JP2002076081A - 半導体評価装置 - Google Patents

半導体評価装置

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JP2002076081A
JP2002076081A JP2000262517A JP2000262517A JP2002076081A JP 2002076081 A JP2002076081 A JP 2002076081A JP 2000262517 A JP2000262517 A JP 2000262517A JP 2000262517 A JP2000262517 A JP 2000262517A JP 2002076081 A JP2002076081 A JP 2002076081A
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pulsed electromagnetic
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pulsed
pulse
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Hideo Katsumi
栄雄 勝見
Hiroyuki Takamatsu
弘行 高松
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロ波光伝導減衰法を用いた従来の半導
体評価装置では,半導体試料の厚み方向の分解能を得る
ことが困難であった。 【解決手段】 本発明は,例えばパルス幅が1ps程度
であって,数THzまでの周波数広がりを有するパルス
電磁波の照射と半導体試料からのパルス電磁波の反射波
の測定とを繰り返すことによって,ライフタイムの周波
数依存性を簡便に得て,半導体試料の厚み方向の分解能
を獲得することを図ったものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,半導体ウェーハの
過剰少数キャリアのライフタイムを評価する半導体評価
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの集積度の向上に伴い,
デバイスに使用される半導体ウェーハの特性管理に対す
る要求はより厳しいものとなってきている。ウェーハの
特性を示す重要なパラメータの一つに,少数キャリアの
ライフタイム(以下,単に「ライフタイム」ということ
がある)がある。ライフタイムの測定法としては,例え
ば特公昭61−60576号公報に記載されているよう
な,マイクロ波伝導減衰法がある。マイクロ波光伝導減
衰法を用いた半導体評価装置の一例を図6に示す。例え
ば図6に示す如く,マイクロ波光伝導減衰法を用いた半
導体評価装置は,ガン発振器601,インピーダンス整
合器602,E−Hチューナ603,606,マジック
T604,無反射終端605,検波器607,光パルス
発生器608,シンクロスコープ609などからなる。
前記半導体評価装置において,ガン発振器601から,
インピーダンス整合器602,E−Hチューナ603,
マジックT604を経て,半導体ウェーハ600に照射
されるマイクロ波の照射領域と,光パルス発生器608
から発生されるパルス光の照射領域との位置は合わせら
れている。光パルス発生器608から照射されたパルス
光によって,前記半導体試料には過剰キャリアが光励起
される。光励起された過剰キャリアは,再結合により時
間とともに次第に減少し,パルス光照射以前の平衡状態
に戻る。キャリアの増減によってマイクロ波の反射率も
変化するので,前記半導体試料のパルス光の照射領域に
照射されたマイクロ波の反射波は,キャリアの増減に応
じた変調を受けることになる。前記マイクロ波の反射波
は,マジックT604,E−Hチューナ606を経て,
検波器607に入力され,検波器607の出力として,
前記マイクロ波の反射波の時間的変化がシンクロスコー
プ609により検出,表示される。前記マイクロ波の反
射波の時間的変化(光伝導減衰波形)から半導体試料の
ライフタイムを求めることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ただし,こうして得ら
