JP2002071464A - 複屈折測定器校正装置及び複屈折測定器校正方法 - Google Patents

複屈折測定器校正装置及び複屈折測定器校正方法

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JP2002071464A
JP2002071464A JP2000254402A JP2000254402A JP2002071464A JP 2002071464 A JP2002071464 A JP 2002071464A JP 2000254402 A JP2000254402 A JP 2000254402A JP 2000254402 A JP2000254402 A JP 2000254402A JP 2002071464 A JP2002071464 A JP 2002071464A
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Hironori Fujita
博則 藤田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複屈折測定器の校正のための手間を増大させ
ることなく、校正による生産性の低下を防止しつつ、校
正時の測定対象となる位相板の回転角度位置の数を増大
させ、高精度の校正を可能とする。 【解決手段】 位相板1を被測定物として複屈折測定器
による第1の測定を行い、この第1の測定の結果に基づ
いて位相板1の回転角度位置についての校正を行い、位
相板1の光軸回りの回転角度位置を少なくとも4つの異
なる角度位置として複屈折測定器による第2の測定を行
い、これら第2の測定の結果に基づいて複屈折測定器の
校正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光ディスク
基板の如き被測定物となる透明材料中の複屈折量を測定
する複屈折測定器の測定精度を校正するための複屈折測
定器校正装置及び複屈折測定器校正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、情報信号の記録媒体として、透明
材料からなるディスク基板とこのディスク基板の主面部
に形成された信号記録面部とを有する光ディスクが提案
されている。このような光ディスクにおいては、ディス
ク基板内において発生する複屈折が、この光ディスクよ
り読出され、または、この光ディスクに書込まれる情報
信号の状態に大きく影響することが知られている。
【0003】そのため、ディスク基板のような透明材料
については、複屈折測定器を用いて、該材料内の複屈折
量を測定することが行われている。この複屈折測定器
は、円偏光状態の光束を被測定物に照射し、この被測定
物を経た光束を偏光検波することにより、該被測定物内
の複屈折量を測定するものである。
【0004】そして、この複屈折測定器は、被測定物に
ついての測定に先立って、複屈折量の値の校正をしてお
く必要がある。この複屈折量の値の校正は、予め位相差
のわかっている位相板((1/4)λ板など)を被測定
物として複屈折量の測定を行い、この測定結果に基づい
て行う。そして、この測定結果が位相板について既知の
位相差の数値に一致するように、偏光検波を行う光学系
の調整などを行う。
【0005】偏光検波を行う光学系は、偏光ビームスプ
リッタと、この偏光ビームスプリッタにおいて反射され
る光束を受光する第1の光検出器と、該偏光ビームスプ
リッタを透過する光束を受光する第2の光検出器とから
構成されている。この光学系の調整としては、偏光ビー
ムスプリッタの傾きの調整などを行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に位相板を用いて複屈折測定器の校正を行う場合におい
ては、この位相板の光軸回りの回転角度位置について
は、1つの角度位置、または、2乃至3の角度位置につ
いてしか、校正の基礎となる測定を行うことができな
い。これは、位相板が、複屈折測定器に対して被測定物
と同様に固定して配置される支持部材によって固定的に
支持されていることによる。
