JP2002076844A - 移相回路および移相器 - Google Patents

移相回路および移相器

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JP2002076844A
JP2002076844A JP2001049293A JP2001049293A JP2002076844A JP 2002076844 A JP2002076844 A JP 2002076844A JP 2001049293 A JP2001049293 A JP 2001049293A JP 2001049293 A JP2001049293 A JP 2001049293A JP 2002076844 A JP2002076844 A JP 2002076844A
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phase shift
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shift circuit
input
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JP2001049293A
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Inventor
Kenichi Miyaguchi
賢一 宮口
Morishige Hieda
護重 檜枝
Kazuhiko Nakahara
和彦 中原
Sunao Takagi
直 高木
Eiji Taniguchi
英司 谷口
Yoshitada Iyama
義忠 伊山
Michiaki Kasahara
通明 笠原
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 副線路を長く構成しようとすると、副線路や
基板間容量の影響によって整合ズレが生じて反射特性が
劣化してしまうという課題があった。 【解決手段】 入力端子2と出力端子3間に制御信号に
応じてON/OFF切替動作するFET5とのFET5
の入力電極と出力電極間に並列接続された副線路4bを
備えた移相回路において、上記FETの入力電極または
出力電極の少なくとも一方とグランド間に容量性素子を
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、線路上に設けら
れた半導体素子のスイッチング動作によって、入力され
た高周波信号の位相をディジタル的に制御する移相回路
およびこの移相回路を多段接続して構成される移相器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】任意の方位から到来する高周波信号を受
信するフェーズドアレイアンテナのように、無指向性の
受信機を多重化してアレイシステムを構成した場合に、
アレイシステムの主ビームの方位(指向性)を変化させ
て高周波信号の受信特性を良好にするビーム方位制御技
術がある。
【0003】このビーム方位制御技術では、受信した高
周波信号の位相を電気的に制御する移相器を用いる。各
受信機によってそれぞれ受信された各高周波信号(給
電)の位相が所望の値となるように、受信機の後段に設
けられた個々の移相器をそれぞれ制御して、高周波信号
の到来方位に依存する各高周波信号の位相差を補償して
から各高周波信号を合成処理する。このようにすること
で、高周波信号の到来方位に対するアレイシステムの主
ビームの相関を強くすることができ、良好な受信特性を
実現できる。
【0004】このような移相器として、ディジタル型の
移相回路を直列に多段接続したものが挙げられる。ディ
ジタル型の移相回路とは、ON/OFF状態をスイッチ
制御できる半導体素子を線路に備えており、線路を伝送
する高周波信号に対してON/OFF状態の切替によっ
て2つの位相値(1ビット)を選択的に与えるものであ
る。例えば、位相制御範囲を3ビットで変化させたい場
合には、1ビットの移相回路を直列に3段接続した移相
器を構成する。ON状態とOFF状態における2つの位
相値の差分は所要移相量と呼ばれるパラメータである。
【0005】多段接続した移相回路を個々に制御して任
意の位相制御範囲をカバーでき、低消費電力や高速動作
が可能なため、多数の移相器を必要とする場合に、この
移相回路は特に有効である。また、半導体素子やキャパ
シタ、抵抗、インダクタ、線路などの各構成要素を一つ
の半導体基板上にモノリシック(monolithi
c)に構成することができるので、製造上でも利点があ
る。微弱な高周波信号の位相を多段接続して制御するの
で、入力や出力におけるインピーダンスの整合性、挿入
損失、小型化などが移相回路の技術的なポイントであ
る。
【0006】図11は従来の移相回路の回路構成を示す
図である。図11において、102は高周波信号が入力
される入力端子、103は高周波信号が出力される出力
端子、104aは主線路、104bは副線路である。主
線路104a,副線路104bを介して入力端子102
と出力端子103とが接続されている。
【0007】105は電界効果型トランジスタ(以下、
FETと略す)であり、ON状態とOFF状態とを切替
えるスイッチとして動作する。FET105のドレイン
電極およびソース電極は、入力端子102および出力端
子103に主線路104aを介してそれぞれ接続されて
いる。また、FET105のドレイン電極およびソース
電極は、副線路104bの両端にも接続されており、副
線路104bとFET105とは並列接続の関係にあ
る。106はバイアス端子であり、FET105のゲー
ト電極に接続されている。
【0008】FET105のドレイン電圧およびソース
電圧と同電位のゲート電圧をバイアス端子106に印加
すると、FET105はON状態となって抵抗性(以
下、ON抵抗という)を示す。一方、ピンチオフ電圧以
下のゲート電圧をバイアス端子106に印加すると、F
ET105はOFF状態となって容量性(以下、OFF
容量という)を示す。なお、ここでは所要移相量は小さ
いものとし、したがって副線路104bは短く構成され
ているものとする。
【0009】次に動作について説明する。入力端子10
2に入力された高周波信号は、主線路104aを介して
FET105および副線路104bを通過し、主線路1
04aから出力端子103へ出力される。バイアス端子
106から印加されるゲート電圧によってFET105
のON/OFF状態を切替えて、移相回路を通過する高
周波信号の位相を変化させる。
【0010】図12はFET105がON状態の場合に
おける図11の移相回路の等価回路を示す図である。ま
た、図13はFET105がOFF状態の場合における
図11の移相回路の等価回路を示す図である。図12,
13において、110は副線路104bの等価インダク
タ、111はFET105の基板間容量である。また、
図12において、112はON状態に切替わったFET
105を表すON抵抗であり、一方、図13において、
113はOFF状態に切替わったFET105を表すO
FF容量である。
【0011】入力端子102と出力端子103とは、等
価インダクタ110を介して接続されている。また、基
板間容量111は、入力端子102および等価インダク
