JP2002075528A - スライダ付コネクタ - Google Patents

スライダ付コネクタ

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JP2002075528A JP2000261467A JP2000261467A JP2002075528A JP 2002075528 A JP2002075528 A JP 2002075528A JP 2000261467 A JP2000261467 A JP 2000261467A JP 2000261467 A JP2000261467 A JP 2000261467A JP 2002075528 A JP2002075528 A JP 2002075528A
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安男 竹村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 雌雄コネクタの挿抜時のアーク放電の継続に
よる車両火災等を防止するスライダ付コネクタを提供す
る。 【解決手段】 スライダ付コネクタは、コネクタ挿入方
向と直交する方向にスライド自在に装着され、そのスラ
イド方向に押し込まれることによりガイド用突起20を
雌コネクタ2側に引き込む第1の傾斜壁52aが形成さ
れ、スライド方向に引き抜かれることによりガイド用突
起20を雄コネクタ1側に押し出す第2の傾斜壁52c
が形成されたカム部52を有するスライダとを備える。
第1の傾斜壁の、傾斜角度が、雌雄コネクタの挿入時に
雌雄接続端子が接触する手前で挿入力のピークに達する
ように設定され、第2の傾斜壁は、上記傾斜角度が、雌
雄コネクタの引抜時に雌雄接続端子が離脱する手前で引
抜力のピークに達するように設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等に用い
られている配線システムの配線接続用コネクタのうち、
雌雄コネクタハウジングを確実に接続するためのスライ
ダを有するコネクタに関し、特に、雌雄コネクタの挿抜
時の放電によるコネクタ接続端子の欠損や放電火花によ
る車両火災等を防止することができるスライダ付コネク
タに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、社会全体の急速な電子化に伴い、
例えば、従来は単なる「移動」だけを目的としていた輸
送手段のうちの一つである自動車にも快適性や利便性等
が求められるようになり、コンピュータによる中央制御
システムの下で、カーナビゲーション装置や電子制御式
サスペンション装置のような種々の電子制御部品が搭載
されるようになってきた。一方、このような快適性や利
便性の追求のみならず、いわゆる自動車の排気ガス問題
などに端を発した世界的環境問題等に関連して自動車用
機器は、必要的に機械的制御から電気的制御に移り変わ
るようになってきた。例えば、パワーステアリング装置
の動力は、従来エンジンの回転力から得ていたが、最近
では電気的に動力を発生するような電動パワーステアリ
ング装置を搭載し、いわゆる環境に優しいクリーンな電
気エネルギーをより多く利用しようとする動きが活発に
なったこと等でその傾向を見ることができる。このよう
な自動車用機器の多電子化に伴い、例えば、現在自動車
に使用されている最大で数ワット(W)程度の自動車用
機器の電気的負荷が、近い将来5〜6キロワット(k
W)にまで及ぶものとなるとされ、同時に電力供給を効
率良く行わなければならないため、車輌電源電圧を現在
の14ボルト(V)から42ボルトに昇圧しようとする
動きが起こり始めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな大電力負荷となる自動車用機器が動作中に、その機
器と機器とを繋ぐワイヤハーネスのコネクタを抜いたり
挿したりすると、いわゆるアーク放電が発生し、そのエ
ネルギーでコネクタの接続端子が溶損するだけでなく、
放電火花が継続して起こることにより、極端な場合、車
輌火災等が発生する可能性も否定できない。この原因の
一つとしては、コネクタとコネクタの接続端子同士が接
触する又は非接触となる状態が長く続くということが挙
げられる。特に、人手によりコネクタを挿抜するとき