【0007】すなわち、位相板の光軸回りの回転角度位
置を複数の互いに異なる状態としてそれぞれについて測
定を行おうとすると、それぞれの角度位置について、支
持部材に位相板を取付けた測定冶具が1個ずつ必要とな
る。
【0008】したがって、測定対象とする位相板の回転
角度位置の数が増大すると、必要となる測定冶具の数が
増大し、その作製のための時間及び費用が甚大なものと
なる。また、一の回転角度位置についての測定の後、他
の回転角度位置についての測定を行おうとする度に、測
定冶具を取り替えなければならず、膨大な手間がかかる
こととなってしまう。
【0009】ところが、近年の光ディスクの記録容量の
増大に伴い、光ディスクのディスク基板について複屈折
量を測定する複屈折測定器においては、位相板の回転角
度位置の数が3以下での校正では、十分な校正にはなら
ないことが判明してきている。すなわち、これまで、校
正のための測定における位相板の回転角度位置及び偏光
ビームスプリッタの調整状態と測定値との関係は、十分
に解明されておらず、少数の測定ポイントから全体の測
定値の変化の振る舞いを推測することには無理があるか
らである。
【0010】したがって、十分に高精度の校正を行うに
は、校正時の測定対象となる位相板の回転角度位置の数
を増大させる必要がある。
【0011】そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提
案されるものであって、複屈折測定器の校正のための手
間を増大させることなく、すなわち、校正による生産性
の低下を防止しつつ、校正時の測定対象となる位相板の
回転角度位置の数を増大させることができる複屈折測定
器校正装置及び複屈折測定器校正方法を提供しようとす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明に係る複屈折測定器校正装置は、被測定物と
なる透明材料中の複屈折量を測定する複屈折測定器にお
ける測定値の校正に用いる複屈折測定器校正装置であっ
て、複屈折量測定器に対して固定して設置される基台部
と、位相板と、基台部に対して回転可能に配設され位相
板を光軸回りに回転可能として支持する第1の回転部材
と、基台部及び第1の回転部材に対して回転可能となさ
れ該基台部に対する回転角度を表示する回転角度表示手
段を有する第2の回転部材とを備えて構成されている。
【0013】そして、この複屈折測定器校正装置におい
ては、位相板を被測定物として設置し、複屈折測定器に
よる測定を行い、この測定結果に基づいて第1の回転部
材及び第2の回転部材間の回転角度位置の校正を行い、
次いで、該位相板の光軸回りの回転角度位置を少なくと
も4つの異なる角度位置として該複屈折測定器による測
定を行い、これら測定結果に基づいて該複屈折測定器の
校正を行うことを特徴とするものである。
【0014】また、本発明に係る複屈折測定器校正方法
は、被測定物となる透明材料中の複屈折量を測定する複
屈折測定器における測定値の校正を行う複屈折測定器校
正方法であって、位相板を被測定物として複屈折測定器
による第1の測定を行い、この第1の測定の結果に基づ
いて位相板の回転角度位置についての校正を行い、位相
板の光軸回りの回転角度位置を少なくとも4つの異なる
角度位置として該複屈折測定器による第2の測定を行
い、これら第2の測定の結果に基づいて複屈折測定器の
校正を行うことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。
【0016】本発明に係る複屈折測定器校正装置を用い
て本発明に係る複屈折測定器校正方法によって校正を行
う複屈折測定器は、図1に示すように、円偏光状態の光
束を発する光源部101と、この光源部101から発せ
られ被測定物201を経た光束が入射される偏光ビーム
スプリッタ102と、この偏光ビームスプリッタ102
において反射された光束を受光する第1の光検出器10
3と、該偏光ビームスプリッタ102を透過した光束を
受光する第2の光検出器104とを備えて構成され、被
測定物201である透明材料中の複屈折量を測定するも
のである。光源部101は、直線偏光状態の光束を発す