タ110の接続点とグランドとの間、出力端子103お
よび等価インダクタ110の接続点とグランドとの間に
存在する。さらに、図12のON抵抗112,図13の
OFF容量113は、等価インダクタ110と並列にな
るように、入力端子102と出力端子103とを接続し
ている。
【0012】まず、FET105がON状態の移相回路
の動作を図12によって説明する。ソース電圧およびド
レイン電圧と同電位のゲート電圧をバイアス端子106
に印加すると、FET105はON状態に切替わってO
N抵抗112として働く。所要移相量が小さいので副線
路104bは短く構成されており、またON抵抗112
の抵抗値を無視すると、入力端子102と出力端子10
3とが短絡されているものと見なすことができる。した
がって、この場合の移相回路は、高周波信号の位相を変
化させることなく出力端子103から出力する。
【0013】続いて、FET105がOFF状態の移相
回路の動作を図13によって説明する。ピンチオフ電圧
以下のゲート電圧をバイアス端子106に印加すると、
FET105はOFF状態となってOFF容量113と
して働く。したがって、この場合の移相回路は、等価イ
ンダクタ110,OFF容量113によって決まる位相
を高周波信号に与えて、出力端子103から出力する。
【0014】実際には、基板間容量111などの寄生成
分によって、FET105がON状態でも位相変化は生
じるが、FET105がOFF状態の場合にも基板間容
量111などが存在するので、所要移相量に対する影響
はない。このように、FET105がON状態の位相と
FET105がOFF状態の位相との差である所要移相
量がこの移相回路によって得られる。また、この移相回
路を直列に多段接続して多ビットの移相器を構成するこ
とができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の移相回路および
移相器は以上のように構成されているので、大きな所要
移相量を得ようとする場合や、受信した高周波信号の周
波数が低くなる場合のように、副線路を長く構成しよう
とすると、副線路や基板間容量の影響によって整合ズレ
が生じ、反射特性が劣化してしまうという課題があっ
た。
【0016】また、大きな所要移相量を得るために副線
路を長く構成すると、回路規模が大型化してしまうとい
う課題があった。
【0017】さらに、所要移相量を得るためにON/O
FF状態を切り替えると、両状態の通過振幅に差が生じ
てしまうという課題があった。
【0018】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、副線路を長く構成する場合に
も、整合ズレを補償して良好な反射特性を有する移相回
路および移相器を構成することを目的とする。
【0019】また、副線路を長く構成することなく、大
きな所要移相量を得ることができる移相回路および移相
器を構成することを目的とする。
【0020】さらに、ON/OFF状態を切り替えたと
き、両状態の通過振幅に差を補償する移相回路および移
相器を構成することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明に係る移相回路
は、第1の入力電極または第1の出力電極の少なくとも
どちらか一方とグランドとを接続する容量性素子を備え
るようにしたものである。
【0022】この発明に係る移相回路は、第1のスイッ
チがON状態となった場合における第1の入力電極から
第1の出力電極までの損失と、第1のスイッチがOFF
状態となった場合における第1の入力電極から第1の出
力電極までの損失との差を補償する補償用抵抗を第1の
副線路が備えるようにしたものである。
【0023】この発明に係る移相回路は、第2の入力電
極および第2の出力電極を有し、第2の入力電極から第
2の出力電極までがON抵抗になるON状態および第2
の入力電極から第2の出力電極までがOFF容量になる
OFF状態の切替動作を制御信号に応じて行う第2のス
イッチと、第2の入力電極および第2の出力電極に並列
接続された第2の副線路とを備えた第2の移相回路が設
けられ、第2の入力電極が第1の出力電極と接続される
とともに、容量性素子が第1の出力電極とグランドとを
接続するようにしたものである。
【0024】この発明に係る移相回路は、第3の入力電
極および第3の出力電極を有し、第3の入力電極から第
3の出力電極までが導通する導通状態および第3の入力
電極から第3の出力電極までが遮断する遮断状態の切替
動作を制御信号に応じて行う第1のスイッチング回路
と、第3の出力電極およびグランドに両端がそれぞれ接
続された第1の整合用誘導性素子とを備えた第1の整合
回路が設けられ、第3の入力電極が第1の入力電極と接
続されるようにしたものである。
【0025】この発明に係る移相回路は、第3の入力電
極および第3の出力電極を有し、第3の入力電極から第
3の出力電極までが導通する導通状態および第3の入力
電極から第3の出力電極までが遮断する遮断状態の切替
動作を制御信号に応じて行う第1のスイッチング回路
と、第3の出力電極およびグランドに両端がそれぞれ接
続された第1の整合用誘導性素子とを備えた第1の整合
回路が設けられ、第3の入力電極が第1の出力電極と接
続されるようにしたものである。
【0026】この発明に係る移相回路は、第2の入力電
極および第2の出力電極を有し、第2の入力電極から第
2の出力電極までがON抵抗になるON状態および第2
の入力電極から第2の出力電極までがOFF容量になる
OFF状態の切替動作を制御信号に応じて行う第2のス
イッチと、第2の入力電極および第2の出力電極に並列
接続された第2の副線路とを備えた第2の移相回路が設
けられ、第2の出力電極が第1の入力電極と接続される
ようにしたものである。
【0027】この発明に係る移相回路は、第2のスイッ
チがON状態となった場合における第2の入力電極から
第2の出力電極までの損失と、第2のスイッチがOFF
状態となった場合における第2の入力電極から第2の出
力電極までの損失との差を補償する補償用抵抗を第2の
副線路が備えるようにしたものである。
【0028】この発明に係る移相回路は、第3の入力電
極および第3の出力電極を有し、第3の入力電極から第
3の出力電極までが導通する導通状態および第3の入力
電極から第3の出力電極までが遮断する遮断状態の切替
動作を制御信号に応じて行う第1のスイッチング回路
と、第3の出力電極およびグランドに両端がそれぞれ接
続された第1の整合用誘導性素子とを備えた第1の整合
回路と、第4の入力電極および第4の出力電極を有し、
第4の入力電極から第4の出力電極までが導通する導通
状態および第4の入力電極から第4の出力電極までが遮
断する遮断状態の切替動作を制御信号に応じて行う第2
のスイッチング回路と、第3の出力電極およびグランド
に両端がそれぞれ接続された第2の整合用誘導性素子と
を備えた第2の整合回路とが設けられ、第3の入力電極
が第1の入力電極と接続されるとともに、第4の入力電
極が第2の出力電極と接続されるようにしたものであ
る。
【0029】この発明に係る移相回路は、制御信号が印
加されるゲート電極と、第3の入力電極および第3の出
力電極または第4の入力電極および第4の出力電極とし
て用いるドレイン電極およびソース電極とを有するトラ