は、コネクタ同士を嵌合又は離脱する際の状態が不安定
であり、アーク放電が生じるという問題がある。
【0004】この発明は、このような問題点に鑑みてな
されたもので、雌雄コネクタの挿抜時のアーク放電によ
るコネクタ接続端子の欠損や放電火花の継続による車両
火災等を防止することができるスライダ付コネクタを提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る第1のス
ライダ付コネクタは、複数の雌接続端子を内部で支持す
ると共に、両側壁にガイド用突起が突設された雄コネク
タハウジングを備えた雄コネクタと、前記複数の雌接続
端子と接続される複数の雄接続端子を内部で支持すると
共に、先端側に前記雄コネクタハウジングが挿入される
コネクタ挿入方向に突出して形成された雌係合壁を有
し、且つ前記雌係合壁の両側壁に前記雄コネクタハウジ
ングのガイド用突起を前記コネクタ挿入方向に案内する
ガイドが形成された雌コネクタハウジングを備えた雌コ
ネクタと、前記雌コネクタハウジングの雌係合壁の両側
壁に、これら両側壁に沿って前記コネクタ挿入方向と直
交する方向にスライド自在に装着され、そのスライド方
向に押し込まれることにより前記雄コネクタハウジング
のガイド用突起と摺接して前記ガイド用突起を雌コネク
タ側に引き込む第1の傾斜壁が形成されると共に、前記
スライド方向に引き抜かれることにより前記雄コネクタ
ハウジングのガイド用突起と摺接して前記ガイド用突起
を雄コネクタ側に押し出す第2の傾斜壁が形成されたカ
ム部を有するスライダとを備えたスライダ付コネクタで
あって、前記スライダのカム部の第1の傾斜壁は、その
スライド方向に対する傾斜角度が、前記雄コネクタと雌
コネクタとの挿入時に前記雌接続端子と雄接続端子とが
接触する手前で挿入力のピークに達するように設定され
ており、前記スライダのカム部の第2の傾斜壁は、その
スライド方向に対する傾斜角度が、前記雄コネクタと雌
コネクタとの引抜時に前記雌接続端子と雄接続端子とが
離脱する手前で引抜力のピークに達するように設定され
ていることを特徴とする。
【0006】前記スライダのカム部の第1の傾斜壁は、
前記雄コネクタと雌コネクタとの挿入時に前記雌接続端
子と雄接続端子とが接触する手前で第1の角度からこれ
よりも小さい第2の角度へと変化するように設定されて
いることが望ましい。
【0007】この発明に係る第2のスライダ付コネクタ
は、複数の雌接続端子を内部で支持すると共に、両側壁
にガイド用突起が突設された雄コネクタハウジングを備
えた雄コネクタと、前記複数の雌接続端子と接続される
複数の雄接続端子を内部で支持すると共に、先端側に前
記雄コネクタハウジングが挿入されるコネクタ挿入方向
に突出して形成された雌係合壁を有し、且つ前記雌係合
壁の両側壁に前記雄コネクタハウジングのガイド用突起
を前記コネクタ挿入方向に案内するガイドが形成された
雌コネクタハウジングを備えた雌コネクタと、前記雌コ
ネクタハウジングの雌係合壁の両側壁に、これら両側壁
に沿って前記コネクタ挿入方向と直交する方向にスライ
ド自在に装着され、そのスライド方向に押し込まれるこ
とにより前記雄コネクタハウジングのガイド用突起と摺
接して前記ガイド用突起を雌コネクタ側に引き込む第1
の傾斜壁が形成されると共に、前記スライド方向に引き
抜かれることにより前記雄コネクタハウジングのガイド
用突起と摺接して前記ガイド用突起を雄コネクタ側に押
し出す第2の傾斜壁が形成されたカム部を有するスライ
ダとを備えたスライダ付コネクタであって、前記スライ
ダのカム部には、前記スライダをスライド方向に引き抜
く際に、前記ガイド用突起の下端側に一旦当接し、前記
雌接続端子と雄接続端子との離脱点を確実に越える分の
前記引抜力に対する反力を発生するための凹部が形成さ
れていることを特徴とする。
【0008】この発明によれば、スライダのカム部の第
1の傾斜壁のスライド方向に対する傾斜角度が、雌雄接
続端子が接触する手前で挿入力のピークに達するように
設定されているので、コネクタ挿入時には挿入力のピー
クを越えた時点で雌雄両コネクタの嵌合速度が速くな
る。しかも、この速度変化は、雌雄接続端子が接触する
点の手前で起こるので、雌雄接続端子同士が接触する瞬
間の雌雄両コネクタの相対移動速度が速くなり、コネク
タ挿入時のアーク放電が起こり難くなる。これにより、
