JP2002074316A - 認証票発行システムと方法及び認証票発行装置 - Google Patents
認証票発行システムと方法及び認証票発行装置Info
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Abstract
証票を発行することを可能とし、認証票の不正使用の防
止、その安全性及び信頼性の向上を図る。 【解決手段】DNA抽出機102によって血液から採取
されたDNAが反応装置105へ提供される。反応装置
105は、所定の順序で複数種類のDNAプローブが配
置されたDNAマイクロアレイ103と、当該抽出され
たDNA104とをハイブリダイゼーション反応させ
る。反応済みDNAマイクロアレイ106上には、ハイ
ブリダイゼーションパターンが形成される。こうして得
られた反応済みDNAマイクロアレイ106を直接的に
貼付することで認証票110が発行される。或いは、ハ
イブリダイゼーションパターンを読取装置107で読み
取って、磁気/電子情報として記録することで認証票1
11が発行される。
Description
認証票を発行する認証票発行システム及び装置及び方法
に関するものである。
認証には、個々人を識別できる信頼性の高い個人認証方
式が求められる。これらの証書は、個人認証の原点とも
言えるもので、キャッシュカードや施設への入退室時の
IDよりも上位概念に属する種類の個人認証と考えられ
る。
は、写真が用いられている。免許証やパスポートに添付
されている写真は、それを保持している人の人相とすぐ
に比較でき、瞬時に判定が可能であるとされている。し
かし、免許証やパスポートの有効期限が長くなると、そ
の期間に人相は変化し、判定が困難となる場合もある。
有効期限の長い10年のパスポートを例に取ると、子供
から大人になるのに伴う変化、老化に伴う変化は非常に
大きく、「面影」が残る程度までに変化してしまうこと
も珍しくない。また、人相の変化は単に時間変化による
ものだけでなく、髪型、眼鏡の有無、整形、病気、事故
に伴う変化、肥満等による体型の変化等様々で、その印
象が一変してしまうことも多々ある。しかし、そのため
に、毎年更新の手続きを行うのでは、煩雑すぎる。よっ
て、このような問題点を突いての免許証やパスポートの
偽造等の悪用が後を絶たない。
平11−338826には、生物学的特徴データとして
筆跡による認証が開示されている。本法によると、筆跡
として再現性の高いサインを利用し、その形状情報のみ
ならず、筆圧情報や筆順情報をも認証手段として用いる
ことが挙げられている。この方法は、あらかじめサイン
を登録し、ユーザ認証票を発行所にて獲得し、そのユー
ザ認証票をATM等の認証が必要な場所で随時読み取ら
せることにより認証を行うシステムである。さらに、認
証を再確認する必要が生じたときには、認証登録局にて
本人のサインと認証票のデータを比較し、筆圧、筆順情
報と共に再度確認を行う方法である。
憶するためにかなりの情報量を必要とすることである。
さらに、たとえサインが再現性のきわめて高いものであ
るとしても、人間は日々変化をしているものであり、例
えば、怪我、病気等で指に多少の変化が生じれば、その
サインは従来のものと異なってしまう。また、字は年齢
と共に少しずつ変化するものであり、特に日本人のよう
に漢字を用いる場合には、その変化は何箇所にも及び、
認証時の判定を複雑にする。そのため、定期的な認証票
の更新が必要になり、その手間、情報の管理等、煩雑な
要素が増えるという欠点を持つ。
及び網膜像など、いわゆる生物学的特徴を表す情報(生
体情報)を用いて認証する方法も検討されている。これ
らの種類の生物学的特徴に基づく情報は、個人ごとに全
く異なっており、また、一個人においては終生不変であ
るという特徴をもっているため、上記サインによる認証
よりは個人認証に適すると考えられる。
体情報を取得し、その情報から個人の特徴を抽出してコ
ード列データに変換し、パスワード暗号化して個人認証
を行う方法が記載されており、この生体情報として眼底
画像、指紋、声紋を利用することが記載されている。
非常に多くなり、加えて、複雑な指紋や声紋を利用した
認証の場合はその照合に時間がかかってしまい、実用的
とはいえない。また、各個人に対するデータ量が多いた
め、各免許証保持者、パスポート保持者のデータを蓄積
するとそのデータ量が膨大となってしまい、その保存や
管理が困難になっていくことは容易に想像できる。
