JP2002072177A - 透明導電膜付き基板及びその製造方法、並びに液晶表示素子 - Google Patents
透明導電膜付き基板及びその製造方法、並びに液晶表示素子Info
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- JP2002072177A JP2002072177A JP2000255414A JP2000255414A JP2002072177A JP 2002072177 A JP2002072177 A JP 2002072177A JP 2000255414 A JP2000255414 A JP 2000255414A JP 2000255414 A JP2000255414 A JP 2000255414A JP 2002072177 A JP2002072177 A JP 2002072177A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ガスが放出されるのを効果的に防止すると共
に、密着性に優れたものとした。 【解決手段】 所定の有機ケイ素化合物及びその加水分
解生成物をディップ法で樹脂基板1の全周に塗布して有
機ケイ素膜2を形成し、次いでSiO2が過飽和状態と
されたH2SiF6溶液に前記樹脂基板1を浸漬して有機
ケイ素膜2の全周にSiO2を析出させ、Si−OH基
を含有したSiO2膜3を形成し、次いで、アーク放電
イオンプレーティング法又はスパッタリング法でSiO
2膜3の表面にITO膜4を積層する。
に、密着性に優れたものとした。 【解決手段】 所定の有機ケイ素化合物及びその加水分
解生成物をディップ法で樹脂基板1の全周に塗布して有
機ケイ素膜2を形成し、次いでSiO2が過飽和状態と
されたH2SiF6溶液に前記樹脂基板1を浸漬して有機
ケイ素膜2の全周にSiO2を析出させ、Si−OH基
を含有したSiO2膜3を形成し、次いで、アーク放電
イオンプレーティング法又はスパッタリング法でSiO
2膜3の表面にITO膜4を積層する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明導電膜付き基板
及びその製造方法、並びに液晶表示素子に関し、より詳
しくは、透明な樹脂製基板上に透明導電膜を形成した透
明導電膜付き基板、及び該透明導電膜付き基板の製造方
法、並びに前記透明導電膜付き基板を使用した液晶表示
素子に関する。
及びその製造方法、並びに液晶表示素子に関し、より詳
しくは、透明な樹脂製基板上に透明導電膜を形成した透
明導電膜付き基板、及び該透明導電膜付き基板の製造方
法、並びに前記透明導電膜付き基板を使用した液晶表示
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話等の各種電子機器に使用される
液晶表示素子においては、従来より、その基板として
は、透過性に優れ、しかも耐薬品性や耐熱性の良好なガ
ラス基板が主として使用されていた。
液晶表示素子においては、従来より、その基板として
は、透過性に優れ、しかも耐薬品性や耐熱性の良好なガ
ラス基板が主として使用されていた。
【0003】しかしながら、近年、軽薄短小化が要請さ
れる携帯用の電子機器においては、軽量で薄型化が可能
であり、しかも透明性に優れた可撓性を有する樹脂製の
基板(以下、「樹脂基板」という)を使用した表示デバ
イスの開発が盛んに行われている。
れる携帯用の電子機器においては、軽量で薄型化が可能
であり、しかも透明性に優れた可撓性を有する樹脂製の
基板(以下、「樹脂基板」という)を使用した表示デバ
イスの開発が盛んに行われている。
【0004】そして、樹脂材料を使用した透明導電性積
層体としては、酸化インジウムスズ(以下、「ITO」
という)からなる透明導電膜をイオンプレーティング法
により透明な高分子フィルム基材上に積層する技術が既
に知られている(特開平6−306589号公報)。
層体としては、酸化インジウムスズ(以下、「ITO」
という)からなる透明導電膜をイオンプレーティング法
により透明な高分子フィルム基材上に積層する技術が既
に知られている(特開平6−306589号公報)。
【0005】該従来技術では、圧力勾配型放電によるイ
オンプレーティング法により温度80℃以下の低温雰囲
気で透明導電膜を樹脂基板に積層することができ、これ
により熱的ダメージを受けることのない透明導電性積層
体を得ることができる。
オンプレーティング法により温度80℃以下の低温雰囲
気で透明導電膜を樹脂基板に積層することができ、これ
により熱的ダメージを受けることのない透明導電性積層
体を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のようにイオンプレーティング法により樹脂基板上に
透明導電膜を直接形成する場合、成膜過程で樹脂基板の
内部からガスが放出して真空度が低下するため、所望の
低比抵抗の透明導電膜付き基板を得ることができないと
いう欠点がある。
来のようにイオンプレーティング法により樹脂基板上に
透明導電膜を直接形成する場合、成膜過程で樹脂基板の
内部からガスが放出して真空度が低下するため、所望の
低比抵抗の透明導電膜付き基板を得ることができないと
いう欠点がある。
【0007】また、樹脂材料は、ガラス等の無機材料に
比べて吸着水等のガスを透過し易く、樹脂基板を液晶表
示素子に使用した場合は、液晶層の劣化が生じ易いとい
う欠点がある。
比べて吸着水等のガスを透過し易く、樹脂基板を液晶表
示素子に使用した場合は、液晶層の劣化が生じ易いとい
う欠点がある。
【0008】したがって、樹脂材料から発生するガスを
排除する必要があるが、上記イオンプレーティング法等
の真空成膜法でITO膜を樹脂基板上に形成する場合
は、樹脂基板から発生するガスを減圧雰囲気下で排除処
理しなければならず、生産性の低下を招来する。
排除する必要があるが、上記イオンプレーティング法等
の真空成膜法でITO膜を樹脂基板上に形成する場合
は、樹脂基板から発生するガスを減圧雰囲気下で排除処
理しなければならず、生産性の低下を招来する。
【0009】そこで、生産性の低下を極力回避しつつ、
樹脂基板から発生するガスの放出を防止して低比抵抗の
透明導電膜付き基板を得る方策としては、樹脂基板とI
TO膜との間に二酸化ケイ素(SiO2)からなる透明
性の良好な下地膜をガスバリアとして介在させることが
考えられる。
樹脂基板から発生するガスの放出を防止して低比抵抗の
透明導電膜付き基板を得る方策としては、樹脂基板とI
TO膜との間に二酸化ケイ素(SiO2)からなる透明
性の良好な下地膜をガスバリアとして介在させることが
考えられる。
【0010】しかしながら、前記下地膜の一般的な製造
方法としては、スパッタリング法やイオンプレーティン
グ法等、乾燥雰囲気下での真空成膜法が広く知られてい
るが、斯かる真空成膜法で得られたSiO2膜は、ガス
放出を防止することができ、低比抵抗の透明導電膜付き
基板を得ることはできるものの、樹脂基板とSiO2膜
との密着性が悪く、SiO2膜が樹脂基板から容易に剥
離するという問題点が新たに生じる。
方法としては、スパッタリング法やイオンプレーティン
グ法等、乾燥雰囲気下での真空成膜法が広く知られてい
るが、斯かる真空成膜法で得られたSiO2膜は、ガス
放出を防止することができ、低比抵抗の透明導電膜付き
基板を得ることはできるものの、樹脂基板とSiO2膜
との密着性が悪く、SiO2膜が樹脂基板から容易に剥
離するという問題点が新たに生じる。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みなされたも
のであって、ガスが放出されるのを効果的に防止すると
共に、密着性に優れた透明導電膜付き基板及びその製造
方法、並びにバックライト光の反射損失を低減すること
ができる液晶表示素子を提供することを目的とする。
のであって、ガスが放出されるのを効果的に防止すると
共に、密着性に優れた透明導電膜付き基板及びその製造
方法、並びにバックライト光の反射損失を低減すること
ができる液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】樹脂基板から発生するガ
スの放出を防止するためには、透明導電膜と樹脂基板と
の間にSiO2膜を介在させてガスバリア層を設けるの
が、現時点では最良の方策と考えられることから、本発
明者等は、SiO2膜の界面での樹脂基板や透明導電膜
との密着性に関して鋭意研究をしたところ、SiO2膜
中のシラノール基(以下、「Si−OH基」という。)
の含有の有無と前記密着性との間に相関関係があり、S
iO2膜中にSi−OH基を含有した下地膜を樹脂基板
と透明導電膜との間に介在させることにより、密着性を
飛躍的に向上させることができるという知見を得た。
スの放出を防止するためには、透明導電膜と樹脂基板と
の間にSiO2膜を介在させてガスバリア層を設けるの
が、現時点では最良の方策と考えられることから、本発
明者等は、SiO2膜の界面での樹脂基板や透明導電膜
との密着性に関して鋭意研究をしたところ、SiO2膜
中のシラノール基(以下、「Si−OH基」という。)
の含有の有無と前記密着性との間に相関関係があり、S
iO2膜中にSi−OH基を含有した下地膜を樹脂基板
と透明導電膜との間に介在させることにより、密着性を
飛躍的に向上させることができるという知見を得た。
【0013】すなわち、SiO2膜を樹脂基板上に形成
する方法としては、スパッタリング法や蒸着法等の真空
成膜法の他、SiO2が過飽和状態にあるケイフッ化水
素酸(H2SiF6)溶液に樹脂基板を浸漬し、該樹脂基
板の表面にSiO2を析出させる方法(以下、「析出
法」という。)が知られている(例えば、特公平7−6
2087号公報)。
する方法としては、スパッタリング法や蒸着法等の真空
成膜法の他、SiO2が過飽和状態にあるケイフッ化水
素酸(H2SiF6)溶液に樹脂基板を浸漬し、該樹脂基
板の表面にSiO2を析出させる方法(以下、「析出
法」という。)が知られている(例えば、特公平7−6
2087号公報)。
【0014】そして、本発明者等の研究結果により、乾
式で行われる真空成膜法ではSiO 2膜中にはSi−O
H基の存在が認められなかったのに対し、湿式であるH
2SiF6溶液からの析出法ではSiO2膜中にはSi−
OH基の存在が認められ、しかも析出法で得られたSi
O2膜は、樹脂基板から容易には剥離せず、樹脂基板へ
の密着性が極めて良好であるこが判明した。すなわち、
本発明者等は、Si−OH基を含有したSiO2膜を樹
脂基板と透明導電膜との間に下地膜として介在させるこ
とにより、樹脂基板から発生するガスの放出を効果的に
防止することができると共に、樹脂基板への密着性を飛
躍的に向上させることができるという知見を得た。
式で行われる真空成膜法ではSiO 2膜中にはSi−O
H基の存在が認められなかったのに対し、湿式であるH
2SiF6溶液からの析出法ではSiO2膜中にはSi−
OH基の存在が認められ、しかも析出法で得られたSi
O2膜は、樹脂基板から容易には剥離せず、樹脂基板へ
の密着性が極めて良好であるこが判明した。すなわち、
本発明者等は、Si−OH基を含有したSiO2膜を樹
脂基板と透明導電膜との間に下地膜として介在させるこ
とにより、樹脂基板から発生するガスの放出を効果的に
防止することができると共に、樹脂基板への密着性を飛
躍的に向上させることができるという知見を得た。
【0015】本発明は斯かる知見に基づきなされたもの
であって、本発明に係る透明導電膜付き基板は、Si−
OH基を含有したSiO2を主成分とする第1の下地膜
が、樹脂基板の少なくとも表面に形成され、さらに前記
第1の下地膜の表面に透明導電膜が形成されていること
を特徴としている。
であって、本発明に係る透明導電膜付き基板は、Si−
OH基を含有したSiO2を主成分とする第1の下地膜
が、樹脂基板の少なくとも表面に形成され、さらに前記
