JP2002068227A - 飲料用容器の栓体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓋体内側のパッキンの洗浄を容易にする。 【解決手段】 容器本体２開口部内周壁に螺着脱自在に
設けられた筒体９の開口部を開閉する蓋体１０の天井壁
１０ｂの一部に開口部１０ｅを形成し、天井壁開口部１
０ｅを塞ぐとともに筒体開口部を覆う弾性シール部材１
５を天井壁１０ｂ内側に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、飲料用容器の栓体
に関する。

【０００２】

【従来の技術】飲料用容器では、容器本体の開口部と該
開口部を開閉する蓋体との間、または、容器本体開口部
に螺着脱自在に設けられる栓部材と該栓部材の開口部を
開閉する蓋体との間に、水密性を保持するパッキンを介
在させている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、繰り返し使
用する飲料用容器の栓体では、パッキンも洗浄する必要
があるが、一般的に、パッキンは蓋体の天井壁内側に嵌
着されているので、取り外しが困難で十分な洗浄ができ
なかった。

【０００４】そこで本発明は、パッキンの洗浄を容易に
した飲料用容器の栓体を提供することを目的としてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明は、容器本体開口部に螺着脱自在に設けら
れる飲料用容器の栓体において、該栓体は、天井壁の一
部に開口部を形成し、該天井壁内側に前記開口部を塞ぐ
とともに前記筒体開口部を覆う弾性シール部材を有する
ことを特徴とし、前記栓体は、容器本体開口部内周壁に
螺着脱自在に設けられて上部を容器本体開口部より上方
に突出させる筒体と、該筒体の上部に螺着脱自在に設け
られて筒体開口部を開閉する蓋体とで構成されているこ
とが好ましい。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を魔法瓶の栓体に適
用した実施形態例を図面に基づいて、さらに詳細に説明
する。図１及び図２は本発明の第１実施形態例を示すも
ので、飲料用容器１は、断熱構造の容器本体２と、該容
器本体２の上部に着脱可能に装着される栓体３とで構成
されている。容器本体２は、上部を開口した金属製の内
容器４及び外容器５の上端同士を一体に接合したもの
で、両容器４，５間に真空断熱構造の断熱部６を有して
いる。内容器４は、胴部４ａから連続する肩部４ｂを小
径に絞り、肩部４ｂから連続する首部４ｃを肩部最上部
よりやや大径にして、首部４ｃ下部に段部４ｄを形成
し、首部４ｃ内周壁に、前記栓体３を螺着するネジ部４
ｅを形成している。外容器５は、胴部５ａ外周に合成樹
脂製の握り部７を嵌着し、首部５ｂ外周壁に、合成樹脂
製の首部材８を螺着するネジ部５ｃを形成している。

【０００７】前記栓体３は、容器本体２の開口部内周壁
の前記ネジ部４ｅに螺着脱自在に設けられて上部を容器
本体２の開口部より上方に突出させる合成樹脂製の筒体
９と、該筒体９の上部に螺着脱自在に設けられて筒体９
の開口部を開閉する合成樹脂製の蓋体１０とを有してい
る。

【０００８】前記筒体９は、前記内容器４のネジ部４ｅ
に螺着される胴部９ａと、該胴部９ａの上部に連続して
容器本体２の開口部より上方に突出する肩部９ｂと、該
肩部９ｂの上部に連続する首部９ｃとからなり、肩部９
ｂで径を絞り込んだ形状に形成されている。

【０００９】前記胴部９ａ外周には、前記内容器４のネ
ジ部４ｅに螺合するネジ部９ｄが形成されるとともに、
該ネジ部９ｄの上下には、下部に前記内容器４の段部４
ｄ内周壁に密着する下部パッキン１１の嵌着溝９ｅが、
上部に前記内容器４のネジ部４ｅ上部の内周壁に密着す
る上部パッキン１２の嵌着溝９ｆがそれぞれ形成されて
いる。前記下部パッキン１１の嵌着溝９ｅの上部壁９ｇ
には切り欠き部９ｈが形成されている。また、肩部９ｂ
外周には、筒体９を螺動する握り部部材１３が固設され
ている。さらに、首部９ｃ外周には、前記蓋体１０を螺
着するネジ部９ｉが形成されている。

【００１０】前記蓋体１０は、周壁１０ａと天井壁１０
ｂとを有している。周壁１０ａ内周には、前記筒体９の
ネジ部９ｉに螺合するネジ部１０ｃが形成されている。
また、周壁１０ａ外周下部には、前記首部材８との間に
連結される紐状の連結部材１４の接続部１０ｄが形成さ
れている。天井壁１０ｂには、中央部に円形の開口部１
０ｅと、該開口部１０ｅの周囲下面を囲む筒状の鍔部１
０ｆとが形成されている。この天井壁１０ｂ内側には、
前記筒体９の開口部全面を覆う弾性シール部材１５が備
えられている。このシール部材１５は、天井壁１０ｂと
筒体９の開口部上端縁とに挟まれて固定される外周部１
５ａと、前記鍔部１０ｆを挟む折り曲げ部１５ｂと、前
記鍔部１０ｆ内側の前記開口部１０ｅに挿入される塞ぎ
部１５ｃとで構成されている。

【００１１】このように構成することにより、シール部
材１５を洗浄する際には、筒体９から取り外した蓋体１
０の開口部１０ｅ内の塞ぎ部１５ｃを外から押せば、シ
ール部材１５を取り外すことができ、シール部材１５を
十分に洗浄できる。