雌雄接続端子の溶損を防止することができる。また、ス
ライダのカム部の第2の傾斜壁のスライド方向に対する
傾斜角度が、雌雄接続端子が離脱する手前で引抜力のピ
ークに達するように設定されているので、コネクタ引抜
時の引抜力のピークを越えた時点で雌雄両コネクタの離
脱速度が速くなる。この速度変化は、雌雄接続端子が離
脱する点の手前で起こるので、雌雄接続端子同士が非接
触となる瞬間の雌雄両コネクタの相対移動速度が速くな
り、コネクタ引抜時のアーク放電が起こり難くなる。こ
れにより、雌雄接続端子の溶損を防止することができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施例を説明する。図1は、この発明の一実施例にか
かるスライダ付コネクタを斜め上側から見た斜視図、図
2は雄コネクタの上面図、正面図及び側面図、図3は、
雌コネクタの側面図及び背面図、図4は、スライダの上
面図、正面図及び側面図である。この実施例のコネクタ
は、例えば中央部分の垂直方向に縦3列に大電力負荷へ
の接続用端子を配置した雄コネクタ1及び雌コネクタ2
並びに雌コネクタ2に装着されたスライダ3から構成さ
れている。
【0010】雄コネクタ1は、以下のように構成されて
いる。即ち、雄コネクタハウジング4には、コネクタ嵌
合方向に延びる複数の端子収容孔5がコネクタハウジン
グ4の垂直方向中央付近に縦1列で形成され、これら端
子収容孔5に大電力負荷の接続用のハーネス6の先端に
圧着された雌接続端子7が収容されている。雄コネクタ
ハウジング4の下面部には、ガイド溝8が形成され、両
側面の先端側中央部にはガイド用突起20が突設されて
いる。このガイド用突起20は、嵌合面側及び基端側方
向に向かって円弧を描く円柱形状の従動部20a及び2
0bを有し、この従動部20a,20bが後述するスラ
イダ3のカム部52の第1の傾斜壁52及び第2の傾斜
壁53と摺接し、雄コネクタハウジング4の嵌合方向及
び離脱方向に力を受ける。
【0011】一方、雌コネクタ2は、以下のように構成
されている。即ち、先端部に雄コネクタハウジング4の
先端が挿入されるコネクタ嵌合方向に突出した雌係合壁
21を形成してなる雌コネクタハウジング22には、雄
コネクタ1の雌接続端子7に対応して、大電力負荷の接
続用のハーネス23の先端に圧着された雄接続端子24
が、図3に示すように、端子収容孔32に装着されてい
る。雌コネクタハウジング22には、雄コネクタハウジ
ング4のガイド溝8及びガイド用突起20とそれぞれ対
応する位置に、これらと嵌合するガイド突条30及びガ
イド溝31がそれぞれ形成されている。雌係合壁21の
両側壁には、スライダ3を自在に装着するためのスライ
ダ挿入口35を有するスライダ装着部36と、上述した
雄コネクタハウジング4のガイド用突起20を案内す
る、コネクタ挿入方向に延びるガイド溝31とが形成さ
れている。スライダ装着部36の外壁の上部には、スリ
ットが形成されていて、スライダ3の抜け防止片53が
このスリットに引っ掛かるように形成されている。
【0012】スライダ3は、図4に示すように、左右二
つのスライド片55と、この二つのスライド片55を連
結するアーチド・トップ形状の連結部54a,54bと
で構成されている。連結部54aには、例えば人差し指
の爪を引っ掛けるための引掛片56が形成されている。
一方、連結部54bには、第3の傾斜壁57aを有する
ロック片57が形成されている。この連結部54bは、
ロック片57の第3の傾斜壁57aが雌コネクタハウジ
ング22に形成された係止片29の先端側と摺接するた
め、その摺接側方向と反対側方向へ可撓性を有する。こ
の連結部54を把持しながらスライダ3をスライダ装着
部36から引き抜くと、スライダ3が完全にスライダ装
着部36に挿入されたときに、スライダ3の抜けを防止
するロック片57の雌コネクタハウジング22の係止片
29への引っ掛かりによる抜け防止ロックを解除して、
スライダ3を引き抜く方向に動かすことができる。この
ロック片57は、スライダ3をスライダ装着部36に完
全に挿入した場合に、雌コネクタハウジング22の上部
に形成された係止片29の折れ内側の内壁に引っ掛か
り、スライダ3がスライダ装着部36から抜け出すのを
防止すると共に、雄コネクタ1及び雌コネクタ2の嵌合
状態を、ただ単に両コネクタ1,2を嵌合方向と反対の
