JP2002071454A - 冷却装置および光検出装置 - Google Patents

冷却装置および光検出装置

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JP2002071454A JP2000260017A JP2000260017A JP2002071454A JP 2002071454 A JP2002071454 A JP 2002071454A JP 2000260017 A JP2000260017 A JP 2000260017A JP 2000260017 A JP2000260017 A JP 2000260017A JP 2002071454 A JP2002071454 A JP 2002071454A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立てや取り扱いが容易で、断熱室内の真空
状態を長時間維持することができ、しかも輻射熱に起因
する冷却対象体の温度上昇を防止する。 【解決手段】 真空容器11の内部に配置された冷媒容
器13と、低熱伝導性素材で形成されて冷媒容器13に
突設された冷却ヘッドCHと、冷却ヘッドCHに連結さ
れ冷却対象体18が固定される台座14と、高熱伝導性
金属素材で有底筒状に形成されて冷却対象体18を覆い
かつ開口部が台座14によって閉塞された状態で台座1
4に固定されると共に真空容器11の外部から導入され
て冷却対象体18に接続されるケーブル23〜25が外
周面に巻き回される内ケース27と、高熱伝導性金属素
材で有底筒状に形成され外周面が高い熱反射性を有する
素材で形成されると共にケーブル23〜25を内周面と
内ケース27の外周面とで挟み込んだ状態で内ケース2
7に嵌め合わせ可能な外ケース28とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒によって冷却
対象体を冷却する冷却装置、および、その冷却装置によ
って所定温度に冷却された状態で入射光を検出する冷却
対象体としての光検出手段を備えた光検出装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】この種の冷却装置を備えた光検出装置と
して、出願人は、図5に示す光検出装置51を既に開発
している。この光検出装置51は、アバランシェホトダ
イオード18を光検出手段として用いて微弱な近赤外域
光を検出可能に構成されている。この場合、アバランシ
ェホトダイオード18は温度変化に非常に敏感な特性を
有しているため、近赤外域光の検出に際しては、アバラ
ンシェホトダイオード18を一定温度(例えば−150
℃)に冷却する必要がある。このため、光検出装置51
は、アバランシェホトダイオード18を設定温度に冷却
する冷却部52を備えている。
【0003】冷却部52は、図外の真空ポンプで内気を
排気されて内部に断熱室S1が形成される真空容器11
と、この断熱室S1内に配置されて液化窒素LNを貯留
可能な冷媒容器13と、熱伝導率の低い素材で形成され
冷媒容器13の底部から下方に突設された冷却ヘッドC
Hと、上面が冷却ヘッドCHの下端部に連結されて下面
に冷却対象体であるアバランシェホトダイオード18が
固定される台座14と、台座14の柱状部14aに巻き
回されてアバランシェホトダイオード18の冷却温度を
調節するヒータ16と、台座14に取り付けられて台座
14の温度に応じたセンサ信号を出力する温度センサ1
7とを備えている。また、冷却部52は、樹脂フィルム
で有底の円筒体に形成されると共にその外面に熱反射率
の高い金属材料がコーティングされ(いわゆるスーパー
インシュレーション)、アバランシェホトダイオード1
8、台座14および冷却ヘッドCHを覆うようにして断
熱室S1内に配置された断熱キャップ29を備えてい
る。
【0004】この場合、温度センサ17は、図外の温度
制御部に接続されている。また、温度制御部は、温度セ
ンサ17のセンサ信号に基づいてアバランシェホトダイ
オード18の冷却温度を近似的に検出し、その検出した
冷却温度が目標冷却温度になるようにヒータ16を通電
制御して台座14の温度を調整する。一方、断熱キャッ
プ29は、真空容器11からの輻射熱を反射し、この輻
射熱によるアバランシェホトダイオード18、台座14
および冷却ヘッドCHの温度上昇を防止することによ
り、真空による断熱効果を一層高めている。
【0005】この光検出装置51では、冷媒容器13内
に液化窒素LNを注入することにより、冷却ヘッドCH
を介して台座14が目標冷却温度に向けて冷却される。