れるライフタイムの値には,半導体試料の厚み方向の分
解能がない。例えば半導体試料の表面だけ,あるいは表
面から任意の深さにある欠陥層のみの評価といった目的
には使用できないのである。マイクロ波の周波数によっ
て半導体への浸透長は異なるから,マイクロ波の周波数
を必要に応じて変更することができれば,上述のような
マイクロ波光伝導減衰法を用いた従来の半導体評価装置
によっても,厚み方向に分解能を持たせることは不可能
ではない。しかしながら,従来の半導体評価装置におい
て,微調整の範囲を越えてマイクロ波の周波数を変更し
ようとすると,マイクロ波の発振器や伝播路を切り替え
る必要が生じる。このため,装置構成は複雑化すること
になるが,それによって得られる変更の自由度は極めて
小さい。測定周波数が増えると,その分だけ測定回数も
増えるから,測定に手間や時間がかかることにもなる。
また,数10GHzから数THzの発振周波数を有する
連続発振可能な発振器は存在せず,変更できる周波数の
範囲も十分ではない。本発明は,このような従来の技術
における課題を鑑みてなされたものであり,広い帯域に
渡って任意の又は複数の測定周波数に対してライフタイ
ムを簡便に得ることができ,測定周波数が増えても測定
回数が増加しない,装置構成の簡素な半導体評価装置を
提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに,本発明は,半導体試料にパルス光を照射するパル
ス光照射手段と,パルス電磁波を前記半導体試料の前記
パルス光が照射された領域に照射するパルス電磁波照射
手段と,前記半導体試料にて反射された前記パルス電磁
波の反射波,又は前記半導体試料を透過した前記パルス
電磁波の透過波を測定する測定手段とを具備し,前記パ
ルス電磁波照射手段によるパルス電磁波の照射,及び前
記測定手段による測定を繰り返し,これにより得られた
前記測定手段の測定結果を時間領域から周波数領域に変
換して周波数スペクトルの時間的変化を求め,前記周波
数スペクトルの時間的変化に基づいて,前記パルス光に
より前記半導体試料に生成された少数キャリアのライフ
タイムを求めてなる半導体評価装置として構成されてい
る。この発明では,パルス光の照射により過剰少数キャ
リアが励起された半導体試料の領域に,パルス電磁波が
繰り返し照射される。パルス電磁波は,そのパルス幅に
応じた周波数広がりを有する。前記パルス電磁波が繰り
返し前記半導体試料に照射されるのに合わせて,前記パ
ルス電磁波の反射波又は透過波が測定され,これにより
得られた測定結果が時間領域から周波数領域に変換され
て,周波数スペクトルの時間的変化が求められる。そし
て,前記周波数スペクトルの時間的変化に基づいて,前
記パルス光により前記半導体試料に生成された少数キャ
リアのライフタイムが求められる。前記周波数スペクト
ルも,前記パルス電磁波のパルス幅に応じた周波数広が
りを有するから,一連の測定によって,前記周波数広が
りに渡る周波数に対してライフタイムを求めるための情
報が一挙に得られることになる。従って,前記周波数広
がり内で,任意の周波数に対するライフタイムを得るこ
とも,複数の周波数に対するライフタイムを得ることも
簡単である。一連の測定の途中で発振器や伝播路を切り
替える必要もなく,装置構成は簡素であり,測定周波数
が増えても測定数は増加せず,測定にかかる手間や時間
も抑えられる。また,0.1ps程度のパルス幅のパル
ス電磁波を生成することも不可能ではなく,10THz
程度までの従来装置では実現し得ない広い測定周波数帯
域を得ることもできる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照して,本発
明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。
なお,以下の実施の形態は,本発明の具体的な例であっ
て,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではな
い。ここに,図1は本発明の実施の形態に係る半導体評
価装置の概略構成を示す図である。図1に示す如く,本
発明の実施の形態に係る半導体評価装置は,XYステー
ジ2,コントローラ3,励起用光源(パルス光照射手段
に対応)4,信号遅延器5,5’,パルス電磁波照射器