も網膜を生体情報として利用する方法が記載されている
が、この方法も上記方法と同様、情報量が多いという問
題点を有する。
情報)は、その保存環境により消去されたり破壊された
りする等の問題を生じる場合がある。上記各種生体情報
についても、その情報を電子化してカード(免許証やパ
スポート)に記録することができるが、磁気や電子の影
響によってその内容が読めなくなった場合には、その悪
影響は計り知れない。
する情報の種類は極めて多様になりつつあり、商品の売
買やクレジットなどの電子商取引は勿論、医療における
オンライン診断や個人カルテ、役所における登録事項の
閲覧、証明の発行、資産運用上の財務相談、投機、預貯
金の運用など、対象もますます増加し、利用が進む傾向
にある。
は、時間に制約されずに世界中のサイトから容易に物を
入手できるメリットがあるため、急速に発展してきてい
る。その支払いにはクレジットが使われる場合が多い。
しかし、本来、クレジットカードのようにサインによっ
て認証が行われているシステムが、通信網を介した取引
の場合には利用できず、個々人を峻別できる信頼性の高
いユーザ認証方式が求められている。このような用途
に、上述した指紋や声紋など、いわゆる生物学的特徴を
表す生体情報を用いてユーザ認証する方法も検討されて
いる。しかし、上述のように、これらは情報量が多く、
認証を必要とする場合に照合に時間がかかり実用的とは
いえない。また、データが膨大となり、今日のような通
信網を利用した電子商取引の広がりの中で、その保存、
管理が困難になっていくことは容易に想像できる。
カードのセキュリティー性が求められ、その不正使用や
偽造等に対して各種対策が考案されているが、情報量が
多すぎて技術的には満足のいくものとはいえない。特
に、免許証、パスポートといったものにおける個人認証
は、キャッシュカード等、他の認証において問題が発生
した場合に個人認証の手段として用いられるもので、よ
り精度の高い認証が必要である。
きることはよく知られているが、上述した特開平11−
338826、特開2000−94873のいずれにお
いても、生物学的特徴データとしてDNAを用いること
を言及しているものの、その具体的な手法についての記
載はない。
のであり、生物学的特徴データとしてDNAを利用した
認証票を発行可能とし、認証票の不正使用を防止し、そ
の安全性及び信頼性の向上を図り得る認証票を発行する
ことを目的とする。また、本発明の他の目的は、認証の
ための情報量を低減し、その照合処理も容易に行えるよ
うにすることにある。また、本発明の他の目的は、認証
のためのデータを、経時的な要因、電子や磁気等の環境
要因によって劣化することなく保有する認証票を提供可
能とすることにある。
めの本発明による認証票発行システムは以下の構成を備
える。すなわち、所定の順序で複数種類のDNAプロー
ブが配置されたDNAアレイと、採取されたDNAとを
反応させる反応手段と、前記反応手段によって得られた
反応後のDNAアレイ上に形成されたパターンを用いて
認証票を発行する発行手段とを備える。
による認証票発行方法は、所定の順序で複数種類のDN
Aプローブが配置されたDNAアレイと、採取されたD
NAとを反応させる反応工程と、前記反応工程によって
得られた反応後のDNAアレイ上に形成されたパターン
を用いて認証票を発行する発行工程とを備える。
票発行装置は、所定の順序で複数種類のDNAプローブ
が配置されたDNAアレイと、採取されたDNAとを反
応させる反応手段と、前記反応手段によって得られた反
応後のDNAアレイ上に形成されたパターンを用いて認
証票を発行する発行手段とを備える。
明の好適な実施形態を説明する。
に適用可能な識別カードの発行システムとその運用例に
ついて説明する。以下の実施形態では、個人識別カード
として免許証やパスポートに本発明を適用した例を揚
げ、カード携帯者の保持や利用のセキュリティー機能を
向上する例を説明する。
NAマイクロアレイ(DNAチップともいう)を利用す
る。DNAマイクロアレイは、1インチ程度のガラス板
等の固相表面に、異なる種類のDNAプローブが数千か
ら数十万種高密度に並べてあるものである。このDNA
マイクロアレイを用いてサンプルDNAとハイブリダイ
ゼーション反応を行うことによって、一度に数多くの遺
伝子の検査ができるという特徴をもつ。また、これらの
DNAプローブはマトリクス状に規則正しく並んでお