この場合、冷却ヘッドCHが熱伝導率の低い素材で形成
されているため、台座14は徐々に冷却される。このた
め、台座14に取り付けられたアバランシェホトダイオ
ード18を目標冷却温度に維持する際に、ヒータ16の
通電量を少なくすることができ、液化窒素LNの蒸発量
を抑制することができる。また、温度センサ17に接続
されたセンサ信号伝達用の信号ケーブル22、並びにア
バランシェホトダイオード18に接続された信号光入射
用の光ファイバーケーブル23、電源ケーブル24、お
よび信号ケーブル25(以下、これらのケーブル22〜
25を総称して単にケーブル22〜25ともいう)を伝
導して真空容器11の外部から台座14に熱が伝導する
のを防止するため、ケーブル22〜25を冷却ヘッドC
Hに熱的に接触させて台座14の温度に近い温度まで冷
却している。具体的には、ケーブル22〜25を冷却ヘ
ッドCHまたは台座14の柱状部14aに巻き付けて熱
的に接触させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この冷却部
52には、以下の改善すべき点がある。すなわち、この
冷却部52では、ケーブル22〜25を冷却ヘッドCH
等に巻き付けた構造となっている。このため、ケーブル
22〜25の巻き付けが緩んでケーブル22〜25と冷
却ヘッドCH等との間で良好な熱的接触が得られなくな
るおそれがあり、かかる場合には、外部からの熱がケー
ブル22〜25を介して台座14やアバランシェホトダ
イオード18に伝導してしまい、アバランシェホトダイ
オード18を正確に設定温度に維持するのが困難とな
る。そこで、ケーブル22〜25と冷却ヘッドCH等と
の間の熱的に確実に接触させるために、巻き付けたケー
ブル22〜25を接着剤で冷却ヘッドCH等に固定する
構造も考えられる。しかし、その場合には、接着剤がガ
スを放出するため、断熱室S1内を真空状態に維持する
のが困難となる。また、断熱キャップ29を構成する樹
脂フィルムは、厚さが数十μm以下と非常に薄く、組立
てや取り扱いが難しい上に、樹脂フィルムがガスを放出
するため、断熱室S1内を真空状態に維持するのが困難
となる。
【0007】本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みて
なされたものであり、組立てや取り扱いが容易で、断熱
室内の真空状態を長時間維持することができ、しかも輻
射熱に起因する冷却対象体の温度上昇を防止し得る冷却
装置を提供することを主目的とする。また、その冷却装
置を用いて光検出手段を冷却可能な光検出装置を提供す
ることを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載の冷却装置は、真空容器の内部に配置されて
冷媒を貯留可能に構成された冷媒容器と、低熱伝導性素
材で柱状に形成されると共に冷媒容器に突設された冷却
ヘッドと、一端面が冷却ヘッドに連結されると共に他端
面に冷却対象体が固定される台座と、高熱伝導性の金属
素材で有底筒状に形成されて冷却対象体を覆いかつその
開口部が台座の他端面によって閉塞された状態で台座に
固定されると共に真空容器の外部から内部に導入されて
冷却対象体に接続されるケーブルの中間部が外周面に巻
き回される内ケースと、高熱伝導性の金属素材で有底筒
状に形成され少なくとも外周面が高い熱反射性を有する
素材で形成されると共に内ケースに巻き回されたケーブ
ルをその内周面と内ケースの外周面とで挟み込んだ状態
で内ケースに嵌め合わせ可能な外ケースとを備えている
ことを特徴とする。この場合、「低熱伝導性」とは、低
い熱伝導率を有する性質をいい、「高熱伝導性」とは、
高い熱伝導率を有する性質をいうものとする。
【0009】請求項2記載の冷却装置は、請求項1記載
の冷却装置において、台座または冷却ヘッドに巻き回さ
れて台座を加熱可能な加熱手段と、真空容器の外部から
内部に導入されるケーブルが接続されると共に台座の他
端面に取り付けられて台座の温度を検出する温度検出手
段と、温度検出手段の検出温度が目標温度よりも低下し
たときに加熱手段を駆動して台座を目標冷却温度に維持
する温度制御部とを備え、内ケースの外周面には、温度
検出手段に接続されるケーブルの中間部が巻き回され、
外ケースは、両ケーブルを挟み込んだ状態で内ケースに
嵌め合わせ可能に構成されていることを特徴とする。
【0010】請求項3記載の冷却装置は、請求項1また
は2記載の冷却装置において、内ケースは、少なくとも
外周面が高い熱反射率を有する素材で形成されているこ
とを特徴とする。
【0011】請求項4記載の冷却装置は、請求項1から
