスタを用いたシングル増幅器
や、図6に示すような2個のバイポーラトランジスタで差
動対を構成した差動増幅器が用いられていた。
【0011】ここで無線通信装置から送信された電波を
受信する基地局から無線通信装置が離れるに従って、無
線通信装置から基地局へ送信する電波の出力(信号レベ
ル)を増加させるような制御信号が増幅器に入力され
る。この信号レベルを増加する制御信号が入力されると
増幅器は信号レベルを増大するよう動作する。しかしな
がら制御信号にしたがって信号レベルを増大させすぎた
場合には、増幅後の信号レベルの非線形歪が大きくなり
この無線通信装置が使用する周波数チャネルの隣の無線
チャネルへの隣接チャネル漏洩電力が大きくなる。この
隣接チャネル漏洩電力が大きくなれば、隣接チャネルの
周波数(帯域)を使用する無線通信装置の動作(送受
信)が不安定になる恐れがあった。
【0012】ここで、図5のシングル増幅器に発生する
隣接チャネル漏洩電力について説明する。
【0013】まず、このシングル増幅器の入出力特性は
式(2)に示す通りである。
【数2】 ただし、v:出力電圧、I:トランジスタ飽和電
流、ZL1:負荷、V:熱電圧、v:出力電圧とす
る。
【0014】すなわち、このシングル増幅器の出力電圧
は入力電圧vの指数関数で表され、指数関数を級
数展開すると式(2)は以下に示す式(3)のように近似
できる。
【数3】 なお式(3)の第1項目は所望波信号、第2項目は所望波
の2次歪、第3項目は所望波の3次歪の信号レベルをそれ
ぞれ表している。
【0015】隣接チャネル漏洩電力となる歪は無線通信
装置のシステムごとに異なっており、例えばCDMA方式で
は上記3次歪が隣接チャネルに影響を及ぼしていた。
【0016】次に、図6の差動増幅器に発生する隣接チ
ャネル漏洩電力について説明する。
【0017】まず、この差動増幅器の入出力特性は式
(4)に示す通りである。
【数4】 ただし、v':差動出力電圧、V':熱電圧、
EE:差動増幅器の定電流源の電流値、ZL2:負
荷、v':差動入力電圧とする。
【0018】式(4)の双曲線関数は級数展開して式
(5)のように近似することができる。
【数5】 なお式(5)の第1項目は所望波信号、第2項目は所望波
の3次歪をそれぞれ表している。
【0019】図5と同様に、無線通信装置が例えばCDMA
方式であれば3次歪が隣接チャネルに影響を及ぼしてい
た。
【0020】以上述べたように、CDMA方式無線通信装置
に搭載されたシングル増幅器もしくは差動増幅器では、
所望波の信号レベルを増加させると非線形歪によって発
生する3次歪が隣接チャネルと重なり隣接チャネルを使
用する無線通信装置の送受信に影響を及ぼす可能性があ
った。より具体的には例えばW-CDMA(Wide banded-CDM
A)方式では周波数帯域(送信)は1920MHz〜1980MHzで
あり、このうち一チャネルは5MHzの帯域を有している。
つまり第1チャネルは1920〜1925MHzとなり、第2チャネ
ルは1925〜1930MHzとなり、…第12チャネルは1975〜198
0MHzと12の領域に分割されており、さらに各チャネルが
複数のコードに分割されている。第1チャネルを使用す
る任意のコードの被変調波を増幅する場合この増幅され
た被変調波の3次歪が第2チャネルの周波数帯域に表れ第
2チャネルを使用するユーザの通信に影響を及ぼすので
ある。また第2チャネルを使用する任意のコードの被変
調波を増幅する場合にはこの増幅された被変調波の3次
歪が第1及び第3チャネルの周波数帯域に表れ第1及び第3
チャネルを使用するユーザの通信に対して影響を及ぼ
す。
【0021】そのため信号レベルを増加させたい場合で
あっても隣接チャネルへ影響を与えない信号レベル内で
電力増幅しなければならなかった。なお2次歪は使用し
ている周波数帯域中に発生するため隣接チャネルへの影
響はなく、4次歪以上は信号レベルが指数関数的に小さ
くなるため出力はされるものの隣接チャネルを使用する
ユーザの通信への影響は無視できる。
【0022】また、この3次歪を除去するためにシング
ル増幅器もしくは差動増幅器の出力側にコンデンサや歪
補償回路を設けることもできるが、発生した歪を除去す
るためには大容量のコンデンサや新たな歪補償回路が必
要となり、大型化、製作費用増加、設計が複雑になるな
どの問題があった。
【0023】また、隣接チャネル漏洩電力はシングル増
幅器もしくは差動増幅器の消費電力を大きくすれば低減