り、それぞれのプローブのアドレスを情報として容易に
取り出せるという特徴がある。検査の対象となる遺伝子
としては、疾患関連遺伝子の他、各個人の遺伝子多型等
がある。
jor histocompatibilitycomplex)遺伝子は、ヒトゲノ
ムの中で最も免疫系の遺伝子が集中した領域で、最近そ
の塩基配列が明らかにされ(Nature volume 401,p921-9
23, 1999)、注目を集めている。この配列には骨髄移
植、臓器移植等における適合/不適合の判定に関与する
遺伝子が存在する。現在、臓器移植、骨髄移植における
適合/不適合の判定は白血球を用いた検査により行われ
ているが、白血球を用いた検査は時間がかかる上に情報
量が少ないことから、将来はMHC遺伝子によるタイピ
ングが主流になることが予想される。MHC(ヒトの場
合にはHLA抗原)は、クラスI抗原としてHLA−
A,B,Cの3種、クラスII抗原として、HLA−D
R,DQ,DPの3種がある。
ずつ計12種の抗原をもらい、それがその個人の「型」
となっている。一方、現在のところ、HLA−A、HL
A−B、HLA−C、HLA−DR、HLA−DQ、及
びHLA−DPの合わせて約1000種の遺伝子が同定
されている。さらに新しいMHC遺伝子が次々解明され
ており、将来は、その数はさらに増大するものと思われ
る。1000種以上の遺伝子の中から12種の遺伝子の
みが選ばれるわけであるから、他人とそれぞれの型の組
み合わせがマッチするような場合は極めて稀であると考
えられる。実際、骨髄移植、臓器移植において、上記の
型の組み合わせがマッチするケースは稀である。このこ
とは、MHC遺伝子のパターンはバリエーションに富ん
でいることを示し、個人の認証に適した遺伝子群と考え
ることができる。また、この遺伝子群は年齢と共に変化
するようなことはない。
生物学的特徴データとしてDNAマイクロアレイにおけ
る各人のハイブリダイゼーションパターンを利用するも
のとし、その中でも、MHC遺伝子を搭載したDNAマ
イクロアレイのパターンを用いることとする。なお、遺
伝子多型(SNPs)と呼ばれる遺伝子群も個人認証に
適した遺伝子群として利用可能である。この遺伝子群
は、MHC遺伝子を搭載したDNAマイクロアレイに、
さらに情報を付加する目的で加えることも可能である。
特徴的な体質を表すもので、環境や年齢に伴う変化がな
いと考えられている。また、遺伝子の数も1インチ角の
一枚のDNAマイクロアレイに収まる情報量である。し
たがって、MHC遺伝子を搭載したDNAマイクロアレ
イと各個人の遺伝子とを反応させ、得られた各個人のD
NAマイクロアレイのハイブリダイゼーションパターン
画像を認証のための手段として利用する。より具体的に
は、免許証やパスポートといった認証が必要な認証票で
は、各個人のDNAと反応させて得られたハイブリダイ
ゼ−ションパターンを有するDNAマイクロアレイがそ
のまま添付されたり、或いはそのハイブリダイゼーショ
ンパターンを電子情報(或いは磁気情報)として書き込
まれたりすることにより個人認証が達成される。
Aプローブは、マトリクス状に規則正しく並んでおり、
それぞれのプローブのアドレス(たとえば何行何列によ
ってプローブを特定できる)を情報として容易に取り出
せるという特徴がある。従って、DNAアレイに基づく
情報量は、網膜、指紋、声紋、眼底画像といった複雑な
画像情報や信号に比べて少ない情報で各個人を識別でき
ることになる。
であり、磁気、電子、温度といった環境因子に影響を受
けにくい。従って、長期にわたって保有される認証票へ
の添付に適している。
は、免許証或いはパスポート発行所において、血液の採
取やDNAの抽出が行われ、MHC遺伝子がプローブと
して搭載されたDNAマイクロアレイとのハイブリダイ
ゼーション反応により、ハイブリダイゼ−ションパター
ンを有するDNAマイクロアレイが作成される。さら
に、このハイブリダイゼーションパターンは、DNAマ
イクロアレイのまま免許証、或いはパスポートに貼り付
けられるか、電子情報等の情報に変換されてそれぞれの
書類に書き込まれると同時に認証局に登録される。
は最低1000程度である。この値は現在明らかになっ
ているMHC遺伝子の数に対応する。しかし、新しい遺
伝子が次々解明されてきており、その数はさらに増大す
ることと考えられる。それらの遺伝子もまた、プローブ
として利用可能である。MHC遺伝子は年齢と共に変化
することもない。このことも個人認証に適する要件であ