ンジスタと、ドレイン電極およびソース電極に並列接続
されたインダクタとから第1のスイッチング回路および
第2のスイッチング回路が構成されるようにしたもので
ある。
【0030】この発明に係る移相回路は、半導体基板上
にモノリシックに構成するようにしたものである。
【0031】この発明に係る移相器は、請求項1から請
求項9のうちのいずれか1項記載の移相回路を多段接続
して構成するようにしたものである。
【0032】この発明に係る移相器は、半導体基板上に
モノリシックに構成するようにしたものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態に
ついて説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による移
相回路の構成を示す図である。また、図2は図1に示し
た移相回路の回路構成を示す図である。図1,2におい
て、1は移相回路が実装される誘電体基板、2は高周波
信号が入力される入力端子、3は高周波信号が出力され
る出力端子、4aは主線路、4bは副線路(第1の副線
路)である。主線路4a,副線路4bを介して入力端子
2と出力端子3とが接続されている。
【0034】5は電界効果型トランジスタ(FET,第
1のスイッチ)であり、ON/OFF状態を切替えるス
イッチとして動作する。FET5のドレイン電極および
ソース電極(第1の入力電極および第1の出力電極)は
入力端子2および出力端子3に主線路4aを介してそれ
ぞれ接続されている。また、FET5のドレイン電極お
よびソース電極は副線路4bの両端にもそれぞれ接続さ
れており、副線路4bとFET5とは並列接続の関係に
ある。6はバイアス端子、7は抵抗であり、FET5の
ゲート電極とバイアス端子6とは抵抗7を介して接続さ
れている。
【0035】FET5のドレイン電圧およびソース電圧
と同電位のゲート電圧(制御信号)をバイアス端子6に
印加すると、FET5はON状態となってON抵抗とし
て働く。一方、ピンチオフ電圧以下のゲート電圧(制御
信号)をバイアス端子6に印加すると、FET5はOF
F状態となってOFF容量として働く。なお、ここでは
所要移相量は大きいものとし、したがって副線路4bは
長く構成されているものとする。
【0036】8はグランド電位を与えるためのスルーホ
ール、9はMIM(Metal−Insulator−
Metal)キャパシタ(容量性素子)であり、MIM
キャパシタ9の一方の電極はスルーホール8と接続さ
れ、他方の電極は出力端子3とFET5との間に接続さ
れている。
【0037】次に動作について説明する。入力端子2に
入力された高周波信号は、主線路4aを介してFET5
および副線路4bを通過し、主線路4aから出力端子3
へ出力される。バイアス端子6から印加されるゲート電
圧によってFET5のON/OFF状態を切替えて、移
相回路を通過する高周波信号の位相を変化させる。
【0038】図3はFET5がON状態の場合における
図2の移相回路の等価回路を示す図である。また、図4
はFET5がOFF状態の場合における図2の移相回路
の等価回路を示す図である。図3,4において、10は
副線路4bの等価インダクタ、11はFET5の基板間
容量である。また、図3において、12はON状態に切
替わったFET5を表すON抵抗であり、一方、図4に
おいて、13はOFF状態に切替わったFET5を表す
OFF容量である。
【0039】入力端子2と出力端子3とは、等価インダ
クタ10を介して接続されている。また、基板間容量1
1は、入力端子2および等価インダクタ10の接続点と
グランドとの間、出力端子3および等価インダクタ10
の接続点とグランドとの間に存在する。さらに、図3の
ON抵抗12,図4のOFF容量13は、等価インダク
タ10と並列になるように、入力端子2と出力端子3と
を接続している。そして、MIMキャパシタ9は、出力
端子3および等価インダクタ10の接続点とグランドと
の間に接続されている。
【0040】まず、FET5がON状態の移相回路の動
作を図3によって説明する。ソース電圧およびドレイン
電圧と同電位のゲート電圧をバイアス端子6に印加する
と、FET5はON状態に切替わってON抵抗12とし
て働く。所要移相量が大きいので副線路4bは長く構成
されており、またON抵抗12の抵抗値を無視すると、
FET5に並列接続された副線路4bは2つの開放スタ
ブとして働くようになる。つまり、入力端子2と出力端
子3との間は完全な短絡状態とならず、整合ズレが生じ
て反射特性が劣化し、位相回転が生じる(所要移相量が
小さい場合にはこの影響は小さい)。この点に関しては
実施の形態3で述べる。
【0041】続いて、FET5がOFF状態の移相回路
の動作を図4によって説明する。ピンチオフ電圧以下の
ゲート電圧をバイアス端子6に印加すると、FET5は
OFF状態となってOFF容量13として働く。所要移
相量が大きい場合には、副線路4bを長く構成するの
で、等価インダクタ10および基板間容量11に対して
MIMキャパシタ9で整合を取るようにし、入力された
高周波信号の反射を軽減することができる。
【0042】つまり、FET5のOFF容量13を無視
して理想的な開放状態とみなすと、図4に示した移相回
路は、MIMキャパシタ9,等価インダクタ10および
基板間容量11から構成されるΠ型ローパスフィルタと
見なすことができる。したがって、Π型ローパスフィル
タの整合条件Z0=[L/C]0.5(ただし、Z0は
線路の特性インピーダンス、Lはインダクタンス、Cは
キャパシタンス)を満たすように、MIMキャパシタ
9,等価インダクタ10および基板間容量11のリアク
タンス値をそれぞれ設定すれば良い。
【0043】この場合には、MIMキャパシタ9,等価
インダクタ10,基板間容量11のΠ型ローパスフィル
タによって、公知の関係式1−ωLC=cos
[Θ],−ωL/Z0=sin[Θ](ただしωは高周
波信号の角周波数)で決まる位相遅れΘが生じる。
【0044】なお、MIMキャパシタ9を出力端子3お
よびFET5の接続点とグランドとの間に接続した場合
について説明したが、MIMキャパシタ9を入力端子2
およびFET5の接続点とグランドとの間に接続するよ
うにしても良い。また、MIMキャパシタ9を入力端子
2およびFET5の接続点とグランドとの間、出力端子
3およびFET5の接続点とグランドとの間の両方に接
続するようにしても良い。
【0045】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、バイアス端子6から印加されるゲート電圧に応じて
ON/OFF状態が切替わるFET5と、FET5のソ
ース電極およびドレイン電極にその両端がそれぞれ接続
されてFET5と並列の関係にある副線路4bと、入力
端子2とFET5との間または出力端子3とFET5と
の間の少なくともどちらか一方とグランドとを結ぶMI
Mキャパシタ9とを備えるようにしたので、FET5の
OFF状態において、移相回路の所要移相量を大きくす
るために長く構成した副線路4bや基板間容量11の影
響によって発生する整合ズレをMIMキャパシタ9によ
って補償することができるようになり、反射特性の劣化
を改善した移相回路を構成することができるという効果
が得られる。