第1の下地膜の表面に透明導電膜が形成されていること
を特徴としている。
【0016】そして、前記透明導電膜はイオンプレーテ
ィング法で成膜されるのが好ましい。
ィング法で成膜されるのが好ましい。
【0017】すなわち、前記透明導電膜をイオンプレー
ティング法で成膜した場合は、低比抵抗の透明導電膜付
き基板を得ることができると共に、成膜雰囲気中のプラ
ズマ内に存在する電子の衝突エネルギが大きく、蒸発粒
子のうち活性化されているものの割合が大きいので、S
iO2膜中のSi−OH基との密着性に優れ、良好な耐
剥離性を有するITO膜4を得ることができる。
ティング法で成膜した場合は、低比抵抗の透明導電膜付
き基板を得ることができると共に、成膜雰囲気中のプラ
ズマ内に存在する電子の衝突エネルギが大きく、蒸発粒
子のうち活性化されているものの割合が大きいので、S
iO2膜中のSi−OH基との密着性に優れ、良好な耐
剥離性を有するITO膜4を得ることができる。
【0018】さらに、前記第1の下地膜は、クラックの
発生や樹脂基板からのガスの放出を防止し、良好な密着
性を確保するためには、その膜厚を20nm〜200n
mとするのが好ましい。
発生や樹脂基板からのガスの放出を防止し、良好な密着
性を確保するためには、その膜厚を20nm〜200n
mとするのが好ましい。
【0019】また、本発明の透明導電膜付き基板は、下
記一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物及びその
加水分解生成物(以下、「有機ケイ素化合物等」とい
う)を含有した第2の下地膜が、前記樹脂基板と前記第
1の下地膜との間に介在されていることを特徴とするの
も好ましい。
記一般式(1)で表わされる有機ケイ素化合物及びその
加水分解生成物(以下、「有機ケイ素化合物等」とい
う)を含有した第2の下地膜が、前記樹脂基板と前記第
1の下地膜との間に介在されていることを特徴とするの
も好ましい。
【0020】Rn(Si)R′4-n…(1) 但し、Rはメタクリロキシ基、ビニル基、アミノ基、メ
ルカプト基、エポキシ基、炭素数が1〜6の炭化水素
基、フッ素又は塩素を含有した有機官能基、R′はアル
コキシル基、アセトキシル基及び塩素から選択された1
種以上の加水分解性基、nは0〜4の自然数を示す。
ルカプト基、エポキシ基、炭素数が1〜6の炭化水素
基、フッ素又は塩素を含有した有機官能基、R′はアル
コキシル基、アセトキシル基及び塩素から選択された1
種以上の加水分解性基、nは0〜4の自然数を示す。
【0021】すなわち、一般式(1)で表わされる有機
ケイ素化合物等のうち、加水分解生成物にはSi−OH
基が含有されるため、SiO2膜中のSi−OH基と相
俟って化学的親和性が増大し、界面での密着力がより強
固なものとなる。しかも、密着力を向上させることによ
り、樹脂基板が屈曲しても剥離するのを極力回避するこ
とができ、したがって耐屈曲性を向上させることができ
る。
ケイ素化合物等のうち、加水分解生成物にはSi−OH
基が含有されるため、SiO2膜中のSi−OH基と相
俟って化学的親和性が増大し、界面での密着力がより強
固なものとなる。しかも、密着力を向上させることによ
り、樹脂基板が屈曲しても剥離するのを極力回避するこ
とができ、したがって耐屈曲性を向上させることができ
る。
【0022】また、所望の密着性を確保するためには、
前記第2の下地膜の膜厚は、2nm〜200nmである
ことが望ましい。
前記第2の下地膜の膜厚は、2nm〜200nmである
ことが望ましい。
【0023】また、前記透明導電膜付き基板を液晶表示
素子に使用する場合、樹脂基板が白濁するのを防止して
耐候性を確保するためには樹脂基板が外気に晒されるの
を回避するのが望ましく、斯かる観点からは、前記第1
及び第2の下地膜は、一方の表面のみではなく、前記樹
脂基板の全周に亙って形成されることが好ましい。しか
も、前記樹脂基板の全周に前記第1及び第2の下地膜を
形成することにより、樹脂基板が外部に露出するのを回
避することができ、樹脂基板が薬品に侵食されることも
なく、耐薬品性が向上する。
素子に使用する場合、樹脂基板が白濁するのを防止して
耐候性を確保するためには樹脂基板が外気に晒されるの
を回避するのが望ましく、斯かる観点からは、前記第1
及び第2の下地膜は、一方の表面のみではなく、前記樹
脂基板の全周に亙って形成されることが好ましい。しか
も、前記樹脂基板の全周に前記第1及び第2の下地膜を
形成することにより、樹脂基板が外部に露出するのを回
避することができ、樹脂基板が薬品に侵食されることも
なく、耐薬品性が向上する。
【0024】また、上記透明導電膜付き基板は、Si−
OH基を含有したSiO2膜を析出法により樹脂基板の
全周に形成した後、透明導電膜をSiO2膜の表面に積
層することにより容易に製造することができる。
OH基を含有したSiO2膜を析出法により樹脂基板の
全周に形成した後、透明導電膜をSiO2膜の表面に積
層することにより容易に製造することができる。
【0025】すなわち、本発明に係る透明導電膜付き基
板の製造方法は、SiO2が過飽和状態とされた処理液
に樹脂基板を浸漬してSiO2を主成分とする被膜成分
を前記樹脂基板の全表面に析出させ、第1の下地膜を形
成する析出工程と、該第1の下地膜で被覆された透明基
板の表面に(好ましくは、圧力勾配型放電によるイオン
プレーティングにより)透明導電膜を形成する成膜工程
とを含むことを特徴としている。
板の製造方法は、SiO2が過飽和状態とされた処理液
に樹脂基板を浸漬してSiO2を主成分とする被膜成分
を前記樹脂基板の全表面に析出させ、第1の下地膜を形
成する析出工程と、該第1の下地膜で被覆された透明基
板の表面に(好ましくは、圧力勾配型放電によるイオン
プレーティングにより)透明導電膜を形成する成膜工程
とを含むことを特徴としている。
【0026】さらに、本発明の透明導電膜付き基板は、
上記一般式(1)で表わされる所定の有機ケイ素化合物
等を含む溶液に前記透明基板を浸漬して該樹脂基板の周
囲を第2の下地膜で被覆する前処理工程を含み、該前処
理工程は、前記被覆工程の実行前に実行することを特徴
とするのが好ましく、このように前記被覆工程の実行前
に前記前処理工程を実行することにより、樹脂基板と第
1の下地膜との間には容易に第2の下地膜を介在させる
ことができる。
上記一般式(1)で表わされる所定の有機ケイ素化合物
等を含む溶液に前記透明基板を浸漬して該樹脂基板の周
囲を第2の下地膜で被覆する前処理工程を含み、該前処
理工程は、前記被覆工程の実行前に実行することを特徴
とするのが好ましく、このように前記被覆工程の実行前
に前記前処理工程を実行することにより、樹脂基板と第
1の下地膜との間には容易に第2の下地膜を介在させる
ことができる。
【0027】さらに、本発明に係る液晶表示素子は、2
個の上記透明導電膜付き基板の間に液晶層が介在される
と共に、該透明導電膜付き基板を構成する第1の下地膜
にSi−OH基が含有されていることを特徴としてい
る。
個の上記透明導電膜付き基板の間に液晶層が介在される
と共に、該透明導電膜付き基板を構成する第1の下地膜
にSi−OH基が含有されていることを特徴としてい
る。
【0028】また、SiO2を主成分とする第1の下地
膜中にフッ素が含有されている場合、スパッタリング法
等の真空成膜法で作製されたSiO2膜(屈折率1.4
6〜1.47)に比べ、屈折率が小さく(約1.4
4)、樹脂基板の屈折率(1.50〜1.60)との差
異を大きくすることができる。したがって、SiO2膜
の膜厚を適切な値とすることにより、液晶表示素子のバ
ックライト光の反射損失を効果的に低減して透過率を向
上させることができ、したがってバックライト光の照明
損失を低減することができ、低消費電力でもって明るい
表示を行うことのできる液晶表示素子を得ることができ
る。
膜中にフッ素が含有されている場合、スパッタリング法
等の真空成膜法で作製されたSiO2膜(屈折率1.4
6〜1.47)に比べ、屈折率が小さく(約1.4
4)、樹脂基板の屈折率(1.50〜1.60)との差
異を大きくすることができる。したがって、SiO2膜
の膜厚を適切な値とすることにより、液晶表示素子のバ
ックライト光の反射損失を効果的に低減して透過率を向
上させることができ、したがってバックライト光の照明
損失を低減することができ、低消費電力でもって明るい
表示を行うことのできる液晶表示素子を得ることができ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳説する。
に基づいて詳説する。
【0030】図1は本発明に係る透明導電膜付き基板の
断面図である。
断面図である。
【0031】同図において、1は樹脂基板であって、該
樹脂基板1の全周には有機ケイ素化合物膜(以下、単に
「有機ケイ素膜」という。)(第2の下地膜)2が形成
され、さらに該有機ケイ素膜2の全周にはSi−OH基
を含有したSiO2膜(第1の下地膜)3が形成され、
さらに該SiO2膜3の一方の表面にはITO膜4が積
層されている。
樹脂基板1の全周には有機ケイ素化合物膜(以下、単に
「有機ケイ素膜」という。)(第2の下地膜)2が形成
され、さらに該有機ケイ素膜2の全周にはSi−OH基
を含有したSiO2膜(第1の下地膜)3が形成され、
さらに該SiO2膜3の一方の表面にはITO膜4が積
層されている。
【0032】樹脂基板1としては、ポリカーボネート樹
脂、ポリメタクリルアセテート(PMMA)樹脂、ポリ
エチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、
ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂、ノルボルナン
樹脂等、透明性に優れた各種樹脂材料を使用することが
できる。
脂、ポリメタクリルアセテート(PMMA)樹脂、ポリ
エチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、
ポリエーテルサルフォン(PES)樹脂、ノルボルナン
樹脂等、透明性に優れた各種樹脂材料を使用することが
できる。
【0033】また、有機ケイ素膜2は、一般式(1)で
表わされる有機ケイ素化合物及びその加水分解生成物で
構成されている。
表わされる有機ケイ素化合物及びその加水分解生成物で
構成されている。
【0034】Rn(Si)R′4-n …(1) 但し、Rはメタクリロキシ基、ビニル基、アミノ基、メ
ルカプト基、エポキシ基、炭素数が1〜6の炭化水素
基、フッ素又は塩素を含有した有機官能基であり、R′
はアルコキシル基、アセトキシル基及び塩素から選択さ
れた1種以上の加水分解性基であり、nは0〜4の自然
数を示している。
ルカプト基、エポキシ基、炭素数が1〜6の炭化水素
基、フッ素又は塩素を含有した有機官能基であり、R′
はアルコキシル基、アセトキシル基及び塩素から選択さ
れた1種以上の加水分解性基であり、nは0〜4の自然
数を示している。
【0035】具体的には、上記有機ケイ素化合物として
は、3−メタクリロキシプロピルジクロロシラン、3−
メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−
メタクリロキシプロピルメチルメトキシエトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシアセトキシ
シラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシエトキ
シシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシエチルメチルジクロロシラ
ン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリクロロシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルメチルジクロ
ロシラン、アリルトリクロロシラン、3−アミノプロピ
ルメチルジクロロシラン、3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルメチリジエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン等を使用することができる。
は、3−メタクリロキシプロピルジクロロシラン、3−
メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−
メタクリロキシプロピルメチルメトキシエトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシアセトキシ
シラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシエトキ
シシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−メタクリロキシエチルメチルジクロロシラ
ン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリクロロシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルメチルジクロ
ロシラン、アリルトリクロロシラン、3−アミノプロピ
ルメチルジクロロシラン、3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、3−アミノプロピルメチリジエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン等を使用することができる。
【0036】また、SiO2膜3の膜厚は20nm〜2
00nmに設定され、また有機ケイ素膜2の膜厚は2n
m〜200nmに設定されているが、その理由は以下の
通りである。 (1)SiO2膜3の膜厚 SiO2膜3は、樹脂基板1から放出されるガスの透過
を防止するガスバリアとしての作用を呈するが、SiO
2膜3の膜厚が20nm未満の場合は樹脂基板1から放
出されるガスの透過防止効果を十分に発揮することがで
きず、またSiO2膜3に含有されるSi−OH基が少
ないため十分な密着性を確保することができない。一
方、SiO2膜3の膜厚が200nmを超えるとクラッ
クが発生しやすくなり、また成膜工程の生産性が低下す
る。そこで、本実施の形態では、SiO2膜3の膜厚を
20nm〜200nmに設定した。 (2)有機ケイ素膜2の膜厚 有機ケイ素膜2を樹脂基板1とSiO2膜3との間に介
在させると、密着性が向上すると共に、透明導電膜付き
基板の耐屈曲性を向上させることができるが、有機ケイ
素膜2の膜厚が2nm未満の場合は樹脂基板1上に均一
且つ確実に膜形成することが困難となり、樹脂基板1の
表面全域に亙って密着性を確保することができなくなる
虞がある。一方、有機ケイ素膜2の膜厚が200nmを
超える値に設定しても最早密着性の向上に効果が生じな
いばかりか、膜の乾燥硬化によりクラックが発生した
り、均一な膜厚に膜形成することが困難となる。そこ
で、本実施の形態では、有機ケイ素化膜2の膜厚を2n
m〜200nm、好ましくは5nm〜150nm、より
好ましくは10nm〜100nmに設定した。
00nmに設定され、また有機ケイ素膜2の膜厚は2n
m〜200nmに設定されているが、その理由は以下の
通りである。 (1)SiO2膜3の膜厚 SiO2膜3は、樹脂基板1から放出されるガスの透過
を防止するガスバリアとしての作用を呈するが、SiO
2膜3の膜厚が20nm未満の場合は樹脂基板1から放
出されるガスの透過防止効果を十分に発揮することがで
きず、またSiO2膜3に含有されるSi−OH基が少
ないため十分な密着性を確保することができない。一
方、SiO2膜3の膜厚が200nmを超えるとクラッ
クが発生しやすくなり、また成膜工程の生産性が低下す
る。そこで、本実施の形態では、SiO2膜3の膜厚を
20nm〜200nmに設定した。 (2)有機ケイ素膜2の膜厚 有機ケイ素膜2を樹脂基板1とSiO2膜3との間に介
在させると、密着性が向上すると共に、透明導電膜付き
基板の耐屈曲性を向上させることができるが、有機ケイ
素膜2の膜厚が2nm未満の場合は樹脂基板1上に均一
且つ確実に膜形成することが困難となり、樹脂基板1の
表面全域に亙って密着性を確保することができなくなる
虞がある。一方、有機ケイ素膜2の膜厚が200nmを
超える値に設定しても最早密着性の向上に効果が生じな
いばかりか、膜の乾燥硬化によりクラックが発生した
り、均一な膜厚に膜形成することが困難となる。そこ
で、本実施の形態では、有機ケイ素化膜2の膜厚を2n
m〜200nm、好ましくは5nm〜150nm、より
好ましくは10nm〜100nmに設定した。
【0037】そして、本実施の形態では、有機ケイ素膜
2及びSiO2膜3の双方にSi−OH基が含有されて
いるため、化学親和性が増大し各界面での密着力が強固
なものとなり、耐剥離性が向上する。しかも、密着力を
向上させることにより、樹脂基板が屈曲しても破損する
のを極力回避することができ、したがって耐屈曲性を向
上させることができ、例えば、本透明導電膜付き基板が
液晶表示素子に組み込まれて携帯電話等の携帯機器に使
用された場合、ズボンのポケット等に携帯機器を入れて
も破損するのを回避することが可能となる。
2及びSiO2膜3の双方にSi−OH基が含有されて
いるため、化学親和性が増大し各界面での密着力が強固
なものとなり、耐剥離性が向上する。しかも、密着力を
向上させることにより、樹脂基板が屈曲しても破損する
のを極力回避することができ、したがって耐屈曲性を向
上させることができ、例えば、本透明導電膜付き基板が
液晶表示素子に組み込まれて携帯電話等の携帯機器に使
用された場合、ズボンのポケット等に携帯機器を入れて
も破損するのを回避することが可能となる。
【0038】また、樹脂基板1の表面が外気に晒される
ことがないので、耐候性にも優れ、白濁等が生じるのを
回避することができる。しかも、樹脂基板1が外部に露
出していないので、エッチング等の加工処理を行っても
樹脂基板が酸やアルカリ等の薬品に侵されることがな
く、優れた耐薬品性を有する。
ことがないので、耐候性にも優れ、白濁等が生じるのを
回避することができる。しかも、樹脂基板1が外部に露
出していないので、エッチング等の加工処理を行っても
樹脂基板が酸やアルカリ等の薬品に侵されることがな
く、優れた耐薬品性を有する。
【0039】次に、上記透明導電膜付き基板の製造方法
について説明する。
について説明する。
【0040】まず、塗布工程5では樹脂基板1を所定の
プライマ溶液が満たされた浸漬槽に浸漬し、樹脂基板1
の全周にプライマを塗布する。
プライマ溶液が満たされた浸漬槽に浸漬し、樹脂基板1
の全周にプライマを塗布する。
【0041】すなわち、上記一般式(1)で表わされる
有機ケイ素化合物等を含有したプライマ溶液に樹脂基板
1を浸漬し、ディップ法により引き上げ速度等の塗布条
件を適宜調整し、樹脂基板1の全周に亙って膜厚2nm
〜200nmの有機ケイ素膜2を形成する。
有機ケイ素化合物等を含有したプライマ溶液に樹脂基板
1を浸漬し、ディップ法により引き上げ速度等の塗布条
件を適宜調整し、樹脂基板1の全周に亙って膜厚2nm
〜200nmの有機ケイ素膜2を形成する。
【0042】尚、上記所望の膜厚範囲内の有機ケイ素膜
2を得るためには、プライマ溶液中の有機ケイ素化合物
等の含有量は0.2wt%〜5wt%が好ましい。ま
た、使用する溶媒としては樹脂基板1に対する溶解能が
低く、しかも濡れ性が良好なことが望ましく、斯かる観
点から安価で入手容易なエチルアルコール、プロピルア
ルコールなどのアルコール系溶媒を使用するのが好まし
い。
2を得るためには、プライマ溶液中の有機ケイ素化合物
等の含有量は0.2wt%〜5wt%が好ましい。ま
た、使用する溶媒としては樹脂基板1に対する溶解能が
低く、しかも濡れ性が良好なことが望ましく、斯かる観
点から安価で入手容易なエチルアルコール、プロピルア
ルコールなどのアルコール系溶媒を使用するのが好まし
い。
【0043】このようにして有機ケイ素膜2を形成し、
風乾、ヒータによる熱風乾燥、紫外線照射等、所定の乾
燥方法で乾燥硬化させた後、析出工程6に進み、有機ケ
イ素膜2の全周にSiO2膜3を形成する。
風乾、ヒータによる熱風乾燥、紫外線照射等、所定の乾
燥方法で乾燥硬化させた後、析出工程6に進み、有機ケ
イ素膜2の全周にSiO2膜3を形成する。
【0044】図3はSiO2膜3を形成するためのSi
O2膜析出槽の概略構成図であって、該SiO2膜析出槽
は、外槽部31と内槽部32とを有し、内槽部32には
底部に多数の孔33が形成された断面L字状の第1の仕
切板34と平板状の第2の仕切板35とが設けられ、内
槽部32は3部屋(第1〜第3の内槽32a〜32c)
に分割されている。また外槽部31には第1の撹拌器3
6及びヒータ37が配設されると共に第3の内槽32c
には第2の撹拌器38が配設され、さらに、内槽部32
には循環ポンプ39及びフィルタ40が接続されてい
る。
O2膜析出槽の概略構成図であって、該SiO2膜析出槽
は、外槽部31と内槽部32とを有し、内槽部32には
底部に多数の孔33が形成された断面L字状の第1の仕
切板34と平板状の第2の仕切板35とが設けられ、内
槽部32は3部屋(第1〜第3の内槽32a〜32c)
に分割されている。また外槽部31には第1の撹拌器3
6及びヒータ37が配設されると共に第3の内槽32c
には第2の撹拌器38が配設され、さらに、内槽部32
には循環ポンプ39及びフィルタ40が接続されてい
る。
【0045】そして、外槽部31には水41が満たされ
ており、該水41はヒータ37により35〜40℃に加
熱されると共に、撹拌器36を駆動させることにより外
層部31内の水41を均一温度に維持するように構成さ
れている。
ており、該水41はヒータ37により35〜40℃に加
熱されると共に、撹拌器36を駆動させることにより外
層部31内の水41を均一温度に維持するように構成さ
れている。
【0046】内槽部32にはSiO2が過飽和状態とさ
れたH2SiF6溶液(以下、「処理液」という。)42
が満たされている。そして、斯かる処理液42は、以下
のようにして調整される。
れたH2SiF6溶液(以下、「処理液」という。)42
が満たされている。そして、斯かる処理液42は、以下
のようにして調整される。
【0047】すなわち、SiO2の供給源としてシリカ
ゲルやエアロゾル、シリカガラス等をH2SiF6中に溶
解させると共に、第2の撹拌器38で第3の内槽32c
を撹拌する。そして、循環ポンプ39を作動させて内槽
部32内の溶液を循環させながらフィルタ40で濾過す
る一方、例えば所定枚数の金属アルミニウム板43を第
3の内槽32cに浸漬して所定時間(例えば、10時
間)保持し、これによりSiO2が過飽和状態となった
H2SiF6溶液、すなわち処理液42を得ることができ
る。
ゲルやエアロゾル、シリカガラス等をH2SiF6中に溶
解させると共に、第2の撹拌器38で第3の内槽32c
を撹拌する。そして、循環ポンプ39を作動させて内槽
部32内の溶液を循環させながらフィルタ40で濾過す
る一方、例えば所定枚数の金属アルミニウム板43を第
3の内槽32cに浸漬して所定時間(例えば、10時
間)保持し、これによりSiO2が過飽和状態となった
H2SiF6溶液、すなわち処理液42を得ることができ
る。
【0048】尚、本実施の形態では第3の内槽32cに
所定枚数(例えば、3枚)の金属アルミニウム板を浸漬
したのは、処理液42中に金属アルミニウム43を溶解
混合させてSiO2膜3の成膜速度を増大させるためで
あり、H2SiF61molに対して1×10-3mol/hr〜
4×10-3mol/hrが好ましい。
所定枚数(例えば、3枚)の金属アルミニウム板を浸漬
したのは、処理液42中に金属アルミニウム43を溶解