る。個人認証に必要なプローブ数として適当と考えられ
る値は1000〜5000である。この認証システムに
必要な要件としては、個人認証に必要な全種類のタイプ
の配列を搭載することが重要であり、その数は1000
〜5000であると推定される。さらに、低価格である
ことが必要であり、このような少ないプローブ数の場合
には、DNAマイクロアレイの価格を安くすることがで
きる点がメリットである。しかし、その精度等の必要性
から、さらに高密度のDNAマイクロアレイを用いるこ
とも可能である。
(single nucleotidepolymorphism)を利用することも
可能である。
としては以下のようなものが考えられる。
と、これまで同様、顔写真や記載事項のチェックが行わ
れる。このとき、盗難等の届出がある場合には、出入国
が拒否されるのは当然であるが、何らかの疑わしい点が
みられた場合には、その場で血液を採取して、DNAア
レイとの反応を行い、パスポート上に記載されるDNA
パターンとの照合が行われる。
行われることが好ましいが、現状ではそのチェックに時
間がかかり、必ずしも実用的とはいえない。記載事項と
の不一致が見られたときに、確実に判定し得る手段があ
るということにより、偽造への障壁を高くして犯罪を未
然に防ぐという目的もある。将来、低侵襲な採血方法が
確立されれば、海外旅行の際に毎回血液採取を行い、パ
スポート上の情報との比較により個人認証を行うことも
可能である。
が行われる。つまり、警察等で血液採取によりDNAア
レイパターンを得、その情報を免許証に記載する。事故
を起こしたときには、免許証本人であることの確認に、
再度血液を採取してDNAアレイ上のハイブリダイゼー
ションパターンを得、個人認証が行われる。このような
認証にMHC遺伝子を用いるようにすれば、事故に伴う
怪我等の治療の際の医学的情報を提供できる利点もあ
る。たとえば、MHC遺伝子は、臓器移植等の候補者の
選定に有効であり、救急救命の観点からも有用である。
免許証の更新時も、採血により得られるパターンと免許
証に記載されたパターンとの一致を調べることにより、
簡単に更新できる。
液を元に再度DNAの検査を行い、使用されたDNAマ
イクロアレイが本人のものか否かを確認することができ
る。また、免許証或いはパスポートの更新時にも、血液
を採取し登録されているDNAアレイパターンと一致す
るか否かを調べる作業が加わる。
イクロアレイは、それぞれ共通のものが使われることが
望ましい。それは、登録されたパターンを得たDNAア
レイと、照合を行うためのチェック時のDNAアレイと
が同じタイプであることが重要であり、警察や入国管理
を行う場所に、プローブ配置が異なる様々なタイプのD
NAアレイを用意することは不可能だからである。
可能であり、また、それを用いたDNA抽出、及びその
後のハイブリダイゼーション反応が一体化したシステム
があれば、各人固有なDNAハイブリダイゼーションパ
ターンが載っているDNAマイクロアレイの作成は各パ
スポート発行所、或いは警察署等で容易に行うことがで
きる。
ずに免許証やパスポートに貼り付けられるのが好まし
い。それは、電子化された情報は、情報を壊す手段や環
境にさらされた時に容易に消去、或いは破壊されてしま
うからで、誤確認によって出入国時にトラブルが生じる
ことを避けるためである。
ついて>図1は本実施形態における認証票の発行システ
ムの構成例を示す図である。また、図2は本実施形態に
使用するDNAマイクロアレイの模式図である。また、
図3はあるユーザの血液から抽出したDNAと、DNA
マイクロアレイとのハイブリダイゼーション反応によっ
て得られたハイブリダイゼーションパターンを示す模式
図である。更に、図4は本実施形態における認証票の発
行システムにおける処理手順を説明するフローチャート
である。なお、これらの図は本発明の一形態であり、こ
れらに限定されるものではない。
として用いるDNAアレイの作成は図1の構成を用い
て、図4に示す手順で行う。但し、作成法はこの方法に
限定されない。
よって被採血者(認証対象者)101より採取された血
液は、DNA抽出機102に提供され、DNAが抽出さ
れる(S401、S402)。DNA抽出機102によ
って抽出されたDNA104は、所定のMHC遺伝子検
出用DNAマイクロアレイと反応させられる(S40
3)。なお、MHC遺伝子DNAマイクロアレイ103
は、搭載されているDNAプローブ数、各プローブの配