【0046】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形
態2による移相回路の回路構成を示す図である。図2と
同一または相当する構成については、同一の符号を付し
て重複する説明を省略する。図5において、50は抵抗
(補償用抵抗)である。抵抗50の両端は、副線路4b
を介してFET5のドレイン電極およびソース電極にそ
れぞれ接続されている。
【0047】抵抗50,副線路4b,FET5およびバ
イアス端子6から移相回路が構成されている。この実施
の形態2では、実施の形態1で示した第1の移相回路の
副線路4bに抵抗50を挿入している。
【0048】実施の形態1で示した移相回路では、ソー
ス電圧およびドレイン電圧と同電位のゲート電圧をバイ
アス端子6に印加すると、FET5はON状態に切替わ
ってON抵抗として働く。また、ピンチオフ電圧以下の
ゲート電圧をバイアス端子6に印加すると、FET5は
OFF状態に切り替わってOFF容量として働く。
【0049】つまり、FET5がON状態のとき、ON
抵抗によって入力端子2に入力された高周波信号は減衰
する。一方、FET5がOFF状態のとき、抵抗成分は
存在しないので減衰は生じない。したがって、FET5
のON/OFF状態を切り替えると、移相回路を通過す
る高周波信号の振幅に差が生じる。
【0050】そこで、この実施の形態2による移相回路
では、副線路4bの間に抵抗50を挿入している。この
ようにすることで、FET5がOFF状態のとき、入力
端子2から入力された高周波信号は、FET5のOFF
容量を無視して理想的な開放状態とみなすと、副線路4
bおよび抵抗50からなるパスを通過し、抵抗50によ
って減衰する。
【0051】したがって、FET5がON状態のときの
入力端子2から出力端子3までの損失(ほとんどON抵
抗)と、FET5がOFF状態のときの入力端子2から
出力端子3までの損失との差を補償するように、抵抗5
0の抵抗値を適切に設定すれば、FET5のON/OF
F状態を切り替えたとき、両状態の通過振幅に差が生じ
ないようにレベル補償ができるようになる。
【0052】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、FET5がON状態となった場合における入力端子
2から出力端子3までの損失と、FET5がOFF状態
となった場合における入力端子2から出力端子3までの
損失との差を補償する抵抗50を副線路4bに設けるよ
うにしたので、FET5のON/OFF状態における高
周波信号の通過振幅差を補償できるという効果が得られ
る。
【0053】なお、実施の形態3(図6),実施の形態
5(図8),実施の形態6(図9)などで後述する第2
の副線路に抵抗50を設けるようにしても良く、また、
第1,第2の副線路に抵抗50をそれぞれ設けるように
しても良い。いずれの場合においても、この実施の形態
2と同様の効果が得られる。
【0054】実施の形態3.図6はこの発明の実施の形
態3による移相回路の回路構成を示す図である。図2と
同一または相当する構成については、同一の符号を付し
て重複する説明を省略する。図6において、14aは主
線路、14bは副線路(第2の副線路)である。15は
FET(第2のスイッチ)であり、ON/OFF状態を
切替えるスイッチとして動作する。FET15のドレイ
ン電極およびソース電極(第2の入力電極および第2の
出力電極)は主線路4aおよび出力端子3に主線路14
aを介してそれぞれ接続されている。また、FET15
のドレイン電極およびソース電極は副線路14bの両端
にもそれぞれ接続されており、副線路14bとFET1
5とは並列接続の関係にある。
【0055】16はFET15のゲート電極に接続され
ているバイアス端子である。バイアス端子6およびバイ
アス端子16は共通化してあり、同じゲート電圧(制御
信号)が同時に印加されるため、FET5およびFET
15のON/OFF状態の切替動作は同時に行われる。
【0056】副線路4b,FET5およびバイアス端子
6から第1の移相回路が構成されており、副線路14
b,FET15およびバイアス端子16から第2の移相
回路が構成されている。第2の移相回路は第1の移相回
路と同等のものである。この実施の形態3では、実施の
形態1で示した第1の移相回路のFET5およびMIM
キャパシタ9(容量性素子)の接続点と出力端子3との
間に第2の移相回路を接続している。
【0057】実施の形態1で示した移相回路では、移相
量を大きくする場合に副線路4bを長く構成する必要が
ある。そこで、この実施の形態3による移相回路では、
第1の移相回路と第2の移相回路とを直列に接続し、第
1の移相回路と第2の移相回路との接続点およびグラン
ドの間にMIMキャパシタ9を設けるようにしている。
【0058】このようにすることで、MIMキャパシタ
9を共有化して、このMIMキャパシタ9によって第1
の移相回路、第2の移相回路の反射特性を共に改善し、
FET5,15にそれぞれ対する副線路4b、14bを
長く構成することなく、所要移相量を大きくすることが
できるという効果が得られる。
【0059】また、バイアス端子6およびバイアス端子
16を共通化しているので、移相回路の構成を簡略化す
ることができるという効果が得られる。
【0060】実施の形態4.図7はこの発明の実施の形
態4による移相回路の回路構成を示す図である。図2と
同一または相当する構成については、同一の符号を付し
て重複する説明を省略する。図7において、17は整合
回路(第1の整合回路)、18は単極単投スイッチ(第
1のスイッチング回路)、19は整合用インダクタ(第
1の整合用誘導性素子)、20はインダクタ、21はF
ET(トランジスタ)である。FET21のドレイン電
極およびソース電極(第3の入力電極および第3の出力
電極)はインダクタ20の両端とそれぞれ接続されてお
り、FET21とインダクタ20は並列接続されて単極
単投スイッチ18を構成している。また、単極単投スイ
ッチ18の一方の電極は、入力端子2およびFET5の
間と接続されており、単極単投スイッチ18の他方の電
極は、グランドに一端が接地された整合用インダクタ1
9の他端と接続されている。
【0061】単極単投スイッチ18のFET21のゲー
ト電極は、FET5と接続されたバイアス端子6と接続
されており、バイアス端子6から同電位のゲート電圧
(制御信号)が同時に印加されるため、FET5および
FET21のON/OFF状態の切替動作は同時に行わ
れる。単極単投スイッチ18を用いた整合回路17に関
しては、信学技報、MW99−52,1999−7,p
p17−21に開示されている。
【0062】前述したように、実施の形態1による移相
回路では、所要移相量が大きいため副線路4bが長く構
成されているので、ON状態のFET5に並列接続され
た副線路4bは2つの開放スタブとして働く。したがっ
て、副線路4bの等価インダクタ10は容量性を示すよ
うになり、入力端子2と出力端子3との間は完全な短絡
状態とはならなくなるため、整合ズレが生じて反射特性
が劣化してしまう。
【0063】そこで、この実施の形態4では、整合回路
17を備えるようにして、FET5がON状態の場合の
整合ズレを補償するようにしている。このようにするこ
とで、FET5がON状態の場合にも、移相回路の反射