混合させてSiO2膜3の成膜速度を増大させるためで
あり、H2SiF61molに対して1×10-3mol/hr〜
4×10-3mol/hrが好ましい。
【0049】また、本実施の形態では第3の内槽32c
に所定枚数の金属アルミニウム板43を浸漬して金属ア
ルミニウムを溶解混合しているが、金属アルミニウム板
43に代えて、或いは金属アルミニウム板43に加え
て、ホウ酸や塩化アルミニウム等の水溶液を連続的に添
加するようにして成膜速度の向上を図るのも好ましく、
この場合の添加量としては、H2SiF61molに対して
5×10-4mol/hr〜1×10-3mol/hrが好まし
い。
に所定枚数の金属アルミニウム板43を浸漬して金属ア
ルミニウムを溶解混合しているが、金属アルミニウム板
43に代えて、或いは金属アルミニウム板43に加え
て、ホウ酸や塩化アルミニウム等の水溶液を連続的に添
加するようにして成膜速度の向上を図るのも好ましく、
この場合の添加量としては、H2SiF61molに対して
5×10-4mol/hr〜1×10-3mol/hrが好まし
い。
【0050】尚、処理液42中のH2SiF6の含有量と
しては、1mol/l〜3mol/lが好ましく、特に、3mo
l/lより濃いH2SiF6にSiO2を飽和させた後、水
で希釈して1mol/l〜3mol/lの濃度としたものが成
膜速度が速く、効率良く膜形成を行なうことができる。
しては、1mol/l〜3mol/lが好ましく、特に、3mo
l/lより濃いH2SiF6にSiO2を飽和させた後、水
で希釈して1mol/l〜3mol/lの濃度としたものが成
膜速度が速く、効率良く膜形成を行なうことができる。
【0051】そして、このようにして処理液42が満た
された内槽部32の第2の内槽32bに有機ケイ素膜2
が形成された樹脂基板1を浸漬し、これにより有機ケイ
素膜2の全表面にはSi−OH基を含有したSiO2膜
3が形成される。しかも、処理液42は第1及び第2の
仕切板34、35を介して矢印C〜Fに示すように層流
となり、処理液42は循環ポンプ39を介して樹脂基板
1に沿うような形で流れ、これにより樹脂基板1上には
膜厚の均一なSiO2膜3を形成することができる。
された内槽部32の第2の内槽32bに有機ケイ素膜2
が形成された樹脂基板1を浸漬し、これにより有機ケイ
素膜2の全表面にはSi−OH基を含有したSiO2膜
3が形成される。しかも、処理液42は第1及び第2の
仕切板34、35を介して矢印C〜Fに示すように層流
となり、処理液42は循環ポンプ39を介して樹脂基板
1に沿うような形で流れ、これにより樹脂基板1上には
膜厚の均一なSiO2膜3を形成することができる。
【0052】次に、このようにしてSiO2膜3が全面
に形成された樹脂基板1は、成膜工程7に進み、アーク
放電イオンプレーティング法(以下、「IP法」とい
う。)によりSiO2膜3の表面にITO膜4を形成す
る。
に形成された樹脂基板1は、成膜工程7に進み、アーク
放電イオンプレーティング法(以下、「IP法」とい
う。)によりSiO2膜3の表面にITO膜4を形成す
る。
【0053】図4は、ITO膜4の膜形成に使用される
プラズマ蒸着装置の概略構成図である。
プラズマ蒸着装置の概略構成図である。
【0054】すなわち、該プラズマ蒸着装置8は、放電
ガスが導入されるガス導入口9と、装置内部を減圧状態
にするための真空排気口10と、被成膜物としての樹脂
基板1の供給・排出を行う開閉バルブ11a、11bと
が設けられ、また装置側壁には圧力勾配型のプラズマガ
ン12が挿着されている。また、装置下部には蒸着材料
であるITO焼結体が充填されたハース15が載置さ
れ、装置上部には加熱ヒータ16が配設されている。
ガスが導入されるガス導入口9と、装置内部を減圧状態
にするための真空排気口10と、被成膜物としての樹脂
基板1の供給・排出を行う開閉バルブ11a、11bと
が設けられ、また装置側壁には圧力勾配型のプラズマガ
ン12が挿着されている。また、装置下部には蒸着材料
であるITO焼結体が充填されたハース15が載置さ
れ、装置上部には加熱ヒータ16が配設されている。
【0055】そして、該プラズマ蒸着装置8では、装置
内部を所定圧力(例えば、0.4Pa)に減圧すると共
に、ガス導入口9から10vol%〜20vol%のO2を含
有したArガスを供給し、放電電流50A〜200A
下、プラズマガン12内でプラズマを発生させる。そし
てプラズマガン12内で発生したプラズマは、破線で示
すように約90°に折曲されてハース15内の蒸着材料
を照射し(符号17で示す)、これにより蒸着材料を蒸
発させ、コンベヤ18を矢印A方向に搬送されている樹
脂基板1上に膜厚100〜300nmのITO膜4を形
成し、透明導電膜付き基板を製造することができる。
内部を所定圧力(例えば、0.4Pa)に減圧すると共
に、ガス導入口9から10vol%〜20vol%のO2を含
有したArガスを供給し、放電電流50A〜200A
下、プラズマガン12内でプラズマを発生させる。そし
てプラズマガン12内で発生したプラズマは、破線で示
すように約90°に折曲されてハース15内の蒸着材料
を照射し(符号17で示す)、これにより蒸着材料を蒸
発させ、コンベヤ18を矢印A方向に搬送されている樹
脂基板1上に膜厚100〜300nmのITO膜4を形
成し、透明導電膜付き基板を製造することができる。
【0056】このようにIP法により成膜されたITO
膜4は、低比抵抗であると共に、電子の衝突エネルギが
大きく活性化されている割合が大きいので、SiO2膜
3中のSi−OH基との密着性に優れ、良好な耐剥離性
を有するITO膜4を得ることができる。
膜4は、低比抵抗であると共に、電子の衝突エネルギが
大きく活性化されている割合が大きいので、SiO2膜
3中のSi−OH基との密着性に優れ、良好な耐剥離性
を有するITO膜4を得ることができる。
【0057】尚、本実施の形態は上記実施の形態に限定
されることはない。例えば、塗布工程5を行う前に、コ
ロナ放電処理、UVオゾン洗浄処理等を利用して親水化
処理を行い、これにより樹脂基板1の表面の酸化や活性
化、表面の汚れや油成分を予め除去するようにしてもよ
い。
されることはない。例えば、塗布工程5を行う前に、コ
ロナ放電処理、UVオゾン洗浄処理等を利用して親水化
処理を行い、これにより樹脂基板1の表面の酸化や活性
化、表面の汚れや油成分を予め除去するようにしてもよ
い。
【0058】また、析出法で有機ケイ素膜2の全周をS
iO2膜3で被覆した後、高周波コイルを使用したグロ
ー放電によりプラズマを発生させ、SiO2膜3の表面
をプラズマ処理してもよい。
iO2膜3で被覆した後、高周波コイルを使用したグロ
ー放電によりプラズマを発生させ、SiO2膜3の表面
をプラズマ処理してもよい。
【0059】また、上記成膜工程7ではIP法でITO
膜4を形成したが、必要に応じてIP法に代えてスパッ
タリング法でITO膜4を形成してもよい。
膜4を形成したが、必要に応じてIP法に代えてスパッ
タリング法でITO膜4を形成してもよい。
【0060】図5は、ITO膜4をスパッタリング法で
形成する場合に使用されるスパッタリング装置の概略構
成図である。
形成する場合に使用されるスパッタリング装置の概略構
成図である。
【0061】すなわち、該スパッタリング装置19は、
スパッタリングガスが導入されるガス導入口20と、装
置内部を減圧状態にするための真空排気口21と、樹脂
基板1の供給・排出を行う開閉バルブ22a、22bが
設けられている。そして、装置下部には直流電源により
負電圧が印加されるカソード23が配設され、また、装
置上部には加熱ヒータ25が配設されている。
スパッタリングガスが導入されるガス導入口20と、装
置内部を減圧状態にするための真空排気口21と、樹脂
基板1の供給・排出を行う開閉バルブ22a、22bが
設けられている。そして、装置下部には直流電源により
負電圧が印加されるカソード23が配設され、また、装
置上部には加熱ヒータ25が配設されている。
【0062】そして、該スパッタリング装置19におい
ては、カソード23の表面にターゲット物質24(例え
ば、10wt%のSnO2粉末を含有したIn2O3)が
載置され、所定のスパッタリング条件下、スパッタリン
グガスをガス導入口20から供給し、加速されたスパッ
タリングガスイオンをターゲット物質24に照射して弾
き飛ばす。そして、必要に応じて樹脂基板1を加熱ヒー
タ25で加熱すると共に、コンベヤ29上を矢印B方向
に搬送されている樹脂基板1の表面(図では下面)に成
膜し、透明導電膜付き基板を製造することができる。
ては、カソード23の表面にターゲット物質24(例え
ば、10wt%のSnO2粉末を含有したIn2O3)が
載置され、所定のスパッタリング条件下、スパッタリン
グガスをガス導入口20から供給し、加速されたスパッ
タリングガスイオンをターゲット物質24に照射して弾
き飛ばす。そして、必要に応じて樹脂基板1を加熱ヒー
タ25で加熱すると共に、コンベヤ29上を矢印B方向
に搬送されている樹脂基板1の表面(図では下面)に成
膜し、透明導電膜付き基板を製造することができる。
【0063】図6は上述の如く製造された2個の透明導
電膜付き基板を使用した液晶表示素子を模式的に示した
断面図である。
電膜付き基板を使用した液晶表示素子を模式的に示した
断面図である。
【0064】すなわち、ITO膜4a、4bをストライ
プ状に形成した第1及び第2の透明導電膜付き基板50
a、50bが、ITO膜4a、4bが互いに直交状とな
るように対向配置されると共に、SiO2膜3aとSi
O2膜3bとはエポキシ樹脂27で接着されている。そ
して、これらSiO2膜3a、3b及びエポキシ樹脂2
7とで空間部が画成され、該空間部にSTN(Super Tw
isted Nematic)等の液晶28が封入されている。
プ状に形成した第1及び第2の透明導電膜付き基板50
a、50bが、ITO膜4a、4bが互いに直交状とな
るように対向配置されると共に、SiO2膜3aとSi
O2膜3bとはエポキシ樹脂27で接着されている。そ
して、これらSiO2膜3a、3b及びエポキシ樹脂2
7とで空間部が画成され、該空間部にSTN(Super Tw
isted Nematic)等の液晶28が封入されている。
【0065】樹脂基板1の屈折率は、一般に波長550
nmで1.50〜1.60であり、可視光線反射率は片
面で4%であることが知られている。したがってバック
ライトを使用する透過型の液晶表示素子の場合、バック
ライト光の樹脂基板1への入射面で4%、さらに表示面
側の樹脂基板1から空気中への出射面で4%の反射損失
が生じ、したがって入射面と出射面とで8%の反射損失
が生じる。
nmで1.50〜1.60であり、可視光線反射率は片
面で4%であることが知られている。したがってバック
ライトを使用する透過型の液晶表示素子の場合、バック
ライト光の樹脂基板1への入射面で4%、さらに表示面
側の樹脂基板1から空気中への出射面で4%の反射損失
が生じ、したがって入射面と出射面とで8%の反射損失
が生じる。
【0066】一方、SiO2膜3の屈折率は、従来のよ
うなスパッタリング法で成膜した場合は波長が550n
mで1.47であるが、析出法で成膜した場合は処理液
42中にフッ素成分が含まれているため、SiO2膜3
中にも微量のフッ素が含有され、したがってSiO2膜
3の屈折率は波長550nmで1.44と小さくなる。
そしてその結果、SiO2膜3の屈折率と樹脂基板1の
屈折率との差異を大きくすることができ、SiO2膜3
の膜厚を適切な値とすることにより、バックライト光の
反射損失をより効果的に低減することができる。すなわ
ち、クラックの発生防止やガス透過防止機能を確保する
観点からは、SiO2膜3の膜厚は上述したように20
nm〜200nmが好ましいが、液晶表示素子でバック
ライト光の反射損失を低減する観点からは、SiO2膜
3の膜厚は80nm〜130nmとするのが好ましい。
すなわち、SiO2膜3の膜厚を80nm〜130nm