3のいずれかに記載の冷却装置において、台座は、少な
くとも外表面が高い熱反射率を有する素材で形成されて
いることを特徴とする。
【0012】請求項5記載の光検出装置は、請求項1か
ら4のいずれかに記載の冷却装置と、冷却対象体として
台座に固定された光検出手段とを備え、光検出手段は冷
却装置によって目標冷却温度に冷却された状態で入射光
を検出することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る冷却装置を光検出素子の冷却部に適用した光検
出装置の好適な実施の形態について説明する。なお、出
願人が既に開発している光検出装置51と同一の構成要
素については、同一の符号を付して重複した説明を省略
する。
【0014】光検出装置1は、大気中の水滴や塵の測定
などの環境測定、各種工業分野におけるガスや微量物質
の分析、および医療診断などに応用可能な光検出装置で
あって、例えば波長0.9μm〜1.55μmの近赤外
域光を光パワー0.0001pW〜10pWの範囲で高
検出効率で検出可能に構成されている。具体的には、光
検出装置1は、図4に示すように、光検出手段としての
アバランシェホトダイオード18を設定温度(目標冷却
温度)に冷却する冷却部2と、アバランシェホトダイオ
ード18の検出信号に基づいて入射光を検出する光検出
部3とを備えている。冷却部2は、本発明における冷却
装置に相当し、図1に示すように、真空容器11、連結
材12、冷媒容器13、冷却ヘッドCH、ヒータ16、
温度センサ17および温度制御部4(図4参照)を備え
ている。真空容器11は、例えばステンレススチールで
全体として箱状に形成され、冷媒容器13を吊り下げた
状態で所定位置に保持すると共に、連結材12および冷
媒容器13と相俟って形成される内部空間の内気を真空
ポンプで排気されることにより、真空状態の断熱室S1
を形成する。また、真空容器11には、蓋15で開閉自
在な冷媒注入口11aが形成され、この冷媒注入口11
aを介して冷媒容器13に冷媒(一例として液化窒素L
N)が注入される。この場合、蓋15は、断熱性に優れ
軽量の発泡樹脂で形成され、図2に示すように、冷媒注
入口11aに装着された状態では、気化した液化窒素L
Nを外部に放出させるための僅かな隙間Hが連結材12
との間に形成される。連結材12は、低熱伝導性の素材
(例えば発泡樹脂)で筒状に形成され、冷媒容器13を
断熱室S1内に取り下げた状態で真空容器11と冷媒容
器13とを連結する。
【0015】冷媒容器13は、例えば、ステンレススチ
ールで箱状に形成され、その内部空間S2に液化窒素L
Nを貯留可能に構成されている。また、冷媒容器13の
外壁(一例として底面13a)には、冷却ヘッドCHが
下方に向けて突出した状態で連結され、さらにその冷却
ヘッドCHの下端部には、台座14の上面(一端面)が
連結されている。この場合、冷却ヘッドCHは、低熱伝
導性素材(ステンレス等)で形成され、台座14が液化
窒素LNによって急激に冷やされない構造となってい
る。また、台座14は、高熱伝導性の金属素材を用いて
形成され、かつ真空容器11からの熱の輻射を遮蔽すべ
く、例えば、その表面に金メッキ処理を施すことによっ
て、高い熱反射率を有するように形成されている。
【0016】光検出部3は、図4に示すように、アバラ
ンシェホトダイオード18、検出部5、電源部6および
制御部7を備えている。アバランシェホトダイオード1
8は、本発明における光検出手段を構成し、温度センサ
17と共に台座14の下面(他端面)に固定されてい
る。また、図3に示すように、アバランシェホトダイオ
ード18は、有底の筒状に形成された2つのケース(内
ケース27および外ケース28)で覆われている。この
場合、各ケース27,28は、高熱伝導性の金属素材
(一例として高純度の銅)で形成され、さらにその外周
面および内周面に金メッキ処理が施されて高い熱反射率
でかつ低い熱放射率を有するように形成されている。し
たがって、両ケース27,28は、熱輻射によって熱を
吸収しにくく、かつケースの内部に熱を放射しにくく構
成されている。また、内ケース27は、台座14の下面
で開口部が閉塞されるようにして、その下面に固定され
る。また、内ケース27の外周面には、電源ケーブル2
4、信号ケーブル22,25および光ファイバーケーブ
ル23が巻き回れている。この場合、内ケース27が台
座14と同じ温度に維持されるため、内ケース27は、
各ケーブル22〜25に対する熱アンカーとして機能す
る。ここで、内ケース27とすべてのケーブル22〜2