るレーザダイオード105と、このレーザダイオード1
05より発せられた光束を円偏光状態に変換する(1/
4)波長板106とから構成されている。この(1/
4)波長板106は、レーザダイオード105より発せ
られた光束を円偏光状態とするように、光学軸の方向を
調整されている。
【0017】この複屈折測定器においては、第1の光検
出器103の光検出出力Aを第1のI/Vアンプ107
を介して演算器108に送るとともに、第2の光検出器
104の光検出出力Bを第2のI/Vアンプ109を介
して演算器108に送り、この演算器108において、
以下の演算を行うことによって、複屈折量ψを算出す
る。
【0018】ψ=sin-1{(A−B)/(A+B)} そして、この複屈折測定器としては、図2に示すよう
に、光源部101より発せられ被測定201を透過した
光束を受光する透過型の装置と、図3に示すように、光
源部101より発せられ被測定201を透過し反射面に
よって反射されて再び被測定201を透過した光束を受
光する反射型の装置とがある。
【0019】この複屈折測定器において被測定物201
となる透明材料としては、情報信号記録媒体となる光デ
ィスクのディスク基板が考えられる。すなわち、この複
屈折測定器は、光ディスクの作製においてディスク基板
の品質の良否を判定するために使用される。
【0020】そして、本発明に係る複屈折測定器校正装
置は、図4に示すように、複屈折測定器において被測定
物として設置される位相板1を有して構成されている。
複屈折測定器においては、予め複屈折量が分かっている
位相板1について複屈折量の測定を行い、この測定結果
が既知の位相板1の複屈折量に一致するように、偏光ビ
ームスプリッタ102の取り付け角度等を調整すること
により、校正が行われる。この位相板1としては、例え
ば、(1/4)波長板や(1/12)波長板を使用する
ことができる。
【0021】複屈折測定器校正装置は、複屈折量測定器
に対して固定して設置される基台部2と、この基台部2
に対して回転可能に配設され位相板1を光軸回りに回転
可能として支持する第1の回転部材3とを備えている。
さらに、この複屈折測定器校正装置は、基台部2及び第
1の回転部材3に対して回転可能となされた第2の回転
部材4を備えて構成されている。
【0022】すなわち、この複屈折測定器校正装置は、
基台部2に対して第2の回転部材4が回転可能に取り付
けられ、この第2の回転部材4の回転軸に同軸となされ
てこの第2の回転部材4に対して第1の回転部材3が回
転可能に取り付けられた構造となっている。第1の回転
部材3には、この第1の回転部材3と第2の回転部材4
との間の相対的な回転を阻止するためのロックピン5が
設けられている。このロックピン5は、第1及び第2の
回転部材3,4間の相対的な回転の阻止を解除すること
もできる。
【0023】そして、これら第1及び第2の回転部材
3,4の回転軸上に位置して、位相板1が、該第1の回
転部材3に対して着脱可能に取り付けられている。
【0024】透過型の複屈折測定器の校正に用いる複屈
折測定器校正装置においては、第1の回転部材がリング
状に形成され、位相板1を光束が透過することが可能と
なされており、また、反射型の複屈折測定器の校正に用
いる複屈折測定器校正装置においては、第1の回転部材
は、位相板1の少なくとも一面側を外方側に臨ませ、こ
の位相板1の他面側に反射ミラー6が配設されるように
なっている。
【0025】基台部2には、固定用の孔2aが設けられ
ている。この孔2aは、光ディスクのディスク基板の複
屈折量を測定する複屈折測定器を校正するための複屈折
測定器校正装置においては、該複屈折測定器においてデ
ィスク基板を保持するための保持部材110によって保
持され得るように、該ディスク基板に設けられた中心孔
と同一の形状及び大きさを有して形成されている。
【0026】そして、第2の回転部材4は、図5に示す
ように、基台部2に対する回転角度を表示する回転角度
表示手段となる角度目盛り7を有している。すなわち、
第1及び第2の回転部材3,4を相対的に停止させた状
態で、該第2の回転部材4を基台部1に対して回転さ