とすることにより、バックライト光の反射損失を4%以
上低減して透過率を向上させることができ、低消費電力
で表示の明るい液晶表示素子を得ることができる。
うなスパッタリング法で成膜した場合は波長が550n
mで1.47であるが、析出法で成膜した場合は処理液
42中にフッ素成分が含まれているため、SiO2膜3
中にも微量のフッ素が含有され、したがってSiO2膜
3の屈折率は波長550nmで1.44と小さくなる。
そしてその結果、SiO2膜3の屈折率と樹脂基板1の
屈折率との差異を大きくすることができ、SiO2膜3
の膜厚を適切な値とすることにより、バックライト光の
反射損失をより効果的に低減することができる。すなわ
ち、クラックの発生防止やガス透過防止機能を確保する
観点からは、SiO2膜3の膜厚は上述したように20
nm〜200nmが好ましいが、液晶表示素子でバック
ライト光の反射損失を低減する観点からは、SiO2膜
3の膜厚は80nm〜130nmとするのが好ましい。
すなわち、SiO2膜3の膜厚を80nm〜130nm
とすることにより、バックライト光の反射損失を4%以
上低減して透過率を向上させることができ、低消費電力
で表示の明るい液晶表示素子を得ることができる。
【0067】
【実施例】次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0068】〔第1の実施例〕本発明者等は、析出法及
びスパッタリング法によりシリコン基板上にSiO2膜
を形成し、赤外吸収スペクトル法によりSiO2膜中の
水酸基(−OH)に関する定量分析を行った。
びスパッタリング法によりシリコン基板上にSiO2膜
を形成し、赤外吸収スペクトル法によりSiO2膜中の
水酸基(−OH)に関する定量分析を行った。
【0069】すなわち、伸縮振動による水酸基の吸収帯
は波数κが4000cm-1〜3000cm-1の範囲(S
i−OH基の伸縮振動による吸収は3650cm-1、H
−O−Hの伸縮振動による吸収は3330cm-1)にあ
るので、有機ケイ素膜が形成された樹脂基板上にSiO
2膜を形成して赤外吸収スペクトルを測定すると、樹脂
基板や有機ケイ素膜中に存在するメチル基やメチレン基
等の炭化水素基(−C−H)(吸収波数、約3000c
m-1)に基づく吸収によって分析ノイズが生じる虞があ
る。このため本第1の実施例では、樹脂基板に代えて、
上記波数域での吸収がなく、しかも透明性に優れた厚さ
1mmのシリコン基板を使用してSiO 2膜中のSi−
OH基の有無を測定した。
は波数κが4000cm-1〜3000cm-1の範囲(S
i−OH基の伸縮振動による吸収は3650cm-1、H
−O−Hの伸縮振動による吸収は3330cm-1)にあ
るので、有機ケイ素膜が形成された樹脂基板上にSiO
2膜を形成して赤外吸収スペクトルを測定すると、樹脂
基板や有機ケイ素膜中に存在するメチル基やメチレン基
等の炭化水素基(−C−H)(吸収波数、約3000c
m-1)に基づく吸収によって分析ノイズが生じる虞があ
る。このため本第1の実施例では、樹脂基板に代えて、
上記波数域での吸収がなく、しかも透明性に優れた厚さ
1mmのシリコン基板を使用してSiO 2膜中のSi−
OH基の有無を測定した。
【0070】すなわち、H2SiF6の濃度が2.6mol
/lとされた処理液にシリコン基板8.3時間浸漬して
該シリコン基板の表面にSiO2を析出させ、膜厚50
0nmのSiO2膜をシリコン基板の全周に形成して実
施例1の試験片を作製した。
/lとされた処理液にシリコン基板8.3時間浸漬して
該シリコン基板の表面にSiO2を析出させ、膜厚50
0nmのSiO2膜をシリコン基板の全周に形成して実
施例1の試験片を作製した。
【0071】さらに、実施例1と同様の析出法により、
シリコン基板を前記処理液に2時間浸漬させ、それぞれ
膜厚が80nmと120nmのSiO2膜をシリコン基
板の全周に形成した実施例2及び実施例3の試験片を作
製した。
シリコン基板を前記処理液に2時間浸漬させ、それぞれ
膜厚が80nmと120nmのSiO2膜をシリコン基
板の全周に形成した実施例2及び実施例3の試験片を作
製した。
【0072】次いで、本発明者等は、SiO2をターゲ
ット物質としてスパッタリング処理を施し、シリコン基
板上にSiO2膜を積層した。具体的には、スパッタリ
ングガスとしてアルゴンガス単体を使用し、基板温度を
25℃とし、スパッタリングガスのガス圧を0.3Pa
に夫々設定してスパッタリング処理を施し、シリコン基
板の表面に膜厚10nmのSiO2膜を積層し、比較例
1の試験片を作製した。
ット物質としてスパッタリング処理を施し、シリコン基
板上にSiO2膜を積層した。具体的には、スパッタリ
ングガスとしてアルゴンガス単体を使用し、基板温度を
25℃とし、スパッタリングガスのガス圧を0.3Pa
に夫々設定してスパッタリング処理を施し、シリコン基
板の表面に膜厚10nmのSiO2膜を積層し、比較例
1の試験片を作製した。
【0073】尚、各試験片の膜厚(実施例1〜実施例3
及び比較例1)は、エリプソメータ(島津製作所社製:
DE−10A)で測定した。
及び比較例1)は、エリプソメータ(島津製作所社製:
DE−10A)で測定した。
【0074】次に、このようにして作製した各試験片に
ついて、FT−IR(フーリエ変換赤外分光)分析装置
(日本電子社製:JIR−5500)を使用して赤外吸
収スペクトルを測定した。
ついて、FT−IR(フーリエ変換赤外分光)分析装置
(日本電子社製:JIR−5500)を使用して赤外吸
収スペクトルを測定した。
【0075】図7は赤外吸収スペクトルの測定結果であ
り、横軸が波数κ(cm-1)、縦軸は透過率D(%)を
示している。
り、横軸が波数κ(cm-1)、縦軸は透過率D(%)を
示している。
【0076】比較例1では、Si−OH基の吸収域であ
る波数3650cm-1での赤外吸収は観察されず、した
がって、スパッタリング法で形成されたSiO2膜中に
はSi−OH基が存在しないことが確認された。
る波数3650cm-1での赤外吸収は観察されず、した
がって、スパッタリング法で形成されたSiO2膜中に
はSi−OH基が存在しないことが確認された。
【0077】これに対し、析出法でSiO2膜を形成し
た場合は(実施例1〜実施例3)、図7に示すようにS
i−OH基の吸収波数である3650cm-1で吸収スペ
クトルが観察され、したがってSiO2膜中にはSi−
OH基が存在することが確認された。
た場合は(実施例1〜実施例3)、図7に示すようにS
i−OH基の吸収波数である3650cm-1で吸収スペ
クトルが観察され、したがってSiO2膜中にはSi−
OH基が存在することが確認された。
【0078】また、実施例1〜3では波数3330cm
-1でも吸収スペクトルが観察され、SiO2膜中にH−
O−Hが存在することが確認された。
-1でも吸収スペクトルが観察され、SiO2膜中にH−
O−Hが存在することが確認された。
【0079】次に、Priskin法(J.Vac.Sci.Techno
l.,14,1064(1977))に基づき数式
(1)にしたがってSiO2膜中のSi−OH基の含有
率η(wt%)を算出した。
l.,14,1064(1977))に基づき数式
(1)にしたがってSiO2膜中のSi−OH基の含有
率η(wt%)を算出した。
【0080】 η=(179×A−41×A′)×(2.2/ρ)…(2) ここで、Aは波数3650cm-1におけるSiO2膜を
1μmの厚みに換算したときの光学密度(g/cm3)
を示し、A′は波数3330cm-1におけるSiO2膜
を1μmの厚みに換算したときの光学密度(g/c
m3)を示し、また、ρはSiO2膜の密度(g/c
m3)である。
1μmの厚みに換算したときの光学密度(g/cm3)
を示し、A′は波数3330cm-1におけるSiO2膜
を1μmの厚みに換算したときの光学密度(g/c
m3)を示し、また、ρはSiO2膜の密度(g/c
m3)である。
【0081】表1は各試験片におけるSi−OH基の含
有量η(wt%)を示している。
有量η(wt%)を示している。
【0082】
【表1】
【0083】この表1から明らかなように、スパッタリ
ング法でSiO2膜を形成した場合はSiO2膜中のSi
−OH基含有率は「0」であるのに対し、析出法でSi
O2膜を形成した場合はSiO2膜中に1.71wt%〜
2.53wt%のSi−OH基を含有し、しかもSiO
2膜の膜厚が厚いほどSi−OH基の含有量が多いこと
が判った。
ング法でSiO2膜を形成した場合はSiO2膜中のSi
−OH基含有率は「0」であるのに対し、析出法でSi
O2膜を形成した場合はSiO2膜中に1.71wt%〜
2.53wt%のSi−OH基を含有し、しかもSiO
2膜の膜厚が厚いほどSi−OH基の含有量が多いこと
が判った。
【0084】以上により、析出法で形成されたSiO2
膜にはSi−OH基が含有されていることが確認され
た。
膜にはSi−OH基が含有されていることが確認され
た。
【0085】〔第2の実施例〕次に、本発明者等は、本
発明の範囲内となる9個の試験片(実施例11〜実施例
19)、及び本発明の範囲外となる3個の試験片(比較
例11〜13)を作製し、密着性を評価すると共に抵抗
値を測定した。
発明の範囲内となる9個の試験片(実施例11〜実施例
19)、及び本発明の範囲外となる3個の試験片(比較
例11〜13)を作製し、密着性を評価すると共に抵抗
値を測定した。
【0086】〔実施例11〕樹脂基板としてポリカーボ
ネート基板(縦150mm×横150mm×厚さ1.0
mm)を使用し、該ポリカーボネート基板に有機ケイ素
化合物としてのアミノプロピルトリメトキシラン(以
下、「APTMS」という。)を塗布形成した。すなわ
ち、エチルアルコールを溶媒とした0.5wt%のAP
TMSをプライマとして使用し、プライマ溶液が満たさ
れた浸漬槽にポリカーボネート基板を浸漬し、ディップ
法により引き上げ速度10mm/secでポリカーボネー
ト基板を引き上げ、その後、風乾させてAPTMSを硬
化させ、膜厚5nmのAPTMS膜をポリカーボネート
基板の全周に形成した。
ネート基板(縦150mm×横150mm×厚さ1.0
mm)を使用し、該ポリカーボネート基板に有機ケイ素
化合物としてのアミノプロピルトリメトキシラン(以
下、「APTMS」という。)を塗布形成した。すなわ
ち、エチルアルコールを溶媒とした0.5wt%のAP
TMSをプライマとして使用し、プライマ溶液が満たさ
れた浸漬槽にポリカーボネート基板を浸漬し、ディップ
法により引き上げ速度10mm/secでポリカーボネー
ト基板を引き上げ、その後、風乾させてAPTMSを硬
化させ、膜厚5nmのAPTMS膜をポリカーボネート
基板の全周に形成した。
【0087】次いで、APTMSが形成されたポリカー
ボネート基板を濃度2.6mol/lの処理液が満たされ
たSi02膜析出槽に2時間浸漬し、処理液の液温を3
5℃に設定してAPTMS膜の全周に亙ってSiO2を
析出させ、膜厚80nmのSiO2膜をAPTMS膜の
全表面に形成した。
ボネート基板を濃度2.6mol/lの処理液が満たされ
たSi02膜析出槽に2時間浸漬し、処理液の液温を3
5℃に設定してAPTMS膜の全周に亙ってSiO2を
析出させ、膜厚80nmのSiO2膜をAPTMS膜の
全表面に形成した。
【0088】そして、その後、IP法により、SiO2
膜の表面にITO膜を積層した。すなわち、放電ガスと
してArとO2の混合ガス(O2:12vol%)を使用
し、基板温度を25℃とし、放電ガスのガス圧を0.4
Paに設定してアーク放電を行い、SiO2膜の表面に
膜厚150nmのITO膜を積層し、実施例11の試験
片を作製した。
膜の表面にITO膜を積層した。すなわち、放電ガスと
してArとO2の混合ガス(O2:12vol%)を使用
し、基板温度を25℃とし、放電ガスのガス圧を0.4
Paに設定してアーク放電を行い、SiO2膜の表面に
膜厚150nmのITO膜を積層し、実施例11の試験