特性を改善することができるようになり、反射特性がよ
り改善された移相回路を構成することができるようにな
る。
【0064】次に動作について説明する。ピンチオフ電
圧以下のゲート電圧をバイアス端子6に印加すると、F
ET5およびFET21は共にOFF状態となる。この
ときには、単極単投スイッチ18はOFF状態(開放状
態)となるので、この実施の形態4の移相回路は実施の
形態1の移相回路と同様に動作する。
【0065】ソース電圧およびドレイン電圧と同電位の
ゲート電圧をバイアス端子6に印加すると、FET5お
よびFET21はON状態に切替わる。このときには、
単極単投スイッチ18はON状態(短絡状態)となるの
で、この実施の形態4の移相回路では、入力端子2およ
びFET5の接続点とグランドとの間に整合用インダク
タ19が存在するようになる。
【0066】等価インダクタ10の容量性は基板間容量
11とともにFET5がON状態の場合における反射特
性の劣化要因であるため、この容量性と基板間容量11
とMIMキャパシタ9との合成容量を打ち消すように、
整合回路17に設けられた整合用インダクタ19のイン
ダクタンスを設定する。このようにすることで、入力端
子2と出力端子3との間は短絡状態と見なすことができ
るようになり、整合ズレを補償して反射特性を改善する
ことができるようになる。
【0067】さらに、整合回路17を接続しない場合と
比較すると、入力端子2と出力端子3との間に整合用イ
ンダクタ19が並列に接続されているため、位相の進ん
だ状態が生じる。短絡された入力端子2および出力端子
3の間の線路とグランドとの間にインダクタンスLのイ
ンダクタが並列接続されている場合には、Θ=tan
−1[Z0/2ωL]で得られる位相進みΘが生じる。
【0068】したがって、FET5がOFF状態の場合
の位相を進めるようにすれば、所要移相量を得ることが
可能となる。FET5がOFF状態の場合の位相を進め
るためには、副線路4bを短く構成すれば良く、これに
よって回路規模を小型化することができるとともに、F
ET5がOFF状態の場合の反射特性も改善することが
できるようになる。
【0069】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、実施の形態1で示した移相回路の入力端子2および
FET5の接続点とグランドとの間に、単極単投スイッ
チ18と整合用インダクタ19とから成る整合回路17
を設けるようにしたので、ON状態における移相回路の
整合ズレを補償して反射特性を改善することができるよ
うになるという効果が得られる。
【0070】また、ON状態において位相が進むように
なり、所要移相量を得るためにOFF状態においても位
相を進めるように副線路4bを短く構成することができ
るようになり、回路規模を小型化することができるとと
もに、OFF状態における反射特性も改善することがで
きるという効果が得られる。
【0071】なお、整合回路17は出力端子3およびF
ET5の接続点とグランドとの間にに設けるようにして
も良く、同様の効果が得られる。
【0072】実施の形態5.図8はこの発明の実施の形
態5による移相回路の回路構成を示す図である。図2,
7と同一または相当する構成については、同一の符号を
付して重複する説明を省略する。図8において、22a
は主線路、22bは副線路(第2の副線路)、23はF
ET(第2のスイッチ)であり、ON/OFF状態を切
替えるスイッチとして動作する。FET23のドレイン
電極およびソース電極(第2の入力電極および第2の出
力電極)は入力端子2およびFET5と整合回路17と
の接続点にそれぞれ接続されている。また、FET23
のドレイン電極およびソース電極は副線路22bの両端
にもそれぞれ接続されており、副線路22bとFET2
3とは並列接続の関係にある。
【0073】24はFET23のゲート電極に接続され
ているバイアス端子である。バイアス端子6およびバイ
アス端子24は共通化してあり、同じゲート電圧(制御
信号)が同時に印加されるため、FET5およびFET
23のON/OFF状態の切替動作は同時に行われる。
25は入力端子2とFET23の接続点とグランドとの
間に設けられたMIMキャパシタ(容量性素子)であ
る。
【0074】副線路4b,FET5およびバイアス端子
6から第1の移相回路が構成されており、副線路22
b,FET23およびバイアス端子24から第2の移相
回路が構成されている。第2の移相回路は第1の移相回
路と同等のものである。この実施の形態5による移相回
路は、実施の形態4で示した移相回路の整合回路17お
よびFET5の接続点と入力端子2との間に第2の移相
回路を接続している。
【0075】この実施の形態5による移相回路ではMI
Mキャパシタ25を設けてあり、実施の形態1で説明し
たように、第2の移相回路のOFF状態における反射特
性を改善するようにしてある。
【0076】実施の形態4で示した移相回路では、移相
量を大きくする場合には副線路4bを長く構成する必要
がある。そこで、この実施の形態5による移相回路で
は、第1の移相回路と第2の移相回路とを直列に接続
し、第1の移相回路と第2の移相回路との接続点および
グランドの間に整合回路17を設けるようにして、この
実施の形態5の移相回路を構成している。
【0077】このようにすることで、第1の移相回路、
第2の移相回路のON状態における反射特性を共有化さ
れた整合回路17によって改善するとともに、第1の移
相回路、第2の移相回路のOFF状態における反射特性
をMIMキャパシタ9、MIMキャパシタ25によって
それぞれ改善し、実施の形態4と比較して所要移相量を
さらに大きくすることができるという効果が得られる。
【0078】実施の形態6.図9はこの発明の実施の形
態6による移相回路の回路構成を示す図である。図6,
7と同一または相当する構成については、同一の符号を
付して重複する説明を省略する。図9において、51は
整合回路(第2の整合回路)、52は単極単投スイッチ
(第2のスイッチング回路)、53は整合用インダクタ
(第2の整合用誘導性素子)、54はインダクタ、55
はFET(トランジスタ)である。
【0079】FET55のドレイン電極およびソース電
極(第4の入力電極および第4の出力電極)はインダク
タ54の両端とそれぞれ接続されており、FET55と
インダクタ54は並列接続されて単極単投スイッチ52
を構成している。また、単極単投スイッチ52の一方の
電極は、FET15および出力端子3の間と接続されて
おり、単極単投スイッチ52の他方の電極は、グランド
に一端が接地された整合用インダクタ53の他端と接続
されている。各FET5,15,21,55のゲート電
極は全て共通化されており、バイアス端子6から同電位
のゲート電圧(制御信号)が同時に印加され、各FET
5,15,21,55のON/OFF状態の切替動作は
同時に行われる。
【0080】副線路4b,FET5およびバイアス端子
6から第1の移相回路が構成されており、副線路14
b,FET15およびバイアス端子6から第2の移相回
路が構成されている。第2の移相回路は第1の移相回路
と同等のものである。この実施の形態6による移相回路
は、実施の形態4で示した移相回路(図7)のMIMキ
ャパシタ9およびFET5の接続点と出力端子3との間