できるが、消費電力が増加すれば電池消耗により無線通
信装置の使用時間が短くなるといった問題点もあった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成をし
た従来のCDMA方式の無線通信用増幅器では、信号レベル
が増加するにしたがって非線形なる3次歪が発生し、こ
の3次歪が隣接チャネルと重なり隣接チャネルを使用す
る無線通信装置の通信に悪影響を及ぼすといった問題が
あった。
【0025】そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑み
てなされたもので、小型・軽量でありながら、信号レベ
ルを増加させた場合に隣接チャネルに悪影響をおよぼす
3次歪の発生を低減するCDMA方式の無線通信用増幅装置
および送信装置の提供を目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のCDMA方式無線通信用増幅装置は、同一の
周波数帯域において異なるコードが割り当てられた信号
を荷う被変調波を電力増幅する増幅器を備えたCDMA方式
無線通信用増幅装置において、前記増幅器は、バイポー
ラトランジスタで構成された差動増幅器とバイポーラト
ランジスタのシングル増幅器とを縦続接続し、前記増幅
器に入力された、同一の周波数帯域において異なるコー
ドが割り当てられた信号を荷う被変調波を電力増幅した
際に発生する3次歪を実質的に打ち消すようにしたこと
を特徴とする。
【0027】次に、本発明のCDMA方式無線通信用増幅装
置は、同一の周波数帯域において異なるコードが割り当
てられた信号を荷う被変調波の電力増幅を行う一対のバ
イポーラトランジスタを有する差動増幅器と、前記差動
増幅器に縦続接続されて前記差動増幅器で前記被変調波
を増幅した時に発生する3次歪を実質的に打ち消すよう
に前記差動増幅器からの出力信号を電力増幅する1個の
バイポーラトランジスタを有するシングル増幅器とから
構成される。
【0028】次に、本発明のCDMA方式送信装置は、同一
の周波数帯域において異なるコードが割り当てられた信
号を荷う被変調波の電力増幅を行う電力増幅装置と、前
記電力増幅された前記被変調波を送信、もしくは異なる
コードを有し同一周波数で変調された被変調波を受信す
るアンテナ素子に接続され、前記アンテナ素子で受信さ
れた前記被変調波もしくは前記電力増幅装置で電力増幅
された前記被変調波の出力先を選択するフィルタと、前
記フィルタに接続され前記電力増幅装置から前記フィル
タに送られる前記被変調波の一方向の流れのみを許容す
るアイソレータと、前記電力増幅装置と前記アイソレー
タとの間に設けられ電力増幅された前記被変調波を前記
電力増幅装置にフィードバックすると共に前記アイソレ
ータに前記被変調波を出力するカプラとを具備したCDMA
方式送信装置において、前記電力増幅装置は、バイポー
ラトランジスタで構成された差動増幅器とバイポーラト
ランジスタのシングル増幅器とを縦続接続させて構成さ
れ、前記電力増幅装置に入力された、同一の周波数帯域
において異なるコードが割り当てられた信号を荷う被変
調波の電力増幅を行った際に発生する3次歪を実質的に
打ち消すように電力増幅を行うことことを特徴とする。
【0029】次に、本発明のCDMA方式送信装置は、同一
の周波数帯域において異なるコードが割り当てられた信
号を荷う被変調波の電力増幅を行う電力増幅装置と、前
記電力増幅された前記被変調波を送信、もしくは異なる
コードを有し同一周波数で変調された被変調波を受信す
るアンテナ素子に接続され前記アンテナ素子で受信され
た前記被変調波もしくは前記電力増幅装置で電力増幅さ
れた前記被変調波の出力先を選択するフィルタと、前記
フィルタに接続され前記電力増幅装置から前記フィルタ
に送られる前記被変調波の一方向の流れのみを許容する
アイソレータと、前記電力増幅装置と前記アイソレータ
との間に設けられ電力増幅された前記被変調波を前記電
力増幅装置にフィードバックすると共に前記アイソレー
タに前記被変調波を出力するカプラとを具備したCDMA方
式送信装置において、前記電力増幅装置は、前記被変調
波の電力増幅を行う一対のバイポーラトランジスタを有
する差動増幅器と、前記差動増幅器に縦続接続されて前
記差動増幅器で前記被変調波を増幅した時に発生する3
次歪を実質的に打ち消すように前記差動増幅器からの出
力信号を電力増幅する1個のバイポーラトランジスタを
有するシングル増幅器とを有する電力増幅部とから構成