5との間の熱的接触をできる限り良好にするためには、
各ケーブル22〜25の直径を揃え、かつ各ケーブル2
2〜25を一層で巻き回すのが好ましい。ケーブル22
〜25は、内ケース27の開口部付近からその外周面に
巻き回され、内ケース27の底面から内ケース27の内
部に導入される。
【0017】一方、外ケース28は、内ケース27より
も若干大きめの外形に形成され、その内周面と内ケース
27の外周面との間に隙間が生じ、かつ内ケース27の
全体を覆った状態で、内ケース27に嵌め合わせが可能
に構成されている。この場合、この隙間の大きさは、内
ケース27の外周面に巻き回したケーブル22〜25
を、内ケース27の外周面と外ケース28の内周面との
間で挟み込んで内ケース27に密着させることができる
程度に設定されている。したがって、上述したように各
ケーブル22〜25の直径を揃え、一層で巻き回す場合
には、その隙間の大きさは各ケーブル22〜25の直径
にほぼ等しく設定される。なお、内ケース27に外ケー
ス28を嵌め合わせた際には、各ケーブル22〜25
は、外ケース28の口縁と内ケース27の口縁との間の
隙間から外ケース28の外部に導出される。この外ケー
ス28は、その外周面に施された金メッキによって真空
容器11からの輻射熱を反射することにより、アバラン
シェホトダイオード18の温度上昇を防止する。このた
め、内ケース27には金メッキを施さずに、外ケース2
8のみに金メッキを施す構成を採用することも可能であ
る。また、外ケース28の外周面のみに金メッキを施す
構成を採用することも可能である。
【0018】光ファイバーケーブル23は、図1に示す
ように、導入部23aを挿通させられて真空容器11の
外部に配置された図外の集光光学系に接続されている。
また、各ケーブル21,22,24,25の一端部は、
導入用端子26,26・・に接続され、各導入用端子2
6,26・・は、図4に示すように、温度制御部4、検
出部5または電源部6にそれぞれ接続されている。さら
に、各ケーブル21,22,24,25の他端部は、ヒ
ータ16、温度センサ17またはアバランシェホトダイ
オード18に接続されている。
【0019】次に、光検出装置1の全体的な動作につい
て説明する。
【0020】最初に、真空容器11の冷媒注入口11a
から冷媒容器13の内部空間S2に液化窒素LNを注入
し、次いで、冷媒注入口11aに蓋15を装着する。こ
の状態では、台座14は、冷却ヘッドCHを介して冷媒
容器13に連結されているため、冷媒容器13内の液化
窒素LNによって徐々に設定温度(目標冷却温度)に向
けて冷却される。この際に、冷媒容器13内で気化した
液化窒素LNは冷媒注入口11aおよび蓋15の間の隙
間Hから真空容器11の外部に放出される。この後、温
度制御部4が、温度センサ17のセンサ信号に基づいて
台座14の温度を検出し、設定温度よりも低下したとき
には、ヒータ16を通電制御して台座14を加熱する。
これにより、台座14は、液化窒素LNによる冷却とヒ
ータ16による加熱とで温度制御されて設定温度に維持
される。
【0021】一方、アバランシェホトダイオード18の
冷却温度と断熱室S1の外気温度との間には、百数十℃
の温度差が生じており、外気によって暖められた真空容
器11の熱が断熱室S1内に輻射する。この場合、外ケ
ース28は、その周面に金メッキが施されているため、
輻射熱を反射し、僅かに吸収した場合でも、内ケース2
7側に熱を殆ど放射しない。このため、真空容器11か
らの輻射熱に起因するアバランシェホトダイオード18
の温度上昇が防止される。また、外ケース28が輻射熱
を吸収して若干の熱を放射した場合であっても、内ケー
ス27にも金メッキが施されているため、内ケース27
は、輻射熱を反射し、僅かに吸収した場合でも、その内
部側に熱を殆ど放射しない。同様にして、アバランシェ
ホトダイオード18が固定される台座14の表面にも金
メッキが施されているため、真空容器11からの輻射熱
による台座14の温度上昇が防止される。したがって、
アバランシェホトダイオード18は輻射熱に起因する温
度上昇がより確実に防止されて正確に設定温度に冷却さ
れる。同時に、ケーブル22〜25は、内ケース27と
外ケース28とで挟み込まれているため、内ケース27
の外周面に対して熱的に確実に接触した状態を維持して
いる。このため、ケーブル22〜25を介して真空容器
11の外部からの熱の流入が内ケース27による熱アン
カーによって防止されている。したがって、各ケーブル
22〜25を介してアバランシェホトダイオード18に
流入する熱量が最小かつほぼ一定となるため、アバラン