に第2の移相回路を接続している。さらに、第2の移相
回路と出力端子3との間に整合回路51を接続してい
る。
【0081】この実施の形態6による移相回路における
MIMキャパシタ9は、第1の移相回路および第2の移
相回路のOFF状態における反射特性を共に改善するよ
うにしてある。
【0082】実施の形態4で示した移相回路では、移相
量を大きくする場合には副線路4bを長く構成する必要
がある。そこで、この実施の形態6による移相回路で
は、第1の移相回路と第2の移相回路とを直列に接続
し、第1の移相回路と入力端子2との接続点およびグラ
ンドの間に整合回路17を設け、さらに第2の移相回路
と出力端子3との接続点およびグランドの間にも整合回
路51を設けるようにして、この実施の形態6の移相回
路を構成している。
【0083】このようにすることで、第1の移相回路、
第2の移相回路のON状態における反射特性を入力端子
2側および出力端子3側に設けた整合回路17,51に
よってそれぞれ改善するとともに、第1の移相回路、第
2の移相回路のOFF状態における反射特性を共有化さ
れたMIMキャパシタ9によって改善し、実施の形態5
と同様に、実施の形態4と比較して所要移相量をさらに
大きくすることができるという効果が得られる。
【0084】実施の形態7.図10はこの発明の実施の
形態7による移相器の構成を示す図である。図10にお
いて、26は移相器、27は移相器26の入力端子、2
8は移相器26の出力端子、29a,29b,29cは
いずれも移相回路であり、実施の形態1から実施の形態
6に示したいずれかの移相回路である。入力端子27と
出力端子28との間は、移相回路29a,移相回路29
b,移相回路29cの順に多段接続されている。
【0085】入力端子27から入力された高周波信号
は、まず移相回路29aによって位相制御され、以下移
相回路29b,移相回路29cによってそれぞれ位相制
御され、出力端子28から出力される。この移相器26
では、位相制御範囲を3ビットで制御することができ
る。
【0086】以上のように、この実施の形態7によれ
ば、実施の形態1から実施の形態6の移相回路29a,
29b,29cを直列に多段接続して移相器26を構成
したので、位相制御領域を多ビットで制御することがで
きるようになるという効果が得られる。
【0087】なお、ここでは、移相回路29a,29
b,29cの3段接続の場合について説明したが、多段
接続の数は3に限るものではなく、移相器26の目的に
応じて定めるようにすれば良い。
【0088】なお、以上の実施の形態1から実施の形態
7では、MIMキャパシタを用いた場合について説明し
てきたが、等価回路的に同等の容量性素子であれば、こ
の発明はMIMキャパシタに限定されるものではない。
【0089】また、以上の実施の形態1から実施の形態
7では、電界効果型トランジスタ(FET)を用いた場
合について説明してきたが、ON/OFF状態を切替え
ることができるとともに、ON/OFF状態の特性を実
現できるものであれば、この発明はFETに限定される
ものではない。
【0090】さらに、整合回路に設けられた単極単投ス
イッチを用いてこの発明を説明してきたが、同等の制御
機能を有するものであれば、単極単投スイッチに限定さ
れるものではない。
【0091】さらに、この実施の形態1から実施の形態
7に示した移相回路および移相器は、これらを構成する
受動素子、能動素子を全て一つの半導体基板上に形成し
て、モノリシックな移相回路および移相器を構成するよ
うにしても良い。
【0092】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、第1
の入力電極または第1の出力電極の少なくともどちらか
一方とグランドとを接続する容量性素子を備えるように
したので、第1のスイッチのOFF状態において、移相
回路の所要移相量を大きくするために長く構成した副線
路や基板間容量の影響によって発生する整合ズレを容量
性素子によって補償することができるようになり、反射
特性の劣化を改善した移相回路を構成することができる
という効果が得られる。
【0093】この発明によれば、第1のスイッチがON
状態となった場合における第1の入力電極から第1の出
力電極までの損失と、第1のスイッチがOFF状態とな
った場合における第1の入力電極から第1の出力電極ま
での損失との差を補償する補償用抵抗を第1の副線路が
備えるようにしたので、ON/OFF状態における通過
振幅の差を補償できるという効果が得られる。
【0094】この発明によれば、第2の入力電極および
第2の出力電極を有し、第2の入力電極から第2の出力
電極までがON抵抗になるON状態および第2の入力電
極から第2の出力電極までがOFF容量になるOFF状
態の切替動作を制御信号に応じて行う第2のスイッチ
と、第2の入力電極および第2の出力電極に並列接続さ
れた第2の副線路とを備えた第2の移相回路が設けら
れ、第2の入力電極が第1の出力電極と接続されるとと
もに、容量性素子が第1の出力電極とグランドとを接続
するようにしたので、容量性素子を共有化して第1の移
相回路および第2の移相回路の反射特性を共に改善し、
第1の移相回路および第2の移相回路の各副線路を長く
構成することなく所要移相量を大きくすることができる
という効果が得られる。
【0095】この発明によれば、第3の入力電極および
第3の出力電極を有し、第3の入力電極から第3の出力
電極までが導通する導通状態および第3の入力電極から
第3の出力電極までが遮断する遮断状態の切替動作を制
御信号に応じて行う第1のスイッチング回路と、第3の
出力電極およびグランドに両端がそれぞれ接続された第
1の整合用誘導性素子とを備えた第1の整合回路が設け
られ、第3の入力電極が第1の入力電極と接続されるよ
うにしたので、第1のスイッチのON状態における整合
ズレを補償して反射特性を改善することができるととも
に、ON状態において位相が進むようになり、所要移相
量を得るためにOFF状態においても位相を進めるよう
に副線路を短く構成することができるようになり、回路
規模を小型化することができるとともに、OFF状態に
おける反射特性も改善することができるという効果が得
られる。
【0096】この発明によれば、第3の入力電極および
第3の出力電極を有し、第3の入力電極から第3の出力
電極までが導通する導通状態および第3の入力電極から
第3の出力電極までが遮断する遮断状態の切替動作を制
御信号に応じて行う第1のスイッチング回路と、第3の
出力電極およびグランドに両端がそれぞれ接続された第
1の整合用誘導性素子とを備えた第1の整合回路が設け
られ、第3の入力電極が第1の出力電極と接続されるよ
うにしたので、第1のスイッチのON状態における整合
ズレを補償して反射特性を改善することができるととも
に、ON状態において位相が進むようになり、所要移相
量を得るためにOFF状態においても位相を進めるよう
に副線路を短く構成することができるようになり、回路
規模を小型化することができるとともに、OFF状態に
おける反射特性も改善することができるという効果が得
られる。
【0097】この発明によれば、第2の入力電極および
第2の出力電極を有し、第2の入力電極から第2の出力
電極までがON抵抗になるON状態および第2の入力電