せ、このとき、基台部1上に設けられた指標と第2の回
転部材4に設けられた角度目盛り7とによって、該第2
の回転部材4の基台部1に対する回転角度位置を読み取
れば、この回転角度位置は、位相板1の基台部1に対す
る回転角度位置を示していることになる。
【0027】なお、この複屈折測定器校正装置は、第1
の回転部材3を直接基台部2に対して回転可能に取り付
けることとし、この第1の回転部材3に対して回転可能
に角度目盛板を取り付けて基台部1上に指標を設ける構
成としてもよく、また、第1の回転部材3に対して回転
可能に指標を取り付けて基台部1上に角度目盛りを設け
る構成としてもよい。
【0028】この複屈折測定器校正装置を用いて複屈折
測定器の校正を行うには、基台部2を複屈折測定器に装
着して位相板1を被測定物として設置し、複屈折測定器
による第1の測定を行い、まず、この第1の測定の測定
結果に基づいて第1の回転部材3及び第2の回転部材4
間の回転角度位置の校正を行う。このときは、ロックピ
ン5による第1及び第2の回転部材3,4間の相対的な
回転の阻止を解除させておく。
【0029】これら第1及び第2の回転部材3,4間の
回転角度位置の校正は、位相板1の光軸回りの回転角度
位置のうち、第1の光検出器103の光検出出力Aが極
小、かつ、第2の光検出器104の光検出出力Bが極大
となった位置を0°位置と定義し、該第1の光検出器1
03の光検出出力Aが極大、かつ、該第2の光検出器1
04の光検出出力Bが極小となった位置を90°位置と
定義することによって行う。
【0030】すなわち、位相板1を支持する第1の回転
部材3を基台部2に対して回転させて第1の光検出器1
03の光検出出力Aが極小となり第2の光検出器104
の光検出出力Bが極大となる回転角度位置を探し、次
に、第1の回転部材3を基台部2に対して停止させた状
態で第2の回転部材のみを回転させて、角度目盛りが0
°を示す状態とする。同様に、位相板1を支持する第1
の回転部材3を基台部2に対して回転させて第1の光検
出器103の光検出出力Aが極大となり第2の光検出器
104の光検出出力Bが極小となる回転角度位置を探
し、次に、第1の回転部材3を基台部2に対して停止さ
せた状態で第2の回転部材のみを回転させて、角度目盛
りが90°を示す状態とする。
【0031】そして、ロックピン5により、第1及び第
2の回転部材3,4間の相対的な回転を阻止する。
【0032】次に、位相板1の光軸回りの回転角度位置
を少なくとも4つの異なる角度位置として、複屈折測定
器による第2の測定を行い、これら第2の測定の測定結
果に基づいて、該複屈折測定器の校正を行う。ここで、
位相板1の光軸回りの回転角度位置を異なる角度位置に
するときには、第1及び第2の回転部材3,4をロック
ピン5により相対的に固定した状態で、これら各回転部
材3,4を基台部2に対して回転させる。
【0033】この第2の測定は、位相板1の回転角度位
置を、例えば、図6に示すように、10°間隔で、0°
乃至180°(±90°)とし、順次測定する。さら
に、45°位置及びこの倍数の角度位置について加え、
全部で21の角度位置についての第2の測定を行えば、
校正のための情報としては略々十分といえる。すなわ
ち、第2の測定を行う位相板1の角度位置としては、0
°、10°、20°、30°、40°、45°、50
°、60°、70°、80°、90°、100°、11
0°、120°、130°、135°、140°、15
0°、160°、170°、180°となる。
【0034】そして、位相板1の各角度位置における複
屈折量の理論値(計算値)と、測定によって得られた複
屈折量の値とを比較し、図7に示すように、これらが一
致するように、偏光ビームスプリッタ102の取り付け
角度等を調整する校正を行う。
【0035】ここで行う第2の測定の原理について説明
する。複屈折測定器において偏光ビームスプリッタ10
2に入射する光束は、被測定物内での複屈折が存在しな
い場合には、円偏光状態である。この場合には、偏光ビ
ームスプリッタ102は入射光束を2方向に等しい光量
で分離させるので、第1及び第2の光検出器103,1