シェホトダイオード18は、より正確に一定温度に冷却
される。さらに、光検出装置51とは異なり、樹脂フィ
ルムで形成された断熱キャップ29を使用していないた
め、組立てや取り扱いが容易で、しかも、両ケース2
7,28がガスを発生しない結果、断熱室S1内を長時
間に亘って真空状態に維持することができる。
【0022】入射光の検出測定時には、図外の集光光学
系における絞りを閉じることによって、アバランシェホ
トダイオード18に対する信号光の入射を遮断する。続
いて、この状態において、検出部5が、アバランシェホ
トダイオード18を流れる暗電流に応じた電圧のパルス
信号に変換し、所定のしきい値を超えるパルス信号の数
をカウントする。次いで、集光光学系における絞りを開
くことによって信号光をアバランシェホトダイオード1
8に入射させる。この状態において、検出部5が、所定
のしきい値を超えるパルス信号の数をカウントし、信号
光が入射している状態のときのカウント値から、信号光
が遮断されている状態のときのカウント値を減算するこ
とによって、信号光のみに対応するカウント値を算出す
る。この場合、信号光の入射が遮断されている状態のと
きの雑音量に相当するカウント値が正確に相殺されるた
め、信号光の入射量を高精度で検出することができる。
【0023】なお、本発明は、上記した発明の実施の形
態に示した構成に限定されない。例えば、台座14の全
体を収納可能に内ケースを構成し、かつ、内ケース、台
座14および冷却ヘッドCHを外ケースで覆う構成を採
用することも可能である。この構成によれば、外ケース
を内ケースに嵌め合わせることで、内ケースの外周面と
外ケースの内周面との間でケーブル22〜25を挟み込
むことができ、同時に、台座14のみならず冷却ヘッド
CHも外ケースで覆うことができる。したがって、台座
14の表面に対する輻射熱対策用の金メッキ処理を不要
にすることができる。また、冷却ヘッドCHは冷媒容器
13の外壁から突出する構成であればよく、冷媒容器1
3の底面13aから突出する構成に限定されず、冷媒容
器13の側面から側方に突出する構成を採用することが
できる。また、真空容器11、冷媒容器13および台座
14などの形状も任意の形状(例えば、円筒状、角筒
状、箱状)に変更ができ、両ケース27,28も有底の
円筒状や角筒状に形成できるのは勿論である。
【0024】さらに、本発明の実施の形態では、冷媒と
して液化窒素LNを用いた例について説明したが、各種
低温冷媒を採用することができる。また、本発明の実施
の形態では、本発明における冷却装置を光検出装置の光
検出手段冷却用冷却部に適用した例について説明した
が、本発明における冷却対象体は、これに限定されな
い。さらに、本発明における光検出手段についても、本
発明の実施の形態に示したアバランシェホトダイオード
18に限定されず、PINホトダイオードなどの各種光
検出用ダイオードを用いることができる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の冷却装置
よれば、内ケースに巻き回されたケーブルを外ケースの
内周面と内ケースの外周面とで挟み込むことにより、内
ケースとケーブルとの熱的接触を良好な状態に維持する
ことができ、これにより、ケーブルを良好に熱アンカー
することができる。また、外ケースの外周面が、高い熱
反射率を有する素材で形成されているため、真空容器か
らの輻射熱による冷却対象体の温度上昇を有効に防止す
ることができる。加えて、内ケースおよび外ケースが金
属素材で形成されているため、組立てや取り扱いが容易
で、しかも、ガスを放出しないため、真空容器の真空度
低下を確実に防止することができる結果、冷媒による冷
却効率を一層向上させることができる。
【0026】また、請求項2記載の冷却装置によれば、
加熱手段、温度検出手段および温度制御部を備えたこと
により、請求項1記載の発明による効果に加えて、温度
検出手段に接続されるケーブルも内ケースに熱アンカー
することができるため、冷却対象体を正確に目標温度に
維持することができる。
【0027】さらに、請求項3記載の冷却装置によれ
ば、内ケースの少なくとも外周面が高い熱反射率を有す
る素材で形成されているため、真空容器や外ケースから
の輻射熱による内ケースの温度上昇を有効に防止できる
結果、輻射熱による冷却対象体の温度上昇を防止するこ
とができる。
【0028】また、請求項4記載の冷却装置によれば、
外ケースで台座を覆わない構成を採用した場合であって
も、台座の外表面が高い熱反射率を有する素材で形成さ
れているため、真空容器からの輻射熱による台座の温度