方向に引っ張るだけでは解除できなくなるようにロック
する役割も果たしている。
【0013】また、スライド片55は、基本的に左右対
称で成形されており、左右両スライド片55には抜け防
止片53と、カム部52と、従動突起59,60とがそ
れぞれ2つずつ設けられている。抜け防止片53は、図
3に示すように、スライダ3のスライド片55をスライ
ダ装着部36のスライダ挿入口35にある程度の長さま
で挿入したときに有効となり、スライダ装着部36に係
止してあるスライダ3がスライダ挿入口35から抜け出
してしまうのを防止する。従動突起59,60は、スラ
イド片55がスライダ装着部36に挿入された後に、ス
ライダ装着部36の内壁の所定の位置にそれぞれ当接
し、スライダ3の押し込み/引き抜き操作でのそれぞれ
の操作に対して内壁を乗り越えると気に多少の抵抗感を
与え、全体としてメリハリのある操作感を実現するため
のものである。
【0014】カム部52は、スライド片55を切り欠い
たスリット状で、この切り欠いたスリット状のうち、雌
係合壁21の先端方向に向かってスライダ3のスライド
方向に対する第1の角度をなす第1の傾斜壁52a(以
下、「傾斜壁52a」とする。)及び第2の角度をなす
第1の傾斜壁52b(以下、「傾斜壁52b」とす
る。)を有すると共に、後端方向に向かって第2の角度
と同角度をなす第2の傾斜壁52c(以下、「傾斜壁5
2c」とする。)を有している。これら傾斜壁52a〜
52cのうち、傾斜壁52aは、傾斜壁52bよりもス
ライダ3のスライド方向に対する角度が大きくなるよう
に形成され、例えば傾斜壁52aがなす第1の角度は3
0°、傾斜壁52b,52cがなす第2の角度は10°
というように設定されている。このスライダ3を用いた
雄及び雌コネクタ1,2の嵌合/離脱は、図5に示すよ
うに行われる。即ち、同図(a)に示すように、嵌合時
にはスライダ3の連結部54aを上から押すことで雄及
び雌コネクタ1,2が嵌合を開始し、ガイド用突起20
の従動部20bが傾斜壁52aと摺接すると、ここで反
力が発生するため所定以上の押圧力でスライダ3を押さ
ないと雄コネクタ1が動かなくなる。次に、同図(b)
に示すように、ガイド用突起20の従動部20bが傾斜
壁52bと摺接すると、スライダ方向に対する角度が傾
斜壁52aよりも小さいため、傾斜壁52aと摺接して
いたときに蓄えられた押圧力が一気に解放される。この
反動により同図(c)に示すように、雄及び雌コネクタ
1,2同士が速い嵌合速度で完全嵌合する。嵌合の際
に、雄及び雌コネクタ1,2の雌雄接続端子同士がこの
速い嵌合速度域で接触を開始するようにすれば、アーク
放電を起こし難くなり、接続端子の溶損を防止し安全に
コネクタの嵌合作業を行うことができる。
【0015】また、離脱時にはスライダ3の連結部54
aに設けられた引掛片56等を引掛けて引き上げること
により雄及び雌コネクタ1,2の離脱を行う。この離脱
開始時に、傾斜壁52cと従動部20aとが摺接し、且
つ連結部54bに形成されたロック片57の第3の傾斜
壁57a(以下、「傾斜壁57a」とする。)が雌コネ
クタハウジング22に形成された係止片29の先端側と
摺接して反力が発生し、連結部54bが雄コネクタ1方
向に撓み、この撓みによる反力が解放されることによる
反動で雄及び雌コネクタ1,2の離脱速度が確実に速く
なり、傾斜壁52cと従動部20aとが摺接することで
離脱方向の引抜力を発生しながら一気に離脱する。離脱
の際に、雄及び雌コネクタ1,2の雌雄接続端子同士が
この速い離脱速度域で非接触となるようにすれば、アー
ク放電を防止することができる。また、この反動でスラ
イダ3が引抜方向にストロークするときに、傾斜壁52
bと傾斜壁52aとの境界点を確実に越えるようにすれ
ば、コネクタ離脱時に発生する、いわゆるチャタリング
を防ぐこともできる。これにより、安全にコネクタの離
脱作業を行うことができる。
【0016】上記のように構成されたスライダ付コネク
タによれば、雄コネクタハウジング4のガイド用突起2
0の従動部20bが傾斜壁52aと摺接しているときの
スライダ3のスライド動作を第1の挿入動作とし、傾斜
壁52bと摺接しているときのスライド動作を第2の挿
入動作とすると、図6に示すように、スライダ3の挿入
開始時には、雄コネクタハウジング4に設けられたガイ
ド用突起20の従動部20bは、スライダ3のカム部5