される。
【0030】このような構成によれば、シングル増幅器
と差動増幅器とで内部で発生する3次歪を打ち消し、高
出力時においても3次歪の隣接チャネルへの影響を低減
することができる。
【0031】なお差動増幅器、シングル増幅器は電力増
幅を行っていると説明したが、実際には電流増幅が行わ
れ各増幅段、各増幅器内外に設けられる素子の抵抗によ
って電圧増幅がなされ結果的に電力増幅されているがこ
の動作を電力増幅と呼ぶことにする。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0033】図1は本発明の第1の実施の形態のブロック
線図である。
【0034】送信装置は、アンテナ1、フィルタ2、アイ
ソレータ3、カプラ4と電力増幅部10(電力増幅装置)と
から構成される。電力増幅部10は、一対のバイポーラト
ランジスタで構成された差動増幅器11と、エミッタ接地
の1個のバイポーラトランジスタで構成された増幅器12
(以下シングル増幅器と称する)と、コンデンサ13とを
有する。なお差動増幅器11の出力側とシングル増幅器12
の入力側がコンデンサ3を介して接続されており、このよ
うに差動増幅器11とシングル増幅器12とが直列に接続さ
れている状態を縦続接続されると呼び、複数の電力増幅
部10が縦続接続されている状態を多段増幅器とする。ま
た差動増幅器11、シングル増幅器12は集積回路で構成さ
れている。なお入力される被変調波の電力増幅を行う増
幅器は差動増幅器11もしくはシングル増幅器12だけであ
るが、差動増幅器11もしくはシングル増幅器12の動作を
補償するためのトランジスタ例えば温度補償用トランジ
スタなども適宜含まれているものとし、差動増幅器11と
シングル増幅器12はエミッタ接地の電力増幅器である。
また電力増幅部10で電力増幅される電波は、同一の周波
数帯域において異なるコードが割り当てられて変調され
た、CDMA方式の被変調波である。
【0035】このような構成からなる第1の実施の形態
の動作について説明する。
【0036】なお電力増幅部10に入力される被変調波
は、音声信号がデジタル化されたデジタル信号の帯域幅
をできるだけ小さくする変調(一次変調)が行われた
後、この一次変調後の信号に拡散コードを用いてスペク
トル拡散させるための変調(二次変調)が行われた被変
調波であるものとする。
【0037】差動増幅器11の入力端子からベースバンド
信号がCDMA方式によって変調された被変調波なる信号が
差動増幅器11に入力され電力増幅される。電力増幅され
たCDMA方式の被変調波には所望波及び所望波の3次歪、
所望波の5次歪…が出力される。差動増幅器11では互い
に異なる2つの極性を有する信号(差動信号)が増幅さ
れるが、どちらか一方の増幅された信号のみを出力す
る。増幅された信号はコンデンサ13に入力されて直流成
分が取り除かれる。直流成分が取り除かれた信号はシン
グル増幅器12に入力されて3次歪を打ち消すようなに電
力増幅されカプラ4に入力される。カプラ4では入力され
た信号の出力(信号レベル)を差動増幅器11に送ってい
る。これは実際に電力増幅された信号をフィードバック
することで目標の電力増幅がなされているかを判断する
ためである。カプラ4から出力された信号はアイソレー
タ3を通過してフィルタ2に送られる。アイソレータ3は
信号が通過する方向を一方向とするために設けられカプ
ラ4からフィルタ2の方向へ進む信号は通過を許可し、フ
ィルタ2からカプラ4の方向へ進む信号は通過させないよ
うに機能する。フィルタ2を通過したCDMA方式の被変調
波なる信号はアンテナ1より無線通信装置外(基地局)
へ送信される。ここでフィルタ2はフィルタ2に入ってく
る信号の周波数に応じて信号を受信部に送るかアンテナ
1に送るかを選択している。
【0038】次に、差動増幅器11で増幅される信号レベ
ルが増加されることによって発生する歪をシングル増幅
器12で抑制する動作について説明する。なお、差動増幅
器11は式(4)の特性を有しシングル増幅器12は式(2)
の特性を有するものとする。
【0039】差動増幅器11の入力端子に入力されたCDMA
方式の被変調波が差動増幅器11で電力増幅され、その後
シングル増幅器12で増幅され出力された場合の出力信号
は以下の式(6)のように表すことができる。
【数6】 ここで式(6)の第1項目はCDMA方式の被変調波の所望波
信号、第2項目は所望波の2次歪、第3項目は所望波の3次
歪をそれぞれ表している。第3項目は極性の異なる差動