04からの光検出出力は、互いに等しい。
【0036】そして、被測定物内に複屈折が存在する場
合には、偏光ビームスプリッタ102に入射する光束
は、楕円偏光状態となる。この場合には、第1及び第2
の光検出器103,104からの光検出出力は、互いに
異なるレベルとなる。
【0037】ここで、被測定物における常光軸と異常光
軸とが、光源部101の(1/4)波長板106のそれ
ぞれの軸に対してθだけずれているとする。また、被測
定物における常光軸と異常光軸との位相差をψとする。
この被測定物に入射される光束は、常光軸と異常光軸と
に分離して考えた場合、振幅が等しく90°の位相差を
有していることになる。そして、この光束は、被測定物
を透過することにより、該被測定物の常光軸方向の成分
は、以下に示すようになる。
【0038】 sinωtcosθ−cosωtsinθ=sin(ωt−θ) また、被測定物の異常光軸方向の成分は、以下に示すよ
うになる。
【0039】 sinωtsinθ+cosωtcosθ=cos(ωt−θ) これらの成分の位相差がψであるので、被測定物を透過
した光束を該被測定物の常光軸及び異常光軸のそれぞれ
の方向について示すと、以下のようになる。
【0040】sin(ωt−θ),cos(ωt−θ+ψ) 被測定物を透過して偏光ビームスプリッタ102に入射
した光束は、光源部101の(1/4)波長板106の
常光軸及び異常光軸の偏光面の成分に分離される。ここ
で、(1/4)波長板106の異常光軸方向の成分をA
とすると、以下の式(1)のように示される。
【0041】 A=cos(ωt−θ+ψ)cosθ−sin(ωt−θ)sinθ =cosωtcos2θcosψ+cosωtsinθcosθsinψ+sinωtsinθcosθcosψ −sinωtcos2θsinψ−sinωtsinθcosθ+cosωtsin2θ・・・式(1) ここで、sinθ=a、cosθ=bと置くと、以下のように
示される。
【0042】A=b2cosψcosωt+absinψcosωt
+abcosψsinωt−b2sinψsinωt−absinωt+
2cosωt また、(1/4)波長板106の常光軸方向の成分をB
とすると、以下の式(2)のように示される。
【0043】 B=cos(ωt−θ+ψ)sinθ+sin(ωt−θ)cosθ =cosωtsinθcosθcosψ+cosωtsin2θsinψ+sinωtsin2θcosψ−sinω tsinθcosθsinψ+sinωtcos2θ−cosωtsinθcosθ =abcosψcosωt+a2sinψcosωt+a2cosψsinωt−absinψsinωt+ b2sinωt−abcosωt・・・式(2) さらに、これら式(1)、式(2)を整理すると、以下
の式(3)、式(4)が得られる。
【0044】式(3)
【0045】
【数1】
【0046】∵m=b2cosψ+absinψ+a2 ∵n=abcosψ−b2sinψ−ab ∵φ1=tan-1(m/n) 式(4)
【0047】
【数2】
【0048】∵u=abcosψ+a2sinψ−ab ∵v=a2cosψ−absinψ+b2 ∵φ2=tan-1(u/v) A、Bの振幅|A|、|B|は、式(3)、式(4)よ
り、それぞれ以下の式(5)、式(6)で示される。
【0049】 |B|2=u2+v2=(abcosψ+a2sinψ−ab)2+(a2cosψ−absin ψ+b22 =a4(sin2ψ+cos2ψ)−2a3bsinψ+a22(sin2ψ+cos2ψ+1)−2 ab3sinψ+b4 =a4−2a3bsinψ−2ab3sinψ+b4+2a22 =(a2+b22−2absinψ(a2+b2) =1−2absinψ =1−2sinθcosθsinψ =1−sin2θsinψ・・・式(5) ∵a2+b2=sin2θ+cos2θ=1 |A|2=m2+n2=(b2cosψ+absinψ+a22+(abcosψ−b2sin ψ−ab)2 =b4(cos2ψ+sin2ψ)+2ab3sinψ+a22(sin2ψ+cos2ψ+1)+2 a3bsinψ+a4 =b4+2ab3sinψ+2a22+2a3bsinψ+a4 =(a2+b22+2absinψ(a2+b2) =1+2absinψ =1+2sinθcosθsinψ =1+sin2θsinψ・・・式(6) 各光検出103,104から出力される光検出出力A,