【００１２】また、この栓体３を備えた飲料用容器１に
は、炭酸飲料を入れておくことができる。すなわち、容
器本体２に炭酸飲料を入れると、炭酸飲料中の炭酸ガス
の発生により上昇する容器本体２内の圧力で、前記筒体
９が径方向に膨らみ、ネジ部９ｄと前記内容器４のネジ
部４ｅとの螺合を強めるとともに、下部パッキン１１及
び上部パッキン１２を内容器４の首部４ｃ内周壁に強く
密着させるから、栓体３が容器本体２から外れにくい構
造となる。

【００１３】このように強く密着した栓体３を取り外す
際には、握り部部材１３を握って栓体３を緩める方向に
回動すると、筒体９が上方向に動くと同時に下部パッキ
ン１１が外方向に動き、嵌着溝９ｅとの間に隙間が発生
し、容器本体２の内部圧力がこの隙間から前記切り欠き
部９ｈを通って容器本体２の外部へ抜け、筒体９のネジ
部９ｄと前記内容器４のネジ部４ｅとの螺合が弱まると
ともに、下部パッキン１１の密着力も弱くなって、スム
ースな取り外しが可能となる。なお、胴部５ａ外周の握
り部７と筒体９を螺動する握り部部材１３とをエラスト
マー樹脂等の弾性部材で形成することにより、滑り止め
となって、筒体９の螺着・取り外しが容易かつ確実に行
える。

【００１４】また、筒体９の上部を容器本体２の開口部
より上方へ突出させることにより、筒体９内の上部が空
洞となり、容器本体２内の圧力が上昇しても、この空洞
部分で圧力を保持するバッファー効果が得られる。さら
に、蓋体１０に備えられたシール部材１５の塞ぎ部１５
ｃの弾性力を弱くしておくと、容器本体２内の圧力が上
昇した際に、シール部材１５の塞ぎ部１５ｃが蓋体１０
の開口部１０ｅから外方向に膨らみ、蓋体１０を装着し
た状態で容器本体２内の圧力状態を確認することができ
る。また、炭酸飲料だけでなく、容器本体２に熱い飲料
を入れて容器本体２内の圧力が上昇した場合も同様に容
器本体２内の圧力を感知することができる。

【００１５】なお、蓋体１０の天井壁１０ｂとシール部
材１５の塞ぎ部１５ｃの色を変えることにより、塞ぎ部
１５ｃをより目立たせることができる。また、蓋体１０
と容器本体２の首部材８との間を紐状の連結部材１４で
連結することにより、例え容器本体２内に若干の圧力が
残っていても、蓋体１０が飛ぶことがない。さらに、連
結部材１４を伸縮可能な弾性部材とすることにより、連
結部材１４の長さを短くでき、余分に弛ませることがな
いから邪魔にならない。

【００１６】図３は本発明の第２実施形態例を示すもの
である。なお、前記第１実施形態例と同一要素には同一
の符号を付して説明する。コップ状の蓋体２０は、周壁
２０ａ内周に容器本体２のネジ部５ｃに螺合するネジ部
２０ｂを形成し、天井壁２０ｃに、中央部に円形の開口
部２０ｄと、該開口部２０ｄの周囲下面を囲む筒状の鍔
部２０ｅとを形成し、天井壁２０ｃ内側に、前記第１実
施形態例と同様に、容器本体２の開口部全面を覆う弾性
シール部材１５を備えたものである。

【００１７】なお、シール部材１５の形状は、上記各実
施形態例のものに限定されるものではなく、蓋体天井壁
の形状に合わせ、平板状のものや断面ハット形状であっ
てもよい。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、容器本
体開口部に螺着脱自在に設けられる栓体の天井壁の一部
に開口部を形成し、天井壁開口部を塞ぐとともに筒体開
口部を覆う弾性シール部材を天井壁内側に設けたので、
蓋体の開口部内のシール部材を外から押せば、シール部
材を蓋体から取り外すことができ、シール部材を十分に
洗浄できる。また、シール部材の弾性力を弱くしておけ
ば、容器本体内の圧力が上昇した際に、開口部内のシー
ル部材が膨らんで、容器本体内の圧力状態を確認でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の第１実施形態例を示す飲料用容器の
上部断面図

【図２】 図１のＩＩ−ＩＩ断面図

【図３】 第２実施形態例を示す飲料用容器の上部断面
図

【符号の説明】

１…飲料用容器、２…容器本体、３，２０…栓体、４…
内容器、４ｅ…内容器のネジ部、５…外容器、６…断熱
部、９…筒体、１０…蓋体、１０ｂ…蓋体の天井壁、１
０ｃ…蓋体のネジ部、１０ｅ…蓋体の開口部、１５…シ
ール部材、１５ｃ…塞ぎ部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 初本 邦生 東京都港区西新橋１丁目16番７号 日本酸 素株式会社内 Ｆターム(参考） 3E084 AA02 AA12 AA22 AB01 BA02 CA01 CC03 DA01 DB09 DB12 DC03 EA04 EC03 FA09 FB01 FB03 GA04 GB04 GB17 HA01 HA03 HA04 HB04 HC03 HD01 HD04 KB01 LA17 4B002 AA01 AA03 AA13 BA07 BA15 CA02 CA14 CA50

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体開口部に螺着脱自在に設けられ
   る飲料用容器の栓体において、該栓体は、天井壁の一部
   に開口部を形成し、該天井壁内側に前記開口部を塞ぐと
   ともに前記筒体開口部を覆う弾性シール部材を有するこ
   とを特徴とする飲料用容器の栓体。
2. 【請求項２】 前記栓体は、容器本体開口部内周壁に螺
   着脱自在に設けられて上部を容器本体開口部より上方に
   突出させる筒体と、該筒体の上部に螺着脱自在に設けら
   れて筒体開口部を開閉する蓋体とで構成されていること
   を特徴とする請求項１記載の飲料用容器の栓体。