増幅器11とシングル増幅器12の3次歪両方を表してい
る。
【0040】ところでCDMA方式無線通信装置の場合に
は、隣接チャネルと上記3次歪とが実質的に重なってお
り、隣接チャネル漏洩電力を−40[dB]以下にすれば隣
接チャネルへの3次歪の影響を抑制することができる。
【0041】つまり所望波信号と3次歪との成分比が−4
0[dB]以下であれば良く、この条件式は式(7)のよう
に表すことができる。
【数7】 この式(7)を満足するような差動増幅器11、シングル
増幅器12であれば3次歪が隣接チャネルに悪影響を与え
ないように電力増幅を行うことができる。
【0042】また、3次歪を理想的に打ち消すための条
件は、以下に示す式(8)を満たす様な差動増幅器11と
シングル増幅器12であればよい。
【数8】 このように差動増幅器11の3次歪(例えば極性が正)
と、シングル増幅器12の3次歪(例えば極性が負)と
が、極性の違いで互いに打ち消されることによって3次
歪を低減、もしくは相殺することにより隣接チャネルへ
の3次歪の影響を抑制することができる。
【0043】以上述べたような第1の実施の形態では、
電力増幅後のCDMA方式の被変調波を送信する場合に3次
歪を発生させることなく、もしくは抑制することによっ
て電力増幅部10から出力される所望波の信号レベルを大
きくすることができる。したがって、従来3次歪が発生
することで電力増幅ができず使用することができなかっ
た距離(基地局と無線通信装置)に無線通信装置が存在
した場合でも電力増幅しCDMA方式の被変調波を送信する
ことができるため、無線通信装置から送信できる領域を
広くすることができる。
【0044】次に、本発明の第2の実施の形態の構成に
ついて図2を参照して説明する。
【0045】なお、以下の各実施の形態において同一構
成要素は同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0046】第2の実施の形態の特徴は、差動増幅器11
が2出力の場合にはそれぞれの出力端子にコンデンサ13,
13が設けられたことである。
【0047】図2は第2の実施の形態のブロック構成図で
ある。
【0048】差動増幅器11の出力端子が2つある場合に
は、それぞれの出力端子にコンデンサ13を設ける。コン
デンサ13,13は2入力端子があるシングル増幅器12に接続
される。
【0049】CDMA方式の被変調波の電力増幅の動作、効
果は第1の実施の形態と同様である。
【0050】差動増幅器11によっては2出力端を有した
ものもあり、このような場合には各出力端子にコンデン
サ13を接続して直流成分を除去する。
【0051】次に、本発明の第3の実施の形態の構成に
ついて図3を参照して説明する。
【0052】第3の実施の形態の特徴は、差動増幅器11
とシングル増幅器12の間に単相変換器14,14を設けたこ
とである。
【0053】図3は、第3の実施の形態のブロック構成図
である。
【0054】差動増幅器11の2出力端子にそれぞれコン
デンサ13,13が接続され、コンデンサ13,13に単相変換
器14が接続される。単相変換器14の出力端子はシングル
増幅器12の入力端子に接続される。
【0055】このような構成からなる第3の実施の形態
の動作について説明する。
【0056】差動増幅器11に入力されたCDMA方式の被変
調波なる信号は差動増幅器11で電力増幅され、その後コ
ンデンサ13,13で直流成分が取り除かれる。このときコ
ンデンサ13,13に入力された信号の位相は互いに180度
ずれている。
【0057】コンデンサ13,13からの2信号は単相変換
器14で単相信号に変換される。変換された信号はシング
ル増幅器12で電力増幅されて出力される。シングル増幅
器12から出力された信号の処理は第1の実施の形態と同
様である。
【0058】差動増幅器11とシングル増幅器12の特性は
第1の実施の形態と同一であり、差動増幅器11に入力さ
れる電圧とシングル増幅器12から出力される電圧との関
係は、上述した式(6)と同一である。よって上述した
式(7)のように差動増幅器11とシングル増幅器12とを
設けることで、CDMA方式の被変調波の信号レベルの増加
に伴う3次歪の隣接チャネルの影響を低減することがで
き、また上述した式(8)のような差動増幅器11とシン
グル増幅器12とすることで最適となる。
【0059】また、差動増幅器11の出力端子が2出力で
ある場合には、コンデンサ13,13を各出力端子に設けそ