(パルス電磁波照射手段に対応)6,凹面鏡7,8,検
波器(測定手段に対応)9,増幅器10,遅延回路1
1,信号処理装置12,ディスプレイ13などからな
る。本発明の実施の形態に係る半導体評価装置におい
て,シリコンウェーハ(半導体試料に対応)1は,XY
ステージ2上に載置される。XYステージ2の位置は,
コントローラ3によって制御されている。コントローラ
3は,XYステージ2を制御して,シリコンウェーハ1
の測定位置を,励起用光源4の照射位置に合わせる。測
定の際,コントローラ3は,トリガー信号を発生する。
コントローラ3から送出されたトリガー信号は,信号遅
延器5によって一定時間遅延された後,励起用光源4に
供給される。励起用光源4は,シリコンウェーハ1に光
生成キャリアを発生させるのに十分短い波長と光生成キ
ャリアのライフタイムよりも十分短いパルス幅を有する
パルス光の光源である。例えば波長523nm,パルス
幅10nsのYLFレーザを用いる。励起用光源4にト
リガー信号が供給されると,励起用光源4から前記パル
ス光がシリコンウェーハ1に照射される。前記パルス光
が照射されることによって,シリコンウェーハ1の照射
領域に光生成キャリアが生成される。
【0006】また,コントローラ3から送出されたトリ
ガー信号は,信号遅延器5’を介して,パルス電磁波照
射器6にも供給される。信号遅延器5’による信号遅延
時間は調整が可能である。パルス電磁波照射器6は,パ
ルスレーザ発振器61,パルス電磁波発振器62などか
らなる。パルスレーザ発振器61は,パルス幅が100
fs以下のパルスレーザを発振する発振器である。パル
スレーザ発振器61には,例えばTi:サファイアレー
ザを用いることができるが,パルス幅が短ければ他のパ
ルスレーザを用いてもよい。また,パルス電磁波発振器
62は,前記パルスレーザ発振器61からのパルスレー
ザによって励起され,パルス幅が1ps程度であって,
数THzまでの周波数広がりを有するパルス電磁波を発
振する。前記パルス電磁波発振器62には,例えば半絶
縁性ガリウム砒素基盤上に形成された低温成長ガリウム
砒素を光伝導膜とし,直流電圧が印加される平行伝送線
路と微小ダイポールアンテナを備えた光スイッチを用い
ることができる。フェムト秒パルスレーザによってアン
テナ間にライフタイムが1ps程度のキャリアが生成さ
れ,瞬時電流が流れることにより,パルス幅が1ps程
度であって,数THzまでの周波数広がりを有するパル
ス電磁波が発振されるのである。信号遅延器5’を経た
前記トリガー信号は,パルスレーザ発振器61に供給さ
れ,前記トリガー信号を受けてパルスレーザ発振器61
が発振したパルスレーザが,前記パルス電磁波発振器6
2に照射され,シリコンウェーハ1に励起用光源4によ
るパルス光が照射される前又はその後,シリコンウェー
ハ1のパルス光の照射領域に前記パルス電磁波が照射さ
れる。前記パルス電磁波がシリコンウェーハ1に照射さ
れる際,パルス電磁波照射器6から放射された前記パル
ス電磁波は,凹面鏡7によって収束させられ,その径が
絞られる。シリコンウェーハ1に照射された前記パルス
電磁波は,その周波数に応じた深さまでシリコンウェー
ハ1に浸透し,反射される。シリコンウェーハ1にパル
ス光が照射された後である場合,それによって励起され
たキャリアの増減によって,前記パルス電磁波の反射波
は変調を受ける。前記パルス電磁波の反射波は,発散し
ながら凹面鏡8に入射し,凹面鏡8によって径が絞られ
てから,検波器9に供給される。
【0007】検波器9は,パルス電磁波発振器62と同
様の構成を有し,光スイッチに光が照射された瞬間にの
み電磁波を検波するものである。検出器9に照射するパ
ルスレーザの光源には,パルスレーザ発振器61を用い
る。パルスレーザ発振器61が発振するパルスレーザの
光路は,ハーフミラー63によって光路が分岐され,遅
延回路11側にも導かれる。遅延回路11は,ミラー群
Mを有し,一部のミラーをコントローラ3の制御に従っ
て移動させることにより,光路長を変化させるなどし
て,その遅延時間を適宜調整することが可能である。パ
ルスレーザのパルス幅はパルス電磁波のパルス幅よりも
十分に短いため,遅延回路11による遅延時間を調整す
ることによって,検波器9により前記パルス電磁波の反