2の傾斜壁52aとで示すように摺動角度30°で接
触し、その後は傾斜壁52bとで示すように摺動角度
10°で接触する。即ち、第1の挿入動作でのスライダ
3が従動部20bを嵌合方向に押し込もうとする力は、
第2の挿入動作での嵌合方向に押し込もうとする力より
も大きいものとなる。また、雄コネクタハウジング4の
ガイド用突起20の従動部20aが傾斜壁52cと摺接
しているときのスライダ3のスライド動作を引抜動作と
すると、スライダ3の引抜開始時から最後まで、雄コネ
クタハウジング4に設けられたガイド用突起20の従動
部20aは、スライダ3のカム部52の傾斜壁52cと
で示すように摺動角度10°で接触する。また、この
とき雌コネクタハウジング22に形成された係止片29
の先端とスライダ3のロック片57の傾斜壁57aとが
所定の角度で接触するため上述したようにスライダ3の
連結部54bが撓り、その応力によりスライダ3をスラ
イド方向に動かそうとする力が働く。即ち、引抜動作で
スライダ3が従動部20aを嵌合方向と反対方向に引き
抜こうとする力は、初期段階が一番大きいものとなる。
その様子を、図7のグラフに示している。
【0017】即ち、このスライダ付コネクタは、実線で
表される挿入力曲線で示すように、コネクタ同士の雄
及び雌接続端子が接触を開始する時点をT1とすると、
その時点よりも前の嵌合開始時点(T2)では、スライ
ダの押圧力を余計に必要とするが、カム部の傾斜壁の角
度が変化する時点(T3)で押圧力のカーブが急激に変
化するため、以後慣性力でスライダ3が押し込まれる。
カム部の傾斜壁の角度変化は、雌雄端子挿入力のピーク
時(T4)よりも手前で、且つ雌雄接続端子同士が接触
する時点(T1)以前であるため、T1の時点では、コネ
クタ同士の嵌合速度は非常に速いものとなる。従って、
雌雄接続端子同士が接触する時点(T1)では、いわゆ
るアーク放電による溶損等が起こりにくくなり、且つ低
挿入力でスライダ3を押し込むことができるため、大電
力負荷を扱うコネクタの嵌合を安全に行うことができ
る。また、同図に破線で表される離脱力曲線で示すよ
うに、コネクタ同士の雄及び雌接続端子が非接触となる
時点をT1とすると、その時点よりも前の離脱開始時点
から引抜力のピークに達する時点(T5)まで、直線的
に強い引抜力が必要となり、T1の時点よりも前に引抜
力のピークがくる。これにより、T1の時点では、コネ
クタ同士の離脱速度は上述した嵌合速度と同様に非常に
速いものとなる。従って、雌雄接続端子同士が非接触と
なる時点(T1)では、いわゆるチャタリング等が起こ
りにくくなるため、大電力負荷を扱うコネクタの離脱を
安全に行うことができる。ちなみに、図8に示すよう
に、コネクタ引抜速度と接続端子の溶損との関係は、電
圧42ボルト(V)において負荷2.8kWの時の直線
A及び0.4kWの時の直線Bのいずれの場合でも、引
抜速度が速いほど接続端子の溶損(損傷)が少なくなる
ということが分かる。このことは挿入速度と接続端子の
溶損との関係についてもいえることである。つまり、本
発明のスライダ付コネクタを使用することで、コネクタ
の挿抜速度を通常のコネクタよりも確実に速くすること
ができるため、大電力負荷のコネクタ特有のアーク放電
を防止し、接続端子の溶損が発生する可能性を少なくす
ることが可能となる。
【0018】図9は、この発明の他の実施例に係るスラ
イダ付コネクタ及びスライダを示す側面図である。この
実施例のコネクタは、雌雄コネクタについては、上述し
たコネクタと同様の構造を有しているが、スライダの構
造が若干変更されているものである。なお、上記実施例
で説明した内容と重複する部分は、説明を割愛する。ス
ライダ100のカム部102は、スライド片105を切
り欠いたスリット状からなり、この切り欠いたスリット
状のうち、嵌合方向に向かってスライダ100のスライ
ド方向に対する第1の角度をなす第1の傾斜壁102a
(以下、「傾斜壁102a」とする。)及び第2の角度
をなす第1の傾斜壁102b(以下、「傾斜壁102
b」とする。)を有すると共に、この傾斜壁102bの
スライド引抜方向側よりも嵌合方向側に窪んだ凹部10
3を有する。また、離脱方向に向かって第2の角度と同
角度をなす第2の傾斜壁102c(以下、「傾斜壁10
2c」とする。)を有している。これら傾斜壁102a
〜102cは、例えば傾斜壁102aがなす第1の角度