の後単相変換器14を設けることによって第1の実施の形
態よりもより低雑音の単相信号を得ることができる。
【0060】次に、本発明の第4の実施の形態の構成に
ついて図4を参照して説明する。
【0061】第4の実施の形態の特徴は、差動増幅器11
とシングル増幅器12とコンデンサ13,13と単相変換器14
とが同一の基板上に積層され集積化されたことである。
【0062】図4は第4実施の形態のブロック構成図であ
る。
【0063】図中点線内の差動増幅器11とシングル増幅
器12とコンデンサ13,13と単相変換器14とが同一の基板
上に積層されて集積化されICチップ化されている。
【0064】第4の実施の形態の動作は上述した第3の実
施の形態と同様である。
【0065】このような構成にすることにより、無線通
信用増幅器の小型化、軽量化、低コスト化を達成するこ
とができる。
【0066】なお、本発明は上記実施の形態には限定さ
れず、その主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施で
きることは言うまでもない。例えば、CDMA方式の被変調
波なる信号が流れる方向に差動増幅器、シングル増幅器
の順に縦続接続されているが、シングル増幅器、差動増
幅器の順に縦続接続されていても構わない。
【0067】また、1個の差動増幅器と1個のシングル増
幅器とから無線通信用増幅器を構成しているが、それぞ
れの個数は設計上変更することは可能であり、例えば差
動増幅器、差動増幅器、シングル増幅器の順に縦続接続
することも、シングル増幅器、シングル増幅器、差動増
幅器の順に縦続接続することもできる。
【0068】また、差動増幅器またはシングル増幅器の
内部に直流成分を削除するような回路を組み込み製造す
ることができればコンデンサを用いなくともよい。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、所
望波の信号レベルを増加させた場合であっても隣接チャ
ネルに影響を与える3次歪の発生を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の無線通信用増幅器の第1の実施の形
態のブロック図。
【図2】 本発明の無線通信用増幅器の第2の実施の形
態のブロック図。
【図3】 本発明の無線通信用増幅器の第3の実施の形
態のブロック図。
【図4】 本発明の無線通信用増幅器の第4の実施の形
態のブロック図。
【図5】 従来の無線通信用増幅器の回路図。
【図6】 従来の別の無線通信用増幅器の回路図。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 フィルタ 3 アイソレータ 4 カプラ 10 電力増幅器 11 差動増幅器 12 シングル増幅器 13 コンデンサ 14 単相変換器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J090 AA01 AA12 AA41 CA21 CA87 CA92 GN02 HA02 HA25 HA29 KA02 KA34 KA41 KA68 MA08 MA11 SA14 TA01 5J091 AA01 AA12 AA41 CA21 CA87 CA92 HA02 HA25 HA29 KA02 KA34 KA41 KA68 MA11 SA14 TA01 5K022 EE01 EE12 EE21 EE31 5K060 CC04 CC12 DD04 FF06 HH06 JJ04 JJ08 KK06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一の周波数帯域において異なるコードが
    割り当てられた信号を荷う被変調波を電力増幅する増幅
    器を備えたCDMA方式無線通信用増幅装置において、 前記増幅器は、 バイポーラトランジスタで構成された差動増幅器とバイ
    ポーラトランジスタのシングル増幅器とを縦続接続し、
    前記増幅器に入力された、同一の周波数帯域において異
    なるコードが割り当てられた信号を荷う被変調波を電力
    増幅した際に発生する3次歪を実質的に打ち消すように
    したことを特徴とするCDMA方式無線通信用増幅装置。
  2. 【請求項2】同一の周波数帯域において異なるコードが
    割り当てられた信号を荷う被変調波の電力増幅を行う一
    対のバイポーラトランジスタを有する差動増幅器と、 前記差動増幅器に縦続接続されて前記差動増幅器で前記