片を作製した。
【0089】〔実施例12〕樹脂基板としてPMMA基
板(縦150mm×横150mm×厚さ1.0mm)を
使用し、該PMMA基板に有機ケイ素化合物としての3
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下、
「3−MCPTMS」という。)を塗布形成した。すな
わち、エチルアルコールを溶媒とした0.5wt%の3
−MCPTMSをプライマとして使用し、プライマ溶液
が満たされた浸漬槽にPMMA基板を浸漬し、ディップ
法により引き上げ速度10mm/secでPMMA基板を
引き上げ、その後、風乾させて3−MCPTMSを硬化
させ、膜厚5nmの3−MCPTMS膜をPMMA基板
の全周に形成した。
板(縦150mm×横150mm×厚さ1.0mm)を
使用し、該PMMA基板に有機ケイ素化合物としての3
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(以下、
「3−MCPTMS」という。)を塗布形成した。すな
わち、エチルアルコールを溶媒とした0.5wt%の3
−MCPTMSをプライマとして使用し、プライマ溶液
が満たされた浸漬槽にPMMA基板を浸漬し、ディップ
法により引き上げ速度10mm/secでPMMA基板を
引き上げ、その後、風乾させて3−MCPTMSを硬化
させ、膜厚5nmの3−MCPTMS膜をPMMA基板
の全周に形成した。
【0090】次いで、3−MCPTMS膜が形成された
PMMA基板を濃度2.6mol/lの処理液が満たされ
たSi02膜析出槽に2時間浸漬し、処理液の液温を3
5℃に設定し、3−MCPTMS膜の全周にSiO2を
析出させ、膜厚80nmのSiO2膜をAPTMSの全
表面に形成した。
PMMA基板を濃度2.6mol/lの処理液が満たされ
たSi02膜析出槽に2時間浸漬し、処理液の液温を3
5℃に設定し、3−MCPTMS膜の全周にSiO2を
析出させ、膜厚80nmのSiO2膜をAPTMSの全
表面に形成した。
【0091】そして、その後、IP法により、SiO2
膜の表面にITO膜を積層した。すなわち、放電ガスと
してArとO2の混合ガス(O2:10vol%)を使用
し、基板温度を80℃に加熱し、放電ガスのガス圧を
0.4Paに設定してアーク放電を行い、これによりS
iO2膜の表面に膜厚150nmのITO膜を積層し、
実施例12の試験片を作製した。
膜の表面にITO膜を積層した。すなわち、放電ガスと
してArとO2の混合ガス(O2:10vol%)を使用
し、基板温度を80℃に加熱し、放電ガスのガス圧を
0.4Paに設定してアーク放電を行い、これによりS
iO2膜の表面に膜厚150nmのITO膜を積層し、
実施例12の試験片を作製した。
【0092】〔実施例13〕樹脂基板としてポリオレフ
ィン系(日本ゼオン社製:ゼオノア1020R)の樹脂
基板(以下、「ポリオレフィン基板」という。)(縦1
00mm×横100mm×厚さ2.5mm)を使用し、
APTMSとビニルトリエトキシシラン(以下、「VT
ES」という。)とを含有した有機ケイ素化合物をポリ
オレフィン基板の全周に塗布した。すなわち、エチルア
ルコールを溶媒とし、0.1wt%のAPTMSと0.
3wt%のVTESとが添加された溶液をプライマとし
て使用し、プライマ溶液が満たされた浸漬槽にポリオレ
フィン基板を浸漬し、ディップ法により引き上げ速度1
0mm/secでポリオレフィン基板を引き上げ、その
後、風乾させ、ポリオレフィン基板の全周に亙って膜厚
4nmのAPTMS及びVTESからなる有機ケイ素膜
を形成した。
ィン系(日本ゼオン社製:ゼオノア1020R)の樹脂
基板(以下、「ポリオレフィン基板」という。)(縦1
00mm×横100mm×厚さ2.5mm)を使用し、
APTMSとビニルトリエトキシシラン(以下、「VT
ES」という。)とを含有した有機ケイ素化合物をポリ
オレフィン基板の全周に塗布した。すなわち、エチルア
ルコールを溶媒とし、0.1wt%のAPTMSと0.
3wt%のVTESとが添加された溶液をプライマとし
て使用し、プライマ溶液が満たされた浸漬槽にポリオレ
フィン基板を浸漬し、ディップ法により引き上げ速度1
0mm/secでポリオレフィン基板を引き上げ、その
後、風乾させ、ポリオレフィン基板の全周に亙って膜厚
4nmのAPTMS及びVTESからなる有機ケイ素膜
を形成した。
【0093】次いで、有機ケイ素膜が形成されたポリオ
レフィン基板を濃度2.6mol/lの処理液が満たされ
たSi02膜析出槽に2時間浸漬し、処理液の液温を3
5℃に設定し、有機ケイ素膜の全周に亙ってSiO2を
析出させ、膜厚80nmのSiO2膜を有機ケイ素膜の
全表面に形成した。
レフィン基板を濃度2.6mol/lの処理液が満たされ
たSi02膜析出槽に2時間浸漬し、処理液の液温を3
5℃に設定し、有機ケイ素膜の全周に亙ってSiO2を
析出させ、膜厚80nmのSiO2膜を有機ケイ素膜の
全表面に形成した。
【0094】そして、その後、実施例12と同様の放電
条件によりIP法でSiO2膜の表面に膜厚150nm
のITO膜を積層し、実施例13の試験片を作製した。
条件によりIP法でSiO2膜の表面に膜厚150nm
のITO膜を積層し、実施例13の試験片を作製した。
【0095】〔実施例14〕実施例13と同様の樹脂基
板(ポリオレフィン基板)、及び有機ケイ素化合物(A
PTMS及びVTES)を使用し、ディップ法により引
き上げ速度10mm/secでポリオレフィン基板を浸漬
槽から引き上げ、その後、温度70℃の熱風でもって1
5分間乾燥させ、膜厚4nmのAPTMS及びVTES
からなる有機ケイ素膜をポリオレフィン基板の全周に形
成した。
板(ポリオレフィン基板)、及び有機ケイ素化合物(A
PTMS及びVTES)を使用し、ディップ法により引
き上げ速度10mm/secでポリオレフィン基板を浸漬
槽から引き上げ、その後、温度70℃の熱風でもって1
5分間乾燥させ、膜厚4nmのAPTMS及びVTES
からなる有機ケイ素膜をポリオレフィン基板の全周に形
成した。
【0096】次いで、有機ケイ素膜が形成されたポリオ
レフィン基板を濃度2.6mol/lの処理液が満たされ
たSi02膜析出槽に1時間浸漬し、処理液の液温を3
5℃に設定し、有機ケイ素膜の全周に亙ってSiO2を
析出させ、膜厚40nmのSiO2膜を有機ケイ素膜の
全表面に形成した。
レフィン基板を濃度2.6mol/lの処理液が満たされ
たSi02膜析出槽に1時間浸漬し、処理液の液温を3
5℃に設定し、有機ケイ素膜の全周に亙ってSiO2を
析出させ、膜厚40nmのSiO2膜を有機ケイ素膜の
全表面に形成した。
【0097】そして、その後、実施例12と同様の放電
条件によりIP法でSiO2膜の表面に膜厚150nm
のITO膜を積層し、実施例14の試験片を作製した。
条件によりIP法でSiO2膜の表面に膜厚150nm
のITO膜を積層し、実施例14の試験片を作製した。
【0098】〔実施例15〕樹脂基板としてポリエーテ
ルサルフォン(以下、「PES」という。)(縦200
mm×横300mm×厚さ0.2mm)を使用し、実施
例14と同様の方法により、膜厚4nmのAPTMS及
びVTESからなる有機ケイ素膜を形成し、次いで実施
例12と同様の方法で有機ケイ素膜の全周にSiO2膜
を析出させて膜厚80nmのSiO2膜を有機ケイ素膜
の全表面に形成し、その後、実施例12と同様の方法で
SiO2膜の表面に膜厚150nmのITO膜を積層
し、実施例15の試験片を作製した。
ルサルフォン(以下、「PES」という。)(縦200
mm×横300mm×厚さ0.2mm)を使用し、実施
例14と同様の方法により、膜厚4nmのAPTMS及
びVTESからなる有機ケイ素膜を形成し、次いで実施
例12と同様の方法で有機ケイ素膜の全周にSiO2膜
を析出させて膜厚80nmのSiO2膜を有機ケイ素膜
の全表面に形成し、その後、実施例12と同様の方法で
SiO2膜の表面に膜厚150nmのITO膜を積層
し、実施例15の試験片を作製した。
【0099】〔実施例16〕樹脂基板としてポリエーテ
ルの一種であるノルボルナンで形成された樹脂基板(以
下、「ノルボルナン樹脂」という。)(縦150mm×
横150mm×厚さ2.5mm)を使用し、実施例14
と同様の方法により、膜厚4nmのAPTMS及びVT
ESからなる有機ケイ素膜を形成し、次いで実施例12
と同様の方法で有機ケイ素膜の全周に亙ってSiO2を
析出させ膜厚80nmのSiO2膜を有機ケイ素膜の全
表面に形成した。次いで、実施例11と同様の放電条件
でアーク放電を行い、SiO2膜の表面に膜厚150n
mのITO膜を積層し、実施例16の試験片を作製し
た。
ルの一種であるノルボルナンで形成された樹脂基板(以
下、「ノルボルナン樹脂」という。)(縦150mm×
横150mm×厚さ2.5mm)を使用し、実施例14
と同様の方法により、膜厚4nmのAPTMS及びVT
ESからなる有機ケイ素膜を形成し、次いで実施例12
と同様の方法で有機ケイ素膜の全周に亙ってSiO2を
析出させ膜厚80nmのSiO2膜を有機ケイ素膜の全
表面に形成した。次いで、実施例11と同様の放電条件
でアーク放電を行い、SiO2膜の表面に膜厚150n
mのITO膜を積層し、実施例16の試験片を作製し
た。
【0100】〔実施例17〕実施例14と同様、樹脂基
板としてのポリオレフィン基板の全周に膜厚4nmのA
PTMS及びVTESからなる有機ケイ素膜、及び膜厚
80nmのSiO2膜を順次形成した。
板としてのポリオレフィン基板の全周に膜厚4nmのA
PTMS及びVTESからなる有機ケイ素膜、及び膜厚
80nmのSiO2膜を順次形成した。
【0101】そして、その後、スパッタリング法によ
り、SiO2膜の表面にITO膜を形成した。すなわ
ち、ターゲット物質として10wt%のSnO2を含有
したIn2O3を使用すると共に、スパッタリングガスと
してArとO2の混合ガス(O2:1.5vol%)を使用
し、スパッタリングガスのガス圧を0.27Pa、基板
温度を80℃に設定し、スパッタリング処理を施してS
iO2膜の表面に膜厚150nmのITO膜を積層し、
実施例17の試験片を作製した。
り、SiO2膜の表面にITO膜を形成した。すなわ
ち、ターゲット物質として10wt%のSnO2を含有
したIn2O3を使用すると共に、スパッタリングガスと
してArとO2の混合ガス(O2:1.5vol%)を使用
し、スパッタリングガスのガス圧を0.27Pa、基板
温度を80℃に設定し、スパッタリング処理を施してS
iO2膜の表面に膜厚150nmのITO膜を積層し、
実施例17の試験片を作製した。
【0102】〔実施例18〕実施例15と同様、樹脂基
板としてのPES基板の全周に膜厚4nmのAPTMS
及びVTESからなる有機ケイ素膜、及び膜厚80nm
のSiO2膜を順次形成した。
板としてのPES基板の全周に膜厚4nmのAPTMS
及びVTESからなる有機ケイ素膜、及び膜厚80nm
のSiO2膜を順次形成した。
【0103】次いで、実施例17と同様のスパッタリン
グ条件でスパッタリング処理を施し、SiO2膜の表面
に膜厚150nmのITO膜を積層し、実施例18の試
験片を作製した。
グ条件でスパッタリング処理を施し、SiO2膜の表面
に膜厚150nmのITO膜を積層し、実施例18の試
験片を作製した。
【0104】〔実施例19〕実施例16と同様、樹脂基
板としてのノルボルナン基板の全周に膜厚4nmのAP
TMS及びVTESからなる有機ケイ素膜、及び膜厚8
0nmのSiO2膜を順次形成した。
板としてのノルボルナン基板の全周に膜厚4nmのAP
TMS及びVTESからなる有機ケイ素膜、及び膜厚8
0nmのSiO2膜を順次形成した。
【0105】次いで、基板温度を25℃とし、10wt
%のSnO2を含有したIn2O3をターゲット物質と
し、ArとO2の混合ガス(O2:1.5vol%)をスパ
ッタリングガスとして使用し、スパッタリングガスのガ
ス圧を0.27Paに設定してスパッタリング処理を施