置、付加されているSNPsの種類等、多種類存在する
中から、免許証用、或いはパスポート用として適当なも
のが選ばれ、すべての人に共通なものが使用される。
2のような形態をしている。図中、○で示した領域に、
それぞれ異なる配列のDNAプローブが結合されてい
る。抽出されたDNA104及び上記DNAアレイ10
3は、反応装置105にセットされ、ハイブリダイゼー
ション反応が行われる。
例えば図3のようになる。図中、●で示した領域はユー
ザ自身のDNAとハイブリッドを形成したプローブで、こ
の●によって形成されるパターンがハイブリダイゼーシ
ョンパターンであり、この画像が本実施形態において個
人認証に用いられる。
の表面を保護剤により加工後、そのまま免許証或いはパ
スポート(認証票110)に貼り付けることにより個人
認証の手段として用いられる(S404)。或いは、反
応済みDNAマイクロアレイ106上のハイブリダイゼ
ーションパターンを読取装置107により読み取り(S
411)、電子/磁気情報に置換えて免許証やパスポー
ト等の認証票111に記憶させ認証に用いることも可能
である(S412)。なお、電子・磁気情報に置き換え
る場合は、図3に示すようなハイブリダイゼーションパ
ターンにおいて黒ドットの位置(本例では12個ある)
を読み取り、それらの位置を示すデータを電子・磁気情
報とすることが一例としてあげられる。
了したならば、情報消去部108により、読取装置にあ
る当該ハイブリダイゼーションパターンの電子情報を消
去する。この消去は、当該認識対象者が行うようにして
もよいし、自動的に消去が行われるようにしてもよい。
合、現状では医師の介在を必要とするが、好ましくは自
動装置のようなものにより、すべての工程が自動で行え
ることがより好ましい。さらに、血液ではなく、唾液、
粘膜といった取得が容易なものからのDNAを用いた検出
が可能になれば、認証票のユーザによる作成はより容易
になることが期待される。
ターネットを介した取引等において用いられるユーザ認
証システムへの適用に好適な、DNAマイクロアレイ上
のハイブリダイゼーションパターンを用いた認証票を説
明する。
いて>第1の実施形態で説明した個人認証システムとは
異なり、ユーザが使用するDNAマイクロアレイは、す
べての人に共通のものを用いる必要はない。同じプロー
ブを利用し、その配置を変えたDNAマイクロアレイを
利用することにより、さらに認証パターンにバリエーシ
ョンを加えることができる。つまり、それぞれのハイブ
リダイゼーション反応によって作成されるパターンが重
要であり、パターンの多様性が他者からのセキュリティ
ーの確保につながるのである。但し、各DNAマイクロ
アレイの配列は、あらかじめ登録され、ユーザが再度同
じアレイを用いて自分のMHCパターンを得たときには
以前と同じパターンが得られることが重要である。その
ことが、盗難等でユーザのDNAマイクロアレイが他人
の手に渡ったときに、それが自分のものであることを証
明する手段となる。
イは、最初はプローブ数の比較的少ないアレイを用いる
ことが好ましい。万一、ユーザの遺伝子パターンが書き
込まれたDNAアレイが盗難や紛失によって他人の手に
渡った場合には、他の種類のDNAマイクロアレイと、
再度ユーザのDNAを用いてDNAマイクロアレイを作
成することが必要になる。このときの新たなDNAマイ
クロアレイとしては、プローブ数を増やしたもの、或い
はプローブの配置を変えたものが利用可能である。プロ
ーブ数を増やすときに、MHC以外の遺伝子として遺伝
子多型(SNPs)を利用することも可能である。この
場合の最適なプローブ数は10000〜50000程度
であり、プローブ数が増大した分だけDNAマイクロア
レイの価格は高くなる。
DNA情報が悪用された場合には、ユーザの血液を元
に、使用されたDNAマイクロアレイが本人のものか否
かを確認することができる。
応させたDNAマイクロアレイを作成する際には、ユー
ザ自身が所望の配列を有するDNAマイクロアレイを購
入し、採取された血液から抽出されたDNAとの反応を
行う。血液の採取は適切な装置があれば理想的である
が、専門家に委ねることも可能である。それは、情報の
漏洩を避けるためであり、セキュリティーの確保につな
がる。DNAの抽出は、病院等で専門家により行われて
も良いし、DNA抽出機等があれば、ユーザ自身の手で
行うことも可能である。できるだけ多くのプロセスをユ