極から第2の出力電極までがOFF容量になるOFF状
態の切替動作を制御信号に応じて行う第2のスイッチ
と、第2の入力電極および第2の出力電極に並列接続さ
れた第2の副線路とを備えた第2の移相回路が設けら
れ、第2の出力電極が第1の入力電極と接続されるよう
にしたので、第1の移相回路および第2の移相回路のO
N状態における反射特性を共有化された整合回路によっ
て改善するとともに、第1の移相回路および第2の移相
回路のOFF状態における反射特性を各容量性素子によ
って改善し、所要移相量をさらに大きくすることができ
るという効果が得られる。
【0098】この発明によれば、第2のスイッチがON
状態となった場合における第2の入力電極から第2の出
力電極までの損失と、第2のスイッチがOFF状態とな
った場合における第2の入力電極から第2の出力電極ま
での損失との差を補償する補償用抵抗を第2の副線路が
備えるようにしたので、ON/OFF状態における通過
振幅の差を補償できるという効果が得られる。
【0099】この発明によれば、第3の入力電極および
第3の出力電極を有し、第3の入力電極から第3の出力
電極までが導通する導通状態および第3の入力電極から
第3の出力電極までが遮断する遮断状態の切替動作を制
御信号に応じて行う第1のスイッチング回路と、第3の
出力電極およびグランドに両端がそれぞれ接続された第
1の整合用誘導性素子とを備えた第1の整合回路と、第
4の入力電極および第4の出力電極を有し、第4の入力
電極から第4の出力電極までが導通する導通状態および
第4の入力電極から第4の出力電極までが遮断する遮断
状態の切替動作を制御信号に応じて行う第2のスイッチ
ング回路と、第3の出力電極およびグランドに両端がそ
れぞれ接続された第2の整合用誘導性素子とを備えた第
2の整合回路とが設けられ、第3の入力電極が第1の入
力電極と接続されるとともに、第4の入力電極が第2の
出力電極と接続されるようにしたので、第1の移相回路
および第2の移相回路のON状態における反射特性を各
整合回路によって改善するとともに、第1の移相回路お
よび第2の移相回路のOFF状態における反射特性を共
有化された容量性素子によって改善し、所要移相量をさ
らに大きくすることができるという効果が得られる。
【0100】この発明によれば、制御信号が印加される
ゲート電極と、第3の入力電極および第3の出力電極ま
たは第4の入力電極および第4の出力電極として用いる
ドレイン電極およびソース電極とを有するトランジスタ
と、ドレイン電極およびソース電極に並列接続されたイ
ンダクタとから第1のスイッチング回路および第2のス
イッチング回路が構成されるようにしたので、少ない回
路構成でスイッチング回路を実現することができるとい
う効果が得られる。
【0101】この発明によれば、半導体基板上にモノリ
シックに構成するようにしたので、移相回路を容易に量
産することができるという効果が得られる。
【0102】この発明によれば、請求項1から請求項9
のうちのいずれか1項記載の移相回路を多段接続して構
成するようにしたので、位相制御領域を多ビットで制御
することができるようになるという効果が得られる。
【0103】この発明によれば、半導体基板上にモノリ
シックに構成するようにしたので、移相器を容易に量産
することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による移相器の構成
を示す図である。
【図2】 図1に示した移相器の回路構成を示す図であ
る。
【図3】 FETがON状態の場合における図2の移相
回路の等価回路を示す図である。
【図4】 FETがOFF状態の場合における図2の移
相回路の等価回路を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による移相回路の回
路構成を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による移相回路の回
路構成を示す図である。
【図7】 この発明の実施の形態4による移相回路の回
路構成を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態5による移相回路の回
路構成を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態6による移相回路の回
路構成を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態7による移相器の構
成を示す図である。
【図11】 従来の移相回路の回路構成を示す図であ
る。
【図12】 FETがON状態の場合における図11の
移相回路の等価回路を示す図である。
【図13】 FETがOFF状態の場合における図11
の移相回路の等価回路を示す図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板、2 入力端子、3 出力端子、4a
主線路、4b 副線路(第1の副線路)、5 電界効果
型トランジスタ(FET,第1のスイッチ)、6 バイ
アス端子、7 抵抗、8 スルーホール、9 MIM
(Metal−Insulator−Metal)キャ
パシタ(容量性素子)、10 等価インダクタ、11
基板間容量、12 ON抵抗、13 OFF容量、14
a 主線路、14b 副線路(第2の副線路)、15
FET(第2のスイッチ)、16バイアス端子、17
整合回路(第1の整合回路)、18 単極単投スイッチ
(第1のスイッチング回路)、19 整合用インダクタ
(第1の整合用誘導性素子)、20 インダクタ、21
FET(トランジスタ)、22a 主線路、22b
副線路(第2の副線路)、23 FET(第2のスイッ
チ)、24 バイアス端子、25 MIMキャパシタ
(容量性素子)、26 移相器、27 入力端子、28
出力端子、29a,29b,29c 移相回路、50
抵抗(補償用抵抗)、51 整合回路(第2の整合回
路)、52 単極単投スイッチ(第2のスイッチング回
路)、53 整合用インダクタ(第2の整合用誘導性素
子)、54 インダクタ、55 FET(トランジス
タ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 和彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 高木 直 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 谷口 英司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 伊山 義忠 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 笠原 通明 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J012 HA03 5J098 AA03 AA14 AA16 AB20 AC04 AC14 AC19 AD03 AD20 DA03 DA09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の入力電極および第1の出力電極を
    有し、上記第1の入力電極から上記第1の出力電極まで