し、SiO2膜の表面に膜厚150nmのITO膜を積
層し、実施例19の試験片を作製した。
%のSnO2を含有したIn2O3をターゲット物質と
し、ArとO2の混合ガス(O2:1.5vol%)をスパ
ッタリングガスとして使用し、スパッタリングガスのガ
ス圧を0.27Paに設定してスパッタリング処理を施
し、SiO2膜の表面に膜厚150nmのITO膜を積
層し、実施例19の試験片を作製した。
【0106】〔比較例11〕樹脂基板として実施例11
と同様のポリカーボネート基板を使用し、ターゲット物
質としてSiO2、スパッタリングガスとしてArガス
単体を夫々使用し、基板温度を25℃とし、スパッタリ
ングガスのガス圧を0.30Paに設定してスパッタリ
ング処理を施し、ポリカーボネート基板の表面に膜厚1
0nmのSiO2膜を積層した。
と同様のポリカーボネート基板を使用し、ターゲット物
質としてSiO2、スパッタリングガスとしてArガス
単体を夫々使用し、基板温度を25℃とし、スパッタリ
ングガスのガス圧を0.30Paに設定してスパッタリ
ング処理を施し、ポリカーボネート基板の表面に膜厚1
0nmのSiO2膜を積層した。
【0107】次いで、放電ガスとしてArとO2の混合
ガス(O2:1.5vol%)を使用し、基板温度を25℃
とし、放電ガスのガス圧を0.27Paに設定し、ハー
ス内のITO焼結体に対してアーク放電を行い、SiO
2膜の表面に膜厚150nmのITO膜を積層し、比較
例11の試験片を作製した。
ガス(O2:1.5vol%)を使用し、基板温度を25℃
とし、放電ガスのガス圧を0.27Paに設定し、ハー
ス内のITO焼結体に対してアーク放電を行い、SiO
2膜の表面に膜厚150nmのITO膜を積層し、比較
例11の試験片を作製した。
【0108】〔比較例12〕樹脂基板として実施例12
と同様のPMMA基板を使用し、比較例11と同様のス
パッタリング条件下、スパッタリング処理を施し、膜厚
10nmのSiO2膜を積層した。
と同様のPMMA基板を使用し、比較例11と同様のス
パッタリング条件下、スパッタリング処理を施し、膜厚
10nmのSiO2膜を積層した。
【0109】次いで、放電ガスとしてArとO2の混合
ガス(O2:10vol%)を使用し、基板温度を80℃、
放電ガスのガス圧を0.40Paに設定してハース内の
ITO焼結体に対してアーク放電を行い、SiO2膜の
表面に膜厚150nmのITO膜を積層し、比較例12
の試験片を作製した。
ガス(O2:10vol%)を使用し、基板温度を80℃、
放電ガスのガス圧を0.40Paに設定してハース内の
ITO焼結体に対してアーク放電を行い、SiO2膜の
表面に膜厚150nmのITO膜を積層し、比較例12
の試験片を作製した。
【0110】〔比較例13〕樹脂基板として実施例13
と同様のポリオレフィン基板を使用し、比較例11と同
様のスパッタリング条件で膜厚10nmのSiO2膜を
形成した。
と同様のポリオレフィン基板を使用し、比較例11と同
様のスパッタリング条件で膜厚10nmのSiO2膜を
形成した。
【0111】次いで、10wt%のSnO2を含有した
In2O3をターゲット物質とし、スパッタリングガスと
してArとO2の混合ガス(O2:1.5vol%)を使用
し、基板温度を80℃に設定し、スパッタリングガスの
ガス圧を0.27Paに設定してスパッタリング処理を
施し、膜厚150nmのITO膜をポリオレフィン樹脂
の表面に積層し、比較例13の試験片を作製した。
In2O3をターゲット物質とし、スパッタリングガスと
してArとO2の混合ガス(O2:1.5vol%)を使用
し、基板温度を80℃に設定し、スパッタリングガスの
ガス圧を0.27Paに設定してスパッタリング処理を
施し、膜厚150nmのITO膜をポリオレフィン樹脂
の表面に積層し、比較例13の試験片を作製した。
【0112】尚、上記各試験片(実施例11〜19及び
比較例11〜13)の膜厚は、第1の実施例と同様、エ
リプソメータ(島津製作所社製:DE−10A)を使用
して測定した。
比較例11〜13)の膜厚は、第1の実施例と同様、エ
リプソメータ(島津製作所社製:DE−10A)を使用
して測定した。
【0113】次に、本発明者等は、上記各試験片につい
て密着性テストを行い、さらにシート抵抗(Ω/□)を
測定した。
て密着性テストを行い、さらにシート抵抗(Ω/□)を
測定した。
【0114】ここで、密着テストは、各試験片にメンデ
ィングテープを貼付し、10mm□の桝目が形成される
ようにクロスカッタで切り刻み、メンディングテープを
各試験片から引き剥がしたときの膜の剥離状態を目視で
評価した。また、シート抵抗は四端子法で測定した。表
2はその測定結果を示す。
ィングテープを貼付し、10mm□の桝目が形成される
ようにクロスカッタで切り刻み、メンディングテープを
各試験片から引き剥がしたときの膜の剥離状態を目視で
評価した。また、シート抵抗は四端子法で測定した。表
2はその測定結果を示す。
【0115】
【表2】
【0116】この表2から明らかなように、比較例11
〜13ではSiO2膜がスパッタリング法で形成されて
いるため、SiO2膜にはSi−OH基が存在せず、こ
のため樹脂基板への密着力が弱く、メンディングテープ
を各試験片から引き剥がした場合、比較例11、12で
は全桝目で膜剥がれが生じ、抵抗値の測定は不能となっ
た。また、比較例13はITO膜もスパッタリング法で
形成されているため、比較例11、12に比べると密着
性は若干良い傾向にあるものの、部分的な膜剥がれが生
じた。
〜13ではSiO2膜がスパッタリング法で形成されて
いるため、SiO2膜にはSi−OH基が存在せず、こ
のため樹脂基板への密着力が弱く、メンディングテープ
を各試験片から引き剥がした場合、比較例11、12で
は全桝目で膜剥がれが生じ、抵抗値の測定は不能となっ
た。また、比較例13はITO膜もスパッタリング法で
形成されているため、比較例11、12に比べると密着
性は若干良い傾向にあるものの、部分的な膜剥がれが生
じた。
【0117】これに対して実施例11〜19はSiO2
膜が析出法で形成されているため、SiO2膜がSi−
OH基を含有しており、また有機ケイ素膜中には加水分
解生成物が含まれるため、該有機ケイ素膜中にもSi−
OH基が含有され、したがって有機ケイ素膜及びSiO
2膜の夫々に含有されるSi−OH基により化学的親和
性が増大し、各界面での密着力が増大し、良好な結果を
得た。特に、IP法でITO膜を形成した場合は、成膜
雰囲気中のプラズマ電子の衝突エネルギが大きく、蒸発
粒子のうち活性化されているものの割合が大きいので、
Si−OH基との密着性がより強固なものになると思わ
れる。
膜が析出法で形成されているため、SiO2膜がSi−
OH基を含有しており、また有機ケイ素膜中には加水分
解生成物が含まれるため、該有機ケイ素膜中にもSi−
OH基が含有され、したがって有機ケイ素膜及びSiO
2膜の夫々に含有されるSi−OH基により化学的親和
性が増大し、各界面での密着力が増大し、良好な結果を
得た。特に、IP法でITO膜を形成した場合は、成膜
雰囲気中のプラズマ電子の衝突エネルギが大きく、蒸発
粒子のうち活性化されているものの割合が大きいので、
Si−OH基との密着性がより強固なものになると思わ
れる。
【0118】尚、ITO膜をスパッタリング法で形成し
た場合であっても、同一材質の樹脂基板を使用した場合
と比較すると、IP法に比べて抵抗値は高くなるもの
の、密着性に関しては満足する結果を得た。
た場合であっても、同一材質の樹脂基板を使用した場合
と比較すると、IP法に比べて抵抗値は高くなるもの
の、密着性に関しては満足する結果を得た。
【0119】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る透明導
電膜付き基板は、Si−OH基を含有したSiO2を主
成分とする第1の下地膜が、樹脂基板の少なくとも一方
の表面に形成され、さらに前記第1の下地膜の表面に透
明導電膜が形成されているので、樹脂基板から発生し得
るガスの透過を防止すると共に、樹脂基板との間の密着
性を良好なものとすることができる。
電膜付き基板は、Si−OH基を含有したSiO2を主
成分とする第1の下地膜が、樹脂基板の少なくとも一方
の表面に形成され、さらに前記第1の下地膜の表面に透
明導電膜が形成されているので、樹脂基板から発生し得
るガスの透過を防止すると共に、樹脂基板との間の密着
性を良好なものとすることができる。
【0120】また、前記透明導電膜はイオンプレーティ
ング法で成膜した場合は、成膜雰囲気中のプラズマ電子
の衝突エネルギが大きく、蒸発粒子のうち活性化されて
いるものの割合が大きいので、透明導電膜とSi−OH
基との密着性がより強固なものとなり、しかも比抵抗も
小さくすることができる。
ング法で成膜した場合は、成膜雰囲気中のプラズマ電子
の衝突エネルギが大きく、蒸発粒子のうち活性化されて
いるものの割合が大きいので、透明導電膜とSi−OH
基との密着性がより強固なものとなり、しかも比抵抗も
小さくすることができる。
【0121】さらに、前記第1の下地膜の膜厚を20n
m〜200nmとすることにより、クラックの発生を生
じることなく、樹脂基板から発生するガスが透過するの
を効果的に防止することができる。
m〜200nmとすることにより、クラックの発生を生
じることなく、樹脂基板から発生するガスが透過するの
を効果的に防止することができる。
【0122】また、本発明の透明導電膜付き基板は、一
般式Rn(Si)R′4-n(但し、Rはメタクリロキシ
基、ビニル基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、
炭素数が1〜6の炭化水素基、フッ素又は塩素を含有し
た有機官能基、R′はアルコキシル基、アセトキシル基
及び塩素から選択された1種以上の加水分解性基、nは
0〜4の自然数)で表わされる有機ケイ素化合物及びそ
の加水分解生成物を含有した膜厚2nm〜200nmの
第2の下地膜が、前記透明基板と前記第1の下地膜との
間に介在されることにより、第2の下地膜にもSi−O
H基が含有されることとなり、SiO2膜中のSi−O
H基と相俟って化学的親和性が増大し、界面での密着力
がより強固なものとなる。
般式Rn(Si)R′4-n(但し、Rはメタクリロキシ
基、ビニル基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、
炭素数が1〜6の炭化水素基、フッ素又は塩素を含有し
た有機官能基、R′はアルコキシル基、アセトキシル基
及び塩素から選択された1種以上の加水分解性基、nは
0〜4の自然数)で表わされる有機ケイ素化合物及びそ
の加水分解生成物を含有した膜厚2nm〜200nmの
第2の下地膜が、前記透明基板と前記第1の下地膜との
間に介在されることにより、第2の下地膜にもSi−O
H基が含有されることとなり、SiO2膜中のSi−O
H基と相俟って化学的親和性が増大し、界面での密着力
がより強固なものとなる。
【0123】さらに、前記第1及び第2の下地膜を前記
樹脂基板の全周に形成することにより、樹脂基板が外気
に晒されることがなくなり、該樹脂基板が白濁するのを
回避することができ、耐候性を確保することができる。
しかも、この場合、樹脂基板が外部に露出することもな
く優れた耐薬品性を有し、エッチング処理等を行っても
薬品に侵食されることがない。
樹脂基板の全周に形成することにより、樹脂基板が外気
に晒されることがなくなり、該樹脂基板が白濁するのを
回避することができ、耐候性を確保することができる。
しかも、この場合、樹脂基板が外部に露出することもな
く優れた耐薬品性を有し、エッチング処理等を行っても
薬品に侵食されることがない。
【0124】また、本発明に係る透明導電膜付き基板の
製造方法は、SiO2が過飽和状態とされたH2SiF6
溶液に樹脂基板を浸漬してSiO2を主成分とする被膜
成分を前記樹脂基板の全表面に析出させ、第1の下地膜