ーザ自身が行うことがセキュリティーの面では好まし
い。
採取可能であり、また、それを用いたDNA抽出、及び
その後のハイブリダイゼーション反応が一体化したシス
テムがあれば、各人固有なDNAハイブリダイゼーショ
ンパターンが載っているDNAマイクロアレイの作成
は、病院や認証票発行所といった特別な施設を必要とせ
ず、各個人がDNAマイクロアレイを作成することがで
きる。
マイクロアレイを読み取り装置を用いて解析し、その結
果を電子情報としてカードに記載する場合も、ユーザ自
身の手で操作を行うことが好ましい。さらに、その情報
はカード作成後、ユーザ自身の手で消去されることが好
ましい。このような操作は、すべてセキュリティーの確
保につながる。
について>ユーザ認証票の作成は、例えば図5ようにし
て行う。なお、その手順は図4に示したフローチャート
を流用する。但し、作成法はこの方法に限定されない。
頼し、病院等の機関で血液採取を行う(S401)。採
取された血液はDNA抽出機510にかけてDNAとし
て取り出される(S402)。ユーザは販売されている
DNAマイクロアレイ(例えば、MHC遺伝子検出用D
NAマイクロアレイ)の中から、認証票作成のために所
望のDNAマイクロアレイ511を選択し購入する。M
HC遺伝子DNAマイクロアレイは、搭載されているD
NAプローブ数、各プローブの配置、付加されているS
NPs遺伝子の種類等、多種類存在する中から選ばれ
る。DNAマイクロアレイは、図2で上述した形態を有
する。
Aマイクロアレイ511、及び、上記抽出された自分の
DNA溶液512をセットし反応させる(S403)。
反応後のDNAマイクロアレイ514は、例えば図3の
ようになる。この反応済みDNAマイクロアレイ514
の表面を保護剤により加工後、そのまま認証票として使
用するか、所定の認証票にこれを貼付して使用すること
ができる(S404)。
票発行所において採血からハイブリダイゼーション反応
まで行うことがあげられる。すなわち、認証票発行所に
おいて専門家(採血者)502によりユーザ500より
採血された血液がDNA抽出機520に提供され、DN
A溶液522が得られる。ユーザ500が所望のDNA
マイクロアレイ521を購入し、DNA溶液522とと
もに反応装置523に提供すると、反応済みDNAマイ
クロアレイ524がえられる(S401〜S403)。
レイ524そのものを認証票とする方法のほか、それら
の画像データを電子/磁気情報に置換えて、カード状の
認証票を作成することも可能である。
DNAマイクロアレイ524のハイブリダイゼーション
パターンを読取装置525によって読み取り(S41
1)、電子/磁気情報に置換えて免許証やパスポート等
の認証票527に記憶させ認証に用いる(S412)。
を行わないため、高齢者のような装置の扱いに慣れてい
ない人にとっては簡便であるが、セキュリティーの点か
らは、情報が漏洩する危険性を含む。この問題点を解決
するために、認証票作成に用いた読取装置525上のデ
ータを、自動的に或いはユーザ自身の手で完全に消去す
る情報消去部526が設けられ、当該ハイブリダイゼー
ションパターンに関するデータは消去される(S41
3)。
合、現状では医師の介在を必要とするが、好ましくは自
動装置のようなものにより、すべての工程がユーザ自身
で行えることがより好ましい。さらに、血液ではなく、
唾液、粘膜といった取得が容易なものからのDNAを用
いた検出が可能になれば、認証票のユーザによる作成は
より容易になることが期待される。
反応装置によって自動的に認証票を発行する認証票発行
装置を構成することも可能である。
生物学的特徴データとしてDNAを利用した認証票を発
行することが可能となり、認証票の不正使用の防止、そ
の安全性及び信頼性の向上を図ることが可能となる。ま
た、本発明によれば、認証のための情報量が低減され、
その照合処理も容易に行えるようになる。更に、本発明
によれば、認証のためのデータを、経時的な要因、電子
や磁気等の環境要因によって劣化することなく保有する
認証票を提供することが可能となる。
の構成例を示す図である。
模式図である。
Aマイクロアレイとのハイブリダイゼーション反応によ
って得られたハイブリダイゼーションパターンを示す模
式図である。
ける処理手順を説明するフローチャートである。
構成例を示す図である。
22)
Claims (22)
- 【請求項1】 所定の順序で複数種類のDNAプローブ