Bは、光源が発する光束の光出力に比例しているが、こ
れは振幅の2乗に比例するので、式(5)、式(6)
は、以下の式(7)、式(8)で表される。
【0050】A=1+sin2θsinψ・・・式(7) B=1−sin2θsinψ・・・式(8) これら式(7)、式(8)の左右辺をそれぞれ割ると、
以下の式(9)が得られる。
【0051】 A/B=(1+sin2θsinψ)/(1−sin2θsinψ)・・・式(9) ところで、光ディスクのディスク基板においては、常光
軸及び異常光軸の方向は、成型時の分子の広がり方向に
存在していることが知られている。すなわち、光ディス
クにおいては、常光軸及び異常光軸は、記録トラックの
接線方向及び法線方向に存在しているので、複屈折測定
器の構造より、θは45°となる。したがって、式
(9)は、以下の式(10)となる。
【0052】 A/B=(1+sinψ)/(1−sinψ)・・・式(10) これをψについて解くと、以下の式(11)が得られ
る。
【0053】sinψ=(A−B)/(A+B) ψ=sin-1(A−B)/(A+B)・・・式(11) この式(11)より、A,Bの電圧がわかれば、ディス
ク基板における複屈折量がわかる。
【0054】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る複屈折測定
器校正方法においては、位相板を被測定物として複屈折
測定器による第1の測定を行い、この第1の測定の結果
に基づいて位相板の回転角度位置についての校正を行
い、位相板の光軸回りの回転角度位置を少なくとも4つ
の異なる角度位置として該複屈折測定器による第2の測
定を行い、これら第2の測定の結果に基づいて複屈折測
定器の校正を行う。
【0055】そして、上記本発明に係る複屈折測定器校
正方法を実施するための本発明に係る複屈折測定器校正
装置は、複屈折量測定器に対して固定して設置される基
台部と、位相板と、基台部に対して回転可能に配設され
位相板を光軸回りに回転可能として支持する第1の回転
部材と、基台部及び第1の回転部材に対して回転可能と
なされ該基台部に対する回転角度を表示する回転角度表
示手段を有する第2の回転部材とを備えて構成されてい
る。
【0056】この複屈折測定器校正装置においては、第
1及び第2の回転部材を相対回転させることにより、位
相板の回転角度位置についての校正が行え、第1及び第
2の回転部材を一体的に基台部に対して回転させること
により、位相板の光軸回りの回転角度位置を異なる角度
位置とすることができる。
【0057】すなわち、本発明は、複屈折測定器の校正
のための手間を増大させることなく、校正による生産性
の低下を防止しつつ、校正時の測定対象となる位相板の
回転角度位置の数を増大させることができる複屈折測定
器校正装置及び複屈折測定器校正方法を提供することが
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複屈折測定器校正装置を用いて校
正をなされる複屈折測定器の構成を示す側面図である。
【図2】上記複屈折測定器校正装置であって透過型の複
屈折測定器について使用されるものの構成を示す側面図
である。
【図3】上記複屈折測定器校正装置であって反射型の複
屈折測定器について使用されるものの構成を示す側面図
である。
【図4】複屈折測定器に装着された状態の上記複屈折測
定器校正装置の構成を示す縦断面図である。
【図5】上記複屈折測定器校正装置の構成を示す平面図
である。
【図6】上記複屈折測定器校正装置を用いて複屈折測定
器の校正をする際に得られる測定値を示すグラフであ
る。
【図7】上記複屈折測定器校正装置を用いて複屈折測定
器の校正をした後に得られる測定値を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 位相板、2 基台部、3 第1の回転部材、4 第