射波の波形を精度良く測定することができる。図2は,
パルス電磁波照射器6によってシリコンウェーハ1に照
射されるパルス電磁波の波形と,検波器9によって測定
される前記パルス電磁波の反射波の波形の具体例を示す
図である。図2の(a)がパルス電磁波の波形であり,
図2の(b)が反射波の波形である。キャリアの増減に
よって反射波の信号強度は変化する。検波器9により測
定された前記パルス電磁波の反射波は,増幅器10によ
り増幅された後,信号処理装置12に供給される。信号
処理装置12では,増幅器10の出力信号が,例えばフ
ーリエ変換などにより時間領域から周波数領域の信号に
変換され,例えば図3に示すような周波数スペクトルが
得られる。図3の周波数スペクトルでは,1THz程度
の周波数に信号強度のピークがあり,およそ3THz程
度までの周波数広がりが得られている。図3のAのよう
に,周波数が低い方がシリコンウェーハ1にパルス電磁
波が深く浸透し,図3のBのように,周波数が高いとシ
リコンウェーハ1にパルス電磁波が浸透し難くなるか
ら,前記周波数スペクトルは,シリコンウェーハ1の異
なる深さの情報を含んでいることになる。パルス電磁波
照射器6によるパルス電磁波の照射と,検波器9による
検波は,信号遅延器5’において,前記トリガー信号に
対して異なる複数の遅延時間を設定することにより繰り
返し行われる。そして,それぞれの測定結果に対して信
号処理装置12により前記周波数スペクトルが求めら
れ,周波数スペクトルの時間変化が得られる。この周波
数スペクトルの時間変化に基づいて信号処理装置12に
より定められた少数キャリアのライフタイムやそれに関
する情報は,ディスプレイ13に表示される。
【0008】ここで,図4に半導体評価装置における各
種信号の波形を時系列に配置したタイムチャートを示
す。コントローラ3が発生した前記トリガー信号(図4
の(a)参照)は,図4の(b)に示す如く,信号遅延
器5における遅延によって一定時間後に励起用光源4に
供給され,励起用光源4からパルス光が照射される。シ
リコンウェーハ1にパルス光が照射されると,シリコン
ウェーハ1に光生成キャリアが生じ,図4の(c)に示
す如く,指数関数に比例して時間とともに減衰してい
く。この光生成キャリアの増減によってパルス電磁波の
反射率が変化する。信号遅延器5’の遅延時間の設定の
一つは,信号遅延器5の遅延時間よりも短く設定されて
いる。この設定に対しては,図4の(d)に示す如く,
コントローラ3により前記トリガー信号が送出されてか
ら直ぐに,前記トリガー信号がパルス電磁波照射器6に
供給され,パルス電磁波がシリコンウェーハ1に照射さ
れる。図4の(d)は,パルス電磁波の照射タイミング
だけでなく,パルス電磁波の強度波形も示す。図4の
(e)は,検波器9により検出されたパルス電磁波の反
射波の強度波形を示すものである。パルス電磁波が照射
されるのよりわずかに遅く検出が行われている。パルス
電磁波が照射されたとき,まだパルス光は照射されてい
ないので,この反射波はキャリアの影響を受けていな
い。図4の(e)は定常状態での反射強度に対応するの
である。信号遅延器5’の遅延時間の他の設定は,信号
遅延器5の遅延時間よりも長く設定されている。遅延時
間の設定は複数あり,信号遅延器5’からのパルス電磁
波照射器6に対するトリガー信号の送出は繰り返され
る。すなわち,パルス光がシリコンウェーハ1に照射さ
れた後,パルス電磁波照射器6からシリコンウェーハ1
に繰り返しパルス電磁波が照射される。
【0009】繰り返し照射されたパルス電磁波の反射波
の波形をそれぞれ示すのが,図4の(f),(g),
(h)である。パルス光がシリコンウェーハ1に照射さ
れた後の,パルス電磁波照射器6によるパルス電磁波の
照射と検波器9による測定のタイミングは,パルス光が
照射された直後(図4の(f)),それから所定時間経
過後(図4の(g)),さらにそれから所定時間経過後
(図4の(h))である。図4の(e),(f),
(g),(h)の各波形は信号処理装置12により時間
領域から周波数領域に変換される。図4の(e’),
(f’),(g’),(h’)は,それぞれ図4の
(e),(f),(g),(h)に対応した周波数スペ
クトルの特定の周波数の信号強度を示す。図4の
(f’),(g’),(h’)に示す如く,パルス光が