は30°、傾斜壁102b,102cがなす第2の角度
は10°というように設定されている。スライダ100
の連結部104a,104bのうち、連結部104bに
は、ロック片105が形成されると共に、このロック片
105と雌コネクタハウジング110に形成された係止
片(図示せず)とのロック状態を解除するための把持部
106が形成されている。コネクタ離脱時にはスライダ
100の連結部104bに設けられた把持部106を摘
んで引き上げることにより雄及び雌コネクタ111,1
12の離脱を行う。この離脱開始時に、凹部103とガ
イド用突起120とが当接し、且つ連結部104bに形
成されたロック片105の第3の傾斜壁105aが雌コ
ネクタハウジング110に形成された係止片(図示せ
ず)の先端側と摺接して反力が発生し、連結部104b
が雄コネクタ111方向に撓み、この撓みによる反力が
解放されることによる反動及び凹部103とガイド用突
起120との当接することによる反力の発生で雄及び雌
コネクタ111,112の離脱速度が確実に速くなる。
従って、この速い離脱速度域で雌雄接続端子同士が非接
触となるようにすれば、アーク放電を防止することがで
きると共に、いわゆるチャタリングを防ぐこともでき、
接続端子の溶損少なくし、安全にコネクタの離脱作業を
行うことができる。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
スライダのカム部の第1の傾斜壁のスライド方向に対す
る傾斜角度が、雌雄接続端子が接触する手前で挿入力の
ピークに達するように設定されているので、コネクタ挿
入時には挿入力のピークを越えた時点で雌雄両コネクタ
の嵌合速度が速くなる。しかも、この速度変化は、雌雄
接続端子が接触する点の手前で起こるので、雌雄接続端
子同士が接触する瞬間の雌雄両コネクタの相対移動速度
が速くなり、コネクタ挿入時のアーク放電が起こり難く
なる。これにより、雌雄接続端子の溶損を防止すること
ができるという効果を奏する。また、スライダのカム部
の第2の傾斜壁のスライド方向に対する傾斜角度が、雌
雄接続端子が離脱する手前で引抜力のピークに達するよ
うに設定されているので、コネクタ引抜時の引抜力のピ
ークを越えた時点で雌雄両コネクタの離脱速度が速くな
る。この速度変化は、雌雄接続端子が離脱する点の手前
で起こるので、雌雄接続端子同士が非接触となる瞬間の
雌雄両コネクタの相対移動速度が速くなり、コネクタ引
抜時のアーク放電が起こり難くなる。これにより、雌雄
接続端子の溶損を防止することができるという効果も奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係るスライダ付コネク
タを斜め上側から見た斜視図である。
【図2】 同雄コネクタの上面図、正面図及び側面図で
ある。
【図3】 同雌コネクタの側面図及び背面図である。
【図4】 同スライダの上面図、正面図及び側面図であ
る。
【図5】 同スライダ付コネクタの雌雄コネクタの嵌合
/離脱の様子を示す図である。
【図6】 同雌雄コネクタ同士が完全嵌合された場合を
示す図である。
【図7】 同スライダ付コネクタの雌雄コネクタ嵌合/
離脱時のスライダの荷重−ストローク特性を示すグラフ
である。
【図8】 コネクタ引抜速度と接続端子の溶損との関係
を示す図である。
【図9】 この発明の他の実施例に係るスライダ付コネ
クタ及びスライダを示す側面図である。
【符号の説明】
1…雄コネクタ、2…雌コネクタ、3…スライダ、4…
雄コネクタハウジング、5…端子収容孔、6,23…ハ
ーネス、7…雌接続端子、8,31…ガイド溝、20…
ガイド用突起、21…雌係合壁、22…雌コネクタハウ
ジング、24…雄接続端子、29…係止片、30…ガイ
ド突条、35…スライダ挿入口、36…スライダ装着
部、52…カム部、53…抜け防止片、54…連結部、
55…スライド片、56…引掛片、57…ロック片、5
9,60…従動突起。
フロントページの続き (72)発明者 明石 一弥 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 5E021 FA05 FB07 FB20 FB21 FC07 FC25 FC31 FC40 HA05 HA07 HB04 HB05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の雌接続端子を内部で支持すると共