を形成する析出工程と、該第1の下地膜で被覆された樹
脂基板の表面に透明導電膜を形成する成膜工程とを含ん
でいるので、H2SiF6溶液からの湿式な析出法により
樹脂基板の表面にはSi−OH基を含有したSiO2膜
を主成分とする第1の下地膜を容易に形成することがで
き、透明導電膜を該第1の下地膜の表面に形成すること
により、ガスの放出を効果的に防止することができ、且
つ密着性の良好な透明導電膜付き基板を容易に製造する
ことができる。
製造方法は、SiO2が過飽和状態とされたH2SiF6
溶液に樹脂基板を浸漬してSiO2を主成分とする被膜
成分を前記樹脂基板の全表面に析出させ、第1の下地膜
を形成する析出工程と、該第1の下地膜で被覆された樹
脂基板の表面に透明導電膜を形成する成膜工程とを含ん
でいるので、H2SiF6溶液からの湿式な析出法により
樹脂基板の表面にはSi−OH基を含有したSiO2膜
を主成分とする第1の下地膜を容易に形成することがで
き、透明導電膜を該第1の下地膜の表面に形成すること
により、ガスの放出を効果的に防止することができ、且
つ密着性の良好な透明導電膜付き基板を容易に製造する
ことができる。
【0125】また、所定の有機ケイ素化合物等を含む溶
液に前記樹脂製基板を浸漬して該樹脂製基板の全周を第
2の下地膜で被覆する前処理工程を含み、該前処理工程
は、前記被覆工程の実行前に実行することにより、該前
処理工程は、前記被覆工程の実行前に実行することによ
り、第2の下地膜を第1の下地膜と樹脂基板との間に介
在させることができる。
液に前記樹脂製基板を浸漬して該樹脂製基板の全周を第
2の下地膜で被覆する前処理工程を含み、該前処理工程
は、前記被覆工程の実行前に実行することにより、該前
処理工程は、前記被覆工程の実行前に実行することによ
り、第2の下地膜を第1の下地膜と樹脂基板との間に介
在させることができる。
【0126】また、本発明に係る液晶表示素子は、2個
の上記透明導電膜付き基板の間に液晶層が介在されると
共に、該透明導電膜付き基板を構成する第1の下地膜に
フッ素が含有されているので、密着性に優れた液晶表示
素子が得られ、液晶が外部に漏洩するのを防止すること
ができる。しかも、上述した析出法により第1の下地膜
にはフッ素を含有させることができるが、このようにフ
ッ素を含有させることにより反射損失を低減させること
が可能となり、透過率が向上するため、低消費電力で明
るい表示を行うことができる。
の上記透明導電膜付き基板の間に液晶層が介在されると
共に、該透明導電膜付き基板を構成する第1の下地膜に
フッ素が含有されているので、密着性に優れた液晶表示
素子が得られ、液晶が外部に漏洩するのを防止すること
ができる。しかも、上述した析出法により第1の下地膜
にはフッ素を含有させることができるが、このようにフ
ッ素を含有させることにより反射損失を低減させること
が可能となり、透過率が向上するため、低消費電力で明
るい表示を行うことができる。
【図1】本発明に係る透明導電膜付き基板を模式的に示
した断面図である。
した断面図である。
【図2】本発明に係る透明導電膜付き基板の製造方法を
示す製造工程図である。
示す製造工程図である。
【図3】SiO2析出槽の概略構成図である。
【図4】プラズマ蒸着装置の概略構成図である。
【図5】スパッタリング装置の概略構成図である。
【図6】本発明に係る液晶表示素子を模式的に示した断
面図である。
面図である。
【図7】Si−OH基を含有したSiO2の赤外吸収ス
ペクトルを示す特性図である。
ペクトルを示す特性図である。
1 樹脂基板(透明基板) 2 有機ケイ素膜(第2の下地膜) 3 SiO2膜(第1の下地膜) 4 ITO膜(透明導電膜) 5 塗布工程(前処理工程) 6 析出工程 7 成膜工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/02 H05B 33/02 5G323 33/28 33/28 (72)発明者 清田 正悟 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H090 JA06 JB03 JC07 JD11 LA01 3K007 AB15 CA01 CB01 FA01 4F100 AA20B AA33 AB11 AH06D AK01A AK02 AK03 AK25 AK45 AK55 AK80 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C EH46 EH66C EJ08 GB41 JG01 JG01C JL11 JN01A JN01C YY00B YY00D 4K029 AA11 AA24 BA50 BD00 CA03 DD05 FA07 5G307 FA02 FB01 FC05 FC10 5G323 BA02 BB05 BB06
Claims (12)
- 【請求項1】 シラノール基を含有した二酸化ケイ素を
主成分とする第1の下地膜が、透明な樹脂製基板の少な
くとも一方の表面に形成され、さらに前記第1の下地膜
の表面に透明導電膜が形成されていることを特徴とする
透明導電膜付き基板。 - 【請求項2】 前記透明導電膜はイオンプレーティング
法で成膜されていることを特徴とする請求項1記載の透
明導電膜付き基板。 - 【請求項3】 前記第1の下地膜の膜厚は、20nm〜
200nmであることを特徴とする請求項1又は請求項
2記載の透明導電膜付き基板。 - 【請求項4】 前記第1の下地膜が前記樹脂製基板の全
周に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求
項3のいずれかに記載の透明導電膜付き基板。 - 【請求項5】 一般式Rn(Si)R′4-n (但し、Rはメタクリロキシ基、ビニル基、アミノ基、
メルカプト基、エポキシ基、炭素数が1〜6の炭化水素
基、フッ素又は塩素を含有した有機官能基、R′はアル
コキシル基、アセトキシル基及び塩素から選択された1
種以上の加水分解性基、nは0〜4の自然数)で表わさ
れる有機ケイ素化合物及びその加水分解生成物を含有し
た第2の下地膜が、前記樹脂製基板と前記第1の下地膜
との間に介在されていることを特徴とする請求項1乃至
請求項4のいずれかに記載の透明導電膜付き基板。 - 【請求項6】 前記第2の下地膜の膜厚は、2nm〜2
00nmであることを特徴とする請求項5記載の透明導
電膜付き基板。 - 【請求項7】 前記第2の下地膜が前記樹脂製基板の全
周に形成され、かつ前記第2の下地膜の全周に前記第1
の下地膜が形成されていることを特徴とする請求項5又
は請求項6記載の透明導電膜付き基板。 - 【請求項8】 二酸化ケイ素が過飽和状態とされたケイ
フッ化水素酸溶液に透明な樹脂製基板を浸漬して二酸化
ケイ素を主成分とする被膜成分を前記樹脂製基板の全表
面に析出させ第1の下地膜を形成する析出工程と、該第
1の下地膜で被覆された樹脂製基板の表面に透明導電膜
を形成する成膜工程とを含むことを特徴とする透明導電
膜付き基板の製造方法。 - 【請求項9】 前記成膜工程は、圧力勾配型放電による
イオンプレーティングによって前記第1の下地膜の表面
に前記透明導電膜を形成することを特徴とする請求項8
記載の透明導電膜付き基板の製造方法。 - 【請求項10】 所定の有機ケイ素化合物及び/又はそ
の加水分解生成物を含む溶液に前記樹脂製基板を浸漬し
て該樹脂製基板を前記有機ケイ素化合物及び/又はその
加水分解生成物からなる第2の下地膜で被覆する前処理
工程を含み、該前処理工程は、前記析出工程の実行前に
実行することを特徴とする請求項8又は請求項9記載の
透明導電膜付き基板の製造方法。 - 【請求項11】 前記所定の有機ケイ素化合物は、一般
式Rn(Si)R′4-n(但し、Rはメタクリロキシ基、
ビニル基、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、炭素
数が1〜6の炭化水素基、フッ素又は塩素を含有した有
機官能基、R′はアルコキシル基、アセトキシル基及び
塩素から選択された1種以上の加水分解性基、nは0〜
4の自然数)で表わされることを特徴とする請求項10
記載の透明導電膜付き基板の製造方法。 - 【請求項12】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記
載の2個の透明導電膜付き基板の間に液晶層が介在され
ると共に、該透明導電膜付き基板を構成する第1の下地
膜にシラノール基が含有されていることを特徴とする液
晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000255414A JP2002072177A (ja) | 2000-08-25 | 2000-08-25 | 透明導電膜付き基板及びその製造方法、並びに液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000255414A JP2002072177A (ja) | 2000-08-25 | 2000-08-25 | 透明導電膜付き基板及びその製造方法、並びに液晶表示素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002072177A true JP2002072177A (ja) | 2002-03-12 |
Family
ID=18744205
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000255414A Pending JP2002072177A (ja) | 2000-08-25 | 2000-08-25 | 透明導電膜付き基板及びその製造方法、並びに液晶表示素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002072177A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004052642A1 (ja) * | 2002-12-09 | 2004-06-24 | Fcm Co., Ltd. | Si含有層上に導電層を形成した導電性シート |
JP2005292580A (ja) * | 2004-04-01 | 2005-10-20 | Canon Inc | 表示装置用基板およびその製造方法 |
WO2011074440A1 (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | ガスバリアフィルム、ガスバリアフィルムの製造方法及び有機光電変換素子 |
JP2011227261A (ja) * | 2010-04-19 | 2011-11-10 | Toshiba Mobile Display Co Ltd | 表示装置 |
JP2013003538A (ja) * | 2011-06-21 | 2013-01-07 | Japan Display Central Co Ltd | 基板、基板を備えた表示装置及び基板の製造方法 |
-
2000
- 2000-08-25 JP JP2000255414A patent/JP2002072177A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004052642A1 (ja) * | 2002-12-09 | 2004-06-24 | Fcm Co., Ltd. | Si含有層上に導電層を形成した導電性シート |
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WO2011074440A1 (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | ガスバリアフィルム、ガスバリアフィルムの製造方法及び有機光電変換素子 |
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