照射された後の反射波の,特定の周波数の信号強度は徐
々に減衰する。パルス光が照射された後の信号遅延間隔
を多少密にとり,図4の(e’)に示す定常状態のもの
との差分を取り,時系列に適当に補間することによっ
て,図4の(i)に示すように,光伝導減衰波形が得ら
れる。この光伝導減衰波形の時定数から特定周波数のラ
イフタイムを求めることができる。他の周波数のライフ
タイムも,上述のように得られた周波数スペクトルの時
間変化を用いれば,さらに測定を繰り返すことなく,多
少の計算を行うだけで求めることができる。異なる周波
数のライフタイムは,異なる浸透深さの情報を含んでい
ることを意味しており,シリコンウェーハ1の厚さ方向
の欠陥や汚染などに関する情報を解析により求めること
が可能となる。そして,このように,あるシリコンウェ
ーハ1の測定位置に対して評価が終了すると,コントロ
ーラ3によるXYステージ2の位置変更,及び当該位置
でのライフタイムの測定が繰り返され,パルス電磁波の
照射面積(約1mmφ)の空間分解能でライフタイムの
面内分布が求められる。このように,本発明の実施の形
態に係る半導体評価装置では,試料から反射されたパル
ス電磁波の反射波に対する周波数スペクトルの時間的変
化に基づいて少数キャリアのライフタイムが求められる
ため,一連の測定によって,前記パルス電磁波のパルス
幅に応じた周波数広がりに渡る周波数に対してライフタ
イムを求めるための情報を一挙に得ることができ,計算
によって任意の周波数に対するライフタイムも複数の周
波数に対するライフタイムも簡単に求めることができ
る。一連の測定の途中で発振器や伝播路を切り替える必
要もなく,装置構成は簡素であり,測定周波数が増えて
も測定数は増加せず,測定にかかる手間や時間も抑えら
れる。また,1ps程度のパルス幅のパルス電磁波を用
いて,数THz程度までの従来装置では実現し得ない広
い測定周波数帯域を得ることもできる。その結果,半導
体試料の厚さ方向についても極めて柔軟に評価を行うこ
とが可能となり,半導体ウェーハの特性をより詳細に把
握することができる。
【0010】なお,励起用光源4が照射するパルス光の
波長を変化させることにより,厚さ方向の分解能を上げ
ることが可能となる。また,ビームエキスパンダーなど
によってパルス光の照射範囲を広げることにより,ウェ
ーハの面内方向のキャリア拡散の影響を少なくすること
もできる。また,厚さ方向の情報が特に必要ない場合に
は,周波数スペクトルを求める必要はない。図4の
(f),(g),(h)のように,パルス光照射後に変
化する反射波の信号強度から,図4の(e)のような定
常状態の信号強度を差し引くことにより,簡易的に図4
の(i)のような減衰波形を得ることができ,この減衰
波形からライフタイムを求めることができる。また,文
献(Tae-In Jeon and D.Grischkowky,Applied Physics
Letters,Volume72,Number23,p3032-3034,1998 )にある
ように,テラヘルツ帯の周波数広がりを有するパルス電
磁波の反射波波形から半導体ウェーハの(複素)導電率
を求めることができる。図5に,半導体ウェーハの導電
率(の実数部のみ)の周波数分布を示す。ここで,半導
体ウェーハ中に少数キャリアが生成されると半導体ウェ
ーハの導電率が上がることになるから,図5のスペクト
ルが上にシフトする。図4の(e),(f),(g),
(h)のような反射波の信号波形から周波数スペクトル
を求め,それから導電率を求めると,特定の周波数にお
ける導電率は図4の(e”),(f”),(g”),
(h”)のように変化する。これから,減衰波形を得
て,時間減衰の時定数からライフタイムを求めることが
できる。なお,導電率の他,反射率,吸収計数,屈折率
を求めて,それらからライフタイムの周波数依存性を求
めるようにしてもよい。また,前記実施の形態では,パ
ルス電磁波の反射波の信号波形を測定して,ライフタイ
ムの周波数依存性を定めたが,少数キャリアの増減によ
って半導体試料を透過したパルス電磁波の透過波も変調
を受けるので,パルス電磁波の透過波の信号波形を測定
して,ライフタイムの周波数依存性を定めることも可能
である。また,前記実施の形態では,XYステージを駆
動してシリコンウェーハを移動させることによりライフ