    被変調波を増幅した時に発生する3次歪を実質的に打ち
    消すように前記差動増幅器からの出力信号を電力増幅す
    る1個のバイポーラトランジスタを有するシングル増幅
    器とを具備したCDMA方式無線通信用増幅装置。
  3. 【請求項3】前記差動増幅器の熱電圧をV'とし、前
    記差動増幅器の負荷をZL2とし、前記差動増幅器の定
    電流源の電流値をIEEとし、前記シングル増幅器の熱
    電圧をVとし、前記シングル増幅器の負荷をZL1
    し、前記シングル増幅器の定電流源の電流値Isをとし
    た場合に、前記差動増幅器を式(1)を満たした関係に
    あることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のCDMA方
    式無線通信用増幅装置。 【数1】
  4. 【請求項4】前記差動増幅器と前記増幅器との間に前記
    差動増幅器から出力された2つの信号を単相信号に変換
    する単相変換器が設けられることを特徴とする請求項2
    に記載のCDMA方式無線通信用増幅装置。
  5. 【請求項5】同一の周波数帯域において異なるコードが
    割り当てられた信号を荷う被変調波の電力増幅を行う電
    力増幅装置と、 前記電力増幅された前記被変調波を送信、もしくは異な
    るコードを有し同一周波数で変調された被変調波を受信
    するアンテナ素子に接続され、前記アンテナ素子で受信
    された前記被変調波もしくは前記電力増幅装置で電力増
    幅された前記被変調波の出力先を選択するフィルタと、 前記フィルタに接続され前記電力増幅装置から前記フィ
    ルタに送られる前記被変調波の一方向の流れのみを許容
    するアイソレータと、 前記電力増幅装置と前記アイソレータとの間に設けられ
    電力増幅された前記被変調波を前記電力増幅装置にフィ
    ードバックすると共に前記アイソレータに前記被変調波
    を出力するカプラとを具備したCDMA方式送信装置におい
    て、 前記電力増幅装置は、 バイポーラトランジスタで構成された差動増幅器とバイ
    ポーラトランジスタのシングル増幅器とを縦続接続させ
    て構成され、 前記電力増幅装置に入力された、同一の周波数帯域にお
    いて異なるコードが割り当てられた信号を荷う被変調波
    の電力増幅を行った際に発生する3次歪を実質的に打ち
    消すように電力増幅を行うことことを特徴とするCDMA方
    式送信装置。
  6. 【請求項6】同一の周波数帯域において異なるコードが
    割り当てられた信号を荷う被変調波の電力増幅を行う電
    力増幅装置と、 前記電力増幅された前記被変調波を送信、もしくは異な
    るコードを有し同一周波数で変調された被変調波を受信
    するアンテナ素子に接続され前記アンテナ素子で受信さ
    れた前記被変調波もしくは前記電力増幅装置で電力増幅
    された前記被変調波の出力先を選択するフィルタと、 前記フィルタに接続され前記電力増幅装置から前記フィ
    ルタに送られる前記被変調波の一方向の流れのみを許容
    するアイソレータと、 前記電力増幅装置と前記アイソレータとの間に設けられ
    電力増幅された前記被変調波を前記電力増幅装置にフィ
    ードバックすると共に前記アイソレータに前記被変調波
    を出力するカプラとを具備したCDMA方式送信装置におい
    て、 前記電力増幅装置は、 前記被変調波の電力増幅を行う一対のバイポーラトラン
    ジスタを有する差動増幅器と、 前記差動増幅器に縦続接続されて前記差動増幅器で前記
    被変調波を増幅した時に発生する3次歪を実質的に打ち
    消すように前記差動増幅器からの出力信号を電力増幅す
    る1個のバイポーラトランジスタを有するシングル増幅
    器とを有する電力増幅部と、を具備したことを特徴とす
    るCDMA方式送信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006129444A (ja) * 2004-09-30 2006-05-18 Renesas Technology Corp 高周波電力増幅器および高周波電力増幅器モジュール

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