    がON抵抗になるON状態および上記第1の入力電極か
    ら上記第1の出力電極までがOFF容量になるOFF状
    態の切替動作を制御信号に応じて行う第1のスイッチ
    と、上記第1の入力電極および上記第1の出力電極に並
    列接続された第1の副線路とを備えた移相回路におい
    て、 上記第1の入力電極または上記第1の出力電極の少なく
    ともどちらか一方とグランドとを接続する容量性素子を
    備えることを特徴とする移相回路。
  2. 【請求項2】 第1の副線路は、第1のスイッチがON
    状態となった場合における第1の入力電極から第1の出
    力電極までの損失と、上記第1のスイッチがOFF状態
    となった場合における上記第1の入力電極から上記第1
    の出力電極までの損失との差を補償する補償用抵抗を備
    えることを特徴とする請求項1記載の移相回路。
  3. 【請求項3】 第2の入力電極および第2の出力電極を
    有し、上記第2の入力電極から上記第2の出力電極まで
    がON抵抗になるON状態および上記第2の入力電極か
    ら上記第2の出力電極までがOFF容量になるOFF状
    態の切替動作を制御信号に応じて行う第2のスイッチ
    と、上記第2の入力電極および上記第2の出力電極に並
    列接続された第2の副線路とを備えた第2の移相回路が
    設けられ、 上記第2の入力電極は、第1の出力電極と接続されると
    ともに、 容量性素子は、上記第1の出力電極とグランドとを接続
    することを特徴とする請求項1または請求項2記載の移
    相回路。
  4. 【請求項4】 第3の入力電極および第3の出力電極を
    有し、上記第3の入力電極から上記第3の出力電極まで
    が導通する導通状態および上記第3の入力電極から上記
    第3の出力電極までが遮断する遮断状態の切替動作を制
    御信号に応じて行う第1のスイッチング回路と、上記第
    3の出力電極およびグランドに両端がそれぞれ接続され
    た第1の整合用誘導性素子とを備えた第1の整合回路が
    設けられ、 上記第3の入力電極は、第1の入力電極と接続されるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の移相回
    路。
  5. 【請求項5】 第3の入力電極および第3の出力電極を
    有し、上記第3の入力電極から上記第3の出力電極まで
    が導通する導通状態および上記第3の入力電極から上記
    第3の出力電極までが遮断する遮断状態の切替動作を制
    御信号に応じて行う第1のスイッチング回路と、上記第
    3の出力電極およびグランドに両端がそれぞれ接続され
    た第1の整合用誘導性素子とを備えた第1の整合回路が
    設けられ、 上記第3の入力電極は、第1の出力電極と接続されるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の移相回
    路。
  6. 【請求項6】 第2の入力電極および第2の出力電極を
    有し、上記第2の入力電極から上記第2の出力電極まで
    がON抵抗になるON状態および上記第2の入力電極か
    ら上記第2の出力電極までがOFF容量になるOFF状
    態の切替動作を制御信号に応じて行う第2のスイッチ
    と、上記第2の入力電極および上記第2の出力電極に並
    列接続された第2の副線路とを備えた第2の移相回路が
    設けられ、 上記第2の出力電極は、第1の入力電極と接続されるこ
    とを特徴とする請求項4記載の移相回路。
  7. 【請求項7】 第2の副線路は、第2のスイッチがON
    状態となった場合における第2の入力電極から第2の出
    力電極までの損失と、上記第2のスイッチがOFF状態
    となった場合における上記第2の入力電極から上記第2
    の出力電極までの損失との差を補償する補償用抵抗を備
    えることを特徴とする請求項3または請求項6記載の移
    相回路。
  8. 【請求項8】 第3の入力電極および第3の出力電極を
    有し、上記第3の入力電極から上記第3の出力電極まで
    が導通する導通状態および上記第3の入力電極から上記
    第3の出力電極までが遮断する遮断状態の切替動作を制
    御信号に応じて行う第1のスイッチング回路と、上記第
    3の出力電極およびグランドに両端がそれぞれ接続され
    た第1の整合用誘導性素子とを備えた第1の整合回路
    と、第4の入力電極および第4の出力電極を有し、上記
    第4の入力電極から上記第4の出力電極までが導通する
    導通状態および上記第4の入力電極から上記第4の出力
    電極までが遮断する遮断状態の切替動作を上記制御信号
    に応じて行う第2のスイッチング回路と、上記第3の出
    力電極およびグランドに両端がそれぞれ接続された第2
    の整合用誘導性素子とを備えた第2の整合回路とが設け
    られ、 上記第3の入力電極は、第1の入力電極と接続されると
    ともに、 上記第4の入力電極は、第2の出力電極と接続されるこ
    とを特徴とする請求項3記載の移相回路。
  9. 【請求項9】 第1のスイッチング回路および第2のス
    イッチング回路は、制御信号が印加されるゲート電極
    と、第3の入力電極および第3の出力電極または第4の
    入力電極および第4の出力電極として用いるドレイン電
    極およびソース電極とを有するトランジスタと、上記ド
    レイン電極および上記ソース電極に並列接続されたイン
    ダクタとから構成されることを特徴とする請求項4,請
    求項5または請求項8のうちのいずれか1項記載の移相
    回路。
  10. 【請求項10】 半導体基板上にモノリシックに構成す
    ることを特徴とする請求項1から請求項9のうちのいず
    れか1項記載の移相回路。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項9のうちのいずれ
    か1項記載の移相回路を多段接続して構成することを特
    徴とする移相器。
  12. 【請求項12】 半導体基板上にモノリシックに構成す
    ることを特徴とする請求項11記載の移相器。
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JP2008211303A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Mitsubishi Electric Corp 移相回路
US7538635B2 (en) 2005-04-11 2009-05-26 Ntt Docomo, Inc. Quadrature hybrid circuit having variable reactances at the four ports thereof
CN116032248A (zh) * 2023-01-10 2023-04-28 成都仕芯半导体有限公司 一种高精度数控移相电路

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