上昇を防止することができる結果、冷却対象体の温度上
昇も防止することができる。
【0029】また、請求項5記載の光検出装置によれ
ば、光検出手段を目標冷却温度に正確に維持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光検出装置1の構成
を示す断面図である。
【図2】光検出装置1の真空容器11における冷媒注入
口11a近傍の断面図である。
【図3】光検出装置1における温度センサ17およびア
バランシェホトダイオード18近傍の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る光検出装置1の構成
を示すブロック図である。
【図5】出願人が既に開発している光検出装置51の構
成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光検出装置 2 冷却部 4 温度制御部 11 真空容器 13 冷媒容器 14 台座 16 ヒータ 17 温度センサ 18 アバランシェホトダイオード 22,25 信号ケーブル 23 光ファイバーケーブル 24 電源ケーブル 27 内ケース 28 外ケース CH 冷却ヘッド LN 液化窒素 S1 断熱室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 真 長野県上田市大字小泉字桜町81番地 日置 電機株式会社内 (72)発明者 田中 光喜 長野県上田市大字小泉字桜町81番地 日置 電機株式会社内 Fターム(参考) 2G065 AA04 AB02 BA07 BB02 CA17 CA21 3L044 AA04 BA01 CA13 DB03 EA04 KA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器の内部に配置されて冷媒を貯留
    可能に構成された冷媒容器と、低熱伝導性素材で柱状に
    形成されると共に前記冷媒容器に突設された冷却ヘッド
    と、一端面が前記冷却ヘッドに連結されると共に他端面
    に冷却対象体が固定される台座と、高熱伝導性の金属素
    材で有底筒状に形成されて前記冷却対象体を覆いかつそ
    の開口部が前記台座の前記他端面によって閉塞された状
    態で当該台座に固定されると共に前記真空容器の外部か
    ら内部に導入されて前記冷却対象体に接続されるケーブ
    ルの中間部が外周面に巻き回される内ケースと、高熱伝
    導性の金属素材で有底筒状に形成され少なくとも外周面
    が高い熱反射性を有する素材で形成されると共に前記内
    ケースに巻き回された前記ケーブルをその内周面と当該
    内ケースの外周面とで挟み込んだ状態で当該内ケースに
    嵌め合わせ可能な外ケースとを備えていることを特徴と
    する冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記台座または前記冷却ヘッドに巻き回
    されて当該台座を加熱可能な加熱手段と、前記真空容器
    の外部から内部に導入されるケーブルが接続されると共
    に前記台座の前記他端面に取り付けられて当該台座の温
    度を検出する温度検出手段と、当該温度検出手段の検出
    温度が目標温度よりも低下したときに前記加熱手段を駆
    動して前記台座を目標冷却温度に維持する温度制御部と
    を備え、前記内ケース前記の外周面には、前記温度検出
    手段に接続されるケーブルの中間部が巻き回され、前記
    外ケースは、前記両ケーブルを挟み込んだ状態で前記内
    ケースに嵌め合わせ可能に構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記内ケースは、少なくとも外周面が高
    い熱反射率を有する素材で形成されていることを特徴と
    する請求項1または2記載の冷却装置。
  4. 【請求項4】 前記台座は、少なくとも外表面が高い熱
    反射率を有する素材で形成されていることを特徴とする
    請求項1から3のいずれかに記載の冷却装置。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の冷却
    装置と、前記冷却対象体として前記台座に固定された光
    検出手段とを備え、当該光検出手段は前記冷却装置によ
    って目標冷却温度に冷却された状態で入射光を検出する
    ことを特徴とする光検出装置。
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