が配置されたDNAアレイと、採取されたDNAとを反
応させる反応手段と、 前記反応手段によって得られた反応後のDNAアレイ上
に形成されたパターンを用いて認証票を発行する発行手
段とを備えることを特徴とする認証票発行システム。 - 【請求項2】 前記発行手段は、前記反応後のDNAア
レイが添付された認証票を発行することを特徴とする請
求項1に記載の認証票発行システム。 - 【請求項3】 前記発行手段は、前記処理後のDNAア
レイ上に形成されたパターンを表すデータが記録された
認証票を発行することを特徴とする請求項1に記載の認
証票発行システム。 - 【請求項4】 前記パターンを表すデータが磁気記録に
よって記録されることを特徴とする請求項3に記載の認
証票発行システム。 - 【請求項5】 前記パターンを表すデータが電子情報の
形態で記録されることを特徴とする請求項3に記載の認
証票発行システム。 - 【請求項6】 前記DNAアレイのDNAプローブが主
要組織適合性抗原に関する遺伝子プローブで構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の認証票発行システ
ム。 - 【請求項7】 前記DNAアレイのDNAプローブが、
主要組織適合性抗原と遺伝子多型に関する遺伝子プロー
ブから構成されることを特徴とする請求項1に記載の認
証票発行システム。 - 【請求項8】 採取された血液からDNAを抽出して、
これを前記反応手段に提供する抽出手段を更に備えるこ
とを特徴とする請求項1に記載の認証票発行システム。 - 【請求項9】 前記発行手段は、前記処理後のDNAア
レイを認証票として発行することを特徴とする請求項1
に記載の認証票発行システム。 - 【請求項10】 所定の順序で複数種類のDNAプロー
ブが配置されたDNAアレイと、採取されたDNAとを
反応させる反応工程と、 前記反応工程によって得られた反応後のDNAアレイ上
に形成されたパターンを用いて認証票を発行する発行工
程とを備えることを特徴とする認証票発行方法。 - 【請求項11】 前記発行工程は、前記反応後のDNA
アレイが添付された認証票を発行することを特徴とする
請求項10に記載の認証票発行方法。 - 【請求項12】 前記発行工程は、前記処理後のDNA
アレイ上に形成されたパターンを表すデータが記録され
た認証票を発行することを特徴とする請求項10に記載
の認証票発行方法。 - 【請求項13】 前記パターンを表すデータが磁気記録
によって記録されることを特徴とする請求項12に記載
の認証票発行方法。 - 【請求項14】 前記パターンを表すデータが電子情報
の形態で記録されることを特徴とする請求項12に記載
の認証票発行方法。 - 【請求項15】 前記DNAアレイのDNAプローブが
主要組織適合性抗原に関する遺伝子プローブで構成され
ることを特徴とする請求項10に記載の認証票発行方
法。 - 【請求項16】 前記DNAアレイのDNAプローブ
が、主要組織適合性抗原と遺伝子多型に関する遺伝子プ
ローブから構成されることを特徴とする請求項10に記
載の認証票発行方法。 - 【請求項17】 採取された血液からDNAを抽出し
て、これを前記反応工程に提供する抽出工程を更に備え
ることを特徴とする請求項10に記載の認証票発行方
法。 - 【請求項18】 前記発行工程は、前記処理後のDNA
アレイを認証票として発行することを特徴とする請求項
10に記載の認証票発行方法。 - 【請求項19】 所定の順序で複数種類のDNAプロー
ブが配置されたDNAアレイと、採取されたDNAとを
反応させる反応手段と、 前記反応手段によって得られた反応後のDNAアレイ上
に形成されたパターンを用いて認証票を発行する発行手
段とを備えることを特徴とする認証票発行装置。 - 【請求項20】 前記発行手段は、前記反応後のDNA
アレイが添付された認証票を発行することを特徴とする
請求項19に記載の認証票発行装置。 - 【請求項21】 前記発行手段は、前記処理後のDNA
アレイ上に形成されたパターンを表すデータが記録され
た認証票を発行することを特徴とする請求項19に記載
の認証票発行装置。 - 【請求項22】 採取された血液からDNAを抽出し
て、これを前記反応手段に提供する抽出手段を更に備え
ることを特徴とする請求項19に記載の認証票発行装
置。
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