2の回転部材、5 ロックピン、6 反射ミラー、7
角度目盛り、101 光源部、102 偏光ビームスプ
リッタ、103 第1の光検出器、104 第2の光検
出器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物となる透明材料中の複屈折量を
    測定する複屈折測定器における測定値の校正に用いる複
    屈折測定器校正装置であって、 上記複屈折量測定器に対して固定して設置される基台部
    と、 位相板と、 上記基台部に対して回転可能に配設され、上記位相板を
    光軸回りに回転可能として支持する第1の回転部材と、 上記基台部及び上記第1の回転部材に対して回転可能と
    なされ、該基台部に対する回転角度を表示する回転角度
    表示手段を有する第2の回転部材とを備え、 上記位相板を被測定物として設置し、上記複屈折測定器
    による測定を行い、この測定結果に基づいて上記第1の
    回転部材及び上記第2の回転部材間の回転角度位置の校
    正を行い、次いで、該位相板の光軸回りの回転角度位置
    を少なくとも4つの異なる角度位置として該複屈折測定
    器による測定を行い、これら測定結果に基づいて該複屈
    折測定器の校正を行うことを特徴とする複屈折測定器校
    正装置。
  2. 【請求項2】 複屈折測定器は、円偏光状態の光束を発
    する光源部と、この光源部から発せられ被測定物を経た
    光束が入射される偏光ビームスプリッタと、この偏光ビ
    ームスプリッタにおいて反射された光束を受光する第1
    の光検出器と、該偏光ビームスプリッタを透過した光束
    を受光する第2の光検出器とを備えて構成されており、 第1の回転部材及び第2の回転部材間の回転角度位置の
    校正は、位相板の光軸回りの回転角度位置のうち、上記
    第1の光検出器の光検出出力が極小、かつ、上記第2の
    光検出器の光検出出力が極大となった位置を0°位置と
    定義し、該第1の光検出器の光検出出力が極大、かつ、
    該第2の光検出器の光検出出力が極小となった位置を9
    0°位置と定義することによって行い、 上記位相板の光軸回りの回転角度位置を異なる角度位置
    にするときには、第1の回転部材及び第2の回転部材を
    相対的に固定した状態で、これら各回転部材を基台部に
    対して回転させることを特徴とする請求項1記載の複屈
    折測定器校正装置。
  3. 【請求項3】 被測定物となる透明材料中の複屈折量を
    測定する複屈折測定器における測定値の校正を行う複屈
    折測定器校正方法であって、 位相板を被測定物として複屈折測定器による第1の測定
    を行い、 この第1の測定の結果に基づいて上記位相板の回転角度
    位置についての校正を行い、 上記位相板の光軸回りの回転角度位置を少なくとも4つ
    の異なる角度位置として該複屈折測定器による第2の測
    定を行い、 これら第2の測定の結果に基づいて上記複屈折測定器の
    校正を行うことを特徴とする複屈折測定器校正方法。
  4. 【請求項4】 複屈折測定器は、円偏光状態の光束を発
    する光源部と、この光源部から発せられ被測定物を経た
    光束が入射される偏光ビームスプリッタと、この偏光ビ
    ームスプリッタにおいて反射された光束を受光する第1
    の光検出器と、該偏光ビームスプリッタを透過した光束
    を受光する第2の光検出器とを備えて構成されており、 位相板の回転角度位置についての校正は、この位相板の
    光軸回りの回転角度位置のうち、上記第1の光検出器の
    光検出出力が極小、かつ、上記第2の光検出器の光検出
    出力が極大となった位置を0°位置と定義し、該第1の
    光検出器の光検出出力が極大、かつ、該第2の光検出器
    の光検出出力が極小となった位置を90°位置と定義す
    ることによって行うことを特徴とする請求項3記載の複
    屈折測定器校正方法。
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