タイムの面内分布を測定したが,パルス光及びパルス電
磁波の照射位置を走査するようにしてもよい。さらに,
パルス電磁波の発振,検波方法も前記実施の形態の内容
に限られるものではない。また,前記実施の形態では,
フーリエ変換を施す信号処理によって周波数スペクトル
を求めたが,分光器などを用いて周波数スペクトルを取
得するようにしてもよい。また,前記実施の形態では,
パルス電磁波のパルス幅は1ps程度であり,パルス電
磁波は,数THz程度までの周波数広がりを有していた
が,パルス電磁波のパルス幅はこれに限定されるもので
はなく,例えば0.1ns〜0.1ps程度のパルス幅
のパルス電磁波を用いるようにしてもよい。この場合,
最高周波数が10GHzから10THz程度の周波数広
がりをパルス電磁波は有することになる。
【0011】
【発明の効果】以上説明した通り,本発明では,パルス
光の照射により過剰少数キャリアが励起された半導体試
料の領域に,周波数広がりを有するパルス電磁波が繰り
返し照射され,前記パルス電磁波が繰り返し前記半導体
試料に照射されるのに合わせて,前記パルス電磁波の反
射波又は透過波が測定され,これにより得られた測定結
果が時間領域から周波数領域に変換されて,周波数スペ
クトルの時間的変化が求められるため,一連の測定によ
って,前記パルス電磁波のパルス幅に応じた周波数広が
りに渡る周波数に対してライフタイムを求めるための情
報を一挙に得ることができ,任意の周波数に対するライ
フタイムも複数の周波数に対するライフタイムも簡単に
求めることができる。一連の測定の途中で発振器や伝播
路を切り替える必要もなく,装置構成は簡素であり,測
定周波数が増えても測定数は増加せず,測定にかかる手
間や時間も抑えられる。また,従来装置では実現し得な
い広い測定周波数帯域を得ることもできる。その結果,
半導体試料の厚さ方向についても極めて柔軟に評価を行
うことが可能となり,半導体ウェーハの特性をより詳細
に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る半導体評価装置の
概略構成を示す図。
【図2】 半導体試料に照射されるパルス電磁波の波形
と半導体試料にて反射されたパルス電磁波の反射波の波
形の具体例を示す図。
【図3】 パルス電磁波の反射波の周波数スペクトルの
具体例を示す図。
【図4】 前記半導体評価装置における各種信号の波形
を時系列に配置したタイムチャート。
【図5】 導電率の周波数分布の一例を示す図。
【図6】 従来の半導体評価装置の概略構成例を示す
図。
【符号の説明】
1…シリコンウェーハ 6…パルス電磁波照射器 9…検波器 12…情報処理装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G059 AA03 BB08 BB16 DD12 EE01 EE02 EE12 EE17 FF04 GG01 GG08 HH02 HH06 JJ01 JJ11 JJ13 JJ14 JJ22 LL01 MM01 MM08 PP04 4M106 AA01 AA10 BA05 CB11 DH01 DH12 DH32 DH39 DH60 DJ04 DJ17 DJ20 DJ23

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体試料にパルス光を照射するパルス
    光照射手段と,パルス電磁波を前記半導体試料の前記パ
    ルス光が照射された領域に照射するパルス電磁波照射手
    段と,前記半導体試料にて反射された前記パルス電磁波
    の反射波,又は前記半導体試料を透過した前記パルス電
    磁波の透過波を測定する測定手段とを具備し,前記パル
    ス電磁波照射手段によるパルス電磁波の照射,及び前記
    測定手段による測定を繰り返し,これにより得られた前
    記測定手段の測定結果を時間領域から周波数領域に変換
    して周波数スペクトルの時間的変化を求め,前記周波数
    スペクトルの時間的変化に基づいて,前記パルス光によ
    り前記半導体試料に生成された少数キャリアのライフタ
    イムを求めてなる半導体評価装置。
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