    に、両側壁にガイド用突起が突設された雄コネクタハウ
    ジングを備えた雄コネクタと、 前記複数の雌接続端子と接続される複数の雄接続端子を
    内部で支持すると共に、先端側に前記雄コネクタハウジ
    ングが挿入されるコネクタ挿入方向に突出して形成され
    た雌係合壁を有し、且つ前記雌係合壁の両側壁に前記雄
    コネクタハウジングのガイド用突起を前記コネクタ挿入
    方向に案内するガイドが形成された雌コネクタハウジン
    グを備えた雌コネクタと、 前記雌コネクタハウジングの雌係合壁の両側壁に、これ
    ら両側壁に沿って前記コネクタ挿入方向と直交する方向
    にスライド自在に装着され、そのスライド方向に押し込
    まれることにより前記雄コネクタハウジングのガイド用
    突起と摺接して前記ガイド用突起を雌コネクタ側に引き
    込む第1の傾斜壁が形成されると共に、前記スライド方
    向に引き抜かれることにより前記雄コネクタハウジング
    のガイド用突起と摺接して前記ガイド用突起を雄コネク
    タ側に押し出す第2の傾斜壁が形成されたカム部を有す
    るスライダとを備えたスライダ付コネクタであって、 前記スライダのカム部の第1の傾斜壁は、そのスライド
    方向に対する傾斜角度が、前記雄コネクタと雌コネクタ
    との挿入時に前記雌接続端子と雄接続端子とが接触する
    手前で挿入力のピークに達するように設定されており、 前記スライダのカム部の第2の傾斜壁は、そのスライド
    方向に対する傾斜角度が、前記雄コネクタと雌コネクタ
    との引抜時に前記雌接続端子と雄接続端子とが離脱する
    手前で引抜力のピークに達するように設定されているこ
    とを特徴とするスライダ付コネクタ。
  2. 【請求項2】 前記スライダのカム部の第1の傾斜壁
    は、前記雄コネクタと雌コネクタとの挿入時に前記雌接
    続端子と雄接続端子とが接触する手前で第1の角度から
    これよりも小さい第2の角度へと変化するように設定さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のスライダ付コ
    ネクタ。
  3. 【請求項3】 複数の雌接続端子を内部で支持すると共
    に、両側壁にガイド用突起が突設された雄コネクタハウ
    ジングを備えた雄コネクタと、 前記複数の雌接続端子と接続される複数の雄接続端子を
    内部で支持すると共に、先端側に前記雄コネクタハウジ
    ングが挿入されるコネクタ挿入方向に突出して形成され
    た雌係合壁を有し、且つ前記雌係合壁の両側壁に前記雄
    コネクタハウジングのガイド用突起を前記コネクタ挿入
    方向に案内するガイドが形成された雌コネクタハウジン
    グを備えた雌コネクタと、 前記雌コネクタハウジングの雌係合壁の両側壁に、これ
    ら両側壁に沿って前記コネクタ挿入方向と直交する方向
    にスライド自在に装着され、そのスライド方向に押し込
    まれることにより前記雄コネクタハウジングのガイド用
    突起と摺接して前記ガイド用突起を雌コネクタ側に引き
    込む第1の傾斜壁が形成されると共に、前記スライド方
    向に引き抜かれることにより前記雄コネクタハウジング
    のガイド用突起と摺接して前記ガイド用突起を雄コネク
    タ側に押し出す第2の傾斜壁が形成されたカム部を有す
    るスライダとを備えたスライダ付コネクタであって、 前記スライダのカム部には、前記スライダをスライド方
    向に引き抜く際に、前記ガイド用突起の下端側に一旦当
    接し、前記雌接続端子と雄接続端子との離脱点を確実に
    越える分の前記引抜力に対する反力を発生するための凹
    部が形成されていることを特徴とするスライダ付コネク
    タ。
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CN108806568B (zh) * 2018-08-03 2023-09-12 武汉精测电子集团股份有限公司 显示面板自